JP2012209023A - 電池用電極群およびそれを用いた電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐破断性のよい電池用電極群および電池を提供することを目的とする。
【解決手段】金属箔からなる集電体の表面に活物質層を設けて構成される正極板5と負極板6とを多孔質絶縁体としてのセパレータ7を介して巻回してなる電池用電極群において、上記正極板5の巻回開始側の柔軟性を正極板5の巻回終了側の柔軟性よりも高くすることで、電極巻回時の耐破断性に優れた電池用電極群および高容量の電池を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池用電極群およびそれを用いた電池に関する。
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として、小型かつ軽量で、高エネルギー密度を有する二次電池への要望も高まっている。また、小型民生用途のみならず、電力貯蔵用や電気自動車といった長期に渡る耐久性や安全性が要求される大型の二次電池に対する技術展開も加速してきている。
このような観点から、非水電解質二次電池、特に、リチウム二次電池が、高電圧であり、かつ高エネルギー密度を有するため、電子機器用、または電力貯蔵用、電気自動車の電源として期待されている。
非水電解質二次電池は、正極板、負極板およびそれらの間に介在する多孔質絶縁体としてのセパレータを具備し、セパレータには、主としてポリオレフィン製の微多孔膜が用いられている。非水電解質には、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩を非プロトン性の有機溶媒に溶解した液状非水電解質(非水電解液)が用いられている。また正極活物質としては、リチウムに対する電位が高く、安全性に優れ、比較的合成が容易であるリチウムコバルト酸化物(例えばLiCoO2)を用い、負極活物質としては、黒鉛などの種々の炭素材料を用いた非水電解質二次電池が実用化されている。
そのような中、さらなる高容量化を目指す観点から、リチウムコバルト酸化物より理論容量の高いリチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO)の実用化なども進められた。しかしながら、活物質自体の容量向上以外での更なる高容量化には、電極を構成する活物質層中の副材の減少や、充填性の向上などによる電池内部の活物質の量を向上させることが必要である。そのような場合に課題となるのは、活物質の高充填化による電極板の割れや破断である。活物質密度が高くなることで電極板は硬化し、特に正極、負極の電極板とセパレータを巻回して電極群を作製する際には、電極群の内周部の巻回径が最小となる部分に当たる電極部が最も負荷を受け、その電極群の内周部の活物質層が逃げ場を失い、活物質層の貼りついている集電体の金属箔を破断するという状態に陥ることがある。
例えば活物質層から金属箔が受ける力を逃がす目的で、活物質層に切れ目や割れ目などのスリットをつける方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この提案によれば、活物質層にスリット部を設けることで巻回時の活物質層にかかる応力を逃がしやすくするという理由で電極板の耐破断性を向上することができると述べられている。
また、集電体である金属箔が活物質層から力を受けても破断に至らないよう改良する目的で、集電体や電極板自体を熱処理などの手法を用いて軟化させる方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。この提案によれば、充放電に伴う活物質の膨張収縮により、活物質が微粉化し、集電体からの脱落を生じにくくするという理由で充放電サイクル特性を向上することができると述べられている。
特開2006−294512号公報 特開2009−64770号公報
しかしながら、特許文献1に提案されているような技術を用いても、巻回もしくは巻回までの工程において精密な制御が必要とされているために生産性が低下するという課題や、より高密度の電極板の巻回には効果が小さいなどの課題を有していた。
また、特許文献2に提案されているような技術を用いても、あらかじめ集電体の金属箔に熱処理を加えてしまうと、電極合材の塗布時にかかる応力により軟化した金属箔の伸びが生じるため、その制御が難しいという課題を有していた。また電極合材の塗布後の熱処理では電極板全体に熱がかかるため、活物質層中の結着剤成分が溶融し、活物質の反応を阻害することにより、電池容量が低下するという課題を有していた。
そこで本発明は、高密度の電極板を集電体の割れや破断を生じないような耐破断性がよく、かつ容量低下の少ない高密度の電池用電極群および電池を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明の電池用電極群は、金属箔からなる集電体の表面に活物質層を設けて構成される正極板と負極板とを多孔質絶縁体を介して巻回してなる電池用電極群において、上記正極板の巻回開始側の柔軟性を上記正極板の巻回終了側の柔軟性よりも高くしたことを特徴とする。
