JP2012209122A - 固体酸化物形燃料電池セル、それを備えた燃料電池モジュール、および燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料ガス流路の入口側で発生するセル内部改質を充分に進めることができ、燃料電池セルに発生する温度分布を小さくできる固体酸化物形燃料電池セル、固体酸化物形燃料電池モジュール、さらには燃料電池装置を得る。
【解決手段】並設方向で隣接する3つの燃料ガス流路を、上流側燃料ガス流路2U、中間燃料ガス流路2M、下流側燃料ガス流路2Dとして構成し、上流側燃料ガス流路2Uの少なくとも一部又は全部を、燃料ガスに含まれるメタンを改質するセル内改質部として作動させ、中間燃料ガス流路2M及び下流側燃料ガス流路2Dを発電部として作動させる。
【選択図】図5
【解決手段】並設方向で隣接する3つの燃料ガス流路を、上流側燃料ガス流路2U、中間燃料ガス流路2M、下流側燃料ガス流路2Dとして構成し、上流側燃料ガス流路2Uの少なくとも一部又は全部を、燃料ガスに含まれるメタンを改質するセル内改質部として作動させ、中間燃料ガス流路2M及び下流側燃料ガス流路2Dを発電部として作動させる。
【選択図】図5
Description
本発明は、互いに平行な一対の平坦面を有し、内部に燃料ガスを流通させる燃料ガス流路を有する導電性支持体の一方側の前記平坦面上に、燃料極層、固体電解質層、空気極層が順に積層され、他方側の前記平坦面上に、インターコネクタが積層されて成り、
セルの一方側に設けられる燃料ガス供給部から前記燃料ガス流路に燃料ガスの供給を受けるとともに、セルの他方側に設けられるオフガス放出部へ前記燃料ガス流路を介して燃料ガスを放出する構成で、
前記導電性支持体の内部に、複数の前記燃料ガス流路を並設して備えた固体酸化物形燃料電池セル、それを備えた燃料電池モジュール、および燃料電池装置に関する。
セルの一方側に設けられる燃料ガス供給部から前記燃料ガス流路に燃料ガスの供給を受けるとともに、セルの他方側に設けられるオフガス放出部へ前記燃料ガス流路を介して燃料ガスを放出する構成で、
前記導電性支持体の内部に、複数の前記燃料ガス流路を並設して備えた固体酸化物形燃料電池セル、それを備えた燃料電池モジュール、および燃料電池装置に関する。
このような固体酸化物形燃料電池セルとして、互いに平行な一対の平坦面を有し、内部に燃料ガスを流通させるための燃料ガス流路を有するとともに、Niを含有してなる導電性支持体の一方側の平坦面上に、燃料極層、固体電解質層、空気極層を順に積層するとともに、他方側の平坦面上にインターコネクタが積層されてなる固体酸化物形燃料電池セルが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この種の固体酸化物形燃料電池セルは、その複数と、前記空気極層に電気的に接続される第一面と、前記インターコネクタに電気的に接続される第二面とを備えた集電部材との複数とを、集電部材の第一面に特定の固体酸化物形燃料電池セルの空気極層が電気的に接続され、集電部材の第二面に別の固体酸化物形燃料電池セルのインターコネクタが電気的に接続される形態で、固体酸化物形燃料電池セルと集電部材とを交互に配置して設け、固体酸化物形燃料電池モジュールを構成する。
更に、当該固体酸化物形燃料電池モジュールを所定形状の収納容器内に収納し、前記燃料ガス流路に燃料ガスを、さらに、前記燃料ガスに対する酸素含有ガスを前記収納容器内に供給することで、電力を発生させることができる。
この種の固体酸化物形燃料電池セルは、その複数と、前記空気極層に電気的に接続される第一面と、前記インターコネクタに電気的に接続される第二面とを備えた集電部材との複数とを、集電部材の第一面に特定の固体酸化物形燃料電池セルの空気極層が電気的に接続され、集電部材の第二面に別の固体酸化物形燃料電池セルのインターコネクタが電気的に接続される形態で、固体酸化物形燃料電池セルと集電部材とを交互に配置して設け、固体酸化物形燃料電池モジュールを構成する。
更に、当該固体酸化物形燃料電池モジュールを所定形状の収納容器内に収納し、前記燃料ガス流路に燃料ガスを、さらに、前記燃料ガスに対する酸素含有ガスを前記収納容器内に供給することで、電力を発生させることができる。
従来型の固体酸化物形燃料電池セルでは、特許文献1に記載されるように、セルの一方側に設けられる燃料ガス供給部(特許文献1に記載の例では、セルの下方に設けられるマニホールド16)から燃料ガスの供給を受けるとともに、セルの他方側に設けられるオフガス放出部(特許文献1に記載の例では、セルの上方部位でセルと改質器20との間の空間)へ燃料ガス流路を介してオフガス(通常、このオフガスには、発電により生成される生成ガスの他、発電に供されなかった燃料ガスも含まれる。以下同じ)を放出する構成が採用されており、導電性支持体1の内部に、複数の上下方向に直線を成す燃料ガス流路が並設して備えられていた。
ここで、特許文献1の図1、2から明らかなように、並設される燃料ガス流路は、多くの場合、その流路径が同一とされるとともに、その流路長も同一とされ、燃料ガスは、燃料ガス流路を下方から上方へ並行流を成して流れる構成とされていた。
ここで、特許文献1の図1、2から明らかなように、並設される燃料ガス流路は、多くの場合、その流路径が同一とされるとともに、その流路長も同一とされ、燃料ガスは、燃料ガス流路を下方から上方へ並行流を成して流れる構成とされていた。
さらに、従来型の固体酸化物形燃料電池セルにあっては、その作動温度が高いため、燃料電池セルの入口部位において、改質を完了しなかった未改質燃料(例えば、都市ガスの主成分であるメタン)が燃料電池セルの入口部位(即ち、燃料ガス流路側の入口近傍)で、内部改質されることが知られていた(特許文献2〔0020段落〕)。本願にあっては、この燃料電池内部で発生する改質を、燃料電池セルスタックとは別に、燃料電池モジュール内に設けられる改質器による改質とは区別するため、セル内部改質と呼ぶ。ここで、燃料にメタンを含む場合は、メタンの改質は、CH4+H2O→3H2+COとなる反応である。この燃料電池セルの入口部位(即ち、燃料ガス流路側の入口近傍)では、セル内部改質が起るとともに、同時に発電反応も起こる。
