JP2015223056A - 励磁電流検出回路、励磁電流検出方法、インバータ回路の制御回路、および、電源装置 - Google Patents

励磁電流検出回路、励磁電流検出方法、インバータ回路の制御回路、および、電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】励磁電流を精度よく検出することができる励磁電流検出回路を提供する。【解決手段】インバータ回路2の出力電圧を変圧する変圧器3の励磁電流を検出する励磁電流検出回路53において、変圧器3の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流を検出する電流センサ56と、変圧器3の二次側巻線の他方の出力端子に流れる電流を検出する電流センサ57と、電流センサ56によって検出された電流値と電流センサ57によって検出された電流値との差を算出する減算部531と、インバータ回路2のスイッチング素子がすべてオフ状態になるタイミングで、減算部531によって算出された差電流を取得して出力するサンプリング部532とを備えた。変圧器3の二次側で検出した電流のみを用いて励磁電流を検出するので、変圧器3の構造や巻数比の誤差などにかかわらず、励磁電流を精度良く検出することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、変圧器の励磁電流を検出するための励磁電流検出回路、励磁電流検出方法、インバータ回路の制御回路、および、電源装置に関する。
溶接トーチと被加工物との間にアークを発生させて、アークの熱で被加工物の溶接を行うアーク溶接が知られている。アークには、溶接電源装置から電力が供給される。
図8は、一般的な溶接電源装置A100を説明するための図であり、溶接システムの全体構成を示している。溶接電源装置A100の一方の出力端子は、パワーケーブルC1を介して、溶接トーチTの先端から突出する電極に接続される。溶接電源装置A100の他方の出力端子は、パワーケーブルC2を介して、被加工物Wに接続される。溶接電源装置A100は、溶接トーチTの電極の先端と、被加工物Wとの間にアークを発生させ、アークに電力を供給する。溶接電源装置A100は、直流電流を出力する直流電源1、直流電流を交流電流に変換するインバータ回路2、インバータ回路2が出力する交流電圧を変圧する変圧器3、交流電流を直流電流に変換するための整流回路4、制御回路500、および、ドライブ回路6を備えている。
制御回路500は、出力電流制御を行っており、溶接電源装置A100の出力電流を検出して、これを所定の電流値に一致させるためのPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号をドライブ回路6に出力する。ドライブ回路6は、PWM信号に応じた駆動信号をインバータ回路2の各スイッチング素子21〜24に出力する。インバータ回路2の各スイッチング素子21〜24は、入力される駆動信号に応じてオン状態とオフ状態とが切り替えられる。
インバータ回路2の各スイッチング素子21〜24のオン時間比率は、出力設定値の変化、負荷変動や入力電圧変動、ドライブ回路6の特性の違いなどが原因で、絶えず変化する。したがって、スイッチング素子21および24のオン時間比率と、スイッチング素子22および23のオン時間比率とに差が生じる場合がある。オン時間比率に差が生じると、変圧器3に直流成分を持った電圧が印加され、コアが偏磁して、磁束密度が飽和磁束密度に近くなる場合がある。この場合、コアの励磁電流が非常に大きくなる。励磁電流が大きくなると、巻線の抵抗による抵抗発熱やスイッチング素子21〜24で発生する損失が大きくなるので、好ましくない。さらにコアの磁束密度が飽和磁束密度に近づいたり、飽和に至ったりした場合は、過大な励磁電流がスイッチング素子21〜24に流れて、スイッチング素子21〜24が破壊される場合がある。
変圧器3に直流電圧が印加されることを防ぐために、変圧器3の一次側巻線にキャパシタを直列接続する方法が知られている。しかしながら、大電力を扱う溶接電源装置では、高耐電圧、大電流容量のキャパシタが必要になるため、溶接電源装置を小型化することが難しく、製造コストが高くなるなどの問題があった。
キャパシタを用いずに、変圧器3のコアの偏磁を防止する方法として、変圧器3の一次側電流と二次側電流とを検出し、その差から励磁電流を算出して、励磁電流に基づいて偏磁を防ぐように制御する方法が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平4−305368号公報 特開平11−162769号公報
しかしながら、変圧器3の一次側と二次側で電流を検出するので、変圧器3の構造や巻数比の誤差などによって、算出された励磁電流の精度が良くない場合がある。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、励磁電流を精度よく検出することができる励磁電流検出回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される励磁電流検出回路は、インバータ回路の出力電圧を変圧する変圧器の励磁電流を検出する励磁電流検出回路であって、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流に基づいて、前記励磁電流を検出することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記励磁電流検出回路は、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流を検出する差電流検出手段と、前記インバータ回路のスイッチング素子がすべてオフ状態になるタイミングで、前記差電流検出手段によって検出された差電流を取得して出力するサンプリング手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記差電流検出手段は、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流を検出する第1の検出手段と、前記変圧器の二次側巻線の他方の出力端子に流れる電流を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出された電流値と前記第2の検出手段によって検出された電流値との差を算出する減算手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記差電流検出手段は、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に接続された接続線と、前記変圧器の二次側巻線の他方の出力端子に接続された接続線とを、極性が互いに逆になるようにして、両接続線が貫通するように配置される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記励磁電流検出回路は、前記インバータ回路のスイッチング素子がすべてオフ状態になるタイミングで、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流とをそれぞれ検出するサンプリング手段と、前記サンプリング手段によって検出された2つの電流の差電流を検出する差電流検出手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記励磁電流検出回路は、サンプリングされた差電流を前記変圧器の巻数比で除算することで、前記励磁電流を算出する算出手段をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記励磁電流検出回路は、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流を検出する差電流検出手段と、前記差電流の平均値を算出する平均化手段とを備えている。
本発明の第2の側面によって提供される制御回路は、インバータ回路を制御する制御回路であって、本発明の第1の側面によって提供される励磁電流検出回路と、前記励磁電流検出回路によって検出された励磁電流に基づいて、PWM信号のパルス幅を調整するPWM制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の第3の側面によって提供される電源装置は、本発明の第2の側面によって提供される制御回路と、前記インバータ回路と、前記変圧器とを備えていることを特徴とする。
本発明の第4の側面によって提供される励磁電流検出方法は、インバータ回路の出力電圧を変圧する変圧器の励磁電流を検出する励磁電流検出方法であって、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流に基づいて、前記励磁電流を検出することを特徴とする。
本発明によると、変圧器の二次側で検出した電流のみを用いて励磁電流を検出するので、変圧器の構造や巻数比の誤差などにかかわらず、励磁電流を精度良く検出することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 図1に示す溶接電源装置における、シミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 第3実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 第4実施形態に係る溶接電源装置を説明するための図である。 第1および第3実施形態に係る制御回路の他の実施例を説明するための図である。 第1および第3実施形態に係る制御回路の他の実施例を説明するための図である。 従来の一般的な溶接電源装置を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る電源装置を溶接電源装置として用いた場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る溶接電源装置A1を説明するための図である。
溶接電源装置A1は、溶接トーチの先端から突出するワイヤ電極の先端と、被加工物との間にアークを発生させ、アークに電力を供給するものである。図1においては、アークを負荷Lとして示している。図1に示すように、溶接電源装置A1は、直流電源1、インバータ回路2、変圧器3、整流回路4、制御回路5、および、ドライブ回路6を備えている。
直流電源1は、直流電流を出力するものであり、例えば、電力系統から入力される交流電流を整流する整流回路と、平滑する平滑コンデンサとを備えている。なお、直流電源1は、交流電流を直流電流に変換して出力するものに限られない。例えば、燃料電池、蓄電池、太陽電池などの直流電流を出力するものであってもよく、インバータ回路2に直流電流を出力するものであればよい。
インバータ回路2は、直流電源1から入力される直流電流を高周波電流に変換して、変圧器3に出力する。インバータ回路2は、単相フルブリッジ型のPWM制御インバータであり、4個のスイッチング素子21〜24を備えている。本実施形態では、スイッチング素子21〜24としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用している。なお、スイッチング素子21〜24はMOSFETに限定されず、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor : 絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)などであってもよい。
