JP2012203381A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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泰徳 藤本
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秀明 大原
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Abstract

【課題】回転する定着ベルトに対して定着加圧部材を接触させる際に定着ベルトが受ける負荷を抑制する。
【解決手段】定着ユニット60は、用紙にトナー像を定着する定着ベルト61と、定着ベルトを回転駆動する駆動モータと、定着ベルト61の外周面に接触して定着ベルト61の回転に従動回転し、定着ベルト61と接触するニップ部を通過する用紙を加圧して用紙にトナー像を定着する加圧ロール62と、加圧ロール62を定着ベルト61に向かう一方向と定着ベルト61から離れる他方向とに移動させ、加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離させる接離機構100と、接離機構100が加圧ロール62を一方向に向けて移動させる際に、ニップ部において定着ベルト61の回転方向(矢印C方向)と同方向となる方向に加圧ロール62を回転させる回転付与機構200とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
例えば特許文献1には、定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、定着ローラから離間して配設された支持ローラと、この支持ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、この定着ベルトを加熱させ、定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、転接部を一方向に沿って通過することにより、未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、加圧ローラと支持ローラとを同時に回転駆動させる駆動手段を具備することが記載されている。
特開2001−125422号公報
本発明は、回転する定着ベルトに対して定着加圧部材を接触させる際に定着ベルトが受ける負荷を抑制することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、記録材にトナー像を定着する定着ベルトと、前記定着ベルトを回転駆動する駆動部と、前記定着ベルトの外周面に接触して当該定着ベルトの回転に従動回転し、当該定着ベルトと接触する接触部位を通過する記録材を加圧して当該記録材にトナー像を定着する定着加圧部材と、前記定着加圧部材を前記定着ベルトに向かう一方向と当該定着ベルトから離れる他方向とに移動させ、当該定着加圧部材を当該定着ベルトに対して接離させる接離部と、前記接離部が前記定着加圧部材を前記一方向に向けて移動させる際に、前記接触部位において前記定着ベルトの回転方向と同方向となる方向に当該定着加圧部材を回転させる回転付与部と、を備えることを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記回転付与部は、移動する前記定着加圧部材に接触することで当該定着加圧部材を回転させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記定着加圧部材の回転軸には、歯車が取り付けられ、前記回転付与部は、前記歯車に噛み合う歯が前記一方向から前記他方向に沿って複数並べて設けられた歯形成部材を有することを特徴とする請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記歯形成部材は、前記定着加圧部材が前記定着ベルトと接触する前の位置まで前記歯車に接続するように前記歯が形成されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、記録材にトナー像を形成するトナー像形成部と、前記トナー像形成部によって記録材に形成されたトナー像を定着する定着ベルトと、前記定着ベルトを回転駆動する駆動部と、前記定着ベルトの外周面に接触して当該定着ベルトの回転に従動回転し、当該定着ベルトと接触する接触部位を通過する記録材を加圧して当該記録材にトナー像を定着する定着加圧部材と、前記定着加圧部材を前記定着ベルトに向かう一方向と当該定着ベルトから離れる他方向とに移動させ、当該定着加圧部材を当該定着ベルトに対して接離させる接離部と、を備え、前記定着加圧部材は、前記接触部位にて前記定着ベルトの回転方向と同方向となる方向へ回転している状態で当該定着ベルトの当該接触部位に接触することを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記接離部が前記定着加圧部材を前記一方向に向けて移動させる際に、当該定着加圧部材の移動の動作により、前記方向に当該定着加圧部材を回転させる回転付与部を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、回転する定着ベルトに対して定着加圧部材を接触させる際に定着ベルトが受ける負荷を抑制することが可能となる。
請求項2の発明によれば、簡易な構成により定着加圧部材の移動に伴って定着加圧部材を回転させることができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、回転付与部の耐久性をより向上させることが可能となる。
請求項4の発明によれば、定着加圧部材が定着ベルトに接触した際に、確実に定着加圧部材を定着ベルトに従動回転させることができる。
請求項5の発明によれば、回転する定着ベルトに対して定着加圧部材を接触させる際に定着ベルトが受ける負荷を抑制することが可能となる。
請求項6の発明によれば、定着加圧部材を回転させるための動力源を別途設ける必要をなくすことができる。
