JP4389378B2 - 貯湯式ヒートポンプ給湯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヒートポンプを加熱手段とし水を沸かし、そのお湯をタンクに貯えて給湯を行う貯湯式ヒートポンプ給湯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の貯湯式ヒートポンプ給湯機は図6に示すように、加熱手段を冷凍サイクルで構成するヒートポンプ部Aとお湯を貯える貯湯タンク部Bから構成される。
【0003】
ヒートポンプ部Aは冷媒の冷凍サイクルを利用したもので、蒸発機4でファン9で送られる大気から熱を奪って蒸発(吸熱)し、蒸発した冷媒は圧縮機1に吸入され、圧縮機1、凝縮器2の管中に入り、凝縮器2と熱交換関係を有する冷媒熱交換器2aに貯湯タンク5下部の取水口15よりポンプ8で送られた水を流すことで高温の冷媒と熱交換する。この熱交換により冷媒は冷却され液化し膨張弁3の絞りによって圧力を下げ蒸発器4に戻り、再び蒸発する。このように冷媒は圧縮機1により凝縮器2、膨張弁3、蒸発機4を繰り返しながら循環する。
【0004】
そして、熱交換された高温水は貯湯タンク5上部に戻され、上方から下方に向かって成層状態で貯湯される。この高温水の温度は、沸き上げサーミスタ6で検出し、所定の温度約75℃の目標値になるようにポンプ8で流量をコントロールしながら沸き上げの温度を一定にする。
【0005】
この繰り返しを数時間行い、給水温度サーミスタ16の検出温度が所定の温度、例えば40℃に達したら、貯湯タンク5全体の水が高温水に沸き上がったと判定しヒートポンプ部Aの運転は停止する。
【0006】
このようにヒートポンプ部Aと貯湯タンク部Bを有し、それらは室外に設置されパイプにより室内に送水されるシステムで構成されるものである。
【0007】
また、貯湯タンク5に貯えられた高温水は断熱材17で覆われ保温される構成となっている。貯湯された高温水は必要に応じて出湯口11よりお湯を取り出し、炊事、入浴、洗顔、洗濯等に用いる。その出湯と同時に水道と直結した貯湯タンク5下部の給水口10から水が供給される。貯湯タンク5の表面には複数の残湯サーミスタ12、13、14を取り付け、貯湯タンク5の残湯量を監視する構成としている。
【0008】
また、一般的にこの種の貯湯式給湯機は維持費を安くするため深夜電力で運転することを特長としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般的にヒートポンプを加熱手段として用いる給湯機は、外気温度の影響で蒸発機4の吸熱能力が変化し加熱能力が変化する。
【0010】
図5に示すように、外気温度の高い夏場は加熱能力が高く、外気温度の低い冬場は加熱能力が低くなる。反面、夏場の温度の高い状況下では、圧縮機1に対する温度負荷が高くなるとともに単位時間当たりの仕事量が増え、圧縮機1の吐出温度、吐出圧力が上がりやすくなり、冷媒充填量のバラツキ等で圧力スイッチが作動したり、異常加熱で加熱防止装置が作動し運転が停止する可能性があった。このような現象は圧縮機1の運転開始時や再起動時に起こりやすく、全くお湯を沸かさず停止するので使用者の不満が大きいものとなっていた。
【0011】
また、吐出温度、吐出圧力が上がりすぎると冷媒の分解が起こり、冷媒回路の腐蝕や圧縮機の電動機コイルの浸食の原因となり、耐久性を損なう大きな要因となっている。
【0012】
