JP2012202021A - パネル取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に施工できるとともにパネルの上端を確実に固定できるパネル取付構造を提供する。
【解決手段】建物の壁面11に沿って取り付けられるパネル2の上端を固定するパネル取付構造1であって、前記パネルの上端にパネル取付具3が取り付けられ、前記パネルの上端に対向する前記建物の天井10側には、前記パネルの上端側に開口した開口部40と該開口部を挟んで対向して設けられた両壁部42,42を備えたブラケット4が取り付けられており、前記パネル取付具は、前記両壁部の内面42a,42a側に圧接した状態で固定される先側部30を有していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の壁面に沿って取り付けられるパネルの上端を固定するパネル取付構造に関する。
従来より、パネルを壁面に取り付けるパネル取付構造は種々提案されている。
下記特許文献1及び2は、いずれも間仕切壁の組立方法ではあるが、以下のような固定構造が開示されている。
特許文献1には、天井部に天レールを取り付け、天レールに下地枠を取り付けた下地枠に壁パネルを取り付ける構造が開示されている。この下地枠は、天レールに挟持される複数の支柱と、それら隣接する支柱の上端にまたがって取り付けられ、かつ天レールに係止される支柱連結部材と、支柱連結部材に取り付けられたパネル係止部材とから構成されている。よって、壁パネルの背面に取り付けられた被係止具がパネル係止部材に係止されることにより、壁パネルの上端を係止している。
また特許文献2には、対向する一対の挟持部を有する上部支持具を天井に固定し、上部支持具内にパネルの上端を挿入し、挟持部とパネルとの間にそれぞれ差込部材を差し込むことでパネルを固定する構造が記載されている。
特開平9−60164号公報 特開2006−9268号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような取付構造の場合は、例えば背が高く大きいパネルの場合、被係止具をパネル係止部材に引っ掛けることが難しくなることが考えられる。またこの構造の場合、係止部材に引っ掛けるためのクリアランスを確保する必要があるため、やはり天井近くまで高さ寸法のあるパネルの取付構造として採用することが難しい。
また上記特許文献2に記載されているような取付構造の場合は、差込部材の一部がパネルの前面側からみえてしまうので、見栄えがいいとはいえない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、容易に施工できるとともにパネルの上端を確実に固定できるパネル取付構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るパネル取付構造は、建物の壁面に沿って取り付けられるパネルの上端を固定するパネル取付構造であって、前記パネルの上端にパネル取付具が取り付けられ、前記パネルの上端に対向する前記建物の天井側には、前記パネルの上端側に開口した開口部と該開口部を挟んで対向して設けられた両壁部を備えたブラケットが取り付けられており、前記パネル取付具は、前記両壁部の内面側に圧接した状態で固定される先側部を有していることを特徴とする。
また本発明において、前記先側部は、前記パネル取付具の上端に設けられ、該先側部から前記両壁部間方向に対して直交方向、かつ前記パネル取付具の下側方向に延出して前記先側部を二股に分けるスリット部を有しており、該スリット部にロックピンを挿入することにより、前記スリット部が押し広げられ、前記先側部が前記両壁部の内面側に圧接した状態で固定されるようにしてもよい。
さらに本発明において、前記先側部は、縦軸周りに回転自在に構成されたロック部材の上端に設けられるとともに、前記ブラケットの前記両壁部の内側面に圧接されるように鍔状に形成された係止部を有しており、前記先側部を前記開口部に通じさせた後、前記ロック部材を回転させることにより、前記係止部が前記両壁部の内面側に圧接した状態で嵌合し固定されるようにしてもよい。
本発明に係るパネル取付構造は、上述の構成としているので、容易に施工できるとともにパネルの上端を確実に固定できる。
