JP2017160094A - 燃料電池用改質器、燃料電池モジュールおよびモジュール収容装置 - Google Patents

燃料電池用改質器、燃料電池モジュールおよびモジュール収容装置 Download PDF

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Abstract

【課題】改質器のコーナー部などに熱応力が集中して改質器の機械的強度が低下し、燃料電池モジュールの動作寿命や長期信頼性が損なわれる可能性があった。【解決手段】 筒状であって、並列に配設された複数の直線部と、各直線部の隣り合う端部同士を接続する複数の折返し部とで構成される燃料電池用改質器であって、水蒸気を発生させる気化部と、気化部で発生した水蒸気と原燃料とを反応させて改質ガスを生成する改質部とが直線部と折返し部とで構成され、直線部は、気化部および前記改質部の両方若しくは気化部または改質部のいずれかを構成し、折返し部は、前記改質部または気化部のいずれかである燃料電池用改質器により、長寿命で信頼性の高い燃料電池用改質器を提供する。【選択図】 図4

Description

本発明は、燃料電池用改質器、燃料電池モジュールおよびモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、セルの1種である燃料電池セルを複数個配列してなるセルスタックを備えるセルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のセルスタック装置は、複数のセルスタックの上方に改質器を配置してなる。該改質器は、W字状をなしており、水を気化して水蒸気を生成する気化部と、該気化部で発生した水蒸気を用いて原燃料ガスを水蒸気改質する改質部とを具備している。水供給管は、改質器の上流側に連なる気化部に接続され、原燃料ガス供給管は気化部と改質部とを連結する気化改質部連結路に接続され、気化部で発生した水蒸気と原燃料ガスとが混合されて、改質部に供給され、この改質部で原燃料ガスが改質されるように構成されている。
国際公開第2014/189135号
ところで、改質部において、気化部で発生した水蒸気と原燃料ガスとが混合されて改質部で改質ガス水素が生成される過程が吸熱反応であり、改質部の上流側の温度が下がるため、気化部と改質部で温度差が生じる。そのために、改質器のコーナー部等に熱応力が集中して改質器の機械的強度が低下し、燃料電池モジュールの動作寿命や長期信頼性が損なわれる可能性があった。
それゆえ、改質器への熱応力の影響を軽減して、長寿命で信頼性の高い燃料電池用改質器、燃料電池モジュールおよびモジュール収納装置を得ることが求められている。
本発明の燃料電池用改質器の1つの態様では、筒状であって、並列に配設された複数の直線部と、各直線部の隣り合う端部同士を接続する複数の折返し部とで構成される燃料電池用改質器であって、水蒸気を発生させる気化部と、気化部で発生した水蒸気と原燃料とを反応させて改質ガスを生成する改質部とが直線部と折返し部とで構成され、直線部は、気化部および前記改質部の両方若しくは気化部または改質部のいずれかを構成し、折返し部は、前記改質部または気化部のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池モジュールの1つの態様では、収納容器内に、上記の燃料電池用改質器と、燃料電池用改質器によって生成された改質ガスと酸素含有ガスとを反応させて発電するセルスタックとを収納してなることを特徴とする。
また、本発明のモジュール収納装置の1つの態様では、外装ケース内に、上記の燃料電池モジュール燃料電池モジュールの運転を行なう補機とを収納してなることを特徴とする。
本発明の燃料電池用改質器よれば、折返し部は、改質部または気化部のいずれかであるので、1つの折返し部における温度のばらつきが小さくなる。そのため、折返し部における熱応力を、折返し部に気化部と改質部があった場合おける熱応力よりも小さい熱応力に抑えることができ、長寿命で信頼性の高い燃料電池用改質器を提供することができる。また、該燃料電池用改質器を備えることによって、長寿命で信頼性の高い燃料電池モジュールを提供することができる。あわせて、該燃料電池モジュールを備えることによって、長寿命で信頼性の高いモジュール収容装置を提供することができる。
本実施形態の一例の燃料電池用改質器を備えた燃料電池モジュールを構成するセルスタック装置の一例の外観を示す斜視図である。 図1に示すセルスタック装置を示し、図2(a)はセルスタック装置の側面図、図2(b)は図2(a)の点線枠で囲った部分Aの一部拡大平面図である。 本実施形態のモジュールの一例を示す断面図である。 図3に示すモジュールに収納された改質器を抜粋した内部構造を示す斜視図である。 図3に示すモジュールに収納された他の改質器の一例を抜粋した内部構造を示す斜視図である。 本実施形態の一例のセルスタック装置の上方に、図4に示す改質器を備える構成の一例を示す側面図である。 本実施形態の燃料電池装置の一例を概略的に示す分解斜視図である。
