JP2012194544A - 電子写真感光体、画像形成装置、及び電子写真カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリーニングブレードの感光体への当接圧が大きくなると、ブレードが感光体最表面と固着・滑りを繰り返す、いわゆるスティック・スリップ現象によるビビリを生じ、その結果異音を発生するリスクが高くなったり、スリップ中にトナーがすり抜けてクリーニング不良を引き起こし、筋状の画像欠陥となる可能性も出てくる。また、ブレードの圧力により感光体表面にトナーの成分が固着し、除去が困難になる、いわゆるフィルミング現象が発生し、持続的な画像欠陥となるリスクも高くなっている。更には、トナーが感光体に強く押し当てられた状態で回転することによる周方向の傷の発生による画像欠陥も発生し易くなる。
【解決手段】 電子写真感光体の最表面層中に、特定の電荷輸送材料と、特定構造の共重合成分を有するバインダー樹脂とを含有することにより、上記課題を解決した。
【選択図】 なし
【解決手段】 電子写真感光体の最表面層中に、特定の電荷輸送材料と、特定構造の共重合成分を有するバインダー樹脂とを含有することにより、上記課題を解決した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体および画像形成装置、カートリッジに関するものである。より詳しくは、球形トナーを使用し、クリーニングブレードの当接圧を高めた場合のように、電子写真感光体に大きな負荷が掛かった場合においても、異音、クリーニング不良、フィルミングの発生といった不具合を抑制できる電子写真感光体および画像形成装置、カートリッジに関するものである。
電子写真技術は、即時的に高品質の画像が得られることなどから、複写機、プリンター、印刷機として広く使われている。
電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が広く使用されている。
電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が広く使用されている。
近年、高画質化の要求により、トナーの小径化が進み、中でもケミカルトナーにおいては形状が球に近い形態となることが多いため、感光体上に残ったトナーをブレードによりクリーニングする際にすり抜けが発生し易く、その結果地汚れ等の画像欠陥となる可能性が高くなっている。そのため、クリーニングブレードを従来より強い圧力で感光体に当接し、トナーのすり抜けを防止する対策が取られることが多くなっている。
クリーニングブレードの感光体への当接圧が大きくなると、ブレードが感光体最表面と固着・滑りを繰り返す、いわゆるスティック・スリップ現象によるビビリを生じ、その結果異音を発生するリスクが高くなる他、スリップ中にトナーがすり抜けてクリーニング不良を引き起こし、筋状の画像欠陥となる可能性も出てくる。また、ブレードの圧力により感光体が磨耗し易くなるだけでなく、感光体表面にトナーの成分が固着し、除去が困難になる、いわゆるフィルミング現象が発生し、持続的な画像欠陥となるリスクも高くなっている。更には、トナーが感光体に強く押し当てられた状態で回転することによる周方向の傷の発生による画像欠陥も発生し易くなる。
また、コロナ放電の際に発生するオゾン等の酸性ガスにより、感光体の帯電性が低下したり帯電立ち上がりが遅れる等の劣化が認められることが知られている。
なお、特許文献1には電荷輸送材料として第三級アミン化合物が、特許文献2には、上記一般式(1)に該当する電荷輸送材料が記載されているものの、バインダー樹脂選定に際し、本発明の課題解決に関する示唆はされていない。特許文献3には、本発明の一般式(2)に該当するホモポリマーが実施例に示されているものの、共重合体にすることの効果や、電荷輸送材料との組合せで本発明の課題を解決する手段については何ら示唆されて
いない。特許文献4には、本発明の一般式(2)と(3)の共重合体に該当するバインダー樹脂が記載されているものの、電荷輸送材料の種類による本発明課題解決の指針に関しては、何ら示唆されていない。特許文献5の実施例59には、本発明の一般式(2)と(3)の共重合体に該当するバインダー樹脂が記載されているものの、電荷輸送材料は、本発明の電荷輸送材料が正孔輸送性であるのに対して、電子輸送性であり、正孔輸送性の材料の構造と本発明の課題に関する示唆はされていない。特許文献6には、本発明の一般式(2)と(3)の共重合体に該当するバインダー樹脂と、各種電荷輸送材料の組合せが提示されているものの、実施例で確認されているのは耐刷性試験による感光層の膜減り量だけであり、本発明の課題に関する解決には直接結びつくものではない。
なお、特許文献1には電荷輸送材料として第三級アミン化合物が、特許文献2には、上記一般式(1)に該当する電荷輸送材料が記載されているものの、バインダー樹脂選定に際し、本発明の課題解決に関する示唆はされていない。特許文献3には、本発明の一般式(2)に該当するホモポリマーが実施例に示されているものの、共重合体にすることの効果や、電荷輸送材料との組合せで本発明の課題を解決する手段については何ら示唆されて
いない。特許文献4には、本発明の一般式(2)と(3)の共重合体に該当するバインダー樹脂が記載されているものの、電荷輸送材料の種類による本発明課題解決の指針に関しては、何ら示唆されていない。特許文献5の実施例59には、本発明の一般式(2)と(3)の共重合体に該当するバインダー樹脂が記載されているものの、電荷輸送材料は、本発明の電荷輸送材料が正孔輸送性であるのに対して、電子輸送性であり、正孔輸送性の材料の構造と本発明の課題に関する示唆はされていない。特許文献6には、本発明の一般式(2)と(3)の共重合体に該当するバインダー樹脂と、各種電荷輸送材料の組合せが提示されているものの、実施例で確認されているのは耐刷性試験による感光層の膜減り量だけであり、本発明の課題に関する解決には直接結びつくものではない。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層に特定の電荷輸送材料と特定のバインダー樹脂を含有させることにより、他の感光体性能を損なうことなく、異音、クリーニング不良、フィルミングの発生を抑制でき、また耐オゾン性にも優れることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の第1の要旨は、最表面層中に少なくとも下記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含むことを特徴とする電子写真感光体に存する(請求項1)。
(一般式(1)中、Ar1, Ar2は各々独立して、芳香環を構成する炭素数が10以下の置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは水素以外の置換基を表し、nは0〜7の整数を表す。)
(一般式(2)中、Zは結合する炭素原子を含めて炭素数5〜8の環状飽和脂肪族アルキル基を形成し、且つ該環状飽和脂肪族アルキル基は、1〜3個のメチル基を置換基として有する。)
(一般式(3)中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子かメチル基を表す)
また、本発明の第2の要旨は、共重合バインダー樹脂が、下記構造式(4)で表される、前記の電子写真感光体に存する(請求項2)。
また、本発明の第2の要旨は、共重合バインダー樹脂が、下記構造式(4)で表される、前記の電子写真感光体に存する(請求項2)。
(一般式(4)中、m,nはモル比率を表し、m:n=90:10〜10:90である)
また、本発明の第3の要旨は、前記の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない、静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニングブレードを使用したクリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置に存する(請求項3)。
また、本発明の第3の要旨は、前記の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない、静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニングブレードを使用したクリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置に存する(請求項3)。
また、本発明の第4の要旨は、フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.920以上1.000以下であることを特徴とする、前記の電子写真装置に存する(請求項4)。
また、本発明の第5の要旨は、前記の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とカウンター当接されたクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジに存する(請求項5)。
また、本発明の第5の要旨は、前記の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とカウンター当接されたクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジに存する(請求項5)。
本発明によれば、クリーニングブレードの当接圧の強いプロセスにおいてもブレードのビビリによる異音や、トナーのフィルミング、傷といった問題を生ずることがなく、また耐オゾン性にも優れた電子写真感光体、並びにそれを用いた画像形成装置、画像形成方法、電子写真感光体カートリッジを得ることが出来る。
以下、本発明を実施するための実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
まず、本発明の電子写真感光体に使用される電荷輸送材料とバインダー樹脂について説明する。
まず、本発明の電子写真感光体に使用される電荷輸送材料とバインダー樹脂について説明する。
<電荷輸送材料>
本発明における電子写真感光体には、下記一般式(1)の構造を有する第三級ナフチルアミン化合物が含有される。
本発明における電子写真感光体には、下記一般式(1)の構造を有する第三級ナフチルアミン化合物が含有される。
