JP2012202171A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギーを使用しないで、あるいは少ないエネルギーで、夏は涼しく、冬は暖かい建物を提供する。
【解決手段】外側通気層20と、内側通気層23とを備える建物に、屋根部5の屋根部材8の南側部分9と、屋根用断熱材12との間に集熱層25を形成する集熱層形成部26を備える。この集熱層25と内側通気層23との間を開閉可能な屋根裏ダンパー31と、内側通気層23と建物の外部との間を開閉可能な小屋裏ダンパー56とを設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、高気密高断熱な建物に関する。
従来、高気密高断熱な建物としては、特開2002−167876号公報(特許文献1)に記載されたものがある。
上記従来の高気密高断熱な建物では、基礎部と、屋根部と、この屋根部を支えるための構造体とを有している。そして、上記構造体に設けた外装部材と、内装部材との間に断熱材を設けて、この外装部材と断熱材との間に外側通気層を形成し、断熱材と内装部材との間に内側通気層を形成している。そして、夏場においては、日射による高温の太陽熱を外側通気層で遮断して、棟の換気口から排出すると共に、内側通気層に排気用のファンを設けて、このファンで強制的に排気して、熱を外部に放出していた。
しかしながら、上記従来の高気密高断熱な建物では、断熱材を透過して屋内にこもった熱をファンで強制的に排気しているため、ファンを動かすためのエネルギーを必要とし、さらに、屋内温度に合わせた排気調節が困難であるという問題があった。
また、上記従来の高気密高断熱な建物では、日射による太陽熱をすべて外側通気層で遮断して、外側通気層の空気を建物の外部に排出しているため、冬場においては、日当たりのよい屋根部の南面の太陽熱のエネルギーで加熱された空気を屋外に放出していた。そのため、この従来の建物では、大きな出力の暖房装置が必要であるという問題があった。
特開2002−167876号公報
そこで、この発明の課題は、エネルギーを使用しないで、あるいは少ないエネルギーで、夏は涼しく、冬は暖かい建物を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の建物は、
屋根部と、その屋根部を支持する構造部と、外装部材と、内装部材と、上記外装部材とその外装部材の内側にある断熱材との間に位置する外側通気層を形成する外側通気層形成部と、上記内装部材とその内装部材の外側にある断熱材との間に位置する内側通気層を形成する内側通気層形成部とを備える建物において、
上記屋根部の南側部分とその南側部分の内側にある断熱材との間に位置する集熱層を形成する集熱層形成部と、
上記集熱層と上記内側通気層との間を開閉可能な集熱層開閉手段と、
上記屋根部に設けられ、上記内側通気層と上記建物の外部との間を開閉可能な屋根開閉手段と
を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、屋根部の南側部分とその南側部分の内側にある断熱材との間に集熱層が位置しているので、断熱材に遮られることなく太陽光により加熱された空気が集熱層に生成される。集熱層開閉手段により、集熱層と内側通気層との間を開放することによって、集熱層で加熱された空気を内側通気層に供給することができる。したがって、冬場においては、上記屋根開閉手段を閉じて内側通気層と建物外部との間を遮断して、集熱層で加熱された暖かい空気を内側通気層全体に行き渡らせることができる。
また、夏場においては、上記屋根開閉手段を開いて、内部通気層と建物外部とを連通させて、集熱層で加熱された暖かい空気によって内側通気層内部にファンを用いなくても強い上昇気流を発生させることができる。この上昇気流によって、内側通気層にこもる熱を建物外部に自然の力で効率よく排出することができる。
また、一実施形態の建物では、上記屋根部に越屋根を設け、この越屋根に上記屋根開閉手段を設けている。
上記実施形態によれば、屋根部に越屋根を設け、この越屋根に屋根開閉手段を設けているので、越屋根に大きな寸法の開口を設けて、この開口に大きな屋根開閉手段を設けることができ、したがって、内側通気層内の空気を建物外部へ効率よく排気することができる。
また、一実施形態の建物では、上記集熱層開閉手段が、形状記憶金属によって、温度の上下により開閉する。