本実施形態が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 本実施形態の定着ユニットの構成を示す図である。 定着ベルトの断面層構成図である。 エンドキャップ部材の構成を説明するための図である。 本実施形態のIHヒータの構成を説明する断面図である。 加圧ロール、接離機構及び回転付与機構を説明するための図である。 図6に示す矢印VIIの方向から見た定着ユニットの側面図である。 接離機構及び回転付与機構の動作を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部31を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等との通信を行って画像データを受信する通信部32、通信部32にて受信された画像データに対し予め定めた画像処理を施す画像処理部33を備えている。
画像形成部10は、予め定められた間隔を置いて並列的に配置される4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K(「画像形成ユニット11」とも総称する)を備えている。各画像形成ユニット11は、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定めた電位に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を各色画像データに基づき露光するLED(Light Emitting Diode)プリントヘッド14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するドラムクリーナ16を備えている。
トナー像形成部の一例としての画像形成ユニット11各々は、現像器15に収納されるトナーを除いて同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト20、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)する一次転写ロール21を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像(画像)を記録材の一例としての用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール22、二次転写された各色トナー像を用紙P上に定着させる定着ユニット60を備えている。
本実施形態の画像形成装置1では、制御部31による動作制御の下で、次のようなプロセスによる画像形成処理が行われる。すなわち、PC3やスキャナ4からの画像データは通信部32にて受信され、画像処理部33により予め定めた画像処理が施された後、各色毎の画像データとなって各画像形成ユニット11に送られる。そして、例えば黒(K)色トナー像を形成する画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら帯電器13により予め定めた電位で帯電され、画像処理部33から送信されたK色画像データに基づきLEDプリントヘッド14が感光体ドラム12を走査露光する。それにより、感光体ドラム12上にはK色画像に関する静電潜像が形成される。感光体ドラム12上に形成されたK色静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上にK色トナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11Y、11M、11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト20上の重畳トナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が配置された領域(二次転写部T)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部Tに搬送されると、そのタイミングに合わせて用紙保持部40から用紙Pが二次転写部Tに供給される。そして、重畳トナー像は、二次転写部Tにて二次転写ロール22が形成する転写電界により、搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、定着ユニット60まで搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙P上のトナー像は、定着ユニット60によって熱および圧力を受け、用紙P上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部45に搬送される。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナーおよび二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナーは、それぞれドラムクリーナ16およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの構成の説明>
次に、本実施形態の定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施形態の定着ユニット60の構成を示す図である。
この定着ユニット60は、交流磁界を生成するIH(Induction Heating)ヒータ80、IHヒータ80により電磁誘導加熱されてトナー像を定着する定着ベルト61、定着ベルト61に対向するように配置された加圧ロール62、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される押圧パッド63を備えている。
さらに、定着ユニット60は、押圧パッド63等の構成部材を支持するホルダ65、IHヒータ80にて生成された交流磁界を誘導して磁路を形成する感温磁性部材64、感温磁性部材64を通過した磁力線を誘導する誘導部材66、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材70を備えている。
さらにまた、定着ユニット60には、加圧ロール62を移動させることによって、定着ベルト61と加圧ロール62とを接離させる接離機構100が設けられている。なお、接離機構100の詳細については後述する。また、本実施形態では、接離機構100による加圧ロール62が接離動作を生じるときに、その接離動作を利用することによって加圧ロール62を回転させる回転付与機構200を備えている。この回転付与機構200の詳細についても後述する。
<定着ベルトの説明>
図3は、定着ベルト61の断面層構成図である。
