JP2018018673A - 電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】高コスト化を避けつつ、収容部ごとに圧力を調整可能な電池モジュールを提供する。【解決手段】電池モジュール1は、セパレータ13を介在させて第1方向D1に交互に積層された正極11及び負極12を含む複数の積層体10と、第1方向D1に沿って配列され積層体10をそれぞれ収容する複数の電槽(収容部)20と、電槽20の一端部20cに設けられ、電槽20の内部の圧力を調整するための圧力調整弁30と、を備える。圧力調整弁30は、一端部20cとの間に空間SPを形成する蓋体31と、空間SP内に配置された弁体32と、を有する。一端部20cには、電槽20の内部と空間SPとを連通するとともに、弁体32によって塞がれた連通孔20hが設けられており、弁体32は、互いに隣り合う少なくとも2つの連通孔20hを一括して塞ぐように、空間SP内に配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、電池モジュールに関する。
特許文献1には、密閉式二次電池が記載されている。この密閉式二次電池は、連接された複数の電槽と、正極板と負極板とをセパレータを介して積層して構成され各電槽に収容された極板群と、各電槽に設けられ各電槽の内部圧力が所定以上になると開口するガス排出部と、各ガス排出部から流入したガスを外部に導出するガス集合部と、を備える。密閉式二次電池は、極板群が収容された電槽を含む単電池を直列接続することによって所要の電力容量を確保している。
上記の密閉式二次電池のような電池モジュールにおいては、複数の電槽に対して共通するガス集合部が設けられている。そのため、ある電槽から発生したガスは、ガス排出部及びガス集合部を介して他の電槽内に流入する場合がある。そのような場合、当該他の電槽を含む単電池の劣化が促進され、SOC(state of charge)にばらつきが生じてしまうおそれがある。
このように、SOCにばらつきが生じることを抑制するためには、各ガス排出部からのガスをガス集合部に流入させずに、ガスを外部に導くための流路を各ガス排出部に設けることによって、各電槽内の圧力を個別に調整することが考えられる。しかしながら、個別に設けられた各ガス排出部に対して、さらに個別の流路を設けることとすると、高コスト化を招くこととなる。
そこで、本発明は、高コスト化を避けつつ、収容部ごとに圧力を調整可能な電池モジュールを提供することを目的とする。
セパレータを介在させて第1方向に交互に積層された正極及び負極を含む複数の積層体と、第1方向に沿って配列され積層体をそれぞれ収容する複数の収容部と、収容部の一端部に設けられ、収容部の内部の圧力を調整するための圧力調整弁と、を備え、圧力調整弁は、一端部との間に空間を形成する蓋体と、空間内に配置された弁体と、を有し、一端部には、収容部の内部と空間とを連通するとともに、弁体によって塞がれた連通孔が設けられており、弁体は、互いに隣り合う少なくとも2つの連通孔を一括して塞ぐように、空間内に配置されている。
この電池モジュールにおいては、電極(正極及び負極)の積層体を収容する収容部に設けられた圧力調整弁は、蓋体によって収容部の一端部に形成される空間内に配置された弁体を有している。各収容部の一端部には、その空間と収容部の内部とを連通する連通孔が形成されている。それぞれの連通孔は、圧力調整弁の弁体によって塞がれている。そのため、例えば、収容部の内部においてガスが発生して収容部の内部の圧力が上昇した際には、当該圧力に応じた弁体の変形及び/又は移動により、連通孔の閉塞が解除される。その結果、連通孔からガスの流出が生じ、収容部の内部の圧力が調整される。ここで、弁体は、少なくとも2つの連通孔を一括して塞ぐように、空間内に配置されている。これにより、それぞれの連通孔を個別に塞ぐ弁体を設けた場合と比較して、部材点数を削減することができる。このように、この電池モジュールによれば、高コスト化を避けつつ、収容部ごとに圧力を調整することが可能となる。
本発明に係る電池モジュールにおいて、弁体により一括して塞がれた互いに隣り合う2つの連通孔の縁同士の最短距離は、2つの連通孔のそれぞれの縁と弁体の外縁との最短距離よりも長くてもよい。この場合、連通孔から流出したガスは、1つの弁体により一括して塞がれている隣の連通孔の縁に到達するよりも先に、弁体の外縁に到達する。そのため、一の収容部の内部において発生したガスが、別の収容部の内部に流入することを抑制することができる。
