JP2012207894A - 給湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】風呂の湯から熱回収を行う給湯システムにおいて、システム全体の効率向上を図る。
【解決手段】給湯システム100の制御装置70は、風呂熱回収運転の要求があるときに、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについてシステム全体で予測される使用電力量(WnとWy)を算出し、使用電力量Wnと使用電力量Wyを比較して風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量Wnの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないことを決定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、タンク内に外部からの熱量を蓄えるとともに、風呂の湯からタンク内へ熱回収する給湯システムに関する。
従来の給湯システムには、風呂の湯からのタンク内への熱回収と、ヒートポンプユニットによるタンク内への熱量貯蔵とを行うシステムが知られている。この従来の給湯システムでは、風呂熱の回収によってタンク内の水温が上昇するが、タンク内の水を加熱して再びタンク内に戻すヒートポンプユニットのCOP(効率)が低下することになる。この効率低下によって、風呂熱回収の実施にもかかわらず、給湯システム全体の効率が低下してしまうことがある。
このように、タンク内の水温の上昇に伴う給湯システム全体の効率低下を解消するものとして、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1の給湯システムは、ヒートポンプユニットによりタンク内の水の加熱を行う沸き上げ動作の後に、風呂の湯とタンク内の水とを熱交換してタンク内の水の加熱を行う風呂熱回収を実施する。これにより、ヒートポンプユニットのCOPを低下させることなく、風呂熱回収を行うことができる。
特開2009−198115号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の給湯システムでは、ヒートポンプユニットによるタンク内の水の沸き上げ動作の後、タンク内へ風呂熱を回収するため、当該沸き上げが完了するまで風呂熱回収が行われないことになる。このため、当該沸き上げ完了までの風呂からの放熱が大きくなり、エネルギー省力化の効果が十分でない場合がある。したがって、システム全体の効率が十分でないという問題がある。特に、他の時間帯よりも電気料金が安価な深夜料金時間帯の終了時刻までに沸き上げ運転を終了する給湯システムの場合には、風呂からの放熱時間が長く、放熱量の大きさが顕著となる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、風呂の湯から熱回収を行う給湯システムにおいて、システム全体の効率向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の給湯システムに係る発明は、タンク(10)内に蓄える給湯用水を加熱する加熱装置(20)と、タンク内の給湯用水と浴槽(60)内の浴槽水とを熱交換して、浴槽内に蓄えられている風呂熱をタンク内に回収する風呂熱回収用熱交換器(51)と、浴槽と風呂熱回収用熱交換器とを環状に接続する風呂熱回収用回路(50)に浴槽水を循環させる風呂熱回収ポンプ(63)と、加熱装置の作動を制御してタンク内への熱量の供給を制御するとともに、風呂熱回収ポンプの作動を制御して、タンク内に風呂熱を回収する風呂熱回収運転を制御する制御装置(70)と、を備える。
制御装置は、風呂熱回収運転の要求があるときに、タンク内の給湯用水に蓄えておく必要がある必要熱量を得るために、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについてシステム全体で予測される使用電力量を算出し、当該算出した使用電力量を比較して風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないことを特徴とする。
この発明によれば、風呂熱回収運転の要求があるときに、タンク内に蓄えるべき必要熱量を得るために、風呂熱回収運転を実施したと仮定した場合のシステム全体で予測される使用電力量と、風呂熱回収運転を実施しないと仮定した場合のシステム全体で予測される使用電力量と、をそれぞれ算出し、これらを比較する。この比較により、風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないため、風呂熱回収運転の要求があった際に、システム全体の使用電力量を抑制する制御を提供できる。このように、必要熱量を確保するために、風呂熱を活用するよりも加熱装置によるタンク内への熱量供給でまかなう方が省電力である場合には、給湯システム全体のエネルギーの省力化を実現できる。したがって、本発明によれば、システム全体の効率向上が可能な給湯システムを提供できる。
請求項2は、請求項1に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転がより早く終了するように終了条件を補正し、当該補正した終了条件を用いて風呂熱回収運転を実施する場合にシステム全体で予測される使用電力量を算出し、風呂熱回収運転を実施する場合の当該算出した使用電力量と、風呂熱回収運転を実施しない場合にシステム全体で予測される使用電力量とを比較して、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施することを特徴とする。
この発明によれば、風呂熱回収運転をより早く終了させる条件補正を行った上で、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量を算出するため、算出される使用電力量が当該条件補正を施さない場合に比べて小さい値になる。したがって、風呂熱回収運転を実施する判定結果が得られやすいため、タンク内へ必要熱量を蓄熱するときに、給湯システム全体の効率向上を重視しつつ、風呂熱を最大限活用した制御を実施することができる。
請求項3は、請求項1または請求項2に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについて、予め記憶する関係式及びタンクの底部温度を用いて算出した加熱装置単独の運転効率と、算出した加熱装置によるタンク内への供給熱量と、風呂熱回収運転を実施する場合に算出したタンク内への風呂熱回収熱量と、を用いて、システム全体で予測される使用電力量を算出することを特徴とする。この発明によれば、風呂熱回収運転の要否判定のための演算処理について簡単化が図れるとともに、その精度も確保することができる。
請求項4は、請求項3に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転を実施する場合のタンクの底部温度を、風呂熱回収運転を実施する前のタンクの底部温度と、タンクに熱回収される容積と、風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする。
この発明によれば、風呂熱回収運転を実施する場合のタンクの底部温度を、他からの熱量による影響を排除して、浴槽水からタンク内への熱量移動の観点から算出することができる。したがって、風呂熱回収運転の要否判定のための演算処理の簡単化が図れるとともに、その精度も確保することができる。
請求項5は、請求項3に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転を実施する場合のタンクの底部温度を、タンクに供給される給水の温度と、タンクに熱回収される容積と、風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする。
この発明によれば、請求項4に係る発明の奏する効果が得られるとともに、風呂熱回収運転を実施する前のタンクの底部温度に変えて、タンクに供給される給水の温度を用いるため、タンクの底部温度を検知する機構を要しない。
請求項6は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、加熱装置は、ヒートポンプサイクルによって給湯用水を加熱するヒートポンプユニット(20)であることを特徴とする。この発明によれば、ヒートポンプユニットが加熱しようとするタンク内の給湯用水の温度とヒートポンプユニットのCOP(効率)について、適切なバランスが図れ、システム全体の効率を確保する風呂熱回収運転の要否判定を提供できる。
請求項7に記載の給湯システムに係る発明は、タンク(10)内に蓄える給湯用水を加熱する太陽熱温水装置(80)と、タンク内の給湯用水と浴槽(60)内の浴槽水とを熱交換して、浴槽内に蓄えられている風呂熱をタンク内に回収する風呂熱回収用熱交換器(51)と、浴槽と風呂熱回収用熱交換器とを環状に接続する風呂熱回収用回路(50)に浴槽水を循環させる風呂熱回収ポンプ(63)と、太陽熱温水装置の作動を制御してタンク内への熱量の供給を制御するとともに、風呂熱回収ポンプの作動を制御して、タンク内に風呂熱を回収する風呂熱回収運転を制御する制御装置(70)と、を備える。
制御装置は、風呂熱回収運転の要求があるときに、太陽熱温水装置によってタンク内へ供給できる予測熱量だけで、過去の熱量使用実績に基づいてタンク内の給湯用水に蓄えておく必要があると予測される必要熱量をまかなえると判定すると、風呂熱回収運転を実施しないことを特徴とする。
この発明によれば、太陽熱温水装置によってタンク内へ供給できる予測熱量だけでユーザーの要する必要熱量を確保することができる場合は、風呂熱回収運転を実施しない。このため、太陽熱温水装置のタンク内への熱量供給における運転効率を低下させないとともに、自然エネルギーを十分に活用することができるので、給湯システム全体のエネルギーの省力化を実現できる。したがって、本発明によれば、システム全体の効率向上が可能な給湯システムを提供できる。
