JP2012202210A - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

内燃機関の始動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012202210A
JP2012202210A JP2011064422A JP2011064422A JP2012202210A JP 2012202210 A JP2012202210 A JP 2012202210A JP 2011064422 A JP2011064422 A JP 2011064422A JP 2011064422 A JP2011064422 A JP 2011064422A JP 2012202210 A JP2012202210 A JP 2012202210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring gear
outer race
internal combustion
plate
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011064422A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Sugimura
一昭 杉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011064422A priority Critical patent/JP2012202210A/ja
Publication of JP2012202210A publication Critical patent/JP2012202210A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】小型化を図ることのできる内燃機関の始動装置を提供する。
【解決手段】この装置は、クランクシャフト2に固定されるアウターレースプレート12と、始動用モータ40の回転軸42に連結されるリングギヤプレート16と、アウターレースプレート12およびリングギヤプレート16の間に設けられるワンウェイクラッチ30とを備える。この装置では、軸方向においてシリンダブロック4、リングギヤプレート16、アウターレースプレート12の順に並んでいる。リングギヤプレート16の強制回転時には、リングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛合部分に作用する力によって同リングギヤプレート16が軸方向におけるアウターレースプレート12側に付勢される。リングギヤプレート16の回転停止時には、グリスシール34の弾性力によって同リングギヤプレート16が軸方向におけるシリンダブロック4側に付勢される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機の駆動による機関出力軸の強制回転を通じて機関始動を行う内燃機関の始動装置に関するものである。
一般に、車両用の内燃機関には、始動用の電動機の駆動力をクランクシャフトなどの機関出力軸に伝達するための始動装置が設けられている。そうした始動装置としては、例えばアウターレースプレートや、リングギヤプレート(伝達部材)、ワンウェイクラッチなどを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この始動装置では、アウターレースプレートが機関出力軸に設けられて同機関出力軸と一体回転するようになっている。またリングギヤプレートは、機関出力軸に対して回転可能に設けられる一方、電動機の回転軸に連結されている。さらにワンウェイクラッチは、アウターレースプレートとリングギヤプレートとの間に設けられて、それらの間における回転力の伝達のうち、リングギヤプレート(詳しくは電動機)からアウターレースプレート(詳しくは機関出力軸)への回転力の伝達のみを許容するようになっている。
こうした始動装置では、機関始動要求に基づいて電動機が駆動されるとワンウェイクラッチが係合状態になり、このとき同電動機の回転力がワンウェイクラッチを介して機関出力軸に伝達される。そして、内燃機関が完爆状態になると、換言すれば電動機の力を借りることなく内燃機関が自律回転するようになると、ワンウェイクラッチが開放状態になり、これによって機関出力軸と電動機との駆動連結が解除される。
特開2007−32498号公報
上述した始動装置は、内燃機関の本体(詳しくは、そのシリンダブロック)とリングギヤプレートとアウターレースプレートとが機関出力軸の軸方向において並んだ状態で配設された構造になっている。そして、機関本体は回転せず、リングギヤプレートは始動開始から始動完了までの期間において機関出力軸と一体に回転し、アウターレースプレートは機関運転時において機関出力軸と一体に回転する。
そのため上記始動装置では、機関本体とリングギヤプレートとが始動開始から始動完了までの期間において相対回転するようになり、またリングギヤプレートとアウターレースプレートとが始動完了後の機関運転時において相対回転するようになる。
上記始動装置では、そうした相対回転が許容されるように各部材(機関本体やリングギヤプレート、アウターレースプレート)の製造公差なども考慮して、機関本体とリングギヤプレートとの間やリングギヤプレートとアウターレースプレートとの間に所定の間隙が形成される。そうした間隙を必要とする構造は、内燃機関を中心とする機関システムの小型化、ひいては同機関システムの搭載性の向上を図るうえでは、これを妨げる一因となるために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図ることのできる内燃機関の始動装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の始動装置は、内燃機関の出力軸に設けられて一体回転するアウターレースプレートと、内燃機関の出力軸に対して同一の回転中心で相対回転可能に設けられるとともに機関始動用の電動機の回転軸に連結される伝達部材とを備えている。また、アウターレースプレートおよび伝達部材の間に設けられてそれらの間における回転力伝達のうちの伝達部材からアウターレースプレートへの回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを備えている。そして、内燃機関、伝達部材およびアウターレースプレートは、内燃機関の出力軸の軸方向において同内燃機関、伝達部材、アウターレースプレートの順に並んだ状態で配設されている。