本発明に係る電池モジュールにおいて、互いに隣り合う収容部の連通孔の位置は、第1方向から見て互いに異なっていてもよい。この場合、互いに隣り合う収容部の連通孔同士は、収容部の配列方向である第1方向とは異なる方向に沿って互いに隣り合っている。そのため、互いに隣り合う収容部の連通孔の位置が第1方向から見て互いに重複している場合と比較して、互いに隣り合う連通孔同士の間隔を大きく設定することができる。
本発明に係る電池モジュールにおいて、弁体は、第1方向に沿って互いに隣り合う少なくとも2つの連通孔を一括して塞ぐように、空間内に配置されていてもよい。上述したように、ここでは、第1方向に沿って互いに隣り合う収容部の連通孔の位置は、第1方向から見て互いに異なっている。したがって、ここでは、弁体が第1方向に沿って互いに隣り合う連通孔を一括して塞ぐとは、一の収容部の連通孔と、第1方向に沿ってその一の収容部に隣接しない別の収容部(一の収容部との間に1つ以上の収容部が介在する別の収容部)の連通孔とを一括して塞ぐことである。
本発明に係る電池モジュールにおいて、弁体は、第1方向に沿って互いに隣り合う少なくとも2つの収容部の連通孔を一括して塞ぐように、空間内に配置されていてもよい。上述したように、ここでは、第1方向に沿って互いに隣り合う収容部の連通孔の位置は、第1方向から見て互いに異なっている。したがって、ここでは、弁体が第1方向に沿って互いに隣り合う収容部の連通孔を一括して塞ぐとは、一の連通孔と、第1方向に沿ってその一の連通孔に隣接しない別の連通孔(一の連通孔と第1方向と異なる方向に沿って隣接する別の連通孔)とを一括して塞ぐことである。
本発明によれば、高コスト化を避けつつ、収容部ごとに圧力を調整可能な電池モジュールを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電池モジュールについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素同士、或いは相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、理解の容易化のため、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3からなる直交座標系Sを示している。
図1は、本実施形態に係る電池モジュールの平面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。図1〜3に示されるように、電池モジュール1は、複数(ここでは、10個)の積層体10と、第1方向D1に沿って配列され、積層体10をそれぞれ収容する複数(ここでは、10個)の電槽(収容部)20と、電槽20の内部の圧力を調整するための圧力調整弁30と、を備えている。電池モジュール1は、例えば、ニッケル水素電池等の二次電池をモジュール化したものである。
それぞれの積層体10は、電解液(不図示)とともに各電槽20に収容されている。図4は、図2に示された積層体及び電槽の分解斜視図である。図5は、図2に示された積層体10の概略断面図である。積層体10は、複数の正極11と、複数の負極12と、正極11と負極12との間に配置された複数のセパレータ13とを含む。正極11及び負極12は、セパレータ13を介在させて第1方向D1に沿って交互に積層されている。正極11、負極12、及びセパレータ13は、それぞれ正極11及び負極12の積層方向(すなわち、第1方向D1)に交差(直交)する方向(ここでは、第2方向D2及び第3方向D3)に延在するシート状を呈している。また、正極11、負極12、及びセパレータ13は、それぞれ第1方向D1から見て、第3方向D3を長手方向とする長方形状を呈している。
正極11は、金属箔11aと、金属箔11aの両面に設けられた正極活物質層11bと、を含む。金属箔11aは、例えば、多孔性のニッケル箔等である。正極活物質層11bは、例えば、水酸化ニッケルを含む。金属箔11aには、金属箔11aの第2方向D2の一端から突出するタブ部11cが設けられている。
負極12は、金属箔12aと、金属箔12aの両面に設けられた負極活物質層12bと、を含む。金属箔12aは、例えば、多孔性のニッケル箔又はメッシュ状のニッケルめっき銅板(パンチングメタル)等である。負極活物質層12bは、例えば、水素吸蔵合金を含む。金属箔12aには、金属箔12aの第2方向D2の一端から突出するタブ部12cが設けられている。