(a)は本発明の一実施形態に係るパネル取付構造を説明するための模式的側面図であり、(b)は同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的斜視図である。いずれもパネルの上端が固定される前の状態を示している。 (a)は同パネル取付構造を説明するための模式的側面図であり、(b)は同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的斜視図である。いずれもパネルの上端が固定される過程の状態を示している。 (a)は同パネル取付構造を説明するための模式的側面図であり、(b)は同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的斜視図である。いずれもパネルの上端が固定された状態を示している。 同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的分解斜視図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係るパネル取付構造を説明するための模式的側面図であり、(b)は同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的斜視図である。いずれもパネルの上端が固定される前の状態を示している。 (a)は同パネル取付構造を説明するための模式的側面図であり、(b)は同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的斜視図である。いずれもパネルの上端が固定される過程の状態を示している。 (a)は同パネル取付構造を説明するための模式的側面図であり、(b)は同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的斜視図である。いずれもパネルの上端が固定された状態を示している。 同パネル取付構造に用いられるパネル取付具の模式的分解斜視図である。 (a)〜(c)は、同パネル取付構造に用いられるパネル取付具のロック部材の平面図であり、ブラケットとの固定関係を説明するための図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
まず図1〜図4を参照しながら、第1実施形態に係るパネル取付構造の一例について説明する。
なお、図では、パネル取付具3の動作状態をわかりやすくするため、パネル2への固定部材の図示を省略している。
本実施形態に係るパネル取付構造1は、建物の壁面11に沿って取り付けられるパネル2の上端を固定するパネル取付構造1であって、パネル2の上端にパネル取付具3が取り付けられ、これにより、取り付け固定がなされる。パネル2の上端に対向する建物の天井10側には、パネル2の上端側に開口した開口部40と開口部40を挟んで対向して設けられた両壁部42,42を備えたブラケット4が取り付けられている。そしてパネル取付具3は、両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接した状態で固定される先側部30を有している。
以下、詳しく説明する。
パネル2は、壁面11に沿って床面(不図示)略鉛直に立てて設置され、縦長の薄型矩形状に形成されている。パネル2が取り付けられる壁面11は、図例のように平坦面とされた壁面に取り付けられるようにしてもよいし、壁面11に前面開口の凹所(不図示)を形成し、この凹所内に所定の間隔を空けて固定柱を複数設け、その固定柱に固定されるようにしてもよい。この場合、パネル2の上端を取り付け固定するためのブラケット4は、凹所の上面側が天井10となる。
パネル2の構成は、特に限定されるものではなく、化粧パネルや調湿機能、脱臭機能等を有した機能パネル、略天井近くまで高さ寸法があるような大型パネルの取付構造とすることができる。
パネル2の上端以外の部位の壁面11への固定構造については、ここでは詳しく説明しないが、例えばパネル2の背面に、被係止具を適宜間隔を空けて複数取り付け、壁面11に適宜設けられた係止具に係止されて固定するようにしてもよい。
パネル2の上端背面側には、パネル2の上端をブラケット4に固定するためのパネル取付具3が固定部材(不図示)によって固着されている。
パネル取付具3は、ケーシング5と、スライドトリガ6と、スライダ7と、ロックピン8とを備えている。
ケーシング5は、略直方体形状に形成されたケーシング本体50と、スライドトリガ6の回転軸となる軸部51と、スライドトリガ6が受ける押圧力に抗した力を作用されるバネ材61(図例はトーションバネ)が巻き付けられるバネ軸部52とを備えている。さらにケーシング5は、スライドトリガ6の回動を規制する規制壁部53と、スライダ本体70及びスライダ本体70に内蔵される付勢部材73(図例は圧縮バネ)が納められるスライダ収容部54とを備えている。さらにケーシング5は、保持壁部55を備えている。