上記実施形態によれば、集熱層開閉手段が、形状記憶金属によって温度の上下により自動的に開閉するため、集熱層開閉手段を開閉させるための動力および制御装置が不要であって、建物全体の構造が簡単,安価になる。
以上より明らかなように、この発明の建物によれば、エネルギーを使用しないで、あるいは少ないエネルギーで、夏は涼しく、冬は暖かくすることができる。
図1は、この発明の一実施形態の建物の冬場における縦断面の模式図である。 図2は、上記建物の夏場における縦断面の模式図である。 図3は、上記建物の屋根部の平面図である。 図4は、図3のIV−IV線から見た建物の断面図である。 図5は、上記建物の集熱層形成部の縦断面図である。 図6は、上記建物の屋根裏ダンパーの斜視図である。
以下、この発明の建物を図示の実施形態により詳細に説明する。
この実施形態の高気密高断熱な建物は、図1(冬場の状態を示す),図2(夏場の状態を示す)に示すように、建物本体1と、この建物本体1を支えている基礎部2とを備えている。上記建物本体1は、軸組(図示せず),小屋組(図示せず),床組(図示せず)から構成される木造家屋であり、建物本体1の外周に設けた外壁部3と、この外壁部3の上部に設けた屋根部5と、建物本体1の内部に設けた居室部10とを有している。
上記基礎部2の外周立ち上がり部分には、基礎用断熱材13を配設すると共に、床下換気孔51を設けている。この床下換気孔51は、建物本体1の外部と内側通気層23とに連通していて、床下ダンパー55を設けている。なお、床下ダンパー55は、手動で開閉するようにしてもいいし、制御装置等を用いて自動で開閉するようにしてもよい。
上記外壁部3は、外装部材の1つである外壁部材4を有している。この外壁部材4は、基礎部2から屋根部5に向かって垂直に設けている。外壁部材4の屋内側に、外壁部材4と平行になるように壁用断熱材11を設けていて、外壁部材4と壁用断熱材11との間に外側通気層20を形成している。この外側通気層20は、外側通気層形成部21によって形成している。この外側通気層形成部21は、外壁部材4と壁用断熱材11とからなっている。尤も、この外側通気層形成部21は、外壁部材4の内側に設けたアルミニウム、樹脂等のシートと、壁用断熱材11の外面に設けたアルミニウム、樹脂等のシートから構成してもよい。また、外壁部材4の下部には、外側通気層20と建物本体1の外部とに連通する下部開口15を設けている。
上記屋根部5は、屋根部材8を有している。上記屋根部材8は、軒から棟に向かって次第に高くなるように勾配を設けていて、この屋根部材8の屋内側に、屋根部材8と平行になるように屋根用断熱材12を設けている。上記屋根部材8の軒部分には、外側通気層20に連通する通気路22を設け、この通気路22と建物本体1の外部とに連通する上部開口16を設けている。
また、上記屋根部5の南側の部分、詳しくは、屋根部材8の南側部分9と屋根用断熱材12との間に集熱層25を形成している。この集熱層25は、集熱層形成部26によって形成している。この集熱層形成部26は、屋根部材8の南側部分9と屋根用断熱材12とからなっている。尤も、この集熱層形成部26は、屋根部材8の南側部分9の内側に設けたアルミニウム、樹脂等のシートと、屋根用断熱材12の外面に設けたアルミニウム、樹脂等のシートから構成してもよい。屋根部5の南面の屋根用断熱材12には、上側屋根裏開口29と下側屋根裏開口30とを設けていて、集熱層25は、この上側屋根裏開口29と下側屋根裏開口30とを介して内側通気層23に連通している。
また、上記屋根部5の棟には、越屋根6を設けている。この越屋根6は、棟を跨いで左右対称に設けていて、越屋根6の外壁部7には、小屋裏換気口52,52を設けている。このように、越屋根6に小屋裏換気口52,52を設けているので、小屋裏換気口52,52の寸法を大きくできる。この小屋裏換気口52,52に屋根開閉手段としての小屋裏ダンパー56を設けている。
なお、上記屋根部5と同様に、越屋根6の屋内側に屋根用断熱材12を設けている。
上記居室部10は、周囲を内装部材14で覆っていて、この内装部材14と壁用断熱材11,屋根用断熱材12および基礎用断熱材13との間に内側通気層23を形成している。この内側通気層23は、内側通気層形成部24によって形成している。この内側通気層形成部24は、内装部材14と、壁用断熱材11,屋根用断熱材12および基礎用断熱材13と、基礎部2からなっている。尤も、この内側通気層形成部24は、内装部材14の外側に設けたポリエチレン等のシートと、壁用断熱材11,屋根用断熱材12および基礎用断熱材13の内側に設けたアルミニウム、樹脂等のシートから構成してもよい。