よく知られているように、改質反応は吸熱反応であり、発電反応は発熱反応である。さらに、固体酸化物形燃料電池セルにおいて、燃料ガス流路から放出されるオフガスには、発電反応により生成される生成ガスの他、燃料ガスが含まれており、オフガス放出部に別途流れる空気等の酸素含有ガスとともに燃焼炎を形成する。
各燃料ガス流路に関して述べると、各燃料ガス流路に、下部側に位置される燃料ガス供給部から未改質燃料(例えばメタン)を含む燃料ガスが供給され、燃料ガス流路の入口側がセル内改質部且つ発電部となり、燃料ガス流路の中間位置から上部が発電部となり、オフガス放出部に燃焼炎が形成される。
この構成にあっては、燃料ガス流路に注目した場合、燃料ガス供給部側からオフガス放出部側に向かって吸熱反応部(セル内改質部)から発熱反応部(発電部)となり、さらに、その上方に燃焼炎が形成されている。従って、燃料電池セルをその燃料ガス供給部からオフガス放出部に向かう上下方向で見た場合に、温度分布が大きい。このように温度分布が大きいと、燃料電池セルに与える影響が大きく、その継続的な運転に改善の余地がある。
さらに、発電に伴って発生する熱を充分にセル内部改質に利用しているとは言えず、改善の余地がある。
各燃料ガス流路に関して述べると、各燃料ガス流路に、下部側に位置される燃料ガス供給部から未改質燃料(例えばメタン)を含む燃料ガスが供給され、燃料ガス流路の入口側がセル内改質部且つ発電部となり、燃料ガス流路の中間位置から上部が発電部となり、オフガス放出部に燃焼炎が形成される。
この構成にあっては、燃料ガス流路に注目した場合、燃料ガス供給部側からオフガス放出部側に向かって吸熱反応部(セル内改質部)から発熱反応部(発電部)となり、さらに、その上方に燃焼炎が形成されている。従って、燃料電池セルをその燃料ガス供給部からオフガス放出部に向かう上下方向で見た場合に、温度分布が大きい。このように温度分布が大きいと、燃料電池セルに与える影響が大きく、その継続的な運転に改善の余地がある。
さらに、発電に伴って発生する熱を充分にセル内部改質に利用しているとは言えず、改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、燃料ガス流路の入口側で発生するセル内部改質を充分に進めることができ、燃料電池セルに発生する温度分布を小さくできる固体酸化物形燃料電池セル、固体酸化物形燃料電池モジュール、さらには燃料電池装置を得ることにある。
上記目的を達成することができる、互いに平行な一対の平坦面を有し、内部に燃料ガスを流通させる燃料ガス流路を有する導電性支持体の一方側の前記平坦面上に、燃料極層、固体電解質層、空気極層が順に積層され、他方側の前記平坦面上に、インターコネクタが積層されて成り、
セルの一方側に設けられる燃料ガス供給部から前記燃料ガス流路に燃料ガスの供給を受けるとともに、セルの他方側に設けられるオフガス放出部へ前記燃料ガス流路を介して燃料ガスを放出する構成で、前記導電性支持体の内部に、複数の前記燃料ガス流路を並設して備えた固体酸化物形燃料電池セルの第1の特徴構成は、
並設方向で並設される燃料ガス流路として、
前記燃料ガス供給部側に開放され、下流側燃料ガス流路に連通される上流側燃料ガス流路と、
当該上流側燃料ガス流路に連通され、前記オフガス放出部側に開放された下流側燃料ガス流路と、
さらに、前記上流側燃料ガス流路から燃料ガスの供給を受け、前記下流側燃料ガス流路に燃料ガスを供給する中間燃料ガス流路とを有し、
前記上流側燃料ガス流路の少なくとも一部又は全部を、前記燃料ガスに含まれる未改質燃料を改質するセル内改質部及び発電部とし、前記中間燃料ガス流路及び前記下流側燃料ガス流路を発電部とする構成としたことにある。
セルの一方側に設けられる燃料ガス供給部から前記燃料ガス流路に燃料ガスの供給を受けるとともに、セルの他方側に設けられるオフガス放出部へ前記燃料ガス流路を介して燃料ガスを放出する構成で、前記導電性支持体の内部に、複数の前記燃料ガス流路を並設して備えた固体酸化物形燃料電池セルの第1の特徴構成は、
並設方向で並設される燃料ガス流路として、
前記燃料ガス供給部側に開放され、下流側燃料ガス流路に連通される上流側燃料ガス流路と、
当該上流側燃料ガス流路に連通され、前記オフガス放出部側に開放された下流側燃料ガス流路と、
さらに、前記上流側燃料ガス流路から燃料ガスの供給を受け、前記下流側燃料ガス流路に燃料ガスを供給する中間燃料ガス流路とを有し、
前記上流側燃料ガス流路の少なくとも一部又は全部を、前記燃料ガスに含まれる未改質燃料を改質するセル内改質部及び発電部とし、前記中間燃料ガス流路及び前記下流側燃料ガス流路を発電部とする構成としたことにある。
この固体酸化物形燃料電池セルでは、上流側燃料ガス流路は、燃料ガス供給部から燃料ガスを受け入れ、実質的に、少なくとも導電性支持体、若しくは当該部位と下流側に備えられる燃料ガス流路への燃料ガスの供給元としての役割を果たす。一方、下流側燃料ガス流路は、主に上流側燃料ガス流路から燃料ガスの供給を受け、且つ前記オフガス放出部へオフガスの放出を行う燃料ガス流路とする。
そして、中間燃料ガス流路は、一端側燃料ガス流路から燃料ガスの供給を受け、他端側燃料ガス流路に燃料ガスを供給する燃料ガス流路として働く。
この構成では、上流側燃料ガス流路の少なくとも一部又は全部を、燃料ガスと共に含まれる未改質燃料を改質するセル内改質部及び発電部として作動させ、上流側燃料ガス流路の残部及び中間燃料ガス流路及び下流側燃料ガス流路を発電部として作動させることにより、セル内改質部の横に他の発電部が存在することとなり、この他の発電部で発生した熱をセル内改質部で充分に利用できる。
そして、中間燃料ガス流路は、一端側燃料ガス流路から燃料ガスの供給を受け、他端側燃料ガス流路に燃料ガスを供給する燃料ガス流路として働く。