請求項8は、請求項7に記載の発明において、制御装置は、太陽熱温水装置によってタンク内へ供給できる予測熱量と風呂熱回収運転によってタンク内へ回収できる回収熱量との和が、予測される必要熱量を超えると判定すると、風呂熱回収運転を終了するための終了温度条件定数を補正し、風呂熱回収運転を早く終了させることを特徴とする。
この発明によれば、太陽熱温水装置が供給する予測熱量と風呂熱回収運転による回収熱量との合計熱量が当該予測される必要熱量を超えないように、風呂熱回収運転の時間や能力を経済的に制御することができる。したがって、太陽熱エネルギーの利用を可能な限り高めるとともに、余分な風呂熱回収運転の排除により、風呂熱回収運転で要する使用電力量を抑制して、システム全体における使用電力量を抑えることができる。
請求項9は、請求項7または請求項8に記載の発明において、さらに、タンク(10)内に蓄える給湯用水をヒートポンプサイクルによって加熱するヒートポンプユニット(20)を備え、制御装置は、風呂熱回収運転の要求があるときに、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについてシステム全体で予測される使用電力量を算出し、当該算出した使用電力量を比較して風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないことを特徴とする。
この発明によれば、風呂熱回収運転の要求があるときに、タンク内に蓄えるべき必要熱量を得るために、風呂熱回収運転を実施したと仮定した場合のシステム全体で予測される使用電力量と、風呂熱回収運転を実施しないと仮定した場合のシステム全体で予測される使用電力量と、をそれぞれ算出し、これらを比較する。この比較により、風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないため、風呂熱回収運転の要求があった際に、システム全体の使用電力量を抑制する制御を提供できる。このように、必要熱量を確保するために、風呂熱を活用するよりも太陽熱温水装置やヒートポンプユニットによるタンク内への熱量供給でまかなう方が省電力である場合には、給湯システム全体のエネルギーの省力化を実現できる。したがって、本発明によれば、システム全体の効率向上が可能な給湯システムを提供できる。
請求項10は、請求項9に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転がより早く終了するように終了条件を補正し、当該補正した条件において風呂熱回収運転を実施する場合のシステム全体で予測される使用電力量を算出し、風呂熱回収運転を実施する場合に当該算出した使用電力量と、風呂熱回収運転を実施しない場合にシステム全体で予測される使用電力量とを比較して、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施することを特徴とする。
この発明によれば、風呂熱回収運転をより早く終了させる条件補正を行った上で、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量を算出するため、算出される使用電力量が当該条件補正を施さない場合に比べて小さい値になる。したがって、風呂熱回収運転を実施する判定結果が得られやすいため、タンク内へ必要熱量を蓄熱するときに、給湯システム全体の効率向上を重視しつつ、風呂熱を最大限活用した制御を実施することができる。
請求項11は、請求項9または請求項10に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについて、予め記憶する関係式及びタンクの底部温度を用いて算出した加熱装置単独の運転効率と、算出した加熱装置によるタンク内への供給熱量と、風呂熱回収運転を実施する場合に算出したタンク内への風呂熱回収熱量と、を用いて、システム全体で予測される使用電力量を算出することを特徴とする。この発明によれば、風呂熱回収運転の要否判定のための演算処理について簡単化が図れるとともに、その精度も確保することができる。
請求項12は、請求項11に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転を実施する場合のタンクの底部温度を、風呂熱回収運転を実施する前のタンクの底部温度と、タンクに熱回収される容積と、風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする。
この発明によれば、風呂熱回収運転を実施する場合のタンクの底部温度を、他からの熱量による影響を排除して、浴槽水からタンク内への熱量移動の観点から算出することができる。したがって、風呂熱回収運転の要否判定のための演算処理の簡単化が図れるとともに、その精度も確保することができる。
請求項13は、請求項11に記載の発明において、制御装置は、風呂熱回収運転を実施する場合のタンクの底部温度を、タンクに供給される給水の温度と、タンクに熱回収される容積と、風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする。
この発明によれば、請求項12に係る発明の奏する効果が得られるとともに、風呂熱回収運転を実施する前のタンクの底部温度に変えて、タンクに供給される給水の温度を用いるため、タンクの底部温度を検知する機構を要しない。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示している。
本発明を適用する第1実施形態に係る給湯システムの構成を示す模式図である。 第1実施形態の給湯システムにおける風呂熱回収運転の処理手順を示すフローチャートである。 図2における風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 タンク底部温度と加熱装置の運転効率との関係を示す特性図である。 図2における風呂熱回収運転の動作サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用する第2実施形態に係る風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用する第3実施形態に係る給湯システムの構成を示す模式図である。 第3実施形態に係るタンク底部温度と予測集熱量との関係を示す特性図である。 本発明を適用する第4実施形態に係る風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用する第5実施形態に係る風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明を適用する第1実施形態を以下に説明する。第1実施形態に係る給湯システム100の構成について図1を参照して説明する。図1は第1実施形態に係る給湯システム100の構成を示す模式図である。
図1に示すように、給湯システム100は、水を加熱するヒートポンプユニット20と、この加熱した水が貯えられるタンク10と、各種配管11,12,13,14と、温度検出手段としての各サーミスタ30a〜30g,22,18,65,66等と、追焚き用回路40と、風呂熱回収用回路50と、追い焚き運転、風呂熱回収運転、及びヒートポンプユニット20の作動等を制御する制御装置70と、を備えている。タンク10とヒートポンプユニット20は、設置現場において一体化または離間して設置されている。
給湯システム100は、一般家庭用として使用されるものであり、ヒートポンプユニット20によって生成される高温の湯をタンク10内に貯えるとともに、貯えた湯を給湯用の湯として、台所、洗面所等の給湯端末や風呂へ供給するようになっている。さらに、給湯システム100は、給湯機能の他に、入浴後の浴槽水によるタンク10内下部の低温湯への熱回収を行う風呂熱回収運転機能と、タンク10内上部の高温湯によって浴槽60の浴槽水を加熱する追焚き運転機能と、を有している。
タンク10は、給湯に用いる給湯用水を貯える容器であって、耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器である。タンク10は、その外周部に図示しない断熱材が配置されており、給湯用の湯を長時間に渡って保温することができるようになっている。
タンク10は略円筒形形状であり、その底面に導入口10aが設けられている。この導入口10aにはタンク10内に水道水を供給する導入用流路としての導入管11bが接続されている。この導入管11bには、給水サーミスタ18及び流量カウンタ(図示せず)が設けられている。給水サーミスタ18は導入管11b内の温度を検出するための電気信号を制御装置70に出力し、流量カウンタは導入管11b内の流量を検出するための電気信号を制御装置70に出力する。
また、導入口10aの上流側には、導入管11bを流れてくる水道水の水圧を所定圧に減圧するとともに、断水等における湯の逆流を防止する減圧逆止弁(図示せず)が設けられている。また、導入管11bには、導入口10aの上流側の部位から分岐する給水管11aが設けられている。給水管11aの下流端は、給湯用混合弁15及び風呂用混合弁16に繋がれている。
タンク10の最上部には導出口10bが設けられ、この導出口10bにはタンク10内に貯えられた給湯用の湯のうち、高温の湯を導出するための給湯用流路としての高温取出管12が接続されている。また、高温取出管12の経路途中には、逃がし弁(図示せず)が配設された排出配管が接続されており、タンク10内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、タンク10内の湯を外部に排出して、タンク10等にダメージを与えないようになっている。