(一般式(1)中、Ar1, Ar2は各々独立して、芳香環を構成する炭素数が10以下の置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは水素以外の置換基を表し、nは0〜7の整数を表す。)
Ar1, Ar2は各々独立して、芳香環を構成する炭素数が10以下のアリール基を表す。ここで当該アリール基は置換基を有していてもよい。Ar1, Ar2で表されるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられるが、縮合多環等の置換基で高度に共役系が拡張すると分子同士の相互作用が強くなり、溶媒への溶解性が低下することから、少なくとも1つがフェニル基であることが好ましく、より好ましくはAr1, Ar2ともにフェ
ニル基であること好ましい。
Ar1, Ar2は各々独立して、芳香環を構成する炭素数が10以下のアリール基を表す。ここで当該アリール基は置換基を有していてもよい。Ar1, Ar2で表されるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられるが、縮合多環等の置換基で高度に共役系が拡張すると分子同士の相互作用が強くなり、溶媒への溶解性が低下することから、少なくとも1つがフェニル基であることが好ましく、より好ましくはAr1, Ar2ともにフェ
ニル基であること好ましい。
Ar1, Ar2が有していてもよい置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、もしくはアリールチオ基等が挙げられるが、電子写真感光体として用いた際の繰り返し使用に対する耐久性、オゾンに対する耐久性および低残留電位の特性を有することを考慮するとメチル基、エチル基、2−プロピル基等の炭素数5以下、より好ましくは炭素数3以下の低級アルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基等の炭素数5以下、より好ましくは炭素数3以下のアルコキシ基等を有することが好ましい。中でも電荷輸送材料としての移動度を考慮すると、Ar1 とAr2の何れかは、窒素
原子の置換するパラ位に置換基を有するフェニル基であることが好ましく、より好ましくはAr1 とAr2の何れかは、窒素原子の置換するパラ位に炭素数5以下の低級アルキル
基もしくは炭素数5以下のアルコキシ基等を有するフェニル基であることが好ましく、さらに好ましくはAr1 とAr2の何れかは、窒素原子の置換するパラ位に炭素数3以下の
低級アルキル基もしくは炭素数3以下のアルコキシ基等を有するフェニル基であることが好ましい。置換基を有するアリール基、無置換アリール基の中で、試薬の汎用性、電子写真感光体として用いた時の性能の面を全体に考えると、Ar1 とAr2の少なくとも一つ
は、4−メチルフェニル基、もしくは4−メトキシフェニル基であることが特に好ましい。
原子の置換するパラ位に置換基を有するフェニル基であることが好ましく、より好ましくはAr1 とAr2の何れかは、窒素原子の置換するパラ位に炭素数5以下の低級アルキル
基もしくは炭素数5以下のアルコキシ基等を有するフェニル基であることが好ましく、さらに好ましくはAr1 とAr2の何れかは、窒素原子の置換するパラ位に炭素数3以下の
低級アルキル基もしくは炭素数3以下のアルコキシ基等を有するフェニル基であることが好ましい。置換基を有するアリール基、無置換アリール基の中で、試薬の汎用性、電子写真感光体として用いた時の性能の面を全体に考えると、Ar1 とAr2の少なくとも一つ
は、4−メチルフェニル基、もしくは4−メトキシフェニル基であることが特に好ましい。
Rは例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、もしくはアリールチオ基等を表すが、電子写真感光体として用いた際の繰り返し使用に対する耐久性、オゾンに対する耐久性および低残留電位の特性を有することを考慮すると、アルキル基またはアルコキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、2−プロピル基等の炭素数5以下のアルキル基、あるいは、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数5以下のアルコキシ基等であることがより好ましい。中でも電荷輸送材料としての移動度を考慮すると、Rは炭素数3以下のアルキル基またはアルコキシ基であることがさらに好ましく、メチル基またはメトキシ基であることが最も好ましい。
nはナフチル基に直接結合しているRの置換数を表し、0〜7の整数を表す。原料の汎用性の観点から、0〜5が好ましく、0〜2であることが特に好ましく、0または1であることが最も好ましい。
またn≧2の場合は、互いに結合して環構造を形成してもよい。このときの結合するRの全ての炭素数は、合成における簡便さから5以下であるのが好ましく、3以下であるのが特に好ましい。
またn≧2の場合は、互いに結合して環構造を形成してもよい。このときの結合するRの全ての炭素数は、合成における簡便さから5以下であるのが好ましく、3以下であるのが特に好ましい。
以下に本発明に用いることが出来る第三級ナフチルアミン化合物の好適な構造を例示する。本例示は、本発明の趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限りは例示される構造に限定されるものではない。
<バインダー樹脂>
本発明の電子写真感光体の最表面層には、下記一般式(2)および(3)で表される構造単位を共重合成分として共に有するバインダー樹脂を、上記電荷輸送材料と同一の層において含有する。
本発明の電子写真感光体の最表面層には、下記一般式(2)および(3)で表される構造単位を共重合成分として共に有するバインダー樹脂を、上記電荷輸送材料と同一の層において含有する。
一般式(2)中、Zは結合する炭素原子を含めて炭素数5〜8の環状飽和脂肪族アルキル基を形成し、且つ該環状飽和脂肪族アルキル基は、1〜3個のメチル基を置換基として有する。メチル基を導入することにより、シクロアルキル基の構造柔軟性が抑えられ、樹脂としての剛直性が増す。一例として、下記の(2)−6のホモポリマーはTgが245℃と高いが、メチル基置換の無いホモポリマー(通称ビスフェノール−Z−ポリカーボネート)は、Tgが180℃である。また、非対称にメチル基を導入することによってより溶解性が増し、塗布液のゲル化等の不具合が抑えられるという利点もある。一般式(2)の好ましい例を下記に示す。
これらのうち、機械物性および樹脂の製造容易さの観点から(2)−5、(2)−6が好ましく、(2)−6が最も好ましい。なお、一般式(2)で表される構造は、メチル基置換によって、シクロヘキシルユニットの構造互変性(舟形および椅子型間の変換)が抑制され、Tgが高くなるものの、一方で分子構造が硬直であることから自由体積、すなわち高分子の隙間がメチル基置換の無い樹脂と比べて大きくなる。
一般式(3)中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子かメチル基を表す。
一般式(3)の好ましい例を下記に示す。
一般式(3)の好ましい例を下記に示す。
上記一般式(2)のホモポリマーは上述のようにTgが非常に高いため、ホモポリマーは感光体用途では、電荷輸送材料との相溶性、基体との接着等の観点から好ましくない。一方、上記一般式(3)のホモポリマーはTgが比較的低く、例えば(3)−1は150℃程度である。従って、一般式(2)と一般式(3)の共重合によって、適度なTgに調整することが可能となる。上記のうち、機械物性の観点から(3)−1、(3)−4が好ましく、(3)−1が最も好ましい。
また、一般式(2)と一般式(3)の共重合比は、(2):(3)=10:90〜90:10が好ましく、より好ましくは10:90〜50:50、最も好ましくは20:80〜40:60である。
また、一般式(2)及び一般式(3)で表される構造単位を有する共重合体樹脂が、下記一般式(4)で表される場合が、特に好ましい。
また、一般式(2)及び一般式(3)で表される構造単位を有する共重合体樹脂が、下記一般式(4)で表される場合が、特に好ましい。
一般式(4)中、m,nはモル比率を表し、通常、m:n=90:10〜10:90であり、好ましくは90:10〜50:50、最も好ましくは80:20〜60:40である。
また、好ましい分子量としては、重量平均分子量(ポリスチレン換算)で30,000以上、200,000以下、更に好ましくは、40,000以上、100,000以下である。粘度平均分子量では、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
また、好ましい分子量としては、重量平均分子量(ポリスチレン換算)で30,000以上、200,000以下、更に好ましくは、40,000以上、100,000以下である。粘度平均分子量では、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の上記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、上記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の 最表面となる層に含有されるが、 以下に詳述するように感光層の上に保護層を設ける場合は、保護層に含有される。
次に、本発明の電子写真感光体について、他の構成要素を含め説明する。
本発明の感光体は、上記の特定の電荷輸送剤とバインダー樹脂を含有するものである。本発明の感光体は、通常は導電性支持体(「導電性基体」ともいう)上に設けられる。
次に、本発明の電子写真感光体について、他の構成要素を含め説明する。
本発明の感光体は、上記の特定の電荷輸送剤とバインダー樹脂を含有するものである。本発明の感光体は、通常は導電性支持体(「導電性基体」ともいう)上に設けられる。
[I.電子写真感光体]
[I−1.導電性支持体]
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
[I−1.導電性支持体]
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dL2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dL2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行うことは好ましい。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施されるのが好ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
[I−2.下引き層]
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一時粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。 なお、下引き層のバインダー樹脂
は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、バインダー樹脂は、バインダー樹脂のみで用いるほか、硬化剤とともに硬化した形で使用することもできる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。 なお、下引き層のバインダー樹脂
は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、バインダー樹脂は、バインダー樹脂のみで用いるほか、硬化剤とともに硬化した形で使用することもできる。
また、単層型感光体の場合は、単層型感光層のみであると支持体との接着性が悪く、使用時に感光層が剥離してしまう可能性があることから、積層型感光体に於ける電荷発生層を、下引き層の代用とすることもできる。この場合は、下引き層として、フタロシアニン顔料やアゾ顔料をバインダー樹脂中に分散して塗布したものなどが好適に用いられる。この場合、特に電気特性が優れる場合があり、好ましい。
バインダー樹脂に対する無機粒子の混合比は任意に選べるが、10重量%から500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
[I−3.感光層]
感光層は上述の導電性支持体上に(前述の下引き層を設けた場合は下引き層上に)形成される。感光層は本発明で規定する電荷輸送材料、及び本発明で規定するバインダー樹脂を含有する。その型式としては、電荷発生材料と電荷輸送材料(上記一般式(1)で表される電荷輸送材料を含む)とが同一層に存在し、それらがバインダー樹脂(上記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含む)中に分散した単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という。)と、電荷発生材料がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層、及び電荷輸送材料(上記一般式(1)で表される電荷輸送材料を含む)がバインダー樹脂(上記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含む)中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)が挙げられるが、何れの形態であってもよい。
感光層は上述の導電性支持体上に(前述の下引き層を設けた場合は下引き層上に)形成される。感光層は本発明で規定する電荷輸送材料、及び本発明で規定するバインダー樹脂を含有する。その型式としては、電荷発生材料と電荷輸送材料(上記一般式(1)で表される電荷輸送材料を含む)とが同一層に存在し、それらがバインダー樹脂(上記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含む)中に分散した単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という。)と、電荷発生材料がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層、及び電荷輸送材料(上記一般式(1)で表される電荷輸送材料を含む)がバインダー樹脂(上記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含む)中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)が挙げられるが、何れの形態であってもよい。
機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液、また、単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
<機能分離型感光層>
<電荷輸送層>
・バインダー樹脂
本発明の電子写真感光体が機能分離型感光体で、電荷輸送層が最表面層となる場合、電荷輸送層のバインダー樹脂として、上述した一般式(2)および一般式(3)で表される構造単位を共重合成分として共に有するバインダー樹脂を含有する。また、バインダー樹脂は、本発明に含有されるバインダー樹脂と、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の樹脂を混合してもよく、他の樹脂としては、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもでき、珪素試薬などで修飾されていてもよい。
<電荷輸送層>
・バインダー樹脂
本発明の電子写真感光体が機能分離型感光体で、電荷輸送層が最表面層となる場合、電荷輸送層のバインダー樹脂として、上述した一般式(2)および一般式(3)で表される構造単位を共重合成分として共に有するバインダー樹脂を含有する。また、バインダー樹脂は、本発明に含有されるバインダー樹脂と、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の樹脂を混合してもよく、他の樹脂としては、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもでき、珪素試薬などで修飾されていてもよい。
・電荷輸送材料
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送材料として、上述した一般式(1)で表される電荷輸送材料を含有する。本発明に含有される上述の一般式(1)で表される電荷輸送物質は、同一のものを単独で用いてもよく、複数種のものを任意の比率で組み合わせてもよい。また、本発明に含有される上述の一般式(1)で表される電荷輸送物質に加えて、本発明の効果を損なわない範囲であれば、公知の他の電荷輸送物質を併用してもよい。
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送材料として、上述した一般式(1)で表される電荷輸送材料を含有する。本発明に含有される上述の一般式(1)で表される電荷輸送物質は、同一のものを単独で用いてもよく、複数種のものを任意の比率で組み合わせてもよい。また、本発明に含有される上述の一般式(1)で表される電荷輸送物質に加えて、本発明の効果を損なわない範囲であれば、公知の他の電荷輸送物質を併用してもよい。
本発明に含有される一般式(1)で表される電荷輸送材料の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、少な過ぎると電荷輸送に不利となり、電気特性が悪化するため、感光層中のバインダー樹脂100重量部に対して、通常30重量部以上、好ましくは40重量部以上、また、多過ぎるとガラス点移転点(Tg)が下がり過ぎて耐摩耗性が劣化するおそれがあるため、通常150重量部以下、好ましくは110重量部以下である。
<電荷発生層>
積層型感光層(機能分離型感光層)の電荷発生層は、電荷発生材料を含有すると共に、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生材料の微粒子及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
積層型感光層(機能分離型感光層)の電荷発生層は、電荷発生材料を含有すると共に、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生材料の微粒子及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
・電荷発生材料
電荷発生材料の例としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
電荷発生材料の例としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
使用されるフタロシアニンとしては、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)などのチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。なお、これらのフタロシアニンのうち、フタロシアニン環の中心に金属を含有する含金属フタロシアニンが好ましく、含金属フタロシアニンの中でもA型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等がより好ましく、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニンが更に好ましい。
特に、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる明瞭な回折ピークを有するものが好ましい。
また、該オキシチタニウム二ロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することが好ましい。
また、該オキシチタニウム二ロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することが好ましい。