図1は、本実施形態の一例の燃料電池用改質器を備えた燃料電池モジュールを構成するセルスタック装置の一例の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示すセルスタック装置を示し、図2(a)はセルスタック装置の側面図、図2(b)は図2(a)の点線枠で囲った部分Aの一部を拡大して示す断面図である。なお、以降の図において、セルとして主に固体酸化物形の燃料電池セルを用いて説明する。
図1、図2に示すセルスタック装置1においては、内部を燃料ガスが一端から他端に流通するガス流路15を有する燃料電池セル3を立設させた状態で一列に配列(図1で示すX方向)し、隣接する燃料電池セル3間が導電部材6を介して電気的に直列に接続されているとともに、燃料電池セル3の下端を絶縁性接着材9でマニホールド4に固定してなるセルスタック2を2つ備えている。
なお、図1、図2においては、燃料電池セル3として、内部を燃料ガスが長手方向に流通するガス流路を複数有する中空平板型で、ガス流路を有する支持体の表面に、燃料極層、固体電解質層および空気極層を順に積層してなる固体酸化物形の燃料電池セル3を例示している。なお、燃料電池セル3の間に酸素含有ガスが流通する。燃料電池セル3の構成については後述する。なお、本実施形態の燃料電池装置においては、燃料電池セル3は、例えば平板型や円筒型とすることもでき、あわせてセルスタック装置1の形状も適宜変更することができる。
また、セルスタック2の最も外側に位置する燃料電池セル3に導電部材6を介して電気的に接続されたセルスタック支持体(以下、「スタック支持体」と略することがある。)7が配置されている。スタック支持体7の外側には保護カバーを設けることもできる。保護カバーは、セルスタック2の周囲に配置された断熱材との接触や外部からの衝撃に対して、スタック支持体7およびセルスタック2を保護する。また、スタック支持体7にはセルスタック2の外側に突出する導電部8が接続されている。
なお、図1、図2においては、セルスタック装置1が2つのセルスタック2を備えている場合を示しているが、適宜その個数は変更することができ、例えばセルスタック2を1つだけ備えていてもよい。また、セルスタック装置1を、後述する改質器を含むものとすることもできる。
また、マニホールド4は、燃料電池セル3に供給する燃料ガスを貯留し、開口部を上面に有するガスケースと、内側に燃料電池セル3を固定するとともに、ガスケースに固定される枠体とを備えている。
燃料電池セル3の一端部(図2(a)の下端部)は枠体で囲まれており、枠体の内側に充填された絶縁性接着材9で燃料電池セル3の下端部の外周が固定されている。つまり、セルスタック2は、枠体の内側に複数の燃料電池セル3を並べて収容し、絶縁性接着材9で枠体に接着されている。なお、絶縁性接着材9は、ガラス等の材料からなり、熱膨張係数を加味して所定のフィラーを添加したものを用いることができる。
また、マニホールド4の上面には、後述する改質器にて生成された燃料ガスが流通するガス流通管5が接続されている。燃料ガスは、ガス流通管5を介してマニホールド4に供給され、マニホールド4より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路15に供給される。
ここで、燃料電池セル3は、図2(b)に示すように、一対の対向する平坦面をもつ柱状の導電性支持体(以下、「支持体」と略す場合がある。)14の一方の平坦面上に燃料極層10、固体電解質層11及び空気極層12を順次積層してなる柱状(中空平板状等)からなる。また、燃料電池セル3の他方の平坦面上にはインターコネクタ13が設けられており、インターコネクタ13の外面(上面)にはP型半導体層16が設けられている。P型半導体層16を介して、導電部材6をインターコネクタ13に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくし集電性能の低下を有効に回避することが可能となる。なお、図1では導電部材6、スタック支持体7の記載を省略している。また、支持体は燃料極層を兼ねるものとし、その表面に固体電解質層および空気極層を順次積層してセルを構成することもできる。
燃料極層10は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称し、部分安定化も含むものとする)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
固体電解質層11は、燃料極層10、空気極層12間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrOから形成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