スイッチング素子21とスイッチング素子22とは、スイッチング素子21のソース端子とスイッチング素子22のドレイン端子とが接続されて、直列接続されている。スイッチング素子21のドレイン端子は直流電源1の正極側に接続され、スイッチング素子22のソース端子は直流電源1の負極側に接続されて、ブリッジ構造を形成している。同様に、スイッチング素子23とスイッチング素子24とが直列接続されてブリッジ構造を形成している。スイッチング素子21とスイッチング素子22の接続点には出力ラインが接続され、スイッチング素子23とスイッチング素子24の接続点にも出力ラインが接続されている。これら2つの出力ラインの間に、変圧器3の一次側巻線が接続されている。各スイッチング素子21〜24には、それぞれ逆並列にフライホイールダイオードが接続されている。各スイッチング素子21〜24のゲート端子には、ドライブ回路6から出力される駆動信号P1〜P4が入力される。各スイッチング素子21〜24は、それぞれ駆動信号P1〜P4に基づいて、オン状態とオフ状態とを切り替えられる。これにより、直流電流が交流電流に変換される。なお、インバータ回路2は、これに限られない。
変圧器3は、インバータ回路2が出力する交流電圧を変圧して、整流回路4に出力する。変圧器3の二次側巻線32には、2つの出力端子とは別にセンタタップが設けられている。二次側巻線32を2つに分けて説明する場合、一方の出力端子とセンタタップとの間の部分を二次側巻線321とし、他方の出力端子とセンタタップとの間の部分を二次側巻線322とする。本実施形態では、一次側巻線31の巻数をn1、二次側巻線321の巻数および二次側巻線322の巻数をそれぞれn2としている。したがって、変圧器3の巻数比は、α=n1/n2である。
整流回路4は、変圧器3のセンタタップを用いた両波整流回路であり、変圧器3が出力する交流電流を整流して、直流電流として出力する。整流回路4は、2個の整流用ダイオード41および42と、直流リアクトル43とを備えている。整流用ダイオード41および42は、変圧器3の二次側巻線32の各出力端子に、それぞれアノード端子が接続されて、直列接続されている。直流リアクトル43は、整流用ダイオード41および42のカソード端子側での接続点cと、溶接電源装置A1の出力端子aとの間に直列接続されており、出力電流を安定させる。変圧器3のセンタタップは、溶接電源装置A1の出力端子bに接続されている。整流回路4が出力する直流電流が、溶接電流として、負荷L(アーク)に流れる。
制御回路5は、インバータ回路2を制御するためのPWM信号を生成して、ドライブ回路6に出力する。制御回路5は、溶接電源装置A1の出力電流を制御する。また、変圧器3のコアの偏磁を抑制する制御も行っている。制御回路5は、出力電流設定部51、減算部52、励磁電流検出回路53、PWM制御部54、および、電流センサ55〜57を備えている。
電流センサ55は、変圧器3のセンタタップと出力端子bとの間の接続線に配置されており、溶接電源装置A1の出力電流を検出して、電流信号Iとして減算部52に出力する。なお、電流センサ55は、直流リアクトル43と出力端子aとの間の接続線に配置してもよい。電流センサ56は、整流用ダイオード41と接続点cとの間の接続線に配置されており、整流用ダイオード41を流れる電流、すなわち、変圧器3の二次側巻線32の一方の出力端子に流れる電流を検出して、電流信号I1として励磁電流検出回路53に出力する。なお、電流センサ56は、変圧器3の二次側巻線32の一方の出力端子と整流用ダイオード41との間の接続線に配置してもよい。電流センサ57は、整流用ダイオード42と接続点cとの間の接続線に配置されており、整流用ダイオード42を流れる電流、すなわち、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子に流れる電流を検出して、電流信号I2として励磁電流検出回路53に出力する。なお、電流センサ57は、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子と整流用ダイオード42との間の接続線に配置してもよい。
出力電流設定部51は、溶接電源装置A1の出力電流の目標値I*を設定するものであり、設定された目標値I*を減算部52に出力する。減算部52は、電流センサ55より入力される電流信号Iと、出力電流設定部51より入力される目標値I*との偏差ΔI(=I*−I)を算出して、PWM制御部54に出力する。
励磁電流検出回路53は、電流センサ56より入力される電流信号I1と電流センサ57より入力される電流信号I2とに基づいて、変圧器3の励磁電流を検出するものである。
まず、励磁電流検出回路53が変圧器3の励磁電流を検出する方法について、図2を参照して説明する。
図2は、図1に示す溶接電源装置A1において、シミュレーションを行った結果を示している。当該シミュレーションにおいては、直流電源1の出力電圧を150[V]、変圧器3の巻数比α=n1/n2=4、励磁インダクタンスを200[μH]、漏れインダクタンスを0[μH]、直流リアクトルのインダクタンスを250[μH]、負荷Lの抵抗値を0.2[Ω]としている。
図2(a)〜(d)は、ドライブ回路6から出力される駆動信号P1〜P4をいずれも、周波数50[KHz]、オン時間比率40%としたときの各電流の時間変化を示している。同図(a)は変圧器3の一次側電流を示しており、同図(b)は励磁電流を示している。また、同図(c)は、整流用ダイオード42に流れる電流であって、電流センサ57によって検出される電流信号I2を示しており、同図(d)は、整流用ダイオード41に流れる電流であって、電流センサ56によって検出される電流信号I1を示している。