電荷発生材料としてアゾ顔料を使用する場合には、各種公知のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生材料として使用される顔料としては、使用される露光波長により好ましい材料が決められる場合がある。露光波長が380nm〜500nm程度の短波長領域の場合には、上記アゾ顔料が好適に用いられる。一方、630〜780nm程度の近赤外光を使用する場合には、その領域にも高感度を有するフタロシアニン顔料と、一部のアゾ顔料が好適に使用される。一方、環境特性、例えば湿度依存性が小さいことが求められる場合も、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に明瞭な回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンは湿度依存性が大きいため、上記アゾ顔料が好適に使用される。
電荷発生材料として使用される顔料としては、使用される露光波長により好ましい材料が決められる場合がある。露光波長が380nm〜500nm程度の短波長領域の場合には、上記アゾ顔料が好適に用いられる。一方、630〜780nm程度の近赤外光を使用する場合には、その領域にも高感度を有するフタロシアニン顔料と、一部のアゾ顔料が好適に使用される。一方、環境特性、例えば湿度依存性が小さいことが求められる場合も、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に明瞭な回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンは湿度依存性が大きいため、上記アゾ顔料が好適に使用される。
用いる電荷発生材料の粒子径は充分小さいことが望ましい。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。
さらに、感光層内に分散される電荷発生材料の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下、凝集による平滑性の低下などの弊害がある。よって、積層型感光層の電荷発生層内の電荷発生材料の量は、通常は20重量%以上、好ましくは40重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは70重量%以下とする。
さらに、感光層内に分散される電荷発生材料の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下、凝集による平滑性の低下などの弊害がある。よって、積層型感光層の電荷発生層内の電荷発生材料の量は、通常は20重量%以上、好ましくは40重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは70重量%以下とする。
・バインダー樹脂
積層型感光層を構成する電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例
えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
積層型感光層を構成する電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例
えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
電荷発生層は、具体的に、上述のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。また、逆積層型感光層で電荷発生層が最表面層になる場合は、該層に上記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、上記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含有する。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と上述した一般式(1)で表される電荷輸送物質に加えて、機能分離型感光体の電荷輸送層と同様に、上述した一般式(2)および一般式(3)で表される構造単位を共重合成分として共に有するバインダー樹脂を含有して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作成し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることが出来る。
単層型感光層は、電荷発生物質と上述した一般式(1)で表される電荷輸送物質に加えて、機能分離型感光体の電荷輸送層と同様に、上述した一般式(2)および一般式(3)で表される構造単位を共重合成分として共に有するバインダー樹脂を含有して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作成し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることが出来る。
電荷輸送物質およびバインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。これらの電荷輸送物質およびバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を十分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を十分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると十分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下等の弊害があることから、単層型感光層全体に対して、通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常50質量%以下、好ましくは20質量%以下の範囲で使用される。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
なお、積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などを含有させてもよい。
次に、感光層の他の構成成分について説明する。
次に、感光層の他の構成成分について説明する。
<その他の構成成分>
さらに、感光層は、各種の添加剤を含有していても良い。これらの添加剤は成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するために用いられるもので、例えば、可塑剤、紫外線等の短波長光吸収剤、酸化防止剤、残留電位を抑制するための残留電位抑制剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤(例えば、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等)、界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、感光層は、各種の添加剤を含有していても良い。これらの添加剤は成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するために用いられるもので、例えば、可塑剤、紫外線等の短波長光吸収剤、酸化防止剤、残留電位を抑制するための残留電位抑制剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤(例えば、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等)、界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
<膜厚>
また、本発明の感光体において感光層の膜厚に制限は無く本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、単層型感光体の場合は、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下である。積層型感光体の場合は、電荷発生層は好ましくは0.1μm以上1μm以下、より好ましくは0.2μm以上0.8μm以下であり、電荷輸送層は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常40μm以下、好ましくは35μm以下である。当該電荷輸送層は、単一の層だけでなく、二層以上の異なる層から形成されていてもよい。
また、本発明の感光体において感光層の膜厚に制限は無く本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、単層型感光体の場合は、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下である。積層型感光体の場合は、電荷発生層は好ましくは0.1μm以上1μm以下、より好ましくは0.2μm以上0.8μm以下であり、電荷輸送層は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常40μm以下、好ましくは35μm以下である。当該電荷輸送層は、単一の層だけでなく、二層以上の異なる層から形成されていてもよい。
<ユニバーサル硬度、及び弾性変形率>
クリーニングブレードとの摩擦に起因する異音を抑制し、表面の傷発生を抑制するためには、感光層の表面硬度が高いことが好ましく、トナーのクリーニング不良防止の観点からは、感光層の弾性変形率が高いことが好ましく、フィルミング抑制の観点からは、硬度、弾性変形率が共に高いことが好ましい。硬度、弾性変形率は、電荷輸送材料、およびバインダー樹脂双方に依存し、またその相溶性によっても影響されるため、材料の組合せで好適な範囲となるように設計する必要が有る。感光層の好ましい表面硬度は、ユニバーサル硬度値として、下限は、通常、180N/mm2以上、好ましくは200N/mm2以上、より好ましくは220N/mm2以上であり、上限は、通常、290N/mm2以下、好ましくは270N/mm2以下である。感光層の好ましい弾性変形率の範囲は、下限は通常、38%以上、クリーニング不良防止の観点から、40%以上が好ましく、上限は、通常、60%以下、好ましくは55%以下である。
