JP2012195516A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで製造可能な太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】実施形態に係る太陽電池モジュールは、太陽電池素子1と、この太陽電池素子1を支持した支持構造21a,21bとを含んでいる。太陽電池素子1は、主面が対向するように一方向に並んだ複数の第1部分1aと、第1部分1aの間に介在する第2部分1bとが連なった帯状の太陽電池素子である。複数の第1部分1aの太陽電池素子1の一対の長辺に対応した縁同士は互いに平行である。隣り合う2つの第1部分1aは、上記一方向に対して正の向きと負の向きにそれぞれ傾斜している。第2部分1bはこれらを接続するように1または複数の平面または曲面で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、太陽電池モジュールに関する。
有機薄膜太陽電池は、有機薄膜半導体、例えば導電性ポリマーとフラーレンとの混合物を用いた太陽電池である。有機薄膜太陽電池には、シリコン、CIGS及びCdTeなどの無機材料を使用した太陽電池と比較して、簡便な方法で生産でき、低コストであるという利点がある。その反面、有機薄膜太陽電池は、光電変換効率や寿命が、従来の無機系太陽電池と比較して低いという問題を有している。これは、有機薄膜太陽電池に用いられる有機半導体の特性には、半導体材料の純度、分子量分布及び配向性等の制御が困難な因子が影響を及ぼすためである。
このような状況のもと、有機薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させるための種々の工夫がなされている。
特開平7−66439号公報
本発明の目的は、低コストで製造可能な太陽電池モジュールを提供することにある。
一実施形態に係る太陽電池モジュールは、太陽電池素子と、この太陽電池素子を支持した支持構造とを含んでいる。太陽電池素子は、主面が対向するように一方向に並んだ複数の第1部分と、第1部分の間に介在する第2部分とが連なった帯状の太陽電池素子である。複数の第1部分の太陽電池素子の一対の長辺に対応した縁同士は互いに平行である。隣り合う2つの第1部分は、上記一方向に対して正の向きと負の向きにそれぞれ傾斜している。第2部分はこれらを接続するように1または複数の平面または曲面で構成されている。
第1実施形態に係る太陽電池モジュールの分解斜視図。 図1に示す太陽電池モジュールの断面図。 図1及び図2に示す太陽電池モジュールが含んでいる太陽電池素子の断面図。 比較例に係る太陽電池モジュールの太陽電池素子を示す斜視図。 図4に示す太陽電池素子を曲げた状態を示す斜視図。 図3に示す太陽電池モジュールの第1製造方法における第1工程を示す断面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第1製造方法における第2工程を示す断面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第1製造方法における第3工程を示す断面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第1製造方法における第4工程を示す断面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第1製造方法における第5工程を示す断面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第2製造方法における第1工程を示す平面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第2製造方法における第2工程を示す平面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第2製造方法における第3工程を示す平面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第2製造方法における第4工程を示す平面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第2製造方法における第5工程を示す平面図。 図3に示す太陽電池モジュールの第2製造方法における第6工程を示す平面図。 変形例に係る太陽電池モジュールの製造方法における第1工程を示す平面図。 変形例に係る太陽電池モジュールの製造方法における第6工程を示す平面図。 他の変形例に係る太陽電池モジュールの断面図。 第2実施形態に係る太陽電池モジュールの断面図。 図20に示す太陽電池モジュールの太陽電池素子の展開図。 変形例に係る太陽電池モジュールの断面図。 他の変形例に係る太陽電池モジュールの断面図。 図23に示す太陽電池モジュールの太陽電池素子の斜視模式図。 図24に示す太陽電池素子の展開図。 バルクへテロ接合型の有機薄膜太陽電池を概略的に示す断面図。 傾斜セル及び水平セルの電流−電圧特性を示す図。 受光面の角度θと光電変換効率との関係を示す図。 V字形に配置した太陽電池素子に光を照射した場合の光路を示す図。 V字形に配置した太陽電池素子の光電変換効率分布の計算結果を示す図。 メニスカス塗布法の例を示す正面図。 図31に示すメニスカス塗布法の第1工程を示す断面図。 図31に示すメニスカス塗布法の第2工程を示す断面図。 図31に示すメニスカス塗布法の第3工程を示す断面図。
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第1実施形態に係る太陽電池モジュールは、図2に示すように、太陽電池素子1と、支持構造2とを含んでいる。
太陽電池素子1は、図1に示すように、帯形状を有している。太陽電池素子1の一方の主面は前面であり、他方の主面は背面である。
太陽電池素子1は、主面が対向するように一方向に並んだ複数の第1部分と前記第1部分の間に介在する第2部分が連なった帯状のものである。即ち、太陽電池素子1は、その長さ方向に交互に配列した第1部分1a及び第2部分2bを含んでいる。ここでは、太陽電池素子1は複数の第2部分1bを含んでいるが、太陽電池素子1は第2部分1bを1つのみ含んでいてもよい。
複数の第1部分のそれぞれは、太陽電池素子1の帯状を形成する1対の長辺に対応する1対の縁を有する。複数の第1部分のこの縁同士は平行である。また、隣り合う2つの第1部分は前記一方向に対して正の向きと負の向きにそれぞれ傾斜している。第2部分は第1部分を接続するように1または複数の平面または曲面で構成される。
太陽電池素子1は、フレキシブルであり、S字形に曲げられている。具体的には、太陽電池素子1は、第2部分1bの各々の位置でU字形に又はヘアピン状に曲げられている。
上記のように曲げた太陽電池素子1において、太陽電池素子1の前面の一対の長辺に対応した第1部分1aの縁は互いに平行であり、第1部分1aは、これら縁に対して垂直な第1方向X1に隣り合っている。なお、図1において、第2方向X2は、第1方向X1とは逆向きの方向であり、第3方向Yは第1部分1aの上記縁に平行な方向であり、第3方向Zは方向X1及びYに対して垂直な方向である。
図2に示す支持構造2によって支持させた太陽電池素子1は、図1に示す太陽電池素子1を更に変形させたものである。具体的には、図2に示す太陽電池素子1では、第2部分1bを更に曲げることによって、太陽電池素子1の前面のうち第1部分1aの隣り合った各2つに対応した領域に、第1方向X1に傾いた第1斜面と第2方向X2に傾いた第2斜面とをこの順に方向X1又はX2に配列してなる構造を形成せしめている。即ち、太陽電池素子1の前面のうち第1部分1aの隣り合った各2つに対応した領域が、Y方向から見た場合に、略V字形又は略逆V字形の構造を形成するように、第2部分1bを更に曲げている。
ここでは、第2部分1bを曲げているが、その代わりに、第2部分1bを折ってもよく、第2部分1bを折り且つ曲げてもよい。なお、用語「曲げる」は折り目ができないように湾曲させることを意味し、用語「折る」は折り目ができるように鋭く曲げることを意味する。
太陽電池素子1の構造について、更に詳しく説明する。
太陽電池素子1は、図2及び図3に示すように、光透過性基材10と、前面電極11と、背面電極12と、光電変換層13と、絶縁層14と、シール層17と、封止基材18とを含んでいる。太陽電池素子1の前面、即ち受光面は光透過性基材10の表面であり、背面は封止基材側の表面である。
光透過性基材10は、帯形状を有している。ここで、用語「光透過性」は、光電変換層13が吸収することによってエキシトンを生じ得る各波長の光を70%以上の透過率で透過させる性質自体を又はそのような性質を有していることを意味している。また、後で使用する用語「光反射性」は、光電変換層13が吸収することによってエキシトンを生じ得る各波長の光を10%以上の反射率で反射する性質自体を又はそのような性質を有していることを意味している。光透過性基材10は第1及び第2主面を有している。第1主面は、光透過性基材10の長さ方向に各々が延び、光透過性基材10の幅方向に配列した第1及び第2領域(図示せず)を含んでいる。
