JP2012190788A - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子注入層が形成された形成途中の有機EL素子を保管したとしても、最終的に作製される有機EL素子の素子寿命の低下を抑制することが可能な有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】陽極、発光層、電子注入層、および陰極がこの順に積層された構成の有機EL素子の製造方法であって、陽極を形成する工程と、発光層を形成する工程と、電子注入層を形成する工程と、陰極を形成する工程とを含み、前記電子注入層を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜し、成膜した薄膜を加熱した後に、当該薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管し、その後、前記薄膜をふたたび加熱する、有機EL素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は有機EL素子の製造方法に関する。
有機EL(Electro Luminescence)素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、この電極間に設けられる発光層とを含んで構成される。電極間に電圧を印加すると、陽極から正孔が注入されるとともに、陰極から電子が注入され、これら正孔と電子とが発光層で結合することにより発光が生じる。
一対の電極間には、発光層に加えて所定の層がさらに設けられることがある。たとえば陰極からの電子の注入効率を向上させるために、電子注入層を設けることがある。
電子注入層は一般にBa、BaO、NaF、LiFなどの大気中で不安定な材料によって構成される。そのため電子注入層は、一般に大気から遮断された環境で形成され、たとえば真空雰囲気中において真空蒸着法によって形成される。
しかしながら真空蒸着法などは、種々存在する薄膜の形成方法のなかでも、薄膜の形成工程が比較的複雑化するため、電子注入層の形成工程の簡易化を目的として、塗布法で電子注入層を形成する方法が検討されている。塗布法で電子注入層を形成するためには、大気中で比較的安定な材料の開発が必要であり、このような電子注入層の材料としてたとえば錯体材料が提案されており、この錯体材料を塗布法によって成膜し、電子注入層を形成する有機EL素子の製造方法が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開2005−79064号公報
現在のところ塗布法を適用することが可能な電子注入層の材料は限られており、これについて本発明者等が種々検討したところ、上記錯体材料の他に、イオン性ポリマーを電子注入層の材料として用いることができることを見出した。
たしかにイオン性ポリマーは大気中で安定な材料ではあるが、イオン性ポリマーを含む電子注入層を形成した後に、この電子注入層を覆う層(たとえば陰極)を形成することなく、形成途中の有機EL素子を所定の時間放置すると、最終的に作製される有機EL素子の寿命が短くなるということが確認された。たとえばロール・ツー・ロール法を用いて有機EL素子を作製する場合、電子注入層を形成したのちに、形成途中の有機EL素子をいったんロールに巻き取って保管し、その後、陰極を形成することがある。この保管のさいに、有機EL素子の寿命が短くなるという問題がある。
したがって本発明の目的は、電子注入層が形成された形成途中の有機EL素子を保管したとしても、最終的に作製される有機EL素子の素子寿命の低下を抑制することが可能な有機EL素子の製造方法を提供することにある。
本発明は、陽極、発光層、電子注入層、および陰極がこの順に積層された構成の有機EL素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、
発光層を形成する工程と、
電子注入層を形成する工程と、
陰極を形成する工程とを含み、
前記電子注入層を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜し、成膜した薄膜を加熱した後に、当該薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管し、その後、前記薄膜をふたたび加熱する、有機EL素子の製造方法に関する。
また本発明は、前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱のうち、少なくとも1回の加熱を、窒素の体積比が90%以下の雰囲気中でおこなう、有機EL素子の製造方法に関する。
また本発明は、前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱のうち、少なくとも1回の加熱を、窒素の体積比が90%以下、かつ酸素の体積比が10%〜30%の雰囲気中でおこなう、有機EL素子の製造方法に関する。
また本発明は、前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱を、窒素の体積比が90%以下、かつ酸素の体積比が10%〜30%の雰囲気中でおこなう、有機EL素子の製造方法に関する。
また本発明は、前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管を、窒素の体積比が90%以下の雰囲気中でおこなう、有機EL素子の製造方法に関する。
本発明によれば、電子注入層が形成された形成途中の有機EL素子を保管した後にふたたび電子注入層を加熱することによって、最終的に作製される有機EL素子の素子寿命の低下を抑制することができる。
本実施形態の有機EL素子の構成を模式的に示す図である。
本発明の有機EL素子の製造方法は、陽極、発光層、電子注入層、および陰極がこの順に積層された構成の有機EL素子の製造方法であって、陽極を形成する工程と、発光層を形成する工程と、電子注入層を形成する工程と、陰極を形成する工程とを含み、前記電子注入層を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜し、成膜した薄膜を加熱した後に、当該薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管し、その後、前記薄膜をふたたび加熱する、有機EL素子の製造方法である。
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、この電極間に設けられる発光層とを備え、本実施形態ではさらに発光層と陰極との間に電子注入層を備える。また有機EL素子は発光層および電子注入層に限らず、必要に応じて一対の電極間に所定の層を備えることがある。すなわち陽極、発光層、電子注入層、および陰極がこの順で積層された構成の有機EL素子は、これら各層が互いに接して配置されていてもよいが、各層の間に所定の層が介在していてもよい。この所定の層は、有機物からなる層、無機物からなる無機層、有機物と無機物とからなる層などによって構成される。
陽極と発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層などがあげられる。また発光層と陰極との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などがあげられる。
有機EL素子はたとえば各構成要素を支持基板に順次積層することによって形成される。その積層順はとくに限定されず、たとえば陽極を最初に積層し、さらに陰極まで各構成要素を順次積層する積層順、陰極を最初に積層し、さらに陽極まで各構成要素を順次積層する積層順で各層を積層することにより有機EL素子を形成することができる。すなわち本発明の有機EL素子の製造方法は、(1)陽極を形成する工程と、(2)発光層を形成する工程と、(3)電子注入層を形成する工程と、(4)陰極を形成する工程とを含むが、(1)〜(4)の工程において(1)の陽極を形成する工程から始めて、(1)から昇順に(4)まで各工程をおこなってもよく、逆に(4)の陰極を形成する工程から始めて、(4)から降順に(1)まで各工程をおこなってもよい。さらにはラミネート法によって有機EL素子を形成してもよい。具体的には有機EL素子を厚み方向に垂直な仮想平面で切断したときに、陽極から切断面までの層が形成された第1の部材をあらかじめ用意するとともに、陰極から切断面までの層が形成された第2の部材をあらかじめ用意し、これら第1の部材と第2の部材とを切断面で貼り合せることによって有機EL素子を形成してもよい。
図1は本実施形態の有機EL素子の構成を模式的に示す図である。図1に示す有機EL素子1は、陽極3、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子注入層7および陰極8から構成される。この有機EL素子1は、支持基板2上に、陽極3、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子注入層7および陰極8を順次積層することによって形成することができる。
以下、本実施形態の有機EL素子の製造方法について、図1に示す有機EL素子1の製造方法に則して説明する。
まず支持基板2を用意する。つぎに、この支持基板2上に、陽極3、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6を順次積層する。すなわちまず陽極を形成する工程において、陽極3を形成する。つぎにこの陽極3上に正孔注入層4、正孔輸送層5を順次積層する。さらに発光層を形成する工程において、発光層6を正孔輸送層5上に形成する。これらの各部材を構成する材料およびその形成方法については後述する。
つぎに電子注入層7を形成する。電子注入層7を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜し、成膜した薄膜を加熱した後に、当該薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管し、その後、前記薄膜をふたたび加熱する。
すなわち、まずイオン性ポリマーを含む塗布液を発光層6上に塗布成膜する。イオン性ポリマーおよびこれを溶解または分散する液体については後述する。
イオン性ポリマーを含む塗布液の塗布は、有機EL素子の形状や工程の簡易さなどを勘案して適宜公知の塗布法のなかから最適な塗布法を選択し、これを用いおこなうことができる。塗布法としてはたとえばスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法などを挙げることができる。
イオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜したのち、本実施形態ではこの成膜した薄膜を加熱する。これによって溶媒や分散媒が除去され、固化された薄膜が形成される。以下ではイオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜したのちに初めておこなう加熱を1回目の加熱と記載することがある。
一般的な有機EL素子の製造方法では、1回目の加熱をおこなった後に、つづいて、電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成するが、本実施形態では、1回目の加熱をおこなった後に、薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管する。たとえばロール・ツー・ロール法を用いて有機EL素子を作製する場合に、1回目の加熱をおこなった後に、つづいて、電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成するのではなく、1回目の加熱をおこなった後に、いったん巻き取りロールに形成途中の有機EL素子を巻き取って保管し、その後、さらにロール・ツー・ロール法によって電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成する場合がある。このように、1回目の加熱をおこなった後に、薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管する工程が設けられている有機EL素子の製造方法に、本発明は適用することができる。なお1回目の加熱をおこなった後に、形成途中の有機EL素子を所定の時間保管する工程を有する有機EL素子の製造方法は、ロール・ツー・ロール法を用いた有機EL素子の製造方法に限られるわけではない。
形成途中の有機EL素子の保管は、任意の雰囲気でおこなうことができ、たとえば真空雰囲気中、不活性ガス雰囲気中においておこなうことができる。
真空雰囲気中で保管する場合は、その圧力は通常0.01Pa以下であり、0.001Pa以下が好ましい。なお圧力の下限はとくに設定する必要はないが、工程の簡易さなどを勘案して設定され、たとば0.00001Paである。
また不活性ガス雰囲気中で保管する場合は、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどをあげることができる。
このように真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で形成途中の有機EL素子を保管した場合、保管中に生じる薄膜の劣化を抑制することができる。
なお真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で形成途中の有機EL素子を保管する場合、保管のために使用される装置が複雑化し、ひいては有機EL素子の製造工程が複雑化することから、製造工程の簡易化の観点からは、形成途中の有機EL素子の保管は、窒素の体積比が90%以下の雰囲気中でおこなうことが好ましい。
また製造工程の簡易化の観点からは、形成途中の有機EL素子の保管は、窒素の体積比が60%〜90%、酸素の体積比が10%〜40%、水蒸気の体積比が0.0001%〜0.01%、圧力が10kPa〜1000kPa、温度が5℃〜100℃の雰囲気中でおこなうことが好ましく、さらには窒素の体積比が70%〜90%、酸素の体積比が10%〜30%、水蒸気の体積比が0.002%〜0.005%、圧力が80kPa〜120kPa、温度が20℃〜30℃の雰囲気中でおこなうことが好ましい。なお、形成途中の有機EL素子の保管は、2回目の加熱の温度よりも低い温度で保管することが好ましい。
とくに製造工程の簡易化の観点からは、形成途中の有機EL素子の保管は、大気中でおこなうことが好ましい。
また形成途中の有機EL素子を保管する時間は、工程および薄膜の劣化の程度などを勘案しいて設定され、たとえば10分〜60分であり、5分〜20分が好ましい。
以上のような条件で形成途中の有機EL素子を保管した場合、真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で保管した場合に比べて、保管中に生じる薄膜の劣化が促進されることもありうるが、後述する2回目の加熱によって、たとえ保管中に薄膜が劣化されたとしても、最終的に作製される有機EL素子の素子寿命の低下を抑制することができる。
形成途中の有機EL素子を保管した後に、本実施形態では、薄膜をふたたび加熱する。
以下では、有機EL素子を保管した後に初めておこなう加熱を2回目の加熱と記載することがある。
このように2回目の加熱をおこなうことによって、保管後に2回目の加熱をおこなうことなく陰極を形成した場合に比べて、有機EL素子の素子寿命を向上することができる。
1回目の加熱および2回目の加熱のさいの加熱温度は、加熱時間にもよるが50℃〜250℃程度であり、60℃〜200℃が好ましい。また加熱時間は、加熱温度にもよるが、5分〜120分程度であり、10分〜60分が好ましい。
1回目及び/又は2回目の加熱は任意の雰囲気でおこなうことができ、たとえば真空雰囲気中、不活性ガス雰囲気中においておこなうことができる。
真空雰囲気中で加熱する場合は、その圧力は通常0.01Pa以下であり、0.001Pa以下が好ましい。なお圧力の下限はとくに設定する必要はないが、工程の簡易さなどを勘案して設定され、たとえば10−5Paである。
また不活性ガス雰囲気中で加熱する場合は、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどをあげることができる。
なお真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で1回目及び/又は2回目の加熱をおこなう場合、加熱のために使用される装置が複雑化し、ひいては有機EL素子の製造工程が複雑化することから、製造工程の簡易化の観点からは、電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱のうち、少なくとも1回の加熱を、窒素の体積比が90%以下の雰囲気中でおこなうことが好ましい。
また前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱のうち、少なくとも1回の加熱を、窒素の体積比が90%以下、かつ酸素の体積比が10%〜30%の雰囲気中でおこなうことが好ましい。
また製造工程の簡易化の観点からは、1回目及び/又は2回目の加熱は、窒素の体積比が60%〜90%、酸素の体積比が10%〜30%、水蒸気の体積比が0.0001%〜0.01%、10kPa〜1000kPa、温度が60℃〜200℃雰囲気中でおこなうことが好ましく、さらには窒素の体積比が70%〜90%、酸素の体積比が10%〜30%、水蒸気の体積比が0.002%〜0.005%、圧力が80kPa〜120kPa、温度が50℃〜250℃の雰囲気中でおこなうことが好ましく、さらには製造工程の簡易化の観点からは、1回目および2回目の加熱の両方を、これらの条件でおこなうことが好ましい。
さらに製造工程の簡易化の観点からは、1回目及び/又は2回目の加熱は、大気雰囲気中でおこなうことが好ましく、さらには1回目及び2回目の加熱の両方を大気雰囲気中でおこなうことが好ましい。
素子寿命の観点からは薄膜の加熱は不活性ガス雰囲気中でおこなう方が好ましいと考えられてきたが、イオン性ポリマーを含む電子注入層を形成する場合には、以下の実施例からも示されるように、たとえ大気中で薄膜を加熱したとしても、2回目の加熱をおこなう限り、不活性ガス雰囲気中で薄膜を加熱した場合と同程度の素子寿命を達成することができる。
2回目の加熱をおこなったのち、本実施形態では陰極を形成する工程において、陰極8を電子注入層7上に形成する。2回目の加熱をおこなったのちに、電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成する工程は、2回目の加熱をおこなったのち、可及的速やかにおこなうことが好ましく、2回目の加熱をおこなったのち、電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成する工程を開始するまでの時間はたとえば60分以下であり、10分以下が好ましく、5分以下がさらに好ましい。
なお2回目の加熱をおこなったのちに、電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成するまでに長い時間が経過した場合には、さらに3回目の加熱をおこなったのちに、可及的速やかに電子注入層7を覆う層(本実施形態では陰極8)を形成することが好ましい。
以上のように有機EL素子の各構成要素を順次積層することによって有機EL素子を形成することができる。
なお有機EL素子は形成された後に通常は封止される。たとえば有機EL素子1を介して、支持基板2と封止部材とを所定の接着剤によって貼合することによって封止をおこなうことができる。この封止は、たとえば形成途中の有機EL素子を保管するさいの雰囲気中でおこなうことができる。
本発明の有機EL素子の製造方法は、たとえば枚葉式で所定の支持基板上に1または複数の有機EL素子を形成する方法、ロール・ツー・ロール法によって所定の支持基板上に1または複数の有機EL素子を形成する方法、またはロール・ツー・ロール法によって一部の層を支持基板上に形成したのちに、支持基板を裁断して枚葉式で残部の層を形成する方法に適用することができ、さらにはこれらを用いたラミネート法に適用することもできる。
以下では有機EL素子の層構成、各層の材料および各層の形成方法について説明する。
前述したように陽極および陰極の間には発光層および電子注入層のみならず、発光層および電子注入層とは異なる所定の層がさらに設けられることがある。陰極と発光層との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極と発光層との間に電子注入層を正孔輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する。電子輸送層は陰極側の表面に接する層からの電子注入を改善する機能を有する。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
陽極と発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層などを挙げることができる。陽極と発光層との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方の層が設けられる場合、陽極に接する層を正孔注入層といい、この正孔注入層を除く層を正孔輸送層という。
正孔注入層は陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する。正孔輸送層は陽極側の表面に接する層からの正孔注入を改善する機能を有する。電子ブロック層は電子の輸送を堰き止める機能を有する。なお正孔注入層及び/又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。
なお電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層ということがあり、電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層ということがある。
本実施形態の有機EL素子のとりうる層構成の一例を以下に示す。
a)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
c)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/発光層/電子注入層/陰極
f)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
以下同じ。)
本実施形態の有機EL素子は2層以上の発光層を有していてもよい。上記a)〜f)の層構成のうちのいずれか1つにおいて、陽極と陰極とに挟持された積層体を「構成単位A」とすると、2層の発光層を有する有機EL素子の構成として、下記g)に示す層構成をあげることができる。なお2つある(構成単位A)の層構成は互いに同じでも、異なっていてもよい。
g)陽極/(構成単位A)/電荷発生層/(構成単位A)/陰極
また「(構成単位A)/電荷発生層」を「構成単位B」とすると、3層以上の発光層を有する有機EL素子の構成として、下記f)に示す層構成を挙げることができる。
h)陽極/(構成単位B)x/(構成単位A)/陰極
なお記号「x」は2以上の整数を表し、(構成単位B)xは、構成単位Bがx段積層された積層体を表す。また複数ある(構成単位B)の層構成は同じでもそれぞれ異なっていてもよい。
ここで電荷発生層とは電界を印加することにより正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としてはたとえば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
なお有機EL素子は、素子を気密に封止するための封止膜および封止板などの封止部材で覆われていてもよい。
有機EL素子には、(1)ボトムエミッション型の構成のものと、(2)トップエミッション型の構成のものと、(3)両面発光型の構成のものとがある。ボトムエミッション型の有機EL素子は支持基板を通して光を外界に出射し、トップエミッション型の有機EL素子は、支持基板とは反対側から光を外界に出射し、両面発光型の有機EL素子は、支持基板側および支持基板とは反対側の両方から光を外界に出射する。本発明はボトムエミッション型、トップエミッション型、および両面発光型の有機EL素子のいずれであっても適用することができる。
ボトムエミッション型の有機EL素子では、陽極および陰極のうちの支持基板寄りに配置される電極を通って光が外界に出射するため、支持基板寄りに配置される電極は光透過性を示す電極によって構成され、逆に支持基板から離間して配置される電極は通常光を反射する電極によって構成される。またトップエミッション型の有機EL素子では陽極および陰極のうちの支持基板から離間して配置される電極を通って光が外界に出射するため、支持基板から離間して配置される電極が光透過性を示す電極によって構成され、逆に支持基板寄りに配置される電極は通常光を反射する電極によって構成される。また両面発光型の有機EL素子では、陽極および陰極の両方の電極が、光透過性を示す電極によって構成される。
<支持基板>
支持基板は有機EL素子を製造する工程において化学的に変化しないものが好適に用いられ、たとえばガラス、プラスチック、高分子フィルム、およびシリコン板、並びにこれらを積層したものなどが用いられる。なお有機EL素子を駆動する駆動回路が予め形成されている駆動用基板を支持基板として用いてもよい。支持基板を通して光が出射する構成のボトムエミッション型または両面発光型の有機EL素子を支持基板に搭載する場合、支持基板には光透過性を示す基板が用いられる。
<陽極>
発光層から放射される光が陽極を通って外に出射する構成の有機EL素子の場合、陽極には光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、金属酸化物、金属硫化物および金属などの薄膜を用いることができ、電気伝導度および光透過率の高いものが好適に用いられる。具体的には酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、および銅などから成る薄膜が用いられ、これらの中でもITO、IZO、または酸化スズから成る薄膜が好適に用いられる。陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などを挙げることができる。また該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。有機の透明導電膜は、ポリチオフェンなどの有機導電材料を塗布法により作製することができる。
陽極の膜厚は、要求される特性および工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
<正孔注入層>