上記装置では、内燃機関の始動に際して電動機が駆動されて伝達部材が強制回転される際に、伝達部材が、第1付勢手段によって機関出力軸の軸方向における前記アウターレースプレート側に付勢されるようになる。このときアウターレースプレート(あるいは、伝達部材と対向するようにアウターレースプレートに固定された部材)と伝達部材との間隙が小さくなる(あるいは無くなる)ものの、それらアウターレースプレートおよび伝達部材が一体に回転する状況であるため、同間隙の縮小に起因する不都合は発生しない。
また、内燃機関の運転が停止されたり始動が完了したりして伝達部材の回転が停止したときには、同伝達部材が、第2付勢手段によって機関出力軸の軸方向における前記内燃機関側に付勢されるようになる。このとき、内燃機関(あるいは、伝達部材と対向するように内燃機関に固定された部材)と伝達部材との間隙が小さくなる(あるいは無くなる)ものの、それら内燃機関および伝達部材が共に回転しない状況であるために、同間隙の縮小に起因する不都合はやはり発生しない。
このように上記装置によれば、伝達部材を、内燃機関とアウターレースプレートとの間において上記間隙の縮小による不都合が発生しない側に選択的に移動させることができる。そのため、伝達部材を移動させない装置においてアウターレースプレートと伝達部材との間や伝達部材と内燃機関との間にそれぞれ十分な間隙を設定するものと比較して、それら部材間に設定される間隙の和を小さくすることができる。これにより、機関出力軸の軸方向における内燃機関とアウターレースプレートとの距離を短くすることができるため、始動装置の小型化を図ることができるようになる。
請求項2に記載の始動装置では、前記伝達部材の外周部分にその全周にわたってリング形状で延びるリングギヤが形成されるとともに、電動機の回転軸にリングギヤと噛合する駆動ギヤが設けられる。それらリングギヤおよび駆動ギヤにはそれぞれ斜歯が形成されており、その斜歯は、電動機の駆動に際して伝達部材をアウターレースプレート側に付勢する力をリングギヤと駆動ギヤとの噛合部分に発生させる形状に形成されている。
こうした装置によれば、電動機が駆動されて駆動ギヤとリングギヤとの噛み合いを通じて伝達部材が強制回転される際に、同伝達部材を、内燃機関の出力軸の軸方向におけるアウターレースプレート側に付勢することができるようになる。
請求項3に記載の始動装置によれば、伝達部材を、その回転停止時においては第2付勢手段により付勢することによって内燃機関側に移動させるとともに、強制回転時においては第2付勢手段による付勢力に抗して第1付勢手段によって付勢してアウターレースプレート側に移動させることができる。
請求項4に記載の始動装置では、前記第2付勢手段として、伝達部材とアウターレースプレートとの間に弾性体が配設される。こうした装置によれば、弾性体の弾性力によって伝達部材がアウターレースプレートから離間する方向、すなわち内燃機関に近接する方向に常時付勢される構造にすることができる。
相対回転する二つの部材間にシール部材が設けられる場合、シール部材は、その端部が少なくとも二つの部材のうちの一方に対して摺動しつつ押し付けられた状態になっている。したがって、シール部材によって二つの部材が互いに離間するように常時付勢された状態になっている。
請求項5に記載の始動装置によれば、伝達部材とアウターレースプレートとの間隙を介した流体の漏れをシールするべく同間隙を塞ぐようにシール部材が設けられた装置において、同シール部材を第2付勢手段として利用して、伝達部材が内燃機関側に常時付勢される構造にすることができる。
本発明を具体化した一実施形態にかかる内燃機関の始動装置の断面構造を示す断面図。 ワンウェイクラッチ周辺の断面構造を拡大して示す拡大断面図。 図2のA−A線に沿った断面構造を模式的に示す断面図であって、(a)機関始動時の状態の一例を示す断面図、(b)機関始動後の状態の一例を示す断面図。 ワンウェイクラッチ周辺の断面構造を拡大して示す拡大断面図。 リングギヤおよび駆動ギヤに形成される斜歯の形状を示す略図。 リングギヤと駆動ギヤとの噛合部分に作用する力を示す略図。
以下、本発明にかかる始動装置を車載内燃機関に具体化した一実施形態について説明する。
なお以下では、図1に示す内燃機関1の前側(図1における右側)を単に「前側」と称し、内燃機関1の後側(図1における左側)を単に「後側」と称する。また、鉛直方向上側(図1における上側)を単に「上側」と称し、鉛直方向下側(図1における下側)を単に「下側」と称する。さらに、クランクシャフト2の径方向において、その回転中心軸線Cに近接する側を単に「内側」と称し、回転中心軸線Cから離間する側を単に「外側」と称する。また、クランクシャフト2の回転中心軸線Cに沿った方向を単に軸方向と称する。
図1に示すように、内燃機関1のシリンダブロック4の下部にはクランクベアリングキャップ6が取り付けられている。このクランクベアリングキャップ6の下方にはオイルを貯留するためのオイルパン8が取り付けられている。
内燃機関1の後部には、シリンダブロック4の下部に形成された断面半円形状で延びる溝とクランクベアリングキャップ6の上部に形成された断面半円形状で延びる溝とにより、断面円形状で延びるジャーナル軸受部が形成されている。このジャーナル軸受部にはクランクベアリング7が取り付けられており、このクランクベアリング7によってクランクシャフト2のジャーナル2bが回転可能な状態で支持されている。なお、クランクシャフト2は、その後端部2aがシリンダブロック4の後部から後側に突出した状態で配設されている。
シリンダブロック4の後端の下部には、略円弧形状で後方に向けて突出する形状の嵌合部4aが形成されている。また上記オイルパン8の後端の上部には、略円弧形状で後方に向けて突出する形状の嵌合部8aが形成されている。そして、それら嵌合部4a,8aの内部には略円筒形状に形成されたリテーナ10が嵌合されている。
