JP2012205631A - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥運転開始後の起ち上がり性能を高めて、乾燥性能を向上させる。
【解決手段】吸熱器7と放熱器8およびドラム2を通風連結する送風経路6と、送風経路6に乾燥用空気を送風する送風装置9と、機外から水槽3へ水を供給する給水経路15と、水槽3から排出された水を通過させる熱交換槽18と、熱交換槽18の水を機外へ排出する排水経路26と、水槽3を通さずに熱交換槽18の内部を通った後吸熱器7または放熱器8へ水を供給する水道水搬送経路20と、吸熱器7または放熱器8に供給された水を機外へ排出する水道水排出経路21と、洗濯および乾燥運転を実行する制御装置27とを備え、制御装置27は、乾燥運転を開始する前に洗濯に使用した水により加熱された水で冷媒を加熱するようにしたものである。
【選択図】図1
【解決手段】吸熱器7と放熱器8およびドラム2を通風連結する送風経路6と、送風経路6に乾燥用空気を送風する送風装置9と、機外から水槽3へ水を供給する給水経路15と、水槽3から排出された水を通過させる熱交換槽18と、熱交換槽18の水を機外へ排出する排水経路26と、水槽3を通さずに熱交換槽18の内部を通った後吸熱器7または放熱器8へ水を供給する水道水搬送経路20と、吸熱器7または放熱器8に供給された水を機外へ排出する水道水排出経路21と、洗濯および乾燥運転を実行する制御装置27とを備え、制御装置27は、乾燥運転を開始する前に洗濯に使用した水により加熱された水で冷媒を加熱するようにしたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、衣類等の洗濯と乾燥をおこなう洗濯乾燥機に関するものである。
従来、ヒートポンプシステムを搭載し、ヒータなどを使用した場合と比較して消費エネルギーを低減して衣類を乾燥させることが可能な洗濯乾燥機が提案されている。このような洗濯乾燥機の課題の1つとして、乾燥を開始した直後から初期にかけて、衣類や衣類を収容するドラムの温度が低いために、本来衣類の水分を蒸発させるための乾燥風の熱が、ドラム等の加熱のために使われてしまい、乾燥の起ち上がり性能が低下しているという課題がある。
上記課題を解決するために、例えば、蓄熱材を用いて冷媒を加熱することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、ヒータを用いて冷媒を加熱することが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
図6は、特許文献1に記載された従来の洗濯乾燥機を示したものである。図に示すように、衣類を収容するドラム40と、水を溜める水槽41と、圧縮機42、吸熱器43、膨張弁44、放熱器45、第二の放熱器46とで冷凍サイクルを構成しているヒートポンプシステムと、水槽41と吸熱器43、放熱器45を連通接続した乾燥風経路47と、乾燥風経路47に送風する送風装置48とからなり、第二の放熱器46は蓄熱材49中に設置されている。
このような洗濯乾燥機によると、洗濯中にヒートポンプシステムを駆動し、第二の放熱器46の熱を周囲の蓄熱材49に移動させて貯めておくことで、乾燥工程が開始されるとこの蓄熱材49により温められた冷媒が放熱器45を加熱し、乾燥風の温度を素早く上昇させることができる。
図7は、特許文献2に記載された従来の洗濯乾燥機を示したものである。図に示すように、衣類を収容するドラム50と、水を貯める水槽51と、圧縮機52、吸熱器53、膨張弁54、放熱器55とで冷凍サイクルを構成しているヒートポンプシステムと、水槽51と吸熱器53、放熱器55を連通接続した乾燥風経路56と、乾燥風経路56に送風する送風装置57とからなり、圧縮機52はヒータ58で巻回されている。
このような洗濯乾燥機によると、乾燥を開始する前にヒータ58に通電し、圧縮機52内の冷媒を加熱して、乾燥開始直後の乾燥効率を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1、2に記載の構成では、洗濯中にヒートポンプシステムやヒータを駆動させる必要があり、余分なエネルギーが必要となるという問題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、余分なエネルギーや水を使用することな
く、乾燥開始直後のヒートポンプの乾燥性能を向上させた洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
く、乾燥開始直後のヒートポンプの乾燥性能を向上させた洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯乾燥機は、吸熱器と放熱器およびドラムを通風連結する送風経路と、前記送風経路に乾燥用空気を送風する送風装置と、機外から水槽へ水を供給する給水経路と、前記水槽から排出された水を通過させる熱交換槽と、前記熱交換槽の水を機外へ排出する排水経路と、前記水槽を通さずに前記熱交換槽の内部を通った後前記吸熱器または前記放熱器へ水を供給する水道水搬送経路と、前記吸熱器または前記放熱器に供給された水を機外へ排出する水道水排出経路と、洗濯および乾燥運転を実行する制御装置とを備え、前記制御装置は、乾燥運転を開始する前に洗濯に使用した水により加熱された水で冷媒を加熱するようにしたものである。