セパレータ13は、例えば、樹脂製の微多孔膜である。なお、セパレータ13は、シート状に限定されない。セパレータ13は、例えば、袋状であってもよい。セパレータ13は、例えば、タブ部11cを露出させた状態で正極11を包んでいてもよく、タブ部12cを露出させた状態で負極12を包んでいてもよい。電解液は、例えば、水酸化カリウムを含む比重1.2〜1.4のアルカリ水溶液である。セパレータ13には、電解液が含浸されている。電解液は、正極活物質層11b及び負極活物質層12bにも含浸されている。
本実施形態では、例えば、2枚の正極11と3枚の負極12とが交互に積層されて積層体10が構成されている。積層体10において、各正極11は、タブ部11cの向きが揃うように積層され、各負極12は、タブ部12cの向きが揃うように積層されている。これにより、正極11のタブ部11cによって正極タブ群14が構成され、負極12のタブ部12cによって負極タブ群15が構成されている。正極タブ群14及び負極タブ群15は、第2方向D2における積層体10の端部10cに形成されている。
なお、正極タブ群14及び負極タブ群15の位置は、第1方向D1から見て互いに異なっている。例えば、正極タブ群14は、第3方向D3における積層体10の一方側に形成され、負極タブ群15は、第3方向D3における積層体10の他方側に形成されている。
また、本実施形態では、互いに隣り合う積層体10の正極タブ群14及び負極タブ群15の位置は、第1方向D1から見て互いに異なっている。すなわち、一方側に正極タブ群14が形成された積層体10と、他方側に正極タブ群14が形成された積層体10と、が互いに隣り合うように、複数の積層体10が配列されている。
図1〜図4に示されるように、電槽20は、積層体10を収容している。電槽20は、第1方向D1に沿って配列されている。第1方向D1における電池モジュール1の端部に位置する一対の電槽20は、第1方向D1に沿って互いに対向するプレート22及び隔壁23と、第2方向D2に沿って互いに対向する上壁24及び底壁25と、第3方向D3に沿って互いに対向する一対の側壁26と、を有し、それらによって矩形箱状に形成されている。
一方、第1方向D1における電池モジュール1の端部に位置する一対の電槽20以外の電槽20は、第1方向D1に沿って互いに対向する一対の隔壁23と、第2方向D2に沿って互いに対向する上壁24及び底壁25と、第3方向D3に沿って互いに対向する一対の側壁26と、を有し、それらによって矩形箱状に形成されている。プレート22、隔壁23、上壁24、底壁25、及び、側壁26は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、又は変性PPE(ポリフェニレンエーテル)等の樹脂材料により形成されている。
隔壁23は、第2方向D2及び第3方向D3に延在する板状を呈している。また、隔壁23は、第1方向D1から見て第3方向D3を長手方向とする長方形状を呈している。隔壁23は、第1方向D1に沿って互いに隣り合う積層体10の間に介在している。ここで、2つの積層体10の間には、1つの隔壁23が介在している。すなわち、隔壁23は、互いに隣り合う電槽20において共有化されている。
上壁24、底壁25、及び一対の側壁26は、隔壁23における積層体10が配置される領域を囲むように、隔壁23に一体的に設けられている。上壁24は、第2方向D2における隔壁23の一端部23cに設けられている。隔壁23の一端部23cは、第2方向D2について、積層体10の端部10c及び電槽20の一端部20cと同じ側の端部である。すなわち、電槽20は、一端部20cにおいて上壁24を有している。底壁25は、第2方向D2における隔壁23の他端部23dに設けられている。一対の側壁26は、第3方向D3における隔壁23の両端部にそれぞれ設けられている。
また、上壁24、底壁25、及び一対の側壁26は、隔壁23の第1方向D1に交差する一対の面のうちの一方の面23sに設けられている。隔壁23の一方の面23sからの上壁24、底壁25、及び側壁26の高さは、互いに等しい。また、隔壁23の一方の面23sからの上壁24、底壁25、及び側壁26の高さは、第1方向D1における積層体10の厚みより僅かに大きい。このように、第1方向D1に沿って配列された隔壁23と、隔壁23に設けられた上壁24、底壁25、及び一対の側壁26と、によって、内部に積層体10を収容する電槽20が構成されている。
また、隔壁23には、一方の面23s側に開口する一対の窓部23wが形成されている。窓部23wは、第3方向D3における隔壁23の一方側と他方側とに互いに離間して形成されている。窓部23wは、例えば、第3方向D3の一方側及び他方側においてそれぞれ当該第3方向D3に延びる長方形状を呈している。