タンク10の外壁面には、給湯用水の貯湯量及び貯湯温度を検出するための貯湯温度検出手段としての複数(本例では7つ)のタンク水温サーミスタ30a〜30g(総称してタンク水温サーミスタ30ともいう)が縦方向(タンク10の高さ方向)にほぼ等間隔に配置されている。タンク水温サーミスタ30a〜30gはタンク10内に満たされた給湯用水の各水位レベルでの温度信号を制御装置70に出力するようになっている。特に、タンク水温サーミスタ30gは、タンク10内の最下部に設けられており、タンク底部の水温を検出する。
タンク水温サーミスタ30a〜30gから送信される温度情報に基づいて、タンク10内上方の沸き上げられた温水とタンク内下方の沸き上げられる前の水との温度境界位置を検出することができ、これにより貯湯量が検出できるようになっている。例えば、あるタンク水温サーミスタの検出温度が貯湯熱量として使用できる所定温度を超えていた場合は、タンク10内の最上部からそのタンク水温サーミスタの位置までは給湯に使用できる湯が貯まっていることになる。
また、タンク水温サーミスタ30a〜30gのうち、タンク水温サーミスタ30aは、タンク10内の上部に設置されている追焚き用熱交換器41よりも上方となる位置に設けられており、高温取出管12に吸入される高温の湯の温度であるタンク10内最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。タンク水温サーミスタ30bは追焚き用熱交換器41の下端とほぼ同じ高さ、もしくは下方に配置されている。
タンク10の下部には、タンク10内の最下部の給湯用水をヒートポンプユニット20側に吸入するための吸入口10cが設けられている。タンク10の上部には、ヒートポンプユニット20側から吐出された湯が内部に流入するための吐出口10dが設けられている。吸入口10cと吐出口10dとは加熱用回路21で接続されており、この加熱用回路21の一部はヒートポンプユニット20における水・冷媒熱交換器(図示せず)の水側通路となっている。加熱用回路21のうち、ヒートポンプユニット20内を通過した部分は、ヒートポンプユニット20で加熱された高温の湯をタンク10内に流入させる上部流入管として機能する。
ヒートポンプユニット20は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用するヒートポンプサイクルと、加熱用回路21中に設置された給水ポンプ(図示せず)とから構成される加熱装置である。超臨界のヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯をタンク10内に貯えることができる。またヒートポンプユニット20には、屋外の外気温度を検出して制御装置70に送信する外気温度サーミスタ22が設けられている。
ヒートポンプユニット20を構成するヒートポンプサイクルは、少なくとも電動式の圧縮機、加熱用熱交換器である水・冷媒熱交換器、電気式の膨張弁、空気熱交換器、及びアキュムレータの冷凍サイクル機能部品が配管で環状に接続されることにより形成されている(いずれの部品も図示せず)。さらに、空気熱交換器の近傍には、空気熱交換器に対して強制風を提供する送風機が設けられている。
ヒートポンプユニット20は、制御装置70からの制御信号により作動するとともに、その作動状態を操作盤71に表示するように構成されている。ヒートポンプユニット20は、電力供給契約等に基づいて料金設定が安価である深夜料金時間帯において、深夜電力を利用した圧縮機の回転数制御によって、タンク10内の給湯用水を沸き上げる沸き上げ運転を行うとともに、深夜料金時間帯以外の時間帯においても、タンク10内の貯湯熱量が不足してくると沸き上げ運転を行う。また、圧縮機の回転数は、種々の運転条件下において規定の能力が出るように制御装置70により制御される。
膨張弁は、水・冷媒熱交換器から流出する高圧の冷媒を減圧する減圧手段であり、制御装置70によって弁開度が電気的に制御される。空気熱交換器は、膨張弁で減圧された冷媒を送風機によって送風される室外空気との熱交換によって蒸発気化させ、圧縮機にガス冷媒を供給する。送風機は、空気熱交換器の熱交換性能を確保するように制御装置70によって回転数が制御される。アキュムレータは、空気熱交換器から流出する冷媒を気液分離して、気相冷媒のみ圧縮機に吸引させるとともに、サイクル中の余剰冷媒を貯える。
水・冷媒熱交換器は、圧縮機の吐出口より吐出された高温・高圧の冷媒によって水を加熱して湯とする熱交換器である。水・冷媒熱交換器の冷媒側通路は、圧縮機の吐出口より吐出された高圧のガス冷媒と水側通路を流れる給湯用水とを熱交換する冷媒流路管により構成されている。水・冷媒熱交換器は、冷媒側通路と水側通路の対向する面とが熱交換可能に密着するように配置された二層構造となっている。水側通路は、冷媒側通路の冷媒入口部から冷媒出口部に至る冷媒流路の全長で冷媒と加熱用回路21を流通する水との熱交換が行われるように構成されている。そして、水側通路の出口部から所定の沸き上げ温度(65℃〜90℃程度)相当の温水を取り出した場合に、規定の熱交換性能を出せるように構成されている。
加熱用回路21の吸入口10cと水側通路との間には、ヒートポンプユニット20内に給水ポンプが配設されている。給水ポンプは、内蔵される電動モータによって回転駆動されて、沸き上げ運転時に、タンク10内の給湯用水を吸入口10cから吸入し、水側通路内で加熱した後タンク10の吐出口10dに還流させるように作動する。給水ポンプは、水側通路の出口側水温が、種々の運転条件下において決定される所定の目標沸き上げ温度となるように制御装置70によって回転数が制御される。
高温取出管12と給水管11aとの下流側合流部位には、給湯用混合弁15が設けられている。この給湯用混合弁15は、温度調節弁であって、高温側、低温側それぞれの開口面積比(弁開度)を調節して、高温取出管12から取出した高温の湯と、給水管11aから供給される給湯水との混合比を調節する。これにより、給湯用混合弁15は、給湯用混合弁15よりも下流側に接続された給湯用配管13に流通させる湯の温度をユーザーが設定する設定温度に調節する。給湯用混合弁15の弁開度は、制御装置70によって制御される。
給湯用配管13は、下流端の給湯端末としての給湯水栓(例えばカラン、シャワー等)へ設定温度に温度調節された湯を導く配管である。風呂用配管14は、給湯用混合弁15よりも上流側で給湯用配管13から分岐する配管であり、浴槽流出配管53に接続されて、浴槽60内に湯張り、差し湯、たし湯等を行う時に、設定温度に温度調節された水を浴槽60に導く。
風呂用配管14と給水管11aとの下流側合流部位には、風呂用混合弁16が設けられている。この風呂用混合弁16は、温度調節弁であって、高温側、低温側それぞれの開口面積比(弁開度)を調節して、高温取出管12から取出した高温の湯と、給水管11aから供給される給湯水との混合比を調節する。これにより、風呂用混合弁16は、浴槽60に供給する湯の温度をユーザーが設定する設定温度に調節する。風呂用混合弁16の弁開度は、制御装置70によって制御される。湯張り用電磁弁17は風呂用配管14の流路を開閉する弁であり、浴槽60内への湯張り、差し湯、たし湯等を行う時に制御装置70により制御される。
浴槽60の側壁には、吐出口61および吸入口62を有するアダプタが設けられている。浴槽60には、吐出口61から流出した浴槽60内の浴槽水が通る浴槽流出配管53と、再び浴槽水が吸入口62から浴槽60内に戻るときに通る浴槽流入配管52と、が設けられている。浴槽流出配管53の下流端と浴槽流入配管52の上流端には、タンク10内の下部に設置される風呂熱回収用熱交換器51が接続されている。風呂熱回収用熱交換器51、浴槽流出配管53、浴槽流入配管52、及び浴槽60は、風呂熱回収用回路50を構成する。
浴槽60の吐出口61と風呂熱回収用熱交換器51との間にある浴槽流出配管53には、浴槽60から近い順に水位センサ64、風呂用ポンプ63、及び風呂流出サーミスタ65が設けられている。風呂用ポンプ63は、浴槽60内の浴槽水を風呂熱回収用熱交換器51側に圧送して、再び浴槽60に戻すように循環させる電動ポンプであり、制御装置70によってその作動が制御される。水位センサ64は、浴槽60内に湯張りされた浴槽水の湯量、言い換えれば浴槽60内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサであり、水圧信号を制御装置70に出力する。つまり、制御装置70は、当該水圧信号に基づいて浴槽60内の水量を求めることができる。風呂流出サーミスタ65は、浴槽流出配管53において浴槽60から風呂熱回収用熱交換器51へ流出する浴槽水温度を検出する温度検出手段であり、検出した浴槽水温度信号を制御装置70に出力する。
風呂熱回収用熱交換器51と浴槽60の吸入口62との間にある浴槽流入配管52には、風呂流入サーミスタ66が設けられている。風呂流入サーミスタ66は、風呂熱回収用熱交換器51から浴槽60へ流入する温度を検出する温度検出手段であり、検出した温度信号を制御装置70に出力する。また、風呂流入サーミスタ66は、追焚き用熱交換器41から流出する浴槽水の温度も検出することができる。
風呂熱回収用熱交換器51は、入浴後の浴槽60の浴槽水の熱をタンク10内の下部の低温湯領域に回収して浴槽水によって低温湯を加熱する熱交換器である。また、浴槽流出配管53及び浴槽流入配管52のそれぞれには、追焚き用熱交換器41に通じるバイパス通路42が接続されている。バイパス通路42は、浴槽60を流出して浴槽流出配管53を通ってきた浴槽水が、風呂熱回収用熱交換器51を通らないで追焚き用熱交換器41に向かって流れ、追焚き用熱交換器41から浴槽流入配管52に流入するときに流れる通路である。追焚き用熱交換器41、バイパス通路42、浴槽流出配管53、浴槽流入配管52、及び浴槽60は、追焚き用回路40を構成する。