また、送水配管や貯湯タンク5は断熱材17で覆われ保温される構成となっているものの、外気温度の低い冬場は、特に、配管途中や貯湯タンク5からの放熱が若干あり、沸き上げサーミスタ6温度と貯湯タンク5残湯サーミスタ上12温度に差を生じ、残湯サーミスタ上12温度が沸き上げサーミスタ6に比べ温度約2〜3℃低くなり貯湯熱量が全体的に約5%程度不足となりお湯ぎれを早くする原因となっていた。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みてなしたもので、外気温度によるヒートポンプに与える影響を有効的に利用し、安価な維持費で豊富な給湯が行え、高耐久性を有する貯湯式ヒートポンプ給湯機を提供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器よりなる冷凍サイクルを有したヒートポンプ部と、貯湯槽の下方に設けた取水口より水循環ポンプを介して取水し冷媒熱交換器で熱交換した後、貯湯槽上方の受水口より温水を落とし込み成層状態で貯湯する貯湯タンク部と、外気温度を検出する外気温検出手段と、給水温度を検出する給水温度検出手段と、運転制御部と、前記貯湯槽内の表面の上下方向には残湯を検出する複数の残湯サーミスタと、前記冷媒熱交換器から出湯する湯水の温度を検出する沸き上げ温度サーミスタとを備え、前記運転制御部は、前記沸き上げ温度サーミスタで検出する温度が予め設けた沸き上げ設定温度となるように水循環ポンプの流量をコントロールし、外気温度あるいは給水温度が高くなると予め設けた沸き上げ設定温度を下げる方向に変更し、前記貯湯槽の上方に設けた残湯サーミスタで検出する温度と、前記沸き上げ温度サーミスタで検出する温度に温度差が生じた場合は、前記沸き上げ設定温度を前記温度差分上げることを特徴とするようにしたものである。
【0015】
上記発明によれば、沸き上げ温度設定値を外気温度あるいは給水温度に応じて変更するようにしているため、季節に応じて変化するお湯の使用実態に即した貯湯形態とヒートポンプの能力の有効利用をバランスよく確保することができる。例えば、外気温度が標準値より高い場合は通常設定値(75℃)より低く(65℃)設定し、外気温度が標準値より低い場合は通常設定値より高く設定し、外気温度変化に応じてリニアに沸き上げ温度設定値を制御し、水の循環量をポンプで温度設定値に合うよう調整することで、外気温度が高い夏場は冷媒熱交換器を流れる水の流量が多くなり、圧縮機に対する温度負荷が低くなるとともに、単位時間当たりの仕事量が下り、圧縮機の吐出温度、吐出圧力を異常に上がりにくくし、冷媒充填量のバラツキ等で圧力スイッチが作動したり、異常加熱で加熱防止装置が作動し運転を停止する可能性をなくすことができる。その結果、冷媒の分解が起こりにくく、冷媒回路の腐蝕や圧縮機の電動機コイルの浸食が起こらないため耐久性のあるヒートポンプ部とすることができる。
【0016】
そして、直射日光の当たる夏場の昼間は、夜間と比べ外気温度が10〜20℃上昇し、加熱能力は500〜1000w高くなる。このヒートポンプ特有の効果を用いることで、昼間電力を利用した場合でも効率的な沸き上げ運転を実現することができ、かつ夏場の使用実態に即して沸き上げ温度を下げることで沸き上げ時間を非常に短くし、即湯性のある給湯を安価で豊富に提供することができる。
【0017】
また、冬場は外気温度が低いので蒸発機の吸熱能力が下がるため、吐出温度、吐出圧力が著しく上がることはない、そのことで沸き上げ温度を容易に上げることが可能となる。沸き上げ温度を上げることで貯湯タンクに保有できる熱量が増大される。その結果、冬場は深夜電力だけの運転で、使用量の少ない冬場の1日の使用量を賄うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器よりなる冷凍サイクルを有したヒートポンプ部と、貯湯槽の下方に設けた取水口より水循環ポンプを介して取水し冷媒熱交換器で熱交換した後、貯湯槽上方の受水口より温水を落とし込み成層状態で貯湯する貯湯タンク部と、外気温度を検出する外気温検出手段と、給水温度を検出する給水温度検出手段と、運転制御部と、前記貯湯槽内の表面の上下方向には残湯を検出する複数の残湯サーミスタと、前記冷媒熱交換器から出湯する湯水の温度を検出する沸き上げ温度サーミスタとを備え、前記運転制御部は、前記沸き上げ温度サーミスタで検出する温度が予め設けた沸き上げ設定温度となるように水循環ポンプの流量をコントロールし、外気温度あるいは給水温度が高くなると予め設けた沸き上げ設定温度を下げる方向に変更し、前記貯湯槽の上方に設けた残湯サーミスタで検出する温度と、前記沸き上げ温度サーミスタで検出する温度に温度差が生じた場合は、前記沸き上げ設定温度を前記温度差分上げることを特徴とするようにしたものである。
