JP2012205402A - 回転電機用ロータ及び回転電機用ロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】重心の調整を行うために、切削による切り屑を生じさせず、重心の調整に直接寄与しない質量を小さく抑えることができる回転電機用ロータが求められる。
【解決手段】回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、軸体と同軸に配置されていると共に径方向及び周方向に支持されたロータコアと、軸体に固定されてロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータであって、押え部材は、回転軸心と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部と、周方向の一部にあって通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部より大きい拡大部と、を備えている。
【選択図】図3
【解決手段】回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、軸体と同軸に配置されていると共に径方向及び周方向に支持されたロータコアと、軸体に固定されてロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータであって、押え部材は、回転軸心と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部と、周方向の一部にあって通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部より大きい拡大部と、を備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、前記軸体の周囲に前記軸体と同軸に配置されていると共に前記軸体に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコアと、前記軸体に固定されて前記ロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータ及び回転電機用ロータの製造方法に関する。
上記のような回転電機用ロータに関して、例えば下記の特許文献1には、以下のような技術が開示されている。特許文献1の技術では、ロータコア及びマグネットプレートを軸方向に支持する支持板が軸体に圧入固定された後に、ロータの重心調整を行うために、円筒状に形成されている支持板の外周部に、ドリル等の切削により重心調整穴が形成されている。
しかしながら、支持板を軸体に固定した後に、ドリル等の切削を行うと切り屑が生じる。よって、切り屑が回転電機内に異物として残留しないように、切り屑の除去作業や、切り屑の有無の確認作業が必要になり、製造効率が悪化していた。特に、ロータに永久磁石が備えられている場合は、切り屑が磁石に吸引され、作業効率の悪化を招いていた。
また、円筒状の支持板の外周部に重心調整穴を形成する方法では、重心調整穴により除去された質量が、重心を調整する質量となる。すなわち、重心を調整するための質量は、重心調整穴により除去された質量に限られ、重心調整穴以外の周方向の部材の質量は、重心の調整に直接寄与しない質量である。また、重心調整穴により除去される質量を増加させるためには、支持板の軸方向の厚さを増加させる必要あり、重心調整穴以外の周方向の部材の質量が増加する。よって、引用文献1のように、重心調整穴を形成する方法では、重心の調整に直接寄与しない、重心調整穴以外の周方向の部材の質量が必要になり、重心を調整する部材の質量が大きくなり、ロータの質量も大きくなる問題があった。
そこで、重心の調整を行うために、切削による切り屑を生じさせず、重心の調整に直接寄与しない質量を小さく抑えることができる回転電機用ロータが求められる。
本発明に係る、回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、前記軸体の周囲に前記軸体と同軸に配置されていると共に前記軸体に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコアと、前記軸体に固定されて前記ロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータの特徴構成は、前記押え部材は、前記回転軸心と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部と、周方向の一部にあって前記通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が前記通常部より大きい拡大部と、を備えている点にある。
上記の特徴構成によれば、円環状の押え部材に、通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部より大きい拡大部が形成されるので、拡大部において通常部より突出された突出部の質量により、直接、ロータの重心を調整することができる。よって、切削等によりロータの重心を調整するための余分な質量が必要なく、ロータの質量を小さく抑えることができる。
また、上記の特徴構成によれば、押え部材において通常部より突出された突出部の質量により、ロータの重心を調整することができるので、押え部材の切削等によりロータの重心を調整する必要がなく、切削による切り屑の除去作業や、切り屑の有無の確認作業により、製造効率が悪化することを抑制できる。
ここで、前記拡大部が、軸方向視で、前記回転軸心を基準とした前記ロータコアの重心の偏心方向に対して前記回転軸心を挟んだ反対側に位置するように配置されていると好適である。
この構成によれば、押え部材の配置により、少なくとも、ロータコアの重心の偏心量を減少させることができる。
ここで、前記軸体、前記ロータコア、及び前記押え部材の重心の前記回転軸心を基準とした軸方向視での偏心量が所定範囲内となるように、前記拡大部が形成されていると好適である。
この構成によれば、ロータの重心の偏心量が所定範囲内となるように、拡大部の質量が、ロータコアの重心の偏心量に応じて調整されたものとなっている。また、拡大部は通常部より突出するように形成されているので、突出量を調整するだけで、比較的容易に拡大部の質量を調整することができる。
よって、製造コストの過剰な増大を抑制しつつ、ロータの重心の偏心量が実用上許容できる所定範囲内になるようにすることができる。
