JP2012206345A - フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造 - Google Patents

フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2012206345A
JP2012206345A JP2011073333A JP2011073333A JP2012206345A JP 2012206345 A JP2012206345 A JP 2012206345A JP 2011073333 A JP2011073333 A JP 2011073333A JP 2011073333 A JP2011073333 A JP 2011073333A JP 2012206345 A JP2012206345 A JP 2012206345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
elastic coating
fluorine
elastic
acrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011073333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5673288B2 (ja
Inventor
Yoshinari Fukuhara
良成 福原
Mayumi Shimano
真由美 島野
Katsuhiko Imoto
克彦 井本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011073333A priority Critical patent/JP5673288B2/ja
Publication of JP2012206345A publication Critical patent/JP2012206345A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5673288B2 publication Critical patent/JP5673288B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】耐侯性および弾性塗膜積層体との密着性、追従性に優れた含フッ素樹脂塗膜層を有する弾性塗膜積層構造を提供する。
【解決手段】弾性塗膜積層体と、該弾性塗膜積層体上に形成されてなる含フッ素樹脂塗膜層とからなり、該含フッ素樹脂塗膜層が、含フッ素重合体とアクリル重合体との複合粒子であって4〜18mgKOH/gの酸価をもつ複合粒子を含む塗料により形成されてなる弾性塗膜積層構造。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造に関する。
たとえば家屋やマンションの壁材や屋根、屋上などでは、コンクリートなどの基材の経時劣化や温度変化によってクラックが生じ、漏水などの問題が発生するため、塗装としてそうした基材の寸法変化に追従可能な弾性塗膜を形成することが一般的である。同様な問題は熱膨張や収縮が大きな硬質基材である金属、ガラス、セラミックス、プラスチックなどの塗装においても生ずる。
そうした弾性塗膜構造としては、たとえば硬質基材上にプライマー層、ついでアクリルゴム系塗膜等の非フッ素系弾性塗膜層を形成することが行われており(特許文献1および特許文献2)、さらに必要に応じてウレタン系塗料をトップコートすることも知られている。
特開昭60−195163号公報 特許第3161593号明細書
非フッ素系弾性塗膜は、硬質基材との追従性がよく、クラックを生じにくいという利点があるが、耐侯性に劣るという問題がある。そこで、耐候性に優れたフッ素系樹脂塗料をオーバーコートすることも考えられるが、これまで知られているフッ素系樹脂塗膜は他材との密着性が十分ではない傾向にあり、必要な追従性が達成できず、界面剥離が生じてしまうという問題がある。
本発明は、かかる課題を解消するべく完成されたものであり、耐侯性および弾性塗膜積層体との密着性、追従性に優れた弾性塗膜積層構造を提供することを目的とする。
本発明は、弾性塗膜積層体と、該弾性塗膜積層体上に形成されてなる含フッ素樹脂塗膜層とからなり、該含フッ素樹脂塗膜層が、含フッ素重合体とアクリル重合体との複合粒子であって4〜18mgKOH/gの酸価をもつ複合粒子を含む塗料により形成されてなる弾性塗膜積層構造に関する。
本発明によれば、耐侯性および弾性塗膜積層体との密着性、追従性に優れた含フッ素樹脂塗膜層を有する弾性塗膜積層構造を提供することができる。
本発明の弾性塗膜積層構造は、弾性塗膜積層体と、該弾性塗膜積層体上に形成されてなる含フッ素樹脂塗膜層とからなり、該含フッ素樹脂塗膜層が、含フッ素重合体とアクリル重合体との複合粒子であって4〜18mgKOH/gの酸価をもつ複合粒子を含む塗料により形成されてなることを特徴とする。
以下、各要素について説明する。
(弾性塗膜積層体)
弾性塗膜積層体は、硬質基材に弾性塗膜層が形成されているものであれば特に限定されない。
硬質基材としては、コンクリート、スレート、タイル、サイディングボードなどの建築物の内外壁や屋根材、屋上に使用されている基材のほか、金属、ガラス、プラスチックス、セラミックスなどの板材や物品が例示できる。
