JP2012199297A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Seiji Yoshioka
省二 吉岡
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Abstract

【課題】外装体内のガスをより確実に排出することができ、かつ小形化を図ることができる蓄電デバイスを得る。
【解決手段】電気二重層キャパシタ1では、蓄電デバイス本体2と、蓄電デバイス本体2を収容し、蓄電デバイス本体2に含浸される電解液が内部に溜められた外装体3と、外装体3の内圧を調整する圧力調整装置4とを有している。圧力調整装置4は、外装体3内に配置された中空体10と、中空体10に互いに離して設けられ、外装体3内のガスを中空体10内へ透過可能な複数の気液分離膜11と、中空体10及び外装体3間に設けられ、外装体3外から中空体10内へのガスの進入を阻止するとともに、中空体10内から外装体3外へのガスの排出を許容する共通の逆止弁12とを有している。
【選択図】図3

Description

この発明は、電解液が含浸された蓄電デバイス本体を収容する外装体に圧力調整装置が設けられた蓄電デバイスに関するものである。
従来、電解液が含浸された電極セルと、電極セルを収容する容器とを有する電気二重層キャパシタが知られている。このような電気二重層キャパシタでは、電極セルへの充放電を繰り返すことにより電極セルからガスが発生する。この場合、容器の内圧が次第に上昇し、容器が破裂してしまうおそれがある。
従来、容器内で発生したガスを容器外へ排出するために、逆止弁を容器に取り付けた電気二重層キャパシタが知られている。このような従来の電気二重層キャパシタでは、電解液を透過させずにガスのみを透過させるガス分離膜を逆止弁に取り付けて、電解液を容器外へ排出せずにガスのみを容器外へ排出するようにしている。しかし、電気二重層キャパシタが傾けられてガス分離膜が電解液で覆われると、ガスは電解液に遮られてガス分離膜を透過しなくなり、容器が破裂してしまうおそれがある。
従来、容器の破裂を防止するために、複数の逆止弁を容器に設けた電気二重層キャパシタが提案されている。これにより、従来では、電気二重層キャパシタが傾けられて各逆止弁のいずれかが電解液で覆われても、残りの逆止弁でガスを容器外へ排出するようにして、容器の破裂の防止を図っている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−150055号公報
しかし、特許文献1に示されている電気二重層キャパシタでは、複数の逆止弁が容器に設けられているので、電気二重層キャパシタ全体が大形化してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、外装体内のガスをより確実に排出することができ、かつ小形化を図ることができる蓄電デバイスを得ることを目的とする。
この発明に係る蓄電デバイスは、蓄電デバイス本体、蓄電デバイス本体を収容し、蓄電デバイス本体に含浸される電解液が内部に溜められた外装体、及び外装体の内圧を調整する圧力調整装置を備え、圧力調整装置は、外装体内に配置された中空体と、中空体に互いに離して設けられ、外装体内のガスを中空体内へ透過可能な複数の気液分離膜と、中空体及び外装体間に設けられ、外装体外から中空体内へのガスの進入を阻止するとともに、中空体内から外装体外へのガスの排出を許容する共通の逆止弁とを有している。
この発明に係る蓄電デバイスでは、中空体が外装体内に配置され、外装体内のガスを中空体内へ透過可能な複数の気液分離膜が中空体に互いに離して設けられているので、各気液分離膜のそれぞれを通して外装体内から中空体内に進入したガスの外装体外への排出を共通の逆止弁で行うことができる。これにより、圧力調整装置の小形化を図ることができ、蓄電デバイス全体の小形化を図ることができる。また、各気液分離膜が互いに離れて配置されているので、蓄電デバイスが任意の方向に傾いたり倒れたりしても、すべての気液分離膜が電解液中に浸ってしまうことを回避することができ、各気液分離膜のいずれかを通して外装体内のガスを中空体内に進入させることができる。これにより、外装体内のガスをより確実に排出することができ、外装体3の内圧の調整をより確実に行うことができる。