正孔注入層を構成する正孔注入材料としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウムおよび酸化アルミニウムなどの金属酸化物や、フェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、フタロシアニン系、アモルファスカーボン、ポリアニリンおよびポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層の成膜方法としては、たとえば正孔注入材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。たとえば所定の塗布法によって正孔注入材料を含む溶液を塗布成膜し、さらにこれを固化することによって正孔注入層を形成することができる。塗布膜の固化は、自然乾燥、加熱乾燥、真空乾燥などによっておこなうことができ、さらには所定の光を照射することによってもおこなうことができる。
溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒、および水を挙げることができる。
正孔注入層の膜厚は、求められる特性および工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<正孔輸送層>
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらのなかで正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などの高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、たとえば正孔輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。たとえば所定の塗布法によって正孔輸送材料を含む溶液を塗布成膜し、さらにこれを固化することによって正孔輸送層を形成することができる。低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーをさらに混合した溶液を用いて成膜してもよい。
溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、たとえばクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒などを挙げることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収の弱いものが好適に用いられ、たとえばポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどを挙げることができる。
正孔輸送層の膜厚は、要求される特性および工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<発光層>
発光層は、通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、または該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。たとえば発光効率の向上や、発光波長を変化させるためにドーパントは加えられる。なお発光層に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。低分子化合物よりも溶媒への溶解性が一般的に高い高分子化合物は塗布法に好適に用いられるため、発光層は高分子化合物を含むことが好ましく、高分子化合物としてポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10の化合物を含むことが好ましい。発光層を構成する発光材料としては、たとえば以下の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料を挙げることができる。
(色素系材料)
色素系材料としては、たとえば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などを挙げることができる。
(金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、たとえばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を挙げることができ、たとえばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などを挙げることができる。
(高分子系材料)
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素系材料や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどを挙げることができる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、たとえばペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約2nm〜200nmである。
発光層は、たとえば溶液からの成膜によって形成される。発光層は、たとえば発光材料を含む溶液を所定の塗布法によって塗布し、さらにこれを固化することによって形成される。溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前述の溶液から正孔注入層を成膜するさいに用いられる溶媒と同様の溶媒を挙げることができる。
<電子輸送層>
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
電子輸送層の成膜法としては、たとえば蒸着法および溶液からの成膜法などをあげることができる。なお溶液から成膜する場合には高分子バインダーを併用してもよい。
電子輸送層の膜厚は、要求される特性および工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<電子注入層>
電子注入層はイオン性ポリマーを含んで構成される。電子注入層を構成するイオン性ポリマーとしては、例えば、下記式(1)で表される基及び下記式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基を含む構造単位を有する重合体が挙げられる。イオン性ポリマーの一形態としては、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基を含む構造単位を、全構造単位中、15〜100モル%有する重合体が挙げられる。
−(Q1n1−Y1(M1)a1(Z1)b1 (1)
(式(1)中、Q1は2価の有機基を表し、Y1は、−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -、−PO3 2-又は−B(R を表し、M1は金属カチオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムカチオンを表し、Z1はF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RaSO3 -、RaCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -を表し、n1は0以上の整数を表し、a1は1以上の整数を表し、b1は0以上の整数を表し、ただし、a1及びb1は、式(1)で表される基の電荷が0となるように選択され、Raは置換基を有し若しくは有さない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有さない炭素原子数6〜50のアリール基を表し、Q1、M及びZのおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
−(Q2n2−Y2(M2)a2(Z2)b2 (2)
(式(2)中、
2は2価の有機基を表し、
2はカルボカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニルカチオン又はスルホニルカチオン又はヨードニウムカチオンを表し、M2はF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RbSO3 -、RbCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -を表し、Z2は金属カチオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムカチオンを表し、n2は0以上の整数を表し、a2は1以上の整数を表し、b2は0以上の整数を表し、ただし、a2及びb2は、式(2)で表される基の電荷が0となるように選択され、Rbは置換基を有し若しくは有さない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有さない炭素原子数6〜50のアリール基を表し、Q2、M2及びZ2のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
本発明で用いられるイオン性ポリマーの一形態としては、さらに下記式(3)で表される基を有する重合体が挙げられる。イオン性ポリマーが式(3)で表される基を有する場合、式(3)で表される基は、イオン性ポリマーの構造単位中に含まれていてもよく、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる一種以上の基を含む構造単位と同一の構造単位内に含まれていてもよいし、異なる他の構造単位内に含まれていてもよい。さらに、イオン性ポリマーの一形態としては、式(1)で表される基、式(2)で表される基、及び式(3)で表される基のうち少なくとも1種を含む構造単位を、全構造単位中、15〜100モル%有する重合体が挙げられる。
−(Qn3−Y3 (3)
(式(3)中、
は2価の有機基を表し、Y3は−CN又は式(4)〜(12)のいずれかで表される基を表し、n3は0以上の整数を表す。
−O−(R’O)a3−R’’ (4)
Figure 2012190788
−S−(R’S)a4−R’’ (6)
−C(=O)−(R’−C(=O))a4−R’’ (7)
−C(=S)−(R’−C(=S))a4−R’’ (8)
−N{(R’)a4R’’}2 (9)
−C(=O)O−(R’−C(=O)O)a4−R’’ (10)
−C(=O)O−(R’O)a4−R’’ (11)
−NHC(=O)−(R’NHC(=O))a4−R’’ (12)
(式(4)〜(12)中、R’は置換基を有し又は有さない2価の炭化水素基を表し、R’’は水素原子、置換基を有し若しくは有さない1価の炭化水素基、−COOH、−SO3H、−OH、−SH、−NRc 2、−CN又は−C(=O)NRc 2を表し、R’’’は置換基を有し若しくは有さない3価の炭化水素基を表し、a3は1以上の整数を表し、a4は0以上の整数を表し、Rcは置換基を有し若しくは有さない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有さない炭素原子数6〜50のアリール基を表し、R’、R’’及びR’’’のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)) イオン性ポリマーは、式(13)で表される構造単位、式(15)で表される構造単位、式(17)で表される構造単位及び式(20)で表される構造単位からなる群から選ばれる1種以上の構造単位を、全構造単位中、15〜100モル%含むことが好ましい。
Figure 2012190788
(式(13)中、Rは式(14)で表される基を含む1価の基であり、Ar1はR1以外の置換基を有し又は有さない(2+n4)価の芳香族基を表し、n4は1以上の整数を表し、R1は複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012190788
(式(14)中、R2は(1+m1+m2)価の有機基を表し、Q1、Q3、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3は前述と同じ意味を表し、m1及びm2はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Q1、Q3、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。))
Figure 2012190788
(式(15)中、R3は式(16)で表される基を含む1価の基であり、Ar2はR3以外の置換基を有し又は有さない(2+n5)価の芳香族基を表し、n5は1以上の整数を表し、R3は複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012190788
(式(16)中、R4は(1+m3+m4)価の有機基を表し、Q2、Q3、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3は前述と同じ意味を表し、m3及びm4はそれぞれ独立に1以上の整数を表す。Q2、Q3、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。))
Figure 2012190788
(式(17)中、R5は式(18)で表される基を含む1価の基であり、R6は式(19)で表される基を含む1価の基であり、Ar3はR5及びR6以外の置換基を有し又は有さない(2+n6+n7)価の芳香族基を表し、n6及びn7はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R5及びR6のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。

−R7−{(Q1n1−Y1(M1)a1(Z1)b1}m5 (18)
(式(18)中、R7は直接結合又は(1+m5)価の有機基を表し、Q1、Y、M1、Z1、n1、a1及びb1は前述と同じ意味を表し、m5は1以上の整数を表し、Q1、Y、M1、Z1、n1、a1及びb1のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)

−R8−{(Qn3−Y3m6 (19)
(式(19)中、R8は単結合又は(1+m6)価の有機基を表し、Y3及びn3は前述と同じ意味を表し、m6は1以上の整数を表し、ただし、R8が単結合のときm6は1を表し、Q、Y3及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。))
Figure 2012190788
(式(20)中、R9は式(21)で表される基を含む1価の基であり、R10は式(22)で表される基を含む1価の基であり、Ar4はR9及びR10以外の置換基を有し又は有さない(2+n8+n9)価の芳香族基を表し、n8及びn9はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R9及びR10のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。

−R11−{(Q2n2−Y2(M2)a2(Z2)b2}m7 (21)
(式(21)中、R11は単結合又は(1+m7)価の有機基を表し、Q2、Y2、M2、Z2、n2、a2及びb2は前述と同じ意味を表し、m7は1以上の整数を表し、ただし、R11が単結合のときm7は1を表し、Q2、Y2、M2、Z2、n2、a2及びb2のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
−R12−{(Qn3−Y3}m8 (22)
(式(22)中、R12は単結合又は(1+m8)価の有機基を表し、Y3及びn3は前述と同じ意味を表し、m8は1以上の整数を表し、ただし、R12が単結合のときm8は1を表し、Q、Y3及びn3、のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。))
前記イオン性ポリマー中の構造単位は、式(1)で表される基を2種類以上含んでいてもよく、式(2)で表される基を2種類以上含んでいてもよく、式(3)で表される基を2種類以上含んでいてもよい。
−式(1)で表される基−
式(1)中、Q1で表される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基、1,12−ドデシレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50の2価の飽和炭化水素基;エテニレン基、プロペニレン基、3−ブテニレン基、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、2−ヘキセニレン基、2−ノネニレン基、2−ドデセニレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数2〜50のアルケニレン基、及び、エチニレン基を含む、置換基を有し又は有さない炭素原子数2〜50の2価の不飽和炭化水素基;シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数3〜50の2価の環状飽和炭化水素基;1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ビフェニル−4,4'−ジイル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜50のアリーレン基;メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルキレンオキシ基;炭素原子を含む置換基を有するイミノ基;炭素原子を含む置換基を有するシリレン基が挙げられ、イオン性ポリマーの原料となるモノマー(以下、「原料モノマー」と言う。)の合成の容易さの観点からは、2価の飽和炭化水素基、アリーレン基、アルキレンオキシ基が好ましい。
前記置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基及びニトロ基等が挙げられ、前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。これらのうち、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及びニトロ基以外の置換基は炭素原子を含む。
以下、置換基について説明する。なお、「C〜C」(m、nはm<nを満たす正の整数である)という用語は、この用語とともに記載された有機基の炭素原子数がm〜nであることを表す。例えば、C〜Cアルキル基であれば、アルキル基の炭素原子数がm〜nであることを表し、C〜Cアルキルアリール基であれば、アルキル基の炭素原子数がm〜nであることを表し、アリール−C〜Cアルキル基であれば、アルキル基の炭素原子数がm〜nであることを表す。
アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基でもよい。アルキル基の炭素原子数は通常1〜20であり、1〜10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基等が挙げられる。前記アルキル基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当するフッ素原子置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。なお、C1〜C12アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルオキシ基であってもよく、置換基を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は通常1〜20であり、1〜10が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当するフッ素原子置換アルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基等が挙げられる。また、該アルコキシ基には、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基も含まれる。なお、C1〜C12アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルチオ基であってもよく、置換基を有していてもよい。アルキルチオ基の炭素原子数は通常1〜20であり、1〜10が好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基等が挙げられる。前記アルキルチオ基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当するフッ素原子置換アルキルチオ基としては、トリフルオロメチルチオ基等が挙げられる。
アリール基は、芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団であり、ベンゼン環を持つ基、縮合環を持つ基、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が単結合又は2価の有機基、例えば、ビニレン基等のアルケニレン基を介して結合した基も含まれる。アリール基は、炭素原子数が通常6〜60であり、7〜48であることが好ましい。アリール基としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基等が挙げられる。前記アリール基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当するフッ素原子置換アリール基としては、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アリール基の中では、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
前記アリール基のうち、C1〜C12アルコキシフェニル基としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、イソプロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、s−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、ノニルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、ラウリルオキシフェニル基等が挙げられる。
前記アリール基のうち、C1〜C12アルキルフェニル基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基等が挙げられる。
アリールオキシ基は、炭素原子数が通常6〜60であり、7〜48であることが好ましい。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の中では、C1〜C12アルコキシフェノキシ基及びC1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
前記アリールオキシ基のうち、C1〜C12アルコキシフェノキシ基としては、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロピルオキシフェノキシ基、イソプロピルオキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基、イソブトキシフェノキシ基、s−ブトキシフェノキシ基、t−ブトキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基、シクロヘキシルオキシフェノキシ基、ヘプチルオキシフェノキシ基、オクチルオキシフェノキシ基、2−エチルヘキシルオキシフェノキシ基、ノニルオキシフェノキシ基、デシルオキシフェノキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェノキシ基、ラウリルオキシフェノキシ基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基のうち、C1〜C12アルキルフェノキシ基としては、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、s−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基等が挙げられる。
アリールチオ基は、例えば、前述のアリール基に硫黄元素が結合した基である。アリールチオ基は、前記アリール基の芳香環上に置換基を有していてもよい。アリールチオ基は、炭素原子数が通常6〜60であり、6〜30であることが好ましい。アリールチオ基としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等が挙げられる。
アリールアルキル基は、例えば、前述のアリール基に前述のアルキル基が結合した基である。アリールアルキル基は、置換基を有していてもよい。アリールアルキル基は、炭素原子数が通常7〜60であり、7〜30であることが好ましい。アリールアルキル基としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基等が挙げられる。
アリールアルコキシ基は、例えば、前述のアリール基に前述のアルコキシ基が結合した基である。アリールアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールアルコキシ基は、炭素原子数が通常7〜60であり、7〜30であることが好ましい。アリールアルコキシ基としては、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基等が挙げられる。
アリールアルキルチオ基は、例えば、前述のアリール基に前述のアルキルチオ基が結合した基である。アリールアルキルチオ基は、置換基を有していてもよい。アリールアルキルチオ基は、炭素原子数が通常7〜60であり、7〜30であることが好ましい。アリールアルキルチオ基としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基等が挙げられる。
アリールアルケニル基は、例えば、前述のアリール基にアルケニル基が結合した基である。アリールアルケニル基は、炭素原子数が通常8〜60であり、8〜30であることが好ましい。アリールアルケニル基としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基が好ましい。なお、C2〜C12アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基が挙げられる。