よって、製造コストの過剰な増大を抑制しつつ、ロータの重心の偏心量が実用上許容できる所定範囲内になるようにすることができる。
ここで、前記拡大部は、周方向の一箇所において前記通常部に比べて径方向外側に突出した形状とされていると好適である。
この構成によれば、押え部材を板状にすることできるので、押え部材を打ち抜きなどの簡単な方法で製造することができる。
回転軸心を基準とした押え部材の重心の偏心量は、通常部より突出している突出部の質量と、突出部の重心の回転軸心からの距離とに応じる。上記の構成によれば、突出部は、通常部に比べて径方向外側に突出しているので、突出部の重心の回転軸心からの距離を大きくすることができ、突出部の単位質量あたりの押え部材の重心の偏心量を増加させることができる。よって、ロータの重心の偏心量を減少させるための、押え部材の質量増加を抑制することができ、ロータの質量を小さく抑えることができる。
回転軸心を基準とした押え部材の重心の偏心量は、通常部より突出している突出部の質量と、突出部の重心の回転軸心からの距離とに応じる。上記の構成によれば、突出部は、通常部に比べて径方向外側に突出しているので、突出部の重心の回転軸心からの距離を大きくすることができ、突出部の単位質量あたりの押え部材の重心の偏心量を増加させることができる。よって、ロータの重心の偏心量を減少させるための、押え部材の質量増加を抑制することができ、ロータの質量を小さく抑えることができる。
ここで、軸方向における前記ロータコアと前記押え部材との間に、前記ロータコアの軸方向端面に接して当該軸方向端面の全域を覆うと共に前記回転軸心と同軸の円環状に形成されたエンドプレートが介装されていると好適である。
この構成によれば、ロータコアの軸方向端面にエンドプレートが取り付けられる場合でも、押え部材にロータの重心調整用の拡大部が備えられるので、ロータの重心調整に影響されずエンドプレートを形成することができる。よって、エンドプレートをロータコアの軸方向端面の全域を覆うように形成し、当該エンドプレートによりロータコアの軸方向端面の全域を支持することができる。これにより、押え部材は、ロータコアの軸方向端面の全域を支持する必要がないため、押え部材をロータの重心調整に適した形状に形成することができる。
ここで、前記軸体は、他の部分より径方向外側に突出するフランジ部を一体的に備え、前記フランジ部は、前記ロータコアを挟んで前記押え部材とは軸方向の反対側から、前記ロータコアを軸方向に支持するように形成され、前記フランジ部の外周面に固定される重心調整部材を更に備え、前記重心調整部材は、前記回転軸心と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部と、周方向の一部にあって前記通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が前記通常部より大きい拡大部と、を備えていると好適である。
この構成によれば、押え部材と共にロータコアの軸方向両側で重心調整を行うことができる。よって、軸方向のバランスの調整精度を向上させることができる。フランジ部の外周面を有効利用して、ロータの重心調整用の重心調整部材を取り付けることができる。また、フランジ部は、軸体の他の部分より径方向外側に突出しているため、フランジ部を有効利用して、拡大部の回転軸心からの距離を大きくすることができ、拡大部の単位質量あたりの重心調整効果を大きくすることができる。
ここで、前記押え部材の外周面における周方向の少なくとも一部に、前記ロータコア側を向く段差面を有する段差部が形成されていると好適である。
この構成によれば、押え部材を軸体に取り付けた後、拡大部の周方向位置を再調整する、或いは質量の異なる拡大部を有する押え部材へ取り替えるなどのために、押え部材を軸体から取り外す際に、取り外し治具をロータコア側を向く段差面に当て、押え部材に対してロータコア側とは反対方向に力を加えることができる。よって、軸体から円滑に押え部材を取り外すことができ、ロータの重心調整を行う製造工程を効率化することができる。
また、拡大部の周方向位置を調整する際に、治具を段差部に当てて、押え部材の周方向への回転を容易化したり、段差部を周方向の位置調整の基準として、周方向の位置調整の精度を向上させたりすることができる。
また、拡大部の周方向位置を調整する際に、治具を段差部に当てて、押え部材の周方向への回転を容易化したり、段差部を周方向の位置調整の基準として、周方向の位置調整の精度を向上させたりすることができる。
また、回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、前記軸体の周囲に前記軸体と同軸に配置されていると共に前記軸体に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコアと、前記軸体に固定されて前記ロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータの製造方法の特徴構成は、前記軸体に支持された状態の前記ロータコアを対象として、前記回転軸心を基準とした前記ロータコアの重心の偏心方向及び偏心量を測定する測定ステップと、前記測定ステップにより測定された前記偏心量に基づいて、前記軸体に固定された状態での前記回転軸心を基準とした重心の偏心量が異なる複数種類の円環状の前記押え部材の中から一つを選択する押え部材選択ステップと、前記測定ステップにより測定された前記偏心方向に基づいて、前記回転軸心を基準とした前記押え部材の重心の偏心方向が、前記ロータコアの重心の偏心方向とは反対方向となる向きで、前記押え部材を前記軸体に固定する押え部材固定ステップと、を備える点にある。
この特徴構成によれば、測定したロータコアの偏心量に基づいて、重心の偏心量が異なる複数種類の押え部材の中から一つを選択して、軸体に固定するので、ロータを組み立てた後に、ロータの部材に対して切削等の加工を行うことを必要とせず、ロータの重心を調整することができる。よって、ロータの重心調整のために、切削等により切り屑が生じて、製造効率が悪化することを抑制できる。
〔第一の実施形態〕