隔壁23には、一対の集電板27が埋設されている。集電板27は、例えば、金属等によって構成されている。集電板27は、第3方向D3における隔壁23の一方側と他方側とに互いに離間して設けられている。集電板27は、隔壁23の窓部23wから露出した露出部27aと、隔壁23の一端部23c側において隔壁23から突出した突出部27bと、を含む。隔壁23の窓部23wは、電槽20内に形成されている。したがって、露出部27aは、窓部23wを介して、電槽20の内部において隔壁23から露出している。突出部27bは、隔壁23の一端部23c側において、第2方向D2に沿って突出している。すなわち、突出部27bは、電槽20の一端部20c側において、電槽20から突出している。
第1方向D1から見て、積層体10の正極タブ群14は一方側の窓部23wから露出する集電板27の露出部27aに重なり、負極タブ群15は他方側の窓部23wから露出する集電板27の露出部27aに重なっている。正極タブ群14及び負極タブ群15は、露出部27aにおいて集電板27に電気的に接続されている。正極タブ群14及び負極タブ群15は、例えば、溶接によって集電板27の露出部27aにそれぞれ接合されている(図1の二点鎖線によって示される部分拡大図を参照)。溶接としては、例えば、抵抗シーム溶接、レーザによる貫通溶接などが用いられる。
第1方向D1において互いに隣り合う突出部27b同士は、電気的に接続されている。突出部27b同士の接続には、例えば、平板状の接続部材28が用いられる。突出部27bと接続部材28とは、例えば溶接によって接合され、接続部29が構成される。1つの隔壁23から突出する一対の突出部27bに着目すると、その一方の突出部27bは、第1方向D1の一方側において当該突出部27bに隣接する別の(隔壁23の)突出部27bに接続され、その他方の突出部27bは、第1方向D1の他方側において当該突出部27bに隣接するさらに別の(隔壁23の)突出部27bに接続される。これにより、電池モジュール1では、積層体10同士が電気的に直列に接続されている。
続けて、圧力調整弁30について説明する。圧力調整弁30は、電槽20の内部の圧力を調整する。圧力調整弁30は、第2方向D2における電槽20の一端部20cに設けられている。また、圧力調整弁30は、後述する連通孔20hが設けられている領域に対応した位置に設けられている。第3方向D3についての圧力調整弁30の位置は、第3方向D3についての突出部27bの位置と異なる。例えば、第2方向D2から見たとき、隔壁23の一方側及び他方側から突出する突出部27b同士の間に、圧力調整弁30が設けられている。圧力調整弁30は、蓋体31と、弁体32と、を有している。
蓋体31は、電槽20の一端部20cとの間に空間SPを形成している。蓋体31は、電池モジュール1における複数(例えば、10個)の電槽20の全体に架け渡されるように設けられている。蓋体31は、複数(例えば、10個)の電槽20に対して、共通する1つの空間SPを形成している。蓋体31は、被覆部33と、通気部34と、シール部35と、を含む。
被覆部33は、第2方向D2における電池モジュール1の端部(電槽20の一端部20cの集合)から第2方向D2に沿って延びる筒状(例えば、角筒状)の側部33aと、第2方向D2における側部33aの端部において側部33aによって囲まれた領域を塞ぐ板状(例えば、矩形板状)の頂部33bと、を含む。通気部34は、頂部33bの中央部において、頂部33bを貫通するように設けられている。通気部34は、例えば、第2方向D2に沿って延びる円柱形状を呈している。シール部35は、側部33aの周囲に突設され、電槽20に接合される。シール部35は、例えば、側部33aの全周に亘る矩形環状を呈している。
空間SPは、蓋体31の被覆部33(側部33a及び頂部33b)によって囲まれた領域に形成されている。また、通気部34によって空間SPは外部に連通している。蓋体31は、例えば、樹脂によって形成されている。蓋体31のシール部35は、例えば、溶接等によって電槽20の一端部20cに接合されている。
弁体32は、空間SP内に配置されている。弁体32は、例えば直方体状を呈している。弁体32は、空間SP内に充填するように配置され、弾性部材(例えば、ゴム)によって形成されている。弁体32は、空間SP内において、通気部34を塞ぐように配置されている。弁体32は、蓋体31によって電槽20の一端部20cに押圧されている。なお、弁体32の詳細については後述する。
