JP2012202261A - 膨張機、及び排熱回生システム - Google Patents

膨張機、及び排熱回生システム Download PDF

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Abstract

【課題】作動流体の過膨張による損失を防止することができる膨張機、及び排熱回生システムを得る。
【解決手段】膨張機3は、高圧空間に連通する吸入孔26と低圧空間に連通する吐出孔27とが設けられたシリンダ20、及びシリンダ20との間に作動室25を形成し、シリンダ20内で変位されることにより作動室25の容積を変化させるロータ21を有している。シリンダ20には、作動流体が吸入孔26を通して作動室25に吸入されてから吐出孔27へ吐出されるまでの間に作動室25と連通する中間孔28が設けられている。中間孔28と低圧空間との間には、作動流体が低圧空間から中間孔28を通して作動室25に吸入されることを許容するとともに、作動流体が作動室25から中間孔28を通して低圧空間へ吐出されることを阻止する逆止弁30が設けられている。
【選択図】図2

Description

この発明は、作動流体(例えば冷媒等)を膨張させる膨張機、及び膨張機を利用して内燃機関の排熱を動力として回生する排熱回生システムに関するものである。
従来、例えば自動車等の運転効率の向上のために、エンジン等からの排熱をランキンサイクルの利用により動力として回生する排熱回生システムが知られている。
従来の排熱回生システムは、内燃機関の排熱で冷媒を加熱して蒸発させる蒸発器と、蒸発された冷媒を膨張させて駆動力を発生させる膨張機と、膨張後の冷媒を凝縮させて液化する凝縮器と、液化された冷媒を蒸発器へ圧送して循環させるポンプとを有している。膨張機で発生した駆動力は、例えば発電機の駆動等に利用される(例えば特許文献1参照)。
また、従来、シリンダの内壁とシリンダ内のロータとの間にベーンで仕切られた作動室が形成され、ロータの回転により、作動室がシリンダ内を移動しながら容積を変えて、作動室内の冷媒を膨張させるベーンロータリ膨張機が知られている。高圧側の吸入孔から作動室内に吸入された冷媒は、作動室の容積が拡大することにより膨張され、膨張後、作動室の容積が縮小することにより吐出孔から低圧側へ吐出される。
従来、作動室における冷媒の過膨張による損失を抑制するために、冷媒が作動室内に吸入された後、作動室内の冷媒が吐出孔を通して吐出されるまでの間に作動室と連通する別の吐出孔をシリンダに設け、低圧側から作動室内への逆流を阻止する逆止弁を当該別の吐出孔に設けたベーンロータリ膨張機が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2010−65587号公報 WO2003/089766
しかし、従来の膨張機では、低圧側から作動室内への冷媒の吸入が逆止弁によって阻止されるので、低圧側の吐出孔の圧力が上昇した場合、作動室が別の吐出孔に連通する位置に達したときでも逆止弁が閉じたままとなる。従って、作動室内の冷媒は、作動室の拡大により過膨張の状態となった後に、作動室の縮小により圧縮されて過膨張の状態を解消しながら、吐出孔へ吐出される。しかし、実際の冷媒の圧縮過程は、シリンダ等と冷媒との間での熱交換やシール等からの冷媒の漏れ等によって理想的な断熱圧縮過程からずれるので、冷媒の圧縮過程において損失が生じてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、作動流体の過膨張による損失を防止することができる膨張機、及び排熱回生システムを得ることを目的とする。
この発明に係る膨張機は、高圧空間に連通する吸入孔と、高圧空間よりも圧力が低い低圧空間に連通する吐出孔とが設けられた収容体、及び収容体との間に作動空間を形成し、収容体内で変位されることにより作動空間の容積を変化させる変位体を備え、高圧空間から吸入孔を通して作動空間に吸入された作動流体を、作動空間の容積が拡大する方向へ変位体を変位させることにより膨張させ、作動空間で膨張した作動流体を、作動空間の容積が縮小する方向へ変位体を変位させることにより吐出孔を通して低圧空間へ吐出する膨張機であって、収容体には、作動流体が作動空間に吸入されてから吐出孔へ吐出されるまでの間に作動空間と連通する中間孔が設けられ、中間孔と低圧空間との間には、作動流体が低圧空間から中間孔を通して作動空間に吸入されることを許容するとともに、作動流体が作動空間から中間孔を通して低圧空間へ吐出されることを阻止する逆止弁が設けられている。
この発明に係る膨張機では、冷媒が低圧空間から中間孔を通して作動空間に吸入されることを許容するとともに、冷媒が作動空間から中間孔を通して低圧空間へ吐出されることを阻止する逆止弁が、低圧空間と中間孔との間に設けられているので、作動空間の冷媒の圧力が低圧空間の圧力よりも低くなろうとすると、低圧空間から作動空間へ冷媒を流入させることができる。これにより、低圧空間の圧力が上昇した場合であっても、作動空間における冷媒の過膨張の発生を防止することができ、冷媒の過膨張による損失を防止することができる。
