JP2012196078A - 電力変換装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホール素子を使用することなく、変圧器の主磁束を検出して、変圧器の偏磁を正確に検出することができる電力変換装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】交流電源2に変圧器3を介して接続されて当該変圧器に交流電力を出力する電力変換部4を備えた電力変換装置1であって、前記変圧器の漏れ磁束を検出するサーチコイル12と、該サーチコイルで検出した漏れ磁束に応じたサーチコイル電圧における当該漏れ磁束が正負のピークに向かう領域に対応する交流電源電圧の位相領域を個別に積分して、双方の最終積分値を第1の最終積分値及び第2の最終積分値として保持する積分演算部32と、該積分演算部の第1の最終積分値及び第2の最終積分値の和を算出して偏磁量を演算する偏磁量演算部37と、前記電力変換部の指令値を前記偏磁量演算部で演算した偏磁量で補正する指令値補正部25とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源に変圧器を介して接続された電力変換部を有する電力変換装置及びその制御方法に関する。
この種の電力変換装置としては、例えば、交流電源と自励式変換装置との間に介挿した変圧器の一次側及び二次側の電流を電流検出器で検出し、検出した一次側電流及び二次側電流から変圧器の励磁電流成分を演算し、この励磁電流成分から磁束密度直流成分を演算し、さらにこの磁束密度直流成分と磁束密度直流成分指令値とから電圧指令補正値を演算するようにした電力変換装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、自己消弧素子から構成され変圧器を介して電力系統又は負荷と接続される電力変換装置において、前記変圧器の鉄心の磁束を検出する手段(ホール素子)を設け、前記磁束の最大値と最小値の中心値を検出し、該中心値に基づいて前記電力変換装置の出力電圧指令値を補正するようにした電力変換装置の制御装置が提案されている(例えば,特許文献2参照)。
特開平10−56739号公報 特開平7−28534号公報 特開昭53−128776号公報
ところで、上述したように特許文献1に記載の従来例にあっては、変圧器の一次側及び二次側の電流を検出して、両電流の偏差から変圧器の励磁電流成分を演算し、この励磁電流成分から磁束密度直流成分を演算し、さらに磁束密度直流成分と磁束密度直流成分指令値とから電圧指令値補正値を演算するようにしている。しかしながら、この特許文献1に記載の電力変換装置では、変圧器の磁束を直接検出するのではなく、変圧器の一次側及び二次側電流から磁束密度成分を演算するようにしているので、変圧器の磁束密度を正確に検出することはできないという未解決の課題がある。
これに対して、特許文献2に記載の従来例にあっては、ホール素子を使用して変圧器の磁束密度を検出するようにしており、ホール素子は、主磁束が流れるメインの鉄心磁路の中に埋め込んで、直接主磁束を検出できるものであり、ホール素子の出力電圧は主磁束に比例した出力になる。また、ホール素子は、通常、変圧器のギャップに埋め込む場合が普通であり、この場合は主磁束を正しく測定できるものであるが、ホール素子を埋め込んだ特別仕様の変圧器を使用する必要があるとともに、ギャップなしの鉄心にホール素子を埋め込む場合は、その部分の磁束の流れが乱れてしまい正確に主磁束の測定ができなくなるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ホール素子を使用することなく、変圧器の主磁束を検出して、変圧器の偏磁を正確に検出することができる電力変換装置及びその制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一の形態に係る電力変換装置は、交流電源に変圧器を介して接続されて当該変圧器に交流電力を出力する電力変換部を備えた電力変換装置であって、前記変圧器の漏れ磁束を検出するサーチコイルと、該サーチコイルで検出した漏れ磁束に応じたサーチコイル電圧における当該漏れ磁束が正負のピークに向かう領域に対応する交流電源電圧の位相領域を個別に積分して、双方の最終積分値を第1の最終積分値及び第2の最終積分値として保持する積分演算部と、該積分演算部の第1の最終積分値及び第2の最終積分値の和を算出して偏磁量を演算する偏磁量演算部と前記電力変換部の指令値を前記偏磁量演算部で演算した偏磁量で補正する指令値補正部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の60°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の240°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の90°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の270°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の120°