これによって、捨てられる洗濯排水の熱エネルギーにより吸熱器内の冷媒を加熱し、乾燥工程が開始されるとすぐに乾燥用空気を加熱することが可能となり、消費するエネルギーや水を余分に使用することなく乾燥運転開始後の起ち上がり性能を高めて、乾燥性能を向上させることができる。
本発明の洗濯乾燥機は、乾燥運転開始後の起ち上がり性能を高めて、乾燥性能を向上させることができる。
第1の発明は、洗濯用の水を溜める水槽と、前記水槽内に回転可能に設けたドラムと、圧縮機、放熱器、膨張弁、および吸熱器を冷媒が循環するように冷媒パイプで連結したヒートポンプシステムと、前記吸熱器と前記放熱器および前記ドラムを通風連結する送風経路と、前記送風経路に乾燥用空気を送風する送風装置と、機外から前記水槽へ水を供給する給水経路と、前記水槽から排出された水を通過させる熱交換槽と、前記熱交換槽の水を機外へ排出する排水経路と、前記水槽を通さずに前記熱交換槽の内部を通った後前記吸熱器または前記放熱器へ水を供給する水道水搬送経路と、前記吸熱器または前記放熱器に供給された水を機外へ排出する水道水排出経路と、洗濯および乾燥運転を実行する制御装置とを備え、前記制御装置は、乾燥運転を開始する前に洗濯に使用した水により加熱された水で冷媒を加熱するようにしたことにより、排水される洗濯水の熱を水に伝え、この水で吸熱器または放熱器内の冷媒を加熱することで、乾燥工程が開始されるとすぐに乾燥風を加熱することが可能となり、乾燥性能を向上させるとともに、吸熱器あるいは放熱器に直接洗濯排水を接触させないので、長く使い続けても乾燥性能が低下しない洗濯乾燥機を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明に加えて、熱交換槽は、洗濯排水を貯留可能に構成したことにより、長時間洗濯排水が吸熱器あるいは放熱器を温めるための水と接することができるので、より確実に洗濯排水の熱で冷媒を加熱し、乾燥性能を向上させることができ
る。
る。
第3の発明は、特に、第2の発明に加えて、熱交換槽に溜まった水を撹拌する撹拌装置を備えたことにより、貯まった洗濯排水と吸熱器あるいは放熱器を温めるための水との間の熱交換がより効率よく行われるので、さらに冷媒温度を高温にすることができ、乾燥効率を高めることができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明に加えて、送風経路内に設けた吸熱器または放熱器の少なくとも一部が浸水するように貯水部を設けたことにより、長時間水道水が吸熱器あるいは放熱器の冷媒と接することができるので、より確実に洗濯排水の熱で冷媒を加熱し、乾燥性能を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第4の発明に加えて、貯水部に貯まった水を攪拌する撹拌装置を備えたことにより、貯まった水道水と冷媒との間の熱交換がより効率よく行われるので、さらに冷媒温度を高温にすることができ、乾燥効率を高めることができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明に加えて、水道水搬送経路内の水を所定の時間熱交換槽に溜める構成としたことにより、長時間洗濯排水が吸熱器あるいは放熱器を温めるための水と接することができるので、より確実に洗濯排水の熱で冷媒を加熱し、乾燥性能を向上させることができる。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明に加えて、制御装置は、衣類乾燥のために圧縮機を駆動する前に送風装置を駆動するようにしたことにより、洗濯排水が吸熱器または放熱器に付着したまま乾燥が開始することを低減することができるので、乾燥効率を高く維持することができる。
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明に加えて、熱交換槽と水槽を連通接続する水道水供給経路を設けたことにより、熱交換槽で温められた水をすすぎ水として利用することが可能となり、すすぎ後の衣類やドラムを高温に保つことができるので、乾燥開始直後に乾燥風で衣類やドラム等を加熱する必要がなくなり、より素早く衣類の乾燥を開始することができ、乾燥運転開始後の起ち上がり性能を高めて、乾燥性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯乾燥機の要部断面図、図2は、同洗濯乾燥機の冷媒温度の変化を示す図、図3は、同洗濯乾燥機の動作を示すタイムチャートである。
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯乾燥機の要部断面図、図2は、同洗濯乾燥機の冷媒温度の変化を示す図、図3は、同洗濯乾燥機の動作を示すタイムチャートである。
図1〜図3において、洗濯乾燥機の本体1と、衣類等の洗濯物を収容するドラム2と、ドラム2の外側に配置された洗濯用の水を溜める水槽3と、水槽3の背面側に固定されたドラム2を回転させるモータ4と、ドラム2の前方を閉じるドア5を有している。モータ4は、水槽3の背面を貫通した回転軸2aを介してドラム2と連結されており、ドラム2は水平軸を中心に回転駆動するように構成されている。モータ4は、ブラシレス直流モータで構成され、インバータ制御によって回転速度が自在に変化させることができるようになっている。