この発明の実施の形態1による排熱回生システムを示す構成図である。 図1の膨張機を示す断面図である。 図2の作動室で適正に膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフである。 図2の第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL2(PL2>PL1)となっている場合に作動室で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフである。 第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL2(PL2>PL1)となっている場合に比較例1の膨張機の作動室で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフである。 第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL2(PL2>PL1)となっている場合に比較例2の膨張機の作動室で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2による膨張機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態3による排熱回生システムの膨張機を示す断面図である。 図2の第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL5(PL5>PL2)となっている場合に作動室で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフである。 図8の第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL5(PL5>PL2)となっている場合に作動室で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による排熱回生システムを示す構成図である。図において、排熱回生システム1は、蒸発器2、膨張機3、凝縮器4及びポンプ5を有している。蒸発器2、膨張機3、凝縮器4及びポンプ5間には、排熱回生システム1の作動流体である冷媒を導く冷媒循環用配管(循環流路)6が接続されている。
冷媒循環用配管6は、蒸発器2及び膨張機3間に接続された第1の冷媒配管(高圧配管)7と、膨張機3及び凝縮器4間に接続された第2の冷媒配管(低圧配管)8と、凝縮器4及びポンプ5間に接続された第3の冷媒配管9と、ポンプ5及び蒸発器2間に接続された第4の冷媒配管10とを有している。冷媒は、第1〜第4の冷媒配管7〜10を通って蒸発器2、膨張機3、凝縮器4及びポンプ5間を循環される。排熱回生システム1の熱力学サイクルは、ランキンサイクルとされている。冷媒としては、例えばR134a等が用いられる。
内燃機関であるエンジン11は、燃料(例えばガソリン等)を燃焼させることにより駆動力を発生する。この例では、エンジン11が自動車用のエンジンとされている。エンジン11及び蒸発器2間には、エンジン11を冷却する冷却水が流れる冷却水循環用配管12が設けられている。冷却水循環用配管12は、エンジン11から蒸発器2へ冷却水を導く第1の冷却水配管13と、蒸発器2からエンジン11へ冷却水を導く第2の冷却水配管14とを有している。
冷却水は、図示しない冷却水ポンプの動力により、冷却水循環用配管12を通ってエンジン11及び蒸発器2間を循環される。冷却水は、エンジン11で発生した排熱により加熱され、第1の冷却水配管13を通って蒸発器2へ送られる。蒸発器2に送られた冷却水は、第2の冷却水配管14を通ってエンジン11に戻される。なお、エンジン11で発生した排熱により加熱されたエンジン11の排ガスを蒸発器2へ送るようにしてもよい。
蒸発器2は、エンジン11からの冷却水とポンプ5からの冷媒との間で熱交換を行う。蒸発器2では、冷却水と冷媒との間で熱交換が行われることにより、冷却水が冷却され、冷媒が加熱される。これにより、冷媒は、高温高圧の蒸気となる。
蒸発器2で冷却された冷却水は、蒸発器2から第2の冷却水配管14を通ってエンジン11へ送られる。蒸発器2で高温高圧の蒸気となった冷媒は、蒸発器2から第1の冷媒配管7を通って膨張機3へ送られる。従って、第1の冷媒配管7内の空間は、高温高圧の蒸気が流れる高圧空間となっている。
膨張機3は、蒸発器2からの冷媒(即ち、高温高圧の蒸気となった冷媒)を膨張させ、膨張した冷媒を凝縮器4へ送る膨張機本体15と、膨張機本体15に回転可能に設けられた出力軸16とを有している。この例では、膨張機3がベーンロータリ式膨張機とされている。
膨張機本体15は、冷媒を膨張させることにより出力軸16に回転力(回生動力)を与える。出力軸16は、膨張機本体15から回転力を受けることにより回転される。出力軸16には、発電機17が連結されている。発電機17は、出力軸16の回転により発電する。発電機17で発生した電力は、例えばバッテリ等に充電される。
冷媒は、膨張機本体15で膨張されることにより、低圧の蒸気となる。膨張機本体15で膨張した冷媒は、膨張機本体15から第2の冷媒配管8を通って凝縮器4へ送られる。従って、第2の冷媒配管8内の空間は、第1の冷媒配管7内の高圧空間よりも圧力が低い低圧空間となっている。
凝縮器4は、膨張機3で膨張した冷媒を冷却することにより冷媒を液化する。従って、冷媒は、凝縮器4を通ることにより放熱しながら凝縮される。この例では、自動車走行時の走行風やファンによる送風等が凝縮器4に通されることにより冷媒が冷却される。凝縮器4で液化された冷媒は、凝縮器4から第3の冷媒配管9を通ってポンプ5へ送られる。
ポンプ5は、連結軸18を介してモータ19に連結されている。また、ポンプ5は、凝縮器4からの冷媒をモータ19の駆動力により圧送する。これにより、冷媒は、第4の冷媒配管10を通って蒸発器2へ送られる。蒸発器2、膨張機3、凝縮器4及びポンプ5間の冷媒の循環は、ポンプ5の動力により行われる。
図2は、図1の膨張機3を示す断面図である。図において、膨張機本体15は、出力軸16が内部に通された円筒状のシリンダ(収容体)20と、シリンダ20内に設けられ、出力軸16と一体に回転(変位)される円柱状のロータ(変位体)21とを有している。
シリンダ20は、シリンダ20の軸線が出力軸16の軸線と平行になるように配置されている。即ち、シリンダ20は、出力軸16に対して偏心して配置されている。なお、シリンダ20の軸線方向両端部は、蓋により塞がれている。