ここで、図1及び図3に示されるように、電槽20の一端部20cには、それぞれの電槽20の内部と空間SPとを連通する連通孔20hが設けられている。連通孔20hは、各電槽20において上壁24に設けられている。連通孔20hは、空間SP側から(すなわち、電槽20の外部側から)弁体32によって塞がれている。そのため、電槽20の内部の圧力が高くなると、圧力によって電槽20の内部側から空間SP側に弁体32が押圧される。これにより、弁体32が弾性変形し、連通孔20h及び通気部34の閉塞が解除される。したがって、空間SPを介して電槽20の内部と外部空間とが連通する。
連通孔20hは、例えば、第2方向D2から見て正方形状に形成されている。なお、連通孔20hの形状は正方形状に限定されず、例えば、長方形状、円形状等であってもよい。連通孔20hは、上壁24の一部に電槽20の内部から空間SPまで貫通する切り欠きを設けることにより形成されていてもよい。
連通孔20hは、第1方向D1に沿って一定の間隔で配列されている。ここでは、互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置は、第1方向D1から見て互いに異なっている。また、一部(ここでは、半数)の連通孔20h同士は、第1方向D1から見て互いに重複している。ただし、第1方向D1から見て互いに重複する位置に連通孔20hが設けられた電槽20同士の間には、第1方向D1から見て当該連通孔20hと異なる位置に連通孔20hが設けられた電槽20が1つ以上(ここでは、1つ)介在している。
また、上述したように、連通孔20hが設けられている領域は、圧力調整弁30が設けられている位置に対応している。したがって、第3方向D3についての連通孔20hの位置は、第3方向D3についての突出部27bの位置と異なる。ここでは、第2方向D2から見たとき、隔壁23の一方側から突出する突出部27bを含む領域と隔壁23の他方側から突出する突出部27bを含む領域との間(電池モジュール1の中央部)に、連通孔20hが設けられている。
次に、図6を併せて参照し、弁体32について詳細に説明する。図6(a)は、図3の部分VIAの拡大図である。図6(b)は、図6(a)のVIB-VIB線に沿った断面図である。
弁体32は、1つの蓋体31によって形成される1つの共通する空間SP内に1つ配置されている。また、弁体32は、互いに隣り合う少なくとも2つの連通孔20hを一括して塞ぐように、空間SP内に配置されている。ここでは、電池モジュール1における複数(10個)の電槽20の連通孔20hの全てを一括して塞ぐように、空間SP内に配置されている。すなわち、ここでは、1つの電池モジュール1は、1つの弁体32(圧力調整弁30)を備えている。
また、弁体32は、第3方向D3における空間SPの中央部に配置されている。弁体32は、第3方向D3における蓋体31の両方の側部33aとの間にそれぞれ隙間Gを形成するように、空間SP内に配置されている。ここで、弁体32により一括して塞がれた互いに隣り合う2つの連通孔20hの縁同士の最短距離L1は、当該2つの連通孔20hのそれぞれの縁と弁体32の外縁との最短距離L2よりも長い。
最短距離L1は、隣り合う方向(ここでは、第1方向D1)における2つの連通孔20hの互いに最も近い位置P1,P2間の距離である。最短距離L2は、ここでは、第3方向D3における連通孔20hの隙間Gに最も近い位置P3から、第3方向D3における弁体32の隙間G側の外縁の位置P4までの距離である。
上述したように、弁体32は、蓋体31によって電槽20の一端部20cに押圧されている。そのため、電槽20の内外の圧力差が所定値以内(例えば、0.4MPa以下)の場合、電槽20の一端部20cと弁体32とは接触している。言い換えると、最短距離L1は、2つの連通孔20hの縁同士の間において連続する接触領域の最短距離である。最短距離L2は、連通孔20hのそれぞれの縁と弁体32の隙間G側の外縁との間において連続する接触領域の最短距離である。ここでは、最短距離L1が最短距離L2よりも長いため、連通孔20hから流出したガスは、1つの弁体32により一括して塞がれている隣の連通孔20hの縁に到達するよりも先に、弁体32の外縁(隙間G)に到達する。
以上説明した電池モジュール1においては、電極(正極11及び負極12)の積層体10を収容する電槽(収容部)20に設けられた圧力調整弁30は、蓋体31によって電槽20の一端部20cに形成される空間SP内に配置された弁体32を有している。各電槽20の一端部20cには、その空間SPと電槽20の内部とを連通する連通孔20hが形成されている。それぞれの連通孔20hは、圧力調整弁30の弁体32によって塞がれている。そのため、例えば、電槽20の内部においてガスが発生して電槽20の内部の圧力が上昇した際には、当該圧力に応じた弁体32の変形及び/又は移動により、連通孔20hの閉塞が解除される。その結果、連通孔20hからガスの流出が生じ、電槽20の内部の圧力が調整される。ここで、弁体32は、少なくとも2つの連通孔20hを一括して塞ぐように、空間SP内に配置されている。これにより、それぞれの連通孔20hを個別に塞ぐ弁体32を設けた場合と比較して、部材点数を削減することができる。このように、この電池モジュール1によれば、高コスト化を避けつつ、電槽20ごとに圧力を調整することが可能となる。
