JP2012195465A - 貫通電極基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通孔への金属のめっき充填性が向上し、他チップとの電気的な接続を容易にすることができる貫通電極基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】貫通電極基板は、貫通孔5を持つ基板1と導電層4を持つ基板2が結合された基板3を用意し、導電層4から通電して貫通孔内に第1のめっき層6を形成し、第1のめっき層6上に2層以上の異なる材料から構成されるめっき層7、8を積層して製造される。貫通孔5から露出するめっき層には、他のチップ基板の電極と接合容易な金属を選択することができる。
【選択図】図1
【解決手段】貫通電極基板は、貫通孔5を持つ基板1と導電層4を持つ基板2が結合された基板3を用意し、導電層4から通電して貫通孔内に第1のめっき層6を形成し、第1のめっき層6上に2層以上の異なる材料から構成されるめっき層7、8を積層して製造される。貫通孔5から露出するめっき層には、他のチップ基板の電極と接合容易な金属を選択することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、貫通孔に金属が充填された貫通電極基板及びその製造方法に関する。
LSIに代表される様に、各種のシステムは高速化、高機能化してきている。これらのシステムを実現していくために、チップ実装には3次元的な実装技術が必要とされ、チップ間を最短距離で電気的に接続できる基板貫通電極が用いられている。基板貫通電極の形成は、基板に貫通孔を形成した後、この貫通孔内に金属を埋め込んで行われ、この金属を通じて当該基板の上下に積層される基板相互間を電気的に接続する。この貫通孔内への金属の埋め込み方法としては、電気めっきにて形成されるめっき層で充填を行うことが一般的である。ここで、電気めっきにて貫通孔内に金属を充填した後に、貫通孔からはみ出しためっき層を研磨にて平坦化する方法がとられている。しかし、このめっきによる貫通孔内への金属の充填では、電気的な接続不良を誘発してしまうボイド(めっき層中に生ずる気泡等)の発生が致命的となる場合がある。また、チップ間の電気的な接続は金バンプや半田バンプを用いて行なわれている。そのため、貫通電極表面に半田濡れ性の良い膜をパターニングしたり、金バンプと接続させる金をパターニングしたりして、金バンプを形成する方法がとられている。
特許文献1では、導電性芯材を貫通孔下に設け、芯材を給電手段とすることにより、めっきにて金属を貫通孔内へ充填する際のボイド発生を抑制する方法が開示されている。この方法は、芯材の径よりも貫通孔径が大きくアスペクトが小さな貫通孔内への金属の充填については有効である。
しかしながら、特許文献1の技術は、芯材の径よりも貫通孔径が充分大きいときには有効であるが、デバイスの高密度化によって貫通孔のアスペクトが大きく且つ貫通孔の開口径が小さくなるにつれ、貫通孔と芯材との隙間が小さくなると、課題が生じる。つまり、結果的に貫通孔の隙間のアスペクトが大きくなるので、めっき液の循環が充分にされなくないことが懸念される。めっき液の循環が充分でないと、貫通孔内の深さ方向にめっき液の金属イオンの濃度勾配が発生し、開口端面に近い部分のめっき成長が優位になってボイドが発生してしまう可能性が生じる。金属イオン濃度の高いめっき液を用いればこの傾向は緩和されるものの、めっき液の安定性を考慮すると、使用できる金属めっき液は限られ、充填できる金属の種類も限定されてしまう。つまり、めっき液の安定性が低下すると局所的にめっきの異常析出が発生してしまう。そして、貫通孔内に異常析出が発生すると、局所的に貫通孔から早くめっきが突出し、隣接する貫通孔を塞いでボイドを生じさせるので、使用できる金属めっき液は限られてしまう。
銅めっきは、近年、添加剤の開発により高アスペクト(径に対して深さが深い)なスルーホールめっきが可能になってきている。しかし、銅はマイグレーションし易く、容易に酸化され易い。また、銅は、金や半田ほどに他の金属との電気的な接続が必ずしも容易ではないため、チップ間接続の際には接続用のバンプ表面加工等の工程が追加される。工程が追加されることはコスト高につながる要因の一つである。安定でチップ間接続を容易とする金属としては金が挙げられるが、金めっき液は、銅めっき液ほど金属イオン濃度の高いめっき液ではなく、めっき液の安定性との関係等から調製は必ずしも容易ではない。この様に、貫通孔のめっき充填性とめっき後のめっき金属の安定性及びチップ間接合の容易性を満たすことが可能な貫通電極基板やその製造方法が求められている。