時刻t1からt2の間では、スイッチング素子21および24がオン状態で、スイッチング素子22および23がオフ状態になっており、変圧器3の一次側に正の電流が流れている(同図(a)参照)。この一次側電流は、励磁電流と負荷電流とからなる。このとき、整流用ダイオード41には、負荷電流が流れている(同図(d)参照)。整流用ダイオード41に流れる二次側負荷電流は、巻数比αに応じて、一次側負荷電流の4倍の電流が流れている。
時刻t2からt3の間は、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になっており、一次側電流が「0」になっている(同図(a)参照)。このとき、二次側負荷電流は連続して流れており、負荷電流成分は二次側に転流して、整流用ダイオード41と整流用ダイオード42とに流れる(同図(c)、(d)参照)。二次側負荷電流は、変圧器3の二次側巻線321と二次側巻線322に流れる電流のアンペアターン数が等しくなるように流れるため、二次側巻線321の巻数と二次側巻線322の巻数とが等しければ、電流値も等しくなると考えられる。しかし、整流用ダイオード41に流れる電流が109[A]であるのに対して、整流用ダイオード42に流れる電流が128[A]になっており、等しくなっていない。
一方で、励磁電流成分も、電流連続の条件から、時刻t2からt3の間にもどこかに流れなければならない。この期間は整流用ダイオード41、42ともオン状態になっているので、変圧器3の二次側巻線32には電圧が発生しておらず、一次側巻線にも電圧は発生しない。一次側巻線に電圧が発生できないので、励磁電流によるエネルギーを直流電源1に回生したり、一次側の素子などで消費したりできない。しかし、スイッチング素子21および24がオフ状態に切り替わった時点の電流(アンペアターン)を維持しなければならないので、励磁電流成分は変圧器3の二次側に転流していると考えられる。
図2(b)に示すように、時刻t2からt3の間の励磁電流は、4.8[A]である。また、図2(c)、(d)に示すように、この期間の電流信号I2と電流信号I1との差は、19(=128−109)[A]である。この電流差は、励磁電流4.8[A]の3.96(≒4)倍である。すなわち、一次側の励磁電流が二次側に転流し、等アンペアターンの条件を満たすために整流用ダイオード41,42に流れる電流差になって表れたと考えられる。
時刻t3からt4の間では、スイッチング素子21および24がオフ状態で、スイッチング素子22および23がオン状態になっており、変圧器3の一次側に負の電流が流れている(同図(a)参照)。このとき、整流用ダイオード42には、負荷電流が流れている(同図(c)参照)。
時刻t4からt5の間は、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になっており、一次側電流が「0」になっている(同図(a)参照)。このとき、図2(b)に示すように、励磁電流は、−4.8[A]である。また、図2(c)、(d)に示すように、この期間の電流信号I2と電流信号I1との差は、−19(=109−128)[A]である。時刻t4からt5の間でも、時刻t2からt3の間と同様に、一次側の励磁電流が二次側に転流し、整流用ダイオード41,42に流れる電流差になって表れたと考えられる。
以上のように、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になっている期間に、整流用ダイオード41,42に流れる電流差を検出することで、励磁電流を間接的に検出することができる。
次に、スイッチング素子のオン時間比率が異なる場合のシミュレーションについて説明する。
図2(e)〜(h)は、駆動信号P2およびP3のオン時間比率は40%のままで、駆動信号P1およびP4のオン時間比率を40.5%としたときの各電流の時間変化を示している。その他の条件は、図2(a)〜(d)でのシミュレーションと共通である。同図(e)は変圧器3の一次側電流を示しており、同図(f)は励磁電流を示している。また、同図(g)は、整流用ダイオード42に流れる電流であって、電流センサ57によって検出される電流信号I2を示しており、同図(h)は、整流用ダイオード41に流れる電流であって、電流センサ56によって検出される電流信号I1を示している。
図2(e)〜(h)に示すように、当該シミュレーションでも、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態のとき(時刻t2〜t3、時刻t4〜t5参照)に、一次側電流が「0」になって(同図(e)参照)、負荷電流が整流用ダイオード41,42に流れている(同図(g)、(h)参照)。時刻t2〜t3において、電流信号I2と電流信号I1との差は72.7(=156−83.3)[A]であり(図2(g),(h)参照)、励磁電流18.1[A](図2(f)参照)の約4倍である。また、時刻t4〜t5において、電流信号I2と電流信号I1との差は33(=136−103)[A]であり(図2(g),(h)参照)、励磁電流8.4[A](図2(f)参照)の約4倍である。以上のように、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になっている期間に、整流用ダイオード41,42に流れる電流差を検出して、巻数比で除算することで、励磁電流を間接的に算出することができる。
