JP2012207161A - 成形用樹脂粉末及び成形品 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、低臭気性に優れる成形品が得られる成形用樹脂粉末組成物を提供することである。
【解決手段】
アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンの2分子縮合物(C)の合計含有量が10〜1000ppmである熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末(A)。
(C)の含有率はGC/MC分析によって求めることができる。アセトンの(C)は4−メチルペント−3−エン−2−オン、メチルエチルケトンの(C)は5−メチルヘプト−4−エン−3−オン、及び3,4−ジメチルヘキサ−3エン−2オン、メチルイソブチルケトンの(C)は、3−イソプロピル−4,6−ジメチルヘプト−3−エン−2−オン、及び2,6,8−トリメチルノン−5−エン−4−オンである。
【選択図】なし
Description
本発明の課題は、低臭気性に優れる成形品が得られる成形用樹脂粉末組成物を提供することである。
(A0)の数平均分子量は、通常5,000〜50,000、好ましくは10,000〜30,000である。
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)[測定機器は、例えば昭和電工のSHODEX−KFタイプ、溶媒は、DMFを使用]で測定される。
特にエチレングリコールと炭素数6〜15の脂肪族ジカルボン酸からなるポリエステルジオール、炭素数が4〜10の脂肪族ジオールと炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸もしくは炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸からなるポリエステルジオールが好ましい。これらの中でも、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンイソフタレートが好ましい。
これらのうち好ましいものは、2価フェノール類にアルキレンオキサイドが付加したものであり、さらに好ましいものは2価フェノール類にエチレンオキサイド(以下EOと記載。)が付加したものである。
<試験サンプル作製方法>
300mlナスフラスコに試験サンプルの熱可塑性ウレタンウレア樹脂粉末(A)または熱可塑性ウレタンウレア樹脂粉末組成物(X)50gを入れる。(A)または(X)を入れたナスフラスコをTenax管捕集装置に取り付け、ナスフラスコをシリコンオイルバスにて100℃で1時間加熱することで揮発成分をTenax管に捕集する。
Tenax管を室温で、ガスクロマトグラフ分析装置[(株)島津製作所 製:GC/MS QP2010plus]のオートサンプラーに取り付け、以下の条件で2分子縮合物の含有量を測定する。
カラム:ZB−5[(株)島津製作所 製]
カラムの長さ:30mm、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm
カラム昇温プログラム:40℃から300℃(10℃/分)
Tenax管を取り付けた気化室温度:25℃
キャリアガス:ヘリウム
スプリット比:10
2分子縮合物(C1)、(C2)及び(C3)を合成し標品とする。(C1)、(C2)及び(C3)それぞれを30ppm、100ppm、500ppm、2000ppm、10000ppmとなるようにメタノールで希釈し検量線用サンプルとする。各マイクロシリンジで5μlずつTenax管に注入した後、Tenax管に窒素を5分間吹き込んでメタノールを除去した。
調製した検量線用サンプルを上記測定条件にて測定し、濃度−ピーク面積値で検量線をプロットしてGC/MS検量線を作成した。
製造方法(M)
(1)末端イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー(U)を製造
高分子ジオール(E)とジイソシアネート(G)を反応させ、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(U)を製造する。
製造する際の反応温度は、ウレタン化を行う際に通常採用される温度と同じでよく、溶剤を使用する場合は通常20℃〜100℃であり、溶剤を使用しない場合は通常20℃〜220℃、好ましくは80℃〜200℃である。上記プレポリマー化反応において、反応を促進するために必要によりポリウレタンに通常用いられる触媒を使用することができる。該触媒としては、例えばアミン系触媒[トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなど]、錫系触媒[トリメチルチンラウレート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマレートなど]などが挙げられる。
低分子ジアミンとケトン(B)を反応させ、低分子ジアミンをケトン(B)でブロックしたジアミン鎖伸長剤(ケチミン化合物)(K)を製造する。製造する際の反応温度は、20℃〜100℃であり、好ましくは40℃〜80℃である。
この工程で2分子縮合物(C)を低減する方法としては下記製造方法(N)(1)又は(2)の方法を採用することができる。
上記(1)で製造した末端イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー(U)と(2)で製造したジアミン鎖伸長剤(ケチミン化合物)(K)を、水および分散安定剤存在下で分散させ、伸長反応させ熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂(A0)を含有するスラリーを製造し、含有する水および有機溶媒を除去し、熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末(A)を製造する。含有する水および有機溶媒を除去する方法としては、公知の方法(脱溶媒、遠心脱水、常温および減圧下での乾燥等)により除去することができる。
具体的には、例えば、特開平8−120041号公報等に記載されたものを使用することができる。
この工程で2分子縮合物(C)を低減する方法としては下記製造方法(N)(3)の方法を採用することができる。
電位差滴定装置[(株)エクレア 製、AUT−501]を用い、以下に示した方法で測定した。