硬質基材上に形成される弾性塗膜層としては、従来公知の弾性塗料を用いた単層でもよいが、プライマー層を介して、要すればさらにトップコート層を設けた多層構造の弾性塗膜層であってもよい。
弾性塗料としては、たとえばアクリルゴム系塗料、ウレタン系塗料、シリコーン系塗料などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
プライマーとしては、従来公知のプライマー用塗料、たとえばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂をバインダーとする塗料などがあげられる。
本発明においては、弾性塗膜積層体上に含フッ素樹脂塗膜層を設けるので、弾性塗膜積層体には必ずしもトップコートを必要としないが、たとえば既設の弾性塗膜上に含フッ素樹脂塗膜層を設ける場合、すなわち補修に用いる場合には、必然的にトップコートが存在している。その場合、既設のトップコートを既設の弾性塗膜と含フッ素樹脂塗膜層との密着性を向上させるためのプライマー層または接着剤層として用いてもよい。
弾性塗膜積層体のトップコートとしては、たとえばアクリル塗膜層、ウレタン塗膜層、シリコーン塗膜層などがあげられる。
具体的な弾性塗膜積層体としては、たとえばつぎの積層構造が例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
弾性塗膜積層体1
硬質基材:コンクリート
プライマー層:アクリル樹脂系塗膜
弾性塗膜層:アクリルゴム系弾性塗膜
トップコート層:ウレタン系塗膜層
弾性塗膜積層体2
硬質基材:モルタル
プライマー層:アクリル樹脂系塗膜
弾性塗膜層:アクリルゴム系弾性塗膜
トップコート層:シリコーン系塗膜層
弾性塗膜積層体3
硬質基材:窯業系サイデリングボード
プライマー層:アクリル樹脂系塗膜
弾性塗膜層:ウレタン系塗膜
トップコート層:シリコーン系塗膜層
弾性塗膜積層体における各塗膜層の厚さは特に限定されず、用途や施工場所に応じて、適宜選定すればよい。
(含フッ素樹脂塗膜層)
含フッ素樹脂塗膜層は、含フッ素重合体とアクリル重合体との複合粒子であって4〜18mgKOH/gの酸価をもつ複合粒子を含む塗料により形成されてなることを特徴とする。
含フッ素重合体とアクリル重合体との複合粒子は、含フッ素重合体粒子の存在下にアクリル系単量体を重合させることにより製造できる。
含フッ素重合体は、フルオロオレフィン単位を少なくとも1種含んでいればよい。フルオロオレフィンとしては、たとえばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、
Figure 2012206345
などのパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテンなどの非パーフルオロオレフィンがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。PAVEとしてはパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)などがあげられる。
また、官能基含有フルオロオレフィンモノマーも使用できる。官能基含有フルオロオレフィンとしては、たとえば式(1):
CX1 2=CX2−(Rf)m−Y1 (1)
(式中、Y1は−OH、−COOH、−SO2F、−SO32(M2は水素原子、NH4基またはアルカリ金属)、カルボン酸塩、カルボキシエステル基、エポキシ基またはシアノ基;X1およびX2は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子;Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有する2価の含フッ素アルキレン基;mは0または1)で示される化合物があげられる。
具体例としては、たとえば
Figure 2012206345
Figure 2012206345
などがあげられる。
また、ヨウ素含有モノマー、たとえば特公平5−63482号公報や特開昭62−12734号公報に記載されているパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)、パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのパーフルオロビニルエーテルのヨウ素化物も使用できる。
本発明において、含フッ素重合体は、フルオロオレフィンの1種または2種以上の重合体であってもよいし、フルオロオレフィンと共重合可能な非フッ素系単量体との共重合体であってもよい。非フッ素系単量体としては、たとえばエチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アリルアルコール、アリルエーテルなどのアルケニル類;酢酸ビニル、乳酸ビニルなどのビニルエステル類;無水コハク酸、クロトン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸類などがあげられる。
なかでも、好ましい含フッ素重合体としては、耐侯性が良好な点からVDF単位を含む含フッ素共重合体があげられる。具体的には、VDF/TFE/CTFE共重合体、VDF/HFP共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体、VDF/CTFE共重合体、VDF/TFE/PAVE共重合体などが、耐侯性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素重合体粒子の製造方法は特に限定されず、従来公知の乳化重合法で行うことができる。