保持壁部55は、フック部60と引掛部72との係止状態が解除された際に、被保持部60dが当接しスライドトリガ6をその状態(係止状態が解除された状態:図2(a)及び(b)など参照)で保持するように形成されている。すなわち、壁面11によって当接部60cが押圧され、時計回り方向にスライドトリガ6が回転すると、被保持部60dが保持壁部55に当接してそれ以上の回転が阻止される。スライドトリガ6には、この押圧力に対してバネ材61によって反時計回りに回ろうとする力が働くが、当接部60cが壁面11に当接しているため、スライドトリガ6の動きが規制され、係止状態が解除された状態で保持される。
軸部51とバネ軸部52とは、ケーシング本体50の側面から外方(パネル2に取り付けられた状態における横方向)に突出して設けられている。規制壁部53は、スライドトリガ6が適切に回動するようにスライドトリガ6の回動方向と略直交する方向に突出するように形成されている。
スライドトリガ6は、薄肉の板片からなるスライドトリガ本体60と、スライダ7に形成された引掛部72に係止される鉤状のフック部60bと、パネル2を取り付ける際に壁面11に押し当てられる当接部60cとを備えている。またスライドトリガ6は、スライドトリガ6の回転軸となる上述の軸部51が挿通される貫通孔60aと、上述のバネ材61とを備えている。さらに、スライドトリガ6は、上述の保持壁部55に保持される被保持部60dを備えている。
フック部60bは、引掛部72に係止される係止部60baと、先側に向けて漸次先細の傾斜形状とされた傾斜部60bbと有している。当接部60cは、壁面11に押し当てられることにより、押圧力が付与されるように、図1(a)に示すようにブラケット4に固定される前の状態では、ケーシング本体50よりも壁面11側に突出する位置で保持されるように形成されている。
スライドトリガ6は、軸部51を回転軸として回転自在に構成され、その回動は、規制壁部53と、バネ材61によって規制されている。
具体的には、スライドトリガ6は軸部51を回転軸として、バネ材61によって常にフック部60b側がパネル2の背面側へ向かう力が作用するように構成され、図例の場合、バネ材61はスライドトリガ6を反時計回り方向に付勢している。よって、フック部60bは、ブラケット4に固定される前の状態では、引掛部72に係止部60baが係止された状態で保持されている(図1(a)及び(b)参照)。このとき、当接部60c側は、スライドトリガ6が回転しすぎないように規制壁部53によって回動が規制される。
このスライドトリガ6の当接部60cに、押圧力が付与されると、スライドトリガ6は、軸部51を回転軸として、当接部60c側がパネル2の背面側へ向かうようにその押圧力が作用する。すると、引掛部72とフック部60bとの係止状態が解除され(図2(a)及び(b)参照)、スライドトリガ6が時計回り方向へ回転し、その状態で保持壁部55に被保持部60dが保持される。そして係止されていたスライダ7が後記する付勢部材73が作用して上方へ突出する
スライダ7は、ケーシング本体50の収容部54内に納めるように略直方体形状に形成されたスライダ本体70と、スリット部71と、引掛部72と、付勢部材73とを備えている。スライダ本体70には、その下面から上方向に向かって形成された円筒状の穴部70aが形成されており、この穴部70a内に付勢部材73が内蔵される。
付勢部材73は、その一端が、穴部70aの天面部70aaに固着されるとともにその他端が、ケーシング本体50の底面部50a(いずれも図4参照)に固着されている。これにより、付勢部材73はスライダ本体70内で上下方向に圧縮或いは延伸されるように内蔵され、引掛部72とフック部60bとの係止状態をトリガとしてスライダ7を上下動自在とすることができる。すなわち、引掛部72とフック部60bとが係止状態のときは、付勢部材73は圧縮された状態で穴部70aに内蔵される。一方、引掛部72とフック部60bとが係止状態が解除されたときには、付勢部材73の圧縮状態も解除され、スライダ本体70が突出する。
スライダ7の上方には、ケーシング本体50から常時突出した状態に形成されるとともに、両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接した状態で固定するための先側部30が設けられている。
先側部30は、略直方体形状からなり、パネル取付具3の上端に設けられ、先側部30から対向する両壁部42,42間方向に対して直交する方向、かつパネル取付具3の下側方向に延出して先側部30を二股に分けるスリット部71を有している。
そしてこのスリット部71で二股に分けられた先側部30は、対向する一対の立壁部71c,71cと、立壁部71cの上端には、外向きに屈曲した状態に形成された鍔状部71b,71bとを有している。また一対の立壁部71c,71cの内面側には、略円錐台形状のロックピン8が挿通できるように略円錐台形状に形成された嵌合部71aが形成されている(図4等参照)。