ロータ21は、ロータ21の外周面の一部をシリンダ20の内周面の接触位置Qに接触させた状態でシリンダ20内に配置されている。また、ロータ21の外周部には、ロータ21の径方向に深さを持つ複数の溝22がロータ21の周方向へ互いに間隔を置いて設けられている。この例では、4つの溝22が出力軸16に沿ってロータ21の外周部に設けられ、各溝22がロータ21の周方向へ等間隔に配置されている。
各溝22には、シリンダ20の内周面に接触するベーン24が溝22の深さ方向へ摺動可能にそれぞれ挿入されている。ロータ21の外周面とシリンダ20の内周面との間には、各ベーン24で仕切られた複数の作動室(作動空間)25が形成されている。
各ベーン24は、ロータ21の回転(変位)により、シリンダ20の内周面に接触しながらロータ21の回転方向(図2の矢印の方向)へ移動される。各作動室25は、各ベーン24の移動に伴って、シリンダ20内で容積を変化させながらロータ21の回転方向へ移動される。即ち、ロータ21は、シリンダ20内で回転されることにより、ロータ21の回転方向へ作動室25を移動させながら作動室25の容積を変化させる。各作動室25は、ロータ21の回転により、接触位置Qで生じ、ロータ21の回転方向へ移動しながら、容積を連続的に拡大させた後、容積を連続的に縮小させて、接触位置Qで消滅する。
シリンダ20には、第1の冷媒配管7及び第2の冷媒配管8が接続されている。また、シリンダ20には、第1の冷媒配管7内の高圧空間からの冷媒を作動室25に吸入するための吸入孔26と、作動室25の冷媒を第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出するための吐出孔27と、冷媒が作動室25に吸入されてから吐出されるまでの間に作動室25に連通される中間孔28とが設けられている。
吸入孔26、吐出孔27及び中間孔28のそれぞれは、シリンダ20の壁を貫通する貫通孔とされている。吸入孔26、吐出孔27及び中間孔28は、吸入孔26、中間孔28及び吐出孔27の順にロータ21の回転方向へ互いに間隔を置いて配置されている。吸入孔26は容積が拡大する方向へ移動するときの作動室25に連通し、中間孔28は吸入孔26との連通が断たれた状態で容積が拡大する方向へ移動するときの作動室25に連通し、吐出孔27は容積が縮小する方向へ移動するときの作動室25に連通するようになっている。この例では、中間孔28は、ロータ21の外面との間の距離が最大となるシリンダ20の壁の位置の近傍に設けられている。
第1の冷媒配管7内の高圧空間から吸入孔26を通して作動室25に吸入された冷媒は、作動室25の容積が拡大する方向へ作動室25が移動されることにより膨張し、作動室25が中間孔28の位置を通過して、作動室25の容積が縮小する方向へ作動室25が移動されることにより吐出孔27を通して第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出される。
シリンダ20の内周面には、吐出孔27からロータ21の回転方向へ延びる逃がし溝23が設けられている。逃がし溝23は、接触位置Qの近傍まで延びている。吐出孔27の位置を通過して吐出孔27との連通が断たれた作動室25の冷媒は、逃がし溝23を通して吐出孔27へ導かれる。
ロータ21の回転力は、互いに隣接する作動室25内の圧力差によって生じ、出力軸16に与えられる。出力軸16で受けた回転力は、発電機17(図1)への回生動力として用いられる。
第2の冷媒配管8からは、分岐配管29が分岐されている。分岐配管29内の空間は、第2の冷媒配管8内と同じ低圧空間となっている。シリンダ20には、中間孔28と分岐配管29との間に介在する逆止弁30が設けられている。即ち、逆止弁30は、中間孔28と低圧空間との間に設けられている。
逆止弁30は、冷媒が分岐配管29内の低圧空間から中間孔28を通して作動室25に吸入されることを許容するとともに、冷媒が作動室25から中間孔28を通して分岐配管29内の低圧空間へ吐出されることを阻止する。
また、逆止弁30は、シリンダ20の外面に固定された弁ケース31と、弁ケース31内に変位可能に配置された弁体32と、弁ケース31内のシリンダ20の外面と弁体32との間で縮められた弾性ばね(付勢体)33とを有している。
弁ケース31は、中間孔28を覆った状態でシリンダ20の外面に固定されている。これにより、弁ケース31内の空間と作動室25とは、中間孔28を通して連通されている。また、弁ケース31には、弁ケース31内の空間と分岐配管29内の低圧空間とを連通する開口部34が設けられている。
弁体32は、弁ケース31内で変位されることにより開口部34を開閉する。この例では、弁体32の形状が球状とされている。
弾性ばね33は、弁ケース31内で縮められて発生する弾性反発力により、開口部34を閉じる方向へ弁体32を付勢している。弁体32は、弾性ばね33の付勢力により弁ケース31の内面に押し付けられて開口部34を閉じる。また、弁体32は、分岐配管29の内圧で押されることにより、弾性ばね33の付勢力に逆らって、開口部34を開く方向へ変位可能になっている。
分岐配管29内の低圧空間の圧力が中間孔28の圧力よりも高いときには、弁体32が弾性ばね33の付勢力により弁ケース31の内面に押し付けられて開口部34が閉じている。分岐配管29内の低圧空間の圧力が例えば凝縮器4の温度の上昇等により上昇して中間孔28の圧力を超えると、分岐配管29内の低圧空間の圧力が弾性ばね33の付勢力に打ち勝ち、弾性ばね33の付勢力に逆らって弁体32が変位され、開口部34が開く。分岐配管29内の冷媒は、開口部34が開くことにより、弁ケース31内及び中間孔28を通して作動室25に導かれる。