この構成では、上流側燃料ガス流路の少なくとも一部又は全部を、燃料ガスと共に含まれる未改質燃料を改質するセル内改質部及び発電部として作動させ、上流側燃料ガス流路の残部及び中間燃料ガス流路及び下流側燃料ガス流路を発電部として作動させることにより、セル内改質部の横に他の発電部が存在することとなり、この他の発電部で発生した熱をセル内改質部で充分に利用できる。
従って、燃料ガス流路の入口側で発生するセル内部改質を充分に進めることができ、燃料電池セルに発生する温度分布を小さくできる固体酸化物形燃料電池セル、固体酸化物形燃料電池モジュール、さらには固体酸化物形燃料電池を得ることができる。
このように、前記上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路を形成するには、並設方向で互いに並ぶ燃料ガス流路を、それぞれ上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路とすることができる。この構成にあっては、その一部がセル内改質部となっている上流側燃料ガス流路に隣接して発電部となる中間燃料ガス流路が位置するため、セル内改質部で発電部の熱を充分に利用することができる。
さらに、一群とされる複数の燃料ガス流路が、上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路の少なくとも一つを構成することとしてもよい。
この構成では、それぞれ前記上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路とされる燃料ガス流路間で流量のばらつきを吸収できる。さらに、燃料電池セルスタックを全体としてみた場合、従来技術の構造と比較して、発電部が燃料ガス供給部側に位置されるため、セル内改質を促進でき燃料ガス供給部からオフガス放出部に向かう方向において発生していた温度分布を低下させることが可能となる。
この構成では、それぞれ前記上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路とされる燃料ガス流路間で流量のばらつきを吸収できる。さらに、燃料電池セルスタックを全体としてみた場合、従来技術の構造と比較して、発電部が燃料ガス供給部側に位置されるため、セル内改質を促進でき燃料ガス供給部からオフガス放出部に向かう方向において発生していた温度分布を低下させることが可能となる。
前記燃料ガス流路の燃料ガス供給部側若しくはオフガス放出部側或いは、各燃料ガス流路間の連通を行うに、
前記燃料ガス供給部から前記オフガス放出部に向かう方向であるガス流通方向の複数の燃料ガス流路の端部外側に、燃料ガス流路調整部材を設け、
前記燃料ガス流路調整部材により、前記燃料ガス流路の閉止又は開放あるいはそれらの両方を行うことができる。
前記燃料ガス供給部から前記オフガス放出部に向かう方向であるガス流通方向の複数の燃料ガス流路の端部外側に、燃料ガス流路調整部材を設け、
前記燃料ガス流路調整部材により、前記燃料ガス流路の閉止又は開放あるいはそれらの両方を行うことができる。
このように構成する場合は、複数の燃料ガス流路の端部外側に、燃料ガス流路調整部材を設けることにより、当該燃料ガス流路調整部材で、複数の燃料ガス流路の開放・燃料ガス流路間の連通を任意に設定することができる。
これまで説明してきた固体酸化物形燃料電池セルは、それら複数と、前記空気極層に電気的に接続される第一面と、前記インターコネクタに電気的に接続される第二面とを備えた集電部材との複数とを備え、前記集電部材の第一面に特定の固体酸化物形燃料電池セルの前記空気極層が電気的に接続され、前記集電部材の第二面に別の固体酸化物形燃料電池セルの前記インターコネクタが電気的に接続される形態で、固体酸化物形燃料電池セルと集電部材とを交互に配置して設けた固体酸化物形燃料電池モジュールを構成することができる。
また、これまで説明してきた固体酸化物形燃料電池モジュールを備えた燃料電池装置を得ることができる。
以下、本願に係る燃料電池装置FC、燃料電池モジュールFCM、及び固体酸化物形燃料電池セル(以下、単に燃料電池セルと呼ぶことがある)に関して、図面に基づいて説明する。
燃料電池装置FCの概略
図1に燃料電池装置FCの概略構造を、図2に、燃料電池モジュールFCMの外観斜視図を示した。
図1、図2に示すように、燃料電池装置FCは、概略、外装ケース50内に燃料電池モジュールFCMと、燃料電池セルスタック装置CSを動作させるための補機とを収納して構成されている。
これら図からも判明するように、燃料電池装置FCは、外装ケース50内を仕切板51により上下に区画した構成とされており、その上方室52が燃料電池モジュールFCMを収納するモジュール収納室とされ、下方室53が燃料電池モジュールFCMを動作させるための補機類(図示省略)を収納する補機収納室とされている。
燃料電池装置FCの概略
図1に燃料電池装置FCの概略構造を、図2に、燃料電池モジュールFCMの外観斜視図を示した。
図1、図2に示すように、燃料電池装置FCは、概略、外装ケース50内に燃料電池モジュールFCMと、燃料電池セルスタック装置CSを動作させるための補機とを収納して構成されている。
これら図からも判明するように、燃料電池装置FCは、外装ケース50内を仕切板51により上下に区画した構成とされており、その上方室52が燃料電池モジュールFCMを収納するモジュール収納室とされ、下方室53が燃料電池モジュールFCMを動作させるための補機類(図示省略)を収納する補機収納室とされている。
仕切板51には、下方室53の空気を上方室52側に流すための空気流通口54が設けられており、外装板25には、上方室52内の空気を排気するための排気口55が設けられている。
燃料電池モジュール・燃料電池セルスタック装置
図2は、燃料電池モジュールFCMの一例を示す外観斜視図であり、燃料電池モジュールFCMは直方体状の収納容器30の内部に燃料電池セルスタック装置CSを収納して構成されている。
図2は、燃料電池モジュールFCMの一例を示す外観斜視図であり、燃料電池モジュールFCMは直方体状の収納容器30の内部に燃料電池セルスタック装置CSを収納して構成されている。