本発明に係る回転電機MG用ロータRoの第一の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、回転電機MGの断面図である。図1に示すように、回転電機MGは、非回転部材に固定されたステータStと、このステータStの径方向内側に回転可能に支持されたロータRoと、を有している。ステータStは、軸方向に沿って磁性板材が積層されたステータコアScと、ステータコアScに巻装されたコイルCLと、を備えている。ロータRoは、非回転部材に対して回転軸心X1周りに回転可能に支持された軸体30と、この軸体30の周囲に軸体30と同軸に配置されていると共に軸体30に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコア31と、軸体30に固定されてロータコア31を軸方向に支持する押え部材32と、を備えている。
本発明に係る回転電機MG用ロータRoの第一の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、回転電機MGの断面図である。図1に示すように、回転電機MGは、非回転部材に固定されたステータStと、このステータStの径方向内側に回転可能に支持されたロータRoと、を有している。ステータStは、軸方向に沿って磁性板材が積層されたステータコアScと、ステータコアScに巻装されたコイルCLと、を備えている。ロータRoは、非回転部材に対して回転軸心X1周りに回転可能に支持された軸体30と、この軸体30の周囲に軸体30と同軸に配置されていると共に軸体30に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコア31と、軸体30に固定されてロータコア31を軸方向に支持する押え部材32と、を備えている。
このような構成において、押え部材32は、図2及び図3の例に示すように、回転軸心X1と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部50と、周方向の一部にあって通常部50より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部50より大きい拡大部51と、を備えている点に特徴を有している。以下、本実施形態に関わるロータRoについて詳細に説明する。
1.ロータRo
1−1.ロータコア31
ロータRoは、円環板状の磁性板材が軸方向に沿って積層されたロータコア31を備えている。具体的には、各円環板状の部材は、所定の厚さのコア材(鋼板)を円環板状に打ち抜いて形成される。ロータコア31は、このような打ち抜き加工により形成された同一形状の複数の円環板状の部材を、夫々の軸心が一致するように積層して形成される。したがって、ロータコア31は、その径方向中心部に貫通孔を有する円筒状に形成される。
1−1.ロータコア31
ロータRoは、円環板状の磁性板材が軸方向に沿って積層されたロータコア31を備えている。具体的には、各円環板状の部材は、所定の厚さのコア材(鋼板)を円環板状に打ち抜いて形成される。ロータコア31は、このような打ち抜き加工により形成された同一形状の複数の円環板状の部材を、夫々の軸心が一致するように積層して形成される。したがって、ロータコア31は、その径方向中心部に貫通孔を有する円筒状に形成される。
ロータコア31の貫通孔には、軸体30が貫通状態で嵌合される。ロータコア31の内周面と軸体30の外周面との間は、軸方向に延びるキー溝の形成や、焼き嵌めなどにより、周方向への回り止め嵌合される。本実施形態では、図2に示すように、軸体30の外周面に軸方向に延びるキー溝40が形成され、ロータコア31に当該キー溝40の反対形状のキー突部41が形成されている。そして、軸体30のキー溝40にロータコア31のキー突部41が嵌合されて、ロータコア31は、軸体30に対して径方向及び周方向に支持されている。
本実施形態では、図2に示すように、ロータコア31には、軸方向に連通する連通孔44、46が周方向に沿って複数形成されている。これらの連通孔44、46は、永久磁石が収容される磁石収容孔として機能したり、ロータコア31を冷却する油などの冷媒が循環する冷媒循環孔として機能したりする。図1及び図2に示す例では、連通孔44が、磁石収容孔とされ、当該連通孔44内に永久磁石45が収容されている。なお、連通孔46が、冷媒循環孔とされてもよい。また、回転電機MGは、誘導型の回転電機とされてもよく、この場合には、ロータコア31の連通孔44に永久磁石45が備えられず、導体が備えられるように構成されてもよい。
1−2.エンドプレート
本実施形態では、ロータコア31の軸方向両端面にはエンドプレート33、34が装着される。各エンドプレート33、34は、ロータコア31と略同じ外径及び内径を有する円環板状に形成されている。すなわち、エンドプレート33、34は、ロータコア31の軸方向端面に接して軸方向端面の全域を覆うと共に回転軸心X1と同軸の円環状に形成されている。エンドプレート33、34の径方向中心孔に、軸体30がロータコア31と共に貫通状態で嵌合される。このエンドプレート33、34は、ロータコア31を軸方向両側から挟み込み支持し、ロータコア31の磁性板材の剥離を防いでいる。また、エンドプレート33、34は、ロータコア31の磁石収容孔44に収容された永久磁石45の抜け止めとして機能する。なお、エンドプレート33、34のロータコア31側端面に軸方向に窪んだ溝が形成されるように構成されてもよい。そして、エンドプレート33、34は、軸体30を径方向に連通する軸体連通孔を介して軸体30内から供給された油を、ロータコア31の連通孔46内に供給する供給油路、又はロータコア31の連通孔46内の油を、軸体連通孔を介して軸体30内に排出する排出油路として機能するように構成されてもよい。
本実施形態では、ロータコア31の軸方向両端面にはエンドプレート33、34が装着される。各エンドプレート33、34は、ロータコア31と略同じ外径及び内径を有する円環板状に形成されている。すなわち、エンドプレート33、34は、ロータコア31の軸方向端面に接して軸方向端面の全域を覆うと共に回転軸心X1と同軸の円環状に形成されている。エンドプレート33、34の径方向中心孔に、軸体30がロータコア31と共に貫通状態で嵌合される。このエンドプレート33、34は、ロータコア31を軸方向両側から挟み込み支持し、ロータコア31の磁性板材の剥離を防いでいる。また、エンドプレート33、34は、ロータコア31の磁石収容孔44に収容された永久磁石45の抜け止めとして機能する。なお、エンドプレート33、34のロータコア31側端面に軸方向に窪んだ溝が形成されるように構成されてもよい。そして、エンドプレート33、34は、軸体30を径方向に連通する軸体連通孔を介して軸体30内から供給された油を、ロータコア31の連通孔46内に供給する供給油路、又はロータコア31の連通孔46内の油を、軸体連通孔を介して軸体30内に排出する排出油路として機能するように構成されてもよい。