本体1内には、乾燥用空気を循環させる送風経路6が設けられている。送風経路6内に
は乾燥風の流れの上流側から順に、吸熱器7、放熱器8、送風装置9が設置されている。送風経路6の両端は、いずれも水槽3の上部と連通接続されている。また、本体1内には圧縮機10および膨張弁11が設けられている。圧縮機10、放熱器8、膨張弁11、吸熱器7は、内側に冷媒を封入した冷媒パイプ12によって順にループ状に接続されており、冷凍サイクルを形成している。
は乾燥風の流れの上流側から順に、吸熱器7、放熱器8、送風装置9が設置されている。送風経路6の両端は、いずれも水槽3の上部と連通接続されている。また、本体1内には圧縮機10および膨張弁11が設けられている。圧縮機10、放熱器8、膨張弁11、吸熱器7は、内側に冷媒を封入した冷媒パイプ12によって順にループ状に接続されており、冷凍サイクルを形成している。
吸熱器7および放熱器8は冷媒パイプ12が蛇行し、これらの冷媒パイプ12に多数の伝熱フィン(図示せず)を接触させるように構成されている。少なくとも吸熱器7および放熱器8の冷媒パイプ12および伝熱フィンは、硬度の高い水や、洗濯後の排水に接触しても腐食や汚れの固着が生じにくい素材、あるいは、表面状態で構成されている。
伝熱フィンは、例えば、金属のフィラなどを加えて熱伝導性を高めた樹脂で構成されている。冷媒パイプ12は、例えば、銅パイプの表面に樹脂コーティングされている。吸熱器7および放熱器8は、送風経路6内の略最下位置に配置されている。送風経路6の最下部は貯水部13を構成している。
吸熱器7および放熱器8は、貯水部13の底面から一定の高さの空間を介して設置されており、貯水部13に一定量の水が溜まらないと、吸熱器7および放熱器8が浸水しないよう構成されている。貯水部13の内側略底面付近には撹拌装置14が設けられている。この撹拌装置14はポンプからなり、貯水部13内の水を吸込んで貯水部13内に吐き出して、貯水部13内の水を攪拌する。
ドラム2は、有底略円筒形であり、略水平軸周りに回転し、前面に設けた開口部2bは開閉自在なドア5と対向するように構成されている。ドラム2の周側面にドラム2の内外を貫通するように多数の孔2cを備えている。また、ドラム2の内周側面には、洗濯物をモータ4の回転に伴って上方向に持ち上げる複数のバッフル2dを内方へ突設している。
水槽3には、水槽3と本体1外の水栓Aを連通接続する給水経路15が接続されている。水栓Aは室温と略同等の常温の水道水等を洗濯乾燥機に供給する。給水経路15の途中には、洗剤や漂白剤などを供給する水に混入させるための洗剤ケース(図示せず)と、水槽3への給水と停止をおこなう給水切替弁16が設けられている。給水切替弁16は、水道水を水槽3側に導く状態(この状態を状態Bと呼ぶ)と、水道水搬送経路20側に導く状態(この状態を状態Cと呼ぶ)と、給水の停止とに切替えることができる。
水槽3内の底部には、洗濯水を加熱するヒータ17が設けられている。水槽3の排出口3a側には、熱交換槽18が排水弁19を挟んで接続されている。排出口3aは水槽3の略最下部に設けられており、水槽3内の水を排出する際は水のほぼ全てが排出される構成となっている。給水切替弁16と貯水部13は、水道水搬送経路20で連通接続されている。
水道水搬送経路20は途中、熱交換槽18の内部を通過する構成となっており、熱交換槽18に溜まる温かい洗濯排水と、水栓Aから供給された水道水搬送経路20内の水とが熱交換する。熱交換槽18への洗濯排水の入り口は複数孔18aから構成されており、これらの複数孔18aは、熱交換槽18内で蛇行配置した水道水搬送経路20の略直上に構成されている。
水道水搬送経路20を加熱した後の洗濯排水は、熱交換槽18の出口18bから排水経路26を通して機外へ排出される。水道水搬送経路20の他端は、送風経路6の一部内側に開口しており、熱交換槽18で温められた水を貯水部13へ供給する。
貯水部13の略最下部には水道水排出経路21が接続されており、貯水部13の水は、水道水排出経路21を通して機外へ排出される。水道水排出経路21は、貯水部13の略最下部と接続されている。水道水排出経路21の貯水部13側には水道水排出弁22が設けられている。
洗濯乾燥機の本体1の最外郭は外郭壁23からなっている。水槽3の振動を抑え、水槽3の振動を外郭壁23に伝達することを低減するために、水槽3の上部に吊下げバネ24を設け、ダンパ25を水槽3と外郭壁23との間に設けて水槽3を下方から弾性支持している。さらに、外郭壁23の底面には、本体1を床に設置する弾性体の脚23aを取り付けている。
本体1内の上方前部には、モータ4、送風装置9、圧縮機10、給水切替弁16、ヒータ17、排水弁19、水道水排出弁22などを制御する制御装置27が設けられている。制御装置27は、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各工程を逐次制御する。使用者は操作ボタン(図示せず)を操作することにより、所望の運転が可能である。
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下その動作、作用について説明する。衣類の洗濯および乾燥プログラムの実行による動作の詳細を説明する。まず、洗濯の手順の概要を示す。洗濯は、洗い工程およびすすぎ工程、脱水工程からなる。洗い工程では、使用者は、最初にドア5を開放してドラム2内に衣類等の洗濯物を収容した後ドア5を閉じ、操作ボタンを押して所望の運転プログラムを選択して運転を開始させる。