電池モジュール1において、弁体32により一括して塞がれた互いに隣り合う2つの連通孔20hの縁同士の最短距離L1は、2つの連通孔20hのそれぞれの縁と弁体32の外縁との最短距離L2よりも長い。これにより、連通孔20hから流出したガスは、1つの弁体32により一括して塞がれている隣の連通孔20hの縁に到達するよりも先に、弁体32の外縁(隙間G)に到達する。そのため、一の電槽20の内部において発生したガスが、別の電槽20の内部に流入することを抑制することができる。
電池モジュール1において、互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置は、第1方向D1から見て互いに異なる。これにより、互いに隣り合う電槽20の連通孔20h同士は、電槽20の配列方向である第1方向D1とは異なる方向に沿って互いに隣り合っている。そのため、互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置が第1方向D1から見て互いに重複している場合と比較して、互いに隣り合う連通孔20h同士の間隔を大きく設定することができる。
以上の実施形態は、本発明に係る電池モジュールの一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る電池モジュールは、上記の電池モジュール1に限定されない。本発明に係る電池モジュールは、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上記の電池モジュール1を任意に変更したものとすることができる。図7及び図8は、電池モジュールの変形例である。
例えば、本実施形態の電池モジュール1は、全ての連通孔20hを一括して塞ぐように1つの空間SP内に配置された1つの弁体32を有する1つの圧力調整弁30を備えていた。しかしながら、圧力調整弁30の数量及び態様はこれに限定されない。例えば、電池モジュール1が2つ以上の圧力調整弁30を備えていてもよいし、1つの圧力調整弁30が複数の弁体32を有していてもよい。すなわち、電池モジュール1は、互いに隣り合う少なくとも2つの連通孔20hを一括して塞ぐように空間SP内に配置された弁体32を有する圧力調整弁30を備えていればよい。
図7は、電池モジュールの変形例を示す図である。図7に示されるように、ここでの電池モジュール1は、2つの圧力調整弁30を備えている。それぞれの圧力調整弁30は、1つの蓋体31と1つの弁体32とを有する。蓋体31のそれぞれは、第1方向D1に沿って全ての電槽20に架け渡されるように延びている。蓋体31のそれぞれによって形成される空間SPは、第1方向D1に沿って互いに隣り合う5つの連通孔20hに連通しており、且つ、互いに独立している。
蓋体31は、第3方向D3に沿って配列されている。したがって、2つの蓋体31は、第1方向D1に沿って延び、第3方向D3に沿って配列された2列の空間SPを形成している。弁体32は、第1方向D1に沿って互いに隣り合う複数(ここで5つ)の連通孔20hを一括して塞ぐように、それぞれの空間SP内に配置されている。上述したように、ここでは、第1方向D1に沿って互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置は、第1方向D1から見て互いに異なっている。したがって、ここでは、弁体32が第1方向D1に沿って互いに隣り合う連通孔20hを一括して塞ぐとは、一の電槽20の連通孔20hと、第1方向D1に沿ってその一の電槽20に隣接しない別の電槽20(一の電槽20との間に1つ以上の電槽20介在する別の電槽20)の連通孔20hとを一括して塞ぐことである。
図8は、電池モジュールの別の変形例を示す図である。図8に示されるように、ここでの電池モジュール1は、5つの圧力調整弁30を備えている。それぞれの圧力調整弁30は、1つの蓋体31と1つの弁体32とを有する。蓋体31のそれぞれは、第1方向D1に沿って一部の(ここでは2つの)電槽20に架け渡されるように延びている。蓋体31のそれぞれによって形成される空間SPは、第1方向D1に沿って互いに隣り合う2つの電槽20の連通孔20hに連通しており、且つ、互いに独立している。したがって、第1方向D1に沿って互いに隣り合う連通孔20h同士は、互いに異なる空間SPに連通している。
