JP2012202214A - 圧縮機 - Google Patents

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JP2012202214A JP2011064437A JP2011064437A JP2012202214A JP 2012202214 A JP2012202214 A JP 2012202214A JP 2011064437 A JP2011064437 A JP 2011064437A JP 2011064437 A JP2011064437 A JP 2011064437A JP 2012202214 A JP2012202214 A JP 2012202214A
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Abstract

【課題】モータに対して下から上へ流れる高圧ガス流体が吐出管から吐出される圧縮機において、吐出管からケーシング外へ流出する潤滑油の油量を低減すること。
【解決手段】圧縮機(1)は、クランク軸(34)における駆動モータ(30)のロータ(32)の上方に設けられたバランスウェイト(35)と、バランスカバー(45)とを備え、ステータ(31)は、ロータ(32)の側方からバランスカバー(45)の側方に亘って形成される一方、ロータ(32)の側面部との間に圧縮冷媒が流れる第1流路(47)を形成する第1内側面(31b)と、第1内側面(31b)よりも径方向の外側に形成されてバランスカバー(45)の外側面板(45b)との間に圧縮冷媒が流れる第2流路(48)を形成する第2内側面(31c)とを備え、バランスカバー(45)は、側面部(45b)の下端部(45d)が第1内側面(31b)よりも径方向の外側に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関し、特に、吐出管から潤滑油が流出する、いわゆる油上がりの防止対策に係るものである。
従来より、スクロール型の圧縮機構を備えた圧縮機が、空気調和装置などの冷凍サイクルを行う冷凍装置に広く用いられている。
このような圧縮機としては、例えば、特許文献1、2に開示されているように、密閉されたケーシング内にスクロール型の圧縮機構とモータとが収容され、上記圧縮機構がクランク軸によってモータに連結された圧縮機の構成が知られている。
具体的には、図3に示すように、圧縮機(a)は、上下方向に延びる円筒状の胴部と、該胴部の上下端部にそれぞれ設けられた碗状の鏡板とによって構成されたケーシング(g)を備え、該ケーシング(g)の内部に圧縮機構(b)とクランク軸(d)の軸受(e)とモータ(c)とが設けられている。軸受(e)は、圧縮機構(b)とモータ(c)との間に設けられている。一方、圧縮機構(b)には、冷媒の吸入管(f)が接続され、ケーシング(g)の胴部には圧縮した冷媒を該ケーシング(g)の外に吐出するための吐出管(h)が接続されている。この吐出管(h)は、圧縮機構(b)とモータ(c)との間、すなわちモータ(c)の上方の高圧空間に配置されている。また、圧縮機構(b)で圧縮した冷媒は、フレーム(l)より下方の高圧空間に吐出される。尚、ケーシング(g)内において、上端に設けられた鏡板と圧縮機構(b)とフレーム(l)とで囲まれる空間は低圧空間に形成されている。
この構成により、吸入管(f)より吸入された冷媒は、モータ(c)によって駆動される圧縮機構(b)内で圧縮された後、フレーム(l)より下方に吐出され、吐出管(h)から吐出される。一方、上記ケーシング(g)の底部には潤滑油の油溜め部(図示なし)が形成されている。この油溜め部内の潤滑油は、給油通路を介して軸受(e)等の摺動部に供給される。そして、この軸受(e)に供給された潤滑油は、軸受(e)の下端から漏れ出して上記油溜め部(図示なし)に戻るようになっている。
特開2003−293955号公報 特開平9−79153号公報
ところで、上記圧縮機(a)のケーシング(g)内のうち、フレーム(l)より下方の高圧空間では、高圧の冷媒ガス以外にも、ミスト状、若しくは液状の潤滑油が充満している。そして、上記ケーシング(g)内の高圧空間において、モータ(c)の下方の空間から上昇する高圧の冷媒ガスは、上記モータ(c)のステータ(i)とロータ(j)との間の隙間(エアギャップ(k))を通ってモータ(c)の上方へと移動する。このため、ケーシング(g)内の高圧空間に充満する潤滑油のうち、比較的直径の小さいものは、冷媒ガスの流れにのって、そのまま上記エアギャップ(k)を通過し、モータ(c)の上方に抜け、上記吐出管(h)からケーシング(g)の外部へ吐出されるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、モータに対して下から上へ流れる高圧ガス流体が吐出管から吐出される圧縮機において、吐出管からケーシング外へ流出する潤滑油の油量を低減することを目的とする。