空気極層12は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。空気極層12はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
支持体14としては、燃料ガスを燃料極層10まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ13を介して導電するために導電性であることが要求される。したがって、支持体14としては、導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層10または固体電解質層11との同時焼成により支持体14を作製する場合においては、鉄族金属成分と特定希土類酸化物とから支持体14を形成することが好ましい。また、図2に示した燃料電池セル3において、柱状(中空平板状)の支持体14は、立設方向(図1に示すY方向)に細長く延びる板状片であり、平坦な両面と半円形状の両側面を有する。また、支持体14は、ガス透過性を備えるために開気孔率が20%以上、特に25〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。また、支持体14の形状は柱状であれば良く、円筒状であってもよい。
P型半導体層16としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ13を構成する材料よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層16の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ13は、上述したとおり、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)、もしくは、ランタンストロンチウムチタン系のペロブスカイト型酸化物(LaSrTiO系酸化物)が好適に使用される。これらの材料は、導電性を有し、かつ燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触しても還元も酸化もされない。また、インターコネクタ13は支持体14に設けられたガス流路15を流通する燃料ガス、および支持体14の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
そして、燃料電池セル3を電気的に接続するために介装される導電部材およびセルスタック支持体7は、弾性を有する金属または合金からなる部材あるいは金属繊維または合金繊維から成るフェルトに所要の表面処理を加えた部材から構成することができる。
図3は本実施形態の燃料電池モジュールの一例を示す断面図である。モジュール17を構成する収納容器19は、内壁25と外壁26とを有する二重構造で、外壁26により収納容器19の外枠が形成されるとともに、内壁25により4つのセルスタック装置1を収納する収納室27が形成されている。各セルスタック装置1の間に排ガス流通部材44が設けられている。また、4つのセルスタック装置1の上方に2つの改質器45が設けられている。1つの改質器45は2つのセルスタック装置1の上方の空間に設置されている。また、収納容器19の内部には、マニホールド4に並置されたセルスタック2の間に配置され、酸素含有ガスが燃料電池セル3間を下端部から上端部に向けて流れるように、酸素含有ガス供給部材24が配置されている。
改質器45においては、原燃料供給管(図示せず)から供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成する。なお、改質器45は、改質効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましい。改質器45は、水を気化させるための気化部と、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部とを備えている。
ここで、収納容器19は、外部より導入される酸素含有ガスを収納室27に導入するための酸素含有ガス導入部28を備えている。酸素含有ガス導入部28に導入された酸素含有ガスは、収納室27の側方における内壁25と外壁26とにより設けられ、酸素含有ガス導入部28とつながる酸素含有ガス流通部29を上方に向けて流れる。続いて収納室27の上方における内壁25と外壁26とにより設けられ、酸素含有ガス流通部29とつながる酸素含有ガス分配部30を流れる。そして、酸素含有ガス分配部30には、上端側に酸素含有ガスが流入するための酸素含有ガス流入口(図示せず)とフランジ部31とを備え、下端部に燃料電池セル3の下端部に酸素含有ガスを導入するための酸素含有ガス流出口32が設けられてなる酸素含有ガス供給部材24が、内壁25を貫通して挿入されて固定されている。それにより、酸素含有ガス分配部30と酸素含有ガス供給部材24とがつながっている。なお、フランジ部31と内壁25との間には断熱部材33が配置されている。