1−3.軸体30
軸体30は、軸方向両側で、不図示の軸受を介して、ケース等の非回転部材に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、軸体30は、円筒状に形成されている。そして、軸体30は、ロータコア31、押え部材32、エンドプレート33、34などの各部材の径方向内側を軸方向に貫通し、軸体30の外周面が当該各部材の内周面に嵌合して、各部材と一体回転するように構成されている。本実施形態では、図2に示すように、軸体30の外周面に、軸方向に延びるキー溝40が形成されており、当該キー溝40に、ロータコア31の内周面に形成されたキー突部41と、エンドプレート33、34のキー突部47、48が嵌合されて、これらが一体回転するように構成されている。
軸体30は、軸方向両側で、不図示の軸受を介して、ケース等の非回転部材に対して回転可能に支持されている。本実施形態では、軸体30は、円筒状に形成されている。そして、軸体30は、ロータコア31、押え部材32、エンドプレート33、34などの各部材の径方向内側を軸方向に貫通し、軸体30の外周面が当該各部材の内周面に嵌合して、各部材と一体回転するように構成されている。本実施形態では、図2に示すように、軸体30の外周面に、軸方向に延びるキー溝40が形成されており、当該キー溝40に、ロータコア31の内周面に形成されたキー突部41と、エンドプレート33、34のキー突部47、48が嵌合されて、これらが一体回転するように構成されている。
本実施形態では、軸体30は、その外周面において、他の部分より径方向外側に突出するフランジ部35を一体的に備えている。そして、フランジ部35は、ロータコア31を挟んで押え部材32とは軸方向の反対側から、ロータコア31を軸方向に支持するように形成されている。図1及び図2に示す例では、フランジ部35は、円環状に形成されている。また、軸方向におけるフランジ部35とロータコア31との間に、エンドプレート34が介装されている。すなわち、フランジ部35は、エンドプレート34を介してロータコア31を支持している。
1−4.押え部材32
ロータRoは、軸体30に固定されてロータコア31を軸方向に支持する押え部材32を備えている。本実施形態では、図3の例に示すように、押え部材32は、回転軸心X1と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部50と、周方向の一部にあって通常部50より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部50より大きい拡大部51と、を備えている。
ロータRoは、軸体30に固定されてロータコア31を軸方向に支持する押え部材32を備えている。本実施形態では、図3の例に示すように、押え部材32は、回転軸心X1と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部50と、周方向の一部にあって通常部50より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部50より大きい拡大部51と、を備えている。
図3に示す例では、拡大部51は、周方向の一箇所において通常部50に比べて径方向外側に突出した形状とされている。すなわち、拡大部51は、円環状の部材に対して径方向外側に突出している突出部54を備えている。よって、押え部材32の重心は、回転軸心X1から突出部54の方向に偏心し、その重心の偏心量は、突出部54の質量、及び回転軸心X1からの突出部54の重心の距離(以下、突出部重心距離と称す)に応じて変化する。
このような押え部材32は、プレス加工や切削加工、或いはこれらの組み合わせにより製造することができる。
このような押え部材32は、プレス加工や切削加工、或いはこれらの組み合わせにより製造することができる。
また、突出部54の質量又は突出部重心距離を調整することにより、押え部材32の重心の偏心量を調整できる。例えば、図3に示すように、突出部54における、円環状の部材から径方向外側への突出高さY1と、突出部54の周方向幅である突出幅Y2とを調整することにより、突出部54の質量又は突出部重心距離(重心の偏心量)を調整する。
本実施形態では、ロータ全体の重心の偏心量を所定範囲内に減少させるように、突出部54の質量又は突出部重心距離(重心の偏心量)が調整された押え部材32が、軸体30に固定されている。例えば、突出部54の質量又は突出部重心距離(重心の偏心量)が異なる複数種類の押え部材32の中から、ロータ全体の重心の偏心量を所定範囲内に減少させる適切な偏心量を有する押え部材32が選択されて軸体30に固定される。あるいは、押え部材32を軸体30に嵌合した後又は嵌合する前に、ロータ全体の重心の偏心量を所定範囲内に減少させる突出部54の重心の偏心量となるように、突出部54を削る、又は引き伸ばしたり圧縮したりして変形させるなどして、突出部54の質量又は突出部重心距離が調整されていてもよい。
押え部材32は、ロータ全体の重心の偏心量を減少させるように、拡大部51(突出部54)の周方向の位置が調整されて軸体30に固定される。理想的には、図4に示すように、拡大部51(突出部54)が、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向とは反対方向に延びる線である偏心反対方向線上に位置するように、周方向の配置が調整されて軸体30に固定されるとよい。しかし、ロータコア31の重心の偏心方向の測定精度が十分でないなどの理由により、拡大部51(突出部54)の周方向位置を、偏心反対方向線上に完全に一致させることが困難な場合がある。このような場合でも、少なくともロータ全体の重心の偏心量を減少させるように、押え部材32は、拡大部51(突出部54)の周方向の位置が調整されて軸体30に固定されればよい。
すなわち、拡大部51は、図4に示すように、少なくとも、軸方向視で、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向に対して回転軸心X1を挟んだ反対側(以下、偏心反対側と称す)に位置するように配置されればよい。