前面電極11は、光透過性を有している。前面電極11は、第1及び第2領域上で広がっている。以下、前面電極11のうち、第1領域上に位置した部分を電極本体と呼び、第2領域上に位置した部分を端子部と呼ぶ。この端子部は、電極本体と電気的に接続されている。ここでは、前面電極11は陽極であり、端子部は、図2及び図3に示す陽極パッド15として利用する。陽極パッド15は、前面電極11とは別に設けてもよい。例えば、前面電極11上に、陽極パッド15として、モリブデンなどの導電材料からなるパターンを形成してもよい。
絶縁層14は、前面電極11の一部を被覆している。絶縁層14は、電極本体と端子部との境界に跨るように、光透過性基材10の長さ方向に延びている。絶縁層14は、前面電極11と背面電極12との電気的短絡を防止するために設ける。絶縁層14は省略することができる。
光電変換層13は、電極本体上に設けられている。絶縁層14のうち、電極本体上に位置した部分は、光電変換層13によって覆われている。
背面電極12は、光電変換層13上に設けられている。背面電極12は、光電変換層13の一方の主面と、光電変換層13のうち絶縁層14上に位置した部分の端面とを被覆している。背面電極12は、典型的には光反射性を有している。
太陽電池素子1は、陽極、ここでは前面電極11と光電変換層13との間に、正孔輸送層を更に含んでいてもよい。また、太陽電池素子1は、陰極、ここでは背面電極12と光電変換層13との間に、電子輸送層を更に含んでいてもよい。正孔輸送層の材料としては、例えば、PEDOT/PSSを使用することができる。電子輸送層の材料としては、例えば、TiOxを使用することができる。
封止基材18は、シール層17を間に挟んで背面電極12に貼り合わされている。シール層17は、光電変換層13の表面のうち背面電極12によって被覆されていない領域を被覆している。シール層17は、背面電極12の表面のうち絶縁層14に対応した領域を被覆していない。ここでは、背面電極12のうち絶縁層14に対応した部分を、図2及び図3に示す陰極パッド16として利用する。陰極パッド16は、背面電極12とは別に設けてもよい。例えば、絶縁層14上に、陰極パッド16として、モリブデンなどの導電材料からなるパターンを形成し、その上に背面電極12を形成してもよい。
シール層17及び封止基材18は、素子を酸素及び水分から保護する役割を果たす。シール層17の材料としては、例えば、熱硬化型や紫外線硬化型のエポキシ樹脂を使用することができる。封止基材18としては、例えば、金属板、又は、樹脂フィルムの表面に無機物若しくは金属からなる層を設けてなるフィルムを使用することができる。樹脂フィルムとしては、例えば、PET、PEN、PI、EVOH、CO、EVA、PC若しくはPESからなるフィルム、又は、それらの2つ以上を含んだ多層フィルムを使用することができる。無機物又は金属としては、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、窒化珪素、窒化ホウ素又はAlを使用することができる。シール層17及び封止基材18シールの少なくとも一方は、乾燥剤又は酸素吸収剤を更に含んでいてもよい。
シール層17及び封止基材18は、省略することができる。
この太陽電池素子1は、光透過性基材1の表面、光透過性基材1と前面電極11との間、又はそれらの双方の位置に、反射防止層を更に含んでいてもよい。反射防止層としては、例えば、反射防止コーティング又はフィルム若しくはシート状の反射防止層を使用することが可能である。反射防止層の材料としては、例えば、酸化チタンなどの無機材料、並びに、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂などの有機材料が挙げられる。反射防止層としては、モスアイ型の微細な突起構造を有しているものが望ましい。そのような突起構造を持ったフィルムは、厚さ方向の屈折率が連続的に変化するため、フィルムに当たる光は殆ど反射せず、大部分の光を透過させることが可能である。モスアイ型の突起構造を有しているフィルムは、例えば、微細な凹凸を有する金型を作り、この金型のレリーフ構造を、樹脂シート又は無機SOG若しくは有機SOG膜に転写することで得られる。また、酸化チタンの自己組織化等を利用して、モスアイ構造と同様な原理で反射を防止し得る塗料など作製し、これを塗布してもよい。
この太陽電池素子1は、太陽光の短波長成分を長波長成分へと変換する層を更に含んでいてもよい。このような層を設けると、光電変換効率を更に向上させることができる。例えば、光透過性基材1の表面にユーロピウム錯体をコーティングすると、光電変換効率を向上させることができる。
或いは、この太陽電池素子1は、太陽光の長波長成分を短波長成分へと変換するアップコンバージョン型の蛍光・燐光層を更に含んでいてもよい。このような層を設けた場合も、光電変換効率を更に向上させることができる。
支持構造2は、図1及び図2に示すように、第1部材21aと、第2部材21bと、第1コンタクト電極22と、第2コンタクト電極23とを含んでいる。
第1部材21aは太陽電池素子1の下に設けられ、太陽電池素子1の背面のうち第1部分1aに対応した領域と少なくとも部分的に向き合って、太陽電池素子の一長辺を支持する。ここでは、第1部材21aには、幅方向に配列した複数のV字溝が設けられている。V字溝は、第3方向Yに対して平行な長さ方向を有しており、方向X1又はX2に配列している。太陽電池素子1は、その背面が、第1部分1aの位置で、V字溝の傾斜した壁面と接触するように設置されている。第1部材21aは、例えば、樹脂などの絶縁材料からなる。
各V字溝の底部には、このV字溝と比較して幅がより狭い矩形溝がV字溝に対して平行に設けられている。この矩形溝は、ほぞ穴と同様の役割を果たす。
第2部材21bは、太陽電池素子1の第1部分1aを、上述した第1及び第2斜面の配列が形成する各谷の底部で第1部材21aに対して押し当てている。ここでは、第2部材21bの各々は、楔形部とその先端に位置した突起部とを含んでいる。この突起部は、先の矩形溝と嵌め合い、第2部材21bを第1部材1aに対して固定する。楔形部は、図2に示すように、第1部分1aを、第1部材21aに対して押し当てる。
典型的には、第2部材21bのうち、斜めに向き合った第1及び第2斜面に挟まれた領域3に面した部分Sは光反射性、例えば、鏡面反射性又は光散乱性を有している。この設計を採用すると、この部分Sに入射した光は、光反射部分Sによって反射され、太陽電池素子1に入射し得る。従って、この場合、この部分Sが光反射性を有していない場合と比較して、より高い光電変換効率を達成できる。
なお、ここでは、支持構造2は複数の第2部材21bを含んでいるが、これら第2部材21bは一体化されていてもよく、或いは、第2部材21bは1つのみであってもよい。
第1コンタクト電極22の各々は、第1部材21aの斜面上で第3方向Yに延びている。第1コンタクト電極22は、支持構造2が太陽電池素子1を支持した状態において、第1部分1aの位置で陽極パッド15と接触するように設けられている。
第2コンタクト電極23の各々は、第1部材21aの斜面上で第3方向Yに延びている。第2コンタクト電極23は、支持構造2が太陽電池素子1を支持した状態において、第1部分1aの位置で陰極パッド16と接触するように設けられている。
コンタクト電極22及び23は、ばね構造を有し得る。ばね構造は、固定及び電気的接続などを確実にするうえで有利である。
第1コンタクト電極22および第2コンタクト電極23ともに、第3方向Yに連続的に露出させてもよいし、露出部は間欠的にして第1部材21aの内部で露出部各々が電気的に接続するようにしてもよい。間欠的に露出させる方法をとると、太陽電池素子1や第2部材21bを挿し込むのに必要な力を低減しつつ電気的接続をより確実に行える。露出させる部分のピッチを200mm以下にすることで、陽極パッド15、陰極パッド16の電気抵抗による特性低下を防止することができる。
コンタクト電極22及び23は、第1部分1aを直列に接続するように構成されていてもよく、第1部分1aを並列に接続するように構成されていてもよい。コンタクト電極22及び23間の電気的接続は任意である。
この太陽電池モジュールでは、太陽電池素子1を、その第1部分1aの受光面がZ方向に垂直な面に対して角度θだけ傾斜するように設置している。それ故、例えば、Z方向から太陽電池モジュールに光を照射すると、この光は、光電変換層13に対して斜めに入射する。即ち、この構成を採用した場合、光電変換層13に対して垂直に光を入射させる構成を採用した場合と比較して、光電変換層13の見かけ上の厚さが大きくなる。従って、光電変換層13の実際の厚さを増大させることなしに、光電変換層13においてより多くのエキシントンを発生させることができる。即ち、光電変換層13の電気抵抗を増加させることなしに、換言すれば、発生したキャリアを失活させることなしに、電流の大きさを増大させることができ、その結果、光電変換効率が向上する。
また、この太陽電池モジュールでは、太陽電池素子1を、隣り合った第1部分1aの受光面が斜めに向き合うように設置している。こうすると、一方の第1部分1aが反射した光を、他方の第1部分1aに入射させることができる。その結果、光電変換に利用できる光の量が増大し、光電変換効率が向上する。以下、受光面を斜めに向き合うように配置した構造を「マルチスロープ構造」と呼ぶ。