このリテーナ10は、軸方向において前側から後側に向けて外径が二段階に縮径された形状に形成されている。リテーナ10におけるこれら外径を構成する部位を、前側から順に、大径部10aおよび小径部10bと称する。なお、これら大径部10aおよび小径部10bは内径が同一の形状に形成されており、大径部10aの外周面が上記嵌合部4a,8aに嵌合した状態になっている。
クランクシャフト2の後端部2aより前側の部分には、その周囲全周にわたって外方に向けて突出する形状の大径部2cが形成されている。この大径部2cの外周面と上記リテーナ10の内周面との間にはリング形状で延びる空間(以下、内側対向空間S2)が区画形成されている。この内側対向空間S2には、内燃機関1側からのオイルの流入を阻止するためのオイルシール24が設けられている。
リテーナ10の小径部10bの外周面には、円筒形状の第1ブッシュ26が嵌挿されている。この第1ブッシュ26の外周には、略円盤形状をなすとともにその中心部に孔が形成された伝達部材としてのリングギヤプレート16が回転可能に支持されている。リングギヤプレート16の内縁部には、後側に向けて略円筒形状で延びる形状のインナーレース部18が形成されている。またリングギヤプレート16の外周部分には、その全周にわたってリング形状で延びるリングギヤ16aが設けられている。
リングギヤ16aには、機関始動用の電動機(以下、始動用モータ40)の回転軸42に固定された駆動ギヤ44が常時噛合している。なお、上記始動用モータ40には内燃機関1の始動に際して図示しない車載バッテリから電力が供給されるようになっている。
クランクシャフト2の大径部2cの後側の部分には、略円盤形状に形成されるとともにその中心部に孔が形成されたアウターレースプレート12が固定されている。このアウターレースプレート12は、その内周面がクランクシャフト2の後端部2aの外周面に対向するとともに、その前側の端面が大径部2cの後側の端面に当接している。また、アウターレースプレート12の外縁部には、前側に向けて略円筒形状で延びる形状のアウターレース部14が形成されている。このアウターレース部14の内周面と上記インナーレース部18の外周面とは全周にわたり対向している。
アウターレースプレート12のアウターレース部14とリングギヤプレート16のインナーレース部18とはワンウェイクラッチ30の一部を構成している。このワンウェイクラッチ30は、アウターレースプレート12(詳しくは、クランクシャフト2)とリングギヤプレート16(詳しくは、始動用モータ40)との間における回転力伝達のうちのリングギヤプレート16からアウターレースプレート12への回転力伝達のみを許容する。なお、ワンウェイクラッチ30の具体構成については後に詳述する。
クランクシャフト2の後端部2aにおける上記アウターレースプレート12より後側の部分には、略円盤形状に形成されるとともにその中心部に孔が形成されたフライホイール20が固定されている。なお、クランクシャフト2の大径部2cには軸方向に沿って延びる雌ねじ2dが複数形成されている。また、アウターレースプレート12およびフライホイール20には、複数の雌ねじ2dに対応する位置に、軸方向に沿って延びる貫通孔12a,20aがそれぞれ形成されている。そして、ボルト22を貫通孔12a,20aに挿通した状態で雌ねじ2dに締結固定することにより、アウターレースプレート12およびフライホイール20がクランクシャフト2に一体に締結固定される。
以下、ワンウェイクラッチ30の構造について詳細に説明する。
図2にワンウェイクラッチ30周辺の断面構造を拡大して示し、図3に図2のA−A線に沿った断面構造を模式的に示す。
ワンウェイクラッチ30としては、いわゆるラチェット式のものが採用されている。具体的には、図2および図3に示すように、ワンウェイクラッチ30はクランクシャフト2と連動して回転する複数の爪片32と、始動用モータ40の回転軸42(図1参照)に連動して回転するとともに爪片32が係合する係合部18aとを有している。
複数の爪片32は、アウターレース部14の内周面とインナーレース部18の外周面との対向空間(以下、外側対向空間S1)に、その周方向において所定角度間隔で並ぶように配設されている。また外側対向空間S1には、爪片32とアウターレース部14との間に、爪片32を内側(インナーレース部18側)に向けて付勢するばね33が配設されている。
図3に示すように、アウターレース部14の内周面には、爪片32が収納される凹部14aとばね33が収納されるばね収納部14bとが、各凹部14aおよび各ばね33に対応してそれぞれ形成されている。凹部14aの内部には爪片32が、その一端(基端部32a)が凹部14aの内壁面と摺動可能な状態であり、且つ同基端部32aの摺動に伴って他端(先端部32b)が傾動するようになる状態で配設されている。ばね収納部14bは、インナーレース部18の回転方向(図3における時計回り方向)における凹部14aより後側の部分に形成されている。ばね収納部14bの内部には、爪片32の先端部32bを同ばね収納部14b(詳しくは、アウターレース部14)から離間する方向に常時付勢するように、ばね33が配設されている。
一方、インナーレース部18の外周面には、複数の係合部18aが等角度間隔で形成されている。各係合部18aとしては、インナーレース部18の外周面の周方向において延びる凹部であって、且つインナーレース部18の回転方向前側に向かうに連れて深さが浅くなる形状の凹部が形成される。各係合部18aには、インナーレース部18の回転方向後側の端部には、上記爪片32が係合可能な段差が形成されている。
図2および図3に示すように、ワンウェイクラッチ30を構成する部材および部位は、始動用モータ40の回転軸42と連動して回転するグループ(以下、グループA)と、クランクシャフト2と連動して回転するグループ(以下、グループB)とに大別される。このうちグループAは、リングギヤプレート16や、インナーレース部18、係合部18aによって構成される。またグループBは、アウターレースプレート12や、アウターレース部14、爪片32、ばね33によって構成される。