ここで、偏心反対側とは、ロータコア31の重心の偏心方向に対して直交するとともに回転軸心X1を含む平面よりも、当該偏心方向の反対側を意味する。また、ロータコア31の重心の偏心方向は、押え部材32以外のロータRoの構成部品(軸体30、ロータコア31、エンドプレート33、34、及び永久磁石45など)が軸体30に組み付けられ支持された状態における重心の軸方向視での偏心方向を意味する。すなわち、図2に示すように、押え部材32は、軸体30に、押え部材32以外のロータRoの構成部品が組みつけられ支持された後に、軸体30に固定されるため、押え部材32によって調整されるロータコア31の重心の偏心方向は、押え部材32以外のロータRoの構成部品全体での重心の偏心方向となる。
ここで、偏心反対側とは、ロータコア31の重心の偏心方向に対して直交するとともに回転軸心X1を含む平面よりも、当該偏心方向の反対側を意味する。また、ロータコア31の重心の偏心方向は、押え部材32以外のロータRoの構成部品(軸体30、ロータコア31、エンドプレート33、34、及び永久磁石45など)が軸体30に組み付けられ支持された状態における重心の軸方向視での偏心方向を意味する。すなわち、図2に示すように、押え部材32は、軸体30に、押え部材32以外のロータRoの構成部品が組みつけられ支持された後に、軸体30に固定されるため、押え部材32によって調整されるロータコア31の重心の偏心方向は、押え部材32以外のロータRoの構成部品全体での重心の偏心方向となる。
また、押え部材32は、ロータ全体の重心の偏心量を減少させるように、突出部54の質量又は突出部重心距離(押え部材32の重心の偏心量)が調整されて、軸体30に固定されているとよい。理想的には、ロータ全体の重心の偏心量がゼロまで減少するように、突出部54の質量又は突出部重心距離(押え部材32の重心の偏心量)を調整できればよい。しかし、製造コストが増加するため、実用上許容できる所定範囲内までロータ全体の重心の偏心量が減少されればよい。
すなわち、拡大部51は、ロータ全体(軸体30、ロータコア31、及び押え部材32など)の重心の回転軸心X1を基準とした軸方向視での偏心量が所定範囲内となるように、形成されればよい。
そのために、拡大部51の質量を、ロータコア31の重心の偏心量に応じて調整されたものとする。拡大部51は通常部50より突出するように形成されているので、その突出量を調整するだけで、比較的容易に拡大部51の質量を調整することができる。
その際、例えば、ロータRoの重心の偏心量が実用上許容できる所定範囲内になるように、拡大部51の質量を調整することで、製造コストの過剰な増大を抑制することができる。
そのために、拡大部51の質量を、ロータコア31の重心の偏心量に応じて調整されたものとする。拡大部51は通常部50より突出するように形成されているので、その突出量を調整するだけで、比較的容易に拡大部51の質量を調整することができる。
その際、例えば、ロータRoの重心の偏心量が実用上許容できる所定範囲内になるように、拡大部51の質量を調整することで、製造コストの過剰な増大を抑制することができる。
押え部材32は、その拡大部51(突出部54)の周方向位置が調整された後、軸体30に対して固定される。本実施形態では、図1から図3に示すように、押え部材32は、かしめ部43を備えており、当該かしめ部43が、軸体30のかしめ溝42内にかしめられて軸体30に対して固定される。なお、押え部材32は、かしめ以外の方法、例えば圧入により、軸体30に対して固定されるように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、押え部材32の外周面における周方向の少なくとも一部に、ロータコア31側を向く段差面52を有する段差部53が形成されている。
本例では、通常部50の外周面における軸方向のロータコア31側の一部に、いわゆるDカット加工を施して、径方向に直交する平面を形成し、当該平面と通常部50の外周面との間に段差面52を形成している。
この構成によれば、押え部材32を軸体30に取り付けた後、拡大部51の周方向位置を再調整する、或いは質量の異なる拡大部51を有する押え部材32へ取り替えるなどの作業が容易になる。すなわち、押え部材32を軸体30から取り外す際に、取り外し治具をロータコア31側を向く段差面52に当て、押え部材32に対してロータコア31側とは反対方向に力を加えることができる。よって、軸体30から円滑に押え部材32を取り外すことができ、ロータRoの重心調整を行う製造工程を効率化することができる。
また、拡大部51の周方向位置を調整する際に、治具を段差部53の径方向に直交する平面に当てて、押え部材32の周方向への回転を容易化したり、段差部53を周方向の位置調整の基準として、周方向の位置調整の精度を向上させたりすることができる。
本例では、通常部50の外周面における軸方向のロータコア31側の一部に、いわゆるDカット加工を施して、径方向に直交する平面を形成し、当該平面と通常部50の外周面との間に段差面52を形成している。
この構成によれば、押え部材32を軸体30に取り付けた後、拡大部51の周方向位置を再調整する、或いは質量の異なる拡大部51を有する押え部材32へ取り替えるなどの作業が容易になる。すなわち、押え部材32を軸体30から取り外す際に、取り外し治具をロータコア31側を向く段差面52に当て、押え部材32に対してロータコア31側とは反対方向に力を加えることができる。よって、軸体30から円滑に押え部材32を取り外すことができ、ロータRoの重心調整を行う製造工程を効率化することができる。
また、拡大部51の周方向位置を調整する際に、治具を段差部53の径方向に直交する平面に当てて、押え部材32の周方向への回転を容易化したり、段差部53を周方向の位置調整の基準として、周方向の位置調整の精度を向上させたりすることができる。
図3に示す例では、2つの段差部53が、回転軸心X1について対称となる周方向の位置に形成されている。これにより、押え部材32を、治具により径方向両側から挟み込んだ場合に、治具による引き抜き力を押え部材32の径方向両側にバランスよく加えることができ、押え部材32を円滑に軸体30から引き抜くことができる。また、段差部53が形成されることよる押え部材32の質量変化を、回転軸心X1について対称(バランス)させることができ、押え部材32の重心が変化することを防止することができる。
なお、段差部53は、押え部材32の外周面における周方向の少なくとも一部に形成されていればよく、例えば、全周に亘って均一に、或いは所定間隔で分散して形成されていてもよい。
なお、段差部53は、押え部材32の外周面における周方向の少なくとも一部に形成されていればよく、例えば、全周に亘って均一に、或いは所定間隔で分散して形成されていてもよい。