第1の発明は、ケーシング(10)内に、ロータ(32)及びステータ(31)を有するモータ(30)と、該モータ(30)のロータ(32)に連結されるクランク軸(34)と、該クランク軸(34)を介してロータ(32)に接続される圧縮機構(20)とが収容され、上記モータ(30)よりも下方に圧縮流体が流れる一方、該モータ(30)よりも上方に上記圧縮流体を上記ケーシング(10)の外部に導く吐出管(18)が設けられた圧縮機であって、上記クランク軸(34)における上記モータ(30)のロータ(32)の上方に設けられたバランスウェイト(35)と、該バランスウェイト(35)を覆うカバー部材(45)とを備え、上記ステータ(31)は、上記ロータ(32)の側方から上記カバー部材(45)の側方に亘って形成される一方、上記ロータ(32)の側面部との間に上記圧縮流体が流れる流体通路(47)を形成する第1の内側面部(31b)と、上記第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成されて上記カバー部材(45)の側面部(45b)との間に上記圧縮流体が流れる迂回通路(48)を形成する第2の内側面部(31c)とを備え、上記カバー部材(45)は、該カバー部材(45)の側面部(45b)の下端部(45d)が上記第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成されている。
上記第1の発明では、モータ(30)の回転に伴ってクランク軸(34)が回転し、これにより圧縮機構(20)で流体が圧縮する。圧縮した流体は、ステータ(31)及びロータ(32)の側方を通過してケーシング(10)内のモータ(30)よりも下方に流れ、その後、該モータ(30)に対して下方から上方へ流れ、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ吐出される。
ステータ(31)は、ロータ(32)の側方から、その上方のカバー部材(45)に亘って形成されている。そして、ステータ(31)は、ロータ(32)の側面部と対向する部分に第1の内側面部(31b)を有し、カバー部材(45)の側面部(45b)と対向する部分に第2の内側面部(31c)を有している。ステータ(31)の第1の内側面部(31b)とロータ(32)の側面部との間には流体通路(47)が形成され、第2の内側面部(31c)とカバー部材(45)の側面部(45b)との間には迂回通路(48)が形成されている。ステータ(31)は、第2の内側面部(31c)が第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成され、カバー部材(45)は、側面部(45b)の下端部(45d)が第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成されている。
ここで、ケーシング(10)内では、圧縮流体と共にミスト状の潤滑油が、ステータ(31)とロータ(32)との間の流体通路(47)を下方から上方に通過する。流体通路(47)を流出した圧縮流体は、カバー部材(45)によって、その流れが乱される。そして、流れが乱された圧縮流体は、カバー部材(45)の側面部(45b)の外側へ流れて迂回通路(48)に流入し、該迂回通路(48)を通過する。このとき、圧縮流体と共に流れるミスト状の潤滑油は、カバー部材(45)の下端部(45d)や側面部(45b)、又はステータ(31)の第2の内側面部(31c)に衝突、又は接触し、圧縮流体から分離して液膜化する。液膜化した潤滑油は、重力によってケーシング(10)内の下方に落下する。すなわち、上記流体通路(47)を構成するステータ(31)の第1の内側面部(31b)よりも外側にカバー部材(45)の下端部(45d)が配置されているため、流体通路(47)を通過する圧縮流体及び潤滑油が、直接、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ吐出されることがない。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記カバー部材(45)の下端部(45d)には、上記流体通路(47)から流出した圧縮流体を該カバー部材(45)の内部に導くための開口部(45c)が形成されている。
上記第2の発明では、圧縮流体とともに流体通路(47)を通過する潤滑油は、開口部(45c)を介してカバー部材(45)の内部に流入する。圧縮流体とともにカバー部材(45)の内部に流入した潤滑油は、カバー部材(45)の内面、又はバランスウェイト(35)の外面に衝突、又は接触し、圧縮流体から分離して液膜化する。液膜化した潤滑油は、重力によってカバー部材(45)の開口部(45c)から流出してケーシング(10)内の下方に落下する。すなわち、カバー部材(45)の下端部(45d)に開口部(45c)が形成されているため、この開口部(45c)から圧縮流体及び潤滑油をカバー部材(45)の内部へ取り込むことができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記カバー部材(45)は、上記バランスウェイト(35)との間に、内部に流入させた圧縮流体が流れる隙間(52)を形成するように構成されている。
上記第3の発明では、圧縮流体とともに流体通路(47)を通過する潤滑油は、開口部(45c)からカバー部材(45)の内部に流入し、カバー部材(45)とバランスウェイト(35)との間の隙間(52)を流れる。そして、圧縮流体と共に隙間(52)を流れる潤滑油は、該隙間(52)におけるカバー部材(45)の内面、又はバランスウェイト(35)の外面に衝突、又は接触し、圧縮流体から分離して液膜化する。液膜化した潤滑油は、重力によってカバー部材(45)の開口部(45c)から流出してケーシング(10)内の下方に落下する。すなわち、カバー部材(45)とバランスウェイト(35)との間の隙間(52)により、カバー部材(45)の内部に取り込む圧縮流体及び潤滑油の量が増加する。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記カバー部材(45)は、上記開口部(45c)から流入させた圧縮流体を該カバー部材(45)の外部に排出させるための排出部を備えている。