始動用モータ40の回転軸42の回転力は先ず、インナーレース部18および係合部18aが一体に形成されたリングギヤプレート16に伝達される。そして、爪片32と係合部18aとが係合した状態(図3(a)に示す状態)である場合には、リングギヤプレート16に伝達された回転力が爪片32を介してアウターレース部14を含むアウターレースプレート12に伝達されて、最終的にはクランクシャフト2に伝達される。
図2に示すように、アウターレースプレート12の前側端面において凹部14a(図3参照)の内部にあたる部分には、前方に向けて突出する形状の突出部14cが形成されている。この突出部14cの先端に爪片32の後側端面が当接することにより、同爪片32の凹部14a内における後側への移動が規制されている。
アウターレース部14の前側端部には、内方側の部分が外方側の部分より窪んだ形状の段差部14eが形成されている。この段差部14eはアウターレース部14の全周にわたって延びる円形状に形成されている。段差部14eには、円盤形状の金属板からなる基部34aを備えたグリスシール34が圧入されている。グリスシール34は、その基部34a後側端面が爪片32の前側端面に当接する状態で配設される。そのため、このグリスシール34によって爪片32の前側への移動が規制されるようになっている。
またグリスシール34には、弾性材料(具体的には、軟質の合成ゴム)により形成された弾性体としてのリップ部34bが一体に設けられている。このリップ部34bは、グリスシール34の全周にわたって延びる形状であり、且つ前側に突出する形状に形成されている。リップ部34bは、その先端がリングギヤプレート16の後側の面に押し付けられた状態になっている。
本実施形態では、外側対向空間S1の内部に、爪片32が傾動する部分の潤滑を行うためのグリスが充填されている。上記グリスシール34は、アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間隙を塞ぐように設けられて同間隙を介したグリスの漏れを防いだり外側からのダスト等の異物の侵入を防いだりするシール部材として機能する。
アウターレースプレート12の前側端面においてインナーレース部18に対向する部位には凹部14dが形成されており、この凹部14dには第2ブッシュ28が取り付けられている。本実施形態では、この第2ブッシュ28にインナーレース部18の後側端面が当接することによって同インナーレース部18の後側の移動が規制されるようになっている。また、インナーレース部18の前側端面はリテーナ10の大径部10aの後側端面と対向している。本実施形態では、この大径部10aにインナーレース部18の前側端面が当接することによって同インナーレース部18の前側の移動が規制されるようになっている。このようにインナーレース部18は、第2ブッシュ28の前側端面とリテーナ10の大径部10aの後側端面との双方によって軸方向における移動が規制されている。
こうしたワンウェイクラッチ30は以下のように作動する。
先ず、内燃機関1を始動するべく始動用モータ40の駆動が開始されると、このとき内燃機関1が自律運転状態になっておらず機関回転速度NEが低いために、図3(a)に示すように、上記爪片32の先端部32bがばね33の付勢力RFによってインナーレース部18に押し付けられた状態になっている。
そして、この状態で始動用モータ40の駆動を通じてリングギヤプレート16が強制回転されるために、上記爪片32の先端部32bが係合部18aの段差に突き当たって係合するようになる。これにより、インナーレース部18とアウターレース部14とが爪片32を介して連結された状態になるため、インナーレース部18からアウターレース部14に回転力が伝達されるようになる。すなわち、このときインナーレース部18とアウターレース部14とが一体に回転するようになる。
その後において内燃機関1が完爆状態になって機関回転速度NEが上昇すると、クランクシャフト2(詳しくは、アウターレース部14)の回転速度がリングギヤプレート16(詳しくは、インナーレース部18)の回転速度より高くなる。これにより、インナーレース部18とアウターレース部14との連結が解除された状態になるため、インナーレース部18からアウターレース部14への回転力の伝達が遮断されるようになる。
図1および図2に示すように、本実施形態の始動装置は、シリンダブロック4とリングギヤプレート16とアウターレースプレート12とがクランクシャフト2の軸方向において並んだ状態で配設された構造になっている。そして本実施形態の始動装置では、シリンダブロック4が回転しないのに対して、リングギヤプレート16が内燃機関1の始動開始から始動完了までの期間においてクランクシャフト2に締結されたアウターレースプレート12と一体に回転する。また内燃機関1の始動完了後の運転時において、リングギヤプレート16は回転しない。そのため、リングギヤプレート16とシリンダブロック4とが内燃機関1の始動開始から始動完了までの期間において相対回転するようになり、またリングギヤプレート16とアウターレースプレート12とが内燃機関1の始動完了後の運転時において相対回転するようになる。
通常、こうした構造の始動装置では、それら相対回転が許容されるように各部材の製造公差なども考慮して、シリンダブロック4(詳しくは、リテーナ10)とリングギヤプレート16との間やリングギヤプレート16とアウターレースプレート12との間に所定の間隙が形成される。しかしながら、それら間隙を必要とする構造は、内燃機関を中心とする機関システムの小型化、ひいては同機関システムの搭載性の向上を図るうえでは、これを妨げる一因となるために好ましくない。
この点をふまえて本実施形態では、リングギヤプレート16が、アウターレースプレート12に取り付けられた第2ブッシュ28に当接する位置(図2に示す位置)からシリンダブロック4に取り付けられたリテーナ10に当接する位置(図4に示す位置)までの範囲で、クランクシャフト2の軸方向において移動可能に設けられている。
そして、上記リングギヤプレート16が、始動用モータ40の駆動を通じたリングギヤプレート16の強制回転時に、クランクシャフト2の軸方向におけるアウターレースプレート12側に付勢されるようになっている。