この発明の実施の形態1による電気二重層キャパシタを示す斜視図である。 図1の電気二重層キャパシタを示す縦断面図である。 図1の電気二重層キャパシタを示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態2による電気二重層キャパシタを示す斜視図である。 この発明の実施の形態3による電気二重層キャパシタを示す斜視図である。 この発明の実施の形態4による電気二重層キャパシタを示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電気二重層キャパシタを示す斜視図である。また、図2は、図1の電気二重層キャパシタを示す縦断面図である。さらに、図3は、図1の電気二重層キャパシタを示す分解斜視図である。図において、蓄電デバイスである電気二重層キャパシタ1は、充電及び放電が行われる扁平状の蓄電デバイス本体2と、蓄電デバイス本体2を収容する外装体3と、外装体3の内圧を調整する圧力調整装置4とを有している。電気二重層キャパシタ1は、通常、蓄電デバイス本体2の厚さ方向を水平にして上下に立てて配置される。また、この例では、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの蓄電デバイス本体2及び外装体3の形状が、図2に示すように、それぞれ長方形となっている。
蓄電デバイス本体2は、正極及び負極とされた一対の電極5と、各電極5間に挟まれた離隔紙(セパレータ)6とを有している。電極5は、アルミニウム箔にカーボンを塗布して構成されている。蓄電デバイス本体2は、電極5が形成された離隔紙6を巻回又は積層することにより作製される。
蓄電デバイス本体2には、正極及び負極に個別に接続された一対の金属製(例えばアルミニウム製や銅製等)の端子7が設けられている。各端子7のそれぞれは、外装体3の上端部から外装体3外に露出している。蓄電デバイス本体2に対する充電及び放電は、各端子7を通して行われる。
外装体3内には、図2に示すように、蓄電デバイス本体2に含浸される電解液30が溜められている。電解液30は重力で外装体3内の下部に溜まっており、外装体3内の上部には空間が形成されている。蓄電デバイス本体2に対する充電及び放電は、正極と負極との間で電解液30中のイオンや電子が移動することにより行われる。蓄電デバイス本体2の充電及び放電が行われると、例えばHやCO、CO等のガスが蓄電デバイス本体2から発生する。外装体3の内圧は、蓄電デバイス本体2からのガスの発生により上昇する。
外装体3は、液体及び気体の透過を阻止する密閉容器となっている。この例では、外装体3は、アルミニウム箔の表面及び裏面のそれぞれに樹脂層が形成されたアルミラミネートフィルム8により構成されている。外装体3は、図3に示すように、長方形の一対のアルミラミネートフィルム8間に蓄電デバイス本体2を挟んだ後、各アルミラミネートフィルム8の外周部8a同士を全周にわたってシールすることにより作製される。各アルミラミネートフィルム8の外周部8a同士のシールの形成は、各アルミラミネートフィルム8の外周部8aの樹脂層同士を密着させて、樹脂層同士の密着部分を加熱により熱融着させることにより行われる。外装体3の上部には、一方のアルミラミネートフィルム8を貫通する通気孔9が設けられている。
圧力調整装置4は、外装体3内に配置されているとともに内部が空洞とされた中空体10と、中空体10に互いに離して設けられた複数(この例では、2つ)の気液分離膜11と、中空体10及び外装体3間に設けられた共通の逆止弁12とを有している。
中空体10は、蓄電デバイス本体2の周囲に配置されている。また、中空体10は、電解液30に対して溶けにくい材料により構成されている。中空体10を構成する材料としては、例えばポリプロピレンやポリエチレン等が用いられている。さらに、中空体10は、蓄電デバイス本体2の上方に配置された断面矩形状の第1の中空管13と、第1の中空管13に結合され、蓄電デバイス本体2の側方に配置された断面矩形状の第2の中空管14とを有している。
第1の中空管13は、蓄電デバイス本体2の上辺に沿って配置されている。第2の中空管14は、蓄電デバイス本体2の縦辺(側辺)に沿って配置されている。第1及び第2の中空管13,14は、それぞれの一端部同士が結合されることにより一体に形成されている。また、第1の中空管13内と第2の中空管14内とは、図2に示すように、互いに直接連通されている。中空体10は、第1及び第2の中空管13,14によりL字状に形成されている。
第1の中空管13の他端部には、外装体3内と第1の中空管13内とを連通させる開口部15が設けられている。第2の中空管14の他端部には、外装体3内と第2の中空管14内とを連通させる開口部16が設けられている。即ち、中空体10には、外装体3内と中空体10内とを連通させる複数(この例では、2つ)の開口部15,16が互いに離して設けられている。
この例では、第1の中空管13の長さ方向に対して傾斜しかつ蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って形成された第1の端面が、第1の中空管13の他端部に設けられている。開口部15は、第1の端面に設けられている。また、この例では、第2の中空管14の長さ方向に対して傾斜しかつ蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って形成された第2の端面が、第2の中空管14の他端部に設けられている。開口部16は、第2の端面に設けられている。
蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの開口部15,16の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。また、開口部15,16は、外装体3内の四隅のうち、互いに対向する2つの隅にそれぞれ配置されている。
各気液分離膜11は、開口部15,16を個別に塞いでいる。一方の開口部15を塞ぐ気液分離膜11は第1の中空管13の他端部に貼られ、他方の開口部16を塞ぐ気液分離膜11は第2の中空管14の他端部に貼られている。従って、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの気液分離膜11の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。また、気液分離膜11は、外装体3内の四隅のうち、互いに対向する2つの隅にそれぞれ配置されている。この例では、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って電気二重層キャパシタ1を見たときに、各気液分離膜11を結ぶ直線が蓄電デバイス本体2の長方形の対角線とほぼ一致している。
気液分離膜11は、複数の微細空孔が設けられた多孔性の膜(多孔膜)とされている。これにより、気液分離膜11は、液体(電解液30)の透過を阻止しながら、複数の微細空孔を通してガスのみを透過するようになっている。即ち、気液分離膜11は、外装体3内から中空体10内への電解液30の進入を阻止しながら、開口部15,16を通して外装体3内のガスを中空体10内へ透過可能になっている。これにより、蓄電デバイス本体2から発生したガスにより外装体3の内圧が上昇すると、外装体3内のガスが気液分離膜11を透過して中空体10内に進入し、中空体10の内圧が外装体3の内圧に応じて上昇する。
気液分離膜11を構成する材料は、気液分離膜11の微細空孔が電解液30で塞がれにくくするために、電解液30に対する濡れ性の低い材料(即ち、所定の撥水性を持つ材料)とされている。気液分離膜11を構成する材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニリデンフロオライド(PVDF)等が挙げられる。
逆止弁12は、外装体3内の上部に位置する第1及び第2の中空管13,14の結合部分に設けられている。また、逆止弁12は、通気孔9の位置に合わせて外装体3の内面に固定されている。逆止弁12は、外装体3外から中空体10内へのガス(外気)の進入を阻止するとともに、中空体10内から外装体3外へのガスの排出を許容する。
逆止弁12は、図2に示すように、外装体3の内面に固定された弁ケース17と、弁ケース17内に変位可能に配置された弁体18と、弁ケース17の内面と弁体18との間で縮められた弾性ばね(付勢体)19とを有している。
弁ケース17には、弁ケース17の壁をそれぞれ貫通する外側連通孔20及び内側連通孔21が設けられている。外側連通孔20は、通気孔9の位置に合わせて弁ケース17に設けられている。弁ケース17内は、外側連通孔20及び通気孔9を通して外装体3外と連通され、内側連通孔21を通して中空体10内と連通されている。
弁体18は、弁ケース17内で変位されることにより内側連通孔21を開閉する。この例では、弁体18の形状が球状となっている。
弾性ばね19は、弁ケース17の内面と弁体18との間で縮められて発生する弾性反発力により、内側連通孔21を閉じる方向へ弁体18を付勢している。弁体18は、弾性ばね19の付勢力によって弁ケース17の内面に押し付けられることにより、内側連通孔21を閉じる。また、弁体18は、中空体10の内圧で押されることにより、弾性ばね19の付勢力に逆らって、内側連通孔21を開く方向へ変位可能になっている。
中空体10の内圧が所定値以下であるときには、弁体18が弾性ばね19の付勢力により弁ケース17の内面に押し付けられて内側連通孔21が閉じている。中空体10の内圧が上昇して所定値を超えると、中空体10の内圧が弾性ばね19の付勢力に打ち勝ち、弾性ばね19の付勢力に逆らって弁体18が変位され、内側連通孔21が開く。中空体10内のガスは、内側連通孔21が開くことにより、弁ケース17内、外側連通孔20及び通気孔9を通して外装体3外へ排出される。逆止弁12は、中空体10の内圧に応じて内側連通孔21の開閉動作を行うことにより、中空体10の内圧を調整する。
次に、動作について説明する。電気二重層キャパシタ1が立てて配置されているときには、電解液30が重力で外装体3内の下部に溜まっているので、外装体3内の上部に配置された一方の気液分離膜11が外装体3内の空間に露出され、外装体3内の下部に配置された他方の気液分離膜11が電解液中に浸って電解液で覆われた状態となっている。従って、一方の気液分離膜11はガスを透過可能な状態となっているが、他方の気液分離膜11は電解液で遮られてガスの透過が不可能な状態となっている。