<ケチミン化量測定法>
ケトンケチミン化物(ケトン:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)を1.0g採取して小数点以下3桁まで精秤し、採取量をS1とする。
これにイソプロパノール(JIS試薬1級)50mlと、1mlのジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI−H)を加え、マグネティックスターラーで5分間±30秒撹拌後、電位差滴定装置にセットして0.5mol/L塩酸メタノール滴定溶液を7ml定量注入した後、滴定を行った。(定量注入量+滴定量)をAmlとする。
ケトンケチミン化物(ケトン:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)を1.0g採取して小数点以下3桁まで精秤し、採取量をS2とする。
これにイソプロパノール(JIS試薬1級)50mlを加え溶解した後、0.5mol/L塩酸メタノール滴定溶液で滴定した。滴定量をBmlとする。
<計算式>
ケチミン化量、アミン価について各2回測定を行い、次式よりケチミン化量、アミン価を算出し、それぞれの平均値からケチミン化率を算出して有効数字2桁にまとめる。
ケチミン化量・・・(A/S1)×28.05×f
アミン価 ・・・(B/S2)×28.05×f
ケチミン化率(%)・・・(ケチミン化量)×100/(アミン価)
(f:0.5mol/L塩酸メタノール滴定溶液のfactor)
製造方法(N)
(1)ジアミン鎖伸長剤(ケチミン化合物)(K)を製造する際に、90℃以下で水と共沸する溶媒(例えば、ヘキサン、トルエン、エタノール、酢酸エチル等が挙げられる)を添加することにより、40℃〜90℃でジアミンをケトン(B)でケチミン化する。
(2)ジアミン鎖伸長剤(ケチミン化合物)(K)を製造したあと、精製により(C)を除去することができる。精製する方法としては、特に限定されず、例えば、カラムによる精製、溶剤等による抽出等により(C)を除去する。(3)熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末(A)を加熱することにより(C)を除去することができる。例えば、攪拌下で減圧もしくは常圧で加熱し除去する方法等が挙げられる。製造する際の加熱温度は、40℃〜100℃であり、好ましくは50℃〜90℃である。
添加剤(F)としては無機フィラー、顔料、可塑剤、離型剤、有機充填剤、ブロッキング防止剤、安定剤及び分散剤等が挙げられる。
添加剤の含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜30である。
無機フィラーの含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜40が好ましく、1〜20がより好ましい。
無機フィラーは(A)とドライブレンドされてもよいし、(A)の製造工程中に添加されてもよい。
顔料粒子の含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
顔料粒子は(A)とドライブレンドされてもよいし、(A)の製造工程中に添加されてもよい。
可塑剤の含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜50が好ましく、5〜20がより好ましい。
可塑剤は(A)に含浸されてもよいし、(A)の製造工程中に添加されてもよい。
離型剤の含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜1が好ましく、0.1〜0.5がより好ましい。
離型剤は(A)に含浸されてもよいし、(A)の製造工程中に添加されてもよい。
安定剤の含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜20が好ましく、1〜15がより好ましい。
安定剤は(A)とドライブレンドされてもよいし、(A)の製造工程中に添加されてもよい。
ブロッキング防止剤(流動性向上剤)の含有量(重量%)は、(A)の重量に対して、0〜5が好ましく、0.5〜1がより好ましい。粉体流動性向上剤、ブロッキング防止剤は(A)とドライブレンドされる。
上記金型温度は好ましくは200〜300℃、さらに好ましくは210〜280℃である。
数平均分子量(以下Mnと記す)が900のポリエチレンフタレート(テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)(E1−1)の製造
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸393部、イソフタル酸393部、モノエチレングリコール606部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点でポリエチレンフタレートジオール(E1−1)を取り出した。回収されたモノエチレングリコールは245部であった。得られたポリエチレンフタレートジオールの水酸基価を測定し、Mnを計算した結果900であった。
同様の製造方法で減圧時間の調整により、Mnが2500のポリエチレンフタレートジオール(E1−2)を得た。回収モノエチレングリコールは270部であった。
プレポリマー溶液(U−1)の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、ポリエステルジオール(E1−1)(304部)、Mnが1000のポリブチレンアジペート(1214部)、1−オクタノール(27.6部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート(313.2部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(317部)、及び安定剤(2.7部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製イルガノックス1010]、カーボンブラック(1部)を加え、均一に混合してプレポリマー溶液(U−1)を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、0.8%であった。