上記課題に鑑み、本発明の貫通電極基板の製造方法は、貫通孔を有する基板へ金属を充填することによって形成される貫通電極基板の製造方法であって、次の工程を含む。前記貫通孔を有する基板と導電層を有する基板とが結合された基板を用意する工程。前記導電層から通電して前記貫通孔内の一部に第1のめっき層を形成する工程。前記貫通孔の一部または全部において前記第1のめっき層上に2層以上の異なる材料から構成されるめっき層を積層する工程。
また、上記課題に鑑み、本発明の貫通電極基板は、貫通孔を有する基板の貫通孔内に3層以上の金属が積層され、且つ前記積層された金属の一部が、接して積層された他の金属と拡散し難い金属からなることを特徴とする。本発明の他の貫通電極基板は、貫通孔を有する基板の貫通孔内に3層以上のめっき層が順次積層され、前記貫通孔の少なくとも一方の端から露出するめっき層の金属が金または錫であることを特徴とする。
本発明によれば、複数回に分けてめっきを行って貫通孔内にめっき層を形成するので、たとえ比較的高アスペクトな貫通孔であっても、貫通孔への金属のめっき充填性を向上させることができる。また、異なる金属にて貫通孔内に金属を充填することができる。これにより、高アスペクトな貫通孔へのめっきによる充填が困難であった金属で貫通孔の一部を充填することができ、貫通孔開口部に露出する金属を酸化し難い金属にする形態にも容易にすることができる。また、金などにて充填することもでき、これにより、新たにバンプ作製を行う工程が不要になり、そのまま他のチップ基板と電気的な接続が容易にとれる。さらに、バンプ作製の工程を省くことができるため、低コスト化が容易にできるという効果を奏する。
本発明の特徴は、貫通孔を有する基板の貫通孔の一部または全部において3層以上(即ち第1のめっき層上に2層以上の層を有する)の金属を積層することである。この考え方に基づいて、本発明の貫通電極基板の製造方法では、貫通孔を持つ基板と導電層を持つ基板が結合された基板を用意し、導電層から通電して貫通孔内に第1のめっき層を形成し、第1のめっき層上に2層以上の異なる材料のめっき層を積層する。また、本発明の貫通電極基板は、基板の貫通孔内に3層以上の金属が積層され、積層金属の一部が、これに接して積層された他の金属と拡散し難い金属からなる。或いは、基板の貫通孔内に3層以上のめっき層が順次積層され、貫通孔の少なくとも一方の開口部から露出するめっき層の金属が金または錫である。こうした貫通電極基板は、貫通孔の開口部から露出するめっき層を接合層とし、他のチップ基板の電極と容易に接続することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態において、まず、図1(a)に示す様に、貫通孔5が設けられた基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3を用意する。貫通孔が設けられた基板1は、シリコン、ガラス、石英等の無機材料や、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボーネート等の有機樹脂材料を使用できる。これら基板材料は、後で使用するめっき液に対して耐性のあるものから選択する。導電層を有する基板2としては、絶縁性基板上に金属膜を成膜したものを用いることができる。絶縁性基板の材料としては、シリコン、ガラス、石英等の無機材料や、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボーネート等の有機樹脂材料を使用できる。これら基板材料も、使用するめっき液に対して耐性のあるものから選択する。表面に導電層を有する基板2として、金属材料も用いられる。金属材料を用いる場合は、前記金属膜を成膜する工程を省くことができる。金属材料としては、ステンレス、ハステロイ(登録商標)、ニッケル、チタン、白金等を使用できる。ここでもまた、使用するめっき液に対して耐性のあるものから選択する。