また、駆動信号P1およびP4のオン時間比率と、駆動信号P2およびP3のオン時間比率とが等しい場合、一次側電流および励磁電流は、0[A]を中心として、正負が対称になるように変化している(図2(a),(b)参照)。しかし、駆動信号P1およびP4のオン時間比率が、駆動信号P2およびP3のオン時間比率より大きい場合、一次側電流および励磁電流にはオフセットが発生している(図2(e),(f)参照)。この励磁電流のオフセットがなくなるように制御することで、変圧器3のコアの偏磁を解消することができる。実際の回路においては、無負荷時以外で励磁電流を直接検出することはできないので、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になっている期間の二次側の整流用ダイオード41,42に流れる電流の差を検出することで、間接的に、励磁電流を検出する。すなわち、この差電流が0[A]を中心として正負が対称になるようにすることで、励磁電流のオフセットをなくすようにする。具体的には、電流信号I1から電流信号I2を減算して、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になるタイミングでサンプリングする。サンプリングされた差電流値を2回分加算した加算値に応じて、駆動信号P1〜P4のオン時間比率を変化させる。加算値が正の値の場合、駆動信号P1およびP4のオン時間比率を大きくして、駆動信号P2およびP3のオン時間比率を小さくする。一方、加算値が負の値の場合、駆動信号P1およびP4のオン時間比率を小さくして、駆動信号P2およびP3のオン時間比率を大きくする。
励磁電流検出回路53は、減算部531およびサンプリング部532を備えている。減算部531は、電流センサ56より入力される電流信号I1から電流センサ57より入力される電流信号I2を減算して、サンプリング部532に出力する。サンプリング部532は、PWM制御部54より入力されるタイミング信号に基づいて、減算部531より入力される減算値をサンプリングして、PWM制御部54に出力する。タイミング信号は、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になるタイミングを与えるものであり、PWM制御部54で生成されて入力される。なお、タイミング信号は、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になるタイミングを与えるものであればよく、PWM制御部54で生成する場合に限られない。例えば、ドライブ回路6で生成してもよいし、各スイッチング素子21〜24を流れる電流や各スイッチング素子21〜24の端子間電圧に基づいて生成してもよい。
また、先に減算してサンプリングする場合に限定されず、先にタイミング信号に基づいてサンプリングを行い、サンプリングされた電流信号I1から電流信号I2を減算するようにしてもよい。つまり、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になったタイミングでの、整流用ダイオード41,42に流れる電流の差電流を検出できればよい。
PWM制御部54は、減算部52より入力される偏差ΔIと、励磁電流検出回路53より入力される減算値とに基づいて、PWM信号を生成して、ドライブ回路6に出力する。PWM制御部54は、減算部52より入力される偏差ΔIに基づいて、例えばPI制御(比例積分制御)による補償値を算出する。PWM制御部54は、当該補償値と、内部で生成した三角波などのキャリア信号とを比較することで、PWM信号を生成する。例えば、補償値がキャリア信号より大きい場合にハイレベルとなり、補償値がキャリア信号以下の場合にローレベルとなるパルス信号がPWM信号として生成される。PWM信号は、スイッチング素子21および24のためのものと、スイッチング素子22および23のためのものとが生成される。
また、PWM制御部54は、励磁電流検出回路53より入力される減算値を2回分ずつ加算して、当該加算値に応じて、これらのPWM信号のパルス幅を調整する。例えば、加算値が正の値の場合は、スイッチング素子21および24のためのPWM信号のパルス幅を大きくし、スイッチング素子22および23のためのPWM信号のパルス幅を小さくする。一方、加算値が負の値の場合は、スイッチング素子21および24のためのPWM信号のパルス幅を小さくし、スイッチング素子22および23のためのPWM信号のパルス幅を大きくする。なお、一方のみを調整するようにしてもよい。具体的には、各PWM信号を生成するためのキャリア信号に、加算値に応じたオフセット値を加算すことで調整を行う。なお、各パルス幅の調整方法はこれに限られない。例えば、デジタル制御を行う場合は、算出されたパルス幅やオン時間比率に、加算値に応じた値を演算すればよい。
本実施形態では、励磁電流検出回路53より入力される減算値を2回分ずつ加算した値を用いて、PWM信号のパルス幅を調整しているが、これに限られない。例えば、所定回数(偶数)分ずつ加算した値を用いてもよい。
また、PWM制御部54は、タイミング信号を生成して、励磁電流検出回路53のサンプリング部532に出力する。PWM制御部54は、例えば、2つのPWM信号がともにローレベル(オフ状態)である期間にハイレベルになる信号をタイミング信号として生成する。この場合、サンプリング部532は、タイミング信号がローレベルからハイレベルに切り替わるタイミングでサンプリングを行う。
なお、制御回路5は、アナログ処理を行うようにしてもよいし、デジタル処理を行うようにしてもよい。デジタル処理を行う場合は、制御回路5をマイクロコンピュータなどによって実現し、電流センサ55〜57から入力される電流信号をアナログ/デジタル変換回路でデジタル信号に変換して入力するようにすればよい。
ドライブ回路6は、制御回路5から入力されるPWM信号を増幅して、各スイッチング素子21〜24を駆動できるレベルの駆動信号P1〜P4として出力する。ドライブ回路6の構成は限定されず、パルストランス方式でもよいし、フォトカプラ方式であってもよい。