制御装置27は、ドア5が閉じられていることを確認した後、モータ4を駆動させて、回転数などから衣類の量を判定する。その後、制御装置27は給水切替弁16を状態Bに開放して水槽3内に水を溜め始める。給水切替弁16を通って水槽3に供給される水は洗剤ケースを通過しており、このとき、排水弁19は閉じた状態とする。水を溜めながら、制御装置27はモータ4を駆動させることで、衣類を満遍なく濡らしておく。同時に制御装置27は、ヒータ17により水槽3に溜められた洗濯水の加熱を開始する。
水槽3に所定の水量が溜まると、制御装置27は給水切替弁16を閉じ、モータ4を正転、反転を繰り返すなど、所定のプログラムにしたがってドラム2を回転させ、たたき洗いの作用によって衣類の汚れを落とす。
水槽3に溜められた洗濯水の温度は、温度検知手段(図示せず)によって検知され、制御装置27は、この温度検知手段によって検知した水槽3内の水温が、所定の温度(例えば、40℃)になると、ヒータ17への通電を停止する。洗濯を行い、所定の時間が経過すると、制御装置27は排水弁19を開いて洗剤や汚れと共に洗濯水を水槽3から排出する。
洗い工程が終了すると、次にすすぎ工程を開始する。制御装置27は、給水切替弁16を状態Bに開放して水栓Aと水槽3を連通させ、再び水槽3に水を供給する。所定の量の水を水槽3内に供給すると給水切替弁16を閉じる。この間、排水弁19は閉じたままで制御されている。
水槽3に水を貯めた状態で制御装置27はモータ4を駆動させ、ドラム2を回転させて衣類に付着している洗剤成分や汚れ成分を汚れていない水の中へと移動させて汚れを落とす。所定の時間が経過すると、排水弁19を開いてすすぎ水を水槽3から排出する。すすぎ工程では、制御装置27はヒータ17には通電しない。すすぎ工程では、給水、モータ駆動、排水というサイクルを複数回おこなう。
すすぎ工程が終了すると、次に脱水工程を実行する。制御装置27は、モータ4を駆動させてドラム2を高速で回転させる(例えば、1400r/min)。このとき、ドラム2の回転数が増加していくにつれて、衣類に付加される遠心力が強まっていくため、衣類はドラム2の内周壁面に張り付いていく。
そして、衣類に含まれる水分は、遠心力によってドラム2の孔2cを通して外側に移動し、遠心力により水槽3の内側に飛ばされる。これにより、衣類に含まれる水分のある程度は除去される。脱水された水は、制御装置27が排水弁19を開くことで水槽3から排出される。
次に、洗濯排水の熱を利用して冷媒を加熱する方法について説明する。制御装置27が排水弁19を開くと、洗濯排水は熱交換槽18に流れ込む。洗濯の排水が水槽3から排出されると、洗濯排水は熱交換槽18の入り口である複数孔18aを通って水道水搬送経路20の一部に滴下され、水道水搬送経路20、引いてはその内側を流れている水を加熱する。
水道水搬送経路20内には、給水切替弁16を状態Cにして給水経路15から水道水が導入されている。これにより、洗濯排水は冷却される一方、水道水搬送経路20内の水は加熱されて温水となる。この温水は水道水搬送経路20の中をそのまま流れ、貯水部13に供給される。
水道水搬送経路20を流れてきた水は貯水部13に流れ出て溜まり始め、ある程度洗濯水が貯水部13に貯まると、吸熱器7および放熱器8は洗濯水に浸されることになる。このとき、温水の熱が吸熱器7および放熱器8に伝わり、冷媒が加熱される。
吸熱器7および放熱器8が一般的に使われているアルミニウム製や銅製の伝熱フィンや冷媒パイプで構成されていると、長期間の使用により、伝熱フィンや冷媒パイプ12の表面で腐食が生じたり、汚れが固着するなどの不具合が比較的起こりやすいが、本実施の形態では、樹脂製の伝熱フィンおよび樹脂コーティングされた冷媒パイプ12を使用しているので、腐食が生じにくく、汚れも固着し難い。
制御装置27は、洗い工程の最後で排水弁19を開き、洗濯排水を排出すると略同時に給水切替弁16を作動させて状態Cとし、水を水道水搬送経路20に導入する。洗濯排水は先に水道水搬送経路20の外側に到達し、水道水搬送経路20の経路壁を加熱し始める。その後、水道水搬送経路20内の水が熱交換槽18に到達して加熱される。加熱された水は温水となり、水道水搬送経路20を引き続き通って貯水部13に到達する。
制御装置27は、貯水部13内の水位が一定の高さになるために必要な所定時間が経過すると、給水切替弁16を動作させて水の供給を停止する。その後、制御装置27は、撹拌装置14を駆動して貯水部13に溜まった水を撹拌し、効率的に冷媒を加熱する。
制御装置27は、一定時間が経過するか、または、乾燥工程が開始される前に、水道水排出弁22を動作させて貯水部13に溜まった水を機外へと排出する。
次に、乾燥工程の手順の概要を説明する。洗い、すすぎ、脱水を完了した後、衣類の乾燥運転を実行する。乾燥工程が開始されると制御装置27は圧縮機10を駆動させる。圧縮機10は、冷媒を圧縮して冷媒パイプ12内を放熱器8側へと送り出す。放熱器8では冷媒よりも低温の乾燥用空気に冷媒の熱を移動させることで、冷媒の温度は低下する。
その後、冷媒は膨張弁11に到達し、液化する。液化した冷媒は吸熱器7で比較的高温
の乾燥用空気の熱を吸収して冷媒の温度が上昇し、冷媒は再び圧縮機10に到達する。一方、乾燥用空気の視点で考えると、水槽3から送風経路6に入り込んだ乾燥用空気は、図1の矢印イに示す方向に循環する。