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の300°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の150°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の330°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記第1の積分演算部及び第2の積分演算部のそれぞれは、積分器と、該積分器の最終積分値を保持するピークホールド回路とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置は、前記積分演算部は、入力される前記サーチコイルのコイル電圧の検出遅れに対応する積分位相を調整する位相調整機能を備えていることを特徴としている。
また、本発明の一の形態に係る電力変換装置の制御方法は、交流電源に変圧器を介して接続された電力変換部を有する電力変換装置の制御方法であって、前記変圧器の漏れ磁束をサーチコイルで検出し、該サーチコイルで検出した漏れ磁束に応じたコイル電圧を積分演算部に供給して、当該漏れ磁束が正負のピークに向かう半部に対応する領域を個別に積分し、双方の最終積分値を第1の最終積分値及び第2の最終積分値として保持し、該積分演算部の第1の最終積分値及び第2の最終積分値の和を偏磁量演算部で算出して偏磁量を演算し、該演算した偏磁量に基づいて指令値補正部で前記電力変換部の指令値を補正することを特徴としている。
本発明によれば、変圧器の漏れ磁束をサーチコイルによって検出するようにしているので、前述した従来例におけるホール素子のように変圧器に埋め込む必要がなく、既設の変圧器にも適用することができるという効果が得られる。
また、サーチコイルでは、主磁束を直接測定するものはなく、サーチコイル電圧は、主鉄心から外部に漏れてくる漏れ磁束の変化(微分)に比例した電圧になるので、サーチコイル電圧を積分すれば漏れ磁束となる。一方、主磁束が大きくなり飽和すると漏れ磁束が大きくなるので、漏れ磁束を演算することにより、変圧器の偏磁を正確に検出することができるという効果が得られる。
本発明に係る電力変換装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1の実施形態の定常状態の偏磁検出動作を説明する波形図である。 図1の実施形態の偏磁状態の偏磁検出動作を説明する波形図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る電力変換装置の一実施形態を示すブロック図である。
図中、1は、電力変換装置であって、この電力変換装置1は、交流電力系統2に変圧器3を介して出力側が接続された電力変換部としての自励式インバータ4を備えている。この自励式インバータ4の入力側にはコンデンサ、バッテリ等の直流電源5が接続されている。自励式インバータ4は例えば6個の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、パワー電界効果トランジスタ等の半導体スイッチング素子を有する。
したがって、直流電源5の直流電力を自励式インバータ4で交流電力に変換し、変換された交流電力が変圧器3の一次側巻線3aに供給され、この変圧器3の二次側巻線3bから得られる交流電力が交流電源としての交流電力系統2に供給される。
そして、自励式インバータ4の各半導体スイッチング素子が制御回路10によって駆動制御されている。この制御回路10は、自励式インバータ4の各半導体スイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路11と、変圧器3の漏れ磁束φLを検出するサーチコイル12と、変圧器3の偏磁を演算する偏磁量演算部としての偏磁量演算回路13とを備えている。
インバータ駆動回路11は、電流指令設定器21から出力される電流指令値icから自励式インバータ4の出力電流を検出する電流センサ22から出力される出力電流検出値idを減算する減算器23を有する。この減算器23から出力される電流偏差Δiは調節器24に供給される。この調節器24は、電流指令値icと電流検出値idとの電流偏差Δiに基づいて比例・積分・微分等の制御を行う。この調節器24から出力される調節出力電流iadが指令値補正部としての加算器25に供給される。この加算器25では、調節出力電流iadjに偏磁量演算回路13から入力される偏磁量補正値icoを加算し、この加算出力iaddがパルス幅変調(PWM)回路26に供給される。パルス幅変調回路26では加算出力iaddをパルス幅変調処理して自励式インバータ4の各半導体スイッチング素子に対するパルス幅変調信号Ppwmを生成し、生成したパルス幅変調信号Ppwmが自励式インバータ4の各半導体スイッチング素子に供給される。
サーチコイル12は、変圧器3の主鉄心から外部に漏れ出てくる漏れ磁束φLを検出するものであり、漏れ磁束φLを微分した微分波形となるサーチコイル電圧Vscを出力する。
偏磁量演算回路13は、サーチコイル12から出力されるサーチコイル電圧Vscがローパスフィルタ(LPF)31に供給される。このローパスフィルタ31では、サーチコイル電圧Vscからノイズやリップルを除去し、これらノイズやリップルが除去されたフィルタ出力が積分演算部32に供給される。