クリーニングブレードとの摩擦に起因する異音を抑制し、表面の傷発生を抑制するためには、感光層の表面硬度が高いことが好ましく、トナーのクリーニング不良防止の観点からは、感光層の弾性変形率が高いことが好ましく、フィルミング抑制の観点からは、硬度、弾性変形率が共に高いことが好ましい。硬度、弾性変形率は、電荷輸送材料、およびバインダー樹脂双方に依存し、またその相溶性によっても影響されるため、材料の組合せで好適な範囲となるように設計する必要が有る。感光層の好ましい表面硬度は、ユニバーサル硬度値として、下限は、通常、180N/mm2以上、好ましくは200N/mm2以上、より好ましくは220N/mm2以上であり、上限は、通常、290N/mm2以下、好ましくは270N/mm2以下である。感光層の好ましい弾性変形率の範囲は、下限は通常、38%以上、クリーニング不良防止の観点から、40%以上が好ましく、上限は、通常、60%以下、好ましくは55%以下である。
本発明における弾性変形率及びユニバーサル硬度は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さとを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図3に示すようなプロファイルを取得する。
・測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
・測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。弾性変形率が大き
いほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
また、上記のユニバーサル硬度は、押込み加重5mNまで押し込んだ時の値であり、その時の押込み深さから以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。弾性変形率が大き
いほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
また、上記のユニバーサル硬度は、押込み加重5mNまで押し込んだ時の値であり、その時の押込み深さから以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
[I−4.その他の層]
感光層の上に、保護層を最表面層として設けても良い。この場合、保護層に前記一般式(1)で表される電荷輸送材料、および前記一般式(2)(3)で表されるバインダー樹脂を少なくも含有する。また、当該保護層には、硬度、弾性変形率を損なわない範囲で、適宜添加剤を加えてもよい。例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等の樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子等の無機粒子等が挙げられる。また、保護層の厚みが1μmより厚い場合は、その下層の影響よりも保護層の物性が表面機械物性をより強く支配するため、下層の感光層に用いられる材料には本発明で規定する範囲にとらわれず、任意の公知材料を使用してもよい。
感光層の上に、保護層を最表面層として設けても良い。この場合、保護層に前記一般式(1)で表される電荷輸送材料、および前記一般式(2)(3)で表されるバインダー樹脂を少なくも含有する。また、当該保護層には、硬度、弾性変形率を損なわない範囲で、適宜添加剤を加えてもよい。例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等の樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子等の無機粒子等が挙げられる。また、保護層の厚みが1μmより厚い場合は、その下層の影響よりも保護層の物性が表面機械物性をより強く支配するため、下層の感光層に用いられる材料には本発明で規定する範囲にとらわれず、任意の公知材料を使用してもよい。
[I−5.各層の形成方法]
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。塗布後、乾燥により溶剤を除去することにより、感光層を形成する。
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。塗布後、乾燥により溶剤を除去することにより、感光層を形成する。
この際、塗布方法は限定されず任意であり、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法などを用いることができる。この中でも、生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。なお、これらの塗布方法は、1つの方法のみを行なうようにしてもよいが、2以上の方法を組み合わせて行なうようにしてもよい。
[I−6.感光体の帯電型]
本発明の感光体は、後述する画像形成装置に用いられることにより、画像形成の用途に使用されるものである。本発明の積層型感光体は負帯電で使用し、単層型感光体は正帯電で使用する。
[I−7.感光体の露光波長]
本発明の感光体は、画像形成の際には、露光手段から書き込み光によって露光を行なわれて静電潜像を形成されることになる。この際に用いられる書き込み光は静電潜像の形成が可能である限り任意であるが、中でも、露光波長が通常380nm以上、中でも400nm以上、また、通常850nm以下の単色光を用いる。中でも480nm以下の単色光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際に480nm以下の単色光で露光することが好ましい。
本発明の感光体は、後述する画像形成装置に用いられることにより、画像形成の用途に使用されるものである。本発明の積層型感光体は負帯電で使用し、単層型感光体は正帯電で使用する。
[I−7.感光体の露光波長]
本発明の感光体は、画像形成の際には、露光手段から書き込み光によって露光を行なわれて静電潜像を形成されることになる。この際に用いられる書き込み光は静電潜像の形成が可能である限り任意であるが、中でも、露光波長が通常380nm以上、中でも400nm以上、また、通常850nm以下の単色光を用いる。中でも480nm以下の単色光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際に480nm以下の単色光で露光することが好ましい。
[II.トナー]
本発明の電子写真感光体を用いて画像形成を行なう場合、潜像を現像するための現像剤であるトナーとしては、任意のトナーを用いることができるが、中でも、特定の平均円形度を有するトナー(以下、適宜「本発明のトナー」と言う。)を用いることが特に好ましい。このように特定の円形度を有するトナーを用いることにより、本発明の画像形成装置はより高画質な画像を形成することができる。
本発明の電子写真感光体を用いて画像形成を行なう場合、潜像を現像するための現像剤であるトナーとしては、任意のトナーを用いることができるが、中でも、特定の平均円形度を有するトナー(以下、適宜「本発明のトナー」と言う。)を用いることが特に好ましい。このように特定の円形度を有するトナーを用いることにより、本発明の画像形成装置はより高画質な画像を形成することができる。
<平均円形度>
本発明のトナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、
現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高めるうえで好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球形状のトナーを製造することは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球形に近ければよく、完全な球形である必要は無い。
本発明のトナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、
現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高めるうえで好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球形状のトナーを製造することは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球形に近ければよく、完全な球形である必要は無い。
具体的には、本発明のトナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度が、通常0.920以上、好ましくは0.930以上、より好ましくは0.960以上、特に好ましくは0.980以上である。また、上記平均円形度の上限は通常1.000以下であり、生産の容易さの観点から、好ましくは0.998以下、より好ましくは0.995以下である。
なお、上記の平均円形度は、トナーの粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA-20
00を用いて測定を行ない、測定された粒子の円形度〔a〕を下記式(X)により求めるものとする。
円形度a=L0/L (X)
(式(X)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理したときの粒子像の周囲長を示す。)
上記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
00を用いて測定を行ない、測定された粒子の円形度〔a〕を下記式(X)により求めるものとする。
円形度a=L0/L (X)
(式(X)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理したときの粒子像の周囲長を示す。)
上記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
平均円形度の具体的な測定方法としては、以下の通りである。即ち、予め容器中の不純物を除去した水20mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を加え、更に測定試料(トナー)を0.05g程度加える。この試料を分散した懸濁液に超音波を30秒照射し、分散液濃度を3000個/μL以上8000個/μL以下として、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上160μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
<粒径>