の乾燥用空気の熱を吸収して冷媒の温度が上昇し、冷媒は再び圧縮機10に到達する。一方、乾燥用空気の視点で考えると、水槽3から送風経路6に入り込んだ乾燥用空気は、図1の矢印イに示す方向に循環する。
ドラム2内で湿った衣類により湿度が高くなった空気は吸熱器7によって冷却される。冷却された乾燥空気の温度に対応して飽和絶対湿度は低下するので、乾燥空気に溶け込めなくなった水分が吸熱器7に付着することになる。このように冷却された乾燥空気が放熱器8によって再び加熱されることで、温度に対応して飽和絶対湿度は上昇し、相対的な湿度は低下し低湿度の乾燥空気となって、送風装置9を通過して再び水槽3内に戻される。
次に、洗濯排水によって吸熱器7および放熱器8を温めることによるヒートポンプシステムへの影響について説明する。図2において、破線は、従来のヒートポンプシステムの冷媒温度を示しており、放熱器8に入る直前位置の冷媒温度と、吸熱器7の出口直後位置の冷媒温度を示している。乾燥運転が開始されると、初期温度D(略室温)から冷媒の温度が変化していき、ある程度の温度になると安定的になる。
冷媒温度が略一定になるまでの状態を遷移状態と呼ぶ。この状態の間に、冷媒は初期温度から安定的な状態に達するまで徐々に温度が変化していく。その後、吸熱器7および放熱器8と乾燥用空気との熱交換が行われ、冷媒温度が略一定の状態となり、これを安定状態と呼ぶ。乾燥効率が低くなるのはこの起動直後の遷移状態でのことである。遷移状態で乾燥効率が低下するのは、放熱器8側冷媒の温度が高くなく、また吸熱器7側冷媒の温度が低くないため、乾燥用空気との熱交換ができないためである。
実線は、洗濯排水によってヒートポンプシステムを温めた場合のヒートポンプシステムの冷媒温度である。当然、乾燥運転を開始する時点で、初期温度Eは従来の初期冷媒温度Dに比べて上昇している。そのため、放熱器8側冷媒温度は、従来よりも短時間で安定状態に達することができる。一方、吸熱器7側冷媒温度が安定状態に達するまでの時間は延びている。
乾燥運転の開始直後は、まず、乾燥用空気を加熱することが求められる。乾燥用空気が高温にならないと飽和絶対湿度が上昇せず、衣類の水分が乾燥用空気に蒸発しないため、衣類が乾かない。放熱器8側の冷媒温度が早く高温になり、吸熱器7側の冷媒が遅く低温になるということは、乾燥空気を加熱するうえで非常に適した状態である。
制御装置27は乾燥工程が開始される前に貯水部13に貯まった水を機外へ排出する。この排出の際に、吸熱器7および放熱器8の一部に水が付着して残ってしまう場合がある。放熱器8に水が付着した状態で乾燥運転を開始すると、放熱器8の熱量が本来の乾燥空気にではなく、その残水を加熱することに使われてしまい、乾燥用空気の加熱効率が低下してしまうという問題が生じる。
このような問題を避けるために、制御装置27は、圧縮機10を駆動する前に送風装置9を駆動する。送風装置9によって送風経路6内には風が発生し、放熱器8や吸熱器7に付着した水を落下させることができる。
以上のように、本実施の形態の洗濯乾燥機は、熱交換槽18において洗濯排水と水道水の間で熱交換し、温かくなった水道水に吸熱器7および放熱器8を浸水させて、乾燥開始前に吸熱器7および放熱器8を加熱することで、乾燥開始直後の乾燥効率の低い遷移状態を短縮し、乾燥効率を向上し、より短時間かつ省エネルギーで乾燥が可能な洗濯乾燥機を提供することができる。また、洗濯排水は、直接吸熱器7および放熱器8に接触することがないので、吸熱器7や放熱器8に汚れが付着し、長期の使用後に乾燥効率が低下するこ
とを防いで信頼性の高い洗濯乾燥機を提供することができる。
とを防いで信頼性の高い洗濯乾燥機を提供することができる。
また、本実施の形態の洗濯乾燥機は、洗濯排水を貯める貯水部13を設け、長時間吸熱器7や放熱器8と洗濯排水を接触させることで、冷媒の加熱効率を向上することができ、より乾燥初期の乾燥効率を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態の洗濯乾燥機は、貯水部13に撹拌装置14を設けたことにより、効率よく温水で冷媒を加熱することができ、乾燥初期の乾燥効率を一層向上させることが可能となる。
また、本実施の形態の洗濯乾燥機は、圧縮機10を駆動する前に送風装置9を駆動することにより、乾燥を開始する前に乾燥効率の低下原因になる吸熱器7や放熱器8に付着した水を落下させることができるので、乾燥開始直後の乾燥効率の低下を抑えることが可能となる。
なお、水栓Aから温水が供給される場合には、ヒータ17はなくても問題ない。また、水栓Aは建物に設置された水道栓に限定するものではなく、風呂水などの供給部であってもよい。
