JP2012206300A - 植物系バイオマス成形材料、この植物系バイオマス成形材料を用いる植物系バイオマス成形体の製造方法、及びこの方法により得られる植物系バイオマス成形体 - Google Patents

植物系バイオマス成形材料、この植物系バイオマス成形材料を用いる植物系バイオマス成形体の製造方法、及びこの方法により得られる植物系バイオマス成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形性時の流動性が良好であり、且つ耐水性の高い成形体を形成し得る植物系バイオマス成形材料を提供する。
【解決手段】
本発明に係る植物系バイオマス成形材料は、熱硬化性の主剤樹脂が含浸している植物系バイオマス材料からなる第一の材料、及び前記主剤樹脂と熱硬化反応する化合物及びこの主剤樹脂の熱硬化反応を促進する化合物から選ばれる一種以上の助剤が含浸している植物系バイオマス材料からなる一種以上の第二の材料を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物系バイオマス材料を用いて得られる植物系バイオマス成形材料、この植物系バイオマス成形材料を用いる植物系バイオマス成形体の製造方法、及びこの方法により得られる植物系バイオマス成形体に関する。
近年、石油由来資源に替わり、持続性資源でありかつ炭素ストック材料である植物系バイオマス材料が注目されている。特に、石油由来資源の使用をできるだけ削減しつつバイオマス材料を活用するための技術開発が進められている。その中で注目される技術として、植物系バイオマス材料から、プラスチックなどに代替する成形材料、成形体などを得ることが挙げられる。例えば特許文献1では、木質系材料を細かく粉砕して微粉末とし、これを水蒸気で処理して軟化させて流動性を持たせ、金型内に流し込んで熱圧するか、あるいは微粉末を金型に入れ、水蒸気処理を行いながら圧締し、成形した後、冷却して固めることで、任意の三次元形状を付与したプラスチック類似の木質系成形材料を得ることが、開示されている。
しかし、上記従来技術では、木質系材料を水蒸気で処理して軟質化させたとしても、木質系材料の流動性を十分に向上することは難しく、成形時には150MPa程度の高い成形圧力が必要となり、特に体積の大きい成形体を得るためには汎用的な設備が使用できなくなるという問題がある。更に、金型への材料の供給口を小径口にする必要が生じたり、金型が高圧に耐える必要が生じたりするなどにより、複雑な金型設計が必要となってしまう。更に、成形圧力が高くならざるを得ないため、密度の高い成形体しか得られず、成形体のバリエーションが限られてしまうという問題もある。
また、植物系バイオマス材料から得られる成形体には、石油由来資源から得られる成形体よりも耐水性、強度などの特性が十分ではないという問題もある。
特開2003−11109号公報
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、成形性時の流動性が良好であり、且つ耐水性の高い成形体を形成し得る植物系バイオマス成形材料、この植物系バイオマス成形材料から耐水性の高い成形体を得るための植物系バイオマス成形体の製造方法、並びにこの植物系バイオマス成形材料から形成される耐水性の高い植物系バイオマス成形体を、提供することを目的とする。
本発明に係る植物系バイオマス成形材料は、熱硬化性の主剤樹脂が含浸している植物系バイオマス材料からなる第一の材料、及び前記主剤樹脂と熱硬化反応する化合物及びこの主剤樹脂の熱硬化反応を促進する化合物から選ばれる一種以上の助剤が含浸している植物系バイオマス材料からなる一種以上の第二の材料を含有する。
本発明に係る植物系バイオマス成形材料は、
(a)熱硬化性の主剤樹脂と、この主剤樹脂と熱硬化反応する化合物及びこの主剤樹脂の熱硬化反応を促進する化合物から選ばれる一種以上の助剤とを準備する工程、
(b)植物系バイオマス材料に前記主剤樹脂を含浸することで第一の材料を調製する工程、
(c)植物系バイオマス材料に前記助剤を含浸することで一種以上の第二の材料を調製する工程、及び
(d)前記第一の材料と前記第二の材料とを混合して植物系バイオマス成形材料を得る工程、
を含む方法により得られることが好ましい。
