JP6121233B2 - 無給油型スクロール膨張機及び動力発生装置 - Google Patents

無給油型スクロール膨張機及び動力発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動力(回転トルク)の発生効率を高めた無給油型スクロール膨張機、及びこの無給油型スクロール膨張機を備えた動力発生装置に関する。
近年、省エネ志向が浸透し、その一環として、温泉熱や工場排熱等の低温熱源を利用したバイナリー発電システムが注目されている。バイナリー発電システムは、低沸点の作動媒体を前記低温熱源によって加熱し、圧縮したガス状の作動媒体を膨張工程を担う流体機械に供給し、作動媒体の膨張力を回転トルクに変換することで発電を可能にしている。バイナリー発電システムは、熱サイクルとしてランキンサイクルを構成し、作動媒体を蒸発させる温熱源と蒸発した作動媒体を凝縮させる冷熱源とを必要とする。
低沸点の作動媒体として、安定した性状を有するHFC−245faなどのフロン系媒体が多く用いられている。最近は、ニーズの多様化で、汎用化及び小型化の傾向にあり、膨張工程を担う流体機械として、従来のタービン機構に代わって、スクリュー型やスクロール型などの容積型膨張機が用いられている。特に、スクロール膨張機は、膨張機として用いた場合、小型のものであっても効率良く発電できることが知られている。容積型膨張機は、機器の潤滑性と形成される閉鎖空間のシール性の維持のため、エアコンなどの冷凍機と同様に、作動媒体に潤滑油を混合して使用されることが多い。
作動媒体と潤滑油とを混合して使用することは、機器の潤滑油と閉鎖空間のシール性の維持とを両立させる上で簡易かつ有効な方法である。即ち、例えば、作動媒体に対し10〜20%の潤滑油を積極的に混合することで、閉鎖空間のシール性能を向上させると共に、閉鎖空間から流出した作動媒体と潤滑油との混合流を、軸受やオルダムリング(旋回スクロール体の自転を防止する機構の一種)のように、多量の潤滑油を必要とする機器に導き、これらの機器の潤滑性を維持している。
しかし、本来、純度の高い作動媒体を使用したほうが膨張効率が良くなる。しかし、潤滑油量を減らした場合には、潤滑不良による焼き付きや必要動力の増大に至るおそれがある。そのため、冷凍機と同様に作動媒体に潤滑油を混合して使用する場合が多い。
特許文献1には、スクロール膨張機において、作動媒体に潤滑油を混入させないことで膨張効率を高め、膨張過程で液化する作動媒体の液膜で閉鎖空間のシール性及び潤滑性を維持すると共に、オルダム継手や軸受等が設けられた駆動室には潤滑油を供給することで、これら機器の潤滑性を維持するようにした構成が開示されている。
特開2007−170288号公報
しかし、特許文献1に開示された構成では、駆動室に常時潤滑油を供給する必要があるため、大量の潤滑油が必要になると共に、潤滑油を供給するための機構を設ける必要があり、高コストとなるという問題がある。また、閉鎖空間に供給された高圧の作動媒体が固定スクロール体と旋回スクロール体との摺接面から駆動室に漏れ、駆動室に設けられた機器類の潤滑性を阻害するおそれがある。
あるいは、逆に、駆動室内の潤滑油が閉鎖空間に侵入し、作動媒体の純度を低下させ、膨張効率を低下させるおそれがある。さらには、作動媒体や潤滑油がハウジング外に漏れ出て、環境汚染やスクロール膨張機の機能低下を起こすおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑み、作動媒体に潤滑油を混入させないで膨張効率を高めると共に、閉鎖空間とハウジング内の他の空間とを分離させることで、作動媒体の純度をほぼ100%に保ちつつ、潤滑油を用いることなく、ハウジング内に設けられた機器類の潤滑性を保持することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、台板と該台板に立設された渦巻き形状のラップ部とを夫々有し、互いのラップ部が噛合するように対向配置されて作動媒体を封入する複数の三日月形状の閉鎖空間を形成し、複数の閉鎖空間のうち中心部に形成された閉鎖空間に供給された作動媒体の膨張作用によって相対的公転運動を行う一対のスクロール体と、これらスクロール体の相対的公転運動を出力軸に回転運動として伝達する駆動力変換機構とを備えたスクロール膨張機に適用される。