本実施形態において、まず、図1(a)に示す様に、貫通孔5が設けられた基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3を用意する。貫通孔が設けられた基板1は、シリコン、ガラス、石英等の無機材料や、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボーネート等の有機樹脂材料を使用できる。これら基板材料は、後で使用するめっき液に対して耐性のあるものから選択する。導電層を有する基板2としては、絶縁性基板上に金属膜を成膜したものを用いることができる。絶縁性基板の材料としては、シリコン、ガラス、石英等の無機材料や、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボーネート等の有機樹脂材料を使用できる。これら基板材料も、使用するめっき液に対して耐性のあるものから選択する。表面に導電層を有する基板2として、金属材料も用いられる。金属材料を用いる場合は、前記金属膜を成膜する工程を省くことができる。金属材料としては、ステンレス、ハステロイ(登録商標)、ニッケル、チタン、白金等を使用できる。ここでもまた、使用するめっき液に対して耐性のあるものから選択する。
貫通孔が設けられた基板1と導電層4を有する基板2との結合は、フォトレジストを結合層として使用し、貫通孔5下のフォトレジストをウェットもしくはドライエッチングにて除去し、導電層4を露出させてもよい。また、導電性を有する基板上2に非イオン性界面活性剤をコートし、その上に貫通孔が設けられた基板1を配置し、非イオン性界面活性剤の融点以上に加熱、冷却して両基板を結合してもよい。この場合は、貫通孔5下の導電層を露出は、水溶性溶媒を使って行うことができる。ただし、基板の結合方法はこれらの方法に限定されない。
次に、導電層4から通電し貫通孔5内の一部に第1のめっき層6を形成する(図1(b))。貫通孔が設けられた基板1としてシリコンを用いる場合、貫通孔5のめっき液が触れる部分に予め絶縁層を形成しておくことが好ましい。絶縁層を形成しておくことによって、第1のめっき層6は、導電層4のみからめっきが成長し、ボイドの発生が抑制される。第1のめっき層6は、高アスペクトな貫通孔の底部から容易にめっき核が発生し易い金属から選択する。こうした金属として、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、鉄及びこれらの合金が使用できる。高アスペクトな貫通孔へのめっきでは、高濃度で且つ添加剤の開発されためっきが良く、この点においては銅やニッケルが好ましい。銅やニッケルのめっき液は、金属イオンが高濃度なめっき液を調製でき、各貫通孔5下の導電層4上から均一なめっき核発生と成長がされ易い。
次に、第1のめっき層6上に、少なくとも2層以上のめっき層を積層する(図1(c))。予め第1のめっき層6が貫通孔5の一部に充填されているので、アスペクトを小さくした状態で第1のめっき層6上にめっき層を形成できる。第1のめっき層6上のめっき層を第2のめっき層7とすると、第1のめっき層6の厚さが大きいほど第2のめっき層7を充填する孔のアスペクトは小さくなるため、孔内へのめっき液の循環が効率良く行なわれ、第2のめっき層7は均一に成長し易くなる。第2のめっき層7としては、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、鉄及びこれらの合金や白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムを使用することができる。
本実施形態では、次に、第2のめっき層7上に第3のめっき層8を積層する(図1(d))。第3のめっき層8としては、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、鉄、錫及びこれらの合金や白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムを使用することができる。第3のめっき層8が貫通孔の開口部から露出する貫通電極基板9を製造する場合、第3のめっき層8として白金、金、銀、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムを用いれば、腐食され難い電極面が露出される。また、第3のめっき層8として金を用いれば他チップに設けられた金バンプとの電気的な接合をすることができる。さらに、第3のめっき層8として金や錫を用いればバンプとして機能させることができ、他チップとの電気的な接合が容易になる。
また、本実施形態では、充填された第1のめっき層6の一部をエッチングし、エッチングされた金属とは異なるめっき層を形成することもできる。こうすることによって、貫通孔開口部から露出する金属を腐食され難いものに置き換えられる。また、置き換える金属として金を用いれば、他チップに設けられた金バンプとの電気的な接合をすることができる。エッチングの方法としてはドライエッチングやウエットエッチングを用いることができるが、何れの方法も貫通孔を有する基板に損傷を与えない方法を選択する。また、エッチング面とは反対側の貫通孔開口部から露出する金属もエッチングされないように、その面はフォトレジスト等で保護することが好ましい。エッチング面とは反対側の貫通孔開口部から露出する金属として、第1のめっき層6とエッチング選択性のあるものを用いるのであれば、必ずしも保護する必要はない。