第4方向Zに垂直な平面に対する受光面の傾斜角度θは、例えば45〜89°、好ましくは65〜75°である。角度θが45°以上であると、光電変換層13の見かけ上の厚さを大きくすること及び反射光を光電変換に利用することに起因した光電変換効率の向上が顕著である。一方、角度θを89°より大きくすると、マルチスロープ構造を得るのに必要な第1部分1aの面積が大きくなりすぎ、コストアップにつながってしまう。
光電変換層13の光透過率は、例えば3%以上、好ましくは10%以上である。透過率が3%未満の場合、角度θを大きくしても光電変換効率の向上は僅かである。透過率が3%以上であると、角度θの増大に伴い、光電変換効率が向上する。これは、吸収率が大きな光電変換層は、入射光の伝播方向に拘らず十分な光子を吸収することができるが、現存する有機半導体から得られる光電変換層の吸収率は、膜厚が100nm程度の場合、数十%程度に過ぎないからである。
また、この太陽電池モジュールは、以下の点で優れている。
図4及び図5は、マルチスロープ構造を形成するための他の方法を示している。この方法では、まず、図4に示すように、平面状のフレキシブルな太陽電池素子1’を準備する。そして、この太陽電池素子1’を折るか又は曲げることにより、図5に示すマルチスロープ構造を得る。
この方法において使用する太陽電池素子1’では、前面電極11のシート抵抗が発電効率に及ぼす影響が大きい。それ故、この太陽電池素子1’には、バスライン19a及びグリッドライン19bを設け、これらを電極パッド15に接続する必要がある。しかしながら、一般に、バスライン19a及びグリッドライン19bには、電気伝導率が大きな金属を使用する。そのため、図4及び図5に示す方法でマルチスロープ構造を形成する場合、高い開口率を達成できない。
これに対し、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールでは、バスライン19aの役割を陽極パッド15と第1コンタクト電極22とに担わせ、これらを、部材21a及び21b間に配置している。通常、太陽電池素子1のうち部材21a及び21b間に位置した部分に光は届かないので、この部分に陽極パッド15等を配置したとしても、開口率は低下しない。
また、太陽電池素子1の幅(短辺方向の寸法)を小さくすれば、電極本体の何れの位置であっても陽極パッド15までの距離が短くなり、その結果、前面電極12のシート抵抗が電位降下に及ぼす影響が小さくなる。そのため、グリッドラインに相当するものを省略するか又は簡素化できる。グリッドラインの有無はシート抵抗と開口率に影響を及ぼし、シート抵抗と開口率のバランスによって素子の変換効率が変動する。有機薄膜太陽電池素子の場合、太陽電池素子1の幅を、例えば30mm未満、好ましくは20mm未満にすれば、グリッドラインを省略したほうが高い変換効率が得られる。グリッドラインを省略すると、グリッドライン形成プロセスを省略できる。また、平坦な下地上に光電変換層13を形成することができるため、様々な製膜方法で膜厚精度の高い光電変換層13が得られる。太陽電池素子1の幅が30mm以上60mm未満の場合、グリッドラインを付与したほうが好ましい。但し、この場合であっても、図4及び図5を参照しながら説明した構造を採用した場合と比較して、グリッドラインの幅及び高さを小さくすること、並びに、グリッドラインのピッチを大きくすることができ、開口率や製膜プロセスの点で有利である。なお、太陽電池素子1の幅が80mm以上である場合、通常、陽極パッド15に加え、バスラインに相当する構造が更に必要となる。
電極のシート抵抗に起因した発電効率低下は、前面電極11だけでなく、背面電極12でも発生する。一般に、背面電極12は、光透過性である必要はなく、その材料として金属を用いることが多い。そのため、背面電極12のシート抵抗が電位降下に及ぼす影響は小さいが、太陽電池素子の面積が大きくなると無視できなくなる。これを考慮すると、図4及び図5を参照しながら説明した構造を採用した場合、背面電極12として、例えば、大面積のアルミニウム層を蒸着法によって厚く形成する必要がある。そのため、高い設備及び製造コストが必要となる。
これに対し、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールでは、太陽電池素子1の幅が十分に小さければ、背面電極12のシート抵抗が及ぼす影響を無視できる。従って、蒸着法を使用する場合には、背面電極12を薄く形成することができる。或いは、金属ペーストの塗布及び導電性高分子の塗布などの低コストプロセスによって背面電極12を形成することができる。
また、図4及び図5を参照しながら説明した太陽電池素子1’は、小さな曲率半径で曲げた場合、前面電極11と背面電極12との間で電気的短絡が生じたり、太陽電池素子1を形成する各層に欠陥が生じて封止機能が低下したり、電気的絶縁が生じたりする可能性がある。それ故、折り目からの距離が約0.2〜約0.5mmの領域に前面電極11及び背面電極12の少なくとも一方が存在しないように、前面電極11及び/又は背面電極12をパターニングする必要がある。そして、上記の電気的短絡を防止するべく、図4及び図5を参照しながら説明した太陽電池素子1’を大きな曲率半径で曲げた場合、受光面に占める傾斜角度が適切な範囲から外れた領域の割合が大きくなる。それ故、この場合、光電変換層13の見かけ上の厚さを大きくすること及び反射光を光電変換に利用することに起因した光電変換効率の向上は小さい。曲率半径には下限があるため、受光面に占める傾斜角度が適切な範囲から外れた領域の割合は、太陽電池素子1の受光面の傾斜角度θが大きいほど、すなわち山や谷の間隔が狭いほど高くなってしまう。つまり、変換効率を向上させるため傾斜角度θを大きくしようとすると、適正から外れた領域の割合が高くなって変換効率が頭打ちになってしまう。
これに対し、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールでは、太陽電池素子1は第2部分1bの位置で曲げている。そのため、太陽電池素子1を大きな曲率半径で曲げたとしても、受光面、ここでは第1部分1aの表面の全体に亘って、傾斜角度を適切な範囲に設定することができる。
また、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールでは、太陽電池素子1に単純な構造を採用することができる。そして、この太陽電池モジュールは、これに起因して低コストで製造することができる。これについて、図6乃至図10を参照しながら説明する。
図6乃至図10に示す方法では、まず、図6に示すように、帯状の光透過性基材10を準備し、その一方の主面のほぼ全体を被覆するように、例えばインジウム錫酸化物(ITO)からなる前面電極11を形成する。次に、図7に示すように、前面電極11上に、前面電極11の一方の長辺に対して平行な方向に延びた帯状の絶縁層14を、前面電極11の先の長辺から僅かに離れた位置に形成する。次いで、図8に示すように、前面電極11上に、前面電極11の上記長辺に対して平行な方向に延びた帯状の光電変換層13を形成する。光電変換層13は、前面電極11のうち先の長辺に隣接した領域を被覆しないように形成する。その後、図9に示すように、光電変換層13上に、背面電極12を形成する。背面電極12は、前面電極11から離間させる。その後、図10に示すように、背面電極12に、シール層17を介して封止基材18を貼り合わせる。以上のようにして、太陽電池素子1を得る。
その後、太陽電池素子1を、支持構造2に支持させる。例えば、太陽電池素子1の一端を第1部材21aの所定の位置に固定し、太陽電池素子1の他の部分をV字溝内でその長さ方向に往復させ、他のV字溝についても同様の操作を行う。または太陽電池素子1の一端を第1部材21aの所定の位置に固定し、支持構造2を右回り180°回転、左回り180°回転を交互に繰り返して太陽電池素子1を巻き取る。そして、第2部材21bを第1部材21aに結合させる。或いは、ロボットアームを用いてS字形に曲げた太陽電池素子1を第1部材21a上に設置し、この状態で、第2部材21bを第1部材21aに結合させる。第2部材21bを第1部材21aに結合させると、太陽電池素子1は先に説明したように変形する。以上のようにして、太陽電池モジュールを完成する。
この方法では、光透過性基材10上に形成する各層は、光透過性基材10の長さ方向に延びた帯状の層として形成する。即ち、この方法では、一次元的にパターニングされた層を形成すればよい。
他方、図4及び図5を参照しながら説明した太陽電池素子1’を製造するには、異なる方向に延びたバスライン19a及びグリッドライン19bを形成しなければならい。即ち、二次元的にパターニングされた層を形成する必要がある。また、場合によっては、他の層も二次元的にパターニングされた層として形成する必要がある。
以下の表1に、製膜方法の分類を示す。
Figure 2012195516
表1に示すように、製膜方式は、接触式と非接触式に大別される。太陽電池素子の製造では、下地への機械的ダメージを考慮すると非接触式が好ましく、また、大面積の層を高い材料使用効率で製膜できることが好ましい。表1に示すように、メニスカス塗布方式の一部と、インクジェット又はスプレイコーターを用いる塗布方式とは、2次元的にパターニングされた層を高い膜厚精度で形成することは難しいものの、上記の3つの要件を満足する。図6乃至図10に示す方法では、一次元的にパターニングされた層を形成すればよいので、これらの製膜方法を用いることができ、優れた特性の太陽電池素子1を低コストで製造することができる。