この積分演算部32は、フィルタ出力が共に入力される第1の積分器33及び第2の積分器34とサンプルホールド回路35及び36とを有する。
第1の積分器33では、自励式インバータ4から出力される交流電源電圧の90°〜180°の範囲を積分し、最終積分値Vi1eを出力する。また、第2の積分器34では、上記交流電源電圧の270°〜360°の範囲を積分し、最終積分値Vi2eを出力する。
そして、第1の積分器33及び第2の積分器34から出力される最終積分値Vi1e及びVi2eがそれぞれサンプルホールド回路35及び36に供給されて、これらサンプルホールド回路35及び36で最終積分値Vi1e及びVi2eがサンプルホールドされる。
これらサンプルホールド回路35及び36で保持された最終積分値Vi1e及びVi2eが両者の和を演算して偏磁量を算出する加算器37に供給される。この加算器37から出力される偏磁量が調節器38に供給されて、加算器37から出力される偏磁量が零となるように調節する偏磁量補正値icoを算出する。そして、調節器38から出力される偏磁量補正値icoがインバータ駆動回路11の加算器25に供給される。
なお、上記偏磁量演算回路13では、サーチコイル12の出力側にノイズやリップルを除去するローパスフィルタ31を介挿している関係で、ローパスフィルタ31を通過したサーチコイル電圧Vscに位相遅れが生じるので、この位相遅れを実測して、位相遅れに応じて第1の積分器33及び第2の積分器34の積分位相を調整する必要がある。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、変圧器3に偏磁が発生していない定常状態では、変圧器3の漏れ磁束φLは図2(b)に示すように、磁束密度が高いほど図2(a)に示す交流電源電圧Vacの電圧位相180°及び360°の近辺に集中して漏れ、180°付近で正方向となり、360°付近で負方向となる。すなわち、漏れ磁束φLは交流電源電圧Vacの約120°から正方向に増加し始め、180°で正方向のピーク値となり、その後減少して約240°で零に復帰し、その後約330°から負方向に増加し始め360°で負方向のピーク値となり、その後減少して約60°で零に復帰する。
この漏れ磁束φLがサーチコイル12で検出されるが、そのサーチコイル電圧Vscは、図2(c)に示すように、漏れ磁束φLを微分した微分波形となる。このため、サーチコイル電圧Vscは、交流電源電圧Vacの約120°から正方向に増加し、約160°で正方向のピーク値となり、その後減少して180°で零となり、その後負方向に増加して約200°程度で負方向のピーク値となり、その後減少して約240°で零に復帰する。さらに、約330°から負方向に増加して、約340°で負方向のピーク値となり、その後減少して360°で零に復帰し、その後正方向に増加して約380°(約20°)で正方向のピーク値となり、その後減少して約450°(約70°)で零に復帰する。
このため、第1の積分器33では、交流電源電圧Vacの90°〜180°の範囲で積分を行うので、その積分値は、図2(d)に示すように、漏れ磁束ΦLと等しくなり、交流電源電圧Vacの180°における最終積分値+Vi1eがサンプルホールド回路35でサンプルホールドされる。
同様に、第2の積分器34では、交流電源電圧Vacの270°〜360°の範囲で積分を行うので、その積分値は、図2(d)に示すように、漏れ磁束ΦLと等しくなり、交流電源電圧Vacの360°における最終積分値−Vi2eがサンプルホールド回路36でサンプルホールドされる。
そして、サンプルホールド回路35及び36から出力される最終積分値Vi1e及びVi2eが加算器37に供給されて、最終積分値Vi1e及びVi2eの和が偏磁量BMとして算出される。このとき、交流電源電圧Vacが180°である場合には、サンプルホールド回路35では新たな最終積分値Vi1eがサンプルホールドされるが、サンプルホールド回路35では、前回の360°における最終積分値−Vi2eをサンプルホールドしているので、加算器37から出力される偏磁量BMは零となる。
この定常状態から、インバータで構成される電力変換部の運転状態の急変による過渡的な直流電圧や並列変圧器の投入インラッシュなどによって交流電力系統側から過渡的な直流電圧などの様々な要因により偏磁状態が発生すると、図3に示すような大きな偏磁状態が発生する。
この定常状態から偏磁状態への移行時に、例えば、図3(b)に示すように、交流電源電圧Vacの180°での漏れ磁束φLが正方向に大幅に増加し、逆に360°での漏れ磁束φLが負方向で減少したものとすると、180°の時点で第1の積分器33の最終積分値Vi1eが急増し、これがサンプルホールド回路35でサンプルホールドされる。
このとき、サンプルホールド回路36では、破線図示のように前回の定常状態における第2の積分器34の最終積分値Vi2eをサンプルホールドしているので、加算器37から出力される偏磁量BMは、図3(e)に示すように、交流電源電圧Vacの180°で急増することになる。その後、交流電源電圧Vacの360°で第2の積分器34の最終積分値Vi2eが図3(d)に示すように負方向で減少することにより、加算器37から出力される偏磁量BMはさらに増加する。