これにより、ロックピン8をスリット部の嵌合部71aに挿通すると、立壁部71c,71cが撓んで一対の立壁部71c,71c間が押し広げられる(図3(a)及び(b)のd4矢印参照)。
ロックピン8は、上述のように円錐台形状からなり、図中、径が小さい側を挿入部8a、径が大きい側を押圧部8bとして示している(図4参照)。ロックピン8の形状は円錐台に限定されず、例えば略円錐状としてもよいし、円筒状であってもよい。
以上では、パネル2を壁面11に押し当てることで、当接部60cが押圧され、スライダ7が自動的に突出するパネル取付具3について説明したが、パネル取付具3は、これに限定されない。例えば、スライダ7、スライドトリガ6などを備えず、略直方体形状のケーシング5の上方に、常時突出した状態の上述の構成の先側部30が設けられたパネル取付具3としてもよい。この場合は、いわゆるけんどん式に先側部30をブラケット4に嵌め入れる。そして、ロックピン8を嵌合部71aに挿通させて立壁部71c,71c間を押し広げれば、両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接した状態となり、パネル2の上端をしっかりと固定しその状態で保持することができる。
また図では、パネル取付具3がパネル2の上端背面側における角部に設けられた例を示しているが、これに限定されず、パネル2の大きさなどにあわせて適宜取り付けられる。
さらに図ではパネル2の一方の角部にパネル取付具3が取り付けられた例を示しているが、同様のパネル取付具3が他方の角部に取り付けられていることはいうまでもない。
次に、天井10に取り付けられるブラケット4について説明する。図では、天井10と壁面11が交差する入隅部12における天井10側角部にブラケット4が取り付けられた例を示しているが、ブラケット4が取り付けられる位置はこれに限定されず、壁面11から若干離れていても、パネル取付具3の当接部60cを押圧する位置に取り付けられていればよい。
ブラケット4は、パネル2の上端側に開口した開口部40と、開口部40に向けて両側から内向きに屈曲した開口縁部41,41と、開口部40を挟んで対向して設けられた両壁部42,42、天井10に固着される天面部43とを備えている。
ブラケット4の長手方向の長さ寸法は、少なくともパネル取付具3の先側部30の寸法と同等もしくはそれより大きければよい。よってパネル取付具3の数にあわせて設けられるようにしてもよいし、入隅部12に沿って長尺に形成されたものとしてもよい。ブラケット4を長尺に形成されたものとした場合は、パネル2を複数取り付ける場合に、隣接するパネル2との左右方向の調整がし易い。
ブラケット4の天井10への取り付け方法も、特に限定されず、接着してもよいし、ビスなどの固定具で固定するようにしてもよい。
なお、ブラケット4の形状は図例に限定されない。例えば、後記するようにロックピン8で立壁部71cが押し広げられ、鍔状部71b,71bの圧接部71ba,71baが内面42a,42a側に十分に圧接するように設定されれば、開口縁部41,41がないブラケット4としてもよい。
ブラケット4の開口部40の開口寸法(図2(a)・D1参照)は、ロックピン8で立壁部71cが押し広げる前の先側部30が挿通できる寸法(図2(a)・D2参照)、すなわち、D1>D2に設定される。また、両壁部42,42の内面42aと内面42aの間の寸法(図3(a)・D5参照)は、ロックピン8で立壁部71cが押し広げられたときに内面42a,42a側に圧接する鍔状部71b,71bの圧接部71ba,71baが十分に圧接するように設定される。
以上のように構成されたパネル取付具3によるパネル2の上端の取付要領の一例について、図を参照しながら、説明する。
まず、図1(a)に示すようにパネル2の上端をブラケット4及び壁面11へ近接させていく(図1(a)・d1矢印方向参照)。このとき、スライドトリガ6の当接部60cは、ケーシング本体50の側面よりも壁面11側に突出する位置で保持されており、フック部60bは、引掛部72に係止されている。またこのとき、図1(b)に示すようにロックピン8は嵌合部71aに半嵌合状態としてもよいし、ブラケット4の開口部40に先側部30を挿通させた後にロックピン8を嵌合部71aに挿通、嵌合させるようにしてもよい。
パネル2を壁面11へ向けて押し当てると、当接部60cが最初に壁面11と接触し、当接部60cが押されて(図2(a)・d2矢印方向参照)、スライドトリガ6が回動軸となる軸部51を中心に反時計回り方向に回動する。