スクロール膨張機は、一対のスクロール体の中心部に形成された閉鎖空間にガス状の作動媒体を供給し、ガス状の作動媒体の膨張作用によって、複数の閉鎖空間をラップ部に沿って中心部から外側へ移行させながら該閉鎖空間の容積を拡大させる。この膨張力によって一対のスクロール体に相対的な公転運動が発生する。この相対的公転運動は駆動力変換機構によって出力軸の回転運動に変換される。膨張後の作動媒体はスクロール体の周辺部に設けられた排出口から外部へ排出される。
本発明のスクロール膨張機では、作動媒体供給部から潤滑油が混合されていないほぼ100%純度の作動媒体が供給される。そのため、作動媒体の膨張効率が向上する。本発明では、特許文献1と同様に、閉鎖空間に供給される作動媒体の液相部分により、閉鎖空間のシール性及び潤滑性を保持させる。
一対のスクロール体及び駆動力変換機構は、内部に密閉空間を形成するハウジングに収納される。これによって、作動媒体などがハウジング外に漏れ出るおそれがなくなり、環境汚染やスクロール膨張機の機能低下を招かない。
また、一対のスクロール体のラップ部を囲むこれらスクロール体の摺接面に環状シール部材を設けることで、閉鎖空間とハウジング内の密閉空間とを分離し、作動媒体が閉鎖空間から漏れ出るのを極力抑えることができる。これによって、作動媒体の膨張効率の低下を防止できる。
さらに、本発明のスクロール膨張機は、ハウジングの内部には、自己潤滑型軸受が設けられ、ハウジング内の密閉空間に潤滑油を供給しない。そのため、オルダムリングのように多量の潤滑油を必要とする機器類を設けない。自己潤滑型軸受は、例えば、予めグリースが封入されたグリース封入型軸受であり、あるいは、低摩擦で耐熱耐摩耗性を有する自己潤滑材料、例えばフッ素樹脂などで構成された軸受を言う。
これによって、ハウジングに潤滑油を供給するための機構が不要になり、低コスト化できる。環状シール部材は動的シール構造であり、閉鎖空間が高圧のとき環状シール部材から微量の作動媒体がハウジング内に漏れることもある。しかし、ハウジングの内部は密閉空間であるため、軸受に封入されたグリースや作動媒体がハウジング外へ漏れることはない。
本発明のスクロール膨張機は、さらに、ハウジング内部の密閉空間と膨張後の作動媒体が排出される排出口とを連通させる連通路と、密閉空間の圧力が排出口の内圧より高くなったときのみ連通路を開放する逆止機構とを備えている。これによって、ハウジング内の密閉空間に漏れ出た作動媒体ガスが排出口の作動媒体の排出圧力以上に上昇するのを防止でき、排出圧力以上となったときは排出口に回収できる。
本発明の一態様として、一対のスクロール体の一方が、ハウジングに固定された固定スクロール体であると共に、一対のスクロール体の他方が作動媒体の膨張作用によって公転運動を行う旋回スクロール体であり、駆動力変換機構は、旋回スクロール体に結合され旋回スクロール体と共に公転運動する公転軸を有し、該公転軸は公転軸の軸線に対して平行でかつ偏心した軸線を中心に回転する前記出力軸に接続され、旋回スクロール体とハウジングとの間に、旋回スクロール体の自転を防止し、自己潤滑型軸受を有する自転防止機構が設けられた構成とすることができる。
スクロール膨張機には2つのタイプがある。ひとつのタイプは、前述の構成を有し、ハウジングに固定された固定スクロール体と、固定スクロール体に対して公転運動を行う旋回スクロール体とを備えたタイプである。旋回スクロール体は偏心した公転軸を介して出力軸に接続され、旋回スクロール体の公転運動は出力軸に回転運動として伝達される。
このタイプは、固定スクロール体はハウジングに固定され、旋回スクロール体のみが公転運動を行うので、両スクロール体のラップ部を囲む摺接面のシールが容易である。