本実施形態によると、PWM制御部54は、励磁電流検出回路53が検出した励磁電流に基づいてPWM信号のパルス幅を調整することで、変圧器3のコアの偏磁を防止する。励磁電流検出回路53は、電流センサ56より入力される電流信号I1と電流センサ57より入力される電流信号I2とに基づいて、励磁電流を検出する。励磁電流検出回路53は、変圧器3の二次側で検出した電流のみを用いて励磁電流を検出するので、変圧器3の構造や巻数比の誤差などにかかわらず、励磁電流を精度良く検出することができる。また、変圧器3の一次側で検出した電流を励磁電流の検出に用いないので、インバータ回路2より発生するノイズの影響を受けにくい。また、変圧器3を取り換えても、励磁電流検出回路53の回路定数の変更をする必要がない。
なお、本実施形態においては、励磁電流検出回路53が検出した励磁電流に基づいてPWM信号のパルス幅を調整する場合について説明したが、これに限られない。例えば、励磁電流検出回路53が検出した励磁電流が所定の閾値を超えた場合に、PWM信号の生成を停止することで、変圧器3のコアの偏磁を防止するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、インバータ回路2がフルブリッジ型のインバータ回路である場合について説明したが、これに限られない。インバータ回路2に代えて、ハーフブリッジ型のインバータ回路を用いてもよい。
上記第1実施形態においては、整流用ダイオード41,42に流れる電流をそれぞれ電流センサ56,57で検出する場合について説明したが、これに限られない。整流用ダイオード41に流れる電流と、整流用ダイオード42に流れる電流との差電流を、1つの電流センサで検出するようにしてもよい。1つの電流センサで差電流を検出する場合を第2実施形態として、以下に説明する。
図3は、第2実施形態に係る溶接電源装置A2を説明するための図である。図3において、第1実施形態に係る溶接電源装置A1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図3に示す溶接電源装置A2は、電流センサ56,57に代えて、差電流を検出する電流センサ58を備えている点と、励磁電流検出回路53’が減算部531を備えていない点とで、第1実施形態に係る溶接電源装置A1と異なる。
電流センサ58は、整流用ダイオード41と接続点cとの間の接続線と、整流用ダイオード42と接続点cとの間の接続線とを、極性が互いに逆になるようにして、両接続線が貫通するように配置されており、整流用ダイオード41に流れる電流と、整流用ダイオード42に流れる電流との差電流を検出する。電流センサ58によって検出された差電流信号は励磁電流検出回路53’に出力される。なお、電流センサ58は、整流用ダイオード41,42より上流側に配置してもよい。
励磁電流検出回路53’は、電流センサ58より入力される差電流信号を、サンプリング部532でサンプリングして、PWM制御部54に出力する。
第2実施形態によると、励磁電流検出回路53’は、電流センサ58が検出する差電流をサンプリング部532でサンプリングすることで、励磁電流を検出することができる。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、電流センサ58が差電流を検出するので、2つの電流センサを必要としないし、減算部531を設ける必要がない。したがって、溶接電源装置A2の構成を、第1実施形態に係る溶接電源装置A1より簡略化することができる。
上記第1および第2実施形態においては、整流回路4がセンタタップ式の整流回路である場合について説明したが、これに限られない。例えば、整流回路4に代えて、ブリッジ型の整流回路を用いてもよい。ブリッジ型の整流回路を用いた場合を、第3,4実施形態として、以下に説明する。
図4は、第3実施形態に係る溶接電源装置A3を説明するための図である。図4において、第1実施形態に係る溶接電源装置A1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図4に示す溶接電源装置A3は、整流回路4に代えて、ブリッジ型の整流回路4’を備えている点で、第1実施形態に係る溶接電源装置A1と異なる。
整流回路4’は、ブリッジ型の整流回路である。整流回路4’は、4個の整流用ダイオード44〜47と、直流リアクトル43とを備えている。整流用ダイオード44と整流用ダイオード45とは、整流用ダイオード44のアノード端子と整流用ダイオード45のカソード端子とが接続されて、直列接続されている。また、整流用ダイオード46と整流用ダイオード47とは、整流用ダイオード46のアノード端子と整流用ダイオード47のカソード端子とが接続されて、直列接続されている。整流用ダイオード44と整流用ダイオード45との接続点は、変圧器3の二次側巻線32の一方の出力端子に接続されており、整流用ダイオード46と整流用ダイオード47との接続点は、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子に接続されている。整流用ダイオード44のカソード端子と整流用ダイオード46のカソード端子とは、接続点cで接続されており、接続点cと溶接電源装置A3の出力端子aとの間には、直流リアクトル43が直列接続されている。整流用ダイオード45のアノード端子と整流用ダイオード47のアノード端子とは、接続点dで接続されており、接続点dと溶接電源装置A3の出力端子bとが接続されている。