また、収納室27内には、モジュール17内の熱が極端に放散され、燃料電池セル3(セルスタック2)の温度が低下して発電量が低減しないよう、モジュール17内の温度を高温に維持するための断熱部材33が適宜設けられている。
断熱部材33は、セルスタック2の近傍に配置することが好ましく、特には、燃料電池セル3の配列方向に沿ってセルスタック2の側面側に配置するとともに、セルスタック2の側面における燃料電池セル3の配列方向に沿った幅と同等またはそれ以上の幅を有する断熱部材33を配置することが好ましい。なお、セルスタック2の両側面側に断熱部材33を配置することが好ましい。それにより、セルスタック2の温度が低下することを効果的に抑制できる。さらには、酸素含有ガス供給部材24より導入される酸素含有ガスが、セルスタック2の側面側より排出されることを抑制でき、セルスタック2を構成する燃料電池セル3間の酸素含有ガスの流れを促進することができる。
なお、セルスタック2の両側面側に配置された断熱部材33においては、燃料電池セル3に供給される酸素含有ガスの流れを調整し、セルスタック2の長手方向および燃料電池セル3の積層方向における温度分布を低減するための開口部34が設けられている。
また、燃料電池セル3の配列方向に沿った内壁25の内側には、排ガス用内壁35が設けられており、収納室27の側方における内壁25と排ガス用内壁35との間が、収納室27内の排ガスが上方から下方に向けて流れる排ガス流通部36とされている。
また、収納室27の下方であって、酸素含有ガス導入部28の上方には、排ガス流通部36とつながる排ガス収集部37が設けられている。排ガス収集部37は、収納容器19の底部に設けられた排気孔38と通じている。また、排ガス用内壁35のセルスタック2側にも断熱部材33が設けられている。
それにより、モジュール17の稼動(起動処理時、発電時、停止処理時)に伴って生じる排ガスは、排ガス流通部36、排ガス収集部37を流れた後、排気孔38より排気される構成となっている。なお、排気孔38は収納容器19の底部の一部を切り欠くようにして形成してもよく、また管状の部材を設けることにより形成してもよい。上記の排ガス流通部36に加えて、隣接するセルスタック装置1の間に、発電に使用されなかった排ガスを排出するための排ガス流通部材44が設けられている。排ガス流入口46から排ガス流通部材44に流入した排ガスは、排出口47から排ガス収集部37に排出され、排気孔38から排気される。
また、酸素含有ガス供給部材24の内部には、セルスタック2近傍の温度を測定するための熱電対39が、その測温部40が燃料電池セル3の長手方向の中央部でかつ燃料電池セル3の配列方向における中央部に位置するように配置されている。
また、上述の構成のモジュール17においては、燃料電池セル3におけるガス流路15より排出される発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスとを、燃料電池セル3の上端と改質器45との間で燃焼させることにより、燃料電池セル3の温度を上昇・維持させることができる。あわせて、燃料電池セル3(セルスタック2)の上方に配置された改質器45を温めることができ、改質器45で効率よく改質反応を行なうことができる。なお、通常発電時においては、上記燃焼や燃料電池セル3の発電に伴い、モジュール17内の温度は500〜800℃程度となる。
図4は、図3に示すモジュールに収納された改質器を抜粋した内部構造を示す斜視図である。内部構造を示すため、筐体の上側の構造を省略している。
図3のモジュール17においては、4つのセルスタック2の上方に、図4に示すW字状(ミアンダ形状)の改質器45を2組備えている。改質器45の筐体は、筒状であって、並列に配列された複数の直線部と、各直線部の隣り合う端部同士を接続する複数の折返し部とで構成される。
改質器45は、一端と他端とを有する。筒状の第1直線部45a1が一端側から他端側にかけて配設され、第1折返し部45c1を介して他端側で筒状の第1直線部45a1と並行する第2直線部45a2と連通している。第2直線部45a2は、その一端側で第2折返し部45c2を介して第2直線部45a2と並行する筒状の第3直線部45b1と連通している。第3直線部45b1は、その他端側で筒状の第3折返し部45c3を介して第3直線部45b1と並行する筒状の第4直線部45b2と連通している。
改質器がW字状の場合、4つの筒状の直線部45a1、45a2、45b1、45b2が3つの折返し部45c1、45c2、45c3で接続されて、1つの連続した屈曲を有する1つの管を構成している。このW字状の改質器45は、2つのセルスタックに対応し、その上方に設けられるが、対応するセルスタックの数がより多い燃料電池やさらに大型の燃料電池に対しては、直線部、折返し部の数をさらに増やした改質器を用いることができる。