定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向長が370mmに形成されている。また、図3に示すように、定着ベルト61は、図3に示すように、半径方向の内側から外側に向けて基材層610、導電発熱層611、保護層612、弾性層613及び表面離型層614で構成されており、これらが積層され一体となっている。
基材層610は、定着ベルト61の強度を保持するための土台となるものである。基材層610は、IHヒータ80にて生成された交流磁界が感温磁性部材64まで作用するように、磁界を通過させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質、厚さで形成される。一方、基材層610自身は、磁界の作用により発熱しないか、または発熱し難く構成される。基材層610は、例えば厚さ30μm〜70μmの非磁性ステンレススチール等の非磁性金属を材料に用いることができる。
導電発熱層611は、IHヒータ80にて生成される交流磁界によって電磁誘導加熱される電磁誘導発熱体層である。すなわち、導電発熱層611は、IHヒータ80からの交流磁界が厚さ方向に通過することにより、渦電流を発生させる層である。
通常、IHヒータ80に交流電流を供給する励磁回路(後述)の電源として、安価に製造される汎用電源が使用される。そのため、IHヒータ80により生成される交流磁界の周波数は、一般に、汎用電源による20k〜100kHzとなる。それにより、導電発熱層611は、周波数20k〜100kHzの交流磁界が侵入し通過するように構成される。
導電発熱層611を構成する材料として、例えば、Au、Ag、Al、Cu、Zn、Sn、Pb、Bi、Be、Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。
なお、定着ベルト61が定着設定温度まで加熱されるまでに要する時間(以下、「ウォームアップタイム」)を短縮する観点からも、導電発熱層611は、薄層に構成するのが好ましい。上記の非磁性金属であれば2μm〜20μmの厚さの層で加熱できるが、本実施形態では導電発熱層611の厚さを10μmとしている。
保護層612の材質及び厚さは、磁界を遮断しないことや導電発熱層611の発熱効率を阻害しないこと、あるいは、酸化(錆び)や腐食に強い等の観点で決定されるが、本実施形態では、保護層612を非磁性ステンレス(固有抵抗60〜80×10−8Ωm)で構成し、厚さを30μmとしている。なお、本実施形態では、基材層610、導電発熱層611、保護層612を一体で成型し、クラッド鋼となるシームレス管を用いている。
次に、弾性層613は、シリコーンゴム等の耐熱性の弾性体で構成される。定着対象となる用紙Pに保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、定着ベルト61と加圧ロール62とが接するニップ部Nにおいてトナー像の全体に熱を供給するには、用紙P上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト61表面が変形することが好ましい。そこで、弾性層613には、例えば厚みが100〜600μm、硬度が10°〜30°(JIS−A)のシリコーンゴムが好適である。
表面離型層614は、用紙P上に保持された未定着トナー像と直接接触するため、離型性の高い材質が使用される。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が用いられる。表面離型層614の厚さとしては、薄すぎると、耐摩耗性の面で充分でなく、定着ベルト61の寿命を短くする。その一方で、厚すぎると、定着ベルト61の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムが長くなる。そこで、表面離型層614の厚さとして、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1〜50μmが好適である。
<押圧パッドの説明>
押圧パッド63は、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体、またはPPS樹脂やLCP樹脂等の耐熱性のエンジニアリングプラスチックで構成され、加圧ロール62と対向する位置にてホルダ65に支持される。そして、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される状態で配置され、加圧ロール62との間でニップ部Nを形成する。
また、押圧パッド63は、ニップ部Nの入口側(用紙Pの搬送方向上流側)のプレニップ領域63aと、ニップ部Nの出口側(用紙Pの搬送方向下流側)の剥離ニップ領域63bとで異なるニップ圧が設定されている。すなわち、プレニップ領域63aでは、加圧ロール62側の面がほぼ加圧ロール62の外周面に倣う円弧形状に形成され、幅の広いニップ部Nを形成する。また、剥離ニップ領域63bでは、剥離ニップ領域63bを通過する定着ベルト61の曲率半径が小さくなるように、加圧ロール62表面から局所的に大きなニップ圧で押圧されるように形成される。それにより、剥離ニップ領域63bを通過する用紙Pに定着ベルト61表面から離れる方向のカール(ダウンカール)を形成して、用紙Pに対する定着ベルト61表面からの剥離を促進させている。
なお、本実施形態では、押圧パッド63による剥離の補助手段として、ニップ部Nの下流側に、剥離補助部材70を配置している。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト61の回転移動方向と対向する向き(所謂カウンタ方向)に定着ベルト61と近接する状態でホルダ72によって支持される。そして、押圧パッド63の出口にて用紙Pに形成されたカール部分を剥離バッフル71により支持することで、用紙Pが定着ベルト61方向に向かうことを抑制する。
<感温磁性部材の説明>
次に、感温磁性部材64は、定着ベルト61の内周面に倣った円弧形状で形成され、定着ベルト61の内周面とは予め定めた間隙(例えば、0.5〜1.5mm)を有するように近接させるが、非接触で配置される。感温磁性部材64を定着ベルト61と近接させて配置するのは、感温磁性部材64の温度が定着ベルト61の温度に対応して変化する、すなわち、感温磁性部材64の温度が定着ベルト61の温度と略同じ温度となるように構成するためである。また、感温磁性部材64を定着ベルト61と非接触で配置するのは、画像形成装置1のメインスイッチがオンされ、定着ベルト61が定着設定温度まで加熱される際に、定着ベルト61の熱が感温磁性部材64に流入するのを抑制して、ウォームアップタイムの短縮を図るためである。