上記第4の発明では、圧縮流体とともに流体通路(47)を通過する潤滑油は、開口部(45c)からカバー部材(45)の内部に流入し、カバー部材(45)の内面、又はバランスウェイト(35)の外面に衝突、又は接触し、圧縮流体から分離して液膜化する。一方、カバー部材(45)の内部で潤滑油が分離した圧縮流体は、排出部からカバー部材(45)の外部へ流出する。これにより、カバー部材(45)を通過する圧縮流体の循環が生じるため、潤滑油を分離した圧縮流体をカバー部材(45)から排出しつつ、潤滑油を含んだ圧縮流体を新たにカバー部材(45)の内部へ取り込むことができる。
上記第1の発明によれば、カバー部材(45)の下端部(45d)をステータ(31)の第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に配置したため、流体通路(47)を流れ出た圧縮流体の流れを乱すことができる。つまり、ミスト状の潤滑油が直接、吐出管(18)から吐出されるのを防止することができる。このため、ミスト状の潤滑油を含んだ圧縮流体をカバー部材(45)の側面部(45b)や下端部(45d)、又はバランスウェイト(35)の底部に衝突させることができる。
また、迂回通路(48)を設けたため、該迂回通路(48)にカバー部材(45)によって流れを乱された圧縮流体及び潤滑油を流入させることができる。このため、ミスト状の潤滑油を含んだ圧縮流体をステータ(31)の第2の内側面部(31c)及びカバー部材(45)の側面部(45b)に衝突又は接触させることができる。つまり、流体通路(47)を流れ出た圧縮流体の流れを乱すだけでなく、圧縮流体が迂回通路(48)を通過することで、より多くの潤滑油を圧縮流体から分離することができる。
これらにより、圧縮流体から潤滑油を分離して該潤滑油を液膜化することができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量を低減させることができる。すなわち、油上がりを低減させることができる。
また、上記第1の発明によれば、ステータ(31)に第2の内側面部(31c)を形成したため、バランスウェイト(35)とカバー部材(45)の高さ位置をステータ(31)と略同じ高さに位置付けることができる。つまり、バランスウェイト(35)及びカバー部材(45)をステータ(31)よりも上方に設けることなく、カバー部材(45)の側面部(45b)の下端部(45d)を第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成することができる。これにより、ケーシング(10)の高さ方向の寸法が大きくなるのを防止することができる。この結果、圧縮機(1)を小型化することができる。
上記第2の発明によれば、開口部(45c)を設けたため、圧縮流体とともに流体通路(47)を流れるミスト状の潤滑油をカバー部材(45)の内部へ流入させることができる。このため、ミスト状の潤滑油をカバー部材(45)の内面、及びバランスウェイト(35)の外面に衝突、又は接触させることができる。これにより、潤滑油を圧縮流体から分離して液膜化させることができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量をより低減させることができる。すなわち、油上がりを低減することができる。
上記第3の発明によれば、カバー部材(45)とバランスウェイト(35)との間に圧縮流体及び潤滑油が流れる隙間(52)を形成したため、圧縮流体と共にカバー部材(45)の内部に取り込む潤滑油量を増やすことができる。これにより、カバー部材(45)とバランスウェイト(35)との間で液膜化される潤滑油量を増やすことができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量をより低減させることができる。すなわち、油上がりを低減することができる。
上記第4の発明によれば、流入させた圧縮流体を外部に排出させるための排出部を設けたため、潤滑油が分離された圧縮流体をカバー部材(45)の外部に導くことができる。つまり、カバー部材(45)の内部に取り込む圧縮流体を循環させることができる。このため、カバー部材(45)の内部に流入させる圧縮流体及び潤滑油量を増やすことができる。これにより、カバー部材(45)とバランスウェイト(35)との間で液膜化される潤滑油量を増やすことができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量をより低減させることができる。すなわち、油上がりを低減することができる。
実施形態に係る圧縮機の内部構造を示す断面図である。 実施形態に係るバランスカバーの近傍を拡大して示す断面図である。 従来例に係る圧縮機の内部構造を示す概略の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るスクロール型圧縮機(1)(以下、圧縮機(1))は、例えば、空気調和装置等の蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に用いられるものであって、本発明に係る圧縮機を構成している。この圧縮機(1)は、密閉ドーム型のケーシング(10)の内部に、圧縮機構(20)と、該圧縮機構(20)を駆動する駆動モータ(30)とを備えている。
上記ケーシング(10)は、上下方向に延びる円筒状に形成された胴部(11)と、該胴部(11)の上下端部にそれぞれ設けられた碗状の鏡板(12,13)とによって構成されている。胴部(11)には、上下方向に延びる軸線を有する円筒状に形成されている。胴部(11)には、吐出管(18)が接続されている。また、上側の鏡板(12)には、吸入管(17)が接続されている。そして、上記圧縮機構(20)は、上側の鏡板(12)及び胴部(11)に取付固定されている。一方、上記駆動モータ(30)は、圧縮機構(20)の下方の胴部(11)に取付固定されている。また、