すると、引掛部72とフック部60bとの係止状態が解除され、被保持部60dが保持壁部55に当接するとともに当接部60cが壁面11に当接しスライドトリガ6が時計回りに若干回転した状態で保持される。そしてスライダ本体70内に収容されていたスライダ7が付勢手段73による付勢力で押し上げられ、突出する(図2(a)及び図2(b)、図2(b)・d3矢印方向参照)。
スライダ7が突出するのにともなって、上方に設けられた先側部30が上方に移動し、先側部30がブラケット4の開口部40を通じ、天面部43の内面側に当接することでその移動が停止する。このとき、鍔状部71b,71bの圧接部71ba,71ba間寸法・D2は、ブラケット4の開口部40寸法・D1より小さいので、開口縁部41,41に引っ掛かることなく開口部40を通じる。
これにより、パネル2の上下方向が嵌合状態となるが、左右方向にはスライドさせることができる状態となる。よって、パネル2の取付位置の左右方向の調整を行うことができ、隣接して複数のパネル2を取り付ける場合は、目地調整などを行うことができる。
次にこうして先側部30が、開口部40を通じ開口縁部41,41間に位置する状態でロックピン8の押圧部8bを水平方向に押して嵌合部71aに差し込むと、立壁部71c,71cが押し広げられる(図3(b)・d4矢印参照)。
すなわち、ロックピン8を嵌合部71aに差し込むことにより、立壁部71c,71c間が図2(a)のD3から、図3(a)のD4に広がる。すなわち、D4>D3となる。
そして、鍔状部71b,71bの圧接部71ba,71baが両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接される。このとき、図3(a)に示すように圧接部71ba,71ba間寸法も、図2(a)で示す圧接部71ba,71ba間寸法より押し広げられてD2からD6となる。そして圧接部71ba,71ba間寸法D6は、両壁部42,42の内面42aと内面42aの間の寸法・D5とほぼ同じ、もしくは若干D6>D5になる。
これにより、パネル2が前後左右にも動かない状態で保持される。またロックピン8が差し込まれて立壁部71c,71cが押し広がることで、スライダ本体70とケーシング本体50との間の隙間がなくなるため、スライダ7の上下動もしっかり規制することができる。
以上のパネル取付構造1によれば、パネル2の上端を固定する際にネジなどの固定具を使用することなく、天井高さの歪みや誤差なども吸収して、簡単かつ確実にパネル2の上端を固定しその状態を保持することができる。またこのように壁面11に向けてパネル2を押し当てていく施工で、スライダ7が自動的に突出するので、床面から天井近くまで高さ寸法があるようなパネル2の場合、パネル2を持ち上げることなく、壁面11側に向けて倒していけば、パネル2の上端を容易に取り付け固定することができる。
なお、本実施形態に係るパネル取付構造1において、パネル2の上端の固定を取り外す要領については詳しく説明しないが、ロックピン8を嵌合部71aから引き抜けば、圧接部71ba,71baの両壁部42,42の内面42a,42aへの圧接状態が解除される。よって、パネル2の上端の固定状態を容易に解除することができる。
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5〜図9を参照しながら、第2実施形態に係るパネル取付構造の一例について説明する。
なお、上述の第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係るパネル取付構造1に用いられるパネル取付具3は、両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接した状態で固定される先側部30を有している点は共通するが、先側部30の構成が上述の実施形態とは異なる。
先側部30は、縦軸周りに回転自在に構成されたロック部材9の上端に設けられるとともに、ブラケット4の両壁部42,42の内側42a面に圧接されるように鍔状に形成された係止部90を有している。この先側部30を開口部40に通じさせた後、ロック部材9を回転させることにより、係止部90が両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接した状態で嵌合し固定される。
以下、詳しく説明する。
パネル取付具3は、ケーシング5と、スライドトリガ6と、スライダ7と、ロック部材9とを備えている。
ケーシング5、スライドトリガ6の構成は上述の実施形態と同様である。またスライダ7もほとんどが上述の実施形態と同様であるが、スライダ本体70のパネル2の背面と対向して設けられる側面にスライダスリット部74,74と、スライダ片75と、ロック部材9が挿通されるロック部材挿通部76(図8参照)を備えている点が相違する。