アリールアルキニル基は、例えば、前述のアリール基にアルキニル基が結合した基である。アリールアルキニル基は、炭素原子数が通常8〜60であり、8〜30であることが好ましい。アリールアルキニル基としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。なお、C2〜C12アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、1−オクチニル基が挙げられる。
置換アミノ基としては、アミノ基の中の少なくとも1個の水素原子が、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選択される1又は2個の基によって置換されたアミノ基が好ましい。該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素原子数は、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基が有していてもよい置換基の炭素原子数を含めないで通常1〜60であり、2〜48が好ましい。置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基、(フェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基等が挙げられる。
置換シリル基としては、シリル基の中の少なくとも1個の水素原子が、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選択される1〜3個の基によって置換されたシリル基が挙げられる。該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換シリル基の炭素原子数は、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基が有していてもよい置換基の炭素原子数を含めないで通常1〜60であり、3〜48が好ましい。なお、置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、イソプロピルジエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチルジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、(フェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(1−ナフチル−C1〜C12アルキル)シリル基、(2−ナフチル−C1〜C12アルキル)シリル基、(フェニル−C1〜C12アルキル)ジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ(p−キシリル)シリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アシル基は、炭素原子数が通常2〜20であり、2〜18であることが好ましい。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
アシルオキシ基は、炭素原子数が通常2〜20であり、2〜18であることが好ましい。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
イミン残基は、式:H−N=C<及び式:−N=CH−の少なくとも一方で表される構造を有するイミン化合物から、この構造中の水素原子1個を除いた残基を意味する。このようなイミン化合物としては、例えば、アルジミン、ケチミン及びアルジミン中の窒素原子に結合した水素原子がアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基等で置換された化合物が挙げられる。イミン残基の炭素原子数は、通常2〜20であり、2〜18が好ましい。イミン残基としては、例えば、一般式:−CRβ=N−Rγ又は一般式:−N=C(Rγ(式中、Rβは水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、又はアリールアルキニル基を表し、Rγは独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、又はアリールアルキニル基を表し、ただし、Rγが2個存在する場合、2個のRγは相互に結合し一体となって2価の基、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素原子数2〜18のアルキレン基として環を形成してもよい。)で表される基が挙げられる。イミン残基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012190788
(式中、Meはメチル基を示し、以下、同様である。)
アミド基は、炭素原子数が通常1〜20であり、2〜18であることが好ましい。アミド基としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基等が挙げられる。
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基であり、炭素原子数が通常4〜20であり、4〜18であることが好ましい。酸イミド基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012190788
1価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいう。
ここで、複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含む有機化合物をいう。1価の複素環基は置換基を有していてもよい。1価の複素環基は、炭素原子数が通常3〜60であり、3〜20が好ましい。なお、1価の複素環基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まないものとする。このような1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基が挙げられ、中でも、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基及びC1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。なお、1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。
置換カルボキシル基とは、カルボキシル基中の水素原子が、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換された基、すなわち、式:−C(=O)OR*(式中、Rはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基)で表される基である。置換オキシカルボニル基は、炭素原子数が通常2〜60であり、2〜48であることが好ましい。前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。なお、上記炭素原子数には、前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基が有していてもよい置換基の炭素原子数は含まないものとする。置換カルボキシル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
式(1)中、Y1は、−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -、−PO3 -、又は−B(R 等の1価の基を表し、Y1としては、イオン性ポリマーの酸性度の観点からは−CO2 -、−SO2 -、−PO3 -が好ましく、−CO2 -がより好ましく、イオン性ポリマーの安定性の観点からは、−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -又は−PO3 -が好ましい。
式(1)中、M1は金属カチオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムカチオンを表す。金属カチオンとしては、1価、2価又は3価のイオンが好ましく、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Ba、Ag、Al、Bi、Cu、Fe、Ga、Mn、Pb、Sn、Ti、V、W、Y、Yb、Zn、Zr等のイオンが挙げられ、Li+、Na+、K+、Cs+、Ag+、Mg2+、Ca2+が好ましい。また、アンモニウムイオンが有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
式(1)中、Z1はF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RaSO3 -、RaCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -を表す。
式(1)中、n1は0以上の整数を表し、原料モノマーの合成の観点から、好ましくは0から8の整数であり、より好ましくは0から2の整数である。
式(1)中、a1は1以上の整数を表し、b1は0以上の整数を表す。
a1及びb1は、式(1)で表される基の電荷が0となるように選択される。例えば、Yが−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -、−PO3 -、又は−B(R であり、Mが1価の金属カチオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムカチオンであり、ZがF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RaSO3 -、RaCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、HSO4 -、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -である場合は、a1=b1+1を満たすように選択される。Y1が−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -、−PO3 -、又は−B(R −-であり、M1が2価の金属カチオンであり、Z1がF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RaSO3 -、RaCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、HSO4 -、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -である場合は、b1=2×a1−1を満たすように選択される。Y1が−CO2 -、−SO3 -、−SO2 -、−PO3 -、又は−B(R であり、M1が3価の金属カチオンであり
、Z1がF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RaSO3 -、RaCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、HSO4 -、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -である場合は、b1=3×a1−1を満たすように選択される。Y1が−CO2 -、−SO
3 -、−SO2 -、−PO3 -、又は−B(R であり、M1が1価の金属カチオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムカチオンであり、Z1がSO4 2−又はHPO4 2−である場合には、a1=2×b1+1を満たすように選択される。a1とb1との関係を表す上記のいずれの数式においても、a1は好ましくは1から5の整数であり、より好ましくは1又は2である。
aは置換基を有し若しくは有さない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有さない炭素原子数6〜50のアリール基を表すが、これらの基が有していてもよい置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。Raとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基等の炭素原子数6〜30のアリール基等が挙げられる。
前記式(1)で表される基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2012190788
−式(2)で表される基−
式(2)中、Q2で表される2価の有機基としては、前述のQで表される2価の有機基について例示したものと同様の基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、2価の飽和炭化水素基、アリーレン基、アルキレンオキシ基が好ましい。
前記Q2で表される2価の有機基の例として挙げた基は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、Y2はカルボカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニルカチオン、スルホニルカチオン、又はヨードニウムカチオンを表す。
カルボカチオンとしては、例えば、
−C
(式中、Rは、同一又は相異なり、アルキル基又はアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
アンモニウムカチオンとしては、例えば、
−N
(式中、Rは、同一又は相異なり、アルキル基又はアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
ホスホニルカチオンとしては、例えば、
−P
(式中、Rは、同一又は相異なり、アルキル基又はアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
スルホニルカチオンとしては、例えば、
−S
(式中、Rは、同一又は相異なり、アルキル基又はアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
ヨードニウムカチオンとしては、例えば、
−I
(式中、Rは、同一又は相異なり、アルキル基又はアリール基を表す。)で表される基が挙げられる。
式(2)中、Y2は、原料モノマーの合成の容易さ並びに原料モノマー及びイオン性ポリマーの空気、湿気又は熱に対する安定性の観点からは、カルボカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニルカチオン、スルホニルカチオンが好ましく、アンモニウムカチオンがより好ましい。
式(2)中、Z2は金属カチオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムカチオンを表す。金属カチオンとしては、1価、2価又は3価のイオンが好ましく、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Ba、Ag、Al、Bi、Cu、Fe、Ga、Mn、Pb、Sn、Ti、V、W、Y、Yb、Zn、Zr等のイオンが挙げられる。また、アンモニウムカチオンが有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
式(2)中、M2はF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RbSO3 -、RbCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -を表す。
式(2)中、n2は0以上の整数を表し、好ましくは0から6の整数であり、より好ましくは0から2の整数である。
式(2)中、a2は1以上の整数を表し、b2は、0以上の整数を表す。
a2及びb2は、式(2)で表される基の電荷が0となるように選択される。例えば、M2がF-、Cl-、Br-、I-、OH-、RbSO3 -、RbCOO-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、HSO4 -、H2PO4 -、BF4 -又はPF6 -である場合、Z2が1価の金属イオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムイオンであれば、a2=b2+1を満たすように選択され、Z2が2価の金属イオンであれば、a2=2×b2+1を満たすように選択され、Z2が3価の金属イオンであれば、a2=3×b2+1を満たすように選択される。M2がSO4 2-、HPO4 2-である場合、Z2が1価の金属イオン又は置換基を有し若しくは有さないアンモニウムイオンであれば、b2=2×a2−1を満たすように選択され、Z2が3価の金属イオンであれば、2×a2=3×b2+1の関係を満たすように選択される。a2とb2との関係を表す上記のいずれの数式においても、a2は好ましくは1から3の整数であり、より好ましくは1又は2である。
bは置換基を有し若しくは有さない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有さない炭素原子数6〜50のアリール基を表すが、これらの基が有していてもよい置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。Rbとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基等の炭素原子数6〜30のアリール基等が挙げられる。
前記式(2)で表される基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
−式(3)で表される基−
式(3)中、Qで表される2価の有機基としては、前述のQで表される2価の有機基について例示したものと同様の基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、2価の飽和炭化水素基、アリーレン基、アルキレンオキシ基が好ましい。
前記Qで表される2価の有機基の例として挙げた基は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記Qで表される2価の有機基としては、−(CH)−で表される基であることが好ましい。
n3は0以上の整数を表し、好ましくは0から20の整数であり、より好ましくは0から8の整数である。
式(3)中、Y3は−CN又は式(4)〜(12)のいずれかで表される基を表す。
式(4)〜(12)中、R’で表される2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基、1,12−ドデシレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50の2価の飽和炭化水素基;エテニレン基、プロペニレン基、3−ブテニレン基、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、2−ヘキセニレン基、2−ノネニレン基、2−ドデセニレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数2〜50のアルケニレン基、及び、エチニレン基を含む、置換基を有し又は有さない炭素原子数2〜50の2価の不飽和炭化水素基;シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数3〜50の2価の環状飽和炭化水素基;1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ビフェニル−4,4’−ジイル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜50のアリーレン基;メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルキレンオキシ基等が挙げられる。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(4)〜(12)中、R’’で表される1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基等が挙げられる。イオン性ポリマーの溶解性の観点からは、メチル基、エチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。前記置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(5)中、R’’’で表される3価の炭化水素基としては、メタントリイル基、エタントリイル基、1,2,3−プロパントリイル基、1,2,4−ブタントリイル基、1,2,5−ペンタントリイル基、1,3,5−ペンタントリイル基、1,2,6−ヘキサントリイル基、1,3,6−ヘキサントリイル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキルトリイル基;1,2,3−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基等が挙げられる。イオン性ポリマーの溶解性の観点からは、メタントリイル基、エタントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基が好ましい。前記置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(4)〜(12)中、Rcとしては、イオン性ポリマーの溶解性の観点からは、メチル基、エチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい
式(4)及び式(5)中、a3は1以上の整数を表し、3〜10の整数が好ましい。式(6)〜(12)中、a4は0以上の整数を表す。式(6)においては、a4は、0〜30の整数が好ましく、3〜20の整数がより好ましい。式(7)〜(10)においては、a4は、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましい。式(11)においては、a4は、0〜20の整数が好ましく、3〜20の整数がより好ましい。式(12)においては、a4は、0〜20の整数が好ましく、0〜10の整数がより好ましい。
3としては、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、−CN、式(4)で表される基、式(6)で表される基、式(10)で表される基、式(11)で表される基が好ましく、式(4)で表される基、式(6)で表される基、式(11)で表される基がより好ましく、以下の基が特に好ましい。
Figure 2012190788
−イオン性ポリマー中の構造単位−
本発明に用いられるイオン性ポリマーは、前記式(13)で表される構造単位、前記式(15)で表される構造単位、前記式(17)で表される構造単位、前記式(20)で表される構造単位を有することが好ましく、前記構造単位を全構造単位中、15〜100モル%有するイオン性ポリマーであることがより好ましい。
・式(13)で表される構造単位
式(13)中、R1は式(14)で表される基を含む1価の基であり、Ar1はR1以外の置換基を有し又は有さない(2+n4)価の芳香族基を表し、n4は1以上の整数を表す。
式(14)で表される基は、Arに直接結合していてもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、ドデシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルキレン基;オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシノニレン基、オキシドデシレン基、シクロプロピレンオキシ基、シクロブチレンオキシ基、シクロペンチレンオキシ基、シクロへキシレンオキシ基、シクロノニレンオキシ基、シクロドデシレンオキシ基、ノルボニレンオキシ基、アダマンチレンオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のオキシアルキレン基;置換基を有し又は有さないイミノ基;置換基を有し又は有さないシリレン基;置換基を有し又は有さないエテニレン基;エチニレン基;置換基を有し又は有さないメタントリイル基;酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を介してArに結合していてもよい。
前記ArはR1以外の置換基を有していてもよい。当該置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記Ar1が有するR1以外の置換基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシル基又は置換カルボキシル基であることが好ましい。
式(13)中、n4は1以上の整数を表し、好ましくは1から4の整数であり、より好ましくは1から3の整数である。
式(13)中のAr1で表される(2+n4)価の芳香族基としては、(2+n4)価の芳香族炭化水素基、(2+n4)価の芳香族複素環基が挙げられ、炭素原子のみ、又は、炭素原子と、水素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1つ以上の原子とからなる(2+n4)価の芳香族基が好ましい。該(2+n4)価の芳香族基としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、アザジアゾール環等の単環式芳香環から水素原子を(2+n4)個除いた(2+n4)価の基;該単環式芳香環からなる群から選ばれる二つ以上の環が縮合した縮合多環式芳香環から水素原子を(2+n4)個除いた(2+n4)価の基;該単環式芳香環及び該縮合多環式芳香環からなる群より選ばれる二つ以上の芳香環を、単結合、エテニレン基又はエチニレン基で連結してなる芳香環集合から水素原子を(2+n4)個除いた(2+n4)価の基;該縮合多環式芳香環又は該芳香環集合の隣り合う2つの芳香環をメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした架橋を有する有橋多環式芳香環から水素原子を(2+n4)個除いた(2+n4)価の基等が挙げられる。
単環式芳香環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
縮合多環式芳香環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
芳香環集合としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
有橋多環式芳香環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