また、蒸着などを用いる場合でも、以下の利点がある。二次元的にパターニングされた層をロール・トゥ・ロール法で形成する場合、製膜すべき基材とマスクとを同じ速度で搬送させるインライン方式、又は、マスクを固定しておき、製膜すべき基材をストップ・アンド・ゴー搬送させる方式の何れかを採用する必要がある。これに対し、一次元的にパターニングされた層をロール・トゥ・ロール法で形成する場合、マスクを固定しておきながら、製膜すべき基材を一定の速度で搬送させることができ、低コスト化につながる。
さらに、図4及び図5を参照しながら説明した太陽電池素子1’の製造においては、少なくともその短辺の長さ程度の幅で製膜できる装置が必要である。これに対し、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールの製造では、例えば、200mm程度の幅で製膜できればよく、それ故、小型の製膜装置を使用することができる。
なお、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールの製造においても、電極11及び12間の電気的短絡を防ぐこと、又は、確実な封止を行うことを目的として、各層の製膜開始側端部及び製膜終了側端部を、光透過性基材10の端から離間させてもよい。即ち、各層を、二次元的にパターニングされた層として形成してもよい。この場合、例えば、製膜開始側端部及び製膜終了側端部にマスキングテープを貼った後に製膜を行うか、又は、光透過性基材10の先端から離れた位置で製膜を開始し、光透過性基材10の後端から離れた位置で製膜を終了すればよい。
図3に示す太陽電池素子1は、図11乃至図16に示す方法で製造することも可能である。
この方法は、図11に示すように幅の広い光透過性基材10(図11では前面電極12によって一方の主面の全体が覆われている)を使用し、図16に示すように最終工程において光透過性基材10等を切断すること以外は、図6乃至図10を参照しながら説明した方法と同様である。なお、この方法では、図12乃至図15に示すように、複数の層を同時に形成するか又は貼り付ける。複数の層は、例えば、スリットダイを幅方向に複数並べたスリットコータ及びマルチノズルのインクジェット装置などのマルチヘッドの製膜装置を用いることにより同時に形成することができる。この方法によると、製膜装置の幅は大きくなるが、スループットを向上させることができる。
補助配線を形成する場合には、例えば、図17及び図18に示す方法を利用することができる。
この方法は、前面電極11を形成する前に、光透過性基材10上に補助配線19を形成すること以外は、図11乃至図16を参照しながら説明した方法と同様である。補助配線19はグリッドラインに相当する効果を発現させるものであり、太陽電池素子1の幅が30mm以上60mm未満の場合に好適である。
図1及び図2を参照しながら説明した太陽電池モジュール1において、第2部材21bの領域3に面した部分Sは、光電変換効率の観点では、できるだけ小さいことが好ましい。但し、太陽電池素子1を固定するためには、この部分Sは或る程度の大きさを有していることが望ましい。上記の通り、この部分Sを光反射性、例えば鏡面反射性又は拡散反射性にすると、高い光電変換効率を達成できる。
この部分Sを光反射性とする場合、光反射性部分Sは、第1方向X1及び第3方向Yに対して平行でなくてもよい。例えば、光反射性部分Sの第3方向Yに垂直な断面は、V字形であっていてもよい。或いは、図19に示すように、光反射性部分Sの第3方向Yに垂直な断面は、逆V字形であってもよい。こうすると、光反射性部分Sに入射した光を、より効率的に第1部分1aに入射させることができる。
鏡面反射性の部分Sを含んだ第2部材21bとしては、例えば、表面を良く研磨した、アルミニウム及びクロムなどの金属部品、表面に銀メッキ処理やアルミニウム蒸着処理を施したガラス若しくは樹脂部品、又は、表面を各種金属箔で被覆したガラス若しくは樹脂部品を使用することができる。例えば、3M社製の反射フィルム ビキュイティESRなどを設置することで98%以上の反射率が得られる。また、拡散反射性の部分Sを含んだ第2部材21bとしては、例えば、表面を粗面化した、アルミニウムクロムなどの金属部品、白色塗料を塗布されたガラス若しくは樹脂部品、又は、各種拡散層を支持させた部品を使用することができる。
次に、第2実施形態を、図20乃至図25を参照しながら説明する。
図20に示す太陽電池モジュールは、以下の構成を採用したこと以外は、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールと同様である。
即ち、この太陽電池モジュールでは、支持構造2は、第1部材21a及び第2部材21bの代わりに、部材21を含んでいる。部材21には、複数の溝が設けられている。これら溝の長さ方向は、互いに平行であり、第1方向X1に対して垂直である。そして、隣り合った各2つの溝のうち、一方の深さ方向は第1方向X1に傾いており、他方の深さ方向は第2方向X2に傾いている。これら溝は、第1部材21a及び第2部材21b間の隙間とほぼ同様の役割を果たしている。
太陽電池素子1は、第2部分1bの位置で折られている。なお、図21において、線L1は谷折りすべき折り目を表し、線L2は山折りすべき折り目を表している。第2部分1bで折られた太陽電池素子1の第1部分1aは、部材21の溝に挿入されている。このように、支持構造2には、様々な方法で太陽電池素子1を支持させることができる。
この太陽電池モジュールにおいても、部材21の領域3に面した部分Sは、光反射性、例えば鏡面反射性又は拡散反射性にすることが好ましい。この場合、光反射性部分Sは、第1方向X1及び第3方向Yに対して平行でなくてもよい。例えば、光反射性部分Sの第3方向Yに垂直な断面は、V字形であっていてもよい。或いは、図22に示すように、光反射性部分Sの第3方向Yに垂直な断面は、逆V字形であってもよい。こうすると、光反射性部分Sに入射した光を、より効率的に第1部分1aに入射させることができる。
この太陽電池モジュールには、図1乃至図3を参照しながら説明した太陽電池モジュールとは異なり、背中合わせに斜めに向き合った第1部分1aと支持体2との間に三角形の空洞がある。この空洞を利用して、太陽電池モジュールを冷却してもよい。例えば、支持構造2には、背中合わせに向き合った第1部分1aに挟まれた領域に、冷媒が流通する流路を設けてもよい。一般に、太陽電池は室温以上の領域では、温度が低いほど光電変換効率が高い。それ故、上記の構成を採用すると、より高い光電変換効率を達成できる。有機薄膜太陽電池では温度が高いほど光電変換効率が高い場合もあるが、寿命を考慮すると冷却されやすいことが好ましい。
図23に示すように、各溝には、2つの第1部分1aを挿入してもよい。
図23に示す太陽電池モジュールでは、部材21に設けられている溝の深さ方向は、第1方向X1に対して垂直である。そして、各溝の2つの側壁の各々には、コンタクト電極22及び23の組が配置されている。
この太陽電池モジュールの太陽電池素子1は、図24の模式図に示す構造を有している。この構造は、図25に示すように、線L3の位置に切り込みを設け、線L1の位置で谷折し、線L2の位置で山折りすることにより得られたものである。
この太陽電池素子1において、第1部分1aのパッド15及び16側の縁は、太陽電池素子1の前面が凸となるように、太陽電池素子1の長さ方向に対して平行に折られている。また、この太陽電池素子1は、隣り合った各2つの第1部分1aのパッド15及び16側の縁が背中合わせになるように、第2部分1bの位置で折られている。そして、背中合わせに配置された縁が、それぞれ、部材21の溝に挿入されている。
この太陽電池モジュールは、図20に示す部分Sを含んでいない。従って、この構造を採用すると、より高い光電変換効率を達成することができる。
線L3の位置に設ける切り込みの量は適宜調整することができる。図24に示すように光電変換層13の手前までにすると、封止機能を全く損なうことがなく、寿命の点で最も有利である。
一方、絶縁層14の奥側まで切り込みを入れて折ると、傾斜面に占める光電変換層13の露出部分の面積率が高くなり、光電変換効率の点で最も有利である。この場合、切り込みの後、その端面を封止する処理を入れることが好ましい。レーザーカットや超音波カッターなど、発熱を伴う切り込み手段を用いると、光透過性基材10、シール層17、封止基材18の少なくともいずれかが熱溶融して封止されるため好適である。この場合、受光面の傾斜角θを例えば70°に設定する場合、第1部分1aは20°の折れ角で折ることになる。この程度の角度であれば、電極間の電気的短絡は生じない。
支持構造2に支持させる前の状態における第1部分1aの折れ角は、太陽電池モジュールにおける第1部分1aの折れ角よりも大きく、例えば1°〜30°大きくすることが望ましい。こうすると、マルチスロープ構造の山部において、隣り合った第1部分1a同士が密着しやすくなり、光電変換に寄与しない領域を狭くすることができる。なお、支持構造2に支持させる前の状態における第1部分1aの折れ角を、太陽電池モジュールにおける第1部分1aの折れ角よりも過剰に大きくすると、第1部分1aが湾曲し、所望の傾斜角度から外れる領域が増加したり、電極間の電気的短絡が発生するおそれがある。