3つの折返し部45c1、45c2、45c3のそれぞれの内周部45c11、45c21、45c31は、U字状に湾曲しており、応力が集中しにくい構造となっている。たた、改質器45を補強するために、隣り合う折返し部45c1、45c2の間に凹状の連結部材45c13をも設け、折返し部45c1、45c2を連結固定した。これらの構成については後述する。
気化部は、一端と他端を有する第1直線部45a1と、第1直線部45a1と連通する第1折返し部45c1と、第1折返し部45c1に連通する第2直線部45a2に設けられている。また、第1直線部45a1の一端部から内部に二重配管48が挿通されている。二重配管48は、第1直線部45a1から気化部45aの一部である第1折返し部45c1を経由して第2直線部45a2にわたって配設されている。二重配管48全体の形状は、平面視において、J字状、あるいはU字状である。
水供給管と原燃料供給管とをかねる供給管である二重配管48は、外管と内管とを有し、内管内に原燃料を流通させるとともに、外側の流路である、内管と外管の間に水を流通させるものである。第1直線部45a1の一端側から改質器45の内部に挿通される二重配管48は、第1直線部45a1の一端部から外側に突き出ている供給部48aと、第1直線部45a1内に配設された第1二重配管部分48bと、折返し部45c1内に配設された第2二重配管部分48cと、第2直線部45a2内に配設された第3二重配管部分48dとを有する。また、二重配管48の先端部48eは、内管は、開放されているが、内管と外管の間は閉塞されている。
また、第2直線部45a2内に、仕切板45a21が設けられ、これらの第1直線部45a1の一端側から、仕切板45a21間が気化部45aとされており、二重配管48の先端部48eは、仕切板45a21の上流側に位置している。
気化部45a内には、気化を促進するためセラミックボール(図示せず)が収納されており、仕切板45a21は、水蒸気は通過するが、セラミックボールは通過しないように開口を設けている。なお、仕切板45a21は、改質器の構造や、セルスタックの構造等に応じて適宜配置を変更することができる。セラミックボールは、改質器45のうち、第1直線部45a1の一端側から、仕切板45a21の間に充填されている。
また、気化部45aにおいて、水吐出孔48d1の孔径をセラミックボールの粒径よりも小さくすることによって、セラミックボールが水吐出孔48d1から二重配管48内に入り込むことを防ぐことができる。このような各水吐出孔148d1孔径は、セラミックボールの粒径が2mm〜4mmに対して、たとえば1.5mm〜3.5mmに選ばれてもよい。
また、二重配管48の先端部48eも内管の出口をセラミックボールの粒径よいも小さい口径の孔を多数設けた構成とすることで、セラミックボールの内管への進入を防ぐことができる。
水供給管と原燃料供給管とをかねる二重配管48の外側の流路に供給された水は、第1二重配管部分48b、第2二重配管部分48c、第3二重配管部分48dを流れるにしたがって加熱され、第3二重配管部分48dの外管のみに開口された水吐出孔48d1から流れ出し、高熱の第3二重配管部分48dの周壁やセラミックボールと接触して水蒸気となる。なお、第1二重配管部分48b、第2二重配管部分48c、第3二重配管部分48d内にて水が気化された場合には、水吐出孔48d1から水蒸気が吐出される。なお、本実施の形態では、水吐出孔48d1は、第3二重配管部分48dのみに設けられているが、第2二重配管部分48c、第1二重配管部分48bにわたって設けてもよい。
また、二重配管48の内管に供給された燃料ガスは、第1二重配管部分48b、第2二重配管部分48c、第3二重配管部分48dのそれぞれの内管部を通過する間に加熱され、内管が開放された二重配管の先端部48eから流出する。
改質部45bは、二重配管48より供給された原燃料と水蒸気とが混合された燃料ガスが一端側より他端側に流れる第3直線部45b1と、第3直線部に連通する第3折返し部45c3と、第3折返し部45c3と連通し、燃料ガスが他端側より一端側に流れる第4直線部45b2を含んでおり、第4直線部45b2には、改質ガスを導出するための改質ガス導出管49が接続されている。また、第3直線部45b1と連通する、第2折返し部45c2は、全てが改質部45bである。本実施例において、気化部45aと改質部45bとの境界は、第2直線部ある仕切板45a21である。
さらに、第4直線部45b2内に、仕切板45b21が配置され、仕切板45a21から145b21間に位置する部分が改質部45bとされ、この改質部45bには改質触媒が収納されている。仕切板45a21、45b21は、水蒸気、原燃料、改質ガス等のガスは通過できるが、改質触媒は通過できないように構成されている。