電気二重層キャパシタ1では、蓄電デバイス本体2に対する充電及び放電が繰り返されると、電極5に付着した水分や外装体3内の電解液の分解反応により、ガスが発生する。発生したガスは、蓄電デバイス本体2内の電解液30を押し出しながら、蓄電デバイス本体2から外装体3内へ排出される。蓄電デバイス本体2から押し出された電解液30は重力で外装体3内の下部に溜まり、蓄電デバイス本体2から排出されたガスは外装体3内の上部の空間に充満する。これにより、外装体3の内圧が次第に上昇する。
電気二重層キャパシタ1が立てて配置されている状態では、一方の気液分離膜11が外装体3内の空間に露出され、他方の気液分離膜11が電解液中に浸っているので、外装体3内のガスは、外装体3内の空間に露出された一方の気液分離膜11を透過して中空体10内に進入する。これにより、中空体10の内圧も、外装体3の内圧に応じて次第に上昇する。
中空体10の内圧が所定値を超えると、中空体10内のガスが、弾性ばね19の付勢力に逆らって弁体18を押し上げる。これにより、ガスは、中空体10内から、内側連通孔21、弁ケース17内、外側連通孔20及び通気孔9の順に通って、外装体3外へ排出される。これにより、外装体3及び中空体10のそれぞれの内圧が調整される。
例えば電気二重層キャパシタ1の側面が下になるように電気二重層キャパシタ1が90°だけ倒れた場合、電解液30が溜まる場所が、重力で外装体3内の下部から外装体3内の側部へ移る。これにより、外装体3内の空間に露出されていた一方の気液分離膜11が電解液30中に浸ることとなる一方で、電解液30中に浸っていた他方の気液分離膜11が外装体3内の空間に露出されることとなる。
従って、この場合には、外装体3の内圧が次第に上昇すると、外装体3内の空間に露出されることとなった他方の気液分離膜11を通して外装体3内のガスが中空体10内に進入し、中空体10の内圧が外装体3の内圧に応じて次第に上昇することとなる。この後、上記と同様の動作により、外装体3及び中空体10のそれぞれの内圧が調整される。
また、電気二重層キャパシタ1の上下が逆になった場合であっても、外装体3の下部が上になるので、外装体3内の下部に配置されている他方の気液分離膜11が外装体3内の空間に露出された状態が保たれる。従って、この場合も、上記と同様の動作により、外装体3及び中空体10のそれぞれの内圧が調整される。
さらに、電気二重層キャパシタ1の正面が下になるように(即ち、蓄電デバイス本体2の厚さ方向が上下方向になるように)電気二重層キャパシタ1が倒れた場合であっても、各気液分離膜11のそれぞれの下の部分が電解液30に浸されるが、各気液分離膜11のそれぞれの上の部分が外装体3内の空間に露出される。従って、この場合には、各気液分離膜11のそれぞれの上の部分を通して外装体3内のガスが中空体10内に進入し、中空体10の内圧が外装体3の内圧に応じて次第に上昇することとなる。この後、上記と同様の動作により、外装体3及び中空体10のそれぞれの内圧が調整される。
即ち、電気二重層キャパシタ1が任意の方向に倒れても、各気液分離膜11のいずれかの一部又は全部が外装体3内の空間に露出され、露出された気液分離膜11を通して外装体3内のガスが中空体10内に進入可能になる。これにより、外装体3の内圧が上昇した場合には、露出された気液分離膜11を通して外装体3内のガスが中空体10内に進入することにより、中空体10の内圧が外装体3の内圧に応じて上昇し、外装体3及び中空体10のそれぞれの内圧が調整されることとなる。
このような電気二重層キャパシタ1では、中空体10が外装体3内に配置され、外装体3内のガスを中空体10内へ透過可能な複数の気液分離膜11が中空体10に互いに離して設けられているので、各気液分離膜11のそれぞれを通して外装体3内から中空体10内に進入したガスの外装体3外への排出を共通の逆止弁12で行うことができる。これにより、圧力調整装置4の小形化を図ることができ、電気二重層キャパシタ1全体の小形化を図ることができる。また、各気液分離膜11が互いに離れて配置されているので、電気二重層キャパシタ1が任意の方向に傾いたり倒れたりしても、すべての気液分離膜11が電解液30中に浸ってしまうことを回避することができ、各気液分離膜11のいずれかを通して外装体3内のガスを中空体10内に進入させることができる。これにより、外装体3内のガスをより確実に排出することができ、外装体3の内圧の調整をより確実に行うことができる。
また、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各気液分離膜11の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置となっているので、電気二重層キャパシタ1を任意の方向に傾けても、外装体3内の空間に各気液分離膜11のいずれかをより確実に露出させることができる。これにより、外装体3内のガスをさらに確実に排出することができる。