前記(2+n4)価の芳香族基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、式1〜14、26〜29、37〜39又は41で表される環から水素原子を(2+n4)個除いた基が好ましく、式1〜6、8、13、26、27、37又は41で表される環から水素原子を(2+n4)個除いた基がより好ましく、式1、37又は41で表される環から水素原子を(2+n4)個除いた基がさらに好ましい。
式(14)中、R2で表される(1+m1+m2)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m1+m2)個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
・式(15)で表される構造単位
式(15)中、R3は式(16)で表される基を含む1価の基であり、Ar2はR3以外の置換基を有し又は有さない(2+n5)価の芳香族基を表し、n5は1以上の整数を表す。
式(16)で表される基は、Ar2に直接結合していてもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、ドデシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルキレン基;オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシノニレン基、オキシドデシレン基、シクロプロピレンオキシ基、シクロブチレンオキシ基、シクロペンチレンオキシ基、シクロへキシレンオキシ基、シクロノニレンオキシ基、シクロドデシレンオキシ基、ノルボニレンオキシ基、アダマンチレンオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のオキシアルキレン基;置換基を有し又は有さないイミノ基;置換基を有し又は有さないシリレン基;置換基を有し又は有さないエテニレン基;エチニレン基;置換基を有し又は有さないメタントリイル基;酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を介してAr2に結合していてもよい。
前記Ar2はR3以外の置換基を有していてもよい。当該置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記Ar2が有するR3以外の置換基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシル基又は置換カルボキシル基であることが好ましい。
式(15)中、n5は1以上の整数を表し、好ましくは1から4の整数であり、より好ましくは1から3の整数である。
式(15)中のAr2で表される(2+n5)価の芳香族基としては、(2+n5)価の芳香族炭化水素基、(2+n5)価の芳香族複素環基が挙げられ、炭素原子のみ、又は、炭素原子と、水素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1つ以上の原子とからなる(2+n5)価の芳香族基が好ましい。該(2+n5)価の芳香族基としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、アザジアゾール環等の単環式芳香環から水素原子を(2+n5)個除いた(2+n5)価の基;該単環式芳香環からなる群から選ばれる二つ以上の環が縮合した縮合多環式芳香環から水素原子を(2+n5)個除いた(2+n5)価の基;該単環式芳香環及び該縮合多環式芳香環からなる群より選ばれる二つ以上の芳香環を、単結合、エテニレン基又はエチニレン基で連結してなる芳香環集合から水素原子を(2+n5)個除いた(2+n5)価の基;該縮合多環式芳香環又は該芳香環集合の隣り合う2つの芳香環をメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした架橋を有する有橋多環式芳香環から水素原子を(2+n5)個除いた(2+n5)価の基等が挙げられる。
単環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式1〜12で表される環が挙げられる。
縮合多環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式13〜27で表される環が挙げられる。
芳香環集合としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式28〜36で表される環が挙げられる。
有橋多環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式37〜44で表される環が挙げられる。
前記(2+n5)価の芳香族基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、式1〜14、26〜29、37〜39又は41で表される環から水素原子を(2+n5)個除いた基が好ましく、式1〜6、8、13、26、27、37又は41で表される環から水素原子を(2+n5)個除いた基がより好ましく、式1、37又は41で表される環から水素原子を(2+n5)個除いた基がさらに好ましい。
式(16)中、m3及びm4はそれぞれ独立に1以上の整数を表す。
式(16)中、R4で表される(1+m3+m4)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m3+m4)個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
・式(17)で表される構造単位
式(17)中、R5は式(18)で表される基を含む1価の基であり、R6は式(19)で表される基を含む1価の基であり、Ar3はR5及びR6以外の置換基を有し又は有さない(2+n6+n7)価の芳香族基を表し、n6及びn7はそれぞれ独立に1以上の整数を表す。
式(18)で表される基及び式(19)で表される基は、Ar3に直接結合していてもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、ドデシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルキレン基;オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシノニレン基、オキシドデシレン基、シクロプロピレンオキシ基、シクロブチレンオキシ基、シクロペンチレンオキシ基、シクロへキシレンオキシ基、シクロノニレンオキシ基、シクロドデシレンオキシ基、ノルボニレンオキシ基、アダマンチレンオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のオキシアルキレン基;置換基を有し又は有さないイミノ基;置換基を有し又は有さないシリレン基;置換基を有し又は有さないエテニレン基;エチニレン基;置換基を有し又は有さないメタントリイル基;酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を介してAr3に結合していてもよい。
前記Ar3はR5及びR6以外の置換基を有していてもよい。当該置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記Ar3が有するR5及びR6以外の置換基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシル基又は置換カルボキシル基であることが好ましい。
式(17)中、n6は1以上の整数を表し、好ましくは1から4の整数であり、より好ましくは1から3の整数である。
式(17)中、n7は1以上の整数を表し、好ましくは1から4の整数であり、より好ましくは1から3の整数である。
式(17)中のAr3で表される(2+n6+n7)価の芳香族基としては、(2+n6+n7)価の芳香族炭化水素基、(2+n6+n7)価の芳香族複素環基が挙げられ、炭素原子のみ、又は、炭素原子と、水素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1つ以上の原子とからなる(2+n6+n7)価の芳香族基が好ましい。該(2+n6+n7)価の芳香族基としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環等の単環式芳香環から水素原子を(2+n6+n7)個除いた(2+n6+n7)価の基;該単環式芳香環からなる群から選ばれる二つ以上の環が縮合した縮合多環式芳香環から水素原子を(2+n6+n7)個除いた(2+n6+n7)価の基;該単環式芳香環及び該縮合多環式芳香環からなる群より選ばれる二つ以上の芳香環を、単結合、エテニレン基又はエチニレン基で連結してなる芳香環集合から水素原子を(2+n6+n7)個除いた(2+n6+n7)価の基;該縮合多環式芳香環又は該芳香環集合の隣り合う2つの芳香環をメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした架橋を有する有橋多環式芳香環から水素原子を(2+n6+n7)個除いた(2+n6+n7)価の基等が挙げられる。
単環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式1〜5、式7〜10で表される環が挙げられる。
縮合多環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式13〜27で表される環が挙げられる。
芳香環集合としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式28〜36で表される環が挙げられる。
有橋多環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式37〜44で表される環が挙げられる。
前記(2+n6+n7)価の芳香族基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、式1〜5、7〜10、13、14、26〜29、37〜39又は41で表される環から水素原子を(2+n6+n7)個除いた基が好ましく、式1、37又は41で表される環から水素原子を(2+n6+n7)個除いた基がより好ましく、式1、38又は42で表される環から水素原子を(2+n6+n7)個除いた基がさらに好ましい。
式(18)中、Rは単結合又は(1+m5)価の有機基を表し、(1+m5)価の有機基であることが好ましい。
式(18)中、R7で表される(1+m5)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基からm5個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基からm5個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基からm5個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基からm5個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基からm5個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基からm5個の水素原子を除いた基、アリール基からm5個の水素原子を除いた基、アルコキシ基からm5個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(18)中、m5は1以上の整数を表し、ただし、R7が単結合のときm5は1を表す。
式(19)中、Rは単結合又は(1+m6)価の有機基を表し、(1+m6)価の有機基であることが好ましい。
式(19)中、R8で表される(1+m6)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基からm6個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基からm6個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基からm6個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基からm6個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基からm6個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基からm6個の水素原子を除いた基、アリール基からm6個の水素原子を除いた基、アルコキシ基からm6個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(19)中、m6は1以上の整数を表し、ただし、R8が単結合のときm6は1を表す。
・式(20)で表される構造単位
式(20)中、R9は式(21)で表される基を含む1価の基であり、R10は式(22)で表される基を含む1価の基であり、Ar4はR9及びR10以外の置換基を有し又は有さない(2+n8+n9)価の芳香族基を表し、n8及びn9はそれぞれ独立に1以上の整数を表す。
式(21)で表される基及び式(22)で表される基は、Ar4に直接結合していてもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、ドデシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルキレン基;オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシノニレン基、オキシドデシレン基、シクロプロピレンオキシ基、シクロブチレンオキシ基、シクロペンチレンオキシ基、シクロへキシレンオキシ基、シクロノニレンオキシ基、シクロドデシレンオキシ基、ノルボニレンオキシ基、アダマンチレンオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のオキシアルキレン基;置換基を有し又は有さないイミノ基;置換基を有し又は有さないシリレン基;置換基を有し又は有さないエテニレン基;エチニレン基;置換基を有し又は有さないメタントリイル基;酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を介してAr4に結合していてもよい。
前記Ar4はR9及びR10以外の置換基を有していてもよい。当該置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記Ar4が有するR9及びR10以外の置換基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシル基又は置換カルボキシル基であることが好ましい。
式(20)中、n8は1以上の整数を表し、好ましくは1から4の整数であり、より好ましくは1から3の整数である。
式(20)中、n9は1以上の整数を表し、好ましくは1から4の整数であり、より好ましくは1から3の整数である。
式(20)中のAr4で表される(2+n8+n9)価の芳香族基としては、(2+n8+n9)価の芳香族炭化水素基、(2+n8+n9)価の芳香族複素環基が挙げられ、炭素原子のみ、又は、炭素原子と、水素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1つ以上の原子とからなる(2+n8+n9)価の芳香族基が好ましい。該(2+n8+n9)価の芳香族基としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環等の単環式芳香環から水素原子を(2+n8+n9)個除いた(2+n8+n9)価の基;該単環式芳香環からなる群から選ばれる二つ以上の環が縮合した縮合多環式芳香環から水素原子を(2+n8+n9)個除いた(2+n8+n9)価の基;該単環式芳香環及び該縮合多環式芳香環からなる群より選ばれる二つ以上の芳香環を、単結合、エテニレン基又はエチニレン基で連結してなる芳香環集合から水素原子を(2+n8+n9)個除いた(2+n8+n9)価の基;該縮合多環式芳香環又は該芳香環集合の隣り合う2つの芳香環をメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした架橋を有する有橋多環式芳香環から水素原子を(2+n8+n9)個除いた(2+n8+n9)価の基等が挙げられる。
単環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式1〜5、式7〜10で表される環が挙げられる。
縮合多環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式13〜27で表される環が挙げられる。
芳香環集合としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式28〜36で表される環が挙げられる。
有橋多環式芳香環としては、例えば、式(13)で表される構造単位に関する説明中で例示した式37〜44で表される環が挙げられる。
前記(2+n8+n9)価の芳香族基としては、原料モノマーの合成の容易さの観点から、式1〜5、7〜10、13、14、26〜29、37〜39又は41で表される環から水素原子を(2+n8+n9)個除いた基が好ましく、式1〜6、8、14、27、28、38又は42で表される環から水素原子を(2+n8+n9)個除いた基がより好ましく、式1、37又は41で表される環から水素原子を(2+n8+n9)個除いた基がさらに好ましい。
式(21)中、R11は単結合又は(1+m7)価の有機基を表し、(1+m7)価の有機基であることが好ましい。
式(21)中、R11で表される(1+m7)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基からm7個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基からm7個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基からm7個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基からm7個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基からm7個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基からm7個の水素原子を除いた基、アリール基からm7個の水素原子を除いた基、アルコキシ基からm7個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(21)中、m7は1以上の整数を表し、ただし、R11が単結合のときm7は1を表す。
式(22)中、R12は単結合又は(1+m8)価の有機基を表し、(1+m8)価の有機基であることが好ましい。
式(22)中、R12で表される(1+m8)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基からm8個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基からm8個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基からm8個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基からm8個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基からm8個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基からm8個の水素原子を除いた基、アリール基からm8個の水素原子を除いた基、アルコキシ基からm8個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換基としては、前述のQに関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(22)中、m8は1以上の整数を表し、ただし、R12が単結合のときm8は1を表す。
式(13)で表される構造単位の例
式(13)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの電子輸送性の観点からは、式(23)で表される構造単位、式(24)で表される構造単位が好ましく、式(24)で表される構造単位がより好ましい。
Figure 2012190788
(式(23)中、R13は(1+m9+m10)価の有機基を表し、R14は1価の有機基を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3は前述と同じ意味を表し、m9及びm10はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(23)中、R13で表される(1+m9+m10)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m9+m10)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(23)中、R14で表される1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から1個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から1個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から1個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から1個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から1個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から1個の水素原子を除いた基、アリール基から1個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から1個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(23)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
(式(24)中、R13は(1+m11+m12)価の有機基を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3は前述と同じ意味を表し、m11及びm12はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R13、m11、m12、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(24)中、R13で表される(1+m11+m12)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m11+m12)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(24)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
式(13)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの耐久性の観点からは、式(25)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788
(式(25)中、R15は(1+m13+m14)価の有機基を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3は前述と同じ意味を表し、m13、m14及びm15はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R15、m13、m14、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(25)中、R15で表される(1+m13+m14)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m13+m14)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(25)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
式(15)で表される構造単位の例
式(15)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの電子輸送性の観点からは、式(26)で表される構造単位、式(27)で表される構造単位が好ましく、式(27)で表される構造単位がより好ましい。
Figure 2012190788
(式(26)中、R16は(1+m16+m17)価の有機基を表し、R17は1価の有機基を表し、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3は前述と同じ意味を表し、m16及び、m17はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(26)中、R16で表される(1+m16+m17)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(26)中、R17で表される1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から1個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から1個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から1個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から1個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から1個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から1個の水素原子を除いた基、アリール基から1個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から1個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(26)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