前記工程(d)において、前記第一の材料と前記第二の材料を混合し、それにより得られた混合物にせん断応力をかけることで植物系バイオマス成形材料を得ることが好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形材料において、前記助剤が、アミン類、イミン類、アミド類、イミダゾール類、酸無水物、及びポリオール類から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形材料において、前記助剤が、流動化剤としても作用するアミン類、アミド類、イミン類、イミダゾール類、及び酸無水物のうち少なくとも一種を含むことも好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形材料において、前記主剤樹脂が、エポキシ樹脂、イソシアネート類、及びフェノール樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことも好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形材料は、流動化圧力25MPa以下の低圧力成形が可能であることが好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形体の製造方法は、
(e)前記植物系バイオマス成形材料を準備する工程、及び
(f)前記植物系バイオマス成形材料を金型内に供給して加熱流動成形する工程
を含む。
本発明に係る植物系バイオマス成形体の製造方法において、前記主剤と前記助剤とが、これらが反応することで発泡する発泡性材料であり、前記工程(f)における前記金型内での加熱流動成形時に前記主剤と前記助剤とを反応させて発泡させることが好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形体の製造方法において、前記主剤樹脂がイソシアネート類を含み、前記助剤がポリオール類を含むことが好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形体の製造方法において、前記主剤樹脂がエポキシ樹脂を含み、前記助剤が酸無水物を含むことも好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形体は、前記植物系バイオマス成形体の製造方法により製造される。
本発明に係る植物系バイオマス成形体は、温度20℃の水中に24時間浸漬される耐水性試験における評価が吸水率1.78%以下、体積膨張率1.69%以下となる耐水性を有することが好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形体は、密度1.1g/cm以下であることも好ましい。
本発明に係る植物系バイオマス成形体は、温度20℃の水中に24時間浸漬される耐水性試験における評価が体積膨張率0.42%以下となる耐水性を有することも好ましい。
本発明によれば、成形時の流動性が良好であり、且つ耐水性の高い成形体を形成し得る植物系バイオマス成形材料、この植物系バイオマス成形材料から耐水性の高い成形体を得るための植物系バイオマス成形体の製造方法、並びにこの植物系バイオマス成形材料から形成される耐水性の高い植物系バイオマス成形体が、得られる。
(a)乃至(c)は、本発明の一実施形態における、混合物にせん断応力をかける工程を示す概略図である。 (a)乃至(d)は、本発明の一実施形態における、植物系バイオマス成形材料を成形する工程を示す概略図である。 実施例1で得られた植物系バイオマス成形材料の外観写真である。
本実施形態では、植物系バイオマス成形材料は、第一の材料と第二の材料とを含有する。第一の材料は、熱硬化性の主剤樹脂が含浸している植物系バイオマス材料からなる。第二の材料は、助剤が含浸している植物系バイオマス材料からなる。助剤には、主剤樹脂と熱硬化反応する化合物(硬化剤、架橋剤等)及びこの主剤樹脂の熱硬化反応を促進する化合物(硬化促進剤、硬化触媒等)から選ばれる一種以上の化合物が含まれる。
植物系バイオマス材料とは、バイオマスのうち植物由来の材料のことをいう。バイオマスとは、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」、すなわち、地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを使って、無機物である水と二酸化炭素から、生物が光合成によって生成した有機物であり、生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源である(バイオマス・ニッポン総合戦略、平成18年3月31日閣議決定参照)。
植物系バイオマス材料としては、木材、竹、麻、草本類、農産物等の植物材料;前記植物材料の廃棄物、残渣物(皮、葉、茎、実)等;前記材料を加工して得られる紙、パルプ等が、挙げられる。木材としてはスギ、ヒノキ、マツ等の針葉樹、ブナ、ナラ、カバ等の広葉樹などが挙げられる。麻類としては、ジュート、ケナフ、亜麻、ヘンプ、ラミー、サイザルなどが挙げられる。これら以外の植物材料として、葦、稲わら、籾殻、ヤシの実やさとうきびの絞りカスなどが、挙げられる。
植物系バイオマス材料の形態としては、単板状、チップ状、繊維状などが挙げられる。植物系バイオマス材料のサイズは特に制限されない。
植物系バイオマス材料として、材質、形状、サイズなどが異なる複数種の材料が併用されてもよい。