もうひとつのタイプは、互いに同期回転する駆動スクロール体及び従動スクロール体を有した両回転型のスクロール膨張機である。駆動スクロール体と従動スクロール体とは、作動媒体の膨張作用によって互いに平行でかつ偏心した軸線を中心に回転する。そして、従動スクロール体を駆動スクロール体と同期回転させる同期回転機構とを備え、旋回スクロール体は偏心した公転軸を介して出力軸に接続され、旋回スクロール体の公転運動は出力軸に回転運動として伝達される。
本発明は、前記両方のタイプのスクロール膨張機に適用できるが、特に、前者のタイプに適用されて好適である。
前記自転防止機構及び前記同期回転機構として、例えば、オルダムリング方式、ピンクランク方式、あるいはリング内をピンが案内される方式、凹部内をローラが案内される方式等がある。本発明では、多量の潤滑油を必要とするオルダムリング方式を用いない。そして、自己潤滑型軸受を用いることができるピンクランク方式等の機構を用いる。
前者のタイプに自転防止機構として適用されるピンクランク方式は、ハウジングに固定された第1の軸収納部に収納されたクランク軸と、
前記クランク軸を回転自在に支承する自己潤滑型の第1の転がり軸受と、
前記クランク軸に一体に形成されると共に、前記旋回スクロール体に固定された第2の軸収納部に収納され、軸線が前記クランク軸の軸線と平行でかつ偏心した偏心ピンと、
前記偏心ピンを回転自在に支承する自己潤滑型の第2の転がり軸受とを有するピンクランク機構とすることができる。かかる構成のピンクランク機構を用いることで、ハウジング内に潤滑油を供給する必要がなく、潤滑油供給機構が不要となり低コストとなる。
また、本発明の動力発生装置は、外部から供給される加熱媒体で作動媒体を蒸発させる蒸発器と、受動機が接続され、蒸発した作動媒体の膨張力を回転力に変換し、受動機を駆動させる膨張機と、膨張機から排出された作動媒体を外部から供給される冷却媒体によって凝縮させる凝縮機構と、凝縮した作動媒体を加圧して蒸発器に供給する循環ポンプとを備えた動力発生装置であって、膨張機が本発明の構成を有する無給油型スクロール膨張機であり、無給油型スクロール膨張機の出力軸が受動機に接続されているものである。
本発明の動力発生装置は、ランキンサイクルを構成し、低温熱源から効率良く動力を発生できる。また、本発明の無給油型スクロール膨張機を備えたことで、さらに前記作用効果を得ることができる。
受動機は、例えば、無給油型スクロール膨張機の出力軸に結合されたロータ軸を有し、該出力軸の回転によって電力を回生する発電機である。受動機を発電機とすることで、低温熱源を用い、低コストで効率良い発電が可能になる。
なお、受動機は、発電機以外に、例えば、スクロール膨張機を駆動するモータであってもよく、この場合、スクロール膨張機で発生した駆動力(トルク)をモータの補助動力として用いることもできる。
本発明によれば、低コストで、機器類の安定した潤滑性を維持しながら、スクロール膨張機の膨張効率を向上できる。
本発明の一実施形態に係るバイナリー発電システムの系統図である。 前記バイナリー発電システムに設けられた無給油型スクロール膨張機の縦断面図である。 図2中のA部拡大断面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態を図1〜図3により説明する。図1は、動力発生装置としてのバイナリー発電システム10を示している。図1において、作動媒体wが循環する閉ループの作動媒体循環路12に、蒸発器14と、本発明に係る無給油型スクロール膨張機16と、凝縮器20とが設けられている。作動媒体wとして、例えばHFC−245faなどのフロン系媒体が用いられる。無給油型スクロール膨張機16は出力軸を介して発電機18と接続されている。蒸発器14には、熱媒体hが循環する熱媒体循環路24が接続されている。蒸発器14で液状の作動媒体wは熱媒体hと熱交換し、熱媒体hから吸熱して蒸発する。
熱媒体hとして、温泉の温熱源を吸収した熱媒体、工場排熱若しくはエンジン排熱を吸収した熱媒体、又は太陽熱を吸収した熱媒体等からなる低温の熱媒体が用いられる。