上記ケーシング(10)内は、圧縮機構(20)によって、上側の低圧側室(15)と、下側の高圧側室(16)とに区画され、高圧側室(16)に駆動モータ(30)が設けられている。また、上記ケーシング(10)内の底部は、潤滑油を貯留する油溜め部(14)を構成している。
上記圧縮機構(20)は、流体である冷媒を圧縮する圧縮スクロール型の圧縮機構を構成している。圧縮機構(20)は、フレーム(23)、固定スクロール(21)、可動スクロール(22)、及びカバープレート(26)を備えている。
上記フレーム(23)は、その下端側が駆動モータ(30)の上方の高圧側室(16)に露出するように配置されている。フレーム(23)は、その上部がケーシング(10)の胴部(11)に内嵌しながら固定されている。フレーム(23)とケーシング(10)とは、全周に亘って気密に密着している。
また、フレーム(23)の上部中央には、下方に凹んだ凹部(23a)が形成されている。また、フレーム(23)の下部には、クランク軸(34)を回転自在に支持する第1軸受(41)が形成されている。
上記固定スクロール(21)は、フレーム(23)によって下側から支持されている。固定スクロール(21)は、鏡板(21a)と、該鏡板(21a)の下面に一体に形成された渦巻状(インボリュート状)のラップ(21b)と、ラップ(21b)の外周側に形成される筒部(21c)を有して構成されている。固定スクロール(21)の筒部(21c)には、上記吸入管(17)の流出端が貫通して接続されている。
上記可動スクロール(22)は、固定スクロール(21)とフレーム(23)との間に配置されている。可動スクロール(22)は、鏡板(22a)と、該鏡板(22a)の上面に一体に形成された渦巻状(インボリュート状)のラップ(22b)とを有して構成されている。すなわち、可動スクロール(22)は、上記フレーム(23)に形成された凹部(23a)内のスラスト軸受(24)を介して可動スクロール(22)が配設されている。また、上記鏡板(22a)の下面中央から下方に延びるボス部(22c)には、クランク軸(34)の偏心部(34a)が挿入連結されている。
また、可動スクロール(22)は、オルダム継手(54)を介してフレーム(23)に支持されると共に、クランク軸(34)の上端が嵌入され、このクランク軸(34)の回転により自転することなくフレーム(23)内を公転するようになっている。
上記固定スクロール(21)の鏡板(21a)と可動スクロール(22)の鏡板(22a)との間には、両ラップ(21b,22b)の接触部の間が圧縮室(25)として区画形成されている。この圧縮室(25)は、可動スクロール(22)の回転に伴い、内部空間が回転中心に向かって収縮して、冷媒を圧縮するように構成されている。
上記固定スクロール(21)には、吸入口(図示省略)と、吐出口(27)とが形成されている。吸入口は、筒部(21c)に形成されており、その流入端が吸入管(17)の下端と接続している。吸入口の流出端は、上記圧縮室(25)の周縁部に形成されている。吐出口(27)は、鏡板(21a)の軸心部を貫通するように形成され、圧縮室(25)の中心位置に臨んでいる。
更に、固定スクロール(21)の鏡板(21a)の上面側には、拡大凹部(28)が形成されている。拡大凹部(28)は、上記吐出口(27)の上方に形成され、その下端部が吐出口(27)と繋がっている。拡大凹部(28)の上端には、上記カバープレート(26)が設けられている。カバープレート(26)は、締結部材によって鏡板(21a)に固定されている。この結果、拡大凹部(28)とカバープレート(26)との間には、吐出口(27)からの高圧のガス冷媒が流出するチャンバー室(29)が形成される。尚、この高圧のガス冷媒は、本発明に係る圧縮流体を構成している。また、カバープレート(26)と鏡板(21a)とは、図示しないパッキンを介して密着し、シールされている。チャンバー室(29)は、吐出口(27)と接続するマフラー空間を構成している。
上記圧縮機(1)には、ケーシング(10)内の圧縮機構(20)に吐出ガス通路(図示なし)が形成されている。吐出ガス通路は、一端が吐出口(27)と分岐するように繋がり、他端が高圧側室(16)と繋がっている。
また、高圧側室(16)には、冷媒通路板(53)が設けられている。この冷媒通路板(53)は、吐出ガス通路の流出端と後述するモータ冷却通路(33)の流入端との間に配置されている。
また、上記圧縮機構(20)と駆動モータ(30)との間における第1軸受(41)の近傍、すなわち該駆動モータ(30)の上方には、ケーシング(10)の内外を連通するように吐出管(18)が設けられている。これにより、圧縮機構(20)で圧縮された高圧のガス冷媒は、ケーシング(10)内の高圧側室(16)から吐出管(18)を介してケーシング(10)の外部へ吐出される。
上記駆動モータ(30)は、圧縮機構(20)の駆動源であって、本発明に係るモータを構成している。この駆動モータ(30)は、高圧側室(16)に収容されている。駆動モータ(30)は、インバータ出力周波数が制御されることで、クランク軸(34)の回転速度を調節可能に構成されている。つまり、圧縮機(1)は、回転速度が可変なインバータ式の圧縮機を構成している。