気化部45aの最下流部に設けた二重配管の先端部48eから流出した原燃料ガスは、気化部45aで発生した水蒸気と混合されながら、改質部45bである第2折返し部45c2を経由して、第3直線部45b1、第3折返し部45c3、第4直線部45b2を経て改質され、改質ガスとして、改質ガス導出管49から導出される。
改質器において原燃料と水蒸気を反応させて水素を含む改質ガスを生成する反応は吸熱反応であり、気化部よりも改質部の方の温度が低下し、気化部と改質部の温度差が50℃〜200℃になる。そのため、一つの折返し部に気化部、改質部の両方があると、改質部よりも気化部のほうがより膨張しようとするので、折返し部に大きな熱応力が加わることになる。したがって、折返し部を気化部または改質部のいずれか一方とすることで、折返し部の熱のばらつきが少なくなり、熱応力を軽減することができる。本例では第1折返し部45c1は、気化部45aであり、第2折返し部45c2は、改質部45bであり、第3折返し部45c3は、改質部45bである。
また、改質器おいて、各直線部は、気化部および改質部の両方もしくは気化部または改質部のいずれか一方を構成するが、改質器の直線部に気化部と改質部との境界を設けることにより、折返し部を気化部または改質部のいずれか一方とすることができる。本実施例では、仕切板45a21が気化部45aと改質部45bとの境界である。
また、気化部と改質部との間にセラミックボールや改質触媒が充填されない空間があってもよい。この場合は、気化部の終端と改質部の先端とを同じ改質器の同じ直線部に設けることにより、折返し部を気化部または改質部のいずれか一方とすることができる。
また、第1折返しの内周部45c11、第2折返し部の内周部45c21、第3の折前部の内周部45c31がU字状に湾曲しているので、折返し部に集中しやすい熱応力を分散させることができ、改質器の長寿命化を図ることができる。
また、改質器45おいて、気化部45aと改質部45bの温度差により改質器全体の変形が過大なる恐れがあるが、折返し部45c1と、折返し部45c2の間に凹状の連結部材45c13を設けて両者を連結することにより、改質器45を機械的に補強し、改質器45の温度の偏りによる変形を抑制することができる。なお、連結部材45c13は、改質器45の内側に向けて凹状となるように設けることが好ましい。
また、改質器の外部で、水と改質器に供給される水と原燃料とを混合して改質器に供給してもよい。図5は、本発明の図3に示すモジュールに収納された他の改質器の一例を抜粋した内部構造を示す斜視図である。図4と同様の形態の部分には同じ符号を付してある。図4に示される改質器45と比較して、改質器に配置される供給管が異なる。改質器145に配置される供給管は、水と原燃料とを混合した状態で一緒に供給する共用管148であり、予め、水と原燃料を混合したものを共用管148で改質器145に供給することで、改質器45に接続される管を減らすことができる。
第1直線部45a1の一端側から改質器45の内部に挿通される共用管148は、第1直線部45a1の一端部から外側に突き出ている供給部148aと、第1直線部45a1内に配設された第1共用管部分148bと、折返し部45c1内に配設された第2共用管部分148cと、第2直線部45a2内に配設された第3共用管部分148dとを有する。また、共用管148の先端部148eは、閉塞されている。共用管148全体の形状は、平面視において、J字状、あるいはU字状とすることができる。
すなわち、外部より供給される水は、第1共用管部分148bと、第2共用管部分148cと、第3共用管部分148dとを流れるにしたがって加熱され、第2直線部45a2に位置する供用管148に設けられた水吐出孔148d1から流れ出し、水蒸気となる、もしくは第1直線部45a1と、第1折返し部45c1と、第2直線部45a2を流れる間に水蒸気となって水吐出孔48d1から吐出される。特に、各筒状部を流れる間に水蒸気となった場合には、水蒸気は原燃料と混合された状態で水吐出孔48d1から吐出される。ここで、水蒸気と原燃料とが混合状態が良い状態で吐出されて、続いて改質部45bに流れることにより、改質効率を向上させることができる。
そして、図6に示すように、改質器45で生成された改質ガス(燃料ガス)は、改質ガス導出管49により2つのマニホールド4に供給され、マニホールド4を介して燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。
なお、改質器45で生成された改質ガスは、改質ガス導出管49により、分配器50を介して2つのマニホールド4に供給される。すなわち、改質ガス導出管49は、改質器45から分配器50までのU字状の第1改質ガス導出管49aと、分配器50から下方の2つのマニホールド4にそれぞれ延びる第2改質ガス導出管49bとを具備している。第1改質ガス導出管49a、第2改質ガス導出管49bの長さは、改質ガスをマニホールド4に均等に供給すべく、同じ長さ(圧力損失)とされている。