さらに、本実施形態では、第1のめっき層6上に形成されるめっき層の少なくとも一部のめっき層が、これと隣接するめっき層と拡散し難い金属であるようにできる。本実施形態で使用することができる拡散し難い金属としては、ニッケル、白金、パラジウムが挙げられる。互いに拡散し易い金属の間にこれらの拡散し難い金属を介在させることによって拡散を抑制できる。金のめっき層の下にこれらの拡散し難い金属を配置することにより、金のめっき層をバンプとして用いる場合に硬度が安定し、バンプ接合がし易くなる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
(実施例)
(第1の実施例)
第1のめっき層が銅で、その上に第2のめっき層としてニッケルを積層し、第3のめっき層として金を積層し、それをバンプとして用いてチップと接合する形態に係る第1の実施例を図2を用いて説明する。本実施例では、貫通孔5を有する基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3を次のように用意する。100mmΦで厚さ0.1mmのステンレスフィルムの導電層4を有する基板2を用いる。非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(融点34℃)を用い、重量比3対1のシクロペンタノンとアセトンの混合溶媒に溶解させ10重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル溶液を調製する。この溶液をステンレスフィルム上にスピンコートし、室温に15分間放置することで、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの固体がステンレスフィルム上に析出し非イオン性界面活性剤の層が形成される。貫通孔5を有する基板1は、長辺60μmで短辺が15μmの長方形が25μmの間隔で並んだ組パターンの貫通孔がピッチ160μmで32×32個並んでいる厚さ200μmの4インチウエハを用いる。このシリコンウエハの表面には熱酸化膜が1μmの厚さで形成されていて、表面は絶縁性である。また、貫通孔5の開口面には2μmの熱酸化膜10が形成されている。
(実施例)
(第1の実施例)
第1のめっき層が銅で、その上に第2のめっき層としてニッケルを積層し、第3のめっき層として金を積層し、それをバンプとして用いてチップと接合する形態に係る第1の実施例を図2を用いて説明する。本実施例では、貫通孔5を有する基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3を次のように用意する。100mmΦで厚さ0.1mmのステンレスフィルムの導電層4を有する基板2を用いる。非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(融点34℃)を用い、重量比3対1のシクロペンタノンとアセトンの混合溶媒に溶解させ10重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル溶液を調製する。この溶液をステンレスフィルム上にスピンコートし、室温に15分間放置することで、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの固体がステンレスフィルム上に析出し非イオン性界面活性剤の層が形成される。貫通孔5を有する基板1は、長辺60μmで短辺が15μmの長方形が25μmの間隔で並んだ組パターンの貫通孔がピッチ160μmで32×32個並んでいる厚さ200μmの4インチウエハを用いる。このシリコンウエハの表面には熱酸化膜が1μmの厚さで形成されていて、表面は絶縁性である。また、貫通孔5の開口面には2μmの熱酸化膜10が形成されている。
導電層を有する基板2上の非イオン性界面活性剤層上に貫通孔を有する基板1を重ねて置き、70℃に加熱されたホットプレート上に置くと、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが溶融し導電層を有する基板2と貫通孔を有する基板1が互いに貼りつく。その後、室温に冷却することでポリオキシエチレンラウリルエーテルが固体になり、導電層を有する基板2と貫通孔を有する基板1が強固に貼りつく。