植物系バイオマス成形材料中の熱硬化性の主剤樹脂と助剤には、主剤樹脂の熱硬化反応が進行するような組み合わせであれば特に制限はないが、植物系バイオマス材料の主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどとの親和性がある化合物が使用されることが好ましく、特にOH基との親和性を有する化合物が使用されることが好ましい。
主剤樹脂の好ましい具体例としては、エポキシ樹脂、イソシアネート類、及びフェノール樹脂が挙げられる。これらのうち一種のみが用いられても二種以上が併用されてもよい。
エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、芳香族エポキシ樹脂等が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、シクロヘキセンオキサイド基、トリシクロデセンオキサイド基、シクロペンテンオキサイド基等を有する化合物、芳香族エポキシ化合物の芳香環を水素添加した構造を有するエポキシ化合物(例えば、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルシクロヘキサン1,3−ジカルボキシレート(シス体またはトランス体)、ジクリシジルシクロヘキサン1,4−ジカルボキシレート(シス体またはトランス体))等が挙げられる。ヒダントイン型エポキシ樹脂としては、例えば、ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダントイン等が挙げられる。トリグリシジルイソシアヌレートは、例えば、トリアリルイソシアヌレートと次亜塩素酸を反応させてトリクロルヒドリン中間物を得、この中間物からアルカリで塩素水素を脱離させてグリシジル化するか、あるいはシアヌル酸とエピクロルヒドリンとを反応させてトリクロルヒドリン中間物を得、これから前記と同様に塩化水素を脱離させてグリシジル化して得られる。さらに、トリグリシジルトリスイソシアヌレートも挙げられる。芳香族系エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
イソシアネート類としては、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。脂肪族ジイソシアネート化合物としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等が挙げられる。脂環式ジイソシアネート化合物としては1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。芳香脂肪族ジイソシアネート化合物としては1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はそれらの混合物、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン又はそれらの混合物等などが挙げられる。芳香族ジイソシアネート化合物としてはm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。その他のジイソシアネート化合物としてフェニルジイソチオシアネート等硫黄原子を含むジイソシアネート類が挙げられる。
フェノール樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
助剤の好ましい具体例としては、アミン類、イミン類、アミド類、イミダゾール類、酸無水物、及びポリオール類が挙げられる。これらのうち一種のみが用いられても二種以上が併用されてもよい。
アミン類としては、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、変性アミンなどが挙げられる。脂肪族ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等を例示することができる。脂環式ポリアミンとしては、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ラロミン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。変性アミンとしては、アミンアダクト、ケチミン等が挙げられる。
イミン類としてはエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ピリジン等が挙げられる。
アミド類としては脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂環式ポリアミド等が挙げられる。
イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