追焚き用熱交換器41よりも下流側のバイパス通路42から浴槽流入配管52に合流する合流部には、切換弁43が設けられている。追焚き用熱交換器41は、切換弁43による通路の切換え及び風呂用ポンプ63の作動によって、追焚き用回路40を循環する浴槽水を、タンク10内の上部側の高温湯によって加熱することで追い焚きする熱交換器である。
浴槽流出配管53及び浴槽流入配管52とバイパス通路42との合流部よりも浴槽60寄りには、浴槽流出配管53と浴槽流入配管52とを直接接続するバイパス通路54が設けられている。バイパス通路54は、浴槽60を流出して浴槽流出配管53を通ってきた浴槽水が、風呂熱回収用熱交換器51及び追焚き用熱交換器41の両方を通らないで浴槽流入配管52を通って浴槽60に戻るときに流れる通路である。
浴槽流出配管53とバイパス通路54との接続部には、保温三方弁55が設けられている。浴槽60内の浴槽水温度を検出する際には、保温三方弁55によって浴槽流出配管53とバイパス通路54とを接続する通路を形成する。そして、風呂用ポンプ63によって循環される浴槽水は、浴槽流出配管53、バイパス通路54及び浴槽流入配管52を経由して、風呂熱回収用熱交換器51及び追焚き用熱交換器41の影響を受けないようにショートカットするようになっている。
制御装置70は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROMには、予め制御プログラムが記憶されており、各サースミスタ30,18,22,64〜66からの温度信号等、水位センサ64からの水位信号、ユーザーが入力する操作盤71(例えば、風呂設置リモコン、台所設置リモコン)からの入力信号等に基づいて、各種弁15〜17,43,44、ヒートポンプユニット20の各部品、風呂用ポンプ63を制御するように構成されている。
また、制御装置70は、給湯用、湯張り用等として使用された使用熱量の過去実績を、毎日継続して記憶装置に記憶する。記憶装置は、例えば、フラッシュメモリやRAMで構成され、記憶されているデータの読み出しや書き込みを行うものである。当該使用熱量の過去実績は、例えば、ヒートポンプユニット20の運転実績、風呂熱回収実績、給湯や湯張りに相当する給湯実績等である。当該記憶装置は、例えば、当該使用熱量の過去実績を所定期間分記憶しておくことができ、当該所定期間からはみ出た古い実績は新しい実績に随時書き換えられる。本実施形態では、所定期間の一例として過去1週間分の使用熱量の実績を記憶するようにしている。そして、1週間分の使用熱量の実績は、直近の1日の実績が記憶されるタイミングになると、最も古い1日の実績が記憶装置から消去され、直近の1日の実績が書き込まれることになる。
操作盤71には、操作スイッチとして、風呂自動運転スイッチ、給湯設定温度スイッチ、湯張りスイッチ、湯張り設定温度スイッチ、追焚きスイッチ、追焚き設定温度スイッチ、風呂熱回収スイッチ等が設けられている。また、操作盤71は、浴室内や台所等の湯を使用する場所の近傍に設置され、操作盤71以外は、屋外等の適所に設置されている。
(沸き上げ運転)
制御装置70は、深夜料金時間帯には安価な深夜電力を用いてヒートポンプユニット20に対して作動指示をし、タンク10内の下部側の給湯水を加熱用回路21に循環させ、ヒートポンプユニット20で加熱して、沸き上げられた高温の湯を吐出口10dからタンク10の上部側に貯めていく。
(給湯運転、湯張り運転)
昼間の台所や洗面所での湯の使用時、また風呂への湯張り時には、制御装置70は、ユーザーによって操作盤71の給湯設定温度スイッチ及び湯張り設定温度スイッチから入力設定される設定温度と一致するように、給湯用混合弁15及び風呂用混合弁16の弁開度を調節して、タンク10の導出口10bから取出される高温の湯と給水管11aから供給される給湯水とを混合して温度調節した湯として供給する。
(風呂自動運転)
制御装置70は、浴槽60内の浴槽水の温度低下に対しては、湯張り運転後の風呂保温設定時間範囲(ユーザーが設定する時間であり、例えば4時間)において、浴槽水温度を設定温度に保持する風呂自動運転を実施する。すなわち、制御装置70は、保温三方弁55を制御してバイパス通路54側を開き、風呂用ポンプ63を作動させ、浴槽60、浴槽流出配管53、バイパス通路54、及び浴槽流入配管52を循環する浴槽水の流れを形成する。そして、風呂流出サーミスタ65及び風呂流入サーミスタ66の少なくとも一方が検出する浴槽水温度が設定温度より低い場合には、制御装置70は、保温三方弁55を制御して浴槽流出配管53側を開くとともに、切換弁43を制御してバイパス通路42側を開き、風呂用ポンプ63を継続作動させる。これにより、浴槽水は、追焚き用回路40を循環して追焚き用熱交換器41によって加熱される。制御装置70は、風呂流入サーミスタ66が検出する温度が設定温度になると、風呂用ポンプ63を停止させ、追焚き運転を終了する。
(風呂熱回収運転)
制御装置70は、ユーザーによって操作盤71の風呂熱回収スイッチから入力される入力信号に基づいて、ユーザーが入浴した後には浴槽60内の浴槽水を活用してタンク10の低温湯領域への熱回収を行う。
次に、給湯システム100における風呂熱回収運転時の処理手順について図2〜図5を参照して説明する。図2は、給湯システム100における風呂熱回収運転の処理手順を示すフローチャートである。図3は、図2におけるステップ10の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図4は、タンク底部温度と加熱装置の運転効率との関係を示す特性図である。図5は、図2における風呂熱回収運転の動作サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
風呂熱回収運転では、風呂熱回収運転を実施するか否かの判定を行い、この判定結果に基づき実施する場合には、次に風呂熱回収動作に係る具体的な処理を実行する。一方、判定結果に基づき実施しない場合には、風呂熱回収運転をすることなく終了する。以下の各処理で実行する演算、判定及び各部の制御は、制御装置70が直接的、または他の装置を介して間接的に実施するものである。
制御装置70は、ユーザーによる操作盤71の操作等によって風呂熱回収運転開始の指令が受けると、図2のステップ10で風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンを実行する。風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンでは、まずステップ110で、風呂熱回収運転をしない場合に給湯システム100が使用する使用電力量Wnを算出する。ここでの使用電力量Wnは、(式1)、(式2)にしたがって算出する。
(式1)
Wn=Qhn/En
(式2)
Qhn=Qm
Qhnは、風呂熱回収運転しない場合にヒートポンプユニット20(加熱装置)によってタンク10に蓄えられる蓄熱量であり、Qmと同値である。Enは、風呂熱回収運転しない場合のヒートポンプユニット20(加熱装置)の運転効率である。ヒートポンプユニット20(加熱装置)の運転効率とは、ヒートポンプユニット20単独の消費電力に対する、ヒートポンプユニット20が沸き上げ運転によりタンク10内に与えた熱量(仕事)の比率であり、すなわち、仕事を消費電力で割り算して求められる値である。Enは、記憶装置に予め記憶されている図4の特性図に従うE及びタンク底部温度Ttの関係式に、タンク水温サーミスタ30gが検出する風呂熱回収運転前のタンク底部温度Ttsを適用して算出することができる。Qmは、深夜料金時間帯後の翌日に使用が予測される熱量であり、過去の使用熱量実績から必要であると予測される必要熱量である。
制御装置70は、このようにステップ110で使用電力量Wnを算出した後、次にステップ120で、風呂熱回収運転をする場合に給湯システム100が使用する使用電力量Wyと、風呂熱回収運転後のタンク底部温度Tteとを算出する。ここでの使用電力量Wyは、(式3)〜(式5)にしたがって算出する。
(式3)
Wy=Qhy/Ey+Pb×Hb
(式4)
Qhy+Qb=Qm
(式5)
Qb=Lt×(Tte−Tts)
Qhyは、風呂熱回収運転する場合にヒートポンプユニット20(加熱装置)によってタンク10に蓄えられる蓄熱量であり、(式4)〜(式6)を用いて算出できる。Eyは、風呂熱回収運転する場合のヒートポンプユニット20(加熱装置)の運転効率である。Eyは、記憶装置に予め記憶されている図4の特性図に従うE及びタンク底部温度Ttの関係式に、下記の(式6)にしたがって算出した風呂熱回収運転後のタンク底部温度Tteを適用して算出することができる。図4に示すように、タンク底部温度Tt(℃)が上昇するにつれて、加熱装置の運転効率は低下するようになる。これは、ヒートポンプユニット20の運転効率は、沸き上げ運転時に加熱しようとする給湯用水の温度が上昇するにつれて低下する傾向にあるからである。つまり、ヒートポンプユニット20の運転効率は、タンク10内に貯まった中温水化した湯を再度沸き上げた場合に低下する。なお、(式5)におけるTtsは、給水サーミスタ18が検出する給水温度に置き換えてもよい。これによれば、風呂熱回収運転を実施する前のタンク底部温度Ttsに変えて、タンク10に供給される給水の温度を用いるため、タンク底部の適切な位置に温度を検知する機構を設置しなくてよい。
Pbは、風呂用ポンプ63が消費する消費電力であり、消費電流及び消費電圧等を用いた算出、または風呂用ポンプ63の定格消費電力によって求めることができる。Hbは、風呂熱回収運転を実施する熱回収時間であり、過去の熱回収運転時間の実績による学習値から求めることができる。Qbは、風呂熱回収運転によってタンク10内に回収できる風呂熱回収熱量である。Ltは、タンクに熱回収されるタンク回収容積である。タンク回収容積は、タンク10内の低温湯領域の容積であり、ここでは、風呂熱回収後の浴槽水温度よりも低温の領域の容積である。