駆動モータ(30)は、固定子を構成するステータ(31)と、回転子を構成するロータ(32)とを有して構成されている。ステータ(31)は、ステータ本体(31d)と、該ステータ本体(31d)の上下端に巻線が装着されて設けられるステータコイル端部(31a,31e)とを有して構成されている。ステータ本体(31d)は、筒状に形成されてケーシング(10)の胴部(11)の内周面に固定されている。
また、ステータ(31)の外周面には、ステータ(31)の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数箇所にコアカット部が切欠形成されている。ステータ(31)の外周面にコアカット部が形成されていることにより、胴部(11)とステータ(31)との間にモータ冷却通路(33)が形成されている。このモータ冷却通路(33)は、ステータ(31)とケーシング(10)の胴部(11)の内面との間の冷媒通路板(53)の流出端に対応する部分に設けられた通路である。このモータ冷却通路(33)は、冷媒通路板(53)を流出した高圧のガス冷媒が下方に向かって通過するように構成されている。また、上方側のステータコイル端部(31a)は、巻線が装着されてステータ本体(31d)の上方に設けられ、ステータ(31)の上端部を構成している。ステータコイル端部(31a)の上方には、モータプロテクタ(55)が設けられている。このモータプロテクタ(55)は、緊急時等において圧縮機(1)の動作を停止させる停止手段を構成するものである。ステータコイル端部(31a)の内面部は、図1及び図2に示すように、下方から上方にかけて形成される第1内側面(31b)と第2内側面(31c)とで構成されている。
上記第1内側面(31b)は、ステータコイル端部(31a)のうち、ロータ端部(32a)の外側面(32b)と対向する側面であって、本発明に係る第1の内側面部を構成している。第1内側面(31b)は、ステータ本体(31d)の内面と略同一線上に位置している。
上記第2内側面(31c)は、ステータコイル端部(31a)のうち、バランスカバー(45)の外側面板(45b)と対向する側面であって、本発明に係る第2の内側面部を構成している。ステータコイル端部(31a)において、第2内側面(31c)は、第1内側面(31b)よりも径方向の外側に形成されている。つまり、ステータコイル端部(31a)の内側面は、ロータ端部(32a)の外側面(32b)と対向する第1内側面(31b)と、該第1内側面(31b)の上方で外側に凹んで形成される第2内側面(31c)とで構成されている。そして、第1内側面(31b)と第2内側面(31c)とは滑らかな斜面によって連続して接続されている。ステータコイル端部(31a)に、第2内側面(31c)を形成することで、後述するバランスカバー(45)及びバランスウェイト(35)をステータコイル端部(31a)と略同じ高さに配置することができる。こうすることで、ケーシング(10)の上下方向(高さ方向)の寸法が大きくなるのを抑制することができる。
上記ロータ(32)は、ロータ本体(32c)と、該ロータ本体(32c)の上下端に設けられるロータ端部(32a,32d)とを有して構成されている。ロータ本体(32c)は、ステータ(31)の内側に、回転自在に嵌合しており、その軸心部位にクランク軸(34)が貫通して連結されている。上方側のロータ端部(32a)は、ロータ本体(32c)の上方に設けられ、ロータ(32)の上端部を構成している。
ステータ(31)とロータ(32)との間には、エアギャップ(46)及び第1流路(47)が形成されている。具体的には、ステータ本体(31d)とロータ本体(32c)との間に、エアギャップ(46)が形成され、ステータコイル端部(31a)とロータ端部(32a)との間に、第1流路(47)が形成されている。
上記エアギャップ(46)は、ステータ本体(31d)とロータ本体(32c)との間に形成され、圧縮機構(20)で圧縮された高圧のガス冷媒が流れる隙間である。このエアギャップ(46)は、ステータ本体(31d)の側方とロータ本体(32c)の側方との間で上下方向に延びて形成されている。上記吐出ガス通路から高圧側室(16)の冷媒通路板(53)を通じて駆動モータ(30)の下方へ吐出された高圧のガス冷媒は、エアギャップ(46)を通過することで駆動モータ(30)の下方側から上方側へと流れる(図1及び図2の白矢印参照)。
上記第1流路(47)は、エアギャップ(46)を流出した高圧のガス冷媒が流れる流体通路であって、本発明に係る流体通路を構成している。図1及び図2に示すように、第1流路(47)は、ステータコイル端部(31a)の側方とロータ端部(32a)の側方との間で上下方向に延びて形成されている。この第1流路(47)は、ステータコイル端部(31a)の第1内側面(31b)とロータ端部(32a)の外側面(32b)との間に形成されている。第1流路(47)には、エアギャップ(46)の流出端と接続され、該エアギャップ(46)を下方から上方に流れる高圧のガス冷媒が流入するように構成されている。
上記クランク軸(34)は、ロータ(32)が固定される本体部(34b)と、該本体部(34b)の上端に一体に設けられた偏心部(34a)とから構成されている。該偏心部(34a)は、本体部(34b)の軸心から所定量だけ偏心していて、上記圧縮機構(20)に連結されている。
上記クランク軸(34)の駆動モータ(30)と圧縮機構(20)との間には、バランスウェイト(35)が設けられている。このバランスウェイト(35)は、クランク軸(34)の重心と回転中心とが一致するように、クランク軸(34)に一体に設けられ、該バランスウェイト(35)は、クランク軸(34)の本体部(34b)と略同心の円弧状の外周面を有し、上下方向に延びて所定厚さになるように形成されている。