2.ロータRoの製造方法
ロータRoの製造方法について説明する。
図5に示すように、ロータRoの製造方法は、測定ステップ♯01と、押え部材選択ステップ♯02と、押え部材固定ステップ♯03と、を備えている。
ロータRoの製造方法について説明する。
図5に示すように、ロータRoの製造方法は、測定ステップ♯01と、押え部材選択ステップ♯02と、押え部材固定ステップ♯03と、を備えている。
2−1.測定ステップ♯01
まず、測定ステップ♯01において、軸体30に支持された状態のロータコア31を対象として、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向及び偏心量を測定する。ここで、ロータコア31の重心の偏心方向及び偏心量は、上記したように、押え部材32以外のロータRoの構成部品(軸体30、ロータコア31、エンドプレート33、34、及び永久磁石45など)が軸体30に組み付けられ支持された状態における重心の偏心方向及び偏心量を意味する。偏心方向は、例えば、キー溝40などを基準とした角度とされる。
まず、測定ステップ♯01において、軸体30に支持された状態のロータコア31を対象として、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向及び偏心量を測定する。ここで、ロータコア31の重心の偏心方向及び偏心量は、上記したように、押え部材32以外のロータRoの構成部品(軸体30、ロータコア31、エンドプレート33、34、及び永久磁石45など)が軸体30に組み付けられ支持された状態における重心の偏心方向及び偏心量を意味する。偏心方向は、例えば、キー溝40などを基準とした角度とされる。
2−2.押え部材選択ステップ♯02
次に、押え部材選択ステップ♯02において、測定ステップ♯01により測定された偏心量に基づいて、軸体30に固定された状態での回転軸心X1を基準とした重心の偏心量が異なる複数種類の円環状の押え部材32の中から一つを選択する。
例えば、突出部54の突出高さY1が段階的に異なる複数種類の円環状の押え部材32を用意しておく。そして、複数種類の押え部材32の中から、ロータコア31の重心の偏心量に最も釣り合う一つの押え部材32を選択する。例えば、ロータコア31の全質量にその偏心量を乗算した値と、各押え部材32の全質量にその偏心量を乗算した値又は各押え部材32の突出部54の質量に突出部重心距離を乗算した値を比較し、ロータコア31の値に最も近い値を持つ一つの押え部材32を選択する。
次に、押え部材選択ステップ♯02において、測定ステップ♯01により測定された偏心量に基づいて、軸体30に固定された状態での回転軸心X1を基準とした重心の偏心量が異なる複数種類の円環状の押え部材32の中から一つを選択する。
例えば、突出部54の突出高さY1が段階的に異なる複数種類の円環状の押え部材32を用意しておく。そして、複数種類の押え部材32の中から、ロータコア31の重心の偏心量に最も釣り合う一つの押え部材32を選択する。例えば、ロータコア31の全質量にその偏心量を乗算した値と、各押え部材32の全質量にその偏心量を乗算した値又は各押え部材32の突出部54の質量に突出部重心距離を乗算した値を比較し、ロータコア31の値に最も近い値を持つ一つの押え部材32を選択する。
2−3.押え部材固定ステップ♯03
そして、押え部材固定ステップ♯03において、測定ステップ♯01により測定された偏心方向に基づいて、回転軸心X1を基準とした押え部材32の重心の偏心方向が、ロータコア31の重心の偏心方向とは反対方向となる向きで、押え部材32を軸体30に固定する。
そして、押え部材固定ステップ♯03において、測定ステップ♯01により測定された偏心方向に基づいて、回転軸心X1を基準とした押え部材32の重心の偏心方向が、ロータコア31の重心の偏心方向とは反対方向となる向きで、押え部材32を軸体30に固定する。
〔第二の実施形態〕
次に、本発明に係る第二の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、図6に示すように、ロータRoは、軸体30のフランジ部35の外周面61に固定される重心調整部材62を更に備えるように構成されている。
重心調整部材62は、回転軸心X1と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部63と、周方向の一部にあって通常部63より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部63より大きい拡大部64と、を備えている。
次に、本発明に係る第二の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、図6に示すように、ロータRoは、軸体30のフランジ部35の外周面61に固定される重心調整部材62を更に備えるように構成されている。
重心調整部材62は、回転軸心X1と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部63と、周方向の一部にあって通常部63より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部63より大きい拡大部64と、を備えている。
図6に示す例では、上記の押え部材32と同様に、拡大部64は、周方向の一箇所において通常部63に比べて径方向外側に突出した形状とされている。すなわち、拡大部64は、円環状の部材に対して径方向外側に突出している突出部66を備えている。
また、本実施形態では、上記の押え部材32と同様に、重心調整部材62の重心の偏心量、すなわち突出部66の質量又は突出部重心距離が調整可能となっている。例えば、図6に示すように、突出部66は、円環状の部材から径方向外側への突出高さY3と、突出部66の周方向幅である突出幅Y4とが調整されることにより、突出部66の質量など(重心の偏心量)が調整可能となっている。
本実施形態では、上記の押え部材32と同様に、ロータ全体の重心の偏心量を所定範囲内に減少させるように、突出部66の質量など(重心の偏心量)が調整された重心調整部材62が、軸体30のフランジ部35に固定されている。例えば、突出部66の質量が異なる複数種類の重心調整部材62の中から、ロータ全体の重心の偏心量を所定範囲内に減少させる適切な偏心量を有する重心調整部材62が選択されて軸体30に固定される。あるいは、重心調整部材62を軸体30に嵌合した後又は嵌合する前に、ロータ全体の重心の偏心量を所定範囲内に減少させる重心調整部材62の重心の偏心量となるように、突出部66を削る、又は引き伸ばしたり圧縮したりして変形させるなどして、突出部66の質量又は突出部重心距離が調整されていてもよい。