また、この太陽電池モジュールでは、太陽電池素子1を、第2部分1bの位置で曲げる代わりに折っている。第2部分1bを折った場合、第2部分1bを曲げた場合と比較して、第1部分1aの傾斜角等を設計通りにし易くなり、第2部分1bの長さも短縮することができる。第2部分1bの折れ角は最大でも90°であるので、電極間の電気的短絡も比較的生じ難い。
続いて、上述した全ての実施形態に任意に適用することができる手段及び処理について説明する。
太陽電池モジュール表面の汚れ除去のための処理を行ってもよい。長期間にわたり有機薄膜太陽電池への汚れの付着を防止することが可能となり、光電変換効率の低下を防止することができる。例えば、以下の方法により行うことができる。
ACクリーニング法:
マルチスロープ構造においては、特に谷底部分に粉塵などのごみが堆積しやすいので、その対策を行うことが望ましい。特に粉塵のような微粒子の堆積に対しては、電界による微粒子の剥離・搬送が効果的である。セル表面の絶縁性保護膜の表面に、1mm〜10mm程度の間隔でライン状の電極線を配置し、これらの間に電界の向きが時間的に変化するような電圧を印加すると、帯電した微粒子が電界の変動に応じて振動し、セル表面から微粒子が剥離する。さらに、電極間の電界を空間的に進行する進行波とすれば、剥離した微粒子を特定の方向に搬送し、セル表面から除去することも可能になる。隣り合う電極間の電界は、20V/mm〜500V/mmの範囲が好適で、特に100〜200V/mm前後がより好ましい。隣り合う電極間に位相が90度〜180度程度ずれた交流電圧を印加し、これが進行波として電極間を伝わるようにしても良い。また、セルの補助配線間に定期的に上記の電界を印加するように設定すれば、新たに電極を設けることなくクリーニングが行える。
酸化チタンを用いた表面自己洗浄層:
光酸化性を有する酸化チタン層を太陽電池モジュールの最表面に設けることで、付着した有機物の分解を促進して、クリーニングを行い、表面の汚れを除去することが可能である。
その他:
マルチスロープ構造の谷底に、幅0.5mmから2mm程度のスリットを谷線に沿って設け、ミリメートル単位のサイズの比較的大きなごみはこのスリットからセル外へ落下するように構成することも、ごみ対策として有効である。
付属機器として、追尾装置又は光強度検知装置を設置することも可能である。住宅の屋根などに上記の太陽電池モジュールを設置する場合、これを太陽に対して正対させる太陽追尾装置を設けることで、最大限の効果を得ることが出来る。
モバイル機器などに使用する場合には、ユーザが自由に光源との角度を調整できる。光源の強度が強い方向を表示するための回路を設置することで、発電効率を向上させることが出来る。例えば、光強度が表示される液晶レベルメータなどが有効である。
次に、有機薄膜太陽電池の発電原理について説明する。
図26は、バルクへテロ接合型の太陽電池の動作メカニズムを説明する図である。図26において、参照符号13p及び13nは、それぞれ、p型半導体及びn型半導体を表している。また、参照符号C及びCは、それぞれ、正孔及び電子を表している。
有機薄膜太陽電池の光電変換プロセスは、a)有機分子が光を吸収してエキシトンを発生する過程、b)エキシトンの移動及び拡散の過程、c)エキシトンの電荷分離の過程、d)両極への電荷輸送の過程に大きく分けられる。
ステップa)では、p型有機半導体又はn型有機半導体が光を吸収することによりエキシトンが発生する。この発生効率をη1とする。次に、ステップb)では、発生したエキシトンがp/n接合面へ拡散により移動する。この拡散効率をη2とする。エキシトンには寿命があるため、拡散長程度しか移動できない。ステップc)では、p/n接合面に到達したエキシトンがエレクトロンと正孔に分離される。このエキシトンの分離の効率をη3とする。最後にステップd)にて、それぞれの光キャリアはp/n材料中を通じて電極へと輸送され、外部回路に取り出される。この輸送効率をη4とする。
照射された光子に対する発生したキャリアの外部取り出し効率は、次の式で表すことが出来る。この値が太陽電池の量子効率に相当する。
ηEQE=η1・η2・η3・η4。
光電変換効率を向上させるには、前記a)〜d)の特性に鑑みて有機薄膜太陽電池素子を作製すればよい。即ち、ステップa)においては、光電変換層が入射してくる光子を100%吸収すること;ステップb)及びc)においては、有機半導体材料の移動度か高く、p/n接合が確実に行われていること;ステップd)においては、両極へのキャリアパスが形成され、電極までの距離が短く、トラップになるような欠陥が無いことに留意すればよい。
このような前提に基づいて有機薄膜太陽電池の作製を行えば、高効率な素子を実現できるのであるが、現状の材料や製膜法ではこの理想の形には程遠い。有機薄膜太陽電池は、従来の無機系太陽電池に比べ、エキシトンの解離確率が低く、エキシトンの拡散長が短く、さらにキャリアの移動度が低いという問題がある。有機半導体には、純度や分子量分布、配向性など、制御が困難なパラメータが多いためである。
前記ステップa)を改善するために、光電変換層を厚くして光子の吸収率を向上させる手段が考えられる。光電変換層を厚くすることにより光路長が長くなるため、光子の吸収率は高まるが、光電変換層の厚さの増加に伴い電気抵抗が増大し、キャリアがトラップされやすくなる。そのため、発生したキャリアは電極へ到達することが出来ず、光電変換効率が低下してしまう。
また、前記ステップd)を改善するために、光電変換層を薄くして電極間の距離を短くする手段が考えられる。電極間の距離を短くすることにより、発生したキャリアは電極に到達しやすくなり、膜の電気抵抗も低下する。そのため、光電変換効率が向上するようにも思われる。しかし、光電変換層の膜厚が薄いと、前記ステップa)において発生するエキシトンの量が低下してしまう。光電変換層に用いられる材料は光吸収性があまり高くないため、膜厚が薄いと光子は光電変換層に全て吸収されず外部へ逃げてしまうからである。このため、キャリア数が少なくなり、電流が減少する。その結果として、光電変換効率が低下してしまう。
このように光電変換層の膜厚が厚くなると、発生するエキシトンの数は増加するが、キャリアの電極への輸送能力が劣化してしまう。一方、光電変換層の膜厚が薄くなると、キャリアの電極への輸送性には優れるのであるが、発生するエキシトンが少なくなってしまう。従って、どちらの条件においても最終的には光電変換効率が低下してしまう。
これに対し、第1部分1aの受光面を傾斜させることにより、光電変換層の膜厚を最適な範囲に維持したまま光電変換層の光路長を長くすることができる。従って、上記のような問題を生じることなく、光電変換効率が向上した太陽電池を提供することができる。
以下、太陽電池モジュールの各構成部材について説明する。
(光透過性基材及び封止基材)
光透過性基材10や封止基材18は、他の構成部材を支持するためのものである。これら基材は、熱や有機溶剤によって変質しないものが好ましい。基材の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム、ステンレス鋼(SUS)、シリコン等の金属基材等が挙げられる。光透過性基材10は、光が入射する側に配置されるため、典型的には透明なものを使用する。封止基材18としては不透明な基材を使用してもよい。
(前面電極)
前面電極11は、ここでは陽極である。前面電極11は、素子基材10の上に積層する。前面電極11の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。通常は、透明又は半透明の導電性を有する材料を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で製膜する。透明又は半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、及びそれらの複合体であるインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、インジウム亜鉛酸化物等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられる。特に、ITO又はFTOが好ましい。また、電極材料として、有機系の導電性ポリマーであるポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等を用いてもよい。前面電極11の膜厚は、ITOの場合、30〜300nmであることが好ましい。30nmより薄くすると、導電性が低下して抵抗が高くなり、光電変換効率低下の原因となる。300nmよりも厚くすると、光透過率が低くなったり、可撓性がなくなって応力が作用するとひび割れてしまう。前面電極11のシート抵抗は可能な限り低いことが好ましく、10Ω/□以下であることが好ましい。前面電極11は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。背面電極12との電気的短絡や電流リークを軽減するため、なるべく表面は平滑であることが好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、任意に、陽極としての前面電極11と光電変換層13との間に配置される。正孔輸送層の機能は、下部の電極の凹凸をレベリングして太陽電池素子1における電気的短絡を防ぐこと、正孔のみを効率的に輸送すること、光電変換層13の界面近傍で発生したエキシトンの消滅を防ぐこと等である。正孔輸送層の材料としては、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート))等のポリチオフェン系ポリマー、ポリアニリン、ポリピロール等の有機導電性ポリマーを使用することができる。ポリチオフェン系ポリマーの代表的な製品としては、例えば、スタルク社のClevios PH500、CleviosPH、CleviosPV P Al 4083、CleviosHIL1.1が挙げられる。