図3は、上記建物の屋根部5の平面図である。
上記屋根部5には、図3に示すように、上記越屋根6と棟換気口54とを設けている。越屋根6は、棟の中心に平面視矩形状に設けていて、棟換気口54は、越屋根6の東西にある棟の一部にそれぞれ設けている。また、上記屋根部5の越屋根6の南側に、矩形状に屋根部材8の南側部分9を設けている。
図4は、図3のIV−IV線から見た越屋根6の断面図である。
上記越屋根6には、図4に示すように、小屋裏換気口52を越屋根6の越屋根壁部7の南面と北面にそれぞれ設けている。この小屋裏換気口52は、建物本体1の外部と内側通気層23とに連通していて、小屋裏ダンパー56を設けている。なお、小屋裏ダンパー56は、手動で開閉するようにしてもいいし、制御装置等を用いて自動で開閉するようにしてもよい。また、小屋裏換気口52は、建物の大きさや、地域環境に応じて、大きさや設置個数を変更することもできる。
上記屋根部5の南面には、上記越屋根外壁部7の屋根用断熱材12に、上側屋根裏開口29を設けている。この上側屋根裏開口29は、集熱層25と内側通気層23とに連通していて、常時開放している。また、上記屋根部5の北面には、上記越屋根外壁部7と屋根部5とが接する部分に、屋根換気口53を設けている。
なお、上記南側部分9を除く屋根部5には、屋根部材8と屋根用断熱材12との間に屋根通気層(図示せず)を形成している。この屋根通気層は、屋根部5の軒先部分で外側通気層20に連通している。また、上記屋根換気口53と棟換気口54は、屋根通気層と建物本体1の外部とに連通していて、常時開放している。
図5は、上記建物の集熱層形成部の縦断面図である。
上記屋根部5の南面の一部の屋根用断熱材12には、図5に示すように、下側屋根裏開口30と、集熱層開閉手段の一例の屋根裏ダンパー31とを設けている。下側屋根裏開口30は、集熱層25と内側通気層23とに連通していて、屋根裏ダンパー31によって開閉している。屋根裏ダンパー31は、内側通気層23側から下側屋根裏開口30を覆うように設けている。
図6は、上記建物の屋根裏ダンパーの斜視図である。
上記屋根裏ダンパー31は、図6に示すように、ベース32と、スライドプレート33と、スプリング34と、形状記憶金属の一例としての形状記憶バネ35とを有している。ベース32は、平面視矩形の皿型であり、角が丸みを帯びている。このベース32の皿の底部分には、等間隔に開口を上下2段に複数設けている。スライドプレート33は、平面視において上記ベース32と同じ矩形でやや小さく、ベース32の皿部分に嵌め合わせ左右のみに移動できるよう形成している。スライドプレート33の表面には、ベース32の皿の底部分と同じ形状,大きさ,数量,間隔の開口を上下2段に設けている。また、スライドプレート33をベースに嵌めて左右に移動させて、スライドプレート33の一端がベース32に接した場合に、スライドプレート33とベース32の開口が一致し、スライドプレート33の他端がベース32に接した場合に、開口を完全に塞ぐように形成している。
上記スライドプレート33上に、スプリング34と形状記憶バネ35とを組み合わせた一本のバネを取り付けている。中央固定部36では、スプリング34と形状記憶バネ35の一端を連結すると共に、この連結したバネを、スライドプレート33を通してベース32にビスで固定している。そして、スプリング34の他端をスプリング固定部38でスライドプレート33に固定し、形状記憶バネ35の他端を形状記憶バネ固定部37でスライドプレート33に固定している。
上記形状記憶バネ35は、温度が12℃以上になると自動的に縮んで、スプリング34が伸びる方向(図6中の右側)にスライドプレート33を移動させる。そして、温度が23℃以上になるとスライドプレート33の一端がベース32に接し、スライドプレート33とベース32の開口が完全に一致して、全開状態となる。一方、上記形状記憶バネ35は、温度が23℃以下になると自動的に伸びて、スライドプレート33をスプリング34が縮む方向(図6中の左側)に移動させる。温度が12℃以下になるとスライドプレート33の他端がベース32に接して、スライドプレート33とベース32の開口が完全に塞がれる。
なお、上記ベース32とスライドプレート33は、ABS樹脂(アクリロニトル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)で形成し、また、スプリング34は、ステンレス鋼、形状記憶バネは、ニッケルチタン合金で形成している。