また、駆動モータ(30)の上方及び下方には、クランク軸(34)を回転自在に支持するための第1軸受(41)及び第2軸受(42)が設けられている。上記第1軸受(41)は、胴部(11)の上部に取付固定されているフレーム(23)の下端に設けられ、駆動モータ(30)と圧縮機構(20)との間に位置している。一方、上記第2軸受(42)は、胴部(11)の下部に取付固定されている支持部材(43)に設けられている。このようにして、上記クランク軸(34)は、第1軸受(41)及び第2軸受(42)によって支持されている。
また、駆動モータ(30)の下方の空間には、その底部に上述した油溜め部(14)が設けられる一方、油ポンプ(38)が配設されている。この油ポンプ(38)は、胴部(11)に固定される一方で、クランク軸(34)の下端に取り付けられ、油溜め部(14)に貯留された潤滑油を汲み上げるように構成されている。クランク軸(34)には給油通路(37)が軸方向に形成されており、油ポンプ(38)により汲み上げられた潤滑油は、この給油通路(37)を通じて圧縮機構(20)やクランク軸(34)等へ供給されるようになっている。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、上記クランク軸(34)の駆動モータ(30)と圧縮機構(20)との間に位置する上記バランスウェイト(35)が、バランスカバー(45)によって覆われている。
上記バランスカバー(45)は、バランスウェイト(35)を覆うカバーであって、本発明に係るカバー部材を構成している。バランスカバー(45)は、一端側のみが塞がれた有底筒状の部材であって、上面板(45a)と外側面板(45b)とで構成されている。
上記上面板(45a)は、クランク軸(34)の本体部(34b)と同心の円形状に形成され、中央部には、クランク軸(34)の本体部(34b)を挿通させるための開口が形成されている。そして、上面板(45a)は、バランスウェイト(35)の上面を覆っている。
上記外側面板(45b)は、クランク軸(34)の本体部(34b)と同心の円筒状に形成されている。外側面板(45b)の内径は、バランスウェイト(35)の外径よりも大きくなるように形成され、外周部は、ステータコイル端部(31a)の第1内側面(31b)よりも径方向の外方に配置されている。このため、外側面板(45b)の下端部(45d)は、第1内側面(31b)よりも径方向の外側に配置される。また、外側面板(45b)は、その下端に開口端(45c)が形成されている。この外側面板(45b)は、本発明に係る側面部を構成し、開口端(45c)は、本発明に係る開口部を構成している。バランスカバー(45)は、第1軸受(41)側から上記バランスウェイト(35)を覆うように、すなわち上記上面板(45a)が上面となるように配設され、外側面板(45b)が側面となるように配置されている。
上記バランスカバー(45)は、バランスウェイト(35)を内部に収容した状態でバランスウェイト(35)の上面にボルト(51)により予め固定される。したがって、バランスウェイト(35)の外面とバランスカバー(45)の内面(詳しくは、外側面板(45b)の内面)との間には、所定の隙間(52)が形成されている。
以上より、上記バランスカバー(45)を設けることにより、該バランスカバー(45)がない場合に比べて、クランク軸(34)の回転に伴うバランスウェイト(35)の攪拌抵抗を低減することができる。
また、バランスカバー(45)とステータコイル端部(31a)との間には、高圧ガス冷媒の第2流路(48)が形成されている。具体的に、第2流路(48)は、バランスカバー(45)の外側面板(45b)とステータコイル端部(31a)の第2内側面(31c)との間に形成されている。
上記第2流路(48)は、上記第1流路(47)の流出端と接続され、該第1流路(47)を下から上に流れる高圧ガス冷媒の一部が流れるように構成されている。
ここで、高圧ガス冷媒とともに高圧側室(16)からエアギャップ(46)を上方へ流れるミスト状の潤滑油の一部は、第1流路(47)を通過してバランスカバー(45)の開口端(45c)からバランスウェイト(35)との隙間(52)へ流入する。そして、バランスカバー(45)の内側では、ミスト状の潤滑油がバランスカバー(45)の内面(詳しくは、外側面板(45b)の内面)、又はバランスウェイト(35)に衝突、又は接触し、高圧ガス冷媒から分離して液膜化される。液膜化した潤滑油は重力によって下方へ落下し、バランスカバー(45)の開口端(45c)から外部へ流出した後、駆動モータ(30)の鉄芯表面や巻線表面を伝って落下してケーシング(10)の下部の油溜め部(14)まで戻る。
一方、高圧のガス冷媒とともに高圧側室(16)からエアギャップ(46)を上方へ流れるミスト状の潤滑油の残りは、バランスカバー(45)の外側面板(45b)の下端部(45d)へ衝突し、ガス冷媒から分離して液膜化しつつ、外側に流れが変わって第2流路(48)へ流入する。そして、第2流路(48)では、ミスト状の潤滑油がバランスカバー(45)の外側面板(45b)やステータコイル端部(31a)の第2内側面(31c)に衝突、又は接触し、高圧のガス冷媒から分離して液膜化される。液膜化された潤滑油は、高圧ガス冷媒から分離し、重力によって下方に落ちて、駆動モータ(30)の鉄芯表面や巻線表面を伝って流れてケーシング(10)の下部の油溜め部(14)に戻る。
−運転動作−
次に、このスクロール型圧縮機(1)の運転動作について説明する。尚、図1及び図2において、白矢印は冷媒の流れを示しており、黒矢印は潤滑油の流れを示している。
まず、駆動モータ(30)を駆動すると、クランク軸(34)が回転し、可動スクロール(22)は自転することなく、固定スクロール(21)に対して旋回運動する。