含フッ素重合体と複合粒子を形成するアクリル重合体は、複合粒子に酸価を与える不飽和カルボン酸のほか、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含むアクリル系単量体混合物を共重合することによって得られる。
不飽和カルボン酸系単量体としては、たとえばアクリル酸(AA)、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3−アリルオキシプロピオン酸、3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル、ウンデシレン酸などがあげられる。それらのなかでも密着性や増粘性が良好な点から、アクリル酸が好ましい。
(メタ)アクリル酸のエステル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜10のアルキルエステル、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート(BA)、メチルメタクリレート(MMA)、n−プロピルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの1種または2種以上が例示できる。なかでも、含フッ素重合体との相溶性が良好な点から、MMA、BAなどが好ましい。
そのほか、他の共重合可能なラジカル重合性の非フッ素系単量体を併用してもよい。他の単量体としては、たとえばビニルエーテル系単量体、オレフィン系単量体、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体などがあげられる。
ビニルエーテル系単量体としては、アルキルビニルエーテル類、水酸基含有ビニルエーテル類などがあげられる。
水酸基含有ビニルエーテルとしては、たとえば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどがあげられ、弾性塗膜積層体との密着性の向上などに寄与する。
オレフィン系単量体としては、たとえばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、スチレンなどがあげられ、塗膜に可とう性の向上などの特性を付与できる。
加水分解性シリル基含有ビニル系単量体としては、たとえばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、があげられ、弾性塗膜積層体との密着性の向上に寄与する。
ビニルエステル系単量体としては、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキシルカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、パラ−t−ブチル安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類などがあげられ、塗膜に光沢の向上、ガラス転移温度の上昇などの特性を付与できる。
限定されない好ましいアクリル重合体としては、たとえばMMA/BA/AA(=55〜97/2〜35/1〜10モル%比)があげられる。
含フッ素重合体粒子とアクリル重合体を複合化する方法としては、従来公知の方法が採用できる。たとえば、含フッ素重合体粒子の存在下に上記アクリル系単量体混合物を乳化重合する方法(いわゆるシード重合法)があげられる。
本発明で用いる複合粒子の酸価は4〜18mgKOH/gである。酸価が4mgKOH/gを下回ると弾性塗膜積層体との密着性が劣り、目的とする追従性が得られない。酸価が18mgKOH/gを超えると耐水性が悪くなり、また貯蔵安定性が悪くなるため、好ましくない。好ましい酸価の下限としては、凍結融解性試験での耐クラックがさらに向上する点から5mgKOH/g、さらには弾性塗料との密着性に特に優れる点から6mgKOH/gである。また、好ましい酸価の上限としては、弾性がさらに向上する点から15mgKOH/g、さらには耐水性に特に優れる点から12mgKOH/gである。
複合粒子の酸価を本発明の範囲に調整する方法としては種々の方法が採用できる。たとえば(1)アクリル重合体中の不飽和カルボン酸単位の量を調整する方法、(2)複合粒子における含フッ素重合体とアクリル系重合体の割合を調整する方法、(3)これらの方法を組み合わせた方法などがあげられる。
複合粒子における含フッ素重合体とアクリル系重合体の質量比を調整することにより、上記のように酸価を調整することができるほか、耐候性や耐水性、貯蔵安定性などの特性を調整することができる。アクリル系重合体の割合を増やすと、光沢が向上する一方、耐候性が低下することがある。この観点から、たとえば含フッ素重合体とアクリル系重合体の質量比を70/30〜30/70にすることが好ましい。
複合粒子のフッ素含有量としては、15〜45質量%、この範囲にあるときに、含フッ素重合体とアクリル系重合体の相溶性が良好である。
また複合粒子の平均粒子径としては250nm以下、さらには50〜250nm、特に100〜160nmが好ましい。前記平均粒子径が50nm未満になると水性分散液の粘度が上昇し、高濃度の水性分散液が得られなくなる傾向があり、250nmを超えると水性分散液の保存時に粒子の沈降や凝固を生じ、さらには塗膜調製時に光沢が出なくなる傾向がある。