正孔輸送層の材料としてClevios PH500を使用する場合、膜厚は20〜100nmであることが好ましい。薄すぎる場合は、下部電極の短絡を防止する作用がなくなり、ショートが発生してしまう。厚すぎる場合は、膜抵抗が大きくなり、発生した電流を制限してしまうため、光変換効率が低下する。
正孔輸送層の製膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えばスリットコート法やメニスカスコート法等で塗布することが可能である。正孔輸送層の材料を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。140〜200℃で数分〜10分間程度加熱乾燥することが好ましい。塗布する溶液は、予めフィルタでろ過したものを使用することが望ましい。
(光電変換層)
光電変換層13は、前面電極11と背面電極12との間に配置される。バルクへテロ接合型の有機薄膜太陽電池を例にとって説明する。バルクヘテロ接合型の太陽電池は、p型半導体13pとn型半導体13nが光電変換層中で混合してミクロ層分離構造をとることが特徴である。バルクへテロ接合型は、混合されたp型半導体13pとn型半導体13nが光電変換層内でナノオーダーのサイズのpn接合を形成し、接合面において生じる光電荷分離を利用して電流を得る。p型半導体13pは、電子供与性の性質を有する材料で構成される。一方、n型半導体13nは、電子受容性の性質を有する材料で構成される。p型半導体13p及びn型半導体13nの少なくとも一方は有機半導体であってよい。
p型有機半導体としては、例えば、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体等を使用することができ、これらを併用してもよい。また、これらの共重合体を使用してもよく、例えば、チオフェン−フルオレン共重合体、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体等が挙げられる。
好ましいp型有機半導体は、π共役を有する導電性高分子であるポリチオフェン及びその誘導体である。ポリチオフェン及びその誘導体は、優れた立体規則性を確保することができ、溶媒への溶解性が比較的高い。ポリチオフェン及びその誘導体は、チオフェン骨格を有する化合物であれば特に限定されない。ポリチオフェン及びその誘導体の具体例としては、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−ブチルチオフェン、ポリ3−ヘキシルチオフェン、ポリ3−オクチルチオフェン、ポリ3−デシルチオフェン、ポリ3−ドデシルチオフェン等のポリアルキルチオフェン;ポリ3−フェニルチオフェン、ポリ3−(p−アルキルフェニルチオフェン)等のポリアリールチオフェン;ポリ3−ブチルイソチオナフテン、ポリ3−ヘキシルイソチオナフテン、ポリ3−オクチルイソチオナフテン、ポリ3−デシルイソチオナフテン等のポリアルキルイソチオナフテン;ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。
また、近年では、カルバゾール、ベンゾチアジアゾール及びチオフェンからなる共重合体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])などの誘導体が、優れた光電変換効率を得られる化合物として知られている。
これらの導電性高分子は、溶媒に溶解させた溶液を塗布することにより製膜可能である。従って、大面積の有機薄膜太陽電池を、塗布法等により、安価な設備にて低コストで製造できるという利点がある。
n型有機半導体としては、フラーレン及びその誘導体が好適に使用される。ここで使用されるフラーレン誘導体は、フラーレン骨格を有する誘導体であれば特に限定されない。具体的には、C60、C70、C76、C78、C84等を基本骨格として構成される誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレン骨格における炭素原子が任意の官能基で修飾されていてもよく、この官能基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。フラーレン誘導体には、フラーレン結合ポリマーも含まれる。溶剤に親和性の高い官能基を有し、溶媒への可溶性が高いフラーレン誘導体が好ましい。
フラーレン誘導体における官能基としては、例えば、水素原子;水酸基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、C60H36、C70H36等の水素化フラーレン、C60、C70等のオキサイドフラーレン、フラーレン金属錯体等が挙げられる。
上述した中でも、フラーレン誘導体として、60PCBM([6,6]-フェニルC61酪酸メチルエステル)又は70PCBM([6,6]-フェニルC71酪酸メチルエステル)を使用することが特に好ましい。
未修飾のフラーレンを使用する場合、C70を使用することが好ましい。フラーレンC70は、光キャリアの発生効率が高く、有機薄膜太陽電池に使用するのに適している。
光電変換層におけるn型有機半導体とp型有機半導体の混合比率は、n型有機半導体の含有率をp型半導体がP3HT系の場合、およそn:p=1:1とすることが好ましい。またp型半導体がPCDTBT系の場合、およそn:p=4:1とすることが好ましい。
有機半導体を塗布するためには、溶媒に溶解する必要があるが、それに用いる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類が挙げられる。特に、ハロゲン系の芳香族溶剤が好ましい。これらの溶剤は、単独で又は混合して使用することが可能である。
溶液を塗布し製膜する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、スプレー法、スクリーン印刷、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー塗布、ノズルコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法等が挙げられ、これらの塗布法は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
(電子輸送層)
電子輸送層は、任意に、背面電極12と光電変換層13との間に配置される。電子輸送層は、正孔をブロックして電子のみを効率的に輸送する機能、及び光電変換層13と電子輸送層との界面で生じたエキシトンの消滅を防ぐ機能を有する。
電子輸送層の材料としては、金属酸化物、例えばゾルゲル法にてチタンアルコキシドを加水分解して得たアモルファス性の酸化チタンなどが挙げられる。製膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えば、スリットコート法やメニスカスコート法が挙げられる。電子輸送層の材料として酸化チタンを使用する場合、膜厚は5〜20nmの厚さに製膜する事が望ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、正孔ブロック効果が減少してしまうため、発生したエキシトンが電子と正孔に解離する前に失活してしまい、効率的に電流を取り出すことができない。膜厚が厚すぎる場合は、膜抵抗が大きくなり、発生した電流を制限してしまうため光変換効率が低下する。塗布溶液は、予めフィルタで濾過したものを使用することが望ましい。規定の膜厚に塗布した後、ホットプレートなどを用いて加熱乾燥する。50℃〜100℃で数分〜10分間程度、空気中にて加水分解を促進しながら加熱乾燥する。
(背面電極)
背面電極12は、ここでは陰極である。背面電極12は、光電変換層13(又は電子輸送層)の上に積層される。導電性を有する材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で製膜する。電極材料としては、導電性の金属薄膜、金属酸化物膜等が挙げられる。これらの微粒子がバインダー中に分散された導電ペーストでもよい。有機系の導電性ポリマーであるポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等を用いてもよい。前面電極11を仕事関数の高い材料を用いて形成した場合、背面電極12には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、Na、K、Rb、Cs、Ba、及びこれらの合金を挙げることができる。