酸無水物類としては、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物などが挙げられる。具体例としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、脂肪族二塩基酸ポリ無水物等が挙げられる。
ポリオール類としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、並びにこれらの誘導体が挙げられる。助剤として酸無水物が用いられる場合には、植物系バイオマス成形材料が成形される際に植物系バイオマス材料中の水酸基が酸無水物の酸無水物基と反応するとことで、植物系バイオマス成形体中の水酸基量が少なくなる。このため、植物系バイオマス成形体の耐水性が更に高くなる。
アミン類、アミド類、イミン類、イミダゾール類、及び酸無水物は流動化剤としても作用する。助剤は、流動化剤としても作用するアミン類、アミド類、イミン類、イミダゾール類、及び酸無水物のうち少なくとも一種を含むことが好ましい。このような助剤が用いられると、植物系バイオマス成形材料の加熱時の流動性が向上し、このため植物系バイオマス成形材料の成形圧力が更に低減し得る。植物系バイオマス成形材料中の、流動化剤としても作用する助剤の含有量は、主剤樹脂に対して10質量%以下であることが好ましい。
また、助剤として、スクロース、キシリトール、デンプン、グルコマンナン、ペクチン、キトサン等の糖類とその誘導体;メチロール基をもつフェノール・ホルムアルデヒド縮合物;メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ユリア、ユリア・ホルムアルデヒド縮合物;タンニン酸等の、OH基を有する化合物が使用されることも好ましい。また助剤として酢酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸等の酸類及びそれらの塩、グリオキザールの水溶液等などの、COOH基又はCHO基を有する化合物が使用されることも好ましい。
第一の材料において植物性バイオマス材料に主剤樹脂と共に溶剤が含浸していることも好ましく、第二の材料において植物性バイオマス材料に助剤と共に溶剤が含浸していることも好ましい。このような溶剤としては、エタノール、メタノール等のアルコール類、及び水・アルコール混合液などの、OH基を有する溶剤が使用されることが好ましい。
複数種の主剤樹脂が用いられる場合には、この複数種の主剤樹脂を含有する一種類の第一の材料が用いられてもよく、複数種の主剤樹脂をそれぞれ含有する複数種の第一の材料が用いられてもよい。また、複数種の助剤が用いられる場合には、この複数種の助剤を含有する一種類の第二の材料が用いられてもよく、複数種の助剤をそれぞれ含有する複数種の第二の材料が用いられてもよい。
主剤樹脂と助剤との組み合わせの例としては、イソシアネート類を含む主剤樹脂と、ポリオール類を含む助剤との組み合わせが挙げられる。この場合、植物系バイオマス材料が成形される際に発泡することで、軽量、低密度な植物系バイオマス成形体が得られる。この発泡は、植物系バイオマス材料中に含まれる水分子とイソシアネートが反応し、二酸化炭素が生成することにより生じると考えられる。
主剤樹脂と助剤との組み合わせの例としては、エポキシ樹脂を含む主剤樹脂と、酸無水物を含む助剤との組み合わせも挙げられる。この場合、植物系バイオマス成形材料が成形される際に植物系バイオマス材料中の水酸基がエポキシ樹脂のエポキシ基、並びに酸無水物の酸無水物基と反応するとことで、植物系バイオマス成形体中の水酸基量が少なくなる。このため、耐水性が非常に高い植物系バイオマス成形体が得られる。
第一の材料は、植物系バイオマス材料に主剤樹脂が含浸されることで調製される。例えば植物系バイオマス材料に主剤樹脂が塗布されたり、植物系バイオマス材料が主剤樹脂に浸漬されたりすることで、植物系バイオマス材料に主剤樹脂が含浸する。
第一の材料を調製するにあたり、主剤樹脂と適宜の溶剤とを含む混合液を植物系バイオマス材料に含浸させてもよい。この場合、植物系バイオマス材料に主剤樹脂を容易に含浸させることができる。溶剤としては、植物系バイオマス材料との親和性の高いものが用いられることが好ましく、例えばエタノール、メタノール等のアルコール類、ケトン類、これらの溶剤と水との混合液などが使用されることが好ましい。
植物系バイオマス材料に主剤樹脂或いは主剤樹脂を含む混合液が塗布された状態、或いは植物系バイオマス材料が主剤樹脂又は主剤樹脂を含む混合液に浸漬された状態で、植物系バイオマス材料を耐圧容器中に配置し、この状態で容器内の減圧・加圧を繰り返してもよい。この場合、植物系バイオマス材料に主剤樹脂がより迅速に含浸する。
主剤樹脂を含む混合液が使用される場合には、植物系バイオマス材料に混合液を含浸させた後、この植物系バイオマス材料を乾燥することで溶剤を取り除いてもよい。