プレポリマー溶液(U−2)の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、ポリエステルジオール(E1−2)(75.9部)、Mnが1000のポリブチレンアジペート(759部)、1−オクタノール(26.4部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート(245.8部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(317部)、及び安定剤(2.7部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製イルガノックス1010]、カーボンブラック(1部)を加え、均一に混合してプレポリマー溶液(U−2)を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、1.2%であった。
プレポリマー溶液(U−3)の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、ポリエステルジオール(E1−2)(75.9部)、Mnが1000のポリブチレンアジペート(1442部)、1−オクタノール(26.4部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネート(245.8部)を投入し、85℃で6時間反応させた。次いで、60℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(317部)、及び安定剤(2.7部)[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製イルガノックス1010]、カーボンブラック(1部)を加え、均一に混合してプレポリマー溶液(U−3)を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、1.1%であった。
ジアミンのアセトンケチミン化物(K−1)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とアセトン(350部)を仕込み、55℃で50時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のアセトンを除去した後、シリカゲルカラム精製[上記製造方法(N)(2)]を行い、アセトンケチミン化物(K−1)[ケチミン化率:95%]を得た。
ジアミンのMEKケチミン化物(K−2)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とMEK(メチルエチルケトン:335部)、トルエン(ジアミンに対して110部)を仕込み、80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。[上記製造方法(N)(1)]その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物(K−2)[ケチミン化率:85%]を得た。
ジアミンのMEKケチミン化物(K−3)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とMEK(メチルエチルケトン:335部)、ノルマルヘキサン(110部)を仕込み、70℃で10時間還流させながら生成水を系外に除去した。[上記製造方法(N)(1)]その後減圧にて未反応のMEKを除去して、MEKケチミン化物(K−3)[ケチミン化率:95%]を得た。
ジアミンのMIBKケチミン化物(K−4)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とMIBK(メチルイソブチルケトン:300部)を仕込み、100℃で50時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMIBKを除去して、MIBKケチミン化物(K−4)[ケチミン化率:82%]を得た。
ジアミンのアセトンケチミン化物(K−5)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とアセトン(350部)を仕込み、55℃で50時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のアセトンを除去してアセトンケチミン化物(K−5)[ケチミン化率:90%]を得た。
ジアミンのMEKケチミン化物(K−6)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とMEK(メチルエチルケトン:335部)を仕込み、60℃で50時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物(K−5)[ケチミン化率:87%]を得た。
ジアミンのアセトンケチミン化物(K−7)の製造
温度計、攪拌機及び還流管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジアミン(100部)とアセトン(350部)、ヘキサン(ジアミンに対して110部)を仕込み、55℃で50時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のアセトンを除去した後、シリカゲルカラム精製[上記製造方法(N)(2)]を行い、アセトンケチミン化物(K−7)[ケチミン化率:95%]を得た。
分散媒(Y−1)の製造
分散剤としてジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤[三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8]20部を水980部に溶解させ25℃に温調して、分散媒(Y−1)を得た。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―1)の製造