電流センサ55は、接続点dと出力端子bとの間の接続線に配置されている。電流センサ56は、変圧器3の二次側巻線32の一方の出力端子と整流用ダイオード45との間の接続線に配置されており、整流用ダイオード45を流れる電流、すなわち、変圧器3の二次側巻線32の一方出力の端子に流れる電流を検出して、電流信号I1として励磁電流検出回路53に出力する。なお、電流センサ56は、整流用ダイオード45と接続点dとの間の接続線に配置してもよい。また、整流用ダイオード44と接続点cとの間の接続線に配置(図4に破線で示す電流センサ56’参照)してもよいし、変圧器3の二次側巻線32の一方の出力端子と整流用ダイオード44との間の接続線に配置してもよい。電流センサ57は、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子と整流用ダイオード47との間の接続線に配置されており、整流用ダイオード47を流れる電流、すなわち、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子に流れる電流を検出して、電流信号I2として励磁電流検出回路53に出力する。なお、電流センサ57は、整流用ダイオード47と接続点dとの間の接続線に配置してもよい。また、整流用ダイオード46と接続点cとの間の接続線に配置(図4に破線で示す電流センサ57’参照)してもよいし、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子と整流用ダイオード46との間の接続線に配置してもよい。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図5は、第4実施形態に係る溶接電源装置A4を説明するための図である。図5において、第2実施形態に係る溶接電源装置A2(図3参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図5に示す溶接電源装置A4は、整流回路4に代えて、ブリッジ型の整流回路4’を備えている点で、第2実施形態に係る溶接電源装置A2と異なる。
整流回路4’は、第3実施形態に係る溶接電源装置A3(図4参照)の整流回路4’と同様である。電流センサ58は、変圧器3の二次側巻線32の一方の出力端子と整流用ダイオード45との間の接続線と、変圧器3の二次側巻線32の他方の出力端子と整流用ダイオード47との間の接続線とを、極性が互いに逆になるようにして、両接続線が貫通するように配置されており、整流用ダイオード45に流れる電流と、整流用ダイオード47に流れる電流との差電流を検出して、励磁電流検出回路53’に出力する。なお、電流センサ58は、整流用ダイオード45,47より下流側に配置してもよい。また、整流用ダイオード44に流れる電流と、整流用ダイオード46に流れる電流との差電流を検出するように配置してもよい。
第4実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1ないし第4実施形態においては、差電流をサンプリング部532でサンプリングする場合について説明したが、これに限られない。例えば、変圧器3のコアの飽和磁束密度が大きく、ゆっくり制御してもコアの磁束密度が飽和しない場合には、サンプリング部532でサンプリングする代わりに、差電流をローパスフィルタで平均化して、PWM制御部54が当該平均値に応じてPWM信号のパルス幅を調整するようにしてもよい。
図6は、第1および第3実施形態に係る制御回路5の他の実施例を説明するための図である。図6において、第1実施形態に係る制御回路5(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図6に示す制御回路5は、サンプリング部532に代えて、平均化部533を備えている点で、第1および第3実施形態に係る制御回路5と異なる。
平均化部533は、減算部531より入力される減算値を平均化するものであり、例えば、ローパスフィルタである。平均化部533は、平均値をPWM制御部54に出力する。PWM制御部54は、励磁電流検出回路53より入力される平均値に応じて、PWM信号のパルス幅を調整する。
図2(c),(d),(g),(h)に示すように、時刻t1〜t2における差電流と時刻t3〜t4における差電流とは、絶対値が同じで正負が逆の値になる。したがって、時刻t1〜t4における差電流の平均値は、正側のパルス幅と負側のパルス幅とが略等しければ、時刻t1〜t2、t3〜t4における差電流が打ち消し合って、時刻t2〜t3における差電流と時刻t4〜t5における差電流とを加算した値に比例した値になる。つまり、平均化部533が出力する平均値は、第1実施形態において、サンプリング部532が出力する減算値を2回分ずつ加算した加算値に比例した値になる。したがって、当該平均値に応じてPWM信号のパルス幅を調整することができる。
第2および第4実施形態に係る制御回路5の他の実施例は、図6に示す制御回路5において、減算部531を省略したものになる。
上記第1ないし第4実施形態においては、励磁電流検出回路53が制御回路5に組み込まれており、制御回路5が検出された励磁電流に応じて制御を行う場合について説明した。この場合、検出された励磁電流に応じてPWM信号のパルス幅を調整するだけなので、励磁電流を正確に計測する必要はない。なお、励磁電流を正確に計測して、表示するようにしてもよい。
図7は、第1および第3実施形態に係る制御回路5の他の実施例を説明するための図である。図7において、第1実施形態に係る制御回路5(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図7に示す制御回路5は、励磁電流検出回路53が除算部534を備えている点と、励磁電流表示部59が設けられている点とで、第1および第3実施形態に係る制御回路5と異なる。
除算部534は、サンプリング部532が出力するサンプリングされた減算値を、変圧器3の巻数比で除算して、PWM制御部54および励磁電流表示部59に出力する。上述したシミュレーションで説明したように、スイッチング素子21〜24がすべてオフ状態になっている期間での変圧器3の励磁電流は、整流用ダイオード41,42に流れる電流差を巻数比で除算したものである。したがって、サンプリング部532の出力を、除算部534において巻数比αで除算することで、変圧器3の励磁電流の測定値を算出することができる。励磁電流表示部59は、除算部534より入力される除算値を、変圧器3の励磁電流の測定値として表示する。なお、PWM制御部54には、サンプリング部532の出力を入力するようにしてもよい。