すなわち本発明は、高密度の電池用電極群の破断という課題に対して、破断の生じる電極群の内周部に位置する正極板の柔軟性を部分的に向上させることにより破断を抑制できることを見出した。
本発明により、電極群の構成時の電極板の破断を抑制できる理由としては、電極板の巻回開始側に集電体および活物質層または少なくともいずれか一方が部分的に柔軟化して、電極群構成時の最内周部分の負荷を吸収でき、破断を抑制できたものと考えられる。
本発明において集電体は正極板ではアルミニウム箔を用いる。電極合材塗布・乾燥後の電極板を熱処理することにより電極板を柔軟化させられるが、より好ましくは圧延、スリット後の電極群の構成工程において部分的に熱処理を行うことが好ましい。
本発明の電池用電極群を用いることによって、電池容量を大きく低下させることなく、高充填性電極群を作製することが可能となる。
本発明によると、電極巻回時の耐破断性に優れた電池用電極群および高容量の電池を提供することができる。
本発明の一実施の形態にかかる円筒型の非水電解質二次電池の縦断面図 本発明における熱ロールによる熱処理の例を示す説明図 本発明における熱プレスによる熱処理の例を示す説明図
本発明の第1の発明は、金属箔からなる集電体の表面に活物質層を設けて構成される正極板と負極板とを多孔質絶縁体を介して巻回してなる電池用電極群において、上記正極板の巻回開始側の柔軟性を上記正極板の巻回終了側の柔軟性よりも高くしたことを特徴とする電極群を用いると、大きな容量低下を伴わず、かつ耐破断性に優れる電極群を作製できることを見出したものである。
正極板の巻回開始側の柔軟性を上記正極板の巻回終了側の柔軟性よりも高くするには、熱処理が効果的であり、その温度は集電体であるアルミニウムが軟化する温度が望ましい。一般にアルミニウムが軟化する温度では結着剤として多く用いられるPVDFは融点を越えており、融解したPVDFが正極活物質を被覆し、電池容量に纏わるリチウムイオンの移動を妨害する。そのため同じ電流密度で充放電した場合、電池容量は小さくなる。しかしながら、熱処理を施す部分を巻回開始側に限定することで、PVDFの融解に纏わるリチウムイオンの移動妨害への影響は小さくなり、電池容量劣化量は小さくすることができる。またその熱処理を施す部分は小さいほどよいことが見出されている。用いる正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物である正極活物質であればよいが、より好ましくはコバルト酸リチウム、コバルトマンガンニッケル酸リチウム、ニッケル酸リチウムである。
また本発明の第2の発明は、前記巻回開始側の柔軟性を高くする領域を1〜3周分とした電池用電極群を用いると、容量低下率を低く抑えられるという点で好ましい。
また本発明の第3の発明は、熱処理を施して、上記正極板の巻回開始側の柔軟性を上記正極板の巻回終了側の柔軟性よりも高くしたものである。
また本発明の第4の発明は、ヒータ部を内蔵した熱ロールを用いて、前記熱処理を行うものであり、この方法は電極板の活物質層の長さと熱処理を施す範囲が決まった電極板を多量に作製することに適しており、設備を断続的に停止させる必要がなく、設備稼働率の維持、向上にも効果的である。
また本発明の第5の発明は、ヒータ部とおさえ部からなる熱プレスを用いて、前記熱処理を行うものであり、電極板の活物質層の長さが異なるものに熱処理を施す場合や、熱処理を施す範囲を変更したい場合に、設備の部品切り替えが簡易であり、少量多品種の電極板の作製には効果的である。
また本発明の第6の発明は、正極板と負極板とを多孔質絶縁体を介して巻回した電極群を電解液とともに電池ケースに封入してなる電池において、上記電極群として第1、または第2の発明のいずれか1つに記載の電極群を用いたことを特徴とする電池であり、この構成によって電極群の破断を生じることがなくかつ大きな容量低下を招くことないという電池を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の電池は、電極群に特徴を有し、他の構成要素は特に制限されない。
図1に、本発明の実施の形態における代表例としての円筒型の非水電解質二次電池を例とし、その縦断面図を示す。
図1の非水電解質二次電池は、ステンレス鋼製の電池ケース1とその電池ケース1内に収容された電極群を含む。電極群は巻回開始側の柔軟性を高くした正極板5と負極板6と多孔質絶縁体としてのポリエチレン製のセパレータ7とからなり、正極板5と負極板6がセパレータ7を介して渦巻状に捲回されている。その電極群の上部および下部には上部絶縁板8aおよび下部絶縁板8bが配置されている。電池ケース1の開口端部をガスケット3を介して封口板2をかしめつけることにより封口されている。また、正極板5にはアルミニウム製の正極リード5aの一端が取り付けられており、その正極リード5aの他端が正極端子を兼ねる封口板2に接続されている。負極板6にはニッケル製の負極リード6aの一端が取り付けられており、その負極リード6aの他端は負極端子を兼ねる電池ケース
1に接続されている。