この例では、燃料電池セル10にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器20を燃料電池セルスタック12の上方に配置している。改質器20で生成された燃料ガスは、ガス流通管21を介して燃料電池セルスタック装置CSの下部領域に設けられたマニホールドMに供給され、このマニホールドMを介して燃料電池セル10の内部に設けられた燃料ガス流路2に供給される。
図2は、収納容器30の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されている燃料電池セルスタック装置CSおよび改質器20を後方に取り出した状態を示している。
収納容器30の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材22は、マニホールドMに並置された一対の燃料電池セルスタック12の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル10の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、燃料電池セル10の下端部に酸素含有ガスを供給する。そして、収容容器30内に酸素含有ガスを供給し燃料電池セル10内での発電の用に供するとともに、燃料電池セル10のガス流路より排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル10の上端部側で燃焼させる。このように、燃料電池セル10の上端部側にて、燃料電池セル10のガス流路から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、燃料電池セル10(燃料電池セルスタック12)の上方に配置された改質器20を温めることができる。
図3に示すように、各燃料電池セルスタック12は、燃料電池セル10の複数個を、集電部材13を介して電気的に直列に接続して構成される。図3(a)は燃料電池セルスタック装置CSを概略的に示す側面図であり、図3(b)は(a)の燃料電池セルスタック装置CSの上下方向中間断面の横断面の一部拡大平面図である。(b)で示す燃料電池セル10においては、インターコネクタ8上にP型半導体層17を設けた例を示している。
この例においては、燃料電池セルスタック装置CSは、各燃料電池セル10を集電部材13を介して配列することで燃料電池セルスタック12を構成しており、各燃料電池セル10の下端が、燃料電池セル10に燃料ガスを供給するためのマニホールドMに、ガラスシール材等の接着剤により固定されている。また、燃料電池セル10の配列方向の両端から集電部材13を介して燃料電池セルスタック12を挟持するように、マニホールドMに下端が固定された弾性変形可能な導電部材14を具備している。
導電部材14においては、燃料電池セル10の配列方向に沿って外側に向けて延びた形状で、燃料電池セルスタック12(燃料電池セル10)の発電により生じる電流を引出すための電流引出し部15が設けられている。
以上、燃料電池装置FC、燃料電池モジュールFCM装置、燃料電池セルスタック装置に関して説明した。これら構成に関しては、従来形の装置構成と変わるところはない。
以下、本願独特の構成を有する燃料電池セルについて説明する。本願では、燃料電池セルの実施形態として、第1実施形態、第2実施形態を紹介する。これらの実施形態において、その異なるところは、「複合形燃料ガス流路200」の形成形態であるため、先ず、全ての実施形態で共通する共通構成に関して説明する。
以下、本願独特の構成を有する燃料電池セルについて説明する。本願では、燃料電池セルの実施形態として、第1実施形態、第2実施形態を紹介する。これらの実施形態において、その異なるところは、「複合形燃料ガス流路200」の形成形態であるため、先ず、全ての実施形態で共通する共通構成に関して説明する。
図4は、本発明の燃料電池セルの概略構造を示すものであり、その斜視図である。燃料電池セル10の各構成を一部拡大等して示している。図4は、図3において燃料電池セル10を、その上下方向中間断面を示した図面である。
燃料電池セル10は、中空平板型の燃料電池セル10で、断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状をしたNiを含有してなる多孔質の導電性支持体1を備えている。導電性支持体1の内部には、適当な間隔で複数の燃料ガス流路2が長手方向に形成されており、燃料電池セル10は、この導電性支持体1上に各種の部材が設けられた構造を有している。
導電性支持体1は、互いに平行な一対の平坦面nと、一対の平坦面nをそれぞれ接続する弧状面(側面)mとで構成されている。平坦面nの両面は互いにほぼ平行に形成されており、平坦面nの一方の表面と両側の弧状面mを覆うように多孔質な燃料極層3が設けられており、さらに、この燃料極層3を覆うように、緻密質な固体電解質層4が積層されている。また、固体電解質層4には、中間層5を介して、燃料極層3と対面するように、多孔質な空気極層6が積層されている。また、燃料極層3および固体電解質層4が積層されていない他方の平坦面nには、密着層7を介してMgを含有してなるインターコネクタ8が形成されている。
燃料極層3および固体電解質層4は、両端の弧状面mを経由してインターコネクタ8(密着層7)の両サイドにまで延びており、導電性支持体1の表面が外部に露出しないように構成されている。
ここで、燃料電池セル10は、燃料極層3と空気極層6との対面している部分が電極として機能して発電する。即ち、空気極層6の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ導電性支持体1内の燃料ガス流路2に燃料ガス(水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより発電する。そして、かかる発電によって生成した電流は、導電性支持体1に取り付けられているインターコネクタ8を介して集電される。