【0019】
そして、沸き上げ温度設定値を外気温度あるいは給水温度に応じて変更するようにしているため、季節に応じて変化するお湯の使用実態に即した貯湯形態とヒートポンプの能力の有効利用をバランスよく確保することができる。例えば、外気温度が標準値より高い場合は通常設定値(75℃)より低く(65℃)設定し、外気温度が標準値より低い場合は通常設定値より高く設定し、外気温度変化に応じてリニアに沸き上げ温度設定値を制御することで、外気温度が高い夏場は圧縮機に対する温度負荷が低くなるとともに、単位時間当たりの仕事量が下り、異常加熱で運転を停止するという不具合を解消することができる。
【0020】
また、昼間と夜間の温度差が大きい夏場は昼間電力を利用した場合でも効率的な沸き上げ運転を実現することができ、かつ夏場の使用実態に即して沸き上げ温度を下げることで沸き上げ時間を非常に短くし、即湯性のある給湯を安価で豊富に提供することができる。
【0021】
また、貯湯槽上方に設けた残湯サーミスタ上の温度指示値と、冷媒熱交換器出口に設けた沸き上げ温度サーミスタの温度指示値に温度差が生じた場合、その温度差分沸き上げ温度設定値を上げて制御するようにしたものである。
【0022】
そして、配管途中の放熱ロスで湯温低下が生じた場合、沸き上げ設定温度を補正するようにしているため、目標の貯湯熱量を確実に確保でき、湯切れの心配を解消することができる。
【0023】
また、請求項2に記載した発明は、運転制御部は所定の外気温度範囲内あるいは給水温度範囲内で沸き上げ設定温度の変更動作を行い、範囲外の時は予め定めた上限値及び下限値に設定するようにしたものである。
【0024】
そして、予め定めた温度範囲内で沸き上げ設定温度を変更することで、ヒートポンプの能力を有効に利用するとともに、季節に応じたお湯の使用実態に即した貯湯形態を確保することができる。
【0025】
また、請求項3に記載した発明は、運転制御部は深夜料金時間帯を基準に沸き上げ運転を開始し、外気温度あるいは給水温度が所定温度以上になり、かつ残湯温度が所定温度以下になったとき昼間料金時間帯でも沸き上げ運転を開始するようにしたものである。
【0026】
そして、深夜電力だけの運転でなく、昼間電力を利用し有効的に大気熱を回収し最も高い加熱能力で沸き上げ運転を行うとともに、沸き上げ温度を下げることで沸き上げ時間を非常に短く即湯性のある給湯ができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面に基づき説明する。まず、図1を用いて本発明の実施例1の貯湯式ヒートポンプ給湯機の構成を説明する。基本構成においては従来例と同様であるため、同一番号を付与して詳細な説明は省略する。
【0028】
Aは水を加熱するヒートポンプ部で冷媒として、例えばR410Aを用いる。
【0029】
そして、冷媒R410Aは圧縮機1に吸引され圧力を昇圧し、高温で高圧なガス状冷媒として凝縮器2に送られ、この凝縮器2と熱交換関係を有する冷媒熱交換器2aに貯湯タンク5下方からポンプ7で送られた冷水を流すことで凝縮器2の高温冷媒は放熱し冷却される。更に、膨張弁3で管路が絞られ、冷媒は圧力が下がり低温となって液化し蒸発器4に送り込まれファン8で発生した風の大気熱を吸熱し圧縮機1に戻される。このサイクルを繰り返し連続的に行うため圧縮機4は電動で駆動するものである。ちなみに、実施例1の圧縮機1の入力は1100W相当を用いた。