具体的には、図5に模式的に示すように、リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44にはそれぞれ斜歯が形成されている。それら斜歯の形状は、始動用モータ40(図1参照)の駆動時にリングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に付勢する力をリングギヤ16aおよび駆動ギヤ44の噛合部分に発生させる形状に設定されている。詳しくは、リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44の斜歯が、その刃先の上記シリンダブロック4側の端部がアウターレースプレート12側の端部より回転方向前側の位置になる形状に形成されている。なお本実施形態では、クランクシャフト2およびリングギヤ16aがアウターレースプレート12側(図5の矢印B方向)から見て時計回り方向と反対の方向に回転するようになっている。本実施形態では、リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44に形成された斜歯が第1付勢手段として機能する。
図6に、始動用モータ40の駆動を通じたリングギヤプレート16の強制回転時においてリングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛合部分に作用する力を模式的に示す。
図6に示すように、駆動ギヤ44の歯が回転方向(図中に黒塗りの矢印で示す方向)に進むと、同駆動ギヤ44の歯面によってリングギヤ16aの歯面が押圧される。上述したようにリングギヤ16aおよび駆動ギヤ44に形成された斜歯は、その刃先の上記シリンダブロック4側の端部がアウターレースプレート12側の端部より回転方向前側の位置になる形状に形成されている。そのため、このときリングギヤ16aおよび駆動ギヤ44の噛合部分(詳しくは、各歯面が接触している部分)には、リングギヤ16aをアウターレースプレート12側に付勢する付勢力(図中に矢印F1で示す付勢力)と、駆動ギヤ44をシリンダブロック4側に付勢する付勢力(図中に矢印F2で示す付勢力)とが発生する。
本実施形態の始動装置では、駆動ギヤ44が始動用モータ40の回転軸42に固定されているために軸方向に移動しないのに対して、リングギヤプレート16が軸方向に移動可能に設けられている。そのため、リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44の噛合部分に上記各付勢力F1,F2が発生したときには、軸方向に移動しない駆動ギヤ44に対してリングギヤ16aを軸方向におけるアウターレースプレート12側に移動させるように、付勢力F1によってリングギヤ16aが付勢されるようになる。このように本実施形態では、リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44に斜歯が形成されているために、駆動ギヤ44とリングギヤ16aとの噛み合いを通じてリングギヤプレート16が強制回転される際に、同リングギヤプレート16がリングギヤ16aともども軸方向におけるアウターレースプレート12側に付勢されるようになる。
また本実施形態では、図2および図4に示すように、アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間にグリスシール34が配設されており、同グリスシール34のリップ部34bがリングギヤプレート16に押し付けられた状態になっている。そのため、このグリスシール34により、リングギヤプレート16がクランクシャフト2の軸方向においてアウターレースプレート12から離間する側、すなわちシリンダブロック4に近接する側に常時付勢された状態になっている。本実施形態ではグリスシール34が第2付勢手段として機能する。
なおグリスシール34のリップ部34bによるリングギヤプレート16に対する付勢力は次の(条件イ)〜(条件ハ)の全てを満たすように設定されている。(条件イ)グリスシール34のリップ部34bとリングギヤプレート16との摺動抵抗が小さく抑えられること。(条件ロ)グリスシール34が適正なシール機能を発揮すること。(条件ハ)リングギヤプレート16の強制回転時に、同リングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛合部分において発生するリングギヤプレート16の付勢力より小さいこと。
以下、本実施形態にかかる始動装置による作用について説明する。
内燃機関1の始動に際して始動用モータ40が駆動されてリングギヤプレート16が強制回転されると、リングギヤプレート16が、リングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛合部分において発生する力により、グリスシール34のリップ部34bによる付勢力に抗して、クランクシャフト2の軸方向におけるアウターレースプレート12側に付勢される。そして、この付勢力によってリングギヤプレート16が、アウターレースプレート12に取り付けられた第2ブッシュ28に当接する位置(図2に示す位置)まで後側に移動するようになる。
このときアウターレースプレート12(詳しくは、第2ブッシュ28)とリングギヤプレート16との間隙が無くなるものの、それらアウターレースプレート12およびリングギヤプレート16が一体に回転する状況であるため、同間隙の縮小に起因する不都合は発生しない。また、リングギヤプレート16のアウターレースプレート12側への移動によってシリンダブロック4に取り付けられたリテーナ10とリングギヤプレート16との間隙が確保されるために、リテーナ10に接触するなどしてリングギヤプレート16の回転が妨げられることもない。