本発明における含フッ素樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂塗料は、バインダー樹脂として上記複合粒子のみからなっていてもよいし、追従性に実質的な影響を与えない限り、他の樹脂または添加剤を適量で含んでいてもよい。
含フッ素樹脂塗料は、水性塗料の形態とすることが、塗料安定性の点から好ましい。
顔料入りの水性塗料組成物を調製する場合は、複合粒子の水性分散液に、あらかじめサンドミル等の顔料分散機で水、酸化チタンなどの顔料、消泡剤、顔料分散剤、pH調整剤等を分散した顔料分散体の所定量と造膜補助剤の所定量を撹拌混合したのち、増粘剤を所定量加えて混合し、その他必要な添加剤を適宜加えればよい。顔料を加えない水性塗料組成物を調製する場合は、含フッ素シード重合体粒子の水性分散液に、必要に応じ、水、造膜補助剤、消泡剤、増粘剤、pH調整剤、その他所要の添加剤を加えて公知方法で撹拌混合すればよい。
含フッ素樹脂塗膜層の形成方法としては従来公知の方法と条件が採用できる。たとえば、弾性塗膜積層体にスプレーコーティングやロールコーティング、フローコーティング、ローラー、刷毛による塗装などの塗装方法により塗布して塗膜を形成した後、5〜200℃で乾燥すればよい。膜厚は特に制限されないが、コスト、塗装性の点から5〜100μmの範囲で適宜選択すればよい。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、特性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおりである。
(貯蔵安定性試験)
250mlのプラスチック製のビンに複合体粒子を200g入れ、50℃に設定した恒温層内に4週間静置する。その後、複合体粒子の状態を目視で確認し、ゲル化しているかどうかを確認する。
評価基準は、ゲル化していない場合を○、ゲル化している場合を×とする。
(温冷繰返し試験)
被験塗板を23℃で7日間乾燥した後、−20℃の空気中に2時間静置し、その後10℃の水中に2時間浸漬する。このサイクルを10回繰り返した後、23℃で1日間乾燥し、一次密着(JIS K5600−8−5)および割れ(JIS K5600−8−4)の等級を評価する。
一次密着の評価基準
密度を0〜5の等級(小さい方が0)に、大きさをS1〜S5の等級(S1の方が小さい)に、深さをa〜bの等級(aの方が浅い)に分け、たとえば2(S1)aのように記載する。
割れの評価基準
密度を0〜5の等級(小さい方が0)に、大きさをS0〜S5の等級(S0の方が小さい)に、深さをa〜cの等級(aの方が浅い)に分け、たとえば2(S1)bのように記載する。
実施例1
2Lのステンレススチール製のオートクレーブに、イオン交換水500g、式:
Figure 2012206345
(式中、nは10と11の混合物)で示される化合物(2−1)の38質量%水溶液0.789g(化合物(2−1)の濃度600ppm/水)を仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換後、減圧にした。続いて重合槽内を系内圧力が0.75〜0.80MPaとなるようにVDF/TFE/CTFE(=74/14/12モル%)混合単量体を圧入し、70℃に昇温した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)1.0g(2000ppm/水)を4mLのイオン交換水に溶解した重合開始剤溶液および酢酸エチル0.75g(1500ppm/水)を窒素ガスで圧入し、600rpmで撹拌しながら反応を開始した。
重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VDF/TFE/CTFE(=74/14/12モル%)混合単量体を内圧が0.75〜0.80MPaを維持するように供給した。重合開始から2時間5分後に未反応単量体を放出し、オートクレーブを冷却して、固形分濃度10.6質量%の含フッ素重合体(Ia)のディスパージョンを得た。
撹拌翼、冷却管、温度計を備えた内容量2Lの四つ口フラスコに、含フッ素重合体(Ia)ディスパージョン1200gを仕込み、これにシード重合の際のシード粒子の安定性確保のために界面活性剤(三洋化成(株)製、エレミノールJS−20)を含フッ素重合体固形分に対して1質量%、RMA−450M(日本乳化剤(株)製)を含フッ素重合体固形分に対して3質量%、RS−3000(日本乳化剤(株)製)を含フッ素重合体固形分に対して1質量%添加した。撹拌下に水浴中で加温し、該フラスコ内の温度を75℃に上げた。別途、MMAとBAとAAの87.4/10/2.6(モル%比)の混合単量体とAPSの1%水溶液(混合単量体の0.158質量%に相当する量)の混合エマルジョンを調製し、この混合エマルジョンを2時間かけてフラスコ中に滴下し、重合した。重合開始2.5時間後に、前記フラスコ内の温度を80℃に上げ、2時間保持したのち冷却し、アンモニア水で中和してpHを7に調整し、300メッシュの金網で濾過して青白色のフッ素−アクリル複合粒子(平均粒子径200nm)の水性分散体を製造した。得られた複合粒子の酸価は6mgKOH/gであった。
得られた複合粒子の水性分散液を用いて、以下の処方で建築用の耐候性水性塗料組成物(白塗料組成物)を調製した。