第2および第4実施形態に係る制御回路5の他の実施例は、図7に示す制御回路5において、減算部531を省略したものになる。
なお、図7に示す励磁電流検出回路53を、制御回路5に組み込むのではなく、励磁電流を計測して表示する励磁電流検出回路として、単独で用いるようにしてもよい。
上記第1ないし第4実施形態においては、本発明に係る電源装置を溶接電源装置として用いた場合について説明したが、これに限られない。本発明は、その他の電源装置にも適用することができる。
本発明に係る励磁電流検出回路、励磁電流検出方法、インバータ回路の制御回路、および、電源装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る励磁電流検出回路、励磁電流検出方法、インバータ回路の制御回路、および、電源装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1,A2,A3,A4 溶接電源装置
1 直流電源
2 インバータ回路
21,22,23,24 スイッチング素子
3 変圧器
31 一次側巻線
32,321,322 二次側巻線
4,4’ 整流回路
41,42,44,45,46,47 整流用ダイオード
43 直流リアクトル
5 制御回路
51 出力電流設定部
52 減算部
53,53’ 励磁電流検出回路
531 減算部(差電流検出手段、減算手段)
532 サンプリング部(サンプリング手段)
533 平均化部(平均化手段)
534 除算部(算出手段)
54 PWM制御部(PWM制御手段)
55 電流センサ
56,56’,57,57’ 電流センサ(差電流検出手段、第1の検出手段、第2の検出手段)
58 電流センサ(差電流検出手段)
59 励磁電流表示部
6 ドライブ回路
L 負荷

Claims (10)

  1. インバータ回路の出力電圧を変圧する変圧器の励磁電流を検出する励磁電流検出回路であって、
    前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流に基づいて、前記励磁電流を検出する、
    ことを特徴とする励磁電流検出回路。
  2. 前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流を検出する差電流検出手段と、
    前記インバータ回路のスイッチング素子がすべてオフ状態になるタイミングで、前記差電流検出手段によって検出された差電流を取得して出力するサンプリング手段と、
    を備えている、
    請求項1に記載の励磁電流検出回路。
  3. 前記差電流検出手段は、
    前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流を検出する第1の検出手段と、
    前記変圧器の二次側巻線の他方の出力端子に流れる電流を検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段によって検出された電流値と前記第2の検出手段によって検出された電流値との差を算出する減算手段と、
    を備えている、
    請求項2に記載の励磁電流検出回路。
  4. 前記差電流検出手段は、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に接続された接続線と、前記変圧器の二次側巻線の他方の出力端子に接続された接続線とを、極性が互いに逆になるようにして、両接続線が貫通するように配置される、
    請求項2に記載の励磁電流検出回路。
  5. 前記インバータ回路のスイッチング素子がすべてオフ状態になるタイミングで、前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流とをそれぞれ検出するサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段によって検出された2つの電流の差電流を検出する差電流検出手段と、
    を備えている、
    請求項1に記載の励磁電流検出回路。
  6. サンプリングされた差電流を前記変圧器の巻数比で除算することで、前記励磁電流を算出する算出手段をさらに備えている、
    請求項2ないし5のいずれかに記載の励磁電流検出回路。
  7. 前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流を検出する差電流検出手段と、
    前記差電流の平均値を算出する平均化手段と、
    を備えている、
    請求項1に記載の励磁電流検出回路。
  8. インバータ回路を制御する制御回路であって、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の励磁電流検出回路と、
    前記励磁電流検出回路によって検出された励磁電流に基づいて、PWM信号のパルス幅を調整するPWM制御手段と、
    を備えていることを特徴とする制御回路。
  9. 請求項8に記載の制御回路と、前記インバータ回路と、前記変圧器と、
    を備えていることを特徴とする電源装置。
  10. インバータ回路の出力電圧を変圧する変圧器の励磁電流を検出する励磁電流検出方法であって、
    前記変圧器の二次側巻線の一方の出力端子に流れる電流と他方の出力端子に流れる電流との差電流に基づいて、前記励磁電流を検出する、
    ことを特徴とする励磁電流検出方法。
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