なお、本実施の形態では、吸熱器7と放熱器8とを同じ貯水部13に設けているが、それぞれ個別の貯水部を設けてもよい。個別の貯水部を設け、吸熱器7と放熱器8の浸水時間を変化させる(排水するタイミングを変える)と、それぞれ最適に冷媒温度を加熱することが可能となり、さらに乾燥効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における洗濯乾燥機の要部断面図である。本実施の形態の特徴は、熱交換槽18に洗濯排水を貯留可能に構成したものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図4は、本発明の第2の実施の形態における洗濯乾燥機の要部断面図である。本実施の形態の特徴は、熱交換槽18に洗濯排水を貯留可能に構成したものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図4において、熱交換槽18の排出側には排出弁28を設け、水道水搬送経路20の熱交換槽18の出口近傍の外側に水道水貯留弁29を設けている。水道水搬送経路20は、放熱器8の略直上で送風経路6と連通接続されている。排水弁19と機外とを連通接続する直接排水経路30を設けている。これにより、排水弁19は、水槽3から熱交換槽18へ水を導く状態と、直接排水経路30を通して水を機外へ導く状態と、閉じて水を通さない状態の3つの状態に切り替えることができる。
なお、送風経路6に貯水部13および水道水排水弁22を設けていない。また、水道水排出経路21は、図示していないが、途中にU字型のトラップ形状を含んでおり、送風経路6内の風が水道水排出経路21を通じて機外へと漏れ出ない構成となっている。
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下その動作、作用について説明する。基本的な動作は、実施の形態1と同様であるので実施の形態1のものを援用する。まず、洗い、すすぎ、脱水時の動作について説明する。制御装置27は、洗濯が終了すると排水弁19を開放して洗濯排水を熱交換槽18に導く。このとき制御装置27は排出弁28を閉止しているので、熱交換槽18には洗濯排水が溜まり始める。
制御装置27は、熱交換槽18に一定時間洗濯排水を供給した後は、排水弁19を切替えて、直接排水経路30を通して洗濯排水を機外へと排出する。洗濯量が多い場合などの理由で洗濯排水が多い場合は必要な水量以外は排出する。
制御装置27は、水道水貯留弁29を閉じることにより、水道水搬送経路20内の水道水の移動を停止させ、より長時間洗濯排水と水道水との熱交換が可能となる。一定時間水道水貯留弁29を閉止した後、制御装置27は水道水貯留弁29を開放する。
水道水貯留弁29は、閉止と開放を複数回繰り返す。水道水搬送経路20を通って移動してきた水道水は、放熱器8のほぼ直上で送風経路6内に入り、放熱器8に滴下される。温められた水が放熱器8を、引いては冷媒を加熱し、その後、送風経路6の底面に落下し、送風経路6の最下部に連結された水道水排出経路21を通って自然に機外へ排出される。
すすぎ工程では、すすぎに使用した水を機外へ排出する必要がある。この場合、制御装置27は、排水弁19を動作させて、すすぎ排水を熱交換槽18へ導入せず、直接排水経路30を通して直接機外へ排出する。
以上のように、熱交換槽18に洗濯排水を貯留可能に構成することにより、熱交換槽18に溜められた洗濯排水と、水道水搬送経路20内の水道水の間で熱交換が充分におこなえるようになり、水道水をより高温にすることが可能となるので、より十分に冷媒を加熱することが可能となり、乾燥開始直後の乾燥効率を高くすることが可能となり、より短時間で効率よく乾燥させることができる。
また、水道水搬送経路20に水道水貯留弁29を設けることで、水道水搬送経路20内の水道水を熱交換槽18内に留めることができ、洗濯排水と水道水の間で熱交換が充分におこなえるようになり、水道水をより高温にすることが可能となるので、より十分に冷媒を加熱することが可能となり、乾燥開始直後の乾燥効率を高くすることが可能となり、より短時間で効率よく乾燥させることが可能となる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態における洗濯乾燥機の要部断面図である。本実施の形態の特徴は、風呂水を供給源とする本体1外の水栓Fと水槽3を風呂水供給経路31で連通接続し、洗い工程では水栓Fからの風呂水を使用し、すすぎ工程では水栓Aからの水道水を用いるようにしたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図5は、本発明の第3の実施の形態における洗濯乾燥機の要部断面図である。本実施の形態の特徴は、風呂水を供給源とする本体1外の水栓Fと水槽3を風呂水供給経路31で連通接続し、洗い工程では水栓Fからの風呂水を使用し、すすぎ工程では水栓Aからの水道水を用いるようにしたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図5において、熱交換槽18は水槽3の下部に一体的に設けられており、熱交換槽18の内側下部に撹拌装置32が設置されている。撹拌装置32はポンプからなり、熱交換槽18内の水を吸込んで、熱交換槽18内に吐き出すように構成されている。水槽3と熱交換槽18は、排水弁19を介して連通接続されている。また、排水弁19は、直接排水経路(図示せず)と連通し、水槽3からの排水を機外へ直接排出することができるようにしている。
放熱器8は、吸熱器7よりも送風経路6内の上方に配置されており、吸熱器7のみが貯水部13の水に浸水し、放熱器8は浸水しない構成となっている。貯水部13は、すすぎに必要な水が貯められる構成となっている。貯水部13の略底部には、水道水供給経路33が接続されており、水道水供給経路33の他端は水槽3に接続されている。水道水供給経路33には水道水ポンプ34が設けてあり、貯水部13内の水道水を水槽3に供給することができるようにしている。