このように、制御装置70は、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについて、予め記憶する関係式及びタンク底部温度Tte,Ttsを用いて算出したヒートポンプユニット20(加熱装置)単独の運転効率Ey,Enと、算出したヒートポンプユニット20によるタンク10内への供給熱量Qhy,Qhnと、風呂熱回収運転を実施する場合に算出したタンク10内への風呂熱回収熱量Qbと、を用いて、給湯システム100全体で予測される使用電力量Wy,Wnを算出する。これによれば、風呂熱回収運転の要否判定のための演算処理の簡単化が図れるとともに、その精度も確保することができる。
風呂熱回収運転後のタンク底部温度Tteは、タンク側の熱収支を示すLt×(Tte−Tts)と風呂側の熱収支を示すLb×{Tbs−(Tte+α)}とが釣り合うと仮定することにより求めた以下の(式6)にしたがって算出することができる。
(式6)
Tte={Lb×(Tbs−α)+Lt×Tts}/(Lt+Lb)
Lbは、浴槽60の湯量であり、水位センサ64の検出値を用いて求めることができる。Tbsは、風呂流出サーミスタ65が検出する風呂熱回収運転前の浴槽水温度である。
このように、風呂熱回収運転後のタンク底部温度Tteを、風呂熱回収運転前のタンク底部温度Tts、タンク回収容積Lt、熱回収前の浴槽水温度Tbs、及び風呂湯量Lbを用いて求めることにより、浴槽水からタンク10内への熱量移動の観点からTteを算出することができる。したがって、他からの熱量による影響を排除して、風呂熱回収に基づく判定が行われるため、高い精度の風呂熱回収運転の要否判定を実施することができる。
次にステップ130では、ステップ120で求めたWyがステップ110で求めたWnよりも小さいか否かを判定する。このステップ130では、風呂熱回収ありの場合となしの場合とで使用電力量を比較して、使用電力量がより小さい方を選択することによって、風呂熱回収運転の実施か非実施かを判定する。
ステップ130でWyの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施した方がシステム全体の効率がよいため、ステップ140で風呂熱回収運転実施判定をして、本サブルーチンを終了し、図2のステップ20へ進む。一方、ステップ130でWnの方が小さいまたは同等であると判定すると、風呂熱回収運転を実施しない方がシステム全体の効率がよいため、ステップ140Aで風呂熱回収運転不実施判定をして、本サブルーチンを終了し、図2のステップ20へ進む。なお、加熱装置の運転効率E及びタンク底部温度Ttの関係式は、外気温度、沸き上げ温度、及び給水温度等に応じて決定される複数の近似式であってもよく、当該複数の近似式は記憶装置に予め記憶されている。この場合、外気温度、沸き上げ温度は、ステップ130での判定の際に検出する値を用いるとよい。
次に、図2のステップ20で、サブルーチンでの判定が風呂熱回収運転不実施であれば、風呂熱回収運転のフローチャートを終了する。風呂熱回収運転実施の判定であれば、ステップ30で風呂熱回収運転の動作サブルーチンを実行する。図5に示す風呂熱回収運転の動作サブルーチンでは、まずステップ310で、浴槽流出配管53と風呂熱回収用熱交換器51とが連通するように保温三方弁55を制御するとともに、風呂熱回収用熱交換器51と浴槽流入配管52とが連通するように切換弁43を制御する。次にステップ320で、風呂用ポンプ63を駆動する。これにより、浴槽60の浴槽水が風呂熱回収用回路50を循環する流れを形成でき、浴槽水の熱量をタンク10内の下部に回収する風呂熱回収運転が開始される。
この風呂熱回収運転は、ステップ330の終了条件が満たされるまで継続して実施される。ステップ330では、TtがTbiからαを除算した値(Tbi−α)以上であるか否かを判定する。Ttは、タンク水温サーミスタ30gが検出する風呂熱回収運転中のタンク底部温度である。Tbiは、浴槽60の浴槽水温度であり、例えば風呂流出サーミスタ65によって検出することができる。αは、風呂熱回収運転の終了条件に関わる終了温度条件定数である。ステップ330で、この終了温度条件定数を用いた終了判定を行うことにより、浴槽水温度Tbiがタンク底部温度Ttよりもα(℃)高い温度で風呂熱回収運転を終了することができる。つまり、αは風呂熱回収運転を浴槽水温度がタンク底部温度よりも所定温度高い状態で終了させるための定数である。αは、例えば、5(℃)に設定するとよい。
ステップ330で、Ttが(Tbi−α)以上であると判定するまで風呂熱回収運転は継続し、タンク10への風呂熱回収が進み、Ttが(Tbi−α)以上になると、ステップ340で風呂用ポンプ63を停止して本サブルーチンを終了し、図2に示す風呂熱回収運転のフローチャートを終了する。
以下に、本実施形態の給湯システム100がもたらす作用効果について説明する。給湯システム100は、タンク10内に蓄える給湯用水を加熱する加熱装置としてのヒートポンプユニット20と、タンク10内の給湯用水と浴槽60内の浴槽水とを熱交換して、浴槽60内に蓄えられている風呂熱をタンク10内に回収する風呂熱回収用熱交換器51と、浴槽60と風呂熱回収用熱交換器51とを環状に接続する風呂熱回収用回路50に浴槽水を循環させる風呂用ポンプ63と、ヒートポンプユニット20の作動を制御してタンク10内への熱量の供給を制御するとともに、風呂用ポンプ63の作動を制御して、タンク10内に風呂熱を回収する風呂熱回収運転を制御する制御装置70と、を備える。
制御装置70は、風呂熱回収運転の要求があるときに、風呂熱回収運転を実施する場合と風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについてシステム全体で予測される使用電力量Wn,Wyを算出し、使用電力量Wnと使用電力量Wyを比較して風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量Wnの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないことを決定する(ステップ130、ステップ140A)。
一般に、ヒートポンプ式の加熱装置の効率は、沸き上げ運転時に加熱しようとするタンク10内の給湯用水の温度が上昇するに伴い低下する傾向にある。つまりヒートポンプ式の加熱装置の効率は、タンク内に貯まった中温水化した湯を再度沸き上げた場合に低下する。そこでこの制御によれば、風呂熱回収運転の要求があるときに、タンク10内に蓄えるべき必要熱量Qmを得るために、風呂熱回収運転を実施したと仮定した場合の給湯システム100全体で予測される使用電力量Wyと、風呂熱回収運転を実施しないと仮定した場合の給湯システム100システム全体で予測される使用電力量Wnと、をそれぞれ算出し、これらを比較し大小を判定する(ステップ130)。この処理により、風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量Wnの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないため、風呂熱回収運転の要求があった際に、給湯システム100全体の使用電力量を抑制する制御を提供することができる。このように、給湯システム100によれば、必要熱量Qmを確保するために、風呂熱を活用するよりもヒートポンプユニット20によるタンク10内への供給熱量Qhnでまかなう方が省電力である場合に、システム全体のエネルギーの省力化を実現することができる。
また、タンク10内に蓄える給湯用水を加熱する加熱装置はヒートポンプユニット20である。このため、給湯システム100によれば、ヒートポンプユニット20が加熱しようとするタンク10内の給湯用水の温度とヒートポンプユニット20のCOPについて、適切なバランスが図れ、システム全体の効率を確保できる風呂熱回収運転の要否判定が得られる。
(第2実施形態)
第2実施形態の給湯システムは、第1実施形態に対して、風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンのみが相違する。図6は、第2実施形態に係る風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、第1実施形態で説明した図3のフローチャートと同様の処理を実行するステップには同一のステップ番号を付している。以下、第2実施形態について、第1実施形態と異なる実施形態についてのみ説明する。
図6に示すように、第2実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンは、ステップ120とステップ130の間に、ステップ121、ステップ122、及びステップ123を実行する点が第1実施形態と相違している。
第2実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンでは、ステップ120の後に、終了温度条件定数であるαを1℃ずつ上げる処理を実行する。つまり、ステップ122での前回の判定のときよりもαの値を1℃上げて設定し、続くステップ122で、1℃上げて設定し直したαがTbsからTtsを除算した値(Tbs−Tts)以上であるか否かを判定する。この判定がNOの場合は、ステップ120に戻り、再度Tte及びWyを算出し、ステップ121でαを1℃上げるように設定する。このように終了温度条件定数αを上昇させる処理によって、風呂熱回収運転を早く終了させる制御が働くことになる。
ステップ122での判定がYESの場合は、ステップ123でαが確定する。αが確定することで風呂熱回収熱量であるQbが決定するため、(式4)からQhyが決定する。この場合のWyは、最小の値となる。したがって、ステップ123では、αと最小のWyの確定が行われる。次にステップ130では、このように決定された最小のWyを先のステップ110で算出したWnと比較することにより、風呂熱回収運転の要否判定を行う。