正極板5は、通常、正極集電体およびそれに担持された正極活物質層からなる。正極活物質層は、正極活物質の他に、結着剤、導電材などを含むことができる。正極板5は、例えば、正極活物質を含む正極合材を液状成分と混合して正極合材スラリーを調製し、得られたスラリーを正極集電体に塗布し、乾燥させて作製する。負極板6も、同様に、負極活物質と結着剤などを含む負極合材を液状成分と混合して負極合材スラリーを調製し、得られたスラリーを負極集電体に塗布し、乾燥させて作製する。
正極板5または負極板6の結着剤には、例えばPVDF、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが使用可能である。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いてもよい。またこれらのうちから選択された2種以上を混合して用いてもよい。また正極板5の合材スラリーに含ませる導電材には、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛やチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが用いられる。
正極活物質、導電材および結着剤の配合割合は、それぞれ、正極活物質80〜97重量%、導電剤1〜6重量%、結着剤1〜6重量%の範囲とすることが望ましい。
また 負極活物質および結着剤の配合割合は、それぞれ、負極活物質93〜99重量%、結着剤1〜10重量%の範囲とすることが望ましい。
集電体には、長尺の多孔性構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板が使用される。導電性基板に用いられる材料としては、正極集電体としては、例えばステンレス鋼、アルミニウム、チタンなどが用いられる。また、負極集電体としては、例えばステンレス鋼、ニッケル、銅などが用いられる。これら集電体の厚さは、特に限定されないが、1〜500μmが好ましく、5〜20μmがより望ましい。集電体の厚さを上記範囲とすることにより、極板の強度を保持しつつ軽量化することができる。
一般に正極板5はその重量当たりの理論容量の差から、負極板6に比べて必要活物質重量が多くなり、活物質密度も高密度になる。そのため電極板としては硬くなりやすく、電極群を構成するための巻回時の破断に対するリスクも負極板6に比べて大きくなる。電池容量が大きくなり、より高密度な正極板5が求められるほど、電極板の破断に対するリスクは大きくなり、電極板としての柔軟性を高くする必要がある。本発明では、例えば(図2)に示す一部にヒータ部10を内蔵した熱ロール9を用いて、熱処理を施したい電極板である正極板5の巻回開始側にのみ熱処理を施し、部分的に柔軟性を高めることができる。
このようにして、正極板5の巻回開始側の柔軟性を正極板5の巻回終了側の柔軟性よりも高くする。この方法は電極板の活物質層の長さと熱処理を施す範囲が決まった電極板を多量に作製することに適しており、設備を断続的に停止させる必要がなく、設備稼働率の
維持、向上にも効果的である。また、例えば(図3)に示すヒータ部11とおさえ部12からなる熱プレスを用いても、熱処理を施したい電極板である正極板5の巻回開始側にのみ熱処理を施し、部分的に柔軟性を高めることができる。この方法では、熱処理を施す際に設備中で電極板が断続的に停止することで設備稼働率は(図2)の方法に比べて低下するが、電極板の活物質層の長さが異なるものに熱処理を施す場合や、熱処理を施す範囲を変更したい場合に、設備の部品切り替えが簡易であり、少量多品種の電極板の作製には効果的である。
一般に、正極板5に熱処理を施すと活物質層が柔軟になることで、厚みが増加し活物質密度が低下する。本発明の中で一例として挙げている巻回開始側のみに熱処理を施すような部分的熱処理は、電極板全体に熱処理を施す方法に比べて、電極板の熱処理前の厚みの維持できる範囲が多いため、電極群を電池ケースに挿入する際に無理なく挿入できる。また電極全体に熱処理を施す方法に比べて、電極板の熱処理前の厚みの維持できる範囲が多いため、本来増加してしまう分の厚みの空間を電池容量アップのために活物質の増量に用いることができ、高密度の電極板を用いた高容量電池の作製も可能である。
正極板5と負極板6との間に介在する多孔質絶縁体としてのセパレータ7としては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度と、絶縁性とを兼ね備えた微多孔薄膜、織布、不織布などが用いられる。セパレータ7の材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが耐久性に優れ、かつシャットダウン機能を有しているため、非水電解質二次電池の安全性の観点から好ましい。セパレータ7の厚さは、一般的に10〜300μmであるが、40μm以下とすることが望ましい。また、15〜30μmの範囲とするのがより好ましく、さらに好ましいセパレータ7の厚さの範囲は10〜25μmである。さらに微多孔フィルムは、1種の材料からなる単層膜であってもよく、1種または2種以上の材料からなる複合膜または多層膜であってもよい。また、セパレータ7の空孔率は、30〜70%の範囲であることが好ましい。ここで空孔率とは、セパレータ体積に占める孔部の体積比を示す。セパレータ7の空孔率のより好ましい範囲は、35〜60%である。