この可動スクロール(22)の旋回運動により、低圧の冷媒は、吸入管(17)から吸入口を介して圧縮室(25)の周縁部に吸引され、該冷媒が圧縮室(25)の容積変化に伴って圧縮される。該圧縮室(25)で圧縮された高圧ガス冷媒は、圧縮室(25)の中央の吐出口(27)よりチャンバー室(29)へ流出する。チャンバー室(29)内の冷媒は、吐出ガス通路を通過して高圧側室(16)に流出する。そして、高圧側室(16)へ流出した冷媒は、冷媒通路板(53)内に流入し、下方のモータ冷却通路(33)に流入して更に下方へ流れる(図1の白矢印参照)。
モータ冷却通路(33)を流出して油溜め部(14)側へ送られた冷媒は、その流れ方向が反転にして上昇流れとなる。この冷媒は、エアギャップ(46)及び第1流路(47)を上方に流れ、第2流路(48)を通過して高圧側室(16)の上方へ移動し、吐出管(18)から吐出される(図1の白矢印参照)。そして、この高圧ガス冷媒は、冷媒回路において、凝縮、膨張、蒸発の各工程を行った後、再度吸入管(17)から吸入されて圧縮される。
一方、油溜め部(14)の潤滑油は、油ポンプ(38)により汲み上げられて給油通路(37)を上昇する。給油通路(37)の上端まで汲み上げられた潤滑油は、第1軸受(41)や圧縮機構(20)の各摺動部分へ供給される。圧縮機構(20)の摺動部分に供給された潤滑油は、フレーム(23)の凹部(23a)からステータ(31)と胴部(11)との間の隙間や、ステータ(31)とロータ(32)との間のエアギャップ(46)を通過して、再び油溜め部(14)へ戻る(図1の黒矢印参照)。
このように、ケーシング(10)の下方部には、油溜め部(14)が設けられており、且つ上述したように摺動部分に潤滑油が供給されるため、該ケーシング(10)内には潤滑油が充満している。したがって、高圧ガス冷媒の流れに伴って、ミスト状の潤滑油は、ステータ(31)と胴部(11)との間の隙間や、該ステータ(31)とロータ(32)との間のエアギャップ(46)を上方に向かって流れる。
そして、高圧ガス冷媒と共に、エアギャップ(46)を流れるミスト状の潤滑油の一部は、バランスカバー(45)の開口端(45c)からバランスカバー(45)の内側へ流入する。そして、バランスカバー(45)の内側では、ミスト状の潤滑油がバランスカバー(45)の内側面(詳しくは、外側面板(45b)の内面)、又はバランスウェイト(35)に衝突、又は接触し、高圧のガス冷媒から分離されて液膜化する。液膜化した潤滑油は、重力によって下方へ落下し、バランスカバー(45)の開口端(45c)から外部へ流出した後、そのまま落下し、駆動モータ(30)の鉄芯表面や巻線表面を伝って流れてケーシング(10)の下部の油溜め部(14)まで戻る。
一方、高圧ガス冷媒とともに高圧側室(16)からエアギャップ(46)を上方へ流れるミスト状の潤滑油の残りは、バランスカバー(45)の下端部(45d)によって、流れが乱されて第2流路(48)へ流入する。この際、第2流路(48)では、ミスト状の潤滑油がバランスカバー(45)の外側面板(45b)や、ステータコイル端部(31a)の第2内側面(31c)に衝突、又は接触し、高圧のガス冷媒と分離されて液膜化する。液膜化した潤滑油は、重力によって下方に落下し、駆動モータ(30)の鉄芯表面や巻線表面を伝って流れてケーシング(10)の下部の油溜め部(14)に戻る。
−実施形態の効果−
上記本実施形態によれば、バランスカバー(45)の下端部(45d)をステータコイル端部(31a)の第1内側面(31b)よりも径方向の外側に配置したため、第1流路(47)を流れ出た高圧のガス冷媒の流れを乱すことができる。つまり、ミスト状の潤滑油が直接、吐出管(18)から吐出されるのを防止することができる。このため、ガス冷媒及びミスト状の潤滑油をバランスカバー(45)の外側面板(45b)、又は下端部(45d)やバランスウェイト(35)の底部に衝突させることができる。
また、第2流路(48)を設けたため、該第2流路(48)にバランスカバー(45)によって流れを乱された高圧のガス冷媒及び潤滑油を流入させることができる。このため、ミスト状の潤滑油を含んだガス冷媒をステータ(31)の第2内側面(31c)及びバランスカバー(45)の外側面板(45b)に衝突又は接触させることができる。つまり、第1流路(47)を流れ出た高圧のガス冷媒の流れを乱すだけでなく、ガス冷媒が迂回通路(48)を通過することで、より多くの潤滑油をガス冷媒から分離することができる。
これらにより、ガス冷媒から潤滑油を分離して該潤滑油を液膜化することができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量を低減させることができる。すなわち、油上がりを低減させることができる。
また、上記本実施形態によれば、ステータコイル端部(31a)に第2内側面(31c)を形成したため、バランスウェイト(35)及びバランスカバー(45)をステータコイル端部(31a)と略同じ高さに配置することができる。つまり、バランスウェイト(35)及びバランスカバー(45)をステータコイル端部(31a)よりも上方に設けることなく、バランスカバー(45)を配置することができる。これにより、ケーシング(10)の高さ方向の寸法が大きくなるのを防止することができる。この結果、圧縮機(1)を小型化することができる。