反応容器に、製造例3で得たプレポリマー溶液(U−1)(100部)と製造例6で得たアセトンケチミン化物(K−1)(2.5部)を投入混合し、そこにポリカルボン酸型アニオン界面活性剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(30部))を溶解した水溶液300部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて8000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び50℃、常圧で3時間乾燥を行い、樹脂粉末(A−1)を製造した。(A−1)のMnは1.9万、体積平均粒径は145μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)50ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)0ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)0ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量50ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―2)の製造
反応容器に、製造例4で得たプレポリマー溶液(U−2)(100部)と製造例7で得たMEKケチミン化物(K−2)(2.1部)を投入混合し、そこにポリカルボン酸型アニオン界面活性剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(30部))を溶解した水溶液300部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて6000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び70℃、1.3kPaで3時間減圧乾燥を行い、樹脂粉末(A−2)を製造した。(A−2)のMnは1.8万、体積平均粒径は143μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)0ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)400ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)0ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量400ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―3)の製造
製造例8で得たMEKケチミン化物(K−3)(2.1部)を用いた以外は実施例2と同様にして樹脂粉末(A−3)を製造した。(A−3)のMnは1.8万、体積平均粒径は143μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)0ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)80ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)0ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量80ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―4)の製造
反応容器に、製造例3で得たプレポリマー溶液(U−1)(100部)と製造例9で得たMIBKケチミン化物(K−4)(2.7部)を投入混合し、そこにポリカルボン酸型アニオン界面活性剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8(30部))を溶解した水溶液300部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて5000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び70℃、1.3kPaで9時間減圧乾燥を行い、樹脂粉末(A−4)を製造した。(A−4)のMnは2.0万、体積平均粒径は147μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)0ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)0ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)980ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量980ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―5)の製造
製造例12で得たアセトンケチミン化物(K−7)(2.5部)を用い、反応終了後の乾燥工程を70℃、1.3kPaで9時間減圧乾燥を行った以外は実施例2と同様にして樹脂粉末(A−5)を製造した。(A−5)のMnは1.8万、体積平均粒径は144μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)12ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)0ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)0ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量12ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―1’)の製造
製造例10で得たアセトンケチミン化物(K−5)(2.5部)を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粉末(A−1’)を製造した。(A−1’)のMnは1.9万、体積平均粒径は145μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)4520ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)0ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)0ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量4520ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―2’)の製造