また、各気液分離膜11は、所定の撥水性を持つ材料により構成されているので、外装体3内の電解液30が中空体10内に進入しにくくすることができるとともに、気液分離膜11のガスを透過する機能の低下を抑制することができる。
また、逆止弁12は、内側連通孔21を通して内部が中空体10内と連通される弁ケース17と、内側連通孔21を開閉する弁体18と、内側連通孔21を閉じる方向へ弁体18を付勢する弾性ばね19とを有しており、弁体18は、中空体10の内圧で押されることにより、弾性ばね19の付勢力に逆らって、内側連通孔21を開く方向へ変位可能になっているので、逆止弁12をどのような方向に向けても、内側連通孔21を閉じる方向への力を弁体18に常に与えることができ、逆止弁12の逆止機能をより確実に発揮させることができる。
なお、上記の例では、第1の中空管13の他端部に形成された第1の端面に開口部15が設けられているが、第1の中空管13の4つの側面の少なくともいずれかに開口部15を設け、気液分離膜11により開口部15を塞ぐようにしてもよい。また、第2の中空管14の他端部に形成された第2の端面に開口部16が設けられているが、第2の中空管14の4つの側面の少なくともいずれかに開口部16を設け、気液分離膜11により開口部16を塞ぐようにしてもよい。
また、上記の例では、第1及び第2の中空管13,14のそれぞれの断面形状が矩形状とされているが、これに限定されず、第1及び第2の中空管13,14のそれぞれの断面形状を例えば円形や楕円形等としてもよい。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による電気二重層キャパシタ1を示す斜視図である。図において、中空体10は、蓄電デバイス本体2の周囲を囲む環状の中空管とされている。また、中空体10には、蓄電デバイス本体2の厚さ方向について互いに対向する一対の環状面31,32が形成されている。
一方及び他方の開口部15,16は、一方の環状面31に設けられている。また、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各開口部15,16の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。
各気液分離膜11は、各開口部15,16を個別に塞いでいる。従って、一方及び他方の気液分離膜11も、一方の環状面31に設けられている。また、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各気液分離膜11の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
このように、中空体10を、蓄電デバイス本体2の周囲を囲む環状の中空管としても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、開口部15,16及び気液分離膜11を設ける位置の自由度を向上させることができる。
なお、上記の例では、各気液分離膜11及び開口部15,16が一方の環状面31にのみ設けられているが、中空体10における各気液分離膜11及び開口部15,16の位置は、これに限定されない。例えば、一方の気液分離膜11及び開口部15を一方の環状面31に設け、他方の気液分離膜11及び開口部16を他方の環状面32に設けてもよい。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3による電気二重層キャパシタ1を示す斜視図である。図において、中空体10は、蓄電デバイス本体2の厚さ方向について蓄電デバイス本体2に重ねられた内部が空洞の中空板とされている。また、中空体10には、蓄電デバイス本体2の厚さ方向について互いに対向する板表面41及び板裏面42が形成されている。
一方及び他方の開口部15,16は、板表面41に設けられている。また、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各開口部15,16の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。
各気液分離膜11は、各開口部15,16を個別に塞いでいる。従って、一方及び他方の気液分離膜11も、板表面41に設けられている。また、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各気液分離膜11の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
このように、中空体10を、蓄電デバイス本体2の厚さ方向について蓄電デバイス本体2に重ねられた中空板としても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、中空体10が蓄電デバイス本体2によって固定されるので、外装体3に対する逆止弁12の位置決めを容易にすることができる。