【0030】
貯湯タンク5下方からポンプ7で送られた冷水は冷媒熱交換器2aで凝縮器2の高温冷媒と熱交換して高温水となる。この高温水の温度は冷媒熱交換器2a出口の沸き上げサーミスタ6で検出し、所定の目標温度になるようにポンプ8の流量をコントロールし温度調節する。上記目標温度は運転制御部19で予め設定されているが、本実施例ではこの目標温度、すなわち沸き上げ設定温度を外気温度検出手段17あるいは給水温度検出手段18からの情報に基づいて変更するように構成している。その一例として、図3に外気温度と沸き上げ設定温度の関係を示すように、外気温度が高くなれば沸き上げ設定温度を下げ、反対に、外気温度が低くなれば補記上げ設定温度を上げる方向に変更するようにしている。そして、この変更動作は所定の外気温度の範囲内で行い、範囲を外れた場合は予め定めた一定の上限値及び下限値で設定するようにしている。以上、外気温度について説明したが、外気温度の代わりに給水温度を用いても同様の効果を得ることができるものであり、給水温度の方がより季節の変化に対応した情報を得ることができ、好ましい。
【0031】
従来は外気温度あるいは給水温度の変化に関係なく、固定した沸き上げ温度設定で冷媒R410A特性に合わせて、例えば75℃に設定していた。
【0032】
また、図2は外気温度とヒートポンプの加熱能力を示したグラフであるが、低温になるほど能力が下がってくる。例えば、冬場と夏場で能力を比較すると、約2倍違ってくる。さらに、夏場の夜間と日中でも500〜1000W程度能力に
差が生じることがある。
【0033】
外気温度が上がると能力が上がる、反面、温度の高い状況下では、圧縮機に対する温度負荷が高くなるとともに単位時間当たりの仕事量が増え、圧縮機の吐出温度、吐出圧力が上がりやすくなり、冷媒充填量のバラツキ等で圧力スイッチが作動したり、異常加熱で加熱防止装置が作動し運転が停止する可能性があった。
【0034】
また、吐出温度、吐出圧力が上がりすぎると冷媒の分解が起こり、冷媒回路の腐蝕や圧縮機の電動機コイルの浸食の原因となり、耐久性を短くする大きな要因となっていた。
【0035】
そこで、図3のグラフに示すように、沸き上げ温度設定値を例えば、外気温度が30℃より高い場合は通常設定値75℃より低く65℃に設定し、外気温度が0℃より低い場合は通常設定値75℃より高く85℃設定し、外気温度0〜30℃の間を外気温度の変化に応じてリニアに沸き上げ温度設定値を変化させ制御するようにしている。
【0036】
その結果、外気温度が上昇する夏場は、設定温度が低いため、沸き上げサーミスタ6の検出温度が下がる。つまり、冷媒熱交換器2aを流れる冷水量が多くなり、圧縮機1に対する温度負荷が小さくなるとともに、一日当たりの運転時間も短くなる。これにより、圧縮機1の吐出温度、吐出圧力を異常に上昇することはなく、冷媒充填量のバラツキで圧力スイッチが作動したり、異常加熱で加熱防止装置が作動し運転を停止するという事態を回避できる。
【0037】
また、運転制御部19は電気料金の割安な深夜時間帯を基準に沸き上げ運転を開始するように設定しているが、外気温度あるいは給水温度が所定温度以上になった場合、つまり夏場でヒートポンプの加熱能力が上昇している状態では時間帯に関係なく、貯湯タンク5の残湯サーミスタ12、13、14より残湯なしの情報が入力されたとき、昼間電力を利用して自動的に沸き上げ運転を開始するようにしている。
【0038】
そして、深夜電力だけの運転でなく、昼間電力を利用しこの有効的な外気温度の高い昼間の大気熱を回収し高い加熱能力で沸き上げ運転を行うとともに、沸き上げ設定温度を下げることで沸き上げ時間を非常に短く、即湯性のある給湯を安価で豊富に提供する。
【0039】