一方、内燃機関1の運転が停止されたり始動が完了したりしてリングギヤプレート16の回転が停止すると、リングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛合部分において発生する力が無くなるために、リングギヤプレート16がグリスシール34のリップ部34bの弾性力によってシリンダブロック4(詳しくは、リテーナ10)側に付勢されるようになる。そして、この付勢力によってリングギヤプレート16が、シリンダブロック4に取り付けられたリテーナ10に当接する位置まで前側に移動するようになる。このとき、リテーナ10とリングギヤプレート16との間隙が無くなるものの、それらリテーナ10およびリングギヤプレート16が共に回転しない状況であるために、同間隙の縮小に起因する不都合はやはり発生しない。また、リングギヤプレート16のリテーナ10側への移動によってアウターレースプレート12に取り付けられた第2ブッシュ28とリングギヤプレート16との間隙が確保されるために、第2ブッシュ28に接触するなどしてリングギヤプレート16の回転が妨げられることもない。
このように本実施形態によれば、リングギヤプレート16を、シリンダブロック4(リテーナ10)とアウターレースプレート12(詳しくは、第2ブッシュ28)との間において上記間隙の縮小による不都合が発生しない側に選択的に移動させることができる。
リングギヤプレートを移動させない比較例の装置では、アウターレースプレートとリングギヤプレートとの間隙W1、およびリングギヤプレートとシリンダブロックとの間隙W2として、それぞれ十分な距離を確保する必要があるために、それら間隙の和(W1+W2)が大きくなってしまう。
これに対して本実施形態では、リングギヤプレート16の回転停止時においては図4に示すように同リングギヤプレート16とアウターレースプレート12との間にのみ間隙を設定すればよく、またリングギヤプレート16の強制回転時においては図2に示すように同リングギヤプレート16とシリンダブロック4との間にのみ間隙を設定すればよい。
そのため、比較例の装置と比べて、リングギヤプレート16およびアウターレースプレート12の間隙とリングギヤプレート16およびシリンダブロック4の間隙との和を小さくすることができる。したがって本実施形態によれば、クランクシャフト2の軸方向におけるシリンダブロック4とアウターレースプレート12との距離を短くすることができるため、始動装置の小型化を図ることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)リングギヤプレート16を、始動用モータ40の駆動を通じたリングギヤプレート16の強制回転時には軸方向におけるアウターレースプレート12側に付勢し、リングギヤプレート16の回転停止時には軸方向におけるシリンダブロック4側に付勢するようにした。これにより、軸方向におけるシリンダブロック4とアウターレースプレート12との距離を短くすることができるようになるため、始動装置の小型化を図ることができるようになる。
(2)リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44に、始動用モータ40の駆動時においてリングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に付勢する力をリングギヤ16aおよび駆動ギヤ44の噛合部分に発生させる形状の斜歯をそれぞれ形成するようにした。そのため、始動用モータ40が駆動されて駆動ギヤ44とリングギヤ16aとの噛み合いを通じてリングギヤプレート16が強制回転される際に、同リングギヤプレート16をクランクシャフト2の軸方向におけるアウターレースプレート12側に付勢することができる。
(3)リングギヤプレート16の回転停止時においては、同リングギヤプレート16をグリスシール34のリップ部34bによって付勢することによってシリンダブロック4側に移動させることができる。しかも、リングギヤプレート16の強制回転時においては、リップ部34bによる付勢力に抗して、リングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛合部分において発生する力によって付勢することによって、リングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に移動させることができる。
(4)アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間にグリスシール34が設けられているために、同グリスシール34のリップ部34bの弾性力によって、リングギヤプレート16がシリンダブロック4に近接する方向に常時付勢される構造にすることができる。
(5)アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間隙を介したグリスの漏れをシールするべく同間隙を塞ぐように設けられたグリスシール34を利用して、リングギヤプレート16がシリンダブロック4側に常時付勢される構造にすることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・始動用モータ40の駆動を通じたリングギヤプレート16の強制回転時に同リングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に付勢するための構成としては、リングギヤ16aおよび駆動ギヤ44にそれぞれ斜歯を形成する構成に限らず、任意の構成を採用することができる。そうした構成としては以下の(構成A)や(構成B)に記載する構成を採用することができる。
(構成A)アウターレースプレート12およびリングギヤプレート16の周辺に電磁石を設ける。そして、リングギヤプレート16の強制回転時には電磁石に通電して電磁力を発生させる一方、同リングギヤプレート16の回転停止時には電磁石への通電を停止する。こうした構成によれば、電磁石が発生する電磁力によってリングギヤプレート16を吸引することによって同リングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に付勢することができる。なお、こうした構成では、例えば始動用モータ40の電力供給回路に上記電磁石の電力供給回路を並列(あるいは直列)に接続するなど、始動用モータ40への電力供給に伴って上記電磁石にも電力が供給されるようになる構成を採用することが望ましい。同構成によれば、始動用モータ40への電力供給のためのスイッチと上記電磁石への電力供給のためのスイッチとが各別に設けられる装置と比較して、始動装置を簡素な構造にすることができる。