また、感温磁性部材64は、その磁気特性の透磁率が急変する温度である「透磁率変化開始温度」(後段参照)が各色トナー像が溶融する定着設定温度以上であって、定着ベルト61の弾性層613や表面離型層614の耐熱温度よりも低い温度範囲内に設定された材質で構成される。すなわち、感温磁性部材64は、定着設定温度を含む温度領域において強磁性と非磁性(常磁性)との間を可逆的に変化する特性(「感温磁性」)を有する材質で構成される。そして、感温磁性部材64は、強磁性を呈する透磁率変化開始温度以下の温度範囲において、IHヒータ80にて生成され定着ベルト61を透過した磁力線を内部に誘導して、感温磁性部材64の内部を通過する磁路を形成する。それにより、感温磁性部材64は、定着ベルト61とIHヒータ80の励磁コイル82(後述する図5参照)とを内部に包み込むような閉磁路を形成する。一方、透磁率変化開始温度を超える温度範囲においては、感温磁性部材64は、IHヒータ80にて生成され定着ベルト61を透過した磁力線を、感温磁性部材64の厚さ方向に横切るように透過させる。それにより、IHヒータ80にて生成され定着ベルト61を透過した磁力線は、感温磁性部材64を透過し、誘導部材66の内部を通過してIHヒータ80に戻る磁路を形成する。
なお、ここでの「透磁率変化開始温度」とは、透磁率(例えば、JIS C2531で測定される透磁率)が連続的に低下を開始する温度であり、例えば感温磁性部材64等の部材を透過する磁束量(磁力線の数)が変化し始める温度点をいう。したがって、透磁率変化開始温度は、磁性が消失する温度であるキュリー点に近い温度となるが、キュリー点とは異なる概念を有するものである。
感温磁性部材64に用いる材質としては、透磁率変化開始温度が例えば140〜240℃の範囲内に設定された例えばFe−Ni合金(パーマロイ)等の二元系感温磁性合金やFe−Ni−Cr合金等の三元系感温磁性合金等が用いられる。例えば、Fe−Niの二元系感温磁性合金においては約Fe64%、Ni36%(原子数比)とすることで、透磁率変化開始温度は225℃前後になる。このようなパーマロイや整磁鋼等の金属合金等は、成型性や加工性に優れ、熱伝導性も高く安価である等の理由から、感温磁性部材64に適する。その他の材質としては、Fe、Ni、Si、B、Nb、Cu、Zr、Co、Cr、V、Mn、Mo等を有する金属合金が用いられる。
また、感温磁性部材64は、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)に対する表皮深さよりも薄い厚さで形成される。具体的には、例えばFe−Ni合金を用いた場合には50〜300μm程度に設定される。
<ホルダの説明>
押圧パッド63を支持するホルダ65は、押圧パッド63が加圧ロール62からの押圧力を受けた状態での撓み量が予め定められた量以下となるように、剛性の高い材料で構成される。それにより、ニップ部Nにおける長手方向の圧力(ニップ圧)の均一性を維持している。さらに、本実施形態の定着ユニット60では、電磁誘導を用いて定着ベルト61を加熱する構成を採用していることから、ホルダ65は、誘導磁界に影響を与えないか、または与え難い材料であり、かつ、誘導磁界から影響を受けないか、または受け難い材料で構成される。例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、例えばAl、Cu、Ag等の非磁性金属材料等が用いられる。
<誘導部材の説明>
誘導部材66は、感温磁性部材64の内周面に倣った円弧形状で形成され、感温磁性部材64の内周面とは予め定めた間隙(例えば、1.0〜5.0mm)を有して非接触に配置される。また、誘導部材66は、例えばAg、Cu、Alといった固有抵抗値が比較的小さい非磁性金属で構成される。そして、感温磁性部材64が透磁率変化開始温度以上の温度に上昇した際に、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)を誘導して、定着ベルト61の導電発熱層611よりも渦電流が発生し易い状態を形成する。それにより、誘導部材66の厚さは、渦電流が流れ易いように、表皮深さよりも充分に厚い厚さ(例えば、1.0mm)で形成される。
<エンドキャップ部材の説明>
図4は、エンドキャップ部材67の構成を説明するための図である。
エンドキャップ部材67は、ホルダ65の軸方向両端部において、定着ベルト61の両端部の断面形状を円形に維持しながら定着ベルト61を周方向に回転駆動する。また、定着ベルト61は、両端部からエンドキャップ部材67を介した回転駆動力を直接的に受けて、エンドキャップ部材67とともに例えば140mm/sのプロセススピードで矢印C方向(図2参照)に回転するようになっている。
ここで、図4(a)はエンドキャップ部材67の側面図であり、図4(b)がIVb方向から見たエンドキャップ部材67の平面図である。図4に示したように、エンドキャップ部材67は、定着ベルト61の両端部内側に嵌合される固定部67a、固定部67aより外径が大きく形成され、定着ベルト61に装着された際に定着ベルト61よりも半径方向に張り出すように形成されたフランジ部67d、駆動部の一例としての駆動モータM1から回転駆動力が伝達されるギア部67b、ホルダ65の両端部に形成された支持部65aと結合部材166を介して回転自在に結合されたベアリング軸受部67cを備える。そして、ホルダ65の両端部に設けられた支持部65aが定着ユニット60の筐体69の両端部に固定されることで、エンドキャップ部材67は、支持部65aに結合されたベアリング軸受部67cを介して回転自在に支持される。
エンドキャップ部材67を構成する材質としては、機械的強度や耐熱性の高い所謂エンジニアリングプラスチックスが用いられる。例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂等が適する。
ここで、定着ベルト61が両端部のエンドキャップ部材67から駆動力を直接受けて回転する場合には、一般に、0.1〜0.5N・m程度のトルクが作用する。ところが、本実施形態の定着ベルト61では、基材層610を機械的強度の高い例えば非磁性ステンレススチール等で構成している。そのため、定着ベルト61全体に0.1〜0.5N・m程度のねじりトルクが作用した場合でも、定着ベルト61には座屈等が生じ難い。