上記構成の高気密高断熱な建物における空気の流れを説明する。冬場においては、図1に示すように、小屋裏換気口52、床下換気孔51を閉じる。そのため、冷たい外気は、殆んど内側通気層23に流入しない。
冬の場合、外気よりも暖かい地温熱41が、基礎を通じて内側空気層22に伝わり、地温熱41により暖められた空気が内側通気層23を上昇する。また、日中に僅かに断熱材を透過した太陽熱によって南側の空気が加熱され、この加熱された空気が内側通気層23の南側を上昇する。さらに、内側通気層23の北側の冷たい空気が下降するので、図1に示す矢印のような内側通気層23内を南側から北側に空気が流れる対流が発生する。
さらに、上記屋根部5の南側部分とその南側部分の内側にある屋根用断熱材12との間に集熱層25が位置しているので、屋根用断熱材12に遮られることなく太陽光により加熱された空気が集熱層25に生成される。集熱層25と内側通気層23との間は、屋根裏ダンパー31によって開閉されているが、この屋根裏ダンパー31は、上述のとおり、12℃を越えると開き始め、23℃に達すると完全に開いた状態となる。つまり、上記集熱層25内の空気が12℃以上になると、屋根裏ダンパー31が開き始め下側屋根裏開口30が開放される。そして、内側通気層23内の対流によって下側屋根裏開口30から集熱層25内に空気が流れ込むことで、加熱された集熱層25内の空気が上側屋根裏開口29から内側空気層22に供給される。
また、上記集熱層25内の空気の温度が下がってくると、屋根裏ダンパー31が次第に閉じていき、下側屋根裏開口30が塞がれる。そして、集熱層25内の空気が太陽熱により加熱され再び12℃に達すると、屋根裏ダンパー31が開き始め、下側屋根裏開口30が開放される。このようにして、内側通気層23には、集熱層25から常に12℃以上の暖かい空気が供給され、自然対流によって内側通気層23全体に運ばれる。
したがって、冬場においては、床下換気孔51と小屋裏換気口52を閉じて内側通気層23と建物外部との間を遮断して、集熱層25で加熱された暖かい空気を内側通気層全体に行き渡らせることができる。
さらに、屋根裏ダンパー31が形状記憶バネによって温度の上下により自動で開閉するため、屋根裏ダンパー31を開閉させるための動力および制御装置が不要であって、その建物全体の構造が簡単,安価になる。
このように、この建物では、冬場は、居室10を包み込むように設けている内側通気層23に日中の太陽熱を蓄えているので、気温の下がる夜中でも蓄えた熱が居室10周りを均一に包み込んで、屋内全体を暖かくすることができる。そのため、暖房装置を全く使用しないか、あるいは、暖房装置の使用量を大幅に減らすことができる。また、自然対流で内側通気層23内部の温度差を無くしているので、家の中に温度差が発生しにくく、湿気や結露の発生を防止することができる。
次に、この建物の夏場の空気の流れを説明する。夏場は、図2に示すように、小屋裏換気口52、床下換気孔51を開いている。
まず、強い太陽熱によって、外側通気層20内部の空気が加熱される。外側通気層20内部の空気の温度が上がるので、強い上昇気流が発生し、下部開口15から吹き込む外風と相俟って、外側通気層20内部に対流が生じる。この対流によって、下部開口15から吸気された空気は、外側通気層20を通って通気路22に至り、上部開口16等から建物外部に排出される。
しかし、夏場の強い太陽熱は、断熱材を透過するため、内側通気層23の空気も太陽熱により加熱されてしまう。そのため、内側通気層23内部では、太陽熱により加熱された空気によって、図2に示す矢印のような上昇気流が発生する。この上昇気流によって、床下換気孔51から吸い込まれる外気と、外気よりも温度が低く、基礎部2を通じて内側通気層23内部に伝わる地冷熱42により冷やされた基礎部2近くの空気とが内側通気層23内部を上昇して、越屋根6にある小屋裏換気口52から排出される。
また、夏場においては、集熱層25内の空気の温度が12℃を下回ることは少ないので、屋根裏ダンパー31は、ほぼ開いたままになる。集熱層25内の空気は、断熱材に遮られていない強い太陽熱により加熱され、集熱層25内に強い上昇気流が発生する。この加熱された高い温度の空気は、上昇気流によって、集熱層25内部から集熱層形成部26の上側の上側屋根裏開口29を介して内側通気層23に排出され、さらに、越屋根6の小屋裏換気口54から建物外部に排出される。したがって、屋根部5の南面を加熱した太陽熱を迅速に建物外部に排出して、屋内の温度上昇を防ぐことができる。