(式(27)中、R16は(1+m16+m17)価の有機基を表し、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3は前述と同じ意味を表し、m16及び、m17はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R16、m16、m17、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(27)中、R16で表される(1+m16+m17)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m16+m17)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(27)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
式(15)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの耐久性の観点からは、式(28)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788
(式(28)中、R18は(1+m18+m19)価の有機基を表し、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3は前述と同じ意味を表し、m18、m19及びm20はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R18、m18、m19、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(28)中、R18で表される(1+m18+m19)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m18+m19)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(28)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
式(17)で表される構造単位の例
式(17)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの電子輸送性の観点からは、式(29)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788
(式(29)中、R19は単結合又は(1+m21)価の有機基を表し、R20は単結合又は(1+m22)価の有機基を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3は前述と同じ意味を表し、m21及びm22はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、ただし、R19が単結合のときm21は1を表し、R20が単結合のときm22は1を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(29)中、R19で表される(1+m21)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m21)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m21)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m21)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m21)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m21)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m21)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m21)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m21)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(29)中、R20で表される(1+m22)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m22)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m22)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m22)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m22)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m22)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m22)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m22)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m22)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(29)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
式(17)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの耐久性の観点からは、式(30)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788
(式(30)中、R21は単結合又は(1+m23)価の有機基を表し、R22は単結合又は(1+m24)価の有機基を表し、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3は前述と同じ意味を表し、m23及びm24はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、ただし、R21が単結合のときm23は1を表し、R22が単結合のときm24は1を表し、m25及びm26はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、m23、m24、R21、R22、Q1、Q、Y、M1、Z1、Y、n1、a1、b1及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(30)中、R21で表される(1+m23)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m23)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m23)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m23)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m23)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m23)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m23)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m23)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m23)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(30)中、R22で表される(1+m24)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m24)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m24)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m24)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m24)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m24)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m24)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m24)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m24)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(30)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
式(20)で表される構造単位の例
式(20)で表される構造単位としては、得られる電子輸送性の観点からは、式(31)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788
(式(31)中、R23は単結合又は(1+m27)価の有機基を表し、R24は単結合又は(1+m28)価の有機基を表し、Q、Q、Y、M、Z、Y、n2、a2、b2及びn3は前述と同じ意味を表し、m27及びm28はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、ただし、R23が単結合のときm27は1を表し、R24が単結合のときm28は1を表し、Q、Q、Y、M、Z、Y、n2、a2、b2及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(31)中、R23で表される(1+m27)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m27)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m27)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m27)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m27)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m27)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m27)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m27)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m27)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(31)中、R24で表される(1+m28)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m28)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m28)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m28)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m28)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m28)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m28)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m28)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m28)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(31)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
式(20)で表される構造単位としては、得られるイオン性ポリマーの耐久性の観点からは、式(32)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788
(式(32)中、R25は単結合又は(1+m29)価の有機基を表し、R26は単結合又は(1+m30)価の有機基を表し、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3は前述と同じ意味を表し、m29及びm30はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、ただし、R25が単結合のときm29は1を表し、R26が単結合のときm30は1を表し、m31及びm32はそれぞれ独立に1以上の整数を表し、m29、m30、R25、R26、Q2、Q、Y2、M2、Z2、Y、n2、a2、b2及びn3のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(32)中、R25で表される(1+m29)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m29)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m29)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m29)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m29)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m29)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m29)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m29)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m29)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(32)中、R26で表される(1+m30)価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜20のアルキル基から(m30)個の水素原子を除いた基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数6〜30のアリール基から(m30)個の水素原子を除いた基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、これらの基の中の少なくとも1個の水素原子を置換基で置換した基等の、置換基を有し又は有さない炭素原子数1〜50のアルコキシ基から(m30)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するアミノ基から(m30)個の水素原子を除いた基;炭素原子を含む置換基を有するシリル基から(m30)個の水素原子を除いた基が挙げられ、原料モノマーの合成の容易さの観点からは、アルキル基から(m30)個の水素原子を除いた基、アリール基から(m30)個の水素原子を除いた基、アルコキシ基から(m30)個の水素原子を除いた基が好ましい。
式(32)で表される構造単位としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 2012190788
・その他の構造単位
本発明に用いられるイオン性ポリマーは、さらに式(33)で表される1種以上の構造単位を有していてもよい。
Figure 2012190788
(式(33)中、Ar5は置換基を有し若しくは有さない2価の芳香族基又は置換基を有し若しくは有さない2価の芳香族アミン残基を表し、X’は置換基を有し若しくは有さないイミノ基、置換基を有し若しくは有さないシリレン基、置換基を有し若しくは有さないエテニレン基又はエチニレン基を表し、m33及びm34はそれぞれ独立に0又は1を表し、m33及びm34の少なくとも1つは1である。)
式(33)中のAr5で表される2価の芳香族基としては、2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族複素環基が挙げられる。該2価の芳香族基としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、アザジアゾール環等の単環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基;該単環式芳香環からなる群から選ばれる二つ以上が縮合した縮合多環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基;該単環式芳香環及び該縮合多環式芳香環からなる群より選ばれる2つ以上の芳香環を、単結合、エテニレン基又はエチニレン基で連結してなる芳香環集合から水素原子を2個除いた2価の基;該縮合多環式芳香環又は該芳香環集合の隣り合う2つの芳香環をメチレン基、エチレン基、カルボニル基、イミノ基等の2価の基で橋かけした架橋を有する有橋多環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基等が挙げられる。
前記縮合多環式芳香環において、縮合する単環式芳香環の数は、イオン性ポリマーの溶解性の観点からは、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。前記芳香環集合において、連結される芳香環の数は、溶解性の観点からは、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。前記有橋多環式芳香環において、橋かけされる芳香環の数は、イオン性ポリマーの溶解性の観点からは、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。
前記単環式芳香環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
前記縮合多環式芳香環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
前記芳香環集合としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
前記有橋多環式芳香環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
Figure 2012190788
前記イオン性ポリマーの電子受容性及び正孔受容性のいずれか一方又は両方の観点からは、Ar5で表される2価の芳香族基は式45〜60、61〜71、77〜80、91、92、93又は96で表される環から水素原子を2個除いた2価の基が好ましく、式45〜50、59、60、77、80、91、92又は96で表される環から水素原子を2個除いた2価の基がより好ましい。
上記の2価の芳香族基は、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。
式(33)中のAr5で表される2価の芳香族アミン残基としては、式(34)で表される基が挙げられる。
Figure 2012190788
(式(34)中、Ar6、Ar7、Ar8及びAr9は、それぞれ独立に、置換基を有し若しくは有さないアリーレン基又は置換基を有し若しくは有さない2価の複素環基を表し、Ar10、Ar11及びAr12は、それぞれ独立に、置換基を有し若しくは有さないアリール基又は置換基を有し若しくは有さない1価の複素環基を表し、n10及びm35は、それぞれ独立に、0又は1を表す。)
前記アリーレン基、アリール基、2価の複素環基、1価の複素環基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基及びカルボキシル基等が挙げられる。該置換基は、ビニル基、アセチレン基、ブテニル基、アクリル基、アクリレート基、アクリルアミド基、メタクリル基、メタクリレート基、メタクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、小員環(シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基等)を有する基、ラクトン基、ラクタム基、又はシロキサン誘導体の構造を含有する基等の架橋基であってもよい。
n10が0の場合、Ar6中の炭素原子とAr8中の炭素原子とが直接結合してもよく、−O−、−S−等の2価の基を介して結合していてもよい。
Ar10、Ar11、Ar12で表されるアリール基、1価の複素環基としては、前記で置換基として説明し例示したアリール基、1価の複素環基と同様である。
Ar6、Ar7、Ar8、Ar9で表されるアリーレン基としては、芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子2個を除いた残りの原子団が挙げられ、ベンゼン環を持つ基、縮合環を持つ基、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が単結合又は2価の有機基、例えば、ビニレン基等のアルケニレン基を介して結合した基などが挙げられる。アリーレン基は、炭素原子数が通常6〜60であり、7〜48であることが好ましい。アリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、C1〜C17アルコキシフェニレン基、C1〜C17アルキルフェニレン基、1−ナフチレン基、2−ナフチレン基、1−アントラセニレン基、2−アントラセニレン基、9−アントラセニレン基が挙げられる。前記アリール基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当するフッ素原子置換アリール基としては、テトラフルオロフェニレン基等が挙げられる。アリール基の中では、フェニレン基、ビフェニレン基、C1〜C12アルコキシフェニレン基、C1〜C12アルキルフェニレン基が好ましい。
Ar6、Ar7、Ar8、Ar9で表される2価の複素環基としては、複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団が挙げられる。ここで、複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含む有機化合物をいう。2価の複素環基は置換基を有していてもよい。2価の複素環基は、炭素原子数が通常4〜60であり、4〜20が好ましい。なお、2価の複素環基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まないものとする。このような2価の複素環基としては、例えば、チオフェンジイル基、C1〜C12アルキルチオフェンジイル基、ピロールジイル基、フランジイル基、ピリジンジイル基、C1〜C12アルキルピリジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、トリアジンジイル基、ピロリジンジイル基、ピペリジンジイル基、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基が挙げられ、中でも、チオフェンジイル基、C1〜C12アルキルチオフェンジイル基、ピリジンジイル基及びC1〜C12アルキルピリジンジイル基がより好ましい。
構造単位として2価の芳香族アミン残基を含むイオン性ポリマーは、さらに他の構造単位を有していてもよい。他の構造単位としては、フェニレン基、フルオレンジイル基等のアリーレン基等が挙げられる。なお、これらのイオン性ポリマーの中では、架橋基を含んでいるものが好ましい。
また、式(34)で表される2価の芳香族アミン残基としては、下記式101〜110で表される芳香族アミンから水素原子を2個除いた基が例示される。
Figure 2012190788
式101〜110で表される芳香族アミンは2価の芳香族アミン残基を生成しうる範囲で置換基を有していてもよく、該置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられ、置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(33)中、X’は置換基を有し若しくは有さないイミノ基、置換基を有し若しくは有さないシリレン基、置換基を有し若しくは有さないエテニレン基又はエチニレン基を表す。イミノ基、シリル基若しくはエテニレン基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基等の炭素原子数6〜30のアリール基等が挙げられ、置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記イオン性ポリマーの空気、湿気又は熱に対する安定性の観点からは、X’はイミノ基、エテニレン基、エチニレン基が好ましい。
前記イオン性ポリマーの電子受容性、正孔受容性の観点からは、m33が1であり、m34が0であることが好ましい。
式(33)で表される構造単位としては、前記イオン性ポリマーの電子受容性の観点からは、式(35)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2012190788

(式(35)中、Ar13は、置換基を有し若しくは有さないピリジンジイル基、置換基を有し若しくは有さないピラジンジイル基、置換基を有し若しくは有さないピリミジンジイル基、置換基を有し若しくは有さないピリダジンジイル基又は置換基を有し若しくは有さないトリアジンジイル基を表す。)
ピリジンジイル基が有していてもよい置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
ピラジンジイル基が有していてもよい置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
ピリミジンジイル基が有していてもよい置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