次に、排熱回生システム1の動作について説明する。エンジン11を冷却する冷却水は、冷却水ポンプの動力により、エンジン11及び蒸発器2間を循環する。一方、モータ19の駆動により、液体状態の冷媒がポンプ5から第4の冷媒配管10を通って蒸発器2へ圧送される。
蒸発器2では、ポンプ5から圧送された液体状態の冷媒と、エンジン11により加熱された冷却水との間で熱交換が行われる。これにより、冷媒は、高温(例えば約90℃)で高圧の蒸気となる。
この後、蒸発器2で高温高圧の蒸気となった冷媒は、第1の冷媒配管7を通って膨張機3へ送られる。膨張機3では、冷媒が膨張されることにより出力軸16が回転される。これにより、発電機17で発電され、発電機17で発生した電力が例えばバッテリ等に充電される。冷媒は、膨張機3で膨張されることにより約50℃の低圧蒸気となる。
膨張機3で低圧蒸気となった冷媒は、第2の冷媒配管8を通って凝縮器4へ送られる。凝縮器4では、冷媒が外気(例えば自動車の走行風やファンによる送風等)により冷却される。これにより、冷媒は、凝縮され、低温(約30℃)で低圧の液体となる。この後、冷媒は、第3の冷媒配管9を通ってポンプ5へ送られる。このときの冷媒(液体)の圧力をPLとする。このようにして、冷媒は、ポンプ5、蒸発器2、膨張機3及び凝縮器4の順に状態を変えながら循環を繰り返す。
次に、膨張機3で冷媒が適正に膨張されるときの動作について説明する。図3は、図2の作動室25で適正に膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフ(PV線図)である。作動室25が接触位置Qで生じると(このとき、作動室25の冷媒の状態は図3のA状態となっている)、作動室25は、ロータ21の回転により、吸入孔26に連通された状態を保ったまま、容積を拡大させながらロータ21の回転方向へ移動される。これにより、作動室25には、高温高圧の冷媒が作動室25の容積の拡大に伴って第1の冷媒配管7から吸入孔26を通して吸入される。このとき、作動室25の冷媒の圧力がA状態の圧力(第1の冷媒配管7内の高圧空間の圧力)PH1に維持されながら、作動室25の冷媒の容積が拡大する。
この後、作動室25が容積を拡大させながらロータ21の回転方向へ移動され、作動室25の容積がV1になると、作動室25と吸入孔26との連通が断たれて作動室25が密閉空間となる。これにより、作動室25への冷媒の吸入が停止され、作動室25の冷媒の状態が図3のB状態となる。即ち、冷媒が第1の冷媒配管7から作動室25に吸入される吸入過程(A→B)が行われ、作動室25の冷媒の状態がA状態からB状態となる。
この後、作動室25が容積をさらに拡大させながらロータ21の回転方向へ移動されることにより、作動室25の冷媒が膨張し、作動室25の圧力が低下する。この後、作動室25の容積が最大容積V2(V2>V1)になり、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL1まで低下すると、作動室25が吐出孔27の位置に達して作動室25と吐出孔27とが互いに連通する。これにより、作動室25の冷媒の状態が図3のC状態となる。即ち、作動室25の冷媒が作動室25の容積の拡大に伴って膨張する膨張過程(B→C)が行われ、作動室25の冷媒の状態がB状態からC状態となる。
膨張過程(B→C)では、途中で作動室25が中間孔28に連通するが、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL1よりも高くなっているので、逆止弁30の作用により、作動室25から第2の冷媒配管8への冷媒の吐出が阻止される。
作動室25の冷媒の状態がC状態となり作動室25の容積が縮小し始めると、作動室25と中間孔28との連通が断たれ、作動室25が吐出孔27に連通される。この後、作動室25の冷媒は、作動室25の容積の縮小に伴って吐出孔27を通って第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出され、図3のD状態となる。即ち、作動室25の冷媒が第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出される吐出過程(C→D)が行われ、作動室25の冷媒の状態がC状態からD状態となる。
このように、作動室25の冷媒が過不足なく適正に膨張する場合、作動室25から吐出するときの冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力(凝縮器4の冷媒温度に対応する圧力)PL1に適合し、膨張機3における損失の増大が抑制される。
次に、例えば凝縮器4での熱交換不足等により凝縮器4の冷媒温度が上昇し、第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力が上昇した場合の膨張機3での動作について説明する。図4は、図2の第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力が上昇してPL2(PL2>PL1)となっている場合に作動室25で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフ(PV線図)である。吸入過程(A→B)の動作は、冷媒が適正に膨張される場合の吸入過程(A→B)の動作と同様である。
吸入過程後、即ち作動室25の冷媒の状態が図4のB状態となった後、密閉空間とされた作動室25が容積を拡大させながらロータ21の回転方向へ移動され、作動室25の容積の拡大に伴って、作動室25の冷媒が膨張し、作動室25の圧力が低下する。
この後、作動室25は、中間孔28に連通し、中間孔28に連通した状態を保ったまま、容積をさらに拡大させながらロータ21の回転方向へ移動される。これにより、作動室25の冷媒がさらに膨張し、作動室25の冷媒の圧力が低下する。