以下、燃料電池セル10を構成する各部材について説明する。
導電性支持体1は、燃料ガスを燃料極層3まで透過させるためにガス透過性であること、インターコネクタ8を介して集電を行うために導電性であることが要求されることから、例えば、Niおよび/またはNiOと、特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。
特定の希土類酸化物とは、導電性支持体1の熱膨張係数を固体電解質層4の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y、Lu(ルテチウム)、Yb、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd、Sm、Pr(プラセオジム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が、Niおよび/またはNiOとの組み合わせで使用することができる。このような希土類酸化物の具体例としては、Y2O3、Lu2O3、Yb2O3、Tm2O3、Er2O3、Ho2O3、Dy2O3、Gd2O3、Sm2O3、Pr2O3を例示することができ、Niおよび/またはNiOとの固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層4とほとんど同程度であり、かつ安価であるという点から、Y2O3、Yb2O3が好ましい。
また、導電性支持体1は、燃料ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、導電性支持体1の導電率は、300S/cm以上、特に440S/cm以上であることが好ましい。
燃料極層3は、電極反応を生じさせるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスにより形成することが好ましい。例えば、希土類元素が固溶したZrO2または希土類元素が固溶したCeO2と、Niおよび/またはNiOとから形成することができる。なお、希土類元素としては、導電性支持体1において例示した希土類元素を用いることができ、例えばYが固溶したZrO2(YSZ)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
燃料極層3中の希土類元素が固溶したZrO2または希土類元素が固溶しているCeO2の含有量は、35〜65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNiあるいはNiOの含有量は、65〜35体積%であるのが好ましい。さらに、この燃料極層3の開気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましい。
固体電解質層4は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2からなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層4は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましい。
なお、固体電解質層4と後述する空気極層6の間に、固体電解質層4と空気極層6との接合を強固とするとともに、固体電解質層4の成分と空気極層6の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で中間層5を備えることもでき、図4に示した燃料電池セル10においては中間層5を備えた例を示している。
ここで、中間層5としては、Ce(セリウム)と他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができる。
また、空気極層6は、ガス透過性を有する必要があり、従って、空気極層6を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
また、導電性支持体1の空気極層6側と反対側の平坦面n上には、密着層7を介してMgを含有してなるインターコネクタ8が積層されている。
インターコネクタ8としては、導電性セラミックスにより形成されることが好ましいが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、耐還元性、耐酸化性を有する導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用され、特に導電性支持体1と固体電解質層4との熱膨張係数を近づける目的から、BサイトにMgが存在するLaCrMgO3系酸化物が用いられる。なおMgのモル量は、インターコネクタ8の熱膨張係数が、導電性支持体1および固体電解質層4の熱膨張係数に近づくように、具体的には10〜12ppm/Kとなるように適宜調整することができる。
さらに、導電性支持体1とインターコネクタ8との間には、インターコネクタ8と導電性支持体1との間の熱膨張係数差を軽減する等のために密着層7が形成されている。
このような密着層7としては、燃料極層3と類似した組成とすることができる。例えば、希土類酸化物、希土類元素が固溶したZrO2、希土類元素が固溶したCeO2のうち少なくとも1種と、Niおよび/またはNiOとから形成することができる。
以上が、本願の燃料電池セルの共通構成である。
以下、第1実施形態、第2実施形態を紹介する。
図5、図6、図7は、上下方向が図3(a)の上下方向である。即ち、図3(a)下側に、マニホールドMが位置されており、このマニホールドMが燃料ガス供給部70となっている。一方、図3(a)上側が、燃料ガス流路2からオフガス(生成ガス及び燃料ガスから成る)が開放されるオフガス放出部80となっている。先にも説明したように、このオフガス放出部80では、この放出部位に開放される燃料ガスが酸素含有ガスと混合され、燃焼炎81が形成される。図5、図6、図7には、実線矢印で、主に燃料ガスの流れ方向を示している。
以下、第1実施形態、第2実施形態を紹介する。