蒸発して高圧となった作動媒体wは、作動媒体循環路12から無給油型スクロール膨張機16に入る。作動媒体wは、無給油型スクロール膨張機16で断熱膨張し、その膨張力で発電機18のロータ軸を駆動し、電力を回生する。凝縮器20には冷却媒体cが循環する冷却媒体循環路26が接続されている。無給油型スクロール膨張機16で断熱膨張した後の作動媒体wは、凝縮器20で冷却媒体cと熱交換し、冷却媒体cによって冷却されて凝縮する。凝縮した作動媒体wは、循環ポンプ22で蒸発器14に送られる。
バイナリー発電は、ランキンサイクルを構成し、低温熱源でも発電できる反面、作動媒体が閉ループを循環する熱サイクルであるため、冷熱源を用いた凝縮工程を必要とする。凝縮工程は、一般的には、熱交換器を用いて、作動媒体と冷却水とを熱交換させて、作動媒体を凝縮させ、凝縮した作動媒体を液ポンプで蒸発器に送る工程となる。冷熱源として、地下水、河川水、水道水等が用いられ、冷熱源の冷却手段として冷却塔、チラー等が使われていることが多い。
次に、図2及び図3により、無給油型スクロール膨張機16の構成を説明する。図2において、無給油型スクロール膨張機16のハウジングは、直径が小さい中空円筒形のハウジング30と、直径が大きい中空円筒形のハウジング32とで構成されている。ハウジング30とハウジング32とは互いにボルト結合されている。ハウジング30の上端に、発電機18の構成機器を内蔵したケーシング34がボルト結合され、ハウジング32の下端に固定スクロール体36がボルト結合されている。ハウジング32の下端面に当接した固定スクロール体36の外周側正面には環状のOリング溝が形成されている。該Oリング溝にフッ素樹脂等からなり耐食性を有する継ぎ目の無いOリング38が挿入され、ハウジング32の内部は密閉空間c2が形成されている。また、ハウジング30の内部も同様に密閉空間が形成されている。なお、Oリング溝はハウジング32に形成してもよい。
固定スクロール体36は、ほぼ円形の台板40と台板40から正面側に立設された渦巻き形状のラップ部42とを有している。旋回スクロール体50が固定スクロール体36に対向配置されている。旋回スクロール体50はほぼ円形の台板52と台板52から正面側(固定スクロール体36に対向する側)に立設された渦巻き形状のラップ部54とを有している。両ラップ部42及び54は互いに噛合して複数の三日月形状の閉鎖空間c1を形成している。両ラップ部の先端面には渦巻き形状のシール溝が形成され、該シール溝にフッ素樹脂等からなる自己潤滑性のチップシール58が挿入され、閉鎖空間c1のシール性能を保持している。固定スクロール体36及び旋回スクロール体50の背面に多数の冷却フィン44及び56が突設されている。
固定スクロール体36の台板40の中心部には、複数の閉鎖空間c1のうち中心部に形成された閉鎖空間c1に作動媒体wを供給する供給口46が形成され、台板40の外周部には、膨張して仕事を終えた作動媒体wが排出される排出口48が形成されている。
両ラップ部42及び54の半径方向外側で、旋回スクロール体50の台板52が摺接する固定スクロール体36の外周側正面に、両ラップ部42及び54を囲む環状のシール溝60が刻設され、シール溝60に環状シール62が挿入されている。環状シール62によって複数の閉鎖空間c1に供給された作動媒体wがハウジング32の内部に形成された密閉空間c2に漏れるのを防止している。
旋回スクロール体50の背面には支持プレート64がボルト結合されている。支持プレート64の背面64aの中心部には、ボス部66が一体に形成されている。ボス部66の内部に偏心軸68が配置され、偏心軸68はころ軸受70によって回転自在に支承されている。ころ軸受70には予めグリースが封入されている。ころ軸受70の入口側のボス部66と偏心軸68との間に、環状のグリース漏れ止め用シール72が介装され、グリース漏れ止め用シール72によって、ころ軸受70に封入されたグリースが外部へ漏れ出るのを防止している。