第二の材料は、植物系バイオマス材料に助剤が含浸されることで調製される。例えば植物系バイオマス材料に助剤が塗布されたり、植物系バイオマス材料が助剤に浸漬されたりすることで、植物系バイオマス材料に助剤が含浸する。
第一の材料における植物系バイオマス材料と、この植物系バイオマス材料に含浸している主剤樹脂との割合に特に制限はないが、成形性の観点からは、主剤樹脂の割合は流動性や耐水性が発現する5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であればより好ましく、15質量%以上であれば更に好ましい。
第二の材料を調製するにあたり、助剤と適宜の溶剤とを含む混合液を植物系バイオマス材料に含浸させてもよい。この場合、植物系バイオマス材料に助剤を容易に含浸させることができる。溶剤としては、植物系バイオマス材料との親和性の高いものが用いられることが好ましく、例えばエタノール、メタノール等のアルコール類、及び水・アルコール混合液などの、OH基を有する溶剤を使用することが好ましい。助剤が酸無水物である場合には溶媒として特にグリセリンを使用することが好ましい。
植物系バイオマス材料に助剤或いは助剤を含む混合液が塗布された状態、或いは植物系バイオマス材料が助剤又は助剤を含む混合液に浸漬された状態で、植物系バイオマス材料を耐圧容器中に配置し、この状態で容器内の減圧・加圧を繰り返してもよい。この場合、植物系バイオマス材料に助剤がより迅速に含浸する。
助剤を含む混合液が使用される場合には、植物系バイオマス材料に混合液を含浸させた後、この植物系バイオマス材料を乾燥することで溶剤を取り除いてもよい。
第二の材料における植物系バイオマス材料と、この植物系バイオマス材料に含浸している助剤との割合にも特に制限はないが、成形性の観点からは、助剤の割合は流動性や耐水性が発現する5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であればより好ましく、15質量%以上であれば更に好ましい。
第一の材料と第二の材料とを混合することで、植物系バイオマス成形材料が得られる。第一の材料と第二の材料との割合は、植物系バイオマス成形材料中の主剤樹脂と助剤の割合が、主剤樹脂の熱硬化反応が十分に進行しえる程度の割合となるように、適宜調整される。具体的な割合は、主剤樹脂及び助剤の種類に依存する。
植物系バイオマス成形材料を調製するにあたっては、第一の材料と第二の材料とを混合することで混合物を調製し、続いてこの混合物にせん断応力をかけることで植物系バイオマス成形材料を得ることも好ましい。この場合、植物系バイオマス成形材料の成形時の流動性が向上する。更に、植物系バイオマス成形材料中における主剤樹脂と助剤の分散性が向上する。このため、植物系バイオマス成形体が形成される際に植物系バイオマス成形材料内で主剤樹脂と助剤との反応が均質に生じるようになると共にその反応性が向上する。このため植物系バイオマス成形体の均質性が高くなると共に植物系バイオマス成形体の耐水性が更に向上する。更に、このように成形性が良好となるため、成形時の成形温度の低減及び成形圧力の低減が可能となり、このため成形時の植物系バイオマス材料中のヘミセルロース、セルロース等の分解を抑制することが可能となる。
混合物にせん断応力をかける方法としては、混合物を圧縮成形機にかける方法、混合物をペレットミルにかける方法、混合物をロール成形機にかける方法などが挙げられる。複数の方法が複合的に適用されてもよい。
図1は、混合物2にせん断応力をかける方法の一例を示す。この例では、混合物2を加圧しながら小孔8を強制的に通過させることで、混合物2にせん断応力をかけている。図1に示される装置は、雌型4、雄型6、及びプレート5から構成される。雌型4は上下が開口する中空部7が形成されている筒状の部材であり、中空部7の開口径は例えば30mmである。雄型6は中空部7の形状に合致する円柱状の部材である。プレート5は中空部7の下側の開口を閉塞する部材である。プレート5には中空部7に連通する小孔8が形成されている。小孔8の径は中空部7の径よりも小さければよいが、特に1〜30mmの範囲であることが好ましい。
図1に示す例では、混合物2にせん断応力をかける際には、まず図1(a)及び図1(b)に示されるように雌型4の中空部7に混合物2を供給し、雌型4の下側開口をプレート5で閉塞し、この状態で雄型6を中空部7に挿入する。この状態で図1(b)に示されるように、プレート5と雄型6の間に圧縮力をかける。図中の符号9はプレート5に圧縮力をかけるための治具を示す。すると、図1(c)に示されるように、混合物2が圧縮されながら小孔8を通過し、このときに混合物2にはせん断応力がかけられる。これにより、植物系バイオマス成形材料1が得られる。