背面電極12は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。また、前記仕事関数の低い材料のうちの1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫などとの合金でもよい。合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
背面電極12の膜厚は、1nm〜1000nm、好ましくは10nm〜500nmである。膜厚が上記範囲より薄い場合は、抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない。膜厚が厚い場合には、材料を大量に使用するため、製膜装置の占有時間が長くなり、コストアップに繋がってしまう。
<予備実験>
予備実験は、太陽電池素子をV字形に配置する効果について説明するためのものである。
太陽電池素子が、光の入射方向と垂直な面に対して80°、70°、60°、及び45°傾斜するように配置された有機薄膜太陽電池をそれぞれ作製し、比較を行った。比較例としては、傾斜させない太陽電池を同様に作製した。
先ず、光電変換層となる有機半導体の固形分の調整を行った。
p型有機半導体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])1−マティリアル社製 10重量部と、n型有機半導体である70PCBM([6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル)SOLENNE社製 40重量部を混合した。
次に、溶媒であるオルトジクロロベンゼン1mlに対して、前記固形分30mgをサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2)中で50℃、2時間超音波照射することにより溶解させ、光電変換層となる塗布溶液を得た。最後に、光電変換層となる塗布溶液を0.2μmのフィルタで濾過した。
基材は、20mm×20mm、厚さ0.7mmのガラス基材である。このガラス基材に、ITO透明導電層をスパッタ法で140nm堆積し、ITO部をフォトリソグラフィー法により3.2mm×20mmの長方形状にパターニングしたITO付ガラス基材を得た。
この基材を、界面活性剤(和光純薬製NCW1001)を1%含有した純水にて5分間超音波洗浄した後、純水の流水にて15分間洗浄した。さらに、アセトンで5分間超音波洗浄し、IPAで5分間超音波洗浄した後、120℃の恒温槽で60分間乾燥した。
その後、この基材を10分間UV処理し、表面を親水化した。
塗布による製膜は次の工程にて行った。
まず、空気中でITO付ガラス基材上に、正孔輸送層となるPEDOT/PSS水溶液(スタルク社製 ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)、商品名Clevios PH500をスピンコート法により60nmの厚さに製膜し、ホットプレート上で200℃/5分間加熱乾燥した。なお、PEDOT/PSS水溶液は予め0.1μmのフィルタで濾過したものを使用した。
次に、窒素置換グローブボックス中で、光電変換層となる前述の塗布溶液を正孔輸送層上に滴下し、スピンコート法により膜厚90nmの光電変換層となる有機半導体層を形成した。その後、同雰囲気中において、ホットプレート上で70℃/60分間加熱乾燥した。なお、塗布溶液は予め0.2μmのフィルタで濾過したものを使用した。
次に、電子輸送層としてアモルファス状酸化チタン層を得るため、ゾルゲル法による溶液にて製膜を行った。ゾルゲル法による酸化チタン溶液は次の工程で調製した。チタニウムイソプロポキシド5ml、2−メトキシエタノール 25ml、及びエタノールアミン2.5mlを、窒素置換した50mlの3口フラスコ(攪拌機構と還流装置、温度調整機構を備える)中で80℃にて2時間、さらに120℃で1時間還流処理を行った。得られた酸化チタンの前駆体溶液を、IPAで150倍に希釈した。本溶液を予め0.2μmのフィルタで濾過した。

この溶液を光電変換層上に滴下し、スピンコート法により膜厚20nmとなるように電子輸送層を形成した。その後、ホットプレート上で80℃/10分間加熱乾燥した。なお、電子輸送層の塗布、乾燥工程は、加水分解反応により酸化チタンを生成する反応を伴うため、空気中にて操作を行った。空気中には水分が含まれており、これを利用して反応を進めるためである。
次に、陰極を真空蒸着装置にて蒸着法により製膜した。正孔輸送層と光電変換層を塗布し終えたITO付ガラス基材をセットして、陰極パターンマスクを重ね、蒸着機内に設置した。陰極パターンマスクは3.2mm幅の長方形状のスリットを有し、ITO層とスリットが交差するように配置されている。従って、有機薄膜太陽電池素子の面積はこの交差する部分の面積となり、0.1024cm2(3.2mm×3.2mm)である。蒸着条件は、真空度が3×10−6torrになるまで排気し、Alの線材を抵抗加熱し、アルミニウム層を80nmの厚さに蒸着した。
次に、蒸着が終了した基材をホットプレート上で150℃/30分間アニーリングした。
アニーリング後の基材を、中央を切削した封止ガラスをエポキシ樹脂で接着して封止した。
最後に、正負の電極から引き出し電極を取り出し、有機薄膜太陽電池素子とした。
(試験1)
太陽電池素子を光の入射方向と垂直な面に対して80°傾斜させた場合(傾斜セル)と、傾斜させない場合(水平セル)について、電流−電圧特性を比較した。その結果を図27に示す。ただし、測定においては、より現実的なセル構成とするため、角度θだけ傾けた一対の太陽電池素子をV字形に配置したものを使用した。従って、対向する太陽電池素子からの反射光も測定結果に寄与している。
水平セルの場合、効率6.19%を得た。80°の傾斜セルについては、効率が11.61%に上昇し、本発明の効果を確認できた。傾斜セルの変換効率は、水平セルの約1.9倍となった。傾斜セルの電流密度Jscは、水平セルの約2.2倍である30.87mA/cm2に達した。
次に、傾斜角度を変化させて、光電変換効率を比較した。測定においては、上記と同様に、一対の太陽電池素子をV字形に配置したものを使用した。測定は、電気出力測定装置(株式会社マキ製作所)にて行った。測定用光源は、AM1.5を再現するソーラシュミレータにより照射照度100mW/cm2の出力を得て、疑似太陽光をシミュレートする標準光源とした。本装置にて電子負荷によるIV特性を測定し、光電変換効率を求めた。なお、変換効率の計算においては、有機薄膜太陽電池では入射光の強度と変換効率との関係が広範囲の光強度にわたってリニアであるという実験事実を援用した。
角度θと光電変換効率との関係を図28に示す。実線は、実際に実験を行って得た結果であり、破線は、シミュレーションにて得た結果である。シミュレーションは、入射光の吸収と反射を考慮したモデルによって行った。
θが45°の場合の光電変換効率の上昇率は小さいが、60°から急激に上昇し、70°及び80°では高い変換効率を示した。
光電変換層の光透過率の最適値を調べるために、シミュレーションを行った。具体的には、予備実験で作製した太陽電池素子の各層の吸光係数と屈折率、及び光透過率の実験データなどを元にして、光電変換層が吸収する光量を求め、変換効率に換算した。光電変換層の光透過率を78%とした場合、シミュレートした計算結果は、実際の測定結果を比較的良好に再現していることがグラフから分かる。一方、仮に光電変換層が全ての光を吸収するとした場合、即ち光電変換層の光透過率が0%である場合は、太陽電池素子を傾斜させるに従って変換効率が低下することが分かった。
(太陽電池素子内における効率分布のシミュレーション)
太陽電池素子(セル)をV字形に配置してなるV字形構造においては、上方から入射する光がセル表面で反射されてV字の谷底部分に集光される。従って、V字の谷底に近づくに従って光強度が強まり、結果的に見かけの変換効率が高まることが直感的に予想される。これを明らかにするため、V字における光路を計算し、セル内における効率分布をシミュレートした。シミュレートの対象として、予備実験で作製した太陽電池素子を80°傾斜させたものを対向させてV字形に配置したものを使用した。
図29は、V字セル内の光路を示す図である。図29の右側のセルに着目し、セルの最上部のA点に垂直上方から入射した光の光路を予測する。セルの傾斜角θが80°の場合、A点でセルに対して10°の角度で入射した光は、ここで反射されて1次反射光となり、左側のセルのB点に対向する位置でセルに対して30°の角度で入射し、ここで反射されて右側セルのC点へ向かって2次反射光として入射する。同様にして、左側のセルの最上部に入射した光はここで反射され、1次反射光として右側セルのB点にセルに対して30°の角度で入射する。この様に解析すると、右側セルのAからBに至る領域には入射光のみが照射され、領域B−Cには入射光と1次反射光が照射される。ここでは、反射及び入射を繰り返すたびにセルに対する入射光の角度が変わるとともに、光束が絞り込まれ、谷底に近づくほどに集光が行われることも考慮して計算した。