偏心軸68は、出力軸74と一体に形成されている。偏心軸68の軸線a1と出力軸74の軸線a2とは、互いに平行でかつ半径方向へtだけ偏心している。偏心軸68と出力軸74との間には、これらと一体にカウンタウェイト76が形成されている。ハウジング30の内部中央に、円筒形の軸収納部78がハウジング30と一体に形成されている。軸収納部78の内部に2個の玉軸受80が収納され、出力軸74は、2個の玉軸受80に回転自在に支承されている。2個の玉軸受80には予めグリースが封入されている。2個の玉軸受80の両側入口に環状のグリース漏れ止め用シール81が設けられ、グリース漏れ止め用シール81によって、玉軸受80に封入されたグリースが外部に漏れ出るのを防止している。
かかる構成により、閉鎖空間c1に供給された作動媒体wの膨張作用で生起する旋回スクロール体50の旋回運動は、出力軸74に回転運動として伝達される。
出力軸74は発電機18のロータ軸82に同一軸線上で結合されている。ケーシング34の内部で、ロータ軸82の周囲にはロータ軸82と共に回転するロータ84が設けられ、ロータ84の周囲にステータ86が設けられている。ロータ軸82の両端は玉軸受88及び90で回転自在に支承されている。
次に、旋回スクロール体50の自転を防止する自転防止機構であるピンクランク機構92の構成を説明する。ピンクランク機構92は、ハウジング32の周方向に120°間隔で3個配設されている。ハウジング32に形成された軸収納部94の内部にクランク軸96が配置され、クランク軸96は、軸収納部94の内部に配置された2個の玉軸受98で回転自在に支承されている。クランク軸96は、ワッシャーを介してクランク軸96に螺合したボルト100で玉軸受98から脱落するのを防止されている。2個の玉軸受98には予めグリースが封入されており、軸収納部94の入口に設けられた環状のグリース漏れ止め用シール102で、グリースが玉軸受98から漏れ出るのを防止している。
軸線がクランク軸96の軸線と平行で、かつ偏心軸68と同様に半径方向へtだけ偏心した偏心ピン106がクランク軸96と一体に形成されている。また、支持プレート64の背面に軸収納部104が一体に形成され、偏心ピン106は軸収納部104の内部に挿入されている。軸収納部104の内部で、偏心ピン106は2個の玉軸受108によって回転自在に支承されている。玉軸受108には予めグリースが封入されている。軸収納部104の入口には環状のグリース漏れ止め用シール110が設けられ、グリース漏れ止め用シール110によって、玉軸受108に封入されたグリースが外部へ漏れ出るのを防止している。
かかる構成において、蒸発器14で蒸発して高圧となり、作動媒体wは、作動媒体供給部として機能する作動媒体循環路12から供給口46に供給される。供給口46に供給される作動媒体wは潤滑油を含まないものである。作動媒体wは供給口46から固定スクロール体36及び旋回スクロール体50の中心部に形成された閉鎖空間c1に供給される。閉鎖空間c1に供給された作動媒体wの膨張作用により、閉鎖空間c1は拡大しながらラップ部に沿って外側へ移動する。この作動媒体wの膨張力によって旋回スクロール体50が旋回(公転運動)する。旋回スクロール体50は、ピンクランク機構92によって自転が阻止され、公転運動のみ行う。
旋回スクロール体50が公転運動を行うと、その公転運動が偏心軸68を介して出力軸74に回転運動として伝達される。出力軸74が回転することで、発電機18のロータ軸82及びロータ84が回転し、回生電力が発生する。
なお、密閉空間c2に潤滑油は供給されない。そして、閉鎖空間c1では、閉鎖空間c1に供給される作動媒体wの液相部分により、シール性及び潤滑性が保持される。
排出口48は作動媒体循環路12に接続され、仕事を終えて排出口48から排出された作動媒体wは作動媒体循環路12を通って凝縮器20に送られる。本実施形態では、ハウジング32内の密閉空間c2と排出口48に接続された作動媒体循環路12とに接続された連通路112が設けられている。連通路112には、密閉空間c2の圧力が排出口48の作動媒体圧より高くなったときのみ連通路112を開放する逆止弁114が設けられている。