ピリダジンジイル基が有していてもよい置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
トリアジンジイル基が有していてもよい置換基としては、前述のQ1に関する説明中で例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
・構造単位の割合
本発明に用いられるイオン性ポリマーに含まれる式(13)で表される構造単位、式(15)で表される構造単位、式(17)で表される構造単位、及び式(20)で表される構造単位の合計の割合は、有機EL素子の発光効率の観点からは、末端の構造単位を除く該イオン性ポリマーに含まれる全構造単位中、30〜100モル%であることがより好ましい。
・末端の構造単位
なお、本発明に用いられるイオン性ポリマーの末端の構造単位(末端基)としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、イソプロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、s−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、ノニルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、ラウリルオキシフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基、(フェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、イソプロピルジエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチルジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、(フェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(1−ナフチル−C1〜C12アルキル)シリル基、(2−ナフチル−C1〜C12アルキル)シリル基、(フェニル−C1〜C12アルキル)ジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ(p−キシリル)シリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。前記末端の構造単位が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
−イオン性ポリマーの特性−
本発明で用いられるイオン性ポリマーは、好ましくは共役化合物である。本発明で用いられるイオン性ポリマーが共役化合物であるとは、該イオン性ポリマーが主鎖中に、多重結合(例えば、二重結合、三重結合)又は窒素原子、酸素原子等が有する非共有電子対が1つの単結合を挟んで連なっている領域を含むことを意味する。該イオン性ポリマーは、共役化合物である場合、共役化合物の電子輸送性の観点から、
{(多重結合又は窒素原子、酸素原子等が有する非共有電子対が1つの単結合を挟んで連なっている領域に含まれる主鎖上の原子の数)/(主鎖上の全原子の数)}×100%で計算される比が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
また、本発明で用いられるイオン性ポリマーは、好ましくは高分子化合物であり、より好ましくは共役高分子化合物である。ここで、高分子化合物とは、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103以上である化合物をいう。また、本発明で用いられるイオン性ポリマーが共役高分子化合物であるとは、該イオン性ポリマーが共役化合物かつ高分子化合物であることを意味する。
本発明に用いられるイオン性ポリマーの塗布による成膜性の観点から、該イオン性ポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108であることが好ましく、2×103〜1×107であることがより好ましく、3×103〜1×107であることがより好ましく、5×103〜1×107であることがさらに好ましい。また、イオン性ポリマーの純度の観点から、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜5×107であることが好ましく、1×103〜1×107であることがより好ましく、1×103〜5×106であることがさらに好ましい。また、イオン性ポリマーの溶解性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量は1×103〜5×10であることが好ましく、1×103〜5×10であることがより好ましく、1×103〜3×10であることがさらに好ましい。本発明に用いられるイオン性ポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、求めることができる。
本発明に用いられるイオン性ポリマーの純度の観点から、末端構造単位を除く該イオン性ポリマー中に含まれる全構造単位の数(即ち、重合度)は1以上20以下であることが好ましく、1以上10以下であることがより好ましく、1以上5以下であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるイオン性ポリマーの電子受容性、正孔受容性の観点からは、該イオン性ポリマーの最低非占有分子軌道(LUMO)の軌道エネルギーが、−5.0eV以上−2.0eV以下であることが好ましく、−4.5eV以上−2.0eV以下がより好ましい。また、同様の観点から、該イオン性ポリマーの最高占有分子軌道(HOMO)の軌道エネルギーが、−6.0eV以上−3.0eV以下であることが好ましく、−5.5eV以上−3.0eV以下がより好ましい。ただし、HOMOの軌道エネルギーはLUMOの軌道エネルギーよりも低い。なお、イオン性ポリマーの最高占有分子軌道(HOMO)の軌道エネルギーは、イオン性ポリマーのイオン化ポテンシャルを測定し、得られたイオン化ポテンシャルを該軌道エネルギーとすることにより求める。一方、イオン性ポリマーの最低非占有分子軌道(LUMO)の軌道エネルギーは、HOMOとLUMOとのエネルギー差を求め、その値と前記で測定したイオン化ポテンシャルとの和を該軌道エネルギーとすることにより求める。イオン化ポテンシャルの測定には光電子分光装置を用いる。また、HOMOとLUMOのエネルギー差は紫外・可視・近赤外分光光度計を用いてイオン性ポリマーの吸収スペクトルを測定し、その吸収末端より求める。
なお、本発明に用いられる重合体は、電界発光素子で用いられた場合、実質的に非発光性であることが好ましい。ここで、ある重合体が実質的に非発光性であるとは、以下のとおりの意味である。まず、ある重合体を含む層を有する電界発光素子Aを作製する。一方、重合体を含む層を有さない電界発光素子2を作製する。電界発光素子Aは重合体を含む層を有するが、電界発光素子2は重合体を含む層を有さない点でのみ、電界発光素子Aと電界発光素子2とは異なる。次に、電界発光素子A及び電界発光素子2に10Vの順方向電圧を印加して発光スペクトルを測定する。電界発光素子2について得られた発光スペクトルにおいて最大ピークを与える波長λを求める。波長λにおける発光強度を1として、電界発光素子2について得られた発光スペクトルを規格化し、波長について積分して規格化発光量S0を計算する。一方、波長λにおける発光強度を1として、電界発光素子Aについて得られた発光スペクトルも規格化し、波長について積分して規格化発光量Sを計算する。(S−S0)/S0×100%で計算される値が30%以下である場合、即ち、重合体を含む層を有さない電界発光素子2の規格化発光量に比べ、重合体を含む層を有する電界発光素子Aの規格化発光量の増加分が30%以下である場合に、用いた重合体は実質的に非発光性であるものとし、(S−S0)/S0×100で計算される値が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
前記式(1)で表される基及び前記式(3)で表される基を含むイオン性ポリマーとしては、式(23)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(23)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(24)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(24)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(25)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(25)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(29)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(29)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(30)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(30)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマーが挙げられる。
前記式(1)で表される基及び前記式(3)で表される基を含むイオン性ポリマーとしては、以下の高分子化合物が挙げられる。これらのうち、2種の構造単位がスラッシュ「/」で区切られている式で表される高分子化合物では、左側の構造単位の割合がpモル%、右側の構造単位の割合が(100−p)モル%であり、これらの構造単位はランダムに配列している。なお、以下の式中、nは重合度を表す。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788

(式中、pは15〜100の数を表す。)
前記式(2)で表される基及び前記式(3)で表される基を含むイオン性ポリマーとしては、式(26)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(26)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(27)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(27)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(28)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(28)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(31)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(31)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマー、式(32)で表される基のみからなるイオン性ポリマー、式(32)で表される基および式45〜50、59、60、77、80、91、92、96、101〜110で表される基から水素原子を2個除いた基からなる群から選ばれる1種以上の基からなるイオン性ポリマーが挙げられる。
前記式(2)で表される基及び前記式(3)で表される基を含むイオン性ポリマーとしては、以下の高分子化合物が挙げられる。これらのうち、2種の構造単位がスラッシュ「/」で区切られている式で表される高分子化合物では、左側の構造単位の割合がpモル%、右側の構造単位の割合が(100−p)モル%であり、これらの構造単位はランダムに配列している。なお、以下の式中、nは重合度を表す。
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
Figure 2012190788
(式中、pは15〜100の数を表す。)
−イオン性ポリマーの製造方法−
次に、本発明に用いられるイオン性ポリマーを製造する方法について説明する。本発明に用いられるイオン性ポリマーを製造するための好適な方法としては、例えば、下記一般式(36)で表される化合物を原料の1つとして選択して用い、中でも、該一般式(36)中の−Aa−が式(13)で表される構造単位である化合物、該−Aa−が式(15)で表される構造単位である化合物、該−Aa−が式(17)で表される構造単位である化合物及び該−Aa−が式(20)で表される構造単位である化合物の少なくとも1種を必須の原料として含有させて、これを縮合重合させる方法を挙げることができる。

4−Aa−Y5 (36)
(式(36)中、Aaは式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位を表し、Y及びYは、それぞれ独立に、縮合重合に関与する基を示す。)
また、本発明に用いられるイオン性ポリマー中に上記式(36)中の−Aa−で表される構造単位とともに、前記−Aa−以外の他の構造単位を含有させる場合には、前記−Aa−以外の他の構造単位となる、2個の縮合重合に関与する置換基を有する化合物を用い、これを前記式(36)で表される化合物とともに共存させて縮合重合させればよい。
このような他の構造単位を含有させるために用いられる2個の縮合重合可能な置換基を有する化合物としては、式(37)で表される化合物が例示される。このようにして、前記Y4−Aa−Y5で表される化合物に加えて、式(37)で表される化合物を縮合重合させることで、−Ab−で表される構造単位を更に有する本発明に用いられるイオン性ポリマーを製造することができる。

6−Ab−Y7 (37)
(式(37)中、Abは前記一般式(33)で表される構造単位又は一般式(35)で表される構造単位であり、Y6及びY7は、それぞれ独立に、縮合重合に関与する基を示す。
このような縮合重合に関与する基(Y4、Y5、Y6及びY7)としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)2、ホルミル基、シアノ基、ビニル基等が挙げられる。
このような縮合重合に関与する基として選択され得るハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
また、前記縮合重合に関与する基として選択され得るアルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基が例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基が例示される。
前記縮合重合に関与する基として選択され得るアリールアルキルスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基が例示される。
また、前記縮合重合に関与する基として選択され得るホウ酸エステル残基としては、下記式で表される基が例示される。
Figure 2012190788
さらに、前記縮合重合に関与する基として選択され得るスルホニウムメチル基としては、下記式:
−CH2+Me2-、又は、−CH2+Ph2-
(式中、Eはハロゲン原子を示す。Phはフェニル基を示し、以下、同じである。)で表される基が例示される。
また、前記縮合重合に関与する基として選択され得るホスホニウムメチル基としては、下記式:
−CH2+Ph3-
(式中、Eはハロゲン原子を示す。)で表される基が例示される。
また、前記縮合重合に関与する基として選択され得るホスホネートメチル基としては、下記式:
−CH2PO(ORd2
(式中、Rdはアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基を示す。)で表される基が例示される。
さらに、前記縮合重合に関与する基として選択され得るモノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
さらに、縮合重合に関与する基として好適な基は、重合反応の種類によって異なるが、例えば、Yamamotoカップリング反応等の0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基が挙げられる。また、Suzukiカップリング反応等のニッケル触媒又はパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホネート基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、−B(OH)2等が挙げられ、酸化剤又は電気化学的に酸化重合する場合には、水素原子が挙げられる。
本発明に用いられるイオン性ポリマーを製造する際には、例えば、縮合重合に関与する基を複数有する前記一般式(36)又は(37)で表される化合物(モノマー)を、必要に応じて有機溶媒に溶解し、アルカリや適当な触媒を用いて、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で反応させる重合方法を採用してもよい。このような重合方法としては、例えば、”オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、”オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Macromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)に記載の公知の方法を採用することができる。
また、本発明に用いられるイオン性ポリマーを製造する際には、縮合重合に関与する基に応じて、既知の縮合重合反応を採用してもよい。このような重合方法としては、該当するモノマーを、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法等が挙げられる。このような重合反応の中でも、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、及びニッケルゼロ価錯体により重合する方法が、得られるイオン性ポリマーの構造制御がし易いので好ましい。
本発明に用いられるイオン性ポリマーの好ましい製造方法の1つの態様は、縮合重合に関与する基として、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基からなる群から選択される基を有する原料モノマーを用いて、ニッケルゼロ価錯体の存在下で縮合重合して、イオン性ポリマーを製造する方法である。このような方法に使用する原料モノマーとしては、例えば、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物、ハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物及びアリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。
前記イオン性ポリマーの好ましい製造方法の他の態様は、縮合重合に関与する基として、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、−B(OH)2、及びホウ酸エステル残基からなる群から選ばれる基を有し、全原料モノマーが有する、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計(J)と、−B(OH)2及びホウ酸エステル残基のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常 K/J は0.7〜1.2の範囲)である原料モノマーを用いて、ニッケル触媒又はパラジウム触媒の存在下で縮合重合して、イオン性ポリマーを製造する方法である。
前記有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために十分に脱酸素処理を施した有機溶媒を用いることが好ましい。イオン性ポリマーを製造する際には、このような有機溶媒を用いて不活性雰囲気下で反応を進行させることが好ましい。また、前記有機溶媒においては、前記脱酸素処理と同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応等の水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
このような有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン等のアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシド等のアミド類が例示される。これらの有機溶媒は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。また、このような有機溶媒の中でも、反応性の観点からはエーテル類がより好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルが更に好ましく、反応速度の観点からはトルエン、キシレンが好ましい。
前記イオン性ポリマーを製造する際においては、原料モノマーを反応させるために、アルカリや適当な触媒を添加することが好ましい。このようなアルカリ又は触媒は、採用する重合方法等に応じて選択すればよい。このようなアルカリ又は触媒としては、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。また、前記アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素等の不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を添加するか、アルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
本発明に用いられるイオン性ポリマーにおいては、末端基に重合活性基がそのまま残っていると得られる発光素子の発光特性や寿命特性が低下する可能性があるため、末端基が安定な基で保護されていてもよい。このように安定な基で末端基が保護されている場合、本発明に用いられるイオン性ポリマーが共役化合物であるときには、該イオン性ポリマーの主鎖の共役構造と連続した共役結合を有していることが好ましく、その構造としては、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は複素環基と結合している構造が挙げられる。このような末端基を保護する安定な基としては、特開平9−45478号公報において化10の構造式で示される1価の芳香族化合物基等の置換基が挙げられる。
式(1)で表される構造単位を含むイオン性ポリマーを製造する他の好ましい方法としては、第1工程でカチオンを有さないイオン性ポリマーを重合し、第2工程で該イオン性ポリマーからカチオンを含有するイオン性ポリマーを製造する方法が挙げられる。第1工程のカチオンを有さないイオン性ポリマーを重合する方法としては、前述の縮合重合反応が挙げられる。第2工程の反応としては、金属水酸化物、アルキルアンモニウムヒドロキシド等による加水分解反応等が挙げられる。
式(2)で表される基を含むイオン性ポリマーを製造する他の好ましい方法としては、第1工程でイオンを有さないイオン性ポリマーを重合し、第2工程で該イオン性ポリマーからイオンを含有するイオン性ポリマーを製造する方法が挙げられる。第1工程のイオンを有さないイオン性ポリマーを重合する方法としては、前述の縮合重合反応が挙げられる。第2工程の反応としては、ハロゲン化アルキルを用いたアミンの4級アンモニウム塩化反応、SbF5によるハロゲン引き抜き反応等が挙げられる。
本発明に用いられるイオン性ポリマーは電荷の注入性や輸送性に優れるため、高輝度で発光する素子が得られる。
イオン性ポリマーを含む層を形成する方法としては、例えば、イオン性ポリマーを含有する溶液を用いて成膜する方法が挙げられる。
このような溶液からの成膜に用いる溶媒としては、水を除くアルコール類、エーテル類、エステル類、二トリル化合物類、ニトロ化合物類、ハロゲン化アルキル類、ハロゲン化アリール類、チオール類、スルフィド類、スルホキシド類、チオケトン類、アミド類、カルボン酸類等の溶媒のうち、溶解度パラメーターが9.3以上の溶媒が好ましい。該溶媒の例(各括弧内の値は、各溶媒の溶解度パラメーターの値を表す)としては、メタノール(12.9)、エタノール(11.2)、2−プロパノール(11.5)、1−ブタノール(9.9)、t−ブチルアルコール(10.5)、アセトニトリル(11.8)、1,2−エタンジオール(14.7)、N,N-ジメチルホルムアミド(11.5)、ジメチルスルホキシド(12.8)、酢酸(12.4)、ニトロベンゼン(11.1)、ニトロメタン(11.0)、1,2−ジクロロエタン(9.7)、ジクロロメタン(9.6)、クロロベンゼン(9.6)、ブロモベンゼン(9.9)、ジオキサン(9.8)、炭酸プロピレン(13.3)、ピリジン(10.4)、二硫化炭素(10.0)、及びこれらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。ここで、2種の溶媒(溶媒1、溶媒2とする)を混合してなる混合溶媒について説明すると、該混合溶媒の溶解度パラメーター(δm)は、δm1×φ12×φ2により求めることとする(δ1は溶媒1の溶解度パラメーター、φ1は溶媒1の体積分率、δ2は溶媒2の溶解度パラメーター、φ2は溶媒2の体積分率である。)
電子注入層の膜厚としては、用いるイオン性ポリマーによって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよく、ピンホールが発生しない厚さが必要である。素子の駆動電圧を低くする観点からは、該膜厚は、1nm〜1μmであることが好ましく、2nm〜500nmであることがより好ましく、2nm〜200nmであることがさらに好ましい。発光層を保護する観点からは、該膜厚は、5nm〜1μmであることが好ましい。
<陰極>
陰極の材料としては、電気伝導度の高い材料が好ましい。また陽極側から光を取出す構成の有機EL素子では、発光層からの光を陰極で陽極側に反射するために、陰極の材料としては可視光反射率の高い材料が好ましい。陰極には、金、銀、白金、銅、アルミニウム、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫の単体もしくは1種以上を含む合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。また、陰極としては導電性金属酸化物、導電性樹脂、および樹脂と導電性フィラーの混合物などを用いることができる。具体的には、導電性金属酸化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、およびIZOを挙げることができ、導電性樹脂として3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸などを挙げることができる。
樹脂と導電性フィラーとからなる薄膜の場合、樹脂には導電性樹脂を使用することができる。また導電性フィラーとしては、金属微粒子や導電性ワイヤーなどを使用することができる。導電性フィラーとしてはAuやAg、Alなどを使用することができる。なお陰極は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよい。
陰極の膜厚は、求められる特性および工程の簡易さなどを考慮して適宜設計され、たとえば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法などを挙げることができる。また陰極の作製方法として、導電性フィラーおよび樹脂を分散媒に分散させたインキを用いる場合、塗布法を用いることができる。
イオン性ポリマーを作製するとともに、このイオン性ポリマーを電子注入層に使用して有機EL素子を作製した。
[参考例1]
2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物A)の合成
2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(52.5g)、サリチル酸エチル(154.8g)、及びメルカプト酢酸(1.4g)を300mLフラスコに入れ、窒素置換した。そこに、メタンスルホン酸(630mL)を添加し、混合物を75℃で終夜撹拌した。混合物を放冷し、氷水に添加して1時間撹拌した。生じた固体をろ別し、加熱したアセトニトリルで洗浄した。洗浄済みの該固体をアセトンに溶解させ、得られたアセトン溶液から固体を再結晶させ、ろ別した。得られた固体(62.7g)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−p−トルエンスルホネート(86.3g)、炭酸カリウム(62.6g)、及び18−クラウン−6(7.2g)をN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)(670 mL)に溶解させ、溶液をフラスコへ移して105℃で終夜撹拌した。得られた混合物を室温まで放冷し、氷水へ加え、1時間撹拌した。反応液にクロロホルム(300mL)を加えて分液抽出を行い、溶液を濃縮することで、2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物A)(51.2g)を得た。
Figure 2012190788

化合物A
[参考例2]
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル-1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物B)の合成
窒素雰囲気下、化合物A(15g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(8.9g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.8g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.5g)、酢酸カリウム(9.4g)、ジオキサン(400mL)を混合し、110℃に加熱し、10時間加熱還流させた。放冷後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。反応混合物をメタノールで3回洗浄した。沈殿物をトルエンに溶解させ、溶液に活性炭を加えて攪拌した。その後、ろ過を行い、ろ液を減圧濃縮することで、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル-1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物B)(11.7g)を得た。
Figure 2012190788

化合物B
[参考例3]
ポリ[9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン](重合体A)の合成
不活性雰囲気下、化合物A(0.55g)、化合物B(0.61g)、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.01g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、及びトルエン(10mL)を混合し、105℃に加熱した。この反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、8時間還流させた。反応液に4−t−ブチルフェニルボロン酸(0.01g)を加え、6時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、2時間撹拌した。混合溶液をメタノール300mL中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。得られた溶液をメタノール120ml、3重量%酢酸水溶液50mLの混合溶媒中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。こうして得られた溶液をメタノール200mlに滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムから回収したテトラヒドロフラン溶液を濃縮した後、メタノール(200mL)に滴下し、析出した固体をろ過し、乾燥させた。得られたポリ[9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−ビス[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン](重合体A(BSAFEGP))の収量は520mgであった。
重合体Aのポリスチレン換算の数平均分子量は5.2×104であった。重合体Aは、式(A)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2012190788
[実験例1]
重合体Aセシウム塩の合成
重合体A(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(20mL)、及びエタノール(20mL)を添加し、混合物を55℃に昇温した。そこに、水酸化セシウム(200mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、55℃で6時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(150mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体A内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Aのセシウム塩を共役高分子化合物1と呼ぶ。共役高分子化合物1は式(B)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、100モル%である。)。共役高分子化合物1のHOMOの軌道エネルギーは−5.5eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.7eVであった。
Figure 2012190788
[実験例2]
重合体Aカリウム塩の合成
重合体A(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(20mL)、及びメタノール(10mL)を混合し、混合溶液に、水酸化カリウム(400mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で1時間撹拌した。反応溶液にメタノール50mLを加え、さらに65℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(131mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体A内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Aのカリウム塩を共役高分子化合物2と呼ぶ。共役高分子化合物2は式(C)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、100モル%である。)。共役高分子化合物2のHOMOの軌道エネルギーは−5.5eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.7eVであった。
Figure 2012190788
[実験例3]
重合体Aナトリウム塩の合成
重合体A(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(20mL)、及びメタノール(10mL)を混合し、混合溶液に、水酸化ナトリウム(260mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で1時間撹拌した。
反応溶液にメタノール30mLを加え、さらに65℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(123mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体A内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Aのナトリウム塩を共役高分子化合物3と呼ぶ。共役高分子化合物3は式(D)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、100モル%である。)。共役高分子化合物3のHOMOの軌道エネルギーは−5.6eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.8eVであった。
Figure 2012190788
[実験例4]
重合体Aアンモニウム塩の合成
重合体A(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(20mL)、及びメタノール(15mL)を混合し、混合溶液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(50mg)を水(1mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で6時間撹拌した。反応溶液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(50mg)を水(1mL)に溶解させた水溶液を加え、さらに65℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(150mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体A内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが90%消失していることを確認した。得られた重合体Aのアンモニウム塩を共役高分子化合物4と呼ぶ。共役高分子化合物4は式(E)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、90モル%である。)。共役高分子化合物4のHOMOの軌道エネルギーは−5.6eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.8eVであった。
Figure 2012190788
[参考例4]
2,7−ビス[7−(4−メチルフェニル)−9,9−ジオクチルフルオレン−2−イル]−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(重合体B)の合成
不活性雰囲気下、化合物A(0.52g)、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(1.29g)、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.0087g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、トルエン(10mL)、及び2M炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を混合し、80℃に加熱した。反応液を3.5時間反応させた。その後、そこに、パラブロモトルエン(0.68g)を加えて、更に2.5時間反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル50ml/蒸留水50mlを加えて水層を除去した。再び蒸留水50mlを加えて水層を除去した後、乾燥剤として硫酸マグネシウムを加えて、不溶物をろ過して、有機溶媒を除去した。その後、得られた残渣を再びTHF10mLに溶かして、飽和ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水2mLを添加して、30分間撹拌した後、有機溶媒を除去した。アルミナカラム(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1、v/v)を通して精製を行い、析出した沈殿をろ過して12時間減圧乾燥させたところ、2,7−ビス[7−(4−メチルフェニル)−9,9−ジオクチルフルオレン−2−イル]−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(重合体B)が524mg得られた。
重合体Bのポリスチレン換算の数平均分子量は、2.0×10であっ
た。なお、重合体Bは、式(F)で表される。
Figure 2012190788
[実験例5]
重合体Bセシウム塩の合成
重合体B(262mg)を100mLフラスコに入れ、アルゴン置換した。そこに、テトラヒドロフラン(10mL)、及びメタノール(15mL)を添加し、混合物を55℃に昇温した。そこに、水酸化セシウム(341mg)を水(1mL)に溶かした水溶液を添加し、55℃で5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(250mg)を得た。NMRスペクトルにより、エチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Bセシウム塩を共役高分子化合物5と呼ぶ。共役高分子化合物5は、式(G)で表される(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、小数第二位で四捨五入して、33.3モル%である。)。共役高分子化合物5のHOMOの軌道エネルギーは−5.6eVであり、LUMOの軌道エネルギーは−2.6eVであった。
Figure 2012190788
[参考例5]
重合体Cの合成
不活性雰囲気下、化合物A(0.40g)、化合物B(0.49g)、N,N’-ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル-2,6−ジメチルフェニル)1,4−フェニレンジアミン(35mg)、トリフェニルホスフィンパラジウム(8mg)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、及びトルエン(10mL)を混合し、105℃に加熱した。この反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、8時間還流させた。反応液にフェニルボロン酸(0.01g)を加え、6時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、2時間撹拌した。混合溶液をメタノール300mL中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。得られた溶液をメタノール120ml、3重量%酢酸水溶液50mLの混合溶媒中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。こうして得られた溶液をメタノール200mlに滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムから回収したテトラヒドロフラン溶液を濃縮した後、メタノール(200mL)に滴下し、析出した固体をろ過し、乾燥させた。得られた重合体Cの収量は526mgであった。
重合体Cのポリスチレン換算の数平均分子量は3.6×104であった。重合体Cは、式(H)で表される繰り返し単位からなる。
なお、N,N’-ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル-2,6−ジメチルフェニル)1,4−フェニレンジアミンは、例えば特開2008−74917号公報に記載されている方法で合成することができる。
Figure 2012190788
[実験例6]
重合体Cセシウム塩の合成
重合体C(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(20mL)、及びメタノール(20mL)を添加し混合した。混合溶液に、水酸化セシウム(200mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で1時間撹拌した。反応溶液にメタノール30mLを加え、さらに65℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(150mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体C内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Cのセシウム塩を共役高分子化合物6と呼ぶ。共役高分子化合物6は式(I)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、95モル%である。)。共役高分子化合物6のHOMOの軌道エネルギーは−5.3eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.6eVであった。
Figure 2012190788
[参考例6]
重合体Dの合成
不活性雰囲気下、化合物A(0.55g)、化合物B(0.67g)、N,N’-ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル-2,6−ジメチルフェニル)1,4−フェニレンジアミン(0.038g)、3,7−ジブロモ−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン 0.009g、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.01g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、及びトルエン(10mL)を混合し、105℃に加熱した。この反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、2時間還流させた。反応液にフェニルボロン酸(0.004g)を加え、6時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、2時間撹拌した。混合溶液をメタノール300mL中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。得られた溶液をメタノール120ml、3重量%酢酸水溶液50mLの混合溶媒中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。こうして得られた溶液をメタノール200mlに滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムから回収したテトラヒドロフラン溶液を濃縮した後、メタノール(200mL)に滴下し、析出した固体をろ過し、乾燥させた。得られた重合体Dの収量は590mgであった。
重合体Dのポリスチレン換算の数平均分子量は2.7×104であった。重合体Dは、式(J)で表される繰り返し単位からなる。
なお、3,7−ジブロモ−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジンは、特開2007−70620号の記載の方法に基づいて(あるいは特開2004−137456号公報に記載の方法を参考にして)合成した。
Figure 2012190788
[実験例7]
重合体Dセシウム塩の合成
重合体D(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(15mL)、及びメタノール(10mL)を混合した。混合溶液に、水酸化セシウム(360mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で3時間撹拌した。
反応溶液にメタノール10mLを加え、さらに65℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(210mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体D内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Dのセシウム塩を共役高分子化合物7と呼ぶ。共役高分子化合物7は式(K)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、90モル%である。)。共役高分子化合物7のHOMOの軌道エネルギーは−5.3eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.4eVであった。
Figure 2012190788
[参考例7]
重合体Eの合成
不活性雰囲気下、化合物A(0.37g)、化合物B(0.82g)、1,3−ジブロモベンゼン(0.09g)、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.01g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、及びトルエン(10mL)を混合し、105℃に加熱した。この反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、7時間還流させた。反応液にフェニルボロン酸(0.002g)を加え、10時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、1時間撹拌した。混合溶液をメタノール300mL中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。得られた溶液をメタノール120ml、3重量%酢酸水溶液50mLの混合溶媒中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。こうして得られた溶液をメタノール200mlに滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムから回収したテトラヒドロフラン溶液を濃縮した後、メタノール(200mL)に滴下し、析出した固体をろ過し、乾燥させた。得られた重合体Eの収量は293mgであった。
重合体Eのポリスチレン換算の数平均分子量は1.8×104であった。重合体Eは、式(L)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2012190788
[実験例8]
重合体Eセシウム塩の合成
重合体E(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(10mL)、及びメタノール(5mL)を混合した。混合溶液に、水酸化セシウム(200mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で2時間撹拌した。反応溶液にメタノール10mLを加え、さらに65℃で5時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(170mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体E内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Eのセシウム塩を共役高分子化合物8と呼ぶ。共役高分子化合物8は式(M)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、75モル%である。)。共役高分子化合物8のHOMOの軌道エネルギーは−5.6eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.6eVであった。
Figure 2012190788
[参考例8]
重合体Fの合成
不活性雰囲気下、化合物B(1.01g)、1,4−ジブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン(0.30g)、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.02g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、及びトルエン(10mL)を混合し、105℃に加熱した。この反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、4時間還流させた。反応液にフェニルボロン酸(0.002g)を加え、4時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、1時間撹拌した。混合溶液をメタノール300mL中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。得られた溶液をメタノール120ml、3重量%酢酸水溶液50mLの混合溶媒中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン20mlに溶解させた。こうして得られた溶液をメタノール200mlに滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフラン/酢酸エチル(1/1(体積比))の混合溶媒に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムから回収したテトラヒドロフラン溶液を濃縮した後、メタノール(200mL)に滴下し、析出した固体をろ過し、乾燥させた。得られた重合体Eの収量は343mgであった。