非水電解液としては、液状、ゲル状または固体(高分子固体電解質)状の物質を使用することができる。
非水電解液は、非水溶媒に電解質(例えば、リチウム塩)を溶解させることにより得られる。また、ゲル状非水電解質は、非水電解質と、この非水電解質が保持される高分子材料とを含むものである。この高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン等が好適に使用される。
電解質を溶解する非水溶媒としては、公知の非水溶媒を使用することが可能である。この非水溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどが用いられる。環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などが挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などが挙げられる。非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水溶媒に溶解させる電解質には、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類、イミド塩類などを用いることができる。ホウ酸塩類とし
ては、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウム等が挙げられる。イミド塩類としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO2)(C49SO2))、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C25SO22NLi)等が挙げられる。電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また非水電解液には、添加剤として負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、充放電効率を高くすることができる材料を含んでいてもよい。このような機能を持つ添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、およびジビニルエチレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、上記化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lの範囲内とすることが望ましい。
さらに、非水電解液には、過充電時に分解して電極上に被膜を形成し、電池を不活性化する公知のベンゼン誘導体を含有させてもよい。前記ベンゼン誘導体としては、フェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基を有するものが好ましい。前記環状化合物基としては、フェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、フェノキシ基などが好ましい。ベンゼン誘導体の具体例としては、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、ベンゼン誘導体の含有量は、非水溶媒全体の10体積%以下であることが好ましい。以下、本発明を、実施例に基づいて説明する。
(実施例)
(実施例1)
(1)正極板の作製
100重量部のニッケル酸リチウム正極活物質に、導電材として2重量部のアセチレンブラックと、N−メチルピロリドン(NMP)の溶剤に結着剤として2重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解した溶液とを混合し、スラリー状の正極合材を得た。この正極合材を、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、所定の活物質密度となるように圧延したのち、図2に示すような装置を用いて、所定温度で1周目までに熱処理を施し、所定寸法に裁断して正極板を得た。
(2)負極板の作製
人造黒鉛粉末75重量部に、導電材であるアセチレンブラック20重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量部とを混合し、これらを脱水N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状の負極合材を調製した。この負極合材を銅箔からなる負極集電体上の両面に塗布し、乾燥後、所定の活物質密度となるように圧延し、所定寸法に裁断して負極板を得た。
(3)非水電解液の調製
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:3の混合溶媒に1wt% のビニレンカーボネートを添加し、1.0mol/Lの濃度でLiPF6を溶解し、非水電解液を得た。