また、エンドキャップ部材67のフランジ部67dにより定着ベルト61の片寄りを抑えているが、その際の定着ベルト61には、一般に、端部(フランジ部67d)側から軸方向に向けて1〜5N程度の圧縮力が働く。しかし、定着ベルト61がこのような圧縮力を受けた場合においても、定着ベルト61の基材層610が非磁性ステンレススチール等で構成されていることから、座屈等の発生が抑制される。
上記のように、本実施形態の定着ベルト61においては、定着ベルト61の両端部から駆動力を直接受けて回転するので、安定した回転が行われる。また、その際に、定着ベルト61の基材層610を機械的強度の高い例えば非磁性ステンレススチール等で構成することで、ねじりトルクや圧縮力に対して座屈等が発生し難い構成を実現している。さらには、基材層610、導電発熱層611、及び保護層612を薄層に形成して、定着ベルト61全体としての柔軟性・フレキシブル性を確保しているので、ニップ部Nに倣った変形と形状復元とが行われる。
<IHヒータの説明>
続いて、定着ベルト61の導電発熱層611に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱するIHヒータ80について説明する。
図5は、本実施形態のIHヒータ80の構成を説明する断面図である。
図5に示したように、IHヒータ80は、例えば耐熱性樹脂等の非磁性体から構成される支持体81、交流磁界を生成する励磁コイル82を備えている。また、励磁コイル82を支持体81上に固定する弾性体で構成された弾性支持部材83、励磁コイル82にて生成された交流磁界の磁路を形成する磁心84を備えている。さらには、磁界を遮蔽するシールド85、磁心84を支持体81側に加圧する加圧部材86、励磁コイル82に交流電流を供給する励磁回路88を備えている。
支持体81は、断面が定着ベルト61の表面形状に沿って湾曲した形状で形成され、励磁コイル82を支持する上部面(支持面)81aが定着ベルト61表面と予め定めた間隙(例えば、0.5〜2mm)を保つように形成されている。また、支持体81を構成する材質としては、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂等の耐熱性のある非磁性材料が用いられる。
励磁コイル82は、相互に絶縁された例えば直径0.17mmの銅線材を例えば90本束ねたリッツ線が長円形状や楕円形状、長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて構成される。そして、励磁コイル82に励磁回路88から予め定めた周波数の交流電流が供給されることにより、励磁コイル82の周囲には、閉ループ状に巻かれたリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。励磁回路88から励磁コイル82に供給される交流電流の周波数は、一般に、上記した汎用電源により生成される20k〜100kHzが用いられる。
磁心84は、例えばソフトフェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)、やパーマロイ、感温磁性合金等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体が用いられる。磁心84は、励磁コイル82にて生成された交流磁界による磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心84から定着ベルト61を横切って感温磁性部材64方向に向かい、感温磁性部材64の中を通過して磁心84に戻るといった磁力線の通路(磁路)を形成する。すなわち、励磁コイル82にて生成された交流磁界が磁心84の内部と感温磁性部材64の内部とを通過するように構成して、磁力線が定着ベルト61と励磁コイル82とを内部に包み込むような閉磁路を形成する。それにより、励磁コイル82にて生成された交流磁界の磁力線が定着ベルト61の磁心84と対向する領域に集中される。
ここで、磁心84は磁路形成による損失が小さい材料が望ましい。具体的には、磁心84は渦電流損を小さくする形態(スリット等による電流経路遮断や分断化、薄板束ね等)での使用が望ましく、ヒステリシス損の小さい材料で形成されることが望ましい。
また、定着ベルト61の回転方向に沿った磁心84の長さは、感温磁性部材64の定着ベルト61の回転方向に沿った長さよりも小さく構成される。それにより、磁力線のIHヒータ80周辺への漏洩が減り、力率が向上する。さらには、定着ユニット60を構成する金属製部材への電磁誘導を抑え、定着ベルト61(導電発熱層611)での発熱効率を高める。
<励磁コイルの固定方法の説明>
次に、本実施形態のIHヒータ80における励磁コイル82の支持体81への固定方法について述べる。
本実施形態のIHヒータ80では、励磁コイル82を支持体81に支持する弾性支持部材83は、例えばシリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成される。そして、弾性支持部材83が励磁コイル82を支持体81に対して押圧しながら弾性変形することで、励磁コイル82を支持体81の支持面に支持する。すなわち、弾性支持部材83は、ヤング率が低い材質で構成され、弾性支持部材83が励磁コイル82を支持体81に向けて押圧するに際して、ヤング率の低い弾性支持部材83が弾性変形して、励磁コイル82を支持体81に支持する。
本実施形態では、以上のように構成されるIHヒータ80を用いて定着ベルト61の加熱を行う。なお、図2に示すように、IHヒータ80は、定着ベルト61に対して部分的な加熱を行うため、定着ベルト61全体を加熱する際には駆動モータM1(図4参照)によって定着ベルト61を回転させた状態で加熱を行う。
図6は、加圧ロール62、接離機構100及び回転付与機構200を説明するための図である。また、図7は、図6に示す矢印VIIの方向から見た定着ユニット60の側面図である。
<加圧ロールの説明>
定着加圧部材の一例としての加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置され、定着ベルト61に従動して図2に示す矢印D方向に回転する。そして、加圧ロール62と押圧パッド63とにより定着ベルト61を挟持した状態でニップ部N(接触部位)を形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着する。