次に、図3により、環状シール62の構成を説明する。図3において、旋回スクロール体50の台板52が摺接する固定スクロール体36の外周側正面36aに環状のシール溝60が刻設され、シール溝60に環状シール62が嵌合されている。環状シール62は、環状のバックアップチューブ118と、バックアップチューブ118の上に配置された四角断面を有する環状の摺動部材116とで構成されている。摺動部材116は、低摩擦で耐熱耐摩耗性を有する自己潤滑材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のやや硬質のフッ素樹脂、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等で構成されている。
バックアップチューブ118は、環状を有し、シリコーン樹脂又はフッ素ゴム等の良好なシール性を有する弾性材料で構成されている。
摺動部材116は固定スクロール体36の外周側正面36aからわずかに突出するように配置することで、旋回スクロール体50の台板52に押圧される。これによって、旋回スクロール体50と摺接する外周側正面36aの良好なシール性能を得ることができる。
なお、シール溝60は、外周側正面36aと摺接する旋回スクロール体50の台板52の正面に形成してもよい。
本実施形態によれば、作動媒体循環路12から潤滑油が混合されていないほぼ100%純度の作動媒体wが供給されるため、作動媒体wの膨張効率が向上する。
また、環状シール62は動的シール構造であり、閉鎖空間c1が高圧のとき環状シール62から微量の作動媒体がハウジング内に漏れることもある。しかし、ハウジング32の内部は密閉空間であるため、軸受に封入されたグリースや作動媒体wがハウジング外へ漏れることはない。そのため、環境汚染や無給油型スクロール膨張機16の機能低下を招かない。
また、環状シール62を設けることで、閉鎖空間c1と密閉空間c2とを分離し、作動媒体wが閉鎖空間c1から漏れ出るのを極力抑えることができる。これによって、作動媒体wの膨張効率の低下を防止できる。
また、ハウジング30及び32の内部に設けられた軸受は、すべてグリース封入型の軸受であり、密閉空間c2に潤滑油を供給しないため、潤滑油を供給するための機構が不要になり、低コスト化できる。
また、連通路112及び逆止弁114が設けられているので、密閉空間c2に漏れ出たガス状の作動媒体wが排出口48の作動媒体wの排出圧力以上に上昇するのを防止でき、密閉空間c2が排出圧力以上となったときは排出口48に回収できる。
また、本実施形態では、固定スクロール体36はハウジング32に固定され、旋回スクロール体50のみが公転運動を行うので、両スクロール体のラップ部を囲む摺接面のシールが容易である。
また、自転防止機構として、ピンクランク軸機構92を設け、ピンクランク軸機構92はグリース封入型の玉軸受98及び108を有しているので、潤滑性能を保持できると共に、潤滑油供給機構が不要となり低コストとなる。
さらに、バイナリー発電システム10は、ランキンサイクルを構成し、低温熱源を用いて効率良く発電できる。
本発明によれば、低コストで、機器類の安定した潤滑性を維持しながら、膨張効率を向上できる無給油型スクロール膨張機及び該無給油型スクロール膨張機を用いた効率良い動力発生装置を実現できる。
10 バイナリー発電システム(動力発生装置)
12 作動媒体循環路(作動媒体供給部)
14 蒸発器
16 無給油型スクロール膨張機
18 発電機
20 凝縮器
22 循環ポンプ
24 熱媒体循環路
26 冷却媒体循環路
30、32 ハウジング
34 ケーシング
36 固定スクロール体
36a 外周側正面
38 Oリング
40、52 台板
42、54 ラップ部
44、56 冷却フィン
46 供給口
48 排出口
50 旋回スクロール体
58 チップシール
60 シール溝
62 環状シール
64 支持プレート
64a 背面
66 ボス部
68 偏心軸
70 ころ軸受