本実施形態によると、制御装置70は、風呂熱回収運転がより早く終了するように終了条件(例えば、終了温度条件定数α)を補正し、当該補正した終了条件を用いて風呂熱回収運転を実施する場合に給湯システム100全体で予測される使用電力量Wyを算出し(ステップ120)、風呂熱回収運転を実施する場合の当該算出した使用電力量Wyと、風呂熱回収運転を実施しない場合に給湯システム100全体で予測される使用電力量Wnとを比較してその大小を判定する(ステップ130)。この判定において、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量Wyの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施する(ステップ20、ステップ30)。
この制御によれば、風呂熱回収運転をより早く終了させる条件補正を行った上で、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量Wyを算出するため、算出される使用電力量Wyが当該条件補正を施さない場合に比べて小さい値になる。このため、ステップ130で、最小のWyを用いて風呂熱回収運転の要否判定を行うことにより、ステップ130でYESと判定され易くなり、風呂熱回収実施判定を得やすいサブルーチンを提供することができる。したがって、給湯システム100全体の効率を確保しつつ、風呂熱回収を最大限活用した上での沸き上げ運転を深夜料金時間帯に積極的に実施することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の給湯システム100Aは、第1実施形態の給湯システム100に対して、ヒートポンプユニット20の他に、加熱装置として太陽熱温水装置80を備える点が相違する。図7は第3実施形態に係る給湯システム100Aの構成を示す模式図である。図8は、第3実施形態に係るタンク底部温度と予測集熱量との関係を示す特性図である。以下、第2実施形態について、第1実施形態と異なる実施形態についてのみ説明する。したがって、特に説明しない実施形態(各部の構成、その作動、フローチャート、作用効果等)については、第1実施形態または第2実施形態と同様である。
図7に示すように、給湯システム100Aが備える太陽熱温水装置80は、太陽熱を集熱する集熱器82と、集熱器82で加熱された流体が循環する循環回路81と、循環回路81の一部であってタンク10内の下部に配置された集熱用熱交換器83と、循環回路81において流体を強制的に循環させる集熱ポンプ86と、循環回路81内で流体を所定量蓄えるリザーブタンク87と、を備えて構成される。また、循環回路81には、集熱器82に流入する前の流体の温度を検出する集熱前サーミスタ84と、集熱器82から流出した後の流体の温度を検出する集熱後サーミスタ85と、が設けられている。集熱前サーミスタ84及び集熱後サーミスタ85が検出する温度を求めるための電気信号は、制御装置70に入力される。また、循環回路81を循環する流体は、例えば、水、不凍液等である。
制御装置70は、太陽熱が得られる状況であって、必要熱量Qmを確保するために太陽熱を利用する必要がある場合は、集熱ポンプ86を駆動する。集熱ポンプ86によって循環する流体は、集熱器82、集熱用熱交換器83、リザーブタンク87、集熱ポンプ86、集熱器82の順に循環回路81を還流する。これにより、集熱用熱交換器83では、集熱器82で太陽熱を取り込んだ流体とタンク10内の下部の水との間で熱交換が行われてタンク10内の下部の水が加熱され、太陽熱をタンク10の内部に取り入れることができる。
次に、給湯システム100Aにおける風呂熱回収運転時の処理手順について説明する。給湯システム100Aの風呂熱回収運転は、第1実施形態の風呂熱回収運転または第2実施形態の風呂熱回収運転に対して、加熱装置として太陽熱温水装置80を使用する点で、所定のステップにおける具体的な演算、判定が相違する。以下、第1実施形態及び第2実施形態と相違する処理について説明する。
本実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンでは、図3及び図6のステップ110で、風呂熱回収運転をしない場合に給湯システム100Aが使用する使用電力量Wnを算出する。ここでの使用電力量Wnは、(式7)、(式8)にしたがって算出する。
(式7)
Wn=Qhn/En+Ps×Hs
(式8)
Qhn+Qsn=Qm
Psは、集熱ポンプ86が消費する消費電力であり、消費電流及び消費電圧等を用いた算出、または集熱ポンプ86の定格消費電力によって求めることができる。Hsは、集熱器82から太陽熱の集熱が得られている時間であり、過去の太陽熱集熱時間実績による学習値から求めることができる。Qsnは、風呂熱回収運転しない場合に太陽熱温水装置80によってタンク10に蓄えられると予測できる予測集熱量である。予測集熱量Qsnは、過去の集熱量実績による学習値と翌日の天候予測とを用いて算出する。翌日の天候予測は、過去の天候実績に基づいて行う方法、過去の大気圧変動実績と天候実績の相関関係等に基づいて行う方法、気象庁等の天候予測を用いて行う方法を採用することができる。
制御装置70は、このようにステップ110で使用電力量Wnを算出した後、次に図3及び図6のステップ120で、風呂熱回収運転をする場合に給湯システム100Aが使用する使用電力量Wyと、風呂熱回収運転後のタンク底部温度Tteとを算出する。ここでの使用電力量Wyは、(式9)、(式10)にしたがって算出する。
(式9)
Wy=Qhy/Ey+Pb×Hb+Ps×Hs
(式10)
Qhy+Qb+Qsy=Qm
Qsyは、風呂熱回収運転を行う場合に太陽熱温水装置80によってタンク10に蓄えられると予測できる予測集熱量である。予測集熱量Qsyは、過去に風呂熱回収を行ったときの集熱量実績による学習値と翌日の天候予測とを用いて算出する。図8に示すように、予測集熱量Qsは、タンク底部温度Tt(℃)の上昇に伴い、低下する関係にある。
そして、ステップ130では、ステップ120で求めたWyがステップ110で求めたWnよりも小さいか否かを判定する。ステップ130でWyの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施した方がシステム全体の効率がよいため、ステップ140で風呂熱回収運転実施判定をして、本サブルーチンを終了する。一方、ステップ130でWnの方が小さいまたは同等であると判定すると、風呂熱回収運転を実施しない方がシステム全体の効率がよいため、ステップ140Aで風呂熱回収運転不実施判定をして、本サブルーチンを終了する。
本実施形態によれば、風呂熱回収運転の要求があるときに、タンク10内に蓄えるべき必要熱量Qmを得るために、風呂熱回収運転を実施したと仮定した場合の給湯システム100A全体で予測される使用電力量Wyと、風呂熱回収運転を実施しないと仮定した場合の給湯システム100システム全体で予測される使用電力量Wnと、をそれぞれ算出し、これらを比較し大小を判定する(ステップ130)。この処理により、風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量Wnの方が小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しないため、風呂熱回収運転の要求があった際に、給湯システム100A全体の使用電力量を抑制する制御を提供することができる。このように、給湯システム100Aによれば、必要熱量Qmを確保するために、風呂熱を活用するよりも太陽熱温水装置80によるタンク10内への供給熱量(予測熱量Qsn)でまかなう方が省電力である場合に、システム全体のエネルギーの省力化を実現することができる。
なお、第3実施形態に係る給湯システム100Aでは、ヒートポンプユニット20と太陽熱温水装置80の二つの加熱装置を備えているが、他の形態として、加熱装置として太陽熱温水装置80を備え、ヒートポンプユニット20を備えない給湯システムを構成することもできる。この場合には、風呂熱回収運転によるタンク内への熱回収と、太陽熱温水装置80による太陽熱を利用したタンク内への熱供給とによって、タンク内部に蓄熱することになる。さらに、このシステムによると、上記の(式7)、(式8)、(式9)、及び(式10)は、それぞれ、
(式7A)
Wn=Ps×Hs
(式8A)
Qsn=Qm
(式9A)
Wy=Pb×Hb+Ps×Hs
(式10A)
Qb+Qsy=Qm
に置き換えられることになる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態の風呂熱回収運転の作動について、他の形態を説明する。第4実施形態に係る給湯システムは、加熱装置として第3実施形態と同様の太陽熱温水装置80を備えるが、ヒートポンプユニット20を備えないシステムである。このシステムの場合には、第3実施形態で記載したように上記の(式7A)、(式8A)、(式9A)、及び(式10A)にしたがった演算を行うことになる。以下、第4実施形態について、第1実施形態と異なる形態についてのみ説明する。図9は、第4実施形態に係る風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
本サブルーチンは、制御装置70によって実行される。制御装置70は、ユーザーによる操作盤71の操作等によって風呂熱回収運転開始の指令が受けると、風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンを実行する。風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンでは、図9のステップ110で、風呂熱回収運転をしない場合の翌日の予測集熱量Qsnを算出する。予測集熱量Qsnは、過去の集熱量実績による学習値と翌日の天候予測とを用いて算出する。翌日の天候予測は、過去の天候実績に基づいて行う方法、過去の大気圧変動実績と過去の天候実績の相関関係等に基づいて行う方法、気象庁等の天候予測を用いて行う方法を採用することができる。