したがって、調節器38で偏磁量BMを零とするための偏磁量補正値icoを算出し、この偏磁量補正値icoをインバータ駆動回路11の加算器25に供給する。このため、加算器25の加算出力が増加し、パルス幅変調回路26から出力されるパルス幅変調信号のPpwmのパルス幅が長くなる。したがって、自励式インバータ4のから出力される交流電力が増加されて変圧器3の偏磁量が抑制される。
逆に、交流電源電圧Vacの180°における漏れ磁束φLに比較して360°における漏れ磁束φLの負方向への増加が大きい場合には、加算器37から出力される偏磁量が−BMとなることにより、調節器38から出力される偏磁量補正値icoが負方向に増加する。このため、インバータ駆動回路11の加算器25から出力される加算出力が減少することにより、パルス幅変調回路26から出力されるパルス幅変調信号Ppwmのパルス幅が短くなって自励式インバータ4から出力される交流電力の振幅が小さくなって偏磁量が抑制される。
このように、上記実施形態によれば、サーチコイル12によって、変圧器3の漏れ磁束φLを検出することにより、このサーチコイル12から漏れ磁束φLの微分値に対応する波形のサーチコイル電圧Vscが得られ、このサーチコイル電圧Vscを第1の積分器33で交流電源電圧Vacの90°〜180°の範囲で積分することにより、漏れ磁束φLに対応する積分値Vi1が得られ、180°での最終積分値Vi1eがサンプルホールド回路35にサンプルホールドされる。同様に、第2の積分器34で、交流電源電圧Vacの270°〜360°の範囲で積分することにより、漏れ磁束φLに対応する積分値Vi2が得られ、360°での最終積分値Vi2eがサンプルホールド回路36にサンプルホールドされる。
そして、サンプルホールド回路35及び36でサンプルホールドした最終積分値Vi1e及びVi2eが加算器37で加算されることにより、偏磁量BMを算出することができ、この偏磁量BMを抑制するように調節器38から偏磁量補正値icoが出力される。この偏磁量補正値icoがインバータ駆動回路11の加算器25に供給されて、偏磁量BMを抑制する交流電力が変圧器3の一次側巻線3aに出力されて、変圧器3の偏磁量を抑制することができる。
このとき、サーチコイル12は、変圧器3の漏れ磁束φLを変圧器3の外側で検出することができ、前述した特許文献2に記載された従来例のようにホール素子を埋設したり、鉄心にギャップを設けたりする特殊な構成の変圧器を使用する必要がなく、既存の変圧器3に対してもサーチコイル12を適用するとともに、偏磁量演算回路13及びインバータ駆動回路11での加算器25を追加するだけで、変圧器3の偏磁量BMを正確に検出することができる。
しかも、サーチコイル12を適用することにより、このサーチコイル12から出力されるサーチコイル電圧Vscが漏れ磁束φLの変化(微分)に比例した電圧波形となり、このサーチコイル電圧Vscを積分することにより、漏れ磁束φLを求めることができる。一方、変圧器3の主磁束が大きくなり飽和すると漏れ磁束φLも大きくなるので、漏れ磁束φLを演算することにより、変圧器3の偏磁を検出することができ、前述した特許文献2に記載されたホール素子とは全く異なる偏磁検出原理で偏磁を検出することができる。
また、変圧器3の偏磁を交流電源電圧Vacの半サイクル程度の高速で検出できるので、高速な偏磁抑制制御を行うことが可能となる。そのため、磁束余裕を小さくでき磁束密度を高くすることができるので、変圧器の小型化、低価格化が可能となる。ここで、磁束余裕は、インバータで構成される自励式インバータ4を適用する場合には、前述したように様々な要因により、変圧器3に偏磁が生じる。これに対して、偏磁抑制制御が瞬時に応答できれば、磁束余裕は必要ないが、制御応答には必ず遅れ時間があり、外乱によって偏磁方向に働く場合を偏磁補正値で引き戻す形となる。このため、偏磁して過電流にならないように制御応答速度に応じて磁束余裕が必要となる。しかしながら、本実施形態では、偏磁量を検出する応答時間を短くすることができるので、磁束余裕を小さくすることができる。
なお、上記実施形態においては、偏磁量演算回路13にサーチコイル12から出力されるサーチコイル電圧Vacのノイズやリップルを除去するローパスフィルタ31を介挿した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、サーチコイル電圧Vacのノイズやリップルが少ない場合には、ローパスフィルタ31を省略することができ、この場合には、第1の積分器33及び第2の積分器34の積分位相の調整機能を省略することができる。