第一の材料の調製に供される植物系バイオマス材料に、主剤樹脂を含浸する前に上記のようなせん断応力をかけることも好ましい。この場合、植物系バイオマス材料に主剤樹脂が短時間で含浸しやすくなると共に植物系バイオマス材料内に主剤樹脂が更に均一に含浸しやすくなる。第二の材料の調製に供される植物系バイオマス材料に、助剤を含浸する前に上記のようなせん断応力をかけることも好ましい。この場合、植物系バイオマス材料に助剤が短時間で含浸しやすくなると共に植物系バイオマス材料内に助剤が更に均一に含浸しやすくなる。
本実施形態では、植物系バイオマス材料が、主剤樹脂を含浸する植物系バイオマス材料と、助剤を含浸する植物系バイオマス材料とで構成されていることで、成形時に高い流動性を発揮し、このため成形性が良好である。
更に、主剤樹脂と助剤とは、別個に植物系バイオマス材料に含浸するため、主剤樹脂を植物系バイオマス材料に含浸させる際、並びに助剤を植物系バイオマス材料に含浸させる際の、硬化反応が抑制される。このため、主剤樹脂及び助剤は、植物系バイオマス材料に容易に含浸する。更に植物系バイオマス材料中でも硬化反応の進行が抑制される。このように成形前の硬化反応の進行が抑制されるため、硬化物によって植物系バイオマス材料の成形時の流動性が阻害されるようなことが抑制される。
植物系バイオマス成形材料を金型内に供給して加熱流動成形することで、植物系バイオマス成形体が得られる。
加熱流動成形とは、可塑性及び流動性が付与された植物系バイオマス材料を加熱加圧することによって、細胞相互間に相対的な変位を生じさせて変形させる加工法を意味し、射出成形、押し出し成形、インサート成形、カレンダー成形、深絞り加工などを含む。
植物系バイオマス成形材料の具体的な成形方法の一例を、図2に示す。図2に示す装置は、金型10、シリンダ11、及び押型12を備える。金型10は二つの分割型101,102から成り、分割型101,102が型締めされると金型10の内部には成形用の空間14が形成される。金型10には成形用の空間10と外部とを連通する供給孔15も形成される。シリンダ11は上下に開口する中空部13を有する筒状の部材であり、この中空部11の開口は供給孔15の開口と合致する。雄型12は中空部13及び供給孔15の形状に合致する円柱状の部材である。
図2に示す例では、植物系バイオマス成形材料1の成形時には、図2(a)及び図2(b)に示すように、金型10を型締めし、シリンダ11を金型10の供給孔15に接続し、この状態でシリンダ11内に植物系バイオマス成形材料1を供給する。この状態で、シリンダ内に押型12を挿入する。この状態で金型10とシリンダ11を加熱しながら、金型10と押型12の間に圧縮力をかける。すると、植物系バイオマス成形材料1は加熱されると共に加圧されながら供給孔15を通過して成形用の空間14へ供給される。更に植物系バイオマス成形材料1は成形用の空間14内を流動してこの空間14内を満たすと共に、植物系バイオマス成形材料1中の主剤樹脂と助剤とが混合されて熱硬化反応が進行する。更に、植物系バイオマス成形材料1中の主剤樹脂と助剤との組み合わせが発泡性材料を構成する場合には、発泡が生じる。これにより、成形用の空間14内で、植物系バイオマス成形体3が形成される。続いて、必要に応じて金型10が冷却された後、図2(c)に示されるように金型10が型開きされることで、図2(d)に示されるような植物系バイオマス成形体3が取り出される。
成形条件としては、成形方法にもよるが、植物系バイオマス成形材料が流動し硬化するための温度、圧力が適宜設定される。植物系バイオマス材料を構成するリグニンの軟化温度は80℃程度(含水時)であるため、リグニンを軟化させるために成形温度が80℃以上であることが好ましい。また、200℃以上では植物系バイオマス材料を構成するヘミセルロース、セルロースの分解が生じ、成形体に変色が生じたり強度が低下したりするため、成形温度は200℃以下であることが好ましい。植物系バイオマス成形材料が短時間だけ接触する部分の温度は200℃を超えていてもよいが、そのような部分の温度は300℃以下であることが好ましい。
成形圧力も、植物系バイオマス成形材料が流動し得る圧力であればよい。本実施形態では、植物系バイオマス成形材料が、主剤樹脂を含浸する植物系バイオマス材料と、助剤を含浸する植物系バイオマス材料とで構成されていることで、成形圧力が小さくても植物系バイオマス成形材料の流動化が可能となる。流動化圧力(成形圧力)25MPa以下の低圧力成形も可能となる。
植物系バイオマス成形材料が調製される際に植物系バイオマス材料或いは混合物にせん断力がかけられている場合には、植物系バイオマス成形材料の流動性が向上し、このため成形温度及び成形圧力の低減が可能となる。
このようにして得られる植物系バイオマス成形体中では主剤樹脂の硬化物が複合化されているため、植物系バイオマス成形体の耐水性が高く、またその強度も向上している。このため、温度20℃の水中に24時間浸漬される耐水性試験(JIS A5905に従う24時間吸水試験)による評価が吸水率1.78%以下、体積膨張率1.69%以下となるような耐水性を有する植物系バイオマス成形体を得ることも可能である。