次にステップ120Aで、ステップ110Aで求めたQsnがQm以上であるか否かを判定する。ステップ120AでQsnがQm以上であると判定すると、日中の太陽熱温水装置80による集熱量(換言すれば、太陽熱温水装置80によってタンク10内へ供給できる予測熱量でもある)だけで、深夜料金時間帯後の翌日に使用が予測される予測必要熱量をまかなえることになる。したがって、風呂熱回収運転を実施しない方がシステム全体の効率がよいため、ステップ140Aで風呂熱回収運転不実施判定をして、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップ120Aで、QsnがQmよりも小さいと判定すると、ステップ121Aで、風呂熱回収運転後のタンク底部温度Tteと、風呂熱回収運転によってタンク10内に回収できる風呂熱回収熱量Qbと、風呂熱回収運転を行う場合に太陽熱温水装置80によってタンク10に蓄えられると予測できる予測集熱量Qsyと、を算出する。Qbは、上記の(式5)にしたがって算出できる。Tteは、上記の(式6)にしたがって算出できる。Qsyは、過去に風呂熱回収を行ったときの集熱量実績による学習値と翌日の天候予測とを用いて算出できる。
続くステップ130Aで、QsyとQbの和がQsnよりも大きいか否かを判定する。ステップ130Aで、QsyとQbの和がQsnよりも大きくないと判定すると、ステップ140Aで風呂熱回収運転不実施判定をして、本サブルーチンを終了する。一方、ステップ130Aで、QsyとQbの和がQsnよりも大きいと判定すると、風呂熱回収運転実施判定をして、本サブルーチンを終了する。
本実施形態の給湯システム100Aは、タンク10内に蓄える給湯用水を加熱する太陽熱温水装置80と、タンク10内の給湯用水と浴槽60内の浴槽水とを熱交換して、浴槽内に蓄えられている風呂熱をタンク内に回収する風呂熱回収用熱交換器51と、浴槽60と風呂熱回収用熱交換器51とを環状に接続する風呂熱回収用回路50に浴槽水を循環させる風呂用ポンプ63と、太陽熱温水装置80の作動を制御してタンク10内への熱量の供給を制御するとともに、風呂用ポンプ63の作動を制御して、タンク10内に風呂熱を回収する風呂熱回収運転を制御する制御装置70と、を備える。
制御装置70は、風呂熱回収運転の要求があるときに、太陽熱温水装置80によってタンク10内へ供給できる予測熱量(予測集熱量Qsn)だけで、過去の熱量使用実績に基づいてタンク10内の給湯用水に蓄えておく必要があると予測される必要熱量Qmをまかなえると判定すると、風呂熱回収運転を実施しない。
この制御によれば、風呂熱回収を行わないときに翌日に太陽熱から得られる予測集熱量Qsnだけで、ユーザーが必要とする必要熱量Qmを確保できる場合には、風呂熱回収運転不実施の判定をする。この判定により、予測集熱量Qsnで必要熱量Qmを十分に確保可能な場合は、風呂熱回収運転を実施しないので、浴槽水を循環させるための風呂用ポンプ63の稼動を抑制できる。したがって、太陽熱温水装置80のタンク内への熱量供給における運転効率を低下させないとともに、自然エネルギーを十分に活用することができるので、システムにおける使用電力量を抑えてエネルギーの省力化が図れ、環境にやさしい給湯システム100Aを提供できる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第4実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンについて、他の形態を説明する。図10は、第5実施形態に係る風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、第4実施形態で説明した図9のフローチャートと同様の処理を実行するステップには同一のステップ番号を付している。図10に示すように、第5実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンは、ステップ140またはステップ140Aで風呂熱回収の実施または不実施の判定を行った後に、ステップ150及びステップ160を実行する点が第4実施形態と相違している。以下、第5実施形態について、第4実施形態と異なる実施形態についてのみ説明する。
第5実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンでは、ステップ140またはステップ140Aの後に、ステップ150で、QsyとQbの和がQmよりも大きいか否かを判定する。ステップ150で、QsyとQbの和がQmよりも大きくないと判定すると、本サブルーチンを終了する。一方、ステップ150で、QsyとQbの和がQmよりも大きいと判定すると、ステップ160で、風呂熱回収運転の終了温度条件定数であるαについて所定の補正を実施して、本サブルーチンを終了する。
ステップ160におけるαの補正は、下記の(式11)、(式12)にしたがって算出する。
(式11)
α=(Tbs−Tts)−Qbm×(1/Lt+1/Lb)
(式12)
Qbm=Lt×(Ttm−Tts)
Qbmは、予測集熱量と風呂熱回収熱量との和が必要熱量Qmに等しくなるときの風呂熱回収熱量である。Ttmは、予測集熱量と風呂熱回収熱量との和が必要熱量Qmに等しくなるときのタンク底部温度である。
タンク底部温度Ttと熱量との相関関係は、Ttの上昇に伴い、風呂熱回収熱量Qbが増加するとともに予測集熱量Qsyが低下し、QbとQsyの合計熱量としては増加する関係にある。このため、タンク底部温度Ttの上昇に応じて当該合計熱量がQmを超えると余剰分の熱量が生じることになる。
本実施形態によれば、制御装置70は、太陽熱温水装置80によってタンク10内へ供給できる予測熱量(予測集熱量Qsy)と風呂熱回収運転によってタンク10内へ回収できる風呂熱回収熱量Qbとの和が、予測される必要熱量Qmを超えると判定すると、風呂熱回収運転を終了するための終了温度条件定数αを補正し(ステップ150、ステップ160)、風呂熱回収運転を早く終了させる。
この制御によれば、上記の(式11)及び(式12)にしたがって終了温度条件定数αを補正する処理によって、風呂熱回収運転を早く終了させる制御が働くことになる。この制御により、QbとQsyの合計熱量がQmを超えないように、風呂熱回収運転の時間や能力を経済的に制御することができるのである。したがって、太陽熱エネルギーの利用を可能な限り高めるとともに、余分な風呂熱回収運転を排除するため、システムにおける使用電力量を抑えることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記の第1実施形態及び第2実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンは、第4実施形態または第5実施形態の風呂熱回収運転の実施判定サブルーチンに加重して、適用することができる。例えば、第4実施形態または第5実施形態で説明するサブルーチンの各処理を実施した後、第1実施形態で説明するサブルーチンの各処理を実施してもよい。これにより、ステップ130,140Aで、風呂熱回収不実施判定がなされた場合は、第4実施形態または第5実施形態のステップ130Aで風呂熱回収実施判定がなされたとしても、風呂熱回収運転を実施しないことに決定する。
この制御によれば、風呂熱回収運転の要求があるときに、タンク10内に蓄えるべき必要熱量Qmを得るために、風呂熱回収運転を実施したと仮定した場合のシステム全体で予測される使用電力量Wyと、風呂熱回収運転を実施しないと仮定した場合のシステム全体で予測される使用電力量Wnと、をそれぞれ算出し、これらを比較する。この比較により、風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量Wnの方がWyよりも小さいと判定すると、風呂熱回収運転を実施しない。このため、風呂熱回収運転の要求があった際に、給湯システム100A全体の使用電力量を抑制する制御を提供することができる。このように、必要熱量Qmを確保するために、風呂熱を活用するよりも太陽熱温水装置80やヒートポンプユニット20によるタンク10内への熱量供給でまかなう方が省電力である場合には、給湯システム100A全体のエネルギーの省力化を実現することができる。したがって、この実施形態によれば、システム全体の効率向上を実現する給湯システム100Aが得られる。
また、第4実施形態または第5実施形態で説明するサブルーチンの各処理を実施した後、第2実施形態で説明するサブルーチンの各処理を実施してもよい。これにより、風呂熱回収運転がより早く終了するように終了温度条件定数αを補正し(ステップ121)、補正した終了温度条件定数αを用いて風呂熱回収運転を実施する場合にシステム全体で予測される使用電力量Wyを算出する(ステップ123)。そして、風呂熱回収運転を実施する場合の当該算出した使用電力量Wyと、風呂熱回収運転を実施しない場合にシステム全体で予測される使用電力量Wnとを比較して、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量Wyの方が小さいと判定すると、第4実施形態または第5実施形態のステップ130Aで風呂熱回収実施判定がなされたとしても、風呂熱回収運転を実施する(ステップ130、ステップ140)。
この制御によれば、風呂熱回収運転をより早く終了させる条件補正を行った上で、風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量Wyを算出するため、算出される使用電力量Wyが当該条件補正を施さない場合に比べて小さい値になる。したがって、風呂熱回収運転を実施する判定結果が得られやすくなるため、タンク10内へ必要熱量Qmを蓄熱するときに、給湯システム100A全体の効率向上を重視しつつ、さらに風呂熱を最大限活用した制御を実施することができる。