蓋体31は、第1方向D1に沿って配列されている。したがって、5つの蓋体31は、第1方向D1に沿って配列された5つの空間SPを形成している。弁体32は、第1方向D1に沿って互いに隣り合う複数(ここでは2つ)の電槽20の連通孔20hを一括して塞ぐように、それぞれの空間SP内に配置されている。上述したように、ここでは、第1方向D1に沿って互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置は、第1方向D1から見て互いに異なっている。ここでは、弁体32が第1方向D1に沿って互いに隣り合う電槽20の連通孔20hを一括して塞ぐとは、一の連通孔20hと、第1方向D1に沿ってその一の連通孔20hに隣接しない別の連通孔20h(一の連通孔20hと第1方向D1と異なる方向に沿って隣接する別の連通孔20h)とを一括して塞ぐことである。
さらに、電池モジュール1にあっては、1つの圧力調整弁30が複数の弁体32を有していてもよい。例えば、1つの圧力調整弁30においては、蓋体31が1つの空間SPを形成すると共に、2つ以上の連通孔20hを一括して塞ぐように当該1つの空間SP内に2つ以上の弁体32が配置されていてもよい。また、1つの圧力調整弁30においては、1つの蓋体31が、互いに独立した2つ以上の空間SPを形成すると共に、2つ以上の連通孔20hを一括して塞ぐように、それぞれの空間SP内に2つ以上の弁体32が配置されていてもよい。このように、電池モジュール1にあっては、圧力調整弁30の数、及び、態様は任意である。
また、第1方向D1に沿って互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置は、第1方向D1から見て互いに異なっている場合に限定されない。第1方向D1に沿って互いに隣り合う電槽20の連通孔20hの位置は、第1方向D1から見て少なくとも部分的に互いに重複していてもよい。
また、本実施形態の電池モジュール1は、ニッケル水素電池等の二次電池をモジュール化したものによって構成されていたが、電池モジュールは、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池をモジュール化したものによって構成されていてもよい。
また、本実地形態の電池モジュール1における積層体10は、一種類の金属箔の一方の面に正極活物質を、他方の面に負極活物質を、それぞれ塗工されたバイポーラ型であってもよい。この場合、「正極」は「正極活物質層自体」を意味し、「負極」は「負極活物質層自体」を意味する。
1…電池モジュール、10…積層体、11…正極、12…負極、13…セパレータ、20…電槽(収容部)、20c…一端部、20h…連通孔、30…圧力調整弁、31…蓋体、32…弁体、D1…第1方向、L1…最短距離、L2…最短距離、SP…空間。
Claims (5)
- セパレータを介在させて第1方向に交互に積層された正極及び負極を含む複数の積層体と、
前記第1方向に沿って配列され前記積層体をそれぞれ収容する複数の収容部と、
前記収容部の一端部に設けられ、前記収容部の内部の圧力を調整するための圧力調整弁と、を備え、
前記圧力調整弁は、前記一端部との間に空間を形成する蓋体と、前記空間内に配置された弁体と、を有し、
前記一端部には、前記収容部の内部と前記空間とを連通するとともに、前記弁体によって塞がれた連通孔が設けられており、
前記弁体は、互いに隣り合う少なくとも2つの前記連通孔を一括して塞ぐように、前記空間内に配置されている、
電池モジュール。 - 前記弁体により一括して塞がれた互いに隣り合う2つの前記連通孔の縁同士の最短距離は、前記2つの連通孔のそれぞれの縁と前記弁体の外縁との最短距離よりも長い、
請求項1に記載の電池モジュール。 - 互いに隣り合う前記収容部の前記連通孔の位置は、前記第1方向から見て互いに異なっている、
請求項1又は2に記載の電池モジュール。 - 前記弁体は、前記第1方向に沿って互いに隣り合う少なくとも2つの前記連通孔を一括して塞ぐように、前記空間内に配置されている、
請求項3に記載の電池モジュール。 - 前記弁体は、前記第1方向に沿って互いに隣り合う少なくとも2つの前記収容部の前記連通孔を一括して塞ぐように、前記空間内に配置されている、
請求項3又は4に記載の電池モジュール。
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