この後、作動室25の容積が最大容積V2になる前の容積V11となったときに、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2とほぼ等しくなり、作動室25の冷媒の状態が図4のC1状態になる。即ち、作動室25の冷媒が作動室25の容積の拡大に伴って膨張する膨張過程(B→C1)が行われ、作動室25の冷媒の状態がB状態からC1状態となる。
この後、作動室25の容積がさらに拡大されることにより、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の圧力PL2よりも低くなろうとすると、第2の冷媒配管8内の低圧空間の冷媒が、分岐配管29、逆止弁30及び中間孔28を通して作動室25に流入する。これにより、作動室25の冷媒の圧力がPL2に維持されながら、作動室25の容積が拡大して最大容積V2になり、作動室25の冷媒の状態が図4のC状態になる。即ち、第2の冷媒配管8内の定圧空間の冷媒が作動室25に吸入される吸入過程(C1→C)が行われ、作動室25の冷媒の状態がC1状態からC状態となる。
この後、作動室25の容積が縮小し始めると、作動室25と中間孔28との連通が断たれ、作動室25が吐出孔27に連通される。この後、作動室25の冷媒は、作動室25の容積の縮小に伴って吐出孔27を通って第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出され、図4のD状態となる。即ち、作動室25の冷媒が第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出される吐出過程(C→D)が行われ、作動室25の冷媒の状態がC状態からD状態となる。
このような膨張機3及び排熱回生システム1では、冷媒が第2の冷媒配管8内の低圧空間から中間孔28を通して作動室25に吸入されることを許容するとともに、冷媒が作動室25から中間孔28を通して第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出されることを阻止する逆止弁30が、第2の冷媒配管8内の低圧空間と中間孔28との間に設けられているので、作動室25の冷媒の圧力が低圧空間の圧力よりも低くなろうとすると、低圧空間から作動室25へ冷媒を流入させることができる。これにより、例えば凝縮器4の冷媒温度の上昇等により第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力が上昇した場合であっても、作動室25における冷媒の過膨張の発生を防止することができ、冷媒の過膨張による損失を防止することができる。
ここで、比較例1として、逆止弁の冷媒の通過を許容する方向を実施の形態1の逆止弁30と反対向きにした例について考える。図5は、第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL2(PL2>PL1)となっている場合に比較例1の膨張機の作動室で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフ(PV線図)である。比較例1での吸入過程(A→B)の動作は、実施の形態1による膨張機3の作動室25で冷媒が膨張される場合の吸入過程(A→B)の動作と同様である。
吸入過程後、即ち作動室25の冷媒の状態が図5のB状態となった後、ロータ21の回転により、作動室25の容積がV1から最大容積V2(V2>V1)になるまで拡大する。これにより、作動室25の冷媒が膨張し、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2よりも低い圧力PL3(PL3<PL2)にまで低下して、作動室25の冷媒の状態が図5のC状態になる。即ち、作動室25の冷媒が作動室25の容積の拡大に伴って膨張する膨張過程(B→C)が行われ、作動室25の冷媒の状態がB状態からC状態となる。
膨張過程(B→C)の途中では、作動室の容積が容積V11(V1<V11<V2)となったときに、作動室の冷媒の圧力が第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力PL2とほぼ等しくなり、作動室の冷媒の状態が図5のC1状態になる。このとき、作動室25が中間孔28に連通しているが、逆止弁の冷媒の通過を許容する方向が本実施の形態の逆止弁30と反対向きになっているので、第2の冷媒配管8内の低圧空間から作動室25に冷媒が流入することなく、作動室25の冷媒が過膨張され、作動室25の冷媒の状態が図5のC状態に至る。
この後、作動室25の容積が縮小し始めると、作動室25と中間孔28との連通が断たれ、作動室25が吐出孔27に連通される。このとき、第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2が作動室25の冷媒の圧力PL3よりも高いので、第2の冷媒配管8の冷媒が吐出孔27から作動室25に逆流し、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2と等しくなって、作動室25の冷媒の状態が図5のC2状態となる。
この後、作動室25の冷媒は、作動室25の容積の縮小に伴って吐出孔27を通って第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出され、図5のD状態となる。即ち、吐出過程(C2→D)が行われる。
このように、逆止弁の冷媒の通過を許容する方向を実施の形態1の逆止弁30と反対向きにした比較例1では、図5のC1−C−C2−C1で囲まれた面積が過膨張による損失仕事となり、膨張機で得られる回生動力が小さくなってしまう。