図5、図6、図7は、上下方向が図3(a)の上下方向である。即ち、図3(a)下側に、マニホールドMが位置されており、このマニホールドMが燃料ガス供給部70となっている。一方、図3(a)上側が、燃料ガス流路2からオフガス(生成ガス及び燃料ガスから成る)が開放されるオフガス放出部80となっている。先にも説明したように、このオフガス放出部80では、この放出部位に開放される燃料ガスが酸素含有ガスと混合され、燃焼炎81が形成される。図5、図6、図7には、実線矢印で、主に燃料ガスの流れ方向を示している。
第1実施形態
図5に示すように、この実施形態では、並設方向で隣接する3の燃料ガス流路2で、本願に言う「複合形燃料ガス流路200」を構成するようにしている。図5では、一対の「複合形燃料ガス流路200」を備えており、断面視で燃料電池セル10の幅方向両端側で燃料ガスの供給を受け、中央側で開放して、燃料炎81が形成される構造が採用されている。
以下、図上、左側に位置する「複合形燃料ガス流路200」に関して説明する。
図上、3の燃料ガス流路2のうち、左側に位置する(即ち一方の並設方向端に位置する)一端側燃料ガス流路2Uを、燃料ガス供給部70側に開放され、下流側の燃料ガス流路2Mに連通された上流側燃料ガス流路2Uとしている。一方、3の燃料ガス流路2のうち、右側に位置する(他方の並設方向端に位置する)他端側燃料ガス流路を上流側の燃料ガス流路2Mに連通され、オフガス放出部80側に開放された下流側燃料ガス流路2Dとして構成している。さらに、一端側燃料ガス流路2Uと他端側燃料ガス流路2Dとの間に位置する燃料ガス流路2を、一端側燃料ガス流路2Uから燃料ガスの供給を受け、他端側燃料ガス流路2Dに燃料ガスを供給する中間燃料ガス流路2Mとして構成している。この例では、上流側燃料ガス流路2Uの一部又は全部がセル内改質部及び発電部となり、中間燃料ガス流路2M及び下流側燃料ガス流路2Dが発電部となる。
図5に示すように、この実施形態では、並設方向で隣接する3の燃料ガス流路2で、本願に言う「複合形燃料ガス流路200」を構成するようにしている。図5では、一対の「複合形燃料ガス流路200」を備えており、断面視で燃料電池セル10の幅方向両端側で燃料ガスの供給を受け、中央側で開放して、燃料炎81が形成される構造が採用されている。
以下、図上、左側に位置する「複合形燃料ガス流路200」に関して説明する。
図上、3の燃料ガス流路2のうち、左側に位置する(即ち一方の並設方向端に位置する)一端側燃料ガス流路2Uを、燃料ガス供給部70側に開放され、下流側の燃料ガス流路2Mに連通された上流側燃料ガス流路2Uとしている。一方、3の燃料ガス流路2のうち、右側に位置する(他方の並設方向端に位置する)他端側燃料ガス流路を上流側の燃料ガス流路2Mに連通され、オフガス放出部80側に開放された下流側燃料ガス流路2Dとして構成している。さらに、一端側燃料ガス流路2Uと他端側燃料ガス流路2Dとの間に位置する燃料ガス流路2を、一端側燃料ガス流路2Uから燃料ガスの供給を受け、他端側燃料ガス流路2Dに燃料ガスを供給する中間燃料ガス流路2Mとして構成している。この例では、上流側燃料ガス流路2Uの一部又は全部がセル内改質部及び発電部となり、中間燃料ガス流路2M及び下流側燃料ガス流路2Dが発電部となる。
結果、この実施形態では、燃料ガスは、上流側燃料ガス流路2Uに流入し、主に、導電性支持体1内及び中間燃料ガス流路2Mを流れ、さらに導電性支持体1内を介して下流側燃料ガス流路2Dに排出され、その後、オフガス放出部80側に放出される。ここで、上流側燃料ガス流路2Uから中間燃料ガス流路2Mへの移動において、さらに、中間燃料ガス流路2Mから下流側燃料ガス流路2Dへの移動において、燃料ガスは導電性支持体1内を相互拡散して燃料極3に到達する。
図から判明するように、この例では、燃料ガス流路の入口2I或いは出口2Oに、その流路内への燃料ガスの流入、或いはその流路からの燃料ガスの流出をコントロール(調整)するための燃料ガス流路調整部材である調整用プレートMcを設けている。
即ち、燃料電池セル10の両端部に、入口側調整用プレートMcI及び出口側調整用プレートMcOを設け、燃料ガス流路調整部材により、燃料ガス流路の開放、閉止、上流側或いは下流側燃料ガス流路との連通を行っている。
入口側調整用プレートMcIには、燃料ガス供給部70側に開口する流通孔p1と、燃料ガス供給部70側に対して閉止され、中間燃料ガス流路2Mと下流側燃料ガス流路2Dとを連通する連通孔p2を設けている。ここで、流通孔p1,p2は、燃料ガス供給部70側において遮断されている。
出口側調整用プレートMcOには、オフガス放出部80側に対して閉止され、上流側燃料ガス流路2Uと中間燃料ガス流路2Mとを連通する連通孔p3を備えている。この出口側調整用プレートMcOは、下流側燃料ガス流路2Dのオフガス放出部80側において開口している。
従って、この例では、「複合形燃料ガス流路200」では、燃料ガスが実線矢印で示すように、燃料ガス供給部70から、上方流、下方流さらに上方流として移流し、オフガス放出部80に流れる。
即ち、燃料電池セル10の両端部に、入口側調整用プレートMcI及び出口側調整用プレートMcOを設け、燃料ガス流路調整部材により、燃料ガス流路の開放、閉止、上流側或いは下流側燃料ガス流路との連通を行っている。
入口側調整用プレートMcIには、燃料ガス供給部70側に開口する流通孔p1と、燃料ガス供給部70側に対して閉止され、中間燃料ガス流路2Mと下流側燃料ガス流路2Dとを連通する連通孔p2を設けている。ここで、流通孔p1,p2は、燃料ガス供給部70側において遮断されている。
出口側調整用プレートMcOには、オフガス放出部80側に対して閉止され、上流側燃料ガス流路2Uと中間燃料ガス流路2Mとを連通する連通孔p3を備えている。この出口側調整用プレートMcOは、下流側燃料ガス流路2Dのオフガス放出部80側において開口している。
従って、この例では、「複合形燃料ガス流路200」では、燃料ガスが実線矢印で示すように、燃料ガス供給部70から、上方流、下方流さらに上方流として移流し、オフガス放出部80に流れる。