特に、アセチル化などによって疎水化処理した植物系バイオマス材料を基材とし、主剤にエポキシ樹脂、助剤に無水マレイン酸を用いた場合、植物系バイオマス成形体の特に耐水性が向上し、温度20℃の水中に24時間浸漬される耐水性試験による評価が吸水率0.96%以下、体積膨張率0.42%以下となるような耐水性を有する植物系バイオマス成形体を得ることも可能になる。
また、植物系バイオマス成形材料の成形時の成形圧力の低減が可能であるため、高密度な植物系バイオマス成形体だけでなく、低密度の植物系バイオマス成形体を得ることも可能となり、植物系バイオマス成形体の密度設計のバリエーションが拡大する。特に、主剤樹脂がイソシアネート類を含み、助剤がポリオール類を含むことで、主剤樹脂と助剤との組み合わせが発泡性材料を構成する場合には、多孔質の植物系バイオマス成形体が形成され、密度1.1g/cm以下の軽量・低密度な植物系バイオマス成形体を得ることも可能となる。
[実施例1]
100cm×200cmのポプラ単板を4cm角程度に裁断して得られた木質チップを、植物系バイオマス材料として用意した。
主剤樹脂として水溶性エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、商品名デナコールEX810)を用意し、助剤として架橋剤である没食子酸プロピルと硬化促進剤であるイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名キュアゾール2E4MZ−CN)とを用意した。
木質チップを主剤樹脂に浸漬し、その後大気下において気乾状態になるまで静置することで、第一の材料を得た。別の木質チップを架橋剤に浸漬し、大気下において気乾状態になるまで静置することで、架橋剤を含む第二の材料を得た。更に別の木質チップを硬化促進剤に浸漬し、気乾状態になるまで静置することで、硬化促進剤を含む第二の材料を得た。それぞれの植物系バイオマス材料に対する、主剤樹脂、没食子酸プロピル、及びイミダゾールの含浸量は、いずれも15質量%であった。
第一の材料25g、架橋剤を含む第二の材料12.5g、及び硬化促進剤を含む第二の材料2.5gを混合して、混合物を得た。この混合物に、図1に示す装置を用いてせん断力をかけた。図1に示す装置において、中空部7の内径を30mm、小孔8の内径を10mmとした。これにより、植物系バイオマス成形材料を得た。この植物系バイオマス成形材料の外観写真を図3に示す。
この植物系バイオマス成形材料を、図2に示す装置を用いて加熱流動成形した。成形圧力は25MPa、成形温度は150℃とした。これにより、100mm×10mm×4mmの寸法の植物系バイオマス成形体を得た。
この植物系バイオマス成形体に対し、JIS A5905に従う水温20℃での24時間吸水試験をおこなったところ、吸水率は2.42%、吸水による体積膨張率は1.5%であった。また、この植物系バイオマス成形体の曲げ強度をJIS Z2101に従って測定したところ、30MPaであった。
[実施例2]
100cm×200cmのポプラ単板を4cm角程度に裁断して得られた木質チップを、植物系バイオマス材料として用意した。
主剤樹脂としてイソシアネート系樹脂(コニシ株式会社製、商品名KUプライマー#3)を用意し、助剤としてポリオール類(ポリエチレングリコール600)を用意した。
木質チップを主剤樹脂に浸漬し、気乾状態になるまで静置することで、第一の材料を得た。別の木質チップを助剤に浸漬し、気乾状態になるまで静置することで、第二の材料を得た。それぞれの植物系バイオマス材料に対する、主剤樹脂、助剤の含浸量は、いずれも20質量%であった。
第一の材料20g、第二の材料20gを混合し、これにより、植物系バイオマス成形材料を得た。
この植物系バイオマス成形材料を、図2に示す装置を用いて加熱流動成形した。成形圧力は100MPa、成形温度は150℃とした。これにより、100mm×10mm×4mmの寸法の多孔質の植物系バイオマス成形体を得た。
この植物系バイオマス成形体の密度を測定したところ、1.1g/cmであった。この植物系バイオマス成形体にJIS A5905に従う水温20℃での24時間吸水試験をおこなったところ、吸水率は3.28%、吸水による体積膨張率は4.5%であった。また、この植物系バイオマス成形体の曲げ強度をJIS Z2101に基づいて測定したところ、30MPaであった。
[実施例3]
100cm×200cmのアセチル化処理されたポプラ単板を4cm角程度に裁断して得られた木質チップを、植物系バイオマス材料として用意した。
主剤樹脂として水溶性エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、商品名デナコールEX−810)を、助剤として無水マレイン酸を用いた。
木質チップを主剤樹脂に浸漬し、その後大気下において気乾状態になるまで静置することで、第一の材料を得た。別の木質チップを助剤に浸漬し、気乾状態になるまで静置することで、第二の材料を得た。それぞれの植物系バイオマス材料に対する、主剤樹脂、助剤の含浸量は、いずれも15質量%であった。