また、比較例2として、作動室25の容積が最大容積V2となった後に、作動室25の容積を所定量だけ縮小させて冷媒を圧縮してから、作動室25を吐出孔27に連通させるように膨張機を構成した例について考える。図6は、第2の冷媒配管内の低圧空間の圧力が上昇してPL2(PL2>PL1)となっている場合に比較例2の膨張機の作動室25で膨張されるときの冷媒の圧力(P)と容積(V)との関係を示すグラフ(PV線図)である。比較例2での吸入過程(A→B)及び膨張過程(B→C)の動作は、比較例1の吸入過程(A→B)及び膨張過程(B→C)の動作と同様である。
作動室25の冷媒の状態が図6のC状態になった後、作動室25が吐出孔27に連通するまで、ロータ21の回転に伴って作動室25の容積が所定量だけ縮小し、作動室25の容積がV12(V2>V12>V11)となる。これにより、作動室25の冷媒が圧縮される圧縮過程(C→C2)が行われ、作動室25の冷媒の状態が図6のC2状態となる。C2状態での冷媒の圧力は、第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2よりも低い圧力PL4(PL2>PL4>PL3)となっている。また、圧縮過程(C→C2)は、例えば冷媒とシリンダ20との間での熱交換やシール部からの冷媒の漏れ等の影響があるため理想的な断熱圧縮過程とならず、図6の膨張過程(B→C)の逆の過程を辿らない。
この後、作動室25が吐出孔27に連通すると、第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2が作動室25の冷媒の圧力PL4よりも高いので、第2の冷媒配管8の冷媒が吐出孔27から作動室25に逆流し、作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL2と等しくなって、作動室25の冷媒の状態が図6のC3状態となる。
この後、作動室25の冷媒は、作動室25の容積の縮小に伴って吐出孔27を通って第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出され、図6のD状態となる。即ち、吐出過程(C3→D)が行われる。
このように、作動室25の容積が最大容積V2となった後に、作動室25の容積を所定量だけ縮小させて冷媒を圧縮してから、作動室25を吐出孔27に連通させるように膨張機を構成した比較例2では、図6のC1−C−C2−C3−C1で囲まれた面積が過膨張による損失仕事となり、膨張機で得られる回生動力が小さくなってしまう。
従って、比較例1及び比較例2のいずれであっても、冷媒の過膨張による損失仕事が発生してしまうことが分かる。これに対して、実施の形態1では、冷媒の過膨張の発生を防止することができ、膨張機3での損失を抑制することができる。
なお、上記の例では、ロータ21の外面との間の距離が最大となるシリンダ20の壁の位置の近傍に中間孔28が設けられているが、中間孔28の位置はこれに限定されず、シリンダ20の周方向について吸入孔26と吐出孔27との間に中間孔28があればよく、同様の効果を得ることができる。
また、上記の例では、ベーン24の数が4つとされているが、ベーン24の数は複数であればよく、ベーン24の数を2つ、3つあるいは5つ以上としてもよい。この場合、ロータ21の溝22の数もベーン24の数に合わせて設定される。
また、上記の例では、逆止弁30が分岐配管29と中間孔28との間に介在しているが、第2の冷媒配管8内の低圧空間と中間孔28との間に逆止弁30が設けられていればよいので、分岐配管29を中間孔28に直接接続し、分岐配管29の中間部に逆止弁30を設けてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、膨張機3がベーンロータリ式膨張機とされているが、膨張機3がスクロール型膨張機であってもよい。
即ち、図7は、この発明の実施の形態2による膨張機を示す縦断面図である。図において、膨張機3の膨張機本体15は、容器41と、容器41内に固定された固定スクロール42と、容器41内に変位可能に設けられ、固定スクロール42に噛み合うことにより固定スクロール42との間に一対の作動室(作動空間)44を形成する旋回スクロール(変位体)43とを有している。容器41及び固定スクロール42は、膨張機本体15の収容体を構成している。
膨張機3の出力軸16は、容器41内から容器41外へ突出している。また、出力軸16は、容器41内に設けられた軸受45を介して容器41に回転自在に支持されている。
出力軸16は、容器41の壁を貫通する中心軸部46と、中心軸部46の軸線に対して偏心し、容器41内に配置された偏心軸部47とを有している。出力軸16は、中心軸部46の軸線を中心に回転される。従って、出力軸16の回転時には、偏心軸部47は中心軸部46の軸線を中心とする所定の円軌道上を移動される。
旋回スクロール43は、偏心軸部47に軸受48を介して回転自在に設けられている。また、旋回スクロール43は、出力軸16の回転とともに、中心軸部46の軸線を中心とする所定の円軌道上を移動される(即ち、旋回移動される)。各作動室44の容積は、旋回スクロール43の旋回移動(変位)により変化する。
容器41及び固定スクロール42には、第1の冷媒配管7内の高圧空間に連通し、第1の冷媒配管7内の高圧空間からの冷媒を作動室44に吸入するための吸入孔49が設けられている。また、容器41には、第2の冷媒配管7内の低圧空間に連通し、作動室44の冷媒を第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出するための吐出孔50が設けられている。さらに、容器41及び固定スクロール42には、冷媒が一対の作動室44に吸入されてから吐出されるまでの間に各作動室44に個別に連通される一対の中間孔51が設けられている。