スライダスリット部74,74は、側面縁部から縦方向に2本形成されており、スライダスリット部74,74の間には一片のスライダ片75が形成されている。スライダ本体70の上面中央のスライダ片75側には、有底略円筒状に形成されたロック部材挿通部76が形成されており、ロック部材9の軸部92の形状に合わせて形成されている。またロック部材挿通部76には、縦溝部76aが形成されている。縦溝部76aは、縦方向に凹状に形成され、軸部92が一定方向、(図例のものは、時計回り方向)に回転するように形成された回止部92aと嵌め合わされるように形成されている。
ロック部材9は、係止部90と、突起部91と、軸部92とを備えている。
軸部92は、断面視において略長円形状に形成され、側面の縦方向には、上述の回止部92aが縦方向に凸条に形成されている。この回止部92aは、上述のように縦溝部76aに嵌めいれられるため、ロック部材9の回り止め機能の他、位置決めの役目も担う。さらに、回止部92aは、軸部92を略90度回転させたときには、スライド片75を押圧し、外方向に撓らせ(図7(b)参照)、ロック部材9とスライダ本体70との隙間をなくす機能も有している。これにより、スライダ本体70とケーシング本体50との間の隙間もなくなるため、スライダ7の上下動を阻止し規制することができる。
突起部91は、軸部92の側面から横方向に突出して設けられた略円筒体であり、この突起部91を操作してロック部材9を回転させることができる。
係止部90は、図9(a)〜(c)に示すように平面視において、六角形状をなし、ブラケット4に嵌め合わされるように形成されている。図中、90aは、圧接部を示している。
図9(b)及び(c)では、2点鎖線でブラケット4を示している。
パネル2の上端をブラケット4に固定する前は、突起部91がブラケット4の長手方向に対して略直交方向になるよう配置され、係止部90は、図9(b)に示すよう、その幅方向寸法・D7は、ブラケット4の開口部40の開口寸法・D1よりも小さくなるよう設定される。これにより、ロック部材9の先側、すなわちパネル取付具3の先側部30をブラケット4の開口部40に通じさせることができる。
またパネル2の上端をブラケット4に固定する際には、突起部91がブラケット4の長手方向に対して略平行になるように操作され回動する。このとき、図9(c)に示すように圧接部90a,90a間寸法・D8が、両壁部42,42の内面42aと内面42aの間の寸法・D5とほぼ同じ、もしくは若干D8>D5になるように形成されている。これにより、圧接部90a,90aが両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接し嵌合させることができ、パネル2の上端をしっかりと固定することができる。
以上、ここに示すパネル取付具3も上述の実施形態と同様に、パネル2を壁面11に押し当てることで、当接部60cが押圧され、スライダ7が自動的に突出する例であるが、パネル取付具3の構成は、これに限定されない。例えば、スライダ7、スライドトリガ6などを備えず、略直方体形状のケーシング5の上方に、常時突出した状態の上述の構成の先側部30が設けられたパネル取付具3としてもよい。この場合は、いわゆるけんどん式に先側部30をブラケット4に嵌め入れる。そして、ロック部材9を回転させて、圧接部90a,90aが両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接した状態となるよう構成すれば、パネル2の上端をしっかりと固定しその状態で保持することができる。
また図では、パネル取付具3がパネル2の上端背面側における角部に設けられた例を示しているが、これに限定されず、パネル2の大きさなどにあわせて適宜取り付けられる。
さらに図ではパネル2の一方の角部にパネル取付具3が取り付けられた例を示しているが、同様のパネル取付具3が他方の角部に取り付けられていることはいうまでもない。
以上のように構成されたパネル取付具3によるパネル2の上端の取付要領の一例について、図を参照しながら、説明する。
まず、図5(a)に示すようにパネル2の上端をブラケット4及び壁面11へ近接させていく(図5(a)・d5矢印方向参照)。このとき、スライドトリガ6の当接部60cは、ケーシング本体50の側面よりも壁面11側に突出する位置で保持されており、フック部60bは、引掛部72に係止されている。またこのとき、図5(b)に示すようにロック部材9の突起部91は、パネル2の幅方向に対して略直交する方向になるよう設定されている。