従来、この種の貯湯タンク式給湯機は運転費を安くするため、格安の深夜電力を利用して沸き上げ、その貯えられた高温のお湯を適当な温度になるよう水道水で混合し使用するものであった。
【0040】
そこで、従来方式と本発明を用いた場合の比較をあるモデルでシュミレーションして一日の使用実態をグラフにした。図4が本発明を用いた場合、図5が従来方式のものである。モデルは370Lのタンクを用い10℃の水を深夜電力で75℃に沸き上げ、そのお湯を45℃にして用いるという設定である。
【0041】
図5の従来方式においては、夜7時以降に湯切れを起こして出湯が不可能となり、このモデルでは実質150L不足する。このように深夜電力のみで沸き上げる貯湯式給湯機は使用量が多くなると湯切れという問題を常に抱えている。それを補うには沸き上げ温度を上げるか、タンクの容量を増やすしかない。
【0042】
本発明の場合は所定の外気温度あるいは給水温度以上になったら、貯湯タンク5に残湯が無いと判断した場合、時間帯関係なく昼間電力を利用し自動的に運転を開始するようにしているため、図4に示すように、従来例と同じモデルでシュミレーションしても、一日中、湯切れを起こすことなく、78Lの使用可能な残湯を残して深夜運転を待機する状態となる(図4、図5は図2の加熱能力を基に計算作図した)。
【0043】
次に、一日の運転に必要な電力を計算すると、従来は7.35kW消費し、本発明の場合、7.03kWの電力消費となり、約0.3kW少なくてすむ。
【0044】
現在、貯湯式給湯機は深夜電力を利用する電気温水器が主流であるが、ヒートポンプ給湯機は電気温水器と比較すると1/3〜1/4消費電力が削減される。また、深夜電力と昼間電力の電気代の比は1:3である。
【0045】
よって、電気温水器の深夜運転と貯湯式ヒーポン給湯機の昼間運転の電気代は同等以下になる。
【0046】
本発明のヒートポンプ給湯機は深夜電力と昼間電力を有効的に利用し、湯切れを起こさずに確実な給湯を行い、かつ有効的に大気熱を利用しさらに低消費電力とし使用エネルギーを削減するものである。
【0047】
さらに、運転制御部19は、貯湯タンク5に設けた残湯サーミスタ上12の温度指示値と沸き上げサーミスタ6の温度指示値に温度差があった場合、その温度差分沸き上げ設定温度を変更し制御するようにしている。
【0048】
送水配管や貯湯タンク5は断熱材17で覆われ保温される構成となっているものの、特に外気温度の低い冬場は配管途中やタンクからの放熱が若干あり、沸き上げサーミスタ6温度とタンク残湯サーミスタ上12温度に差を生じ、残湯サーミスタ上12温度が約2〜3℃低くなり貯湯熱量が全体的に不足となり、湯ぎれを早くする原因となっていた。貯えられたお湯の温度が1℃下がると約10Lの出湯可能水量が少なくなる。約2〜3℃では20〜30L多く不足を導くことになる。前述したように貯湯式給湯機は湯切れが最終的に問題となり、外気温度の影響で所定の出湯量が変化しないようにするために、沸き上げ設定温度に補正を加え、残湯サーミスタ上12の温度指示値と沸き上げサーミスタ6の温度指示値の温度差分、沸き上げサーミスタ6の温度設定値を変更し制御することで湯切れの問題をなくすものである。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載した発明によれば、沸き上げ温度設定値を外気温度あるいは給水温度に応じて変更するようにしているため、季節に応じて変化するお湯の使用実態に即した貯湯形態とヒートポンプの能力の有効利用をバランスよく確保することができる。例えば、外気温度が標準値より高い場合は通常設定値(75℃)より低く(65℃)設定し、外気温度が標準値より低い場合は通常設定値より高く設定し、外気温度変化に応じてリニアに沸き上げ温度設定値を制御することで、外気温度が高い夏場は圧縮機に対する温度負荷が低くなるとともに、単位時間当たりの仕事量が下り、異常加熱で運転を停止するという不具合を解消することができる。