本発明のトナーの体積平均粒径〔Dv〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常4μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは8μm以下である。トナーの体積平均粒径〔Dv〕が小さすぎる場合、画質の安定性が低下する可能性があり、大きすぎる場合、解像度が低下する可能性がある。
本発明のトナーの体積平均粒径〔Dv〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常4μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは8μm以下である。トナーの体積平均粒径〔Dv〕が小さすぎる場合、画質の安定性が低下する可能性があり、大きすぎる場合、解像度が低下する可能性がある。
また、本発明のトナーは、体積平均粒径〔Dv〕を個数平均粒径〔Dn〕で除した値〔Dv/Dn〕が、通常1.0以上、また、通常1.25以下、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.15以下であることが望ましい。〔Dv/Dn〕の値は、粒度分布の状態を表し、この値が1.0に近い方ほど粒度分布がシャープであることを表す。粒度分布がシャープであるほど、トナーの帯電性が均一となるので望ましい。
さらに、本発明のトナーは、粒径25μm以上の体積分率が、通常1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、更に好ましくは0.05%以下である。この値は小さいほど好ましい。これは、トナーに含まれる粗粉の割合が少ないことを意味しており、粗粉が少ないと、連続現像の際のトナーの消費量が少なく、画質が安定するため好ましい。なお、粒径25μm以上の粗粉は、理想的には全く存在しないことが特に好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.05%以下にしなくとも構わない。
また、本発明のトナーは、粒径15μm以上の体積分率が、通常2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下である。粒径15μm以上の粗粉も理想的には全
く存在しないことが特に好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.1%以下にしなくとも構わない。
さらに、本発明のトナーは、粒径5μm以下の個数分率が、通常15%以下、好ましくは10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるため望ましい。
く存在しないことが特に好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.1%以下にしなくとも構わない。
さらに、本発明のトナーは、粒径5μm以下の個数分率が、通常15%以下、好ましくは10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるため望ましい。
ここで、トナーの体積平均粒径〔Dv〕、個数平均粒径〔Dn〕、体積分率、個数分率等は、以下のようにして測定することができる。即ち、トナーの粒子径の測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII型あるいはIII型(ベックマン・コール ター社製)を用い、個数分布・体積分布を出力するインターフェイス及び一般的なパーソナルコンピューターを接続して使用する。また、電解液はアイソトンIIを用いる。測定法としては、上記電解液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料(トナー)を2〜20mg加える。そして、試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記コールターカウンターのマルチサイザーII型あるいはIII型により、100μm
アパーチャーを用いて測定する。このようにしてトナーの個数及び体積を測定して、それぞれ個数分布、体積分布を算出し、それぞれ、体積平均粒径〔Dv〕、個数平均粒径〔Dn〕を求める。
アパーチャーを用いて測定する。このようにしてトナーの個数及び体積を測定して、それぞれ個数分布、体積分布を算出し、それぞれ、体積平均粒径〔Dv〕、個数平均粒径〔Dn〕を求める。
[III.画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置(帯電手段)2、露光装置(露光手段;像露光手段)3及び現像装置(現像手段)4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置(転写手段)5、クリーニングユニット6及び定着装置(定着手段)7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニングユニット6がそれぞれ配置されている。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニングユニット6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を正に帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6は、多くの場合、カートリッジ(本発明の電子写真感光体カートリッジ。以下適宜、「感光体カートリッジ」という)として、画像形成装置の本体から取り外し、交換可能となるように設計されている。例えば電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニングユニット6、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6は、多くの場合、カートリッジ(本発明の電子写真感光体カートリッジ。以下適宜、「感光体カートリッジ」という)として、画像形成装置の本体から取り外し、交換可能となるように設計されている。例えば電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニングユニット6、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に対し露光(像露光)を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED(発光ダイオード)などが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが一般に単色光が好ましく、例えば、波長(露光波長)が700nm〜850nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長300nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、露光した電子写真感光体1上の静電潜像を目に見える像に現像することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、通常、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は0.05〜5N/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は必要に応じて設けられ、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体、被転写体)Pに転写するものである。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体、被転写体)Pに転写するものである。
クリーニングユニット6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニングブレードで掻き落として回収容器に蓄え、残留トナーを回収するものである。クリーニングブレードは、弾性ゴム部材および支持部材からなり、当該弾性ゴム部材の感光体当接部には、必要に応じてエッジ部材を更に設けても良い。これらクリーニングブレード部材には、一
般にポリウレタンが使用される。ポリウレタンは、弾性体でありながら耐摩耗性が良好で、補強剤などを添加しなくても十分な機械的強度を有し、非汚染性であるからである。しかしながら、ポリウレタンの物性には温度依存性があることが知られている。温度依存性は特に反発弾性に現れ、クリーニング上の問題となっている。すなわち、低温で反発弾性が低下するとクリーニング不良となり、高温で反発弾性が増加すると、エッジの欠けや鳴きの問題となる。そこで、環境が変化しても十分に安定した反発弾性を有し、高機能なクリーニングブレードなどとすることが望まれる。特に、近年の機器のコンパクト化に伴い機器内の温度も上昇しやすくなるため、このような反発弾性の温度依存性の低減はますます求められているものである。このような反発弾性のポリウレタンとするためには、当該弾性ゴム部材、あるいはエッジ部材は、アジピン酸とジオール成分を反応させて得られるポリエステルポリオールや、カプロラクトン系ポリエステルポリオールを原料としたポリウレタンからなることが、クリーニング効率を高める観点から、好ましい。ポリウレタンの性質としては、100%永久伸びが3%以下、25℃での反発弾性が20%以下でかつ10℃から50℃の間での反発弾性の最大値と最小値の差が30%以下であることが好ましい。
般にポリウレタンが使用される。ポリウレタンは、弾性体でありながら耐摩耗性が良好で、補強剤などを添加しなくても十分な機械的強度を有し、非汚染性であるからである。しかしながら、ポリウレタンの物性には温度依存性があることが知られている。温度依存性は特に反発弾性に現れ、クリーニング上の問題となっている。すなわち、低温で反発弾性が低下するとクリーニング不良となり、高温で反発弾性が増加すると、エッジの欠けや鳴きの問題となる。そこで、環境が変化しても十分に安定した反発弾性を有し、高機能なクリーニングブレードなどとすることが望まれる。特に、近年の機器のコンパクト化に伴い機器内の温度も上昇しやすくなるため、このような反発弾性の温度依存性の低減はますます求められているものである。このような反発弾性のポリウレタンとするためには、当該弾性ゴム部材、あるいはエッジ部材は、アジピン酸とジオール成分を反応させて得られるポリエステルポリオールや、カプロラクトン系ポリエステルポリオールを原料としたポリウレタンからなることが、クリーニング効率を高める観点から、好ましい。ポリウレタンの性質としては、100%永久伸びが3%以下、25℃での反発弾性が20%以下でかつ10℃から50℃の間での反発弾性の最大値と最小値の差が30%以下であることが好ましい。