V字セルにおける光電変換効率分布の計算結果を図30に示した。図30におけるA〜Fの記号は、図29における記号に対応する。領域A−Bにおける変換効率は、測定値として得られた8.7%を用いた。領域B−C以降は計算結果を示している。領域B−Cでは1次反射光の効果が大きく、効率は約2倍に上昇した。4次反射まで考慮した領域E−Fでは、変換効率が19.0%に達している。この結果により、V字セルでは予想通りセルの各領域において効率の分布が存在し、効率測定においては測定点に注意する必要があることがわかった。
<実施例1>
図6乃至図10を参照しながら説明したのと同様の方法により、太陽電池素子がマルチスロープ構造を形成した有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。
具体的には、まず、厚さが150μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)基材上に、スパッタリングにより厚さが150nmのITO層を形成した。基材の幅は28mm、長さは420mmである。次いで、ITO層上に、東レ社製のDL−1000を用い、フォトリソグラフィ法により、幅6mmのポリイミド膜を形成した。
次いで、リボン状の基材を連続的に塗布部へ供給しながら、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層を順次形成し、更に陰極を蒸着法にて製膜した。正孔輸送層を塗布する直前に、UV洗浄機にて表面をUV洗浄して、表面の異物を除去するとともに親水性向上させた。各層の塗布は、メニスカス塗布法により行った。図31乃至図34にメニスカス塗布法の例を示す。
図31乃至図34において、参照符号51、52、53及び54は、それぞれ、ステージ、軸、ギャップリング及びアプリケータを現している。また、参照符号60は塗工液(インク)を表し、参照符号61は塗工液60から得られた層を表している。
基材10の幅より狭いアプリケータ54を用いることで、基材10の一部に、塗工液を帯状に塗布した。塗工液の塗布に先立って、基材10の先端部と後端部とにはマスキングテープを貼っておいた。これらマスキングテープは、層61を形成した後に剥がした。正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層は、幅20mm、長さ418mmの領域に形成した。
正孔輸送層となるPEDOT/PSS水溶液(スタルク社製 ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)、商品名Clevios PH500を60nmの厚さに製膜した。乾燥は110℃の温風を発生するブロアーで行った。
光電変換層となる有機半導体の固形分の調整は以下の通り行った。p型有機半導体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])1−マティリアル社製 10重量部と、n型有機半導体である70PCBM([6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル)SOLENNE社製 40重量部を混合した。
次に、溶媒であるオルトジクロロベンゼン1mLに対して、前記固形分30mgをサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2)中で50℃、2時間超音波照射することにより溶解させ、光電変換層となる塗布溶液を得た。これを膜厚90nmになるように正孔輸送層の上に印刷した。乾燥は70℃の温風を発生するブロアーで行った。
電子輸送層としてアモルファス状酸化チタン層を得るため、ゾルゲル法により作製した溶液にて製膜を行った。ゾルゲル法による酸化チタン溶液は次の工程で調製した。チタニウムイソプロポキシド5ml、2−メトキシエタノール 25ml、及びエタノールアミン2.5mlを、窒素置換した50mlの3口フラスコ(攪拌機構と還流装置、温度調整機構を備える)中で80℃にて2時間、さらに120℃で1時間還流処理を行った。得られた酸化チタンの前駆体溶液を、IPAで150倍に希釈した。この溶液を光電変換層上に膜厚20nmとなるように電子輸送層を形成した。乾燥は80℃の温風を発生するブロアーで行った。
陰極は真空蒸着装置にて蒸着法により製膜した。Alの線材を抵抗加熱し、アルミニウム層をマスクを介して電極形状に80nmの厚さに蒸着した。幅は21mm、長さは416mmで、陽極のITOが露出している部分には蒸着させず、ショートを防止した。その結果、発電に寄与する素子部の面積は70.72cm2(416mm×17mm)であり、小片セルによる予備実験の素子面積0.1024cm2の約690倍の大面積となる。
幅20mm、長さ420mmのPEN基材全面にシールとしてエポキシ接着剤を塗布し、陽極パッドと陰極パッドが露出するようにしながら封止した。
このようにして作製した結果、陽極パッドと陰極パッドの幅はどちらも3mmで、両者の間隔は2mmであり、ショートさせずにコンタクトを取るのに十分な寸法である。
図24乃至図25に示すように、折り工程、切込工程及び第1部分(セル)内に角度を設ける工程を行った。折りは70mmピッチで行った。切込は封止基材エッジ部までの8mmの長さまで行い、セル内に角度を設ける位置も封止基材エッジ部とした。折り工程にあたっては、セルの傾斜角度が70°になるように行った。セル内に角度を設ける工程にあたっては、予め23°の角度を設けた。折り工程とセル内に角度を設ける工程にあたっては、予めカッターで浅く溝を裏表にいれることでより確実に行った。
これらの工程を施したリボン状セルを図23に示すような支持構造に取り付けた。コンタクト電極には銅の板バネを用いた。
以上のようにして、V字が3列並ぶマルチスロープ構造のモジュールを完成させた。
上記と同様の方法で試験した結果、発電効率8.78%を得た。小片セルによる予備実験の結果(図28)と比較すると、実施例1は光電変換層の面積が約690倍大きいこと、光電変換層を空気中で塗布・乾燥したこと、基材に樹脂を用いたこと、これに伴って、塗布後の乾燥条件を甘くしたことなどの違いがあり、これらを考慮すると、発電効率8.78%は小片セルと遜色ない値である。
図4及び図5に示した比較例のように、素子面積を約690倍に大面積化するために、補助配線を付与する方法では、補助配線により開口率が低下し、極端に発電効率が落ちることは自明である。
一方、実施例1では補助配線を付与しなくとも電位降下の影響を低減でき、かつマルチスロープ構造をとることにより、発電効率の高い大面積の太陽電池モジュールが得られた。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…太陽電池素子、1a…第1部分、1b…第2部分、2…支持構造、10…光透過性基材、11…前面電極、12…背面電極、13…光電変換層、14…絶縁層、15…陽極パッド、16…陰極パッド、17…シール層、18…封止基材、21a…第1部材、21b…第2部材、22…第1コンタクト電極、23…第2コンタクト電極。

Claims (8)

  1. 主面が対向するように一方向に並んだ複数の第1部分と前記第1部分の間に介在する第2部分とが連なった帯状の太陽電池素子であって、前記複数の第1部分の前記太陽電池素子の一対の長辺に対応した縁同士は互いに平行であり、隣り合う2つの前記第1部分は前記一方向に対して正の向きと負の向きとにそれぞれ傾斜しており、前記第2部分はこれらを接続するように1または複数の平面または曲面で構成される太陽電池素子と、
    前記太陽電池素子を支持した支持構造と
    を具備した太陽電池モジュール。
  2. 前記支持構造は、前記太陽電池素子の下に設けられ前記太陽電池素子の一長辺を支持する第1部材を有する請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記支持構造は、前記太陽電池素子の前記一長辺の上に設けられ前記太陽電池素子を前記第1部材に固定する第2部材をさらに有する請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第2部材のうち、前記太陽電池素子の前記第1部分に挟まれた上面は光反射性を有している請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記第1部材には複数の溝が設けられており、前記第2部材の一部は前記溝に挿入されている請求項3又は4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記第1部材には複数の溝が設けられており、前記複数の第1部分の前記一長辺に対応する縁は、前記複数の溝に挿入されている請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記太陽電池素子は、光透過性基材と、前記第1部分に設けられた背面電極と、前記背面電極および前記光透過性基材の間に設けられた前面電極と、前記背面電極と前記前面電極との間に介在する光電変換層とを含み、
    前記支持構造は、前記複数の第1部分で前記背面電極と接触した複数の第1コンタクト電極と、前記複数の第1部分で前記前面電極と接触した複数の第2コンタクト電極とを更に含んだ請求項1乃至6の何れか1項に記載の太陽電池モジュール。
  8. 隣り合う2つの前記第1部分と前記支持構造の間が空洞になっている請求項1乃至7の何れか1項に記載の太陽電池モジュール。
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