パネル2を壁面11へ向けて押し当てると、当接部60cが最初に壁面11と接触し、当接部60cが押されて(図6(a)・d6矢印方向参照)、スライドトリガ6が回動軸となる軸部51を中心に反時計回り方向に回動する。
すると、引掛部72とフック部60bとの係止状態が解除され、被保持部60dが保持壁部55に当接するともに当接部60cが壁面11に当接しスライドトリガ6が時計回りに若干回転した状態で保持される。そしてスライダ本体70内に収容されていたスライダ7が付勢手段73による付勢力で押し上げられ、突出する(図6(b)・d7矢印方向参照)。
スライダ7が突出するのにともなって、上方に設けられた先側部30が上方に移動し、先側部30がブラケット4の開口部40を通じ(図6(a)、図9(b)参照)、天面部43の内面側に当接することでその移動が停止する。
これにより、パネル2の上下方向が嵌合状態となるが、左右方向にはスライドさせることができる状態となる。よって、パネル2の取付位置の左右方向の調整を行うことができ、隣接して複数のパネル2を取り付ける場合は、目地調整などを行うことができる。
次にこうして先側部30が、開口部40を通じ開口縁部41,41間に位置する状態ででロック部材9の突起部91を操作して軸部92を略90度、時計回りに回転させる(図6(b)・d8矢印方向参照)。
すると、圧接部90a,90aが両壁部42,42の内面42a,42a側に圧接し嵌合する(図7(a)、図9(c)参照)。これにより、パネル2が前後左右にも動かない状態で保持される。
またロック部材9の上述の回転により、軸部92の回止部92aが、スライド片75を外方向に押圧し撓らせる(図7(b)参照)。
これにより、上述したようにロック部材9とスライダ本体70との隙間がなくなり、これに伴って、スライダ本体70とケーシング本体50との間の隙間がなくなるため、スライダ7の上下動を阻止し、しっかり規制することができる。
なお、本実施形態に係るパネル取付構造1において、パネル2の上端の固定を取り外す要領については詳しく説明しないが、ロック部材9の突起部91を操作して、略90度反時計回りに回転させる。すると、圧接部90a,90aの両壁部42,42の内面42a,42a側への圧接状態が解除され、パネル2の上端の固定状態を容易に解除することができる。
以上のパネル取付構造1によれば、パネル2の上端を固定する際にネジなどの固定具を使用することなく、天井高さの歪みや誤差なども吸収して、簡単かつ確実にパネル2の上端を固定しその状態を保持することができる。またこのように壁面11に向けてパネル2を押し当てていく施工で、スライダ7が自動的に突出するので、床面から天井近くまで高さ寸法があるようなパネル2の場合、パネル2を持ち上げることなく、壁面11側に向けて倒していけば、パネル2の上端を容易に取り付け固定することができる。
以上、各実施形態で説明したパネル2、パネル取付具3、ブラケット4の形状や構成、各構成部材の形状や構成などは上述の例に限定されない。
1 パネル取付構造
2 パネル
3 パネル取付具
30 先側部
4 ブラケット
40 開口部
71 スリット部
8 ロックピン
9 ロック部材

Claims (3)

  1. 建物の壁面に沿って取り付けられるパネルの上端を固定するパネル取付構造であって、
    前記パネルの上端にパネル取付具が取り付けられ、
    前記パネルの上端に対向する前記建物の天井側には、前記パネルの上端側に開口した開口部と該開口部を挟んで対向して設けられた両壁部を備えたブラケットが取り付けられており、
    前記パネル取付具は、前記両壁部の内面側に圧接した状態で固定される先側部を有していることを特徴とするパネル取付構造。
  2. 請求項1において、
    前記先側部は、前記パネル取付具の上端に設けられ、
    該先側部から前記両壁部間方向に対して直交方向、かつ前記パネル取付具の下側方向に延出して前記先側部を二股に分けるスリット部を有しており、
    該スリット部にロックピンを挿入することにより、前記スリット部が押し広げられ、前記先側部が前記両壁部の内面側に圧接した状態で固定されることを特徴とするパネル取付構造。
  3. 請求項1において、
    前記先側部は、縦軸周りに回転自在に構成されたロック部材の上端に設けられるとともに、前記ブラケットの前記両壁部の内側面に圧接されるように鍔状に形成された係止部を有しており、
    前記先側部を前記開口部に通じさせた後、前記ロック部材を回転させることにより、前記係止部が前記両壁部の内面側に圧接した状態で嵌合し固定されることを特徴とするパネル取付構造。

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