第1の冷媒配管7内の高圧空間から吸入孔49を通して作動室44に吸入された冷媒は、作動室44の容積が拡大する方向へ作動室44が移動されることにより膨張し、作動室44が中間孔51の位置を通過して、作動室44の容積が縮小する方向へ作動室44が移動されることにより吐出孔50を通して第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出される。
第2の冷媒配管8からは、分岐配管52が分岐されている。分岐配管52内の空間は、第2の冷媒配管8内と同じ低圧空間となっている。容器41の外面には、一対の逆止弁30が各中間孔51の位置に合わせて設けられている。分岐配管52は、各逆止弁30に個別に接続された一対の弁接続管部52a,52bを有している。即ち、各逆止弁30は、各中間孔51のそれぞれと低圧空間との間に設けられている。
各逆止弁30は、冷媒が分岐配管52内の低圧空間から中間孔51を通して作動室44に吸入されることを許容するとともに、冷媒が作動室44から中間孔51を通して分岐配管52内の低圧空間へ吐出されることを阻止する。各逆止弁30の構成は、実施の形態1の逆止弁30の構成と同様である。また、膨張機3での冷媒の圧力及び容積の変化については、実施の形態1と同様である。他の構成は実施の形態1と同様である。
このように、膨張機3をスクロール型膨張機としても、冷媒が第2の冷媒配管8内の低圧空間から中間孔51を通して作動室44に吸入されることを許容するとともに、冷媒が作動室44から中間孔51を通して第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出されることを阻止する逆止弁30を、第2の冷媒配管8内の低圧空間と中間孔51との間に設けることにより、作動室44の冷媒の圧力が低圧空間の圧力よりも低くなろうとすると、低圧空間から作動室44へ冷媒を流入させることができる。従って、作動室44における冷媒の過膨張の発生を防止することができ、冷媒の過膨張による損失を防止することができる。
なお、実施の形態2では、各逆止弁30が各中間孔51と各弁接続管部52a,52bとの間に設けられているが、各弁接続管部52a,52bを各中間孔51に接続し、各逆止弁30を各弁接続管部52a,52bの中間部に設けてよい。
実施の形態3.
実施の形態1では、シリンダ20に設けられた中間孔28の数が1つのみであるが、シリンダ20に複数の中間孔を設けてもよい。
即ち、図8は、この発明の実施の形態3による排熱回生システム1の膨張機3を示す断面図である。図において、シリンダ20には、第1の冷媒配管7内の高圧空間からの冷媒を作動室25に吸入するための吸入孔26と、作動室25の冷媒を第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出するための吐出孔27と、冷媒が作動室25に吸入されてから吐出されるまでの間に作動室25に順次連通される複数(この例では、2つ)の中間孔61,62とが設けられている。
一方の中間孔61は、実施の形態1の中間孔28と同じ位置に設けられている。他方の中間孔62は、一方の中間孔61の位置よりもシリンダ20の周方向について吸入孔26に近い位置に設けられている。これにより、ロータ21の回転方向へ移動される作動室25は、他方の中間孔62及び一方の中間孔61の順に連通される。
第1の冷媒配管7内の高圧空間から吸入孔26を通して作動室25に吸入された冷媒は、作動室25の容積が拡大する方向へ作動室25が移動されることにより膨張し、作動室25が中間孔62の位置及び中間孔61の位置の順に通過して、作動室25の容積が縮小する方向へ作動室25が移動されることにより吐出孔27を通して第2の冷媒配管8内の低圧空間へ吐出される。
第2の冷媒配管8からは、分岐配管63が分岐されている。分岐配管63内の空間は、第2の冷媒配管8内と同じ低圧空間となっている。シリンダ20には、複数(この例では、2つ)の逆止弁30が各中間孔61,62の位置に合わせて設けられている。分岐配管63は、各逆止弁30に個別に接続された複数(この例では、2本)の弁接続管部63a,63bを有している。即ち、各逆止弁30は、各中間孔61,62のそれぞれと低圧空間との間に設けられている。
各逆止弁30は、冷媒が分岐配管63内の低圧空間から各中間孔61,62を通して作動室25に吸入されることを個別に許容するとともに、冷媒が作動室25から各中間孔61,62を通して分岐配管63内の低圧空間へ吐出されることを個別に阻止する。各逆止弁30の構成は、実施の形態1の逆止弁30の構成と同様である。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、凝縮器4の冷媒温度が上昇し、第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力が実施の形態1のPL2よりもさらに高い圧力PL5(PL5>PL2)にまで上昇した場合の膨張機3での動作について説明する。
第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力が実施の形態1のPL2よりもさらに高い圧力PL5になった場合、実施の形態1による膨張機3では、中間孔28の数が1つのみであるので、作動室25が中間孔28の位置に達する前に作動室25の冷媒の圧力が第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力PL5にまで低下することがあり、図9に示すように、作動室25の冷媒の過膨張が生じ、作動室25の冷媒の圧力が低圧空間の圧力PL5よりも低い圧力PL6(PL6<PL5)になることがある。この場合、図9のC1−C2−C3−C1で囲まれた面積が冷媒の過膨張による損失仕事となってしまう。