この基板をイオン交換水の入ったビーカーに3分間浸す。これにより、貫通孔5を観察すると、貫通孔5内からポリオキシエチレンラウリルエーテルが溶出していき貫通孔5下の導電層4が露出されることが分かる。これを、貫通孔5を有する基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3として用いる(図2(a))。
本実施例では、第1のめっき層6として銅を用いる。上記基板3を硫酸銅めっき液に浸し、室温にてステンレスフィルム4から48mAで9時間通電し、貫通孔5内に銅のめっき層6を厚さ180μmまで成長させる(図2(b))。硫酸銅めっきの陽極には、リン含有銅板を用いる。硫酸銅めっき液は次の組成にて調製されたものを用いる。
硫酸銅・5水和物 200(g/L)
98%濃硫酸 14(mL/L)
35%塩酸 0.09(mL/L)
Cu−Brite VFII−A(荏原ユージライト社製) 20(mL/L)
Cu−Brite VFII−B(荏原ユージライト社製) 1(mL/L)
硫酸銅・5水和物 200(g/L)
98%濃硫酸 14(mL/L)
35%塩酸 0.09(mL/L)
Cu−Brite VFII−A(荏原ユージライト社製) 20(mL/L)
Cu−Brite VFII−B(荏原ユージライト社製) 1(mL/L)
本実施例では、第2のめっき層7としてニッケルを用いる。第1のめっき層6のめっき終了後、基板を水洗する。そして、スルファミン酸ニッケルめっき液に浸し、めっき液温度45℃でステンレスフィルムから40mAで1時間通電し、第1のめっき層6に厚さ10μmのニッケル層を形成する(図2(c))。スルファミン酸ニッケルめっきの陽極にはSKニッケル板を用いる。スルファミン酸ニッケルめっき液は次の組成にて調製されたものを用いる。
スルファミン酸ニッケル・6水和物 450(g/L)
塩化ニッケル・6水和物 14(g/L)
ホウ酸 30(g/L)
サッカリンナトリウム 1.5(g/L)
ブチンジオール 0.15(g/L)
スルファミン酸ニッケル・6水和物 450(g/L)
塩化ニッケル・6水和物 14(g/L)
ホウ酸 30(g/L)
サッカリンナトリウム 1.5(g/L)
ブチンジオール 0.15(g/L)
本実施例では、第3のめっき層9として金を用いる。第2のめっき層6のめっき終了後、基板を水洗する。そして、ノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101、日本エレクトロプレイティング・エンジニアヤース社製)にてめっき液温度50℃で4.8mAで2時間通電し、貫通孔5から突出するまで金めっきを行う(図2(d))。基板を水洗後、窒素ブローで乾燥させる。次に、この基板のめっき突出面を下に向け80℃に加熱されたホットプレートに置き、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを溶融させる。そして、ステンレスフィルムをピンセットで摘み、ステンレスフィルムのみを基板面に対し平行な方向にずらしていき剥離する(図2(e))。第3のめっき層8が突出した部分を化学的機械研磨(CMP)にて研磨する。これによって、銅と金とがニッケルを介して積層した貫通電極基板9が得られる(図2(f))。
次に、貫通孔5の開口面に2μmの厚さで形成された熱酸化膜10をバッファードフッ酸にてエッチング除去すると金のめっき層が突出する(図2(g))。各貫通電極の上下にテスタープローブを当てると導通が確認される。この突出した金のめっき層8をバンプとして用い、金の配線が形成されたチップ10を押し当て接合する。これによって、貫通電極基板9とチップ10とが電気的に接続される(図2(h))。本実施例では、拡散し難い金属であるニッケルを銅と金の間に介在させているので、金のめっき層をバンプとして用いる場合に硬度が安定し、バンプ接合がし易くなる。
(第2の実施例)
第1のめっき層が銅で、その上に第2のめっき層としてニッケルを積層し、第3のめっき層としてスズをめっきする技術に係る第2の実施例を説明する。本実施例では、第1の実施例と同様な方法で、貫通孔を有する基板と導電層を有する基板とが結合された基板3を用意する。
第1のめっき層が銅で、その上に第2のめっき層としてニッケルを積層し、第3のめっき層としてスズをめっきする技術に係る第2の実施例を説明する。本実施例では、第1の実施例と同様な方法で、貫通孔を有する基板と導電層を有する基板とが結合された基板3を用意する。