なお、改質器45において、第1直線部45a1、第2直線部45a2、第3直線部45b1、第4直線部45b2のそれぞれは、1つのセルスタックと対応して、セルスタックの上方に配置されている。それにより、第1直線部45a1、第2直線部45a2、第3直線部45b1、第4直線部45b2のそれぞれを効率よく加熱することができる。
他の構成は適宜変更可能であり、改質器45に代えて改質器145を用いることができるのは当然である。また、これらの例に限られるものではない。例えば、二重配管48に代えて、水と原燃料とを別々の供給管で改質器45内に供給してもよい。
図7は、外装ケース内にモジュール17と、各モジュールを動作させるための補機とを収納してなるモジュール収容装置としての燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図7においては一部構成を省略して示している。
図7に示す燃料電池装置53は、支柱54と外装板55とから構成される外装ケース内を仕切板56により上下に区画し、その上方側を上述した各モジュールを収納するモジュール収納室57とし、下方側を、各モジュールを動作させるための補機類を収納する補機収納室58として構成されている。なお、補機収納室58に収納する補機類は省略して示している。
また、仕切板56には、補機収納室58の空気をモジュール収納室57側に流すための空気流通口59が設けられており、モジュール収納室57を構成する外装板55の一部に、モジュール収納室57内の空気を排気するための排気口60が設けられている。
このような燃料電池装置では、上述したような各モジュールを外装ケース内に収納することにより、発電効率を向上した燃料電池装置53とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上記形態のモジュール17おいては、4個のセルスタック2の上方に1個の改質器45を配置したセルスタック装置を具備する形態について説明したが、例えば、2個または3個のセルスタック2の上方に1個の改質器を配置したセルスタック装置でも良く、さらに、5個以上のセルスタックの上方に1個の改質器を配置したセルスタック装置でも良い。この場合、改質器の形状は適宜変更すればよい。
さらに、1個のマニホールド4に2個のセルスタック2を配置した形態について説明したが、1個のマニホールドに1個のセルスタックを配置しても良く、また、1個のマニホールドに3個以上のセルスタックを配置しても良い。
さらに、上述の例ではいわゆる縦縞型と呼ばれる燃料電池セル3を用いて説明したが、一般に横縞型と呼ばれる複数の発電素子部を支持体上に設けてなる横縞型の燃料電池セルを用いることもできる。
1 セルスタック装置
2 セルスタック
3 燃料電池セル
17 モジュール
45,145 改質器
45a 気化部
45b 改質部
45a1 第1直線部
45a2 第2直線部
45b1 第3直線部
45b2 第4直線部
45c1 折返し部
45c2 折返し部
45c3 折返し部
48d1 水吐出孔
45a21 仕切板
45c11 内周部
45c13 連結部材
48 二重配管
48a 供給部
48b 第1二重配管部分
48c 第2二重配管部分
48d 第3二重配管部分
48d1 水吐出孔
48e 端部
49 改質ガス導出管
53 燃料電池装置
148 共用管

Claims (6)

  1. 筒状であって、並列に配設された複数の直線部と、各直線部の隣り合う端部同士を接続する複数の折返し部とで構成される燃料電池用改質器であって、
    水蒸気を発生させる気化部と、前記気化部で発生した水蒸気と原燃料とを反応させて改質ガスを生成する改質部とが前記直線部と前記折返し部とで構成され、
    前記直線部は、前記気化部および前記改質部の両方若しくは前記気化部または前記改質部のいずれかを構成し、
    前記折返し部は、前記改質部または前記気化部のいずれかである燃料電池用改質器。
  2. 前記折返し部は、改質部である請求項1に記載の燃料電池用改質器。
  3. 前記折返し部は、U字状に湾曲した内周部を有する請求項1または2に記載の燃料電池用改質器。
  4. 隣り合う2つの前記折返し部の隣り合う各端部同士を連結する凹状の連結部材をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用改質器。
  5. 収納容器内に、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料電池用改質器と、
    前記燃料電池用改質器によって生成された改質ガスと酸素含有ガスとを反応させて発電するセルスタックとを収納してなる燃料電池モジュール。
  6. 外装ケース内に、
    請求項5に記載の燃料電池モジュールと、
    該燃料電池モジュールの運転を行なう補機とを収納してなるモジュール収納装置。
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