また、クリーニング性向上の観点からは、クリーニングブレードは感光体に対してカウンター当接することが好ましい。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をトナーで現像する現像工程と、トナーを被転写体に転写する転写工程とを行ない、画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位に帯電される(帯電工程)。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、感光体に対して露光を行ない静電潜像を形成する(露光工程)。即ち、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される(転写工程)。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニングユニット6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例で用いる「部」は特に断りがない限り「重量部」を示す。
なお、実施例1〜5、比較例1〜3で使用するバインダー樹脂は、商品名APECとしてバイエル社から市販されている樹脂であり、更に精製はせず入手したままの状態で使用した。
なお、実施例1〜5、比較例1〜3で使用するバインダー樹脂は、商品名APECとしてバイエル社から市販されている樹脂であり、更に精製はせず入手したままの状態で使用した。
(実施例1、電子写真感光体X1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着層(厚み700Å)を形成した導電性支持体を用い、その支持体の蒸着層上に、以下の下引き層用分散液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が1.25μmとなるように塗布し、乾燥させ下引き層を形成した。
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとなし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエン(重量比7/1/2)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル%75/9.5/3/9.5/3)からなる共重合ポリアミドのペレットを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する固形分濃度18.0%の分散液とした。
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとなし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエン(重量比7/1/2)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル%75/9.5/3/9.5/3)からなる共重合ポリアミドのペレットを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する固形分濃度18.0%の分散液とした。
電荷発生材料として、図2に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するチタニウムオキシフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)の2.5%1,2−ジメトキシエタン溶液400部と、170部の1,2−ジメトキシエタンを混合して分散液を調製した。この分散液を前記下引き層上にバーコーターで塗布して、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。
次にこのフィルム上に、下記構造の電荷輸送材料(1)を80部、および下記構造のバインダー樹脂(1)を100部と、下記構造を有する酸化防止剤4部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05部をテトラヒドロフラン/トルエン(8/2)混合溶媒640部に溶解させた液を塗布し、125℃で20分間乾燥し、乾燥後の膜厚が25μmとなるように電荷輸送層を設け感光体を作製した。この感光体を感光体X1とする。
(実施例2、電子写真感光体X2)
実施例1において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(2)を使用した以外はすべて実施例1と同様に行い、感光体X2を得た。
実施例1において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(2)を使用した以外はすべて実施例1と同様に行い、感光体X2を得た。
(実施例3、電子写真感光体X3)
実施例1において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(3)を使用した以外はすべて実施例1と同様に行い、感光体X3を得た。
実施例1において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(3)を使用した以外はすべて実施例1と同様に行い、感光体X3を得た。
(実施例4、電子写真感光体X4)
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(2)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体X4を得た。
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(2)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体X4を得た。
(実施例5、電子写真感光体X5)
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(3)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体X5を得た。
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(3)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体X5を得た。
(比較例1、電子写真感光体Y1)
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(4)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y1を得た。
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(4)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y1を得た。
(比較例2、電子写真感光体Y2)
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(5)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y2を得た。
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(5)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y2を得た。
(比較例3、電子写真感光体Y3)
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(6)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y3を得た。
実施例3において、電荷輸送層の電荷輸送材料として下記構造の電荷輸送材料(6)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y3を得た。
(比較例4、電子写真感光体Y4)
実施例3において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(4)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y4を得た。
実施例3において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(4)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y4を得た。
(比較例5、電子写真感光体Y5)
実施例3において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造繰り返し単位をもつバインダー樹脂(5)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y5を得た。
実施例3において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造繰り返し単位をもつバインダー樹脂(5)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y5を得た。
(比較例6、電子写真感光体Y6)
実施例3において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(6)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y6を得た。
実施例3において、電荷輸送層のバインダー樹脂として下記構造のバインダー樹脂(6)を使用した以外はすべて実施例3と同様に行い、感光体Y6を得た。
<感光体の電気特性>