製造例11で得たMEKケチミン化物(K−6)(2.1部)を用いた以外は実施例2と同様にして樹脂粉末(A−2’)を製造した。(A−2’)のMnは1.8万、体積平均粒径は143μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)0ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)2560ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)0ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量2560ppmであった。
熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X―3’)の製造
製造例9で得たMIBKケチミン化物(K−4)(2.7部)を用いた以外は実施例4と同様にして樹脂粉末(A−3’)を製造した。(A−3’)のMnは2.0万、体積平均粒径は147μmであった。
アセトンの2分子縮合物(C1)0ppm、メチルエチルケトン2分子縮合物(C2)0ppm、メチルイソブチルケトン2分子縮合物(C3)1670ppm、2分子縮合物(C)の合計含有量1670ppmであった。
結果を表1に示した。
予め230℃に加熱されたしぼ模様の入ったNi電鋳型に実施例1〜5の熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X−1)〜(X−5)、及び比較例1〜3の樹脂粉末組成物(X−1’)〜(X−3’)を充填し、10秒後余分な樹脂粉末組成物を排出した。60秒後水冷して表皮(厚さ1mm)を作成し、官能試験の評価を行った。
嗅覚測定用基準臭「中心濃度」(パネラー選定用5種類)[第一薬品産業(株)製]に正解した者をパネラー合格とした〔有効期間:5年(40歳未満)、3年(40歳以上)〕。被験者は試験前1時間の間、飲食禁止とした。
試験者はサニメント(登録商標)手袋着用の下、1〜5の番号を記入したにおい紙のうち、任意の2本を基準臭Aに先端から1cm浸し、残りの3本は対象液(無臭の流動パラフィン)に同様に浸した。被験者は1本ずつにおいを嗅ぎ、においの有無を調べる(1度で判断できない場合は再度におってもかまわない)。被験者はにおいの感じられた2本のにおい紙の番号を報告する。基準臭B〜Eについても同様に試験を行い、基準臭5種類すべてに正解した者をパネラーとして選定した。
試験環境は温調室(23±2℃、相対湿度50±5%)にて行った。
官能試験に用いる容器は循風乾燥機を使用し、使用前日に6時間以上250℃で空焼きを実施した(官能試験専用に循風乾燥機を設置することが望ましい)。
試験に用いる容器としてはステンレス製またはスチール製の1〜20L容器(4Lが妥当、開口部の内径が70mm以上)を用いた。試験前に容器をアズワン社製スキャット(ノニオン系)で洗浄し、水洗後に水を拭き取ってメタノールまたはエタノールで洗浄した。溶剤臭がなくなるまで室温放置後、空焼きを実施した順風乾燥機内で30分間110℃乾燥した。
試験片は上記<表皮の作成>の項で記載の条件で成形した2週間以内のサンプルを使用し、表皮から試験片として3×3cmを採取した。切り出した試験片を保管する際はアルミホイルで2重に包んだ後、洗浄したジップロック(登録商標)で保管することが可能。保管は標準状態(23±2℃、相対湿度50±5%)が望ましい。
<官能試験条件>
試験片をステンレス製またはスチール製の容器に入れ、順風乾燥機内で100±2℃、1時間加熱した。加熱後、容器を取り出して室温まで冷却した(最低30分以上放置した)。
<官能試験手順>
室温冷却した試験片の臭気を嗅ぐ。容器の蓋をスライドさせるように開け、パネラー1人ずつ順番に臭気を嗅いだ。評価は必ず5人以上で行い、パネラーは臭気判定に支障が出ないよう試験1時間前から飲食を禁止とした。用いた4L容器で評価を行ったため、1つの容器で3人までで評価を行った。
成形表皮から発せられる臭気を、以下の判定基準で評価した。
判定基準はにおい紙に臭気基準物質C10−5(第一薬品産業(株)製、強度:3.0、快不快度:−2.0)を先端から1cm浸したもののにおいと比較することによって行った。パネラーのにおい結果データを集計し、強度、快不快度を平均値で評価した。
強度、快不快度の評価基準については以下の通りで行った。
5.0…基準臭よりも強い(強烈な)におい
4.0…基準臭よりもやや強い(強い)におい
3.0…基準臭と同じ(楽に感知できる)におい
2.0…基準臭よりもやや弱い(何のにおいかわかる弱い)におい
1.0…基準臭よりも弱い(やっと感知できる)におい
0 …無臭
<快不快度>
3.0 …非常に快
2.0 …快
1.0 …やや快
0 …快でも不快でもない
−1.0…やや不快
−2.0…不快(基準臭と同じ不快度)
−3.0…非常に不快
体積平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置[日機装(株)製:HRA−9320−X100]で測定した。
上記記載の分析方法で測定した。
上記記載の分析方法で測定した。
Claims (5)
- アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンの2分子縮合物(C)の合計含有量が10〜1000ppmである熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末(A)。
- 粉体成形用である請求項1に記載の樹脂粉末(A)。
- 熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末(A)と添加剤を含有する熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物であって、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンの2分子縮合物(C)の合計含有量が10〜1000ppmである熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂粉末組成物(X)。
- 粉体成形用である請求項3に記載の樹脂粉末組成物(X)。
- 請求項1もしくは2に記載の樹脂粉末(A)、または請求項3もしくは4に記載の樹脂粉末組成物(X)を成形して得られる樹脂成形品。
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