また、上記の実施形態において、制御装置70に記憶される所定期間(例えば1週間)の運転実績は、装置の工場出荷時において所定の運転情報(モデル運転情報)をあらかじめ記憶しておき、この初期値を給湯システムの使用実績が加わる毎に更新していくことにより、ユーザーの使用実態に適合させていくものであってもよい。
また、上記の実施形態において、タンク回収容積Ltは、風呂熱回収後の浴槽水温度よりも低温の領域の容積であるとしているが、この形態に限定するものではない。例えば、タンク回収容積Ltは、予め設定した温度範囲に含まれる水がタンク10内を占める容積であってもよい。この場合、タンク回収容積Ltは、タンク水温サーミスタ30の検出温度により当該所定の温度範囲に含まれる水位を求めることで算出することができる。
また、ヒートポンプユニット20のヒートポンプサイクルを流れる作動冷媒は、二酸化炭素に限定されるものではなく、フロン等の他の冷媒であってもよい。
10…タンク
20…ヒートポンプユニット(加熱装置)
50…風呂熱回収用回路
51…風呂熱回収用熱交換器
60…浴槽
63…風呂用ポンプ(風呂熱回収ポンプ)
70…制御装置
80…太陽熱温水装置
100,100A…給湯システム

Claims (13)

  1. タンク(10)内に蓄える給湯用水を加熱する加熱装置(20)と、
    前記タンク内の給湯用水と浴槽(60)内の浴槽水とを熱交換して、前記浴槽内に蓄えられている風呂熱を前記タンク内に回収する風呂熱回収用熱交換器(51)と、
    前記浴槽と前記風呂熱回収用熱交換器とを環状に接続する風呂熱回収用回路(50)に前記浴槽水を循環させる風呂熱回収ポンプ(63)と、
    前記加熱装置の作動を制御して前記タンク内への熱量の供給を制御するとともに、前記風呂熱回収ポンプの作動を制御して、前記タンク内に前記風呂熱を回収する風呂熱回収運転を制御する制御装置(70)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記風呂熱回収運転の要求があるときに、前記タンク内の給湯用水に蓄えておく必要がある必要熱量を得るために、前記風呂熱回収運転を実施する場合と前記風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについてシステム全体で予測される使用電力量を算出し、当該算出した使用電力量を比較して前記風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、前記風呂熱回収運転を実施しないことを特徴とする給湯システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記風呂熱回収運転がより早く終了するように終了条件を補正し、当該補正した終了条件を用いて前記風呂熱回収運転を実施する場合にシステム全体で予測される使用電力量を算出し、
    前記風呂熱回収運転を実施する場合の前記算出した使用電力量と、前記風呂熱回収運転を実施しない場合にシステム全体で予測される使用電力量とを比較して、前記風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、前記風呂熱回収運転を実施することを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
  3. 前記制御装置は、前記風呂熱回収運転を実施する場合と前記風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについて、予め記憶する関係式及び前記タンクの底部温度を用いて算出した前記加熱装置単独の運転効率と、算出した前記加熱装置による前記タンク内への供給熱量と、前記風呂熱回収運転を実施する場合に算出した前記タンク内への風呂熱回収熱量と、を用いて、システム全体で予測される前記使用電力量を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯システム。
  4. 前記制御装置は、前記風呂熱回収運転を実施する場合の前記タンクの底部温度を、前記風呂熱回収運転を実施する前の前記タンクの底部温度と、前記タンクに熱回収される容積と、前記風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、前記浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする請求項3に記載の給湯システム。
  5. 前記制御装置は、前記風呂熱回収運転を実施する場合の前記タンクの底部温度を、前記タンクに供給される給水の温度と、前記タンクに熱回収される容積と、前記風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、前記浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする請求項3に記載の給湯システム。
  6. 前記加熱装置は、ヒートポンプサイクルによって給湯用水を加熱するヒートポンプユニット(20)であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の給湯システム。
  7. タンク(10)内に蓄える給湯用水を加熱する太陽熱温水装置(80)と、
    前記タンク内の給湯用水と浴槽(60)内の浴槽水とを熱交換して、前記浴槽内に蓄えられている風呂熱を前記タンク内に回収する風呂熱回収用熱交換器(51)と、
    前記浴槽と前記風呂熱回収用熱交換器とを環状に接続する風呂熱回収用回路(50)に前記浴槽水を循環させる風呂熱回収ポンプ(63)と、
    前記太陽熱温水装置の作動を制御して前記タンク内への熱量の供給を制御するとともに、前記風呂熱回収ポンプの作動を制御して、前記タンク内に前記風呂熱を回収する風呂熱回収運転を制御する制御装置(70)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記風呂熱回収運転の要求があるときに、前記太陽熱温水装置によって前記タンク内へ供給できる予測熱量だけで、過去の熱量使用実績に基づいて前記タンク内の給湯用水に蓄えておく必要があると予測される予測必要熱量をまかなえると判定すると、前記風呂熱回収運転を実施しないことを特徴とする給湯システム。
  8. 前記制御装置は、前記太陽熱温水装置によって前記タンク内へ供給できる予測熱量と前記風呂熱回収運転によって前記タンク内へ回収できる回収熱量との和が、前記予測される必要熱量を超えると判定すると、前記風呂熱回収運転を終了するための終了温度条件定数を補正し、風呂熱回収運転を早く終了させることを特徴とする請求項7に記載の給湯システム。
  9. さらに、前記タンク(10)内に蓄える給湯用水をヒートポンプサイクルによって加熱するヒートポンプユニット(20)を備え、
    前記制御装置は、前記風呂熱回収運転の要求があるときに、前記風呂熱回収運転を実施する場合と前記風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについてシステム全体で予測される使用電力量を算出し、当該算出した使用電力量を比較して前記風呂熱回収運転を実施しない場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、前記風呂熱回収運転を実施しないことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の給湯システム。
  10. 前記制御装置は、
    前記風呂熱回収運転がより早く終了するように終了条件を補正し、当該補正した条件において前記風呂熱回収運転を実施する場合のシステム全体で予測される使用電力量を算出し、
    前記風呂熱回収運転を実施する場合の前記算出した使用電力量と、前記風呂熱回収運転を実施しない場合にシステム全体で予測される使用電力量とを比較して、前記風呂熱回収運転を実施する場合の使用電力量の方が小さいと判定すると、前記風呂熱回収運転を実施することを特徴とする請求項9に記載の給湯システム。
  11. 前記制御装置は、前記風呂熱回収運転を実施する場合と前記風呂熱回収運転を実施しない場合のそれぞれについて、予め記憶する関係式及び前記タンクの底部温度を用いて算出した前記加熱装置単独の運転効率と、算出した前記加熱装置による前記タンク内への供給熱量と、前記風呂熱回収運転を実施する場合に算出した前記タンク内への風呂熱回収熱量と、を用いて、システム全体で予測される前記使用電力量を算出することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の給湯システム。
  12. 前記制御装置は、前記風呂熱回収運転を実施する場合の前記タンクの底部温度を、前記風呂熱回収運転を実施する前の前記タンクの底部温度と、前記タンクに熱回収される容積と、前記風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、前記浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする請求項11に記載の給湯システム。
  13. 前記制御装置は、前記風呂熱回収運転を実施する場合の前記タンクの底部温度を、前記タンクに供給される給水の温度と、前記タンクに熱回収される容積と、前記風呂熱回収運転を実施する前の浴槽水の温度と、前記浴槽に蓄えられた湯量と、を用いて算出することを特徴とする請求項11に記載の給湯システム。
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