加圧ロール62は、例えば直径18mmの中実のアルミニウム製コア(円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆された例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層622と、さらに例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成される。また、コア621の回転軸となる加圧ロール軸62sを有している。
図6に示すように、加圧ロール軸62sは、後述する接離機構100のレバー107に取り付けられるベアリング軸受部62bに保持される。そして、加圧ロール62は、加圧ロール軸62sを回転軸として回転する。なお、本実施形態の定着ユニット60では、加圧ロール62を駆動する駆動部を設けずに、加圧ロール62が定着ベルト61に従動回転するように構成している。これにより、本実施形態では、定着ユニット60(画像形成装置1)における部品点数の増加を抑え、装置構成を簡易化している。
また、図6に示すように、加圧ロール軸62sには、ギア62gが取り付けられている。このギア62gは、後述するように回転付与機構200のラックギア201と噛み合うように構成されている。なお、この構成及び動作については後に詳しく説明する。
<接離機構の説明>
接離部の一例としての接離機構100は、図7に示すように、駆動源としてのラッチモータM2と、ラッチモータM2に接続されるシャフト105と、シャフト105により回転する偏心カム106と、偏心カム106により移動するレバー107とを備えている。また、接離機構100は、レバー107の偏心カム106に対向する部分に設けられ偏心カム106の接触を受けるカムフォロア108を有している。
レバー107は、図7に示すように、板状の部材である。レバー107の一端側には、加圧ロール軸62sに沿って設けられるレバー軸107aが取り付けられている。レバー107は、このレバー軸107aを中心に回転可能になっている。また、レバー107の他端側には、偏心カム106の接触を受けるカムフォロア108が取り付けられている。そして、レバー107は、加圧ロール軸62sを受けるベアリング軸受部62bを介して加圧ロール62を保持する。
偏心カム106は、シャフト105の軸中心からみて最もカム面が遠い部位となる第1の位置106Aと、最もカム面が近い部位となる第2の位置106Bと、これらの間に位置する第3の位置106Cとを有するカム面形状を有している。この偏心カム106のカム面のうち第1の位置106Aは、加圧ロール62を定着ベルト61に接触させ定着ベルト61を加圧できるように形成されている。また、カム面のうち第2の位置106Bは、加圧ロール62を定着ベルト61から離れて位置させ定着ベルト61と非接触の状態にできるように形成されている。そして、カム面の第1の位置106Aと第2の位置106Bとをなだらかにつなぐように第3の位置106Cが形成され、偏心カム106全体のカム面が形成される。
以上のように構成される接離機構100において、偏心カム106のカム面の第1の位置106Aがカムフォロア108に対向すると、レバー107が定着ベルト61に向けて移動する。これに伴って、レバー107に保持される加圧ロール62が定着ベルト61に向けて移動して加圧ロール62が定着ベルト61に接触する。また、偏心カム106のカム面の第2の位置106Bがカムフォロア108に対向すると、加圧ロール62の自重によって鉛直下向きに加圧ロール62が落下しようとするため、レバー107が定着ベルト61から離れる方向に移動する。そして、レバー107に保持される加圧ロール62がレバー107とともに定着ベルト61から離れる。このように、偏心カム106を回転させることにより、加圧ロール62が定着ベルト61から離れた状態や接触した状態に設定される。
本実施形態の定着ユニット60では、上記のように構成される接離機構100を設けることによって、定着ユニット60の立ち上げの際には、定着ベルト61に対して加圧ロール62を非接触の状態にしながらIHヒータ80を用いて定着ベルト61の加熱を行う。このように構成することによって、定着ベルト61と比較して熱容量の大きい加圧ロール62を定着ベルト61から離した状態で加熱を行い、ウォームアップタイムの短縮や省電力化を図っている。
ところで、本実施形態では、定着ベルト61を加熱する際に、定着ベルト61を部分的に加熱する加熱装置(本実施形態ではIHヒータ80)を用いる。このように定着ベルト61を部分的に加熱する構成を採用した場合、定着ベルト61を回転させながら定着ベルト61全体を温める必要がある。また、定着ベルト61が予め定められた温度に達して加熱が完了した後には、上述したとおり定着ベルト61の加熱開始の際に非接触の状態にしておいた加圧ロール62を定着ベルト61に接触させる。このとき、本実施形態では、直ぐに定着動作を開始できるように、定着ベルト61の回転を維持したまま定着ベルト61に加圧ロール62を接触させる。
ここで、回転している定着ベルト61に対して、例えば回転が停止した加圧ロール62が接触した場合、その加圧ロール62は定着ベルト61の回転を妨げるように作用する。特に、本実施形態のようにベルト部材を構成部材とする定着ベルト61の場合、停止した加圧ロール62の接触を受けると、定着ベルト61にねじれなどの歪みが発生し易く、定着ベルト61が損傷するおそれがある。
そこで、本実施形態では、回転付与機構200を設けることによって、加圧ロール62を定着ベルト61と同方向に回転させながら、加圧ロール62を定着ベルト61に接触させるようにしている。
<回転付与機構>
回転付与部の一例としての回転付与機構200は、図6に示すように、ラックギア201と、ラックギア201を固定する固定部材202と、ラックギア201を移動可能に保持するコイルばね203とを有している。
歯形成部材の一例としてのラックギア201は、本実施形態では複数の歯が直線状に並べて設けられた部材である。これら複数の歯は、加圧ロール62のギア62gに噛み合うように構成されている。そして、図7に示すように、ラックギア201は、加圧ロール62の加圧ロール軸62sの移動経路に沿って設けられる。また、ラックギア201は、加圧ロール62が定着ベルト61から離れた状態においては、ギア62gに接触するように設けられている。一方で、ラックギア201は、加圧ロール62が定着ベルト61に接触した状態においては、ギア62gと接触しないように設けられている。