【0050】
また、昼間と夜間の温度差が大きい夏場は昼間電力を利用した場合でも効率的な沸き上げ運転を実現することができ、かつ夏場の使用実態に即して沸き上げ温度を下げることで沸き上げ時間を非常に短くし、即湯性のある給湯を安価で豊富に提供することができる。
【0051】
また、配管途中の放熱ロスで湯温低下が生じた場合、沸き上げ設定温度を補正するようにしているため、目標の貯湯熱量を確実に確保でき、湯切れの心配を解消することができる。
【0052】
また、請求項2に記載した発明によれば、予め定めた温度範囲内で沸き上げ設定温度を変更することで、ヒートポンプの能力を有効に利用するとともに、季節に応じたお湯の使用実態に即した貯湯形態を確保することができる。
【0053】
また、請求項3に記載した発明によれば、深夜電力だけの運転でなく、昼間電力を利用し有効的に大気熱を回収し最も高い加熱能力で沸き上げ運転を行うとともに、沸き上げ温度を下げることで沸き上げ時間を非常に短く即湯性のある給湯ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の貯湯式ヒートポンプ給湯機の構成図
【図2】 同ヒートポンプ給湯機の外気温度と加熱能力を示したグラフ
【図3】 同ヒートポンプ給湯機の外気温度と沸き上げ設定温度の関係を示したグラフ
【図4】 同ヒートポンプ給湯機の一日の使用実態を示したグラフ
【図5】 従来の貯湯式給湯機の一日の使用実態を示したグラフ
【図6】 従来の貯湯式ヒートポンプ給湯機の構成図
【符号の説明】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 膨張弁
4 蒸発機
5 貯湯タンク
17 外気温度検出手段
18 給水温度検出手段
19 運転制御部
A ヒートポンプ部
B 貯湯タンク部
Claims (3)
- 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器よりなる冷凍サイクルを有したヒートポンプ部と、貯湯槽の下方に設けた取水口より水循環ポンプを介して取水し冷媒熱交換器で熱交換した後、貯湯槽上方の受水口より温水を落とし込み成層状態で貯湯する貯湯タンク部と、外気温度を検出する外気温検出手段と、給水温度を検出する給水温度検出手段と、運転制御部と、前記貯湯槽内の表面の上下方向には残湯を検出する複数の残湯サーミスタと、前記冷媒熱交換器から出湯する湯水の温度を検出する沸き上げ温度サーミスタとを備え、前記運転制御部は、前記沸き上げ温度サーミスタで検出する温度が予め設けた沸き上げ設定温度となるように水循環ポンプの流量をコントロールし、外気温度あるいは給水温度が高くなると予め設けた沸き上げ設定温度を下げる方向に変更し、前記貯湯槽の上方に設けた残湯サーミスタで検出する温度と、前記沸き上げ温度サーミスタで検出する温度に温度差が生じた場合は、前記沸き上げ設定温度を前記温度差分上げることを特徴とする貯湯式ヒートポンプ給湯機。
- 運転制御部は、所定の外気温度範囲内あるいは給水温度範囲内で沸き上げ設定温度の変更動作を行い、範囲外の時は予め定めた上限値及び下限値に設定するようにした請求項1記載の貯湯式ヒートポンプ給湯機。
- 運転制御部は、深夜料金時間帯を基準に沸き上げ運転を開始し、外気温度あるいは給水温度が所定温度以上になり、かつ残湯温度が所定温度以下になったとき昼間料金時間帯でも沸き上げ運転を開始するようにした請求項1または2記載の貯湯式ヒートポンプ給湯機。
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JP2002147846A (ja) | 2002-05-22 |
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