さらに、開口端(45c)を設けたため、ガス冷媒と共に第1流路(47)を流れるミスト状の潤滑油をバランスカバー(45)の内部へ流入させることができる。このため、ミスト状の潤滑油をバランスカバー(45)の内面、及びバランスウェイト(35)の外面に衝突、又は接触させることができる。これにより、潤滑油をガス冷媒から分離して液膜化させることができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量をより低減させることができる。すなわち、油上がりを低減することができる。
最後に、バランスカバー(45)とバランスウェイト(35)との間にガス冷媒及び潤滑油が流れる隙間(52)を形成したため、ガス冷媒と共にバランスカバー(45)の内部に取り込む潤滑油量を増やすことができる。これにより、バランスカバー(45)とバランスウェイト(35)との間で液膜化される潤滑油量を増やすことができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量をより低減させることができる。すなわち、油上がりを低減することができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、バランスウェイト(35)を上方から覆うバランスカバー(45)を用いたが、本発明はこれに限られず、バランスカバー(45)の側面等に内部の冷媒を外部へ排出するための排出口を形成するようにしてもよい。この排出口は、本発明に係る排出部を構成している。
具体的には、高圧ガス冷媒とともに第1流路(47)を通過する潤滑油は、開口端(45c)からバランスカバー(45)の内部に流入し、バランスカバー(45)の内面、又はバランスウェイト(35)の外面で冷媒と分離されて液膜化する。
一方、バランスカバー(45)の内部で潤滑油が分離した高圧ガス冷媒は、排出口からバランスカバー(45)の外部へ流出する。これにより、バランスカバー(45)内を高圧ガス冷媒が循環するため、潤滑油を分離した高圧ガス冷媒をバランスカバー(45)から排出しつつ、潤滑油を含んだ高圧ガス冷媒を新たにバランスカバー(45)の内部へ取り込むことができる。
その他の実施形態によれば、流入させた高圧ガス冷媒を外部に排出させるための排出口を設けたため、潤滑油が分離された高圧ガス冷媒をバランスカバー(45)の外部に導くことができる。つまり、バランスカバー(45)の内部に取り込むガス冷媒を循環させることができる。このため、バランスカバー(45)の内部に流入させる高圧ガス冷媒及び潤滑油量を増やすことができる。これにより、バランスカバー(45)とバランスウェイト(35)との間で液膜化される潤滑油量を増やすことができる。この結果、吐出管(18)からケーシング(10)の外部へ流出する潤滑油量をより低減させることができる。すなわち、油上がりを低減することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧縮機において、吐出管からケーシング外へ流出する潤滑油の油量を低減する手段について有用である。
10 ケーシング
18 吐出管
20 圧縮機構
31 ステータ
31b 第1内側面
31c 第2内側面
32 ロータ
33 モータ
34 クランク軸
35 バランスウェイト
45 バランスカバー
45c 開口端
45d (バランスカバーの)下端部
47 第1流路
48 第2流路
52 隙間

Claims (4)

  1. ケーシング(10)内に、ロータ(32)及びステータ(31)を有するモータ(30)と、該モータ(30)のロータ(32)に連結されるクランク軸(34)と、該クランク軸(34)を介してロータ(32)に接続される圧縮機構(20)とが収容され、
    上記モータ(30)よりも下方に圧縮流体が流れる一方、該モータ(30)よりも上方に上記圧縮流体を上記ケーシング(10)の外部へ導く吐出管(18)が設けられた圧縮機であって、
    上記クランク軸(34)における上記モータ(30)のロータ(32)の上方に設けられたバランスウェイト(35)と、該バランスウェイト(35)を覆うカバー部材(45)とを備え、
    上記ステータ(31)は、上記ロータ(32)の側方から上記カバー部材(45)の側方に亘って形成される一方、上記ロータ(32)の側面部との間に上記圧縮流体が流れる流体通路(47)を形成する第1の内側面部(31b)と、上記第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成されて上記カバー部材(45)の側面部(45b)との間に上記圧縮流体が流れる迂回通路(48)を形成する第2の内側面部(31c)とを備え、
    上記カバー部材(45)は、該カバー部材(45)の側面部(45b)の下端部(45d)が上記第1の内側面部(31b)よりも径方向の外側に形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記カバー部材(45)の下端部(45d)には、上記流体通路(47)から流出した圧縮流体を該カバー部材(45)の内部に導くための開口部(45c)が形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記カバー部材(45)は、上記バランスウェイト(35)との間に、内部に流入させた圧縮流体が流れる隙間(52)を形成するように構成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項2又は3において、
    上記カバー部材(45)は、上記開口部(45c)から流入させた圧縮流体を該カバー部材(45)の外部に排出させるための排出部が形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
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