具体的には、ラックギア201は、加圧ロール軸62sのギア62gが移動に伴って描く円弧状の経路(移動するギア62gの最も外側に位置する歯の軌跡)に対する接線に沿って複数の歯が並ぶように配置される。そして、加圧ロール62が定着ベルト61から最も遠ざかった状態となる偏心カム106のカム面の第2の位置106Bが接離機構100のカムフォロア108に接触した状態で、ラックギア201とギア62gとが最も接近するようにラックギア201を配置する。また、加圧ロール62と定着ベルト61とが接触する状態となる偏心カム106のカム面の第1の位置106Aが接離機構100のカムフォロア108に接触した状態で、ラックギア201とギア62gとが非接触になるようにラックギア201を配置する。
以上のように構成することによって、加圧ロール62のギア62gは、加圧ロール62が定着ベルト61に接触する前まではラックギア201に接触可能に構成される。そして、加圧ロール62のギア62gは、加圧ロール62が定着ベルト61に接触した状態では、ラックギア201との接続が解かれるように構成している。このように構成することによって、本実施形態では、加圧ロール62が定着ベルト61に接触した状態において、加圧ロール62が自由に回転し、定着ベルト61に従動回転できるようにしている。
さらに、本実施形態では、ラックギア201は、円弧状の移動軌跡を描くギア62gの外側に設けられる。これは、後述するようにギア62gにラックギア201を接触させながらギア62gを移動させて、ニップ部Nにおいて定着ベルト61と同方向(図2における矢印D方向)に加圧ロール62を回転させる。
なお、本実施形態における上記の例では、直線状のラックギア201を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、円弧状の内側にギア62gと噛み合う複数の歯が形成された歯形成体を設ける。この歯形成体は、ギア62gの円弧状の移動経路に沿って配置する。そして、歯形成体は、例えば偏心カム106のカム面の第1の位置106Aがカムフォロア108に接触する前までギア62gが接続し、第1の位置106Aがカムフォロア108に接触するとギア62gとの接続が解かれるように形成する。このように構成することによって、加圧ロール62が定着ベルト61に接触する前まではラックギア201にギア62gを接触させ、加圧ロール62が定着ベルト61に接触した状態ではラックギア201との接続を解くことができる。
ラックギア201は、固定部材202とコイルばね203とによって保持されている。この固定部材202は、ラックギア201の定着ベルト61側の端部に設けられる。そして、固定部材202は、ラックギア201の定着ベルト61側への移動を規制する。また、コイルばね203は、本実施形態では、ラックギア201の定着ベルト61側とは逆側に配置される。そして、コイルばね203は、ラックギア201の定着ベルト61とは逆方向への移動を許容しつつ、ラックギア201を定着ベルト61側に向けて押す。
図8は、接離機構100及び回転付与機構200の動作を説明するための図である。
なお、図8(a)は、接離機構100の偏心カム106の第3の位置106Cがカムフォロア108に接触した状態である。また、図8(b)は、偏心カム106の第1の位置106Aがカムフォロア108に接触した状態である。
(接触する際の動作)
まず、カムフォロア108に対し偏心カム106の第2の位置106Bが対向した状態(図7参照)から、第3の位置106Cが対向した状態へと移行するときの、回転付与機構200の動作を説明する。
このとき、図8(a)に示すように、シャフト105を矢印E方向に回転させることによって偏心カム106が回転する。そうすると、カムフォロア108に偏心カム106のカム面の第3の位置106Cが対向することで、レバー107が定着ベルト61側へと移動する。これに伴って、レバー107に保持される加圧ロール62が定着ベルト61側へと移動する。
このとき、加圧ロール62のギア62gが、回転付与機構200のラックギア201に噛み合った状態で加圧ロール62が移動することによって、ギア62gの歯がラックギア201の歯によって相対的に引っ張られた状態になりギア62gが回転する。また、ラックギア201は、図8に示すギア62gの図中左側に位置しているため、ラックギア201に接触しながら移動するギア62gは図中左側に回転することで、加圧ロール62が図中左側へと回転する。この加圧ロール62の回転方向は、ニップ部Nにおいて定着ベルト61の回転方向と同方向となる(矢印D方向)。
そして、図8(b)に示すように、さらにシャフト105を矢印E方向に回転させることによって偏心カム106がさらに回転する。そうすると、カムフォロア108に対向する偏心カム106のカム面は、第3の位置106Cから第1の位置106Aへと移行する。このとき、ギア62gは、ラックギア201から離れた状態になる。加圧ロール62は、慣性により回転が継続した状態にある。そして、カムフォロア108に偏心カム106の第1の位置106Aが対向することによって、加圧ロール62が定着ベルト61に接触する。この加圧ロール62が定着ベルト61に接触する際、加圧ロール62は回転した状態にある。従って、加圧ロール62は、ニップ部Nにおける定着ベルト61と同方向に回転しながら定着ベルト61に接触する。
本実施形態では、以上のようにニップ部Nにおける定着ベルト61と同方向に加圧ロール62を回転させながら定着ベルト61に接触させることにより、接触の際に定着ベルト61が受ける損傷を抑制している。
(離れる際の動作)
次に、カムフォロア108に偏心カム106のカム面の第1の位置106Aが対向した状態(図8(b)参照)から、第2の位置106Bが対向した状態へと移行するときの、回転付与機構200の動作を説明する。
図8(b)に示す状態において、シャフト105を矢印E方向にさらに回転させることによって偏心カム106が回転する。そして、カムフォロア108に偏心カム106のカム面の第2の位置106Bが対向する。そうすると、本実施形態では、加圧ロール62の自重によって加圧ロール62が鉛直下向きに落下し、加圧ロール62は定着ベルト61から離れる側へと移動して加圧ロール62と定着ベルト61とは離れた状態になる。