これに対して、実施の形態2による膨張機3では、図10に示すように、実施の形態1と同様に吸入過程(A→B)が行われて、作動室25の冷媒の状態がB状態となった後、密閉空間とされた作動室25の冷媒が作動室25の容積の拡大に伴って膨張して作動室25の冷媒の圧力が低下するが、作動室25の冷媒の圧力が低圧空間の圧力PL5になる前に、作動室25が中間孔62に連通するようになる。
従って、作動室25の容積がさらに拡大されて作動室25の冷媒の圧力が低圧空間の圧力PL5とほぼ等しくなった後(図10のC1状態)に圧力PL5よりも低くなろうとしても、低圧空間の冷媒が逆止弁30を通して作動室25に流入することにより、作動室25の冷媒の圧力はPL5に維持されたままになる。これにより、作動室25の冷媒の圧力がPL5に維持されたまま、作動室25の容積が拡大して最大容積V2になり、作動室25の冷媒の状態が図10のC状態になる。この後、実施の形態1と同様に吐出過程(C→D)が行われる。これにより、第2の冷媒配管8内の低圧空間の圧力が圧力PL2よりもさらに上昇した場合であっても、冷媒の過膨張の発生が防止される。
このように、冷媒が作動室25に吸入されてから吐出孔27へ吐出されるまでの間に作動室25に順次連通する複数の中間孔61,62がシリンダ20に設けられ、冷媒が第2の冷媒配管8内の低圧空間から各中間孔61,62を通して作動室25に吸入されることを個別に許容するとともに、冷媒が作動室25から各中間孔61,62を通して低圧空間へ吐出されることを個別に阻止する複数の逆止弁30が各中間孔61,62のそれぞれと第2の冷媒配管8内の低圧空間との間に設けられているので、第2の冷媒配管8内の低圧空間のより広い圧力範囲(即ち、凝縮器4のより広い温度範囲)で冷媒の過膨張の発生を防止することができ、冷媒の過膨張による損失の発生をより確実に防止することができる。これにより、膨張機3での損失をより確実に抑制することができ、より大きな回生動力を得ることができる。
なお、実施の形態3では、各逆止弁30が各中間孔61,62と各弁接続管部63a,63bとの間に設けられているが、各弁接続管部63a,63bを各中間孔61,62に接続し、各逆止弁30を各弁接続管部63a,63bの中間部に設けてよい。
また、実施の形態3では、膨張機3がベーンロータリ式膨張機とされているが、実施の形態2のスクロール型膨張機を膨張機3としてもよい。
また、各上記実施の形態では、膨張機3がベーンロータリ式膨張機又はスクロール型膨張機とされているが、例えばレシプロ式膨張機やロータリ式膨張機等を膨張機3としてもよい。
また、各上記実施の形態では、自動車用のエンジン11がランキンサイクルの熱源として用いられているが、これに限定されるものではなく、例えば定置発電機用エンジンや工場での内燃機関等をランキンサイクルの熱源として用いてもよい。
1 排熱回生システム、2 蒸発器、3 膨張機、4 凝縮器、5 ポンプ、11 エンジン(内燃機関)、20 シリンダ(収容体)、21 ロータ(変位体)、25,44 作動室(作動空間)、26,49 吸入孔、27,50 吐出孔、28,51,61,62 中間孔、30 逆止弁、41 容器、42 固定スクロール、43 旋回スクロール(変位体)。

Claims (3)

  1. 高圧空間に連通する吸入孔と、上記高圧空間よりも圧力が低い低圧空間に連通する吐出孔とが設けられた収容体、及び
    上記収容体との間に作動空間を形成し、上記収容体内で変位されることにより上記作動空間の容積を変化させる変位体
    を備え、
    上記高圧空間から上記吸入孔を通して上記作動空間に吸入された作動流体を、上記作動空間の容積が拡大する方向へ上記変位体を変位させることにより膨張させ、上記作動空間で膨張した上記作動流体を、上記作動空間の容積が縮小する方向へ上記変位体を変位させることにより上記吐出孔を通して上記低圧空間へ吐出する膨張機であって、
    上記収容体には、上記作動流体が上記作動空間に吸入されてから上記吐出孔へ吐出されるまでの間に上記作動空間と連通する中間孔が設けられ、
    上記中間孔と上記低圧空間との間には、上記作動流体が上記低圧空間から上記中間孔を通して上記作動空間に吸入されることを許容するとともに、上記作動流体が上記作動空間から上記中間孔を通して上記低圧空間へ吐出されることを阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする膨張機。
  2. 上記収容体には、上記作動流体が上記作動空間に吸入されてから上記吐出孔へ吐出されるまでの間に上記作動空間と順次連通する複数の上記中間孔が設けられ、
    各上記中間孔のそれぞれと上記低圧空間との間には、上記作動流体が上記低圧空間から各上記中間孔を通して上記作動空間に吸入されることを個別に許容するとともに、上記作動流体が上記作動空間から各上記中間孔を通して上記低圧空間へ吐出されることを個別に阻止する複数の上記逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の膨張機。
  3. 内燃機関の排熱によって上記作動流体を蒸発させ、蒸発した上記作動流体を上記高圧空間へ送る蒸発器、
    上記高圧空間からの上記作動流体を膨張させることにより回生動力を発生し、膨張した上記作動流体を上記低圧空間へ送る膨張機、
    上記低圧空間からの上記作動流体を凝縮させる凝縮器、及び
    上記凝縮器で凝縮された上記作動流体を上記蒸発器へ送るポンプ
    を備え、
    上記膨張機は、請求項1又は請求項2に記載の膨張機であることを特徴とする排熱回生システム。
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