風呂水を供給源とする洗濯乾燥機の本体1外の水栓Fとも接続されている。水栓Fと水槽3は、風呂水供給経路31で連通接続されており、この間に洗剤や漂白剤などを供給す
る水に混入させるための洗剤ケース(図示せず)と、風呂水弁35が設けられている。洗剤ケースは水栓Aと水栓Fともに共通となっている。なお、本実施の形態における洗濯乾燥機には洗濯に用いる水を加熱するためのヒータは搭載されていない。
る水に混入させるための洗剤ケース(図示せず)と、風呂水弁35が設けられている。洗剤ケースは水栓Aと水栓Fともに共通となっている。なお、本実施の形態における洗濯乾燥機には洗濯に用いる水を加熱するためのヒータは搭載されていない。
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下その動作、作用について説明する。基本的な動作は前記実施の形態と同様であるので省略する。本実施の形態における洗濯乾燥機は、洗い工程では水栓Fからの風呂水を使用し、すすぎ工程では水栓Aからの水道水を用いる。
洗濯について説明する。洗い工程が終わると、制御装置27は排水弁19を開放して、洗濯排水を熱交換槽18へと導く。制御装置27は、このとき排出弁28を閉じているので、洗濯排水は熱交換槽18に溜まり始める。熱交換槽18に洗濯排水が溜まると、制御装置27は撹拌装置32を動作させる。
撹拌装置32を動作させることで、熱交換槽18に溜まった洗濯排水は撹拌され、水道水搬送経路20との間で効率よく熱交換が行われる。このように加熱された水道水は水道水貯留弁29の開放により、貯水部13へと移動される。貯水部13では、加熱された水道水の熱が浸水した吸熱器7に伝わり、吸熱器7内の冷媒を加熱する。
冷媒を加熱した後も水道水の温度は通常の水温よりも高い場合が多い。この温められた水道水はすすぎ工程での最後の給水時に使用される。最後の給水時に、制御装置27は水道水ポンプ34を駆動させ、貯水部13に溜まった水を水槽3内へと移動させる。加熱された水道水をすすぎに使用することで、衣類やドラム2、水槽3などは通常の水温の水道水ですすぎを行うよりも高温に保つことが可能となる。
次に、すすぎ工程中のヒートポンプシステムについて説明する。洗濯排水によって吸熱器7の中の冷媒は加熱されている。加熱された冷媒は冷媒パイプ12中で上側に移動しやすくなり、自然対流が生じるが、ヒートポンプシステム全体の冷媒を加熱することは難しい。
そこで、制御装置27は貯水部13に水を貯めた後、圧縮機10を駆動させる。圧縮機10を駆動させる期間は短く、目安としては冷媒がヒートポンプシステム内を半周ほどする時間とする。これにより、今まで加熱されていなかった冷媒が吸熱器7へと移動することになり、より効率よく冷媒を加熱することができる。また、この短時間だけ圧縮機10を駆動させる運転を複数回繰り返せば、さらに効率よく冷媒を加熱することができる。
熱交換槽18には、すすぎ工程および脱水工程の間、洗濯排水が貯留される。脱水工程では、モータ4は高い回転数でドラム2を回転させることで、衣類に働く遠心力を利用して衣類から水分を離脱させる。このとき、ドラム2内の衣類が偏在しているとドラム2が激しく振動し、引いては洗濯乾燥機の本体1までもが振動することになる。
しかし、水槽3と一体的に熱交換槽18が構成され、しかも、熱交換槽18内に一定量(例えば30L)の水が存在すると、この水が重りとなり水槽3の振動を低減させる効果がある。水槽3の振動を低減させると、結果として洗濯乾燥機の本体1の振動を低減することができる。
また、熱交換槽18には洗濯温度とほぼ同じ温水が貯留されているため、すすぎ時に通常の温度の水道水を使用したとしても水槽3の温度が冷えにくい。その結果、乾燥を開始する際に温風の熱が冷えた水槽3に奪われることを低減することができる。
吸熱器7は、常に一定の高さまでしか浸水しない。その結果、洗濯排水の中にフィルタ(図示せず)を通り抜けた汚れやリントがあったとしても、吸熱器7の下部の一部にしか付着することはなく、吸熱器7の浸水しない部分には汚れ等が付着しない。そのため、吸熱器7全体が汚れなどに覆われて、乾燥時に全く熱交換せず、衣類が乾燥できなくなる自体を避けることが可能となる。
次に、乾燥工程について説明する。ヒートポンプシステム内の冷媒温度が安定状態になり、放熱器8によって加熱された乾燥空気がドラム2内の衣類を乾燥させるのであるが、ドラム2や衣類の温度が低い場合には、乾燥空気の熱がまず衣類やドラム2を加熱するために使われてしまい、乾燥空気の温度が低下してしまうので、十分に蒸気を吸収できなくなってしまい、衣類やドラム2の温度が乾燥空気と同等の温度になるまで乾燥効率が低下してしまう。本実施の形態の洗濯乾燥機は、衣類やドラム2が加熱された水道水によって既に加熱されているので、衣類やドラム2を乾燥空気によって略同等の温度にまで加熱する時間が短くなる。
以上のように、本実施の形態の洗濯乾燥機は、熱交換槽18に撹拌装置32を設けたものであり、洗濯排水の熱を効率よく水道水搬送経路20内の水に伝えることができ、冷媒を高温に加熱して、乾燥効率をさらに向上させることができる。
また、冷媒を加熱した後のまだ水道水の温度よりも温かい水をすすぎに利用することにより、乾燥前の衣類やドラム2、水槽3を加熱することができ、乾燥効率をさらに向上させることができる。