重心調整部材62は、上記の押え部材32と同様に、ロータ全体の重心の偏心量を減少させるように、拡大部64(突出部66)の周方向の位置が調整されて軸体30に固定される。重心調整部材62は、少なくとも、軸方向視で、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向に対して回転軸心X1を挟んだ反対側(偏心反対側)に位置するように配置されればよい。ここで、ロータコア31の重心の偏心方向は、重心調整部材62以外のロータRoの構成部品(軸体30、ロータコア31、エンドプレート33、34、及び永久磁石45など)が軸体30に組み付けられ支持された状態における重心の偏心方向を意味する。
また、重心調整部材62は、上記の押え部材32と同様に、ロータ全体の重心の偏心量を減少させるように、突出部66の質量又は突出部重心距離(重心調整部材62の重心の偏心量)が調整されて、軸体30に固定されているとよい。例えば、拡大部64は、ロータ全体の重心の回転軸心X1を基準とした軸方向視での偏心量が所定範囲内となるように、形成されればよい。
重心調整部材62は、その拡大部64(突出部66)の周方向位置が調整された後、軸体30に対して固定される。本実施形態では、圧入や、かしめ等により、フランジ部35の外周面61に対して固定される。
また、上記の押え部材32と同様に、重心調整部材62の外周面における周方向の少なくとも一部に、ロータコア31側を向く段差面67を有する段差部65が形成されている。また、図6に示す例では、2つの段差部65が、回転軸心X1について対称となる周方向の位置に形成されている。
第二の実施形態におけるロータの製造方法は、第一の実施形態と同様なものとすることができる。但し本実施形態では、第一の実施形態の製造方法における押え部材32と重心調整部材62との双方により重心調整が行われる。
すなわち、ロータの製造方法は、軸体30に支持された状態のロータコア31を対象として、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向及び偏心量を測定する測定ステップと、測定ステップにより測定された偏心量に基づいて、軸体30に固定された状態での回転軸心X1を基準とした重心の偏心量が異なる複数種類の円環状の押え部材32及び重心調整部材62の中からそれぞれ一つずつを選択する重心調整部材選択ステップと、測定ステップにより測定された偏心方向に基づいて、押え部材固定ステップと、回転軸心X1を基準とした重心調整部材62の重心の偏心方向が、ロータコア31の重心の偏心方向とは反対方向となる向きで、重心調整部材62を軸体30に固定する重心調整部材固定ステップと、を備えている。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
すなわち、ロータの製造方法は、軸体30に支持された状態のロータコア31を対象として、回転軸心X1を基準としたロータコア31の重心の偏心方向及び偏心量を測定する測定ステップと、測定ステップにより測定された偏心量に基づいて、軸体30に固定された状態での回転軸心X1を基準とした重心の偏心量が異なる複数種類の円環状の押え部材32及び重心調整部材62の中からそれぞれ一つずつを選択する重心調整部材選択ステップと、測定ステップにより測定された偏心方向に基づいて、押え部材固定ステップと、回転軸心X1を基準とした重心調整部材62の重心の偏心方向が、ロータコア31の重心の偏心方向とは反対方向となる向きで、重心調整部材62を軸体30に固定する重心調整部材固定ステップと、を備えている。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施形態において、押え部材32の拡大部51及び重心調整部材62の拡大部64は、周方向の一箇所において通常部50、63に比べて径方向外側に突出した形状とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、押え部材32及び重心調整部材62は、回転軸心X1と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部50、63と、周方向の一部にあって通常部50、63より突出するように形成されていると共に径方向断面積が通常部50、63より大きい拡大部51、64と、を備えていれば何れの形状でもよい。例えば、押え部材32又は重心調整部材62の周方向の一箇所において通常部50、63に比べて軸方向にロータコア31とは反対側に突出した形状とされていてもよい。また、押え部材32又は重心調整部材62の周方向の複数箇所において径方向又は軸方向に通常部50、63より突出した形状とされていてもよい。
(2)上記の各実施形態において、軸方向におけるロータコア31と押え部材32との間に、エンドプレート33が介装されており、軸方向におけるロータコア31とフランジ部35との間に、エンドプレート34が介装されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ロータRoにエンドプレート33、34が備えられず、押え部材32は、ロータコア31を直接、軸方向に支持し、フランジ部35は、ロータコア31を直接、軸方向に支持するように構成されてもよい。或いは、軸方向におけるロータコア31と押え部材32又はフランジ部35との間に、エンドプレート33、34以外の部材、例えば円筒状のスペーサ、ギヤ、レゾルバのロータなどが介装されるように構成されてもよい。
(3)上記の各実施形態において、押え部材32及び重心調整部材62の外周面における周方向の少なくとも一部に、段差部53、65が形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、押え部材32及び重心調整部材62に段差部53、65が形成されていなくてもよい。
(4)上記の各実施形態において、押え部材32及び重心調整部材62の重心の偏心量が調整(選択)可能となっている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、押え部材32及び重心調整部材62の重心の偏心量が一定とされ、押え部材32及び重心調整部材62の重心の偏心方向のみが調整可能であるように構成されてもよい。