結果、「複合形燃料ガス流路200」の圧力損失が増大することで、各燃料電池セル10間のばらつきを抑えることができ、セルの燃料利用率を向上できる。
この第1実施形態では、断面視で燃料電池セル10の幅方向両端側で燃料ガス供給部70側から燃料ガスの供給を受け、中央側でオフガス放出部80に放出して、燃料炎81が形成される構造としたが、この配置方向を逆として、断面視で燃料電池セル10の幅方向中央側で燃料ガス供給部70側から燃料ガスの供給を受け、両端側でオフガス放出部80に放出して、燃料炎81が形成される構造としてもよい。さらに、図7(a)に示すように、燃料電池セル10の幅方向一端側で燃料ガス供給部70から燃料ガスの供給を受け、他端側でオフガス放出部80に放出する構成の「複合形燃料ガス流路200」を、供給側放出側の位置関係を守ったまま、順に並べてもよい。さらに、図7(b)に示すように、中間燃料ガス流路2Mとして、オフガス放出部80及び燃料ガス供給部70の両方に対して閉止され、オフガス放出部80側から燃料ガス供給部70側から下降中間燃料ガス流路と、燃料ガス供給部70側からオフガス放出部80側へ向かう上昇下降中間燃料ガス流路とを設けて、2.5往復となる「複合形燃料ガス流路200」としてもよい。
さらに、図7(c)に示すように、図5に示す一対の「複合形燃料ガス流路200」の両端側に、別の「複合形燃料ガス流路200」を設けてもよい。
さらに、図7(c)に示すように、図5に示す一対の「複合形燃料ガス流路200」の両端側に、別の「複合形燃料ガス流路200」を設けてもよい。
第2実施形態
第1実施形態では、単一の燃料ガス流路2を組み合わせて、上流側燃料ガス流路2U、中間燃料ガス流路2M及び、下流側燃料ガス流路2Dを備えた「複合形燃料ガス流路200」を構成するようにしたが、この第2実施形態では、複数の燃料ガス流路2からなる燃料ガス流路群に属する燃料ガス流路2が、上流側燃料ガス流路2U或いは下流側燃料ガス流路2Dとされている。その他の点を除いては、屈曲構造に関しては、第2実施形態のものと同一である。
図6に示すように、この実施形態では、並設方向で隣接する3の燃料ガス流路群で、本願に言う「複合形燃料ガス流路200」を構成する。図6では、一対の「複合形燃料ガス流路200」を備えている。この例でも、断面視で燃料電池セル10の幅方向W両端側で燃料ガスの供給を受け、中央側で開放して、燃料炎が形成される構造が採用されている。
以下、図上、左側に位置する「複合形燃料ガス流路200」に関して説明する。
第1実施形態では、単一の燃料ガス流路2を組み合わせて、上流側燃料ガス流路2U、中間燃料ガス流路2M及び、下流側燃料ガス流路2Dを備えた「複合形燃料ガス流路200」を構成するようにしたが、この第2実施形態では、複数の燃料ガス流路2からなる燃料ガス流路群に属する燃料ガス流路2が、上流側燃料ガス流路2U或いは下流側燃料ガス流路2Dとされている。その他の点を除いては、屈曲構造に関しては、第2実施形態のものと同一である。
図6に示すように、この実施形態では、並設方向で隣接する3の燃料ガス流路群で、本願に言う「複合形燃料ガス流路200」を構成する。図6では、一対の「複合形燃料ガス流路200」を備えている。この例でも、断面視で燃料電池セル10の幅方向W両端側で燃料ガスの供給を受け、中央側で開放して、燃料炎が形成される構造が採用されている。
以下、図上、左側に位置する「複合形燃料ガス流路200」に関して説明する。
図上、最も左側に位置する(一方の並設方向端に位置する)一端側燃料ガス流路群40Lに属する2つの燃料ガス流路2のそれぞれを、燃料ガス供給部70側に開放され、下流側の燃料ガス流路2に連通された上流側燃料ガス流路2Uとして構成している。一方、右側に位置する(他方の並設方向端に位置する)他端側燃料ガス流路群40Rに属する2つの燃料ガス流路2のそれぞれを、上流側の燃料ガス流路2に連通され、オフガス放出部80側に開放された下流側燃料ガス流路2Dとして構成している。そして、一端側燃料ガス流路群40Lと他端側燃料ガス流路群40Rとの間に位置する燃料ガス流路群40Mに属する2つの燃料ガス流路2のそれぞれを、一端側燃料ガス流路群40Lから燃料ガスの供給を受け、他端側燃料ガス流路群40Rに燃料ガスを供給する中間燃料ガス流路2Mとして構成している。この例でも、上流側燃料ガス流路2Uの一部又は全部がセル内改質部及び発電部となり、中間燃料ガス流路2M及び下流側燃料ガス流路2Dが発電部となる。
この例でも、燃料ガス流路2の入口2I或いは出口2Oに、その流路内への燃料ガスの流入、或いはその流路からの燃料ガスの流出をコントロール(調整)するための燃料ガス流路調整部材である調整用プレートMcを設けている。
調整用プレートMcの構成は、第1実施形態と同様であり、この例では、2の燃料ガス流路2を単位燃料ガス流路群として構成している。
即ち、この例でも、燃料電池セルの両端部に、入口側調整用プレートMcI及び出口側調整用プレートMcOを設け、燃料ガス流路調整部材により、燃料ガス流路2の開放あるいは、他の燃料ガス流路2との連通状態の調整を行うのである。
入口側調整用プレートMcIには、燃料ガス供給部70に開口する流通孔p1と、燃料ガス供給部70側に対して閉止され、中間燃料ガス流路2Mと下流側燃料ガス流路2Dとを連通する連通孔p2を設けている。ここで、流通孔p1,p2は、燃料ガス供給部70側において遮断されている。
出口側調整用プレートMcOには、オフガス放出部80側に対して閉止され、上流側燃料ガス流路2Uと中間燃料ガス流路2Mとを連通する連通孔p3を備えている。この出口側調整用プレートMcOは、下流側燃料ガス流路2Dのオフガス放出部80側で開口している。
従って、この例でも、「複合形燃料ガス流路200」では、燃料ガスが実線矢印で示すように、燃料ガス供給部70から、上方流、下方流さらに上方流として移流し、オフガス放出部80に流れる。
調整用プレートMcの構成は、第1実施形態と同様であり、この例では、2の燃料ガス流路2を単位燃料ガス流路群として構成している。