(構成B)リングギヤプレート16の前側端面に隣接する位置に圧力室を区画形成するとともに、同圧力室に流体ポンプを接続する。そして、リングギヤプレート16の強制回転時には上記圧力室に高圧の流体(オイルや空気など)を供給する一方、リングギヤプレート16の回転停止時には上記圧力室から流体を排出する。こうした構成によれば、圧力室内の高圧の流体によってリングギヤプレート16を押圧することによって同リングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に付勢することができる。なお、圧力室を区画形成するとともに同圧力室内に高圧の流体を供給することに代えて、リングギヤプレート16の前側端面に対向する位置にノズルを設けて同ノズルから高圧の流体(オイルや空気)を吹き付けるようにしてもよい。こうした構成によっても、リングギヤプレート16をアウターレースプレート12側に付勢することができる。
・リングギヤプレート16をシリンダブロック4側に付勢するための構成としては、アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間にグリスシール34を配設する構成に限らず、任意の構成を採用することができる。そうした構成としては以下の(構成C)〜(構成E)に記載する構成を採用することができる。
(構成C)グリスシール34とは別に、弾性材料(例えば軟質のゴム材料)により形成された弾性体をアウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間に配設する。こうした構成によっても、弾性体の弾性力によってリングギヤプレート16がシリンダブロック4側に常時付勢される構造にすることができる。
(構成D)グリスシール34とは別に、アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間に、摺動抵抗が小さく耐摩耗性の高い材料によって形成された摺動部材が一端に取り付けられたばね部材(コイルばね、または板ばね)を設ける。ばね部材の上記摺動部材が取り付けられていない側の端部がアウターレースプレート12およびリングギヤプレート16の一方に係止した状態であり、且つ同摺動部材がアウターレースプレート12およびリングギヤプレート16の他方に押し付けられつつ摺動する状態になるように、ばね部材と摺動部材とが配設される。こうした構成によっても、ばね部材の弾性力によってリングギヤプレート16がシリンダブロック4側に常時付勢される構造にすることができる。
なお上記(構成C)や(構成D)によれば、アウターレースプレート12とリングギヤプレート16との間を適正にシールすることのみを考慮してグリスシール34の特性を設定することができ、またリングギヤプレート16を適正に付勢することのみを考慮して上記弾性体(構成C)または上記ばね部材(構成D)の特性を設定することができる。そのため、そうしたシールに適した特性と付勢に適した特性とを共に満たすようにグリスシール34の特性を設定する場合と比較して、それら特性の設定を容易に行うことができる。
(構成E)リングギヤプレート16の取り付け部分(詳しくは、第1ブッシュ26の外周面)をシリンダブロック4側に向かうほど縮径されたテーパ形状に形成する。こうした構成によれば、リングギヤプレート16の回転停止時に同リングギヤプレート16を、第1ブッシュ26の外周面の傾斜に沿ってずり落ちるようにしてシリンダブロック4側に移動させることができる。すなわち、リングギヤプレート16に重力を付勢力として作用させることによって同リングギヤプレート16をシリンダブロック4側に移動させることができる。
・リングギヤプレート16をシリンダブロック4側に常時付勢する構成に代えて、リングギヤプレート16の回転停止時においてのみ同リングギヤプレート16をシリンダブロック4側に付勢する構成を採用してもよい。こうした構成は、例えば電磁石の発生磁力によってリングギヤプレート16を付勢する構成を採用したり、流体圧を利用してリングギヤプレート16を付勢する構成を採用したりすることによって実現することができる。
・リングギヤ16aと駆動ギヤ44との噛み合いを通じて始動用モータ40の回転力をリングギヤプレート16のインナーレース部18に伝達する装置以外の装置にも、上記実施形態の始動装置はその構成を適宜変更したうえで適用することができる。すなわち、始動用モータ40の回転軸42に取り付けられた第1プーリと、インナーレース部18に一体に設けられた伝達部材としての第2プーリと、第1プーリおよび第2プーリに巻き掛けられたベルトとによって始動用モータ40の回転力を第2プーリに伝達する装置にも、上記実施形態の始動装置は適用することができる。また、始動用モータ40の回転軸42に取り付けられた第1スプロケットと、インナーレース部18に一体に設けられた伝達部材としての第2スプロケットと、第1スプロケットおよび第2スプロケットに巻き掛けられたチェーンとによって始動用モータ40の回転力を第2スプロケットに伝達する装置にも、上記実施形態の始動装置は適用可能である。
・ラチェット式のワンウェイクラッチが設けられた装置に限らず、インナーレース部とアウターレース部との間にスプラグが配設されたスプラグ式のワンウェイクラッチが設けられた装置にも、上記実施形態にかかる始動装置は適用することができる。
1…内燃機関、2…クランクシャフト、2a…後端部、2b…ジャーナル、2c…大径部、2d…雌ねじ、4…シリンダブロック、4a…嵌合部、6…クランクベアリングキャップ、7…クランクベアリング、8…オイルパン、8a…嵌合部、10…リテーナ、10a…大径部、10b…小径部、12…アウターレースプレート、12a…貫通孔、14…アウターレース部、14a…凹部、14b…ばね収納部、14c…突出部、14d…凹部、14e…段差部、16…リングギヤプレート、16a…リングギヤ、18…インナーレース部、18a…係合部、20…フライホイール、20a…貫通孔、22…ボルト、24…オイルシール、26…第1ブッシュ、28…第2ブッシュ、30…ワンウェイクラッチ、32…爪片、32a…基端部、32b…先端部、33…ばね、34…グリスシール、34a…基部、34b…リップ部、40…始動用モータ、42…回転軸、44…駆動ギヤ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の出力軸に設けられて一体回転するアウターレースプレートと、前記出力軸に対して同一の回転中心で相対回転可能に設けられるとともに機関始動用の電動機の回転軸に連結される伝達部材と、前記アウターレースプレートおよび前記伝達部材の間に設けられてそれらの間における回転力伝達のうちの前記伝達部材から前記アウターレースプレートへの回転力伝達のみを許容するワンウェイクラッチとを有してなり、前記出力軸の軸方向において前記内燃機関、前記伝達部材、前記アウターレースプレートの順に並んでなる内燃機関の始動装置において、