72、81、102、110 グリース漏れ止め用シール
74 出力軸
76 カウンタウェイト
78、94、104 軸収納部
80、88、90、98、108 玉軸受
82 ロータ軸
84 ロータ
86 ステータ
92 ピンクランク機構
96 クランク軸
100 ボルト
106 偏心ピン
112 連通路
114 逆止弁
116 摺動部材
118 バックアップチューブ
a1、a2 軸線
c 冷却媒体
c1 閉鎖空間
c2 密閉空間
h 熱媒体
w 作動媒体

Claims (5)

  1. 台板と該台板に立設された渦巻き形状のラップ部とを夫々有し、互いのラップ部が噛合するように対向配置されて作動媒体を封入する複数の閉鎖空間を形成し、前記複数の閉鎖空間のうち中心部に形成された閉鎖空間に供給された作動媒体の膨張作用によって相対的公転運動を行う一対のスクロール体と、
    前記一対のスクロール体の相対的公転運動を出力軸に回転運動として伝達する駆動力変換機構とを備えた無給油型スクロール膨張機において、
    前記複数の閉鎖空間のうち中心部に形成された閉鎖空間に作動媒体のみを供給する作動媒体供給部と、
    前記一対のスクロール体及び前記駆動力変換機構を内蔵し、内部に密閉空間を形成するハウジングと、
    前記一対のスクロール体のラップ部を囲む前記一対のスクロール体の摺接面に設けられた環状シール部材と、
    前記ハウジング内部の密閉空間と前記閉鎖空間で膨張した後の作動媒体が排出される排出口とを連通させる連通路と、
    前記連通路に設けられ、前記密閉空間の圧力が前記排出口の内圧より高くなったときのみ前記連通路を開放する逆止機構とを備え、
    前記ハウジングの内部に設けられた軸受は自己潤滑型軸受であることを特徴とする無給油型スクロール膨張機。
  2. 前記一対のスクロール体の一方が、前記ハウジングに固定された固定スクロール体であると共に、前記一対のスクロール体の他方が前記作動媒体の膨張作用によって公転運動を行う旋回スクロール体であり、
    前記駆動力変換機構は、前記旋回スクロール体に結合され前記旋回スクロール体と共に公転運動する公転軸を有し、該公転軸は該公転軸の軸線に対して平行でかつ偏心した軸線を中心に回転する前記出力軸に接続され、
    前記旋回スクロール体と前記ハウジングとの間に、前記旋回スクロール体の自転を防止し、自己潤滑型軸受を有する自転防止機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の無給油型スクロール膨張機。
  3. 前記自転防止機構は、
    前記ハウジングに固定された第1の軸収納部に収納されたクランク軸と、
    前記クランク軸を回転自在に支承する自己潤滑型の第1の転がり軸受と、
    前記クランク軸に一体に形成されると共に、前記旋回スクロール体に固定された第2の軸収納部に収納され、軸線が前記クランク軸の軸線と平行でかつ偏心した偏心ピンと、
    前記偏心ピンを回転自在に支承する自己潤滑型の第2の転がり軸受とを有するピンクランク機構であることを特徴とする請求項2に記載の無給油型スクロール膨張機。
  4. 外部から供給される加熱媒体で作動媒体を蒸発させる蒸発器と、
    受動機が接続され、蒸発した作動媒体の膨張力を回転力に変換し、前記受動機を駆動させる膨張機と、
    前記膨張機から排出された作動媒体を外部から供給される冷却媒体によって凝縮させる凝縮機構と、
    凝縮した作動媒体を加圧して前記蒸発器に供給する循環ポンプとを備えた動力発生装置において、
    前記膨張機が請求項1〜3のいずれかの項に記載の無給油型スクロール膨張機であり、前記出力軸が前記受動機に接続されていることを特徴とする動力発生装置。
  5. 前記受動機は、
    前記出力軸が結合されたロータ軸を有し、前記出力軸の回転によって電力を回生する発電機であることを特徴とする請求項4に記載の動力発生装置。
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