(白塗料組成物の処方)
フッ素−アクリル複合体粒子の水性分散液 65.00質量部
水 9.12質量部
酸化チタン 31.39質量部
顔料分散剤 2.35質量部
凍結防止剤 1.79質量部
pH調整剤 0.04質量部
消泡剤 0.11質量部
増粘剤1 0.38質量部
増粘剤2 0.40質量部
造膜助剤 2.35質量部
使用した各成分はつぎのものである。
酸化チタン:石原産業(株)製タイペークCR−97(商品名)
顔料分散剤:サンノプコ(株)製ノプコスパースSN−5027(商品名)
凍結防止剤:エチレングリコール
pH調整剤:アンモニア水
消泡剤:ダウコーニング社製FSアンチフォーム013A(商品名)
増粘剤1:旭電化工業(株)製アデカノールUH−420(商品名)
増粘剤2:ローム・アンド・ハーツ・ジャパン(株)製プライマルASE−60(商品名)
造膜助剤:アジピン酸ジエチル
得られた白塗料組成物をスレート板(予めアクリルゴム系塗料(日本特殊塗料(株)製のハイプルーフ(商品名)を200g/m2となるように塗装し、室温で1日間乾燥させたもの)に150g/m2となるように刷毛塗りし、室温で1日間乾燥させ、被験塗板を作製した。
得られた被験塗板について貯蔵安定性試験および温冷繰返し試験を行った。また、温冷繰返し試験および貯蔵安定性の結果を総合的に判断し、いずれの試験でも良好な結果を得られた場合を総合判定として○とした。結果を表1に示す。
実施例2〜3および比較例1〜2
アクリル重合体を表1に示すモノマー組成としたほかは実施例1と同様にしてフッ素−アクリル複合粒子を製造し、それぞれ得られたフッ素−アクリル複合粒子を用いて実施例1と同様にして白塗料組成物を調製した。
得られた白塗料組成物を用いて実施例1と同様にして被験塗板を作製し、得られた被験塗板について貯蔵安定性試験および温冷繰返し試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012206345
表1の結果から、複合体粒子の酸価を調整することにより、弾性塗料との密着性に優れ割れにも強い塗膜が得られるということが分かる。

Claims (5)

  1. 弾性塗膜積層体と、該弾性塗膜積層体上に形成されてなる含フッ素樹脂塗膜層とからなり、該含フッ素樹脂塗膜層が、含フッ素重合体とアクリル重合体との複合粒子であって4〜18mgKOH/gの酸価をもつ複合粒子を含む塗料により形成されてなる弾性塗膜積層構造。
  2. 前記弾性塗膜積層体を構成する弾性塗膜層を形成する弾性塗料が、アクリルゴム系塗料、ウレタン系塗料またはシリコーン系塗料である請求項1記載の弾性塗膜積層構造。
  3. 前記複合体粒子を構成する含フッ素重合体が、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体またはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体である請求項1または2記載の弾性塗膜積層構造。
  4. 前記複合体粒子を構成するアクリル重合体が、メチルメタクリレートとブチルアクリレートとアクリル酸の共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性塗膜積層構造。
  5. 前記複合体粒子の酸価が6〜15mgKOH/gである請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性塗膜積層構造。
JP2011073333A 2011-03-29 2011-03-29 フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造 Active JP5673288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011073333A JP5673288B2 (ja) 2011-03-29 2011-03-29 フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011073333A JP5673288B2 (ja) 2011-03-29 2011-03-29 フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012206345A true JP2012206345A (ja) 2012-10-25
JP5673288B2 JP5673288B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=47186543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011073333A Active JP5673288B2 (ja) 2011-03-29 2011-03-29 フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5673288B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015093920A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 旭硝子株式会社 含フッ素樹脂塗料組成物および塗膜を有する塗装物品