(4)円筒型電池の作製
まず、所定の正極板5と負極板6のそれぞれの集電体に、それぞれアルミニウム製正極リード5aおよびニッケル製負極リード6aを取り付けた。その後、電極群を構成する際に、正極板5の巻回開始側の柔軟性を高めるため巻回開始部側1周目に(図2)に示すような熱ロールを用いて集電体の軟化点以上の熱を部分的に加えた。その後、正極板5と負極板6とをセパレータ7を介して巻回し、電極群を構成した。
電極群の上部と下部に絶縁板8aおよび8bを配置し、負極リード6aを電池ケース1に溶接すると共に、正極リード5aを内圧作動型の安全弁を有する封口板2に溶接して、電池ケース1の内部に収納した。その後、電池ケース1の内部に非水電解液を減圧方式により注入した。最後に、電池ケース1の開口端部をガスケット3を介して封口板2にかしめることにより電池Aを完成させた。得られた円筒型電池の電池容量は3099mAhであった。
(実施例2)
熱処理を施す正極板5の巻回開始部側を3周目までとしたこと以外、電池Aと同様にして作製した電池を電池Bとした。
(実施例3)
熱処理を施す正極板5の巻回開始部側を4周目までとしたこと以外、電池Aと同様にして作製した電池を電池Cとした。
(実施例4)
熱処理を施す正極板5の巻回開始部側を10周目までとしたこと以外、電池Aと同様にして作製した電池を電池Dとした。
(比較例1)
熱処理を施さなかったこと以外、電池Aと同様にして作製した電池を電池Eとした。
(比較例2)
熱処理を正極の電極板全体に施したこと以外、電池Aと同様にして作製した電池を電池Fとした。
(5)電極板破断の評価
以上のようにして得られる電池を構成する電極群を分解し、正極板の巻回開始側の電極板の破断を評価した。得られた結果を(表1)に示す。
(6)電池の評価
以上のようにして得られた電池A〜Fを用い、電池容量について測定した。
充電は最大電流1500mA、上限電圧4.2Vまでの定電流充電を行った後、さらに4.2Vの定電圧で50mAまで充電を行った。放電は3000mA、放電終止電圧2.5Vとして定電流放電を行った。3サイクル目の放電容量を電池の容量とした。得られた結果を電極板の切れの評価結果とともに(表1)に示す。
(表1)に示されるように、本発明の電池A〜Dは、比較例の電池E、Fと比較して、正極板の巻回開始側の電極板の破断がなくかつ電池容量の容量低下量が小さいことが分かる。
これは熱処理により集電体を含む正極板の巻回開始側が柔軟化され、巻回時に内側に活物質層が逃げ場を失うことにより集中する応力が分散することで電極板の破断を抑制することによる。また熱処理を施す範囲を小さくすることで、結着剤であるPVDFが融解し、活物質を被覆ことによる電池容量低下を小さくできたことによる。
なお、上記実施例では円筒型の電池を用いたが、角型などの形状の異なる電池を用いても同様の効果が得られる。
本発明の非水電解質二次電池は、高密度の電極板の耐破断性や容量低下の少ない高密度の電池用電極群および電池を提供することに優れている。したがってこの非水電解質二次電池は、今後さらなる高容量化が求められるノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの電子機器の駆動源、さらには高出力を要求される電力貯蔵用や電気自動車の電源として有用である。
1 電池ケース
2 封口板
3 ガスケット
5 正極板
5a 正極リード
6 負極板
6a 負極リード
7 セパレータ
8a 上部絶縁板
8b 下部絶縁板
9 熱ロール
10 ヒーター部
11 ヒーター部
12 おさえ部

Claims (6)

  1. 金属箔からなる集電体の表面に活物質層を設けて構成される正極板と負極板とを多孔質絶縁体を介して巻回してなる電池用電極群において、上記正極板の巻回開始側の柔軟性を上記正極板の巻回終了側の柔軟性よりも高くしたことを特徴とする電池用電極群。
  2. 前記巻回開始側の柔軟性を高くする領域を1〜3周分としたことを特徴とする請求項1記載の電池用電極群。
  3. 熱処理を施して、上記正極板の巻回開始側の柔軟性を上記正極板の巻回終了側の柔軟性よりも高くしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電池用電極群。
  4. ヒータ部を内蔵した熱ロールを用いて、前記熱処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の電池用電極群。
  5. ヒータ部とおさえ部からなる熱プレスを用いて、前記熱処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の電池用電極群。
  6. 正極板と負極板とを多孔質絶縁体を介して巻回した電極群を電解液とともに電池ケースに封入してなる電池において、上記電極群として請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極群を用いたことを特徴とする電池。
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