第一の材料16g、第二の材料24gを混合し、これにより、植物系バイオマス成形材料を得た。
この植物系バイオマス成形材料を、図2に示す装置を用いて加熱流動成形した。成形圧力は25MPa、成形温度は150℃とした。これにより、100mm×10mm×4mmの寸法の植物系バイオマス成形体を得た。
この植物系バイオマス成形体にJIS A5905に従う水温20℃での24時間吸水試験をおこなったところ、吸水率は0.96%、吸水による体積膨張率は0.42%であった。また、この植物系バイオマス成形体の曲げ強度をJIS Z2101に基づいて測定したところ、30MPaであった。
1 植物系バイオマス成形材料
2 混合物
3 植物系バイオマス成形体

Claims (15)

  1. 熱硬化性の主剤樹脂が含浸している植物系バイオマス材料からなる第一の材料、及び
    前記主剤樹脂と熱硬化反応する化合物及びこの主剤樹脂の熱硬化反応を促進する化合物から選ばれる一種以上の助剤が含浸している植物系バイオマス材料からなる一種以上の第二の材料
    を含有する植物系バイオマス成形材料。
  2. (a)熱硬化性の主剤樹脂と、この主剤樹脂と熱硬化反応する化合物及びこの主剤樹脂の熱硬化反応を促進する化合物から選ばれる一種以上の助剤とを準備する工程、
    (b)植物系バイオマス材料に前記主剤樹脂を含浸することで第一の材料を調製する工程、
    (c)植物系バイオマス材料に前記助剤を含浸することで一種以上の第二の材料を調製する工程、及び
    (d)前記第一の材料と前記第二の材料とを混合して植物系バイオマス成形材料を得る工程、
    を含む方法により得られる請求項1に記載の植物系バイオマス成形材料。
  3. 前記工程(d)において、前記第一の材料と前記第二の材料を混合し、それにより得られる混合物にせん断応力をかけることで植物系バイオマス成形材料を得る請求項2に記載の植物系バイオマス成形材料。
  4. 前記助剤が、アミン類、イミン類、アミド類、イミダゾール類、酸無水物、及びポリオール類から選ばれる少なくとも一種を含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の植物系バイオマス成形材料。
  5. 前記助剤が、流動化剤としても作用するアミン類、アミド類、イミン類、イミダゾール類、及び酸無水物のうち少なくとも一種を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の植物系バイオマス成形材料。
  6. 前記主剤樹脂が、エポキシ樹脂、イソシアネート類、及びフェノール樹脂から選ばれる少なくとも一種を含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の植物系バイオマス成形材料。
  7. 流動化圧力25MPa以下の低圧力成形が可能である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の植物系バイオマス成形材料。
  8. (e)請求項1乃至7のいずれか一項に記載の植物系バイオマス成形材料を準備する工程、及び
    (f)前記植物系バイオマス成形材料を金型内に供給して加熱流動成形する工程
    を含む植物系バイオマス成形体の製造方法。
  9. 前記主剤と前記助剤とが、これらが反応することで発泡する発泡性材料であり、
    前記工程(f)における前記金型内での加熱流動成形時に前記主剤と前記助剤とを反応させて発泡させる請求項8に記載の植物系バイオマス成形体の製造方法。
  10. 前記主剤樹脂がイソシアネート類を含み、前記助剤がポリオール類を含む請求項9に記載の植物系バイオマス成形体の製造方法。
  11. 前記主剤樹脂がエポキシ樹脂を含み、前記助剤が酸無水物を含む請求項8に記載の植物系バイオマス成形体の製造方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の植物系バイオマス成形体の製造方法により製造される植物系バイオマス成形体。
  13. 温度20℃の水中に24時間浸漬される耐水性試験による評価が吸水率1.78%以下、体積膨張率1.69%以下の耐水性を有する請求項12に記載の植物系バイオマス成形体。
  14. 請求項9又は10に記載の植物系バイオマス成形体の製造方法により製造される、密度1.1g/cm以下である植物系バイオマス成形体。
  15. 請求項11に記載の植物系バイオマス成形体の製造方法により製造される、温度20℃の水中に24時間浸漬される耐水性試験による評価が体積膨張率0.42%以下の耐水性を有する植物系バイオマス成形体。
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