また、加圧ロール62が定着ベルト61から離れる方向に移動することによって、回転付与機構200のラックギア201にギア62gが再び接触する。本実施形態では、直線状のラックギア201を設けており、ギア62gを定着ベルト61から離れる方向(偏心カム106側)に向けて移動させるに従って、ラックギア201とギア62gとの距離が短くなる。
ここで、本実施形態では、ラックギア201の定着ベルト61とは反対側の端部にコイルばね203を設けている。従って、加圧ロール62が定着ベルト61とは反対側に向けて移動してギア62gがラックギア201に接触する際に、ラックギア201が定着ベルト61とは反対側へと移動することができる。これにより、ギア62gとラックギア201との間に生じる衝撃が低減され、ギア62gとラックギア201との接触に伴う負荷が抑制される。
なお、本実施形態では、複数の歯を線状に並べて配置したラックギア201をギア62gに接触させることで、加圧ロール62を回転させている。しかしながら、この態様に限定される訳ではない。例えば、本実施形態のラックギア201に代えて、ギア62gに引っ掛かる凸(突起)部材を、加圧ロール62の移動に伴ってギア62gに接触するように構成しても良い。
ただし、上述した本実施形態では、複数の歯を有するラックギア201を用いることにより、ラックギア201がギア62gの接触を受ける際の衝撃を複数の歯に分散させラックギア201の耐久性を向上させている。
また、本実施形態では、ギア62gを介して加圧ロール軸62sにラックギア201を接触させて加圧ロール62を回転させているが、必ずしも加圧ロール軸62sにラックギア201などの部材を接触させる必要はない。例えば、加圧ロール62の移動に伴って、加圧ロール62の表面や加圧ロール62の端部面(例えばコア621の端部面、図2参照)に部材を接触させ、加圧ロール62を回転させるように構成しても構わない。
さらにまた、加圧ロール軸62sのギア62gに代えてリング状のゴム部材を取り付け、ラックギア201に代えて板状のゴム部材を設けることで、加圧ロール62と回転付与機構200との接触を形成しても良い。この場合、ゴム部材自体の弾性力によって、両部材の接触の際の衝撃が低減される。
さらに、本実施形態では、回転する定着ベルト61に対して接触させる部材として、ロール部材を構成部材とする加圧ロール62を採用している。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えばベルトを回転軸に掛け回して構成した加圧部材を用いても良い。この場合には、ベルトを掛け回す回転軸にラックギア201などを接触させることによって、その加圧部材の移動に伴ってベルトを回転させるように構成すれば良い。
なお、加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離させる接離機構100についても、本実施形態の構成に限定されない。例えば、加圧ロール62から定着ベルト61に向けた方向に沿って直線的に形成される案内部材を設ける。そして、加圧ロール62の加圧ロール軸62sを案内部材に案内されるように取り付ける。偏心カムなどを用いて加圧ロール軸62sを直線的に移動させることにより、加圧ロール62を定着ベルト61に対して進退させる。このような接離機構を用いた場合においても、加圧ロール62が定着ベルト61に向けて移動する際に、加圧ロール軸62sに設けたギア62gに接触する部材を設けることによって加圧ロール62を回転させるように構成すれば良い。
1…画像形成装置、60…定着ユニット、61…加圧ロール、62…定着ベルト、100…接離機構、200…回転付与機構

Claims (6)

  1. 記録材にトナー像を定着する定着ベルトと、
    前記定着ベルトを回転駆動する駆動部と、
    前記定着ベルトの外周面に接触して当該定着ベルトの回転に従動回転し、当該定着ベルトと接触する接触部位を通過する記録材を加圧して当該記録材にトナー像を定着する定着加圧部材と、
    前記定着加圧部材を前記定着ベルトに向かう一方向と当該定着ベルトから離れる他方向とに移動させ、当該定着加圧部材を当該定着ベルトに対して接離させる接離部と、
    前記接離部が前記定着加圧部材を前記一方向に向けて移動させる際に、前記接触部位において前記定着ベルトの回転方向と同方向となる方向に当該定着加圧部材を回転させる回転付与部と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転付与部は、移動する前記定着加圧部材に接触することで当該定着加圧部材を回転させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着加圧部材の回転軸には、歯車が取り付けられ、
    前記回転付与部は、前記歯車に噛み合う歯が前記一方向から前記他方向に沿って複数並べて設けられた歯形成部材を有することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記歯形成部材は、前記定着加圧部材が前記定着ベルトと接触する前の位置まで前記歯車に接続するように前記歯が形成されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 記録材にトナー像を形成するトナー像形成部と、
    前記トナー像形成部によって記録材に形成されたトナー像を定着する定着ベルトと、
    前記定着ベルトを回転駆動する駆動部と、
    前記定着ベルトの外周面に接触して当該定着ベルトの回転に従動回転し、当該定着ベルトと接触する接触部位を通過する記録材を加圧して当該記録材にトナー像を定着する定着加圧部材と、
    前記定着加圧部材を前記定着ベルトに向かう一方向と当該定着ベルトから離れる他方向とに移動させ、当該定着加圧部材を当該定着ベルトに対して接離させる接離部と、
    を備え、
    前記定着加圧部材は、前記接触部位にて前記定着ベルトの回転方向と同方向となる方向へ回転している状態で当該定着ベルトの当該接触部位に接触することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記接離部が前記定着加圧部材を前記一方向に向けて移動させる際に、当該定着加圧部材の移動の動作により、前記方向に当該定着加圧部材を回転させる回転付与部を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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