なお、上記の例では、各気液分離膜11及び開口部15,16が中空体10の板表面41に設けられているが、中空体10における各気液分離膜11及び開口部15,16の位置は、これに限定されない。例えば、一方の気液分離膜11及び開口部15を板表面41に設け、他方の気液分離膜11及び開口部16を板裏面42に設けてもよい。
また、上記の例では、中空体10が蓄電デバイス本体2の外側から重ねられているが、蓄電デバイス本体2を厚さ方向について蓄電デバイス本体2を2つの分割体に分割し、2つの分割体間に中空体10を挟んで、中空体10を蓄電デバイス本体2に重ねてもよい。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4による電気二重層キャパシタ1を示す斜視図である。図において、第1の中空管13の断面形状は矩形状とされ、第2の中空管14の断面形状は円形とされている。即ち、第1の中空管13の断面形状と、第2の中空管14の断面形状とは、互いに異なる形状とされている。
一方の気液分離膜11及び開口部15は、第1の中空管13の側面に設けられている。他方の気液分離膜11及び開口部16は、第2の中空管14の端面に設けられている。蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各開口部15,16の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。また、蓄電デバイス本体2の厚さ方向に沿って見たときの各気液分離膜11の位置は、蓄電デバイス本体2を挟んで対向する位置とされている。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
このように、第1及び第2の中空管13,14のそれぞれの断面形状を互いに異なる形状としても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、蓄電デバイス本体2の形状に合わせて中空体10を形成することにより、電気二重層キャパシタ1の小形化をさらに図ることができる。
なお、上記の例では、第1の中空管13の側面に気液分離膜11及び開口部15が設けられているが、第1の中空管13の端面に気液分離膜11及び開口部15を設けてもよい。また、上記の例では、第2の中空管14の端面に気液分離膜11及び開口部16が設けられているが、第2の中空管14の側面に気液分離膜11及び開口部16を設けてもよい。
また、各上記実施の形態では、中空体10に設けられた開口部15,16の数が2つとされ、各開口部15,16を個別に塞ぐ気液分離膜11の数が2つとされているが、中空体10に設けられた開口部の数を3つ以上とし、各開口部を個別に塞ぐ気液分離膜11の数を3つ以上としてもよい。
また、各上記実施の形態では、弁体18の形状が球状とされているが、これに限定されず、弁体18の形状を例えば板状や棒状等としてもよい。
1 蓄電デバイス、2 蓄電デバイス本体、3 外装体、4 圧力調整装置、10 中空体、11 気液分離膜、12 逆止弁、17 弁ケース、18 弁体、19 弾性ばね(付勢体)。

Claims (4)

  1. 蓄電デバイス本体、
    上記蓄電デバイス本体を収容し、上記蓄電デバイス本体に含浸される電解液が内部に溜められた外装体、及び
    上記外装体の内圧を調整する圧力調整装置
    を備え、
    上記圧力調整装置は、上記外装体内に配置された中空体と、上記中空体に互いに離して設けられ、上記外装体内のガスを上記中空体内へ透過可能な複数の気液分離膜と、上記中空体及び上記外装体間に設けられ、上記外装体外から上記中空体内へのガスの進入を阻止するとともに、上記中空体内から上記外装体外へのガスの排出を許容する共通の逆止弁とを有していることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 上記蓄電デバイス本体の形状は、扁平状とされており、
    上記蓄電デバイス本体の厚さ方向に沿って見たときの各上記気液分離膜の位置は、上記蓄電デバイス本体を挟んで対向する位置となっていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 上記気液分離膜は、所定の撥水性を持つ材料により構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイス。
  4. 上記逆止弁は、連通孔を通して内部が上記中空体内と連通される弁ケースと、上記連通孔を開閉する弁体と、上記連通孔を閉じる方向へ上記弁体を付勢する付勢体とを有しており、
    上記弁体は、上記中空体の内圧で押されることにより、上記付勢体の付勢力に逆らって、上記連通孔を開く方向へ変位可能になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
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