一方、集熱層25には、集熱層形成部26の下側の下側屋根裏開口30から内側通気層23の空気を吸い上げるので、内側通気層23から集熱層25に向かって強い上昇気流が生じる。そのため、集熱層形成部26を経由して、内側通気層23の空気の一部を迅速に屋外に排出することができ、かつ、このとき集熱層形成部26を冷却することができる。
したがって、この建物では、ファンを用いなくても内側通気層23に強い上昇気流を発生させることができ、この上昇気流によって、内側通気層23にこもる熱を建物本体1の外部に自然の力で効率よく排出することができる。
また、屋根部5に越屋根6を設けていて、この越屋根6に小屋裏換気口52と小屋裏ダンパー56を設けているので、越屋根6に大きな寸法の小屋裏換気口52を設けて、この小屋裏換気口52に大きな小屋裏ダンパー56を設けることができる。したがって、内側通気層23の空気を建物本体1の外部へさらに効率よく排気することができる。
さらに、屋根裏ダンパー31が、形状記憶バネ35によって温度の上下により自動で開閉するので、屋根裏ダンパー31を開閉させるための動力および制御装置が不要であって、この建物全体の構造が簡単,安価になる。
このように、この建物では、夏場は、小屋裏換気口52から内側通気層23に滞留している加熱された空気を建物外部に排出すると同時に、基礎部2の冷たい空気を吸い上げるので、自然の力で、居室10周りの熱を取り除いて、屋内全体の温度を下げることができる。そのため、冷房装置を全く使用しないか、あるいは、冷房装置の使用量を大幅に減らすことができる。
上記高気密高断熱な建物において、屋根裏ダンパー31は、集熱層25の空気が12℃以上で開き始め、23℃で全開となる形状記憶バネ35を用いているが、これに限られず、例えば、17℃で開き始め、24℃で全開となるような形状記憶バネ35を用いてもよい。また、形状記憶バネ35を用いず、制御装置等を用いて屋根裏ダンパー31の開閉温度を制御してもよい。さらに、屋根裏ダンパー31が開く温度と閉まる温度とが異なるように設定してもよい。
また、上記建物は、木造建築に限られず、例えば、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物でもよい。
上記集熱層25の大きさや位置、下側屋根裏開口30の設置数、越屋根6の大きさ等は、建物の規模や建設地域、建設場所等によって変動することは勿論である。
1…建物本体
2…基礎部
3…外壁部
4…外壁部材
5…屋根部
6…越屋根
7…越屋根外壁部
8…屋根部材
9…南側部分
10…居室
11…壁用断熱材
12…屋根用断熱材
13…基礎用断熱材
14…内装部材
15…下部開口
16…上部開口
20…外側通気層
21…外側通気層形成部
22…通気路
23…内側通気層
24…内側通気層形成部
25…集熱層
26…集熱層形成部
29…上側屋根裏開口
30…下側屋根裏開口
31…屋根裏ダンパー
32…ベース
33…スライドプレート
34…スプリング
35…形状記憶バネ
36…中央固定部
37…形状記憶バネ固定部
38…スプリング固定部
41…地温熱
42…地冷熱
51…床下換気孔
52…小屋裏換気口
53…屋根換気口
54…棟換気口
55…床下ダンパー
56…小屋裏ダンパー

Claims (3)

  1. 屋根部と、その屋根部を支持する構造部と、外装部材と、内装部材と、上記外装部材とその外装部材の内側にある断熱材との間に位置する外側通気層を形成する外側通気層形成部と、上記内装部材とその内装部材の外側にある断熱材との間に位置する内側通気層を形成する内側通気層形成部とを備える建物において、
    上記屋根部の南側部分とその南側部分の内側にある断熱材との間に位置する集熱層を形成する集熱層形成部と、
    上記集熱層と上記内側通気層との間を開閉可能な集熱層開閉手段と、
    上記屋根部に設けられ、上記内側通気層と上記建物の外部との間を開閉可能な屋根開閉手段と
    を備えることを特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    上記屋根部に越屋根を設け、この越屋根に上記屋根開閉手段を設けたことを特徴とする建物。
  3. 請求項1または2に記載の建物において、
    上記集熱層開閉手段が、形状記憶金属によって、温度の上下により開閉することを特徴とする建物。
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