即ち、この例でも、燃料電池セルの両端部に、入口側調整用プレートMcI及び出口側調整用プレートMcOを設け、燃料ガス流路調整部材により、燃料ガス流路2の開放あるいは、他の燃料ガス流路2との連通状態の調整を行うのである。
入口側調整用プレートMcIには、燃料ガス供給部70に開口する流通孔p1と、燃料ガス供給部70側に対して閉止され、中間燃料ガス流路2Mと下流側燃料ガス流路2Dとを連通する連通孔p2を設けている。ここで、流通孔p1,p2は、燃料ガス供給部70側において遮断されている。
出口側調整用プレートMcOには、オフガス放出部80側に対して閉止され、上流側燃料ガス流路2Uと中間燃料ガス流路2Mとを連通する連通孔p3を備えている。この出口側調整用プレートMcOは、下流側燃料ガス流路2Dのオフガス放出部80側で開口している。
従って、この例でも、「複合形燃料ガス流路200」では、燃料ガスが実線矢印で示すように、燃料ガス供給部70から、上方流、下方流さらに上方流として移流し、オフガス放出部80に流れる。
結果、導電性支持体内におけるガスの流れを流量が増大する方向に改善できるとともに、燃料ガス流路全体とした場合の圧力損失が増大することで、セルの利用効率を向上できるとともに、各燃料ガス流路全体間にばらつきを抑えることができる。
この第2実施形態と第1実施形態との差異は、複数の燃料ガス流路から、上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路をそれぞれ構成することにあるが、先に図7(a)(b)(c)で説明したと同様の構造を踏襲して、上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、さらに下流側燃料ガス流路のいずれか一つ以上を複数の燃料ガス流路2から構成するものとしてもよい。
燃料ガス流路の入口側で発生するセル内部改質を充分に進めることができ、燃料電池セルに発生する温度分布を小さくできる固体酸化物形燃料電池セル、固体酸化物形燃料電池モジュール、さらには燃料電池装置を得ることができた。
1 導電性支持体
2 燃料ガス流路
2U 上流側燃料ガス流路
2D 下流側燃料ガス流路
2M 中間燃料ガス流路
3 燃料極層
4 固体電解質層
5 中間層
6 空気極層
7 密着層
8 インターコネクタ
10 固体酸化物形燃料電池セル(燃料電池セル)
13 集電部材
70 燃料ガス供給部
80 オフガス放出部
FC 燃料電池装置
FCM 燃料電池モジュール
CS 燃料電池セルスタック装置
Mc 調整用プレート(燃料ガス流路調整部材)
p1、p2、p3 連通路
2 燃料ガス流路
2U 上流側燃料ガス流路
2D 下流側燃料ガス流路
2M 中間燃料ガス流路
3 燃料極層
4 固体電解質層
5 中間層
6 空気極層
7 密着層
8 インターコネクタ
10 固体酸化物形燃料電池セル(燃料電池セル)
13 集電部材
70 燃料ガス供給部
80 オフガス放出部
FC 燃料電池装置
FCM 燃料電池モジュール
CS 燃料電池セルスタック装置
Mc 調整用プレート(燃料ガス流路調整部材)
p1、p2、p3 連通路
Claims (6)
- 互いに平行な一対の平坦面を有し、内部に燃料ガスを流通させる燃料ガス流路を有する導電性支持体の一方側の前記平坦面上に、燃料極層、固体電解質層、空気極層が順に積層され、他方側の前記平坦面上に、インターコネクタが積層されて成り、
セルの一方側に設けられる燃料ガス供給部から前記燃料ガス流路に燃料ガスの供給を受けるとともに、セルの他方側に設けられるオフガス放出部へ前記燃料ガス流路を介して燃料ガスを放出する構成で、前記導電性支持体の内部に、複数の前記燃料ガス流路を並設して備えた固体酸化物形燃料電池セルであって、
並設方向に並設される燃料ガス流路として、
前記燃料ガス供給部側に開放され、下流側燃料ガス流路に連通される上流側燃料ガス流路と、
当該上流側燃料ガス流路に連通され、前記オフガス放出部側に開放された下流側燃料ガス流路と、
さらに、前記上流側燃料ガス流路から燃料ガスの供給を受け、前記下流側燃料ガス流路に燃料ガスを供給する中間燃料ガス流路とを有し、
前記上流側燃料ガス流路の少なくとも一部又は全部を、前記燃料ガスに含まれる未改質燃料を改質するセル内改質部及び発電部とし、前記中間燃料ガス流路及び前記下流側燃料ガス流路を発電部とする固体酸化物形燃料電池セル。 - 前記上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路が、それぞれ、単一の燃料ガス流路から構成されている請求項1記載の固体酸化物形燃料電池セル。
- 一群とされる複数の燃料ガス流路が、前記上流側燃料ガス流路、中間燃料ガス流路、および下流側燃料ガス流路のいずれか一つ以上を構成する請求項1記載の固体酸化物形燃料電池セル。
- 前記燃料ガス流路を他の燃料ガス流路に連通するに、
前記燃料ガス供給部から前記オフガス放出部に向かう方向であるガス流通方向の複数の燃料ガス流路の端部外側に、燃料ガス流路調整部材を設け、
前記燃料ガス流路調整部材により、前記燃料ガス流路の他の燃料ガス流路との連通を行う請求項1〜3のいずれか一項記載の固体酸化物形燃料電池セル。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池セルの複数と、前記空気極層に電気的に接続される第一面と、前記インターコネクタに電気的に接続される第二面とを備えた集電部材との複数とを備え、
前記集電部材の第一面に特定の固体酸化物形燃料電池セルの前記空気極層が電気的に接続され、前記集電部材の第二面に別の固体酸化物形燃料電池セルの前記インターコネクタが電気的に接続される形態で、固体酸化物形燃料電池セルと集電部材とを交互に配置して設けた固体酸化物形燃料電池モジュール。 - 請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池モジュールを備えた燃料電池装置。
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