本実施例でも、第1のめっき層6として銅を用いる。上記基板3を硫酸銅めっき液に浸し、室温にてステンレスフィルムから48mAで5時間通電し、貫通孔5内に銅のめっき層6を厚さ180μmまで成長させる。硫酸銅めっきの陽極にはリン含有銅板を用いる。硫酸銅めっき液は第1の実施例と同様なものを用いる。
本実施例でも、第2のめっき層7としてニッケルを用いる。第1のめっき層6のめっき終了後、基板を水洗する。そして、スルファミン酸ニッケルめっき液に浸し、めっき液温度45℃でステンレスフィルムから40mAで1時間通電し、第1のめっき層6上に厚さ10μmのニッケル層7を形成する。本実施例では、第3のめっき層8としては錫を用いる。貫通孔5から突出するまで錫めっきを行う。基板を水洗後、窒素ブローで乾燥させる。この基板のめっき突出面を下に向け80℃に加熱されたホットプレートに置き、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを溶融させる。ステンレスフィルムをピンセットで摘み、ステンレスフィルムのみを基板面に対し平行な方向にずらしていき剥離する。この貫通電極基板9を加熱し錫をリフローすると半田バンプとして機能し、安価な接続材料にて他チップとの電気的な接合ができる。
(比較例)
上記第1及び第2の実施例との比較例を説明する。本比較例では、第1の実施例と同様な方法で貫通孔が設けられた基板と導電層を有する基板とが結合された基板を用意する。ノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101)にてめっき液温度50℃で7.2mAで24時間通電し、貫通孔から突出するまで金めっきを行う。この金めっきでは、各貫通孔からまばらに金めっき層が突出し、めっき成長が遅く未突出の貫通孔上を、隣接する貫通孔から突出した金めっき層が覆うように成長する。めっき層が突出した部分を化学的機械研磨(CMP)にて研磨し、各貫通電極の導通を確認すると通電しない貫通電極がある。このことから、最初から金めっきを続けて行うと、成長ばらつきでボイドが発生することが分かる。この結果は、貫通孔に金めっき層を充填する技術として、第1や第2の実施例とは対照的である。
上記第1及び第2の実施例との比較例を説明する。本比較例では、第1の実施例と同様な方法で貫通孔が設けられた基板と導電層を有する基板とが結合された基板を用意する。ノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101)にてめっき液温度50℃で7.2mAで24時間通電し、貫通孔から突出するまで金めっきを行う。この金めっきでは、各貫通孔からまばらに金めっき層が突出し、めっき成長が遅く未突出の貫通孔上を、隣接する貫通孔から突出した金めっき層が覆うように成長する。めっき層が突出した部分を化学的機械研磨(CMP)にて研磨し、各貫通電極の導通を確認すると通電しない貫通電極がある。このことから、最初から金めっきを続けて行うと、成長ばらつきでボイドが発生することが分かる。この結果は、貫通孔に金めっき層を充填する技術として、第1や第2の実施例とは対照的である。
(第3の実施例)
第1のめっき層が銅、第2のめっき層がニッケル、第3のめっき層が銅、第4のめっき層がニッケル、第5のめっき層が金、第4と第5のめっき層はエッチング後にニッケル、金の順で積層し、両端が金で両面金バンプになる第3の実施例を図3を用いて説明する。貫通孔を有する基板1の両面に2μmの熱酸化膜10が形成されていること以外は、第1の実施例と同様な貫通孔5を有する基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3を用意する。
第1のめっき層が銅、第2のめっき層がニッケル、第3のめっき層が銅、第4のめっき層がニッケル、第5のめっき層が金、第4と第5のめっき層はエッチング後にニッケル、金の順で積層し、両端が金で両面金バンプになる第3の実施例を図3を用いて説明する。貫通孔を有する基板1の両面に2μmの熱酸化膜10が形成されていること以外は、第1の実施例と同様な貫通孔5を有する基板1と導電層4を有する基板2とが結合された基板3を用意する。
本実施例では、第1のめっき層6として銅を用いる。上記基板3を硫酸銅めっき液に浸し、室温にてステンレスフィルムから48mAで9時間通電し、貫通孔5内に銅のめっき層6を厚さ180μmまで成長させる(図3(b))。硫酸銅めっきの陽極にはリン含有銅板を用いる。硫酸銅めっき液は第1の実施例と同様なものを用いる。第2のめっき層7としてはニッケルを用いる。第1のめっき層6のめっき終了後、基板を水洗し、スルファミン酸ニッケルめっき液に浸し、めっき液温度45℃でステンレスフィルムから40mAで1時間通電し、第1のめっき層6上に厚さ10μmのニッケル層7を形成する(図3(c))。スルファミン酸ニッケルめっきの陽極にはSKニッケル板を用いる。スルファミン酸ニッケルめっき液は第1の実施例と同様なものを用いる。