    前記電動機の駆動を通じた前記伝達部材の強制回転時に同伝達部材を前記軸方向における前記アウターレースプレート側に付勢する第1付勢手段と、
    前記伝達部材の回転停止時に同伝達部材を前記軸方向における前記内燃機関側に付勢する第2付勢手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の始動装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の始動装置において、
    前記伝達部材は、その外周部分の全周にわたってリング形状で延びるリングギヤが形成されてなり、
    前記電動機は前記回転軸に前記リングギヤと噛合する駆動ギヤが設けられてなり、
    前記リングギヤおよび前記駆動ギヤは、前記電動機の駆動時に前記伝達部材を前記アウターレースプレート側に付勢する力を前記リングギヤおよび前記駆動ギヤの噛合部分に発生させる形状の斜歯が形成されてなり、
    前記第1付勢手段は、前記リングギヤおよび前記駆動ギヤに形成された前記斜歯である
    ことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の始動装置において、
    前記第2付勢手段は前記伝達部材を前記内燃機関側に常時付勢するものであり、
    前記第1付勢手段は、前記強制回転時に、前記第2付勢手段による付勢力に抗して前記伝達部材を前記アウターレースプレート側に付勢するものである
    ことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の始動装置において、
    前記第2付勢手段は、前記伝達部材と前記アウターレースプレートとの間に配設される弾性体である
    ことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の始動装置において、
    前記第2付勢手段は、前記伝達部材と前記アウターレースプレートとの間隙を塞ぐように設けられて同間隙を介した流体の漏れをシールするシール部材である
    ことを特徴とする内燃機関の始動装置。
JP2011064422A 2011-03-23 2011-03-23 内燃機関の始動装置 Withdrawn JP2012202210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064422A JP2012202210A (ja) 2011-03-23 2011-03-23 内燃機関の始動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064422A JP2012202210A (ja) 2011-03-23 2011-03-23 内燃機関の始動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012202210A true JP2012202210A (ja) 2012-10-22

Family

ID=47183491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011064422A Withdrawn JP2012202210A (ja) 2011-03-23 2011-03-23 内燃機関の始動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012202210A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004270620A (ja) スタータ
JP4218667B2 (ja) 内燃機関始動回転力伝達機構
US10415531B2 (en) Engine starter with torque variator
US9057350B2 (en) Starter
JP4487984B2 (ja) スタータ
JP2013083177A (ja) スタータ
JP2006312889A (ja) スタータ用トルク伝達装置
JP2003074449A (ja) スタータ
JP2012202210A (ja) 内燃機関の始動装置
JP6302719B2 (ja) スタータ
US20080004147A1 (en) Starter
JP2009180211A (ja) スタータ
JP5874288B2 (ja) スタータ
JP2010144827A (ja) オイルシール圧入構造
JP4968194B2 (ja) 内燃機関始動回転力伝達機構
JP5919715B2 (ja) スタータ
JP2013083178A (ja) スタータ
JP2012007528A (ja) ラチェット型ワンウェイクラッチを用いたエンジンスタータ機構
JP4305422B2 (ja) スタータおよびその製造方法
JP5887914B2 (ja) スタータ
JP2009068580A (ja) エンジン始動用トルク伝達装置
JP2007239540A (ja) 内燃機関
JP2015209926A (ja) 遊星歯車減速装置、及びこれを備えたスタータ
JP6251922B2 (ja) スタータおよびスタータの組み付け方法
JP2012241541A (ja) 内燃機関始動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140603