また、上記実施形態においては、第1及び第2の積分器33及び34を設けた場合について説明したが、何れか一方の積分器を省略し、1つの積分器で、交流電源電圧Vacの90°〜180°の範囲及び270°〜360°の範囲を個別に積分し、両範囲の最終積分値を個別のサンプルホールド回路にサンプルホールドするようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、インバータ駆動回路11及び偏磁量演算回路13をハードウェアで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータ等の演算処理装置を使用してソフトウェアによってパルス幅変調信号Ppwm及び偏磁量補正値icoを演算するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、第1の積分器33の積分範囲を交流電源電圧Vacの90°〜180°と、第2の積分器34の積分範囲を交流電源電圧Vacの270°〜360°の範囲に設定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、変圧器3の漏れ磁束は、磁束密度がたかいほど電圧位相180°及び360°の近辺に集中して漏れ、サーチコイル電圧Vscもその近辺で大きくなることから、漏れ磁束φLが正及び負のピークに向かう半部に対応する領域で積分を行うようにすればよく、例えば、120°〜180°及び300〜360°の範囲、150〜180°及び330°〜360°の範囲に狭めたり、逆に60°〜180°の範囲及び240°〜360°の範囲に広げたりすることができ、要は漏れ磁束φLに応じて変圧器3の偏磁を検出可能な位相範囲に設定すればよい。
また、上記実施形態においては、電力変換部として自励式インバータ4を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、AC−ACコンバータ等の他の電力変換部を適用することができる。
1…電力変換装置、2…交流電源系統、3…変圧器、4…自励式インバータ、5…直流電源、10…制御回路、11…インバータ駆動回路、12…サーチコイル、13…偏磁量演算回路、21…電流指令設定器、22…電流センサ、23…加算器、24…調節器、25…加算器、26…パルス幅変調回路、31…ローパスフィルタ、32…積分演算部、33…第1の積分器、34…第2の積分器、35,36…サンプルホールド回路、37…加算器、38…調節器

Claims (8)

  1. 交流電源に変圧器を介して接続されて当該変圧器に交流電力を出力する電力変換部を備えた電力変換装置であって、
    前記変圧器の漏れ磁束を検出するサーチコイルと、
    該サーチコイルで検出した漏れ磁束に応じたサーチコイル電圧における当該漏れ磁束が正負のピークに向かう領域に対応する交流電源電圧の位相領域を個別に積分して、双方の最終積分値を第1の最終積分値及び第2の最終積分値として保持する積分演算部と、
    該積分演算部の第1の最終積分値及び第2の最終積分値の和を算出して偏磁量を演算する偏磁量演算部と
    前記電力変換部の指令値を前記偏磁量演算部で演算した偏磁量で補正する指令値補正部と
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の60°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の240°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の90°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の270°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の120°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の300°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 前記積分演算部は、前記サーチコイルで検出したコイル電圧の前記交流電源の150°〜180°の範囲を積分して最終積分値を保存する第1の積分演算部と、前記交流電源の330°〜360°の範囲を積分して最終積分値を保持する第2の積分演算部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  6. 前記第1の積分演算部及び第2の積分演算部のそれぞれは、積分器と、該積分器の最終積分値を保持するピークホールド回路とを備えていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記積分演算部は、入力される前記サーチコイルのコイル電圧の検出遅れに対応する積分位相を調整する位相調整機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の電力変換装置。
  8. 交流電源に変圧器を介して接続された電力変換部を有する電力変換装置の制御方法であって、
    前記変圧器の漏れ磁束をサーチコイルで検出し、
    該サーチコイルで検出した漏れ磁束に応じたコイル電圧を積分演算部に供給して、当該漏れ磁束が正負のピークに向かう半部に対応する領域を個別に積分し、双方の最終積分値を第1の最終積分値及び第2の最終積分値として保持し、
    該積分演算部の第1の最終積分値及び第2の最終積分値の和を偏磁量演算部で算出して偏磁量を演算し、
    該演算した偏磁量に基づいて指令値補正部で前記電力変換部の指令値を補正する
    ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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