なお、上記すべての実施の形態において、吸熱器7や放熱器8を含むヒートポンプシステム全体の置き場所は、必ずしも本体1内の下部でなくてもよく、水槽3の上方や側方、背面側など、本体1内の他の場所に配置されていてもよい。
なお、上記すべての実施の形態において、貯水部13は必ずしも送風経路6内に設ける必要はなく、送風経路6外でも冷媒パイプ等が存在し、冷媒を加熱することができればよい。洗濯排水により送風経路6外で冷媒を加熱すると、送風経路6内の吸熱器7あるいは放熱器8に洗濯排水が付着して乾燥時に乾燥効率を低下させることもないので、安定して乾燥性能を高めることができる。
なお、上記すべての実施の形態において、ドラム2を水平軸周りに回転させて洗濯する洗濯方式を採用しているが、ドラム2が垂直軸周りに回転する縦型洗濯方式など他の洗濯方式でも、洗濯排水で冷媒を予熱する構成は変わらないので同様の効果が得られる。
なお、上記すべての実施の形態において、伝熱フィンおよび冷媒パイプ12は、その表面において腐食などの問題が生じずに全体的に熱伝導性の良い物質で構成されていればよい。そのため、伝熱フィン全体が熱伝導性のよい樹脂でできていてもよく、また、金属製の伝熱フィンの表面に腐食などを抑えるためのコーティングが施されていたり、酸化膜が形成されているなどの構成でもよい。
なお、上記すべての実施の形態において、吸熱器7および放熱器8は、必ずしも伝熱フィンおよび冷媒パイプ12で構成されている必要はなく、一部伝熱フィンがなかったり、全体的に伝熱フィンがなくてもよい。特に、吸熱器7または放熱器8の浸水する部分に伝熱フィンがないと、洗剤や汚れが付着してしまう恐れを低減することができるので、ヒートポンプシステムの信頼性を向上させることができる。
なお、上記全ての実施の形態において、熱交換槽18内の水道水搬送経路20について
、伝熱フィンを追加したり、経路表面に凹凸を設けるなど、熱交換を促進する構成となっていると、熱交換の効率を高めることができる。
、伝熱フィンを追加したり、経路表面に凹凸を設けるなど、熱交換を促進する構成となっていると、熱交換の効率を高めることができる。
なお、上記全ての実施の形態において、熱交換槽18と水槽3との間に洗濯排水に含まれるゴミや糸くずなどを除去するフィルタを備えてもよい。さらに、このフィルタを使用者が容易に取り外して掃除することが可能であるとさらによい。
以上のように、本発明にかかる洗濯乾燥機は、乾燥運転開始後の起ち上がり性能を高めて、乾燥性能を向上させることができるので、洗濯乾燥機として有用である。
2 ドラム
3 水槽
6 送風経路
7 吸熱器
8 放熱器
9 送風装置
10 圧縮機
11 膨張弁
12 冷媒パイプ
15 給水経路
18 熱交換槽
20 水道水搬送経路
21 水道水排出経路
26 排水経路
27 制御装置
3 水槽
6 送風経路
7 吸熱器
8 放熱器
9 送風装置
10 圧縮機
11 膨張弁
12 冷媒パイプ
15 給水経路
18 熱交換槽
20 水道水搬送経路
21 水道水排出経路
26 排水経路
27 制御装置
Claims (8)
- 洗濯用の水を溜める水槽と、前記水槽内に回転可能に設けたドラムと、圧縮機、放熱器、膨張弁、および吸熱器を冷媒が循環するように冷媒パイプで連結したヒートポンプシステムと、前記吸熱器と前記放熱器および前記ドラムを通風連結する送風経路と、前記送風経路に乾燥用空気を送風する送風装置と、機外から前記水槽へ水を供給する給水経路と、前記水槽から排出された水を通過させる熱交換槽と、前記熱交換槽の水を機外へ排出する排水経路と、前記水槽を通さずに前記熱交換槽の内部を通った後前記吸熱器または前記放熱器へ水を供給する水道水搬送経路と、前記吸熱器または前記放熱器に供給された水を機外へ排出する水道水排出経路と、洗濯および乾燥運転を実行する制御装置とを備え、前記制御装置は、乾燥運転を開始する前に洗濯に使用した水により加熱された水で冷媒を加熱するようにした洗濯乾燥機。
- 熱交換槽は、洗濯排水を貯留可能に構成した請求項1記載の洗濯乾燥機。
- 熱交換槽に溜まった水を撹拌する撹拌装置を備えた請求項2記載の洗濯乾燥機。
- 送風経路内に設けた吸熱器または放熱器の少なくとも一部が浸水するように貯水部を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
- 貯水部に貯まった水を攪拌する撹拌装置を備えた請求項4記載の洗濯乾燥機。
- 水道水搬送経路内の水を所定の時間熱交換槽に溜める構成とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
- 制御装置は、衣類乾燥のために圧縮機を駆動する前に送風装置を駆動するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
- 熱交換槽と水槽を連通接続する水道水供給経路を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014135957A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-07-28 | Panasonic Corp | 洗濯乾燥機 |
JP2014147550A (ja) * | 2013-02-01 | 2014-08-21 | Panasonic Corp | ドラム式洗濯機 |
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