(5)上記の各実施形態において、軸体30にフランジ部35が形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、軸体30にフランジ部35が形成されておらず、第二の押え部材が軸体30に固定されるように構成されてもよい。この場合、第二の押え部材は、ロータコア31を挟んで押え部材32とは軸方向の反対側からロータコア31を軸方向に支持する。また、第二の押え部材にも、押え部材32と同様の通常部50、拡大部51、段差部53が備えられ、押え部材32と同様に、ロータRoの重心調整が行われて、軸体30に固定されているように構成されてもよい。
本発明は、回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、前記軸体の周囲に前記軸体と同軸に配置されていると共に前記軸体に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコアと、前記軸体に固定されて前記ロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータ及び回転電機用ロータの製造方法に好適に利用することができる。
30 :軸体
31 :ロータコア
32 :押え部材
33、34:エンドプレート
35 :フランジ部
40 :キー溝
41 :キー突部
42 :かしめ溝
43 :かしめ部
44、46:連通孔
50 :通常部(押え部材)
51 :拡大部(押え部材)
52 :段差面(押え部材)
53 :段差部(押え部材)
54 :突出部(押え部材)
61 :フランジ部の外周面
62 :重心調整部材
63 :通常部(重心調整部材)
64 :拡大部(重心調整部材)
65 :段差部(重心調整部材)
66 :突出部(重心調整部材)
67 :段差面(重心調整部材)
MG :回転電機
Ro :ロータ(回転電機用ロータ)
X1 :回転軸心
31 :ロータコア
32 :押え部材
33、34:エンドプレート
35 :フランジ部
40 :キー溝
41 :キー突部
42 :かしめ溝
43 :かしめ部
44、46:連通孔
50 :通常部(押え部材)
51 :拡大部(押え部材)
52 :段差面(押え部材)
53 :段差部(押え部材)
54 :突出部(押え部材)
61 :フランジ部の外周面
62 :重心調整部材
63 :通常部(重心調整部材)
64 :拡大部(重心調整部材)
65 :段差部(重心調整部材)
66 :突出部(重心調整部材)
67 :段差面(重心調整部材)
MG :回転電機
Ro :ロータ(回転電機用ロータ)
X1 :回転軸心
Claims (8)
- 回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、前記軸体の周囲に前記軸体と同軸に配置されていると共に前記軸体に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコアと、前記軸体に固定されて前記ロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータであって、
前記押え部材は、前記回転軸心と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部と、周方向の一部にあって前記通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が前記通常部より大きい拡大部と、を備えている回転電機用ロータ。 - 前記拡大部が、軸方向視で、前記回転軸心を基準とした前記ロータコアの重心の偏心方向に対して前記回転軸心を挟んだ反対側に位置するように配置されている請求項1に記載の回転電機用ロータ。
- 前記軸体、前記ロータコア、及び前記押え部材の重心の前記回転軸心を基準とした軸方向視での偏心量が所定範囲内となるように、前記拡大部が形成されている請求項2に記載の回転電機用ロータ。
- 前記拡大部は、周方向の一箇所において前記通常部に比べて径方向外側に突出した形状とされている請求項1から3の何れか一項に記載の回転電機用ロータ。
- 軸方向における前記ロータコアと前記押え部材との間に、前記ロータコアの軸方向端面に接して当該軸方向端面の全域を覆うと共に前記回転軸心と同軸の円環状に形成されたエンドプレートが介装されている請求項1から4の何れか一項に記載の回転電機用ロータ。
- 前記軸体は、他の部分より径方向外側に突出するフランジ部を一体的に備え、
前記フランジ部は、前記ロータコアを挟んで前記押え部材とは軸方向の反対側から、前記ロータコアを軸方向に支持するように形成され、
前記フランジ部の外周面に固定される重心調整部材を更に備え、
前記重心調整部材は、前記回転軸心と同軸の円環状に形成されており、径方向断面積が周方向に沿って一定とされている通常部と、周方向の一部にあって前記通常部より突出するように形成されていると共に径方向断面積が前記通常部より大きい拡大部と、を備えている請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。 - 前記押え部材の外周面における周方向の少なくとも一部に、前記ロータコア側を向く段差面を有する段差部が形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。
- 回転軸心周りに回転可能に支持される軸体と、前記軸体の周囲に前記軸体と同軸に配置されていると共に前記軸体に対して径方向及び周方向に支持された円筒状のロータコアと、前記軸体に固定されて前記ロータコアを軸方向に支持する押え部材と、を備える回転電機用ロータの製造方法であって、
前記軸体に支持された状態の前記ロータコアを対象として、前記回転軸心を基準とした前記ロータコアの重心の偏心方向及び偏心量を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにより測定された前記偏心量に基づいて、前記軸体に固定された状態での前記回転軸心を基準とした重心の偏心量が異なる複数種類の円環状の前記押え部材の中から一つを選択する押え部材選択ステップと、
前記測定ステップにより測定された前記偏心方向に基づいて、前記回転軸心を基準とした前記押え部材の重心の偏心方向が、前記ロータコアの重心の偏心方向とは反対方向となる向きで、前記押え部材を前記軸体に固定する押え部材固定ステップと、
を備える回転電機用ロータの製造方法。
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