作製した各感光体は、アルミニウム製ドラムに貼り付け、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム蒸着層との導通を取った上で、電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁 記載)に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
作製した各感光体は、アルミニウム製ドラムに貼り付け、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム蒸着層との導通を取った上で、電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁 記載)に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
温度25℃、湿度50%の環境下、まず感光体の初期表面電位が−700Vとなるように帯電させた。次にハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを露光光に用い、表面電位が350Vに低下するまでの照射エネルギー(μJ/cm2)
を感度とした。露光から電位測定までは100ミリ秒とした。また、除電光に660nmのLED光を用いて照射後の残留電位(Vr)を測定した。
を感度とした。露光から電位測定までは100ミリ秒とした。また、除電光に660nmのLED光を用いて照射後の残留電位(Vr)を測定した。
表−1に、感光体の感度と除電光照射後の残留電位(Vr)を示した。感度の値(電位
を700V〜350Vまで減衰させる照射エネルギー)は小さいほど高性能な感光体であり、また残留電位も小さいほど高性能であることを表している。
を700V〜350Vまで減衰させる照射エネルギー)は小さいほど高性能な感光体であり、また残留電位も小さいほど高性能であることを表している。
表−1に示すように、本発明の電荷輸送材料と本発明のバインダー樹脂を含むポリカーボネート樹脂との組合せにより、電気特性が良いことがわかる。
<耐オゾン特性の評価>
オゾン曝露試験の方法を以下に記す。川口電気社製EPA8200を使用し、実施例、比較例で得られた感光体をコロトロン帯電器に30μAの電流を印可して帯電させ、その帯電値をV1とした。その後、これらの感光体に200−300ppm濃度のオゾンを1日4〜5時間ずつ、2日間曝露し、曝露後に同様に帯電値を測定し、この値をV2とした。表−2にオゾン曝露前後の帯電保持率((V2/V1)×100(%))を示した。また、帯電させた感光体に、ハロゲンランプの光を780nm単色光フィルターを通して55nwの単色光とした光を10秒間照射した。この時の表面電位(残留電位:Vr)を測定して、オゾン曝露前後での差を調べた。この差(ΔVr=曝露後のVr(-V)−曝露前
のVr(-V))を同様に表−2に示した。
<耐オゾン特性の評価>
オゾン曝露試験の方法を以下に記す。川口電気社製EPA8200を使用し、実施例、比較例で得られた感光体をコロトロン帯電器に30μAの電流を印可して帯電させ、その帯電値をV1とした。その後、これらの感光体に200−300ppm濃度のオゾンを1日4〜5時間ずつ、2日間曝露し、曝露後に同様に帯電値を測定し、この値をV2とした。表−2にオゾン曝露前後の帯電保持率((V2/V1)×100(%))を示した。また、帯電させた感光体に、ハロゲンランプの光を780nm単色光フィルターを通して55nwの単色光とした光を10秒間照射した。この時の表面電位(残留電位:Vr)を測定して、オゾン曝露前後での差を調べた。この差(ΔVr=曝露後のVr(-V)−曝露前
のVr(-V))を同様に表−2に示した。
<感光体表面物性評価>
実施例1、3、4、5および比較例1、2、3、5、6で使用した電荷輸送層用塗布液を、ガラス板上に塗布し、125℃で20分乾燥して膜厚25μmのガラス上サンプルGX1、3、4、5およびGY1、2、3、5、6を得た。これらのサンプルの弾性変形率
及びユニバーサル硬度を、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。結果を表―3に示す。
実施例1、3、4、5および比較例1、2、3、5、6で使用した電荷輸送層用塗布液を、ガラス板上に塗布し、125℃で20分乾燥して膜厚25μmのガラス上サンプルGX1、3、4、5およびGY1、2、3、5、6を得た。これらのサンプルの弾性変形率
及びユニバーサル硬度を、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。結果を表―3に示す。
<画像評価試験>
表面が鏡面仕上げされ、清浄に洗浄された外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例3と比較例1および比較例5で調整した各層の塗布液を、浸漬塗布法により順次塗布、乾燥して、膜厚が電荷発生層0.3μm、電荷輸送層20μmの電子写真感光体ドラムZ1とZ2およびZ3を得た。次に、上記で作製した感光体ドラムと平均粒径6.0μm、平均円形度0.990のトナーT1とを用いて、実機に搭載し、画像特性試験を行った。
表面が鏡面仕上げされ、清浄に洗浄された外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例3と比較例1および比較例5で調整した各層の塗布液を、浸漬塗布法により順次塗布、乾燥して、膜厚が電荷発生層0.3μm、電荷輸送層20μmの電子写真感光体ドラムZ1とZ2およびZ3を得た。次に、上記で作製した感光体ドラムと平均粒径6.0μm、平均円形度0.990のトナーT1とを用いて、実機に搭載し、画像特性試験を行った。
画像特性試験は、ヒューレットパッカード社製カラープリンターHP Color LaserJet 4700dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。クリーニングブレードとしては、アジピン酸とジオール成分を主成分として反応させて得られるポリエステルポリオール系ウレタンで、反発弾性18%の材料を使用した。
作製した感光体ドラムとトナーT1とをシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、このカートリッジをプリンターに装着した。温度25℃、湿度50%環境下で、10000枚の画像形成を行い、ゴースト、かぶり、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良、傷等による画像不良の評価を行った。結果を、表―4に示す。なお、ブラック、イエロー、マゼンタ各色用プロセスカートリッジを使用した場合も、同様な結果が得られた。
本発明の電荷輸送材料とバインダー樹脂を含有する感光体ドラムは、1万枚連続印刷後も初期と同様の画像が得られ、マシン内部で発生するガスの影響による画像ボケ、あるいはマシンの異音も起こらず、感光体クリーニング性も良好であった事がわかる。
以上のように本発明による電子写真感光体、および画像形成装置は、電気特性、耐オゾン特性、感光体表面物性評価、画像評価において、総合的に優れていることがわかる。
以上のように本発明による電子写真感光体、および画像形成装置は、電気特性、耐オゾン特性、感光体表面物性評価、画像評価において、総合的に優れていることがわかる。
本発明は、電機写真感光体を必要とする任意の分野で実施することができ、例えば複写機、プリンター、印刷機などに用いて好適である。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (5)
- 最表面層中に、少なくとも下記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(2)および(3)で表される共重合成分を有するバインダー樹脂を含むことを特徴とする、電子写真感光体。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、カウンター当接されたクリーニングブレードを使用したクリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置。
- フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.920以上1.000以下であることを特徴とする、請求項3に記載の電子写真装置。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
Priority Applications (1)
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JP2011045472 | 2011-03-02 | ||
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Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JPH08114933A (ja) * | 1994-08-23 | 1996-05-07 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真用感光体 |
JPH08220783A (ja) * | 1994-11-23 | 1996-08-30 | Mitsubishi Chem Ind America Inc | 有機光導電性受像体 |
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JP2011002783A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 |
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2012
- 2012-02-27 JP JP2012040085A patent/JP2012194544A/ja active Pending
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JP2011002783A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 |
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