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08170045A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 無機質建材用水性塗料
JPH09215960A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Dainippon Ink & Chem Inc 複層塗膜形成方法
WO2002034849A1 (fr) * 2000-10-20 2002-05-02 Daikin Industries, Ltd. Composition pour revetement fluorocopolymere a base d'eau
JP2002226764A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Asahi Glass Co Ltd 建材用塗装物品
WO2010104142A1 (ja) * 2009-03-12 2010-09-16 ダイキン工業株式会社 含フッ素シード重合体粒子の水性分散液の製造方法、および水性塗料組成物ならびに塗装物品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08170045A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 無機質建材用水性塗料
JPH09215960A (ja) * 1996-02-13 1997-08-19 Dainippon Ink & Chem Inc 複層塗膜形成方法
WO2002034849A1 (fr) * 2000-10-20 2002-05-02 Daikin Industries, Ltd. Composition pour revetement fluorocopolymere a base d'eau
JP2002226764A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Asahi Glass Co Ltd 建材用塗装物品
WO2010104142A1 (ja) * 2009-03-12 2010-09-16 ダイキン工業株式会社 含フッ素シード重合体粒子の水性分散液の製造方法、および水性塗料組成物ならびに塗装物品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015093920A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 旭硝子株式会社 含フッ素樹脂塗料組成物および塗膜を有する塗装物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5673288B2 (ja) 2015-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5293869B2 (ja) 水性分散体及びその製造方法
JP5229367B2 (ja) アクリル−フッ素複合重合体粒子
JP6643332B2 (ja) 安定な水系フルオロポリマーコーティング組成物
JP5288036B2 (ja) 組成物、及び、塗装物品
JP3289700B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JP5273226B2 (ja) アクリル−フッ素複合重合体粒子および水性分散体
JP5569518B2 (ja) 含フッ素シード重合体粒子の水性分散液の製造方法、および水性塗料組成物ならびに塗装物品
WO2016076235A1 (ja) 粉体塗料用組成物、粉体塗料および塗装物品
JP2013136736A (ja) 塗料、塗膜、太陽電池モジュールのバックシート、及び、太陽電池モジュール
JP5673288B2 (ja) フッ素樹脂塗膜を含む弾性塗膜積層構造
JP5188008B2 (ja) 硬化型含フッ素塗料用組成物
JP6156538B2 (ja) 組成物及び積層体
WO2017104766A1 (ja) 水性分散液、含フッ素塗料組成物、塗装物品
JPWO2014112252A1 (ja) 含フッ素重合体、含フッ素重合体水性分散体およびその製造方法
JP6221860B2 (ja) 含フッ素樹脂塗料組成物および塗膜を有する塗装物品
TW201730285A (zh) 烘烤型水性有機矽含氟聚合物塗料、塗層、與其形成方法
JP2013071989A (ja) 水性分散体及びその製造方法
JP7301010B2 (ja) 複合重合体粒子及びその製造方法
JP2011213799A (ja) 含フッ素共重合体、塗料用組成物および塗装物品
JP2012021094A (ja) 耐ブロッキング改良剤および塗料組成物
JP2020029516A (ja) 水性分散液、塗膜及び塗装物品
JP6213170B2 (ja) 含フッ素樹脂塗料組成物および塗膜を有する塗装物品
JP2013193366A (ja) 積層体
JP6671531B1 (ja) 水性塗料組成物
JP2009242479A (ja) 含フッ素複合粒子の水性分散体の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5673288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151