第3のめっき層8としては金を用いる。第2のめっき層7のめっき終了後、基板を水洗し、ノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101)にてめっき液温度50℃で4.8mAで2時間通電し、貫通孔5から突出するまで金めっきを行う(図3(d))。基板を水洗後、窒素ブローで乾燥させる。この基板のめっき突出面を下に向け80℃に加熱されたホットプレートに置き、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを溶融させる。ステンレスフィルムをピンセットで摘み、ステンレスフィルムのみを基板面に対し平行な方向にずらしていき剥離する(図3(e))。
続いて、過硫酸アンモニウムと硝酸の混合水溶液に基板を浸けると第1のめっき層6の銅がエッチングされ始める。このとき反対側の面は金のめっき層8が露出しているのでエッチングされない。銅のエッチングが貫通孔5の開口部から30μmエッチングされた時点で基板を水洗する(図3(f))。次に、貫通孔から突出した金のめっき層8に導電シートを押し当てる。そして、スルファミン酸ニッケルめっき液に浸し、めっき液温度45℃で導電シートから40mAで1時間通電し、第1のめっき層6に厚さ10μmのニッケル層を形成し第4のめっき層12とする(図3(g))。第4のめっき層12形成後、基板を水洗し、ノンシアン金めっき液(ミクロファブAu1101)にてめっき液温度50℃で4.8mAで2時間通電し、貫通孔5から突出するまで金めっきを行い第5のめっき層13を形成する(図3(h))。基板を水洗後、窒素ブローで乾燥させる。両面のめっき層が突出した部分を化学的機械研磨(CMP)にて研磨する。これによって、金とニッケルと銅が積層し充填された貫通電極基板9が得られる(図3(i))。次に、貫通孔の開口面に2μmの厚さで形成された熱酸化膜10をバッファードフッ酸にてエッチング除去すると金のめっき層8、13が突出する(図3(j))。この突出した金のめっき層をバンプとして用い、金の配線が形成されたチップ11を押し当て接合する。これによって、貫通電極基板9とチップ11とが電気的に接続される(図3(k))。
1・・貫通孔が設けられた基板、2・・導電層を有する基板、3・・結合された基板、4、導電層、5・・貫通孔、6・・第1のめっき層、7・・第2のめっき層、8・・第3のめっき層、9・・貫通電極基板、12・・第4のめっき層、13・・第5のめっき層
Claims (6)
- 貫通孔を有する基板へ金属を充填することによって形成される貫通電極基板の製造方法であって、
前記貫通孔を有する基板と導電層を有する基板とが結合された基板を用意する工程と、
前記導電層から通電して前記貫通孔内の一部に第1のめっき層を形成する工程と、
前記貫通孔の一部または全部において前記第1のめっき層上に2層以上の異なる材料から構成されるめっき層を積層する工程と、
を含むことを特徴とする貫通電極基板の製造方法。 - 更に、前記貫通孔内に形成された第1のめっき層の一部をエッチングし、エッチングされた金属とは異なる金属のめっき層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記第1のめっき層上に形成されるめっき層の少なくとも一部のめっき層が、接して積層される他のめっき層の金属と拡散し難い金属のめっき層であることを特徴とする請求項1または2に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 貫通孔を有する基板の貫通孔内に3層以上の金属が積層され、且つ前記積層された金属の一部が、接して積層された他の金属と拡散し難い金属からなることを特徴とする貫通電極基板。
- 貫通孔を有する基板の貫通孔内に3層以上のめっき層が順次積層され、前記貫通孔の少なくとも一方の開口部から露出するめっき層の金属が金または錫であることを特徴とする貫通電極基板。
- 請求項5に記載の貫通電極基板の接合方法であって、
前記貫通孔の開口部から露出するめっき層を接合層とし、他のチップ基板の電極と接続することを特徴とする貫通電極基板の接合方法。
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