重合体Fのポリスチレン換算の数平均分子量は6.0×104であった。重合体Fは、式(N)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2012190788
[実験例9]
重合体Fセシウム塩の合成
重合体F(150mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(10mL)、及びメタノール(5mL)を混合した。混合溶液に、水酸化セシウム(260mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で2時間撹拌した。反応溶液にメタノール10mLを加え、さらに65℃で5時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(130mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体E内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Fのセシウム塩を共役高分子化合物9と呼ぶ。共役高分子化合物9は式(O)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、75モル%である。)。共役高分子化合物9のHOMOの軌道エネルギーは−5.9eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.8eVであった。
Figure 2012190788
[参考例9]
不活性雰囲気下、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−p−トルエンスルホネート(11.0g)、トリエチレングリコール(30.0g)、水酸化カリウム(3.3g)を混合し、100℃で18時間過熱攪拌した。放冷後、反応溶液を水(100mL)に加え、クロロホルムで分液抽出を行い、溶液を濃縮した。濃縮した溶液を、クーゲルロワー蒸留(10mmTorr、180℃)することで、2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)エタノール(6.1g)を得た。
[参考例10]
不活性雰囲気下、2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)エタノール(8.0g)、水酸化ナトリウム(1.4g)、蒸留水(2mL)、テトラヒドロフラン(2mL)を混合し、氷冷した。混合溶液に、p−トシルクロリド(5.5g)のテトラヒドロフラン(6.4mL)溶液を30分かけて滴下し、滴下後反応溶液を室温に上げて15時間攪拌した。反応溶液に蒸留水(50mL)を加え、6M硫酸で反応溶液を中和した後、クロロホルムで分液抽出を行った。溶液を濃縮することで、2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)p−トルエンスルホネート(11.8g)を得た。
[参考例11]
2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物C)の合成
2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(127.2g)、サリチル酸エチル(375.2g)、及びメルカプト酢酸(3.5g)を300mLフラスコに入れ、窒素置換した。
そこに、メタンスルホン酸(1420mL)を添加し、混合物を75℃で終夜撹拌した。
混合物を放冷し、氷水に添加して1時間撹拌した。生じた固体をろ別し、加熱したアセトニトリルで洗浄した。洗浄済みの該固体をアセトンに溶解させ、得られたアセトン溶液から固体を再結晶させ、ろ別し固体(167.8g)を得た。得られた固体(5g)、2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)p−トルエンスルホネート(10.4g)、炭酸カリウム(5.3g)、及び18−クラウン−6(0.6g)をN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100 mL)に溶解させ、溶液をフラスコへ移して105℃で4時間撹拌した。得られた混合物を室温まで放冷し、氷水へ加え、1時間撹拌した。反応液にクロロホルム(300mL)を加えて分液抽出を行い、溶液を濃縮した。濃縮物を酢酸エチルに溶解させ、アルミナのカラムに通液し、溶液を濃縮することで、2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−(2−(2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ)エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物C)(4.5g)を得た。
Figure 2012190788
化合物C
[参考例12]
重合体Gの合成
不活性雰囲気下、化合物C(1.0g)、4−t−ブチルフェニルブロミド(0.9mg)、2,2‘−ビピリジン(0.3g)、脱水テトラヒドロフラン(50mL)を200mLフラスコに入れ混合した。混合物を55℃に昇温した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0.6g)を添加し、55℃で5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶液をメタノール(200mL)、1N希塩酸(200mL)の混合液に滴下した。生じた沈殿物をろ過により収集した後、テトラヒドロフランに再溶解させた。メタノール(200mL)、15%アンモニア水(100mL)の混合液に滴下し、生じた沈殿物をろ過により収集した。沈殿物をテトラヒドロフランに再溶解させ、メタノール(200mL)、水(100mL)の混合液に滴下し、生じた沈殿物をろ過により収集した。収集した沈殿物を減圧乾燥することで重合体G(360mg)を得た。
重合体Gのポリスチレン換算の数平均分子量は6.0×104であった。重合体Gは、式(P)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2012190788
[実験例10]
重合体Gセシウム塩の合成
重合体G(150mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(15mL)、及びメタノール(5mL)を混合した。混合溶液に、水酸化セシウム(170mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で6時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(95)mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体G内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。
得られた重合体Gのセシウム塩を共役高分子化合物10と呼ぶ。共役高分子化合物10は式(Q)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、100モル%である。
)。共役高分子化合物10のHOMOの軌道エネルギーは−5.7eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.9eVであった。
Figure 2012190788
[参考例13]
1,3−ジブロモ−5−エトキシカルボニル−6−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]ベンゼンの合成
不活性雰囲気下、3,5−ジブロモサリチル酸(20g)、エタノール(17mL)、濃硫酸(1.5mL)、トルエン(7mL)を混合し、130℃で20時間過熱攪拌した。放冷後、反応溶液を氷水(100mL)に加え、クロロホルムで分液抽出を行い、溶液を濃縮した。得られた固体を、イソプロパノールに溶解し、溶液を蒸留水に滴下した。得られた析出物をろ別することにより、固体(18g)を得た。不活性雰囲気下、得られた固体(1g)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−p−トルエンスルホネート(1.5g)、炭酸カリウム(0.7g)、DMF(15mL)を混合し、100℃で4時間過熱攪拌した。放冷後、クロロホルムを加えて分液抽出し、溶液を濃縮した。濃縮物をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラムに通液することにより精製した。溶液を濃縮することにより、1,3−ジブロモ−5−エトキシカルボニル−6−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]ベンゼン(1.0g)を得た。
[参考例14]
重合体Hの合成
不活性雰囲気下、化合物A(0.2g)、化合物B(0.5g)、1,3−ジブロモ−5−エトキシカルボニル−6−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]ベンゼン(0.1g)、トリフェニルホスフィンパラジウム(30mg)、テトラブチルアンモニウムブロミド(4mg)、及びトルエン(19mL)を混合し、105℃に加熱した。この反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を滴下し、5時間還流させた。反応液にフェニルボロン酸(6mg)を加え、14時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、2時間撹拌した。水層を除去して有機層を蒸留水で洗浄し、濃縮して得られた固体をクロロホルムに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムからの溶出液を濃縮して乾燥させた。得られた重合体Hの収量は0.44gであった。
重合体Hのポリスチレン換算の数平均分子量は3.6×104であった。重合体Hは、式(R)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2012190788
[実験例11]
重合体Hセシウム塩の合成
重合体H(200mg)を100mLフラスコに入れ、窒素置換した。テトラヒドロフラン(14mL)、及びメタノール(7mL)を添加し混合した。混合溶液に、水酸化セシウム(90mg)を水(1mL)に溶解させた水溶液を添加し、65℃で1時間撹拌した。反応溶液にメタノール5mLを加え、さらに65℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(190mg)を得た。NMRスペクトルにより、重合体H内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Hのセシウム塩を共役高分子化合物11と呼ぶ。共役高分子化合物11は式(S)で表される繰り返し単位からなる(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、100モル%である。)。共役高分子化合物11のHOMOの軌道エネルギーは−5.6eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.8eVであった。
Figure 2012190788
[参考例15]
2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3,4−ビス[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]−5−メトキシカルボニルフェニル]フルオレン (化合物D)の合成 2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(34.1g)、2,3-ジヒドロキシ安息香酸メチル(101.3g)、及びメルカプト酢酸(1.4g)を500mLフラスコに入れ、窒素置換した。そこに、メタンスルホン酸(350mL)を添加し、混合物を90℃で19時間撹拌した。混合物を放冷し、氷水に添加して1時間撹拌した。生じた固体をろ別し、加熱したアセトニトリルで洗浄した。洗浄済みの該固体をアセトンに溶解させ、得られたアセトン溶液から固体を再結晶させ、ろ別した。得られた固体(16.3g)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−p−トルエンスルホネート(60.3g)、炭酸カリウム(48.6g)、及び18−クラウン−6(2.4g)をN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)(500 mL)に溶解させ、溶液をフラスコへ移して110℃で15時間撹拌した。得られた混合物を室温まで放冷し、氷水へ加え、1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加えて分液抽出を行い、溶液を濃縮し、クロロホルム/メタノール(50/1(体積比))の混合溶媒に溶解させ、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムに通液した溶液を濃縮することで、2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3,4−ビス[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]−5−メトキシカルボニルフェニル]フルオレン (化合物D)(20.5g)を得た。
[参考例16]
2,7−ビス[7−(4−メチルフェニル)−9,9−ジオクチルフルオレン−2−イル]−9,9−ビス[5−メトキシカルボニル−3,4−ビス[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(重合体I)の合成
不活性雰囲気下、化合物D(0.70g)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,2,3−ジオキサボラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン (0.62g) 、トリフェニルホスフィンパラジウム(0.019g)、ジオキサン(40mL)、水(6mL)及び炭酸カリウム水溶液(1.38g)を混合し、80℃に加熱した。反応液を1時間反応させた。反応後、飽和ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水5mLを添加して、30分間撹拌した後、有機溶媒を除去した。得られた固体をアルミナカラム(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=1:1(体積比))を通して精製を行い、溶液を濃縮することで、2,7−ビス[7−(4−メチルフェニル)−9,9−ジオクチルフルオレン−2−イル]−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(重合体I)を660mg得た。
重合体Iのポリスチレン換算の数平均分子量は、2.0×10であった。重合体Iは、式(T)で表される。なお、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,2,3−ジオキサボラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレンは、例えばThe Journal of Physical Chemistry B 2000, 104,9118−9125に記載されている方法で合成することができる。
Figure 2012190788
[実験例12]
重合体Iセシウム塩の合成
重合体I(236mg)を100mLフラスコに入れ、アルゴン置換した。そこに、テトラヒドロフラン(20mL)、及びメタノール(10mL)を添加し、混合物を65℃に昇温した。そこに、水酸化セシウム(240mg)を水(2mL)に溶かした水溶液を添加し、65℃で7時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで薄黄色の固体(190mg)を得た。NMRスペクトルにより、エチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。得られた重合体Iセシウム塩を共役高分子化合物12と呼ぶ。共役高分子化合物12は、式(U)で表される(「全繰り返し単位中の、式(1)で表される基及び式(2)で表される基からなる群から選ばれる1種以上の基と式(3)で表される1種以上の基とを含む繰り返し単位の割合」及び「全繰り返し単位中の、式(13)、(15)、(17)、(20)で表される繰り返し単位の割合」は、小数第二位で四捨五入して、33.3モル%である。)。共役高分子化合物12のHOMOの軌道エネルギーは−5.6eVであり、LUMOの軌道エネルギーは−2.8eVであった。
Figure 2012190788
[参考例17]
化合物Eの合成
窒素雰囲気下、2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(92.0g、272mmol)、及びジエチルエーテル(3.7L)を混合して0℃に冷却し、1mol/Lヨウ化メチルマグネシウム−ジエチルエーテル溶液(0.5L、545mmol)を滴下して3時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて水層を除去し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式で表される化合物E(92.81g、262mmol、収率96%)を得た。
Figure 2012190788
化合物E
化合物Fの合成
窒素雰囲気下、化合物E(83.0g、234mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物(4.49g、23.6mmol)、及びクロロホルム(2.5L)を混合して1時間還流し、反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えて水層を除去した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮し、下記式で表される化合物F(73.6g、219mmol、収率93%)を得た。
Figure 2012190788
化合物F
化合物Gの合成
窒素雰囲気下、化合物F(70.0g、208mmol)、サリチル酸エチル(104g、625mmol)、メルカプト酢酸(4.20g、45.6mmol)、及びメタンスルホン酸(1214g)を混合して70℃で8時間撹拌した。得られた反応混合物を氷水に滴下して析出した固体をろ過して回収し、メタノールで洗浄した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式で表される化合物G(52.14g、104mmol、収率50%)を得た。
Figure 2012190788
化合物G
化合物Hの合成
窒素雰囲気下、化合物G(41.2g、82.0mmol)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エチル−p−トルエンスルホネート(75.8g、238mmol)、ジメチルホルムアミド(214g)、炭酸カリウム(54.4g、394mmol)、及び18−クラウン−6(4.68g、18mmol)を混合して105℃で2時間撹拌した。得られた反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式で表される化合物H(40.2g、62.0mmol、収率76%)を得た。得られた化合物Hについて行われたH NMRの結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl,rt)
δ(ppm) 1.37(3H),1.84(3H),3.36(3H),3.53(2H),3.58−3.79(6H),3.73(2H),4.12(2H),4.34(2H),6.80(1H),6.90(1H),7.28(2H),7.48(2H),7.58(2H),7.70(1H).
Figure 2012190788
化合物H
化合物Iの合成
窒素雰囲気下、化合物H(28.4g、43.8mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(24.30g、95.7mol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドのジクロロメタン付加物(0.35g、0.4mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.24g、0.4mmol)、酢酸カリウム(25.60g、260mmol)、及び1,4−ジオキサン(480mL)を混合して120℃で17時間撹拌した。得られた反応混合物をろ過して酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで再結晶して精製することにより、下記式で表される化合物I(18.22g、24.5mmol、収率56%)を得た。得られた化合物Iについて行われたH NMRの結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl,rt)
δ(ppm) 1.30−1.47(27H),1.88(3H),3.35(3H),3.53(2H),3.60−3.69(4H),3.73(2H),3.84(2H),4.10(2H),4.34(2H),6.74(1H),6.87(1H),7.58(2H),7.72−7.89(5H).
Figure 2012190788
化合物I
重合体Jの合成
アルゴン雰囲気下、化合物H(0.47g)、化合物I(0.48g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6mg)、テトラブチルアンモニウムブロミド(6mg)、トルエン(6mL)、2mol/L炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を混合して105℃で6時間撹拌し、次いでフェニルボロン酸(35mg)を加え105℃で14時間撹拌した。反応混合物にジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物(0.65g)と水(13mL)とを加えて80℃で2時間撹拌した。得られた混合物をメタノールに滴下し、析出物をろ過して回収し、乾燥させた。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、アルミナクロマトグラフィー、及びシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。溶出液をメタノールに滴下し、析出物をろ過して回収し、乾燥させて重合体J(0.57g)を得た。
重合体Jのポリスチレン換算の数平均分子量は2.0×104であった。重合体Jは、式(V)で表される構造単位からなる。
Figure 2012190788
(V)
[実験例13]
重合体Jセシウム塩の合成
アルゴン雰囲気下、重合体J(0.20g)、THF(18mL)、メタノール(9mL)、水酸化セシウム一水和物(97mg)、及び水(1mL)を混合し、65℃で2時間撹拌し、次いでメタノール(52mL)を加え、65℃で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、固体にメタノールを加えてろ過し、ろ液をイソプロパノールに滴下し、固体をろ過して回収し、乾燥させて重合体Jセシウム塩(0.20g)を得た。得られた重合体Jセシウム塩を共役高分子化合物13と呼ぶ。共役高分子化合物13は、式(W)で表される構造単位からなる。
Figure 2012190788
(W)
共役高分子化合物13のHOMOの軌道エネルギーは−5.51eVであり、LUMOの軌道エネルギーは−2.64eVであった。
[参考例18]
化合物Jの合成
窒素気流下、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ)−フルオレン(138.4g)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エチル−p−トルエンスルホネート(408.6g)、炭酸カリウム(358.5g)及びアセトニトリル(2.5L)を混合し、3時間加熱還流した。放冷後、反応混合物をろ別し、ろ液を減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式で表される化合物J(109.4g)を得た。
Figure 2012190788
化合物J
化合物Kの合成
窒素雰囲気下、化合物J(101.2g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(53.1g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(3.7g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(5.4g)、酢酸カリウム(90.6g)及びジオキサン(900mL)を混合し、110℃に加熱し、8時間加熱還流させた。放冷後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物K(51.4g)を得た。
Figure 2012190788
化合物K
重合体Kの合成
化合物K(0.715g)、化合物J(0.426g)、aliquot336(6.60mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(0.460mg)、2mol/L炭酸ナトリウム水溶液(10mL)、トルエン(20mL)を混合し、105℃で攪拌した。トルエン(20mL)を加え、105℃でさらに5時間撹拌し、次いでフェニルボロン酸(32mg)を加え、105℃で6時間撹拌した。反応混合物にジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物(0.72g)と水(14mL)とを加えて80℃で2時間撹拌し、混合物をメタノールに滴下し析出物をろ過して回収し、乾燥させた。固体をクロロホルムに溶解させ、アルミナクロマトグラフィー、及びシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、溶出液を濃縮し乾燥させた。濃縮物をトルエンに溶解させてメタノールに滴下し、析出物をろ過して回収し、乾燥させて重合体K(0.55g)を得た。
重合体Kのポリスチレン換算の数平均分子量は2.3×104であった。重合体Kは、式(X)で表される構造単位からなる。
Figure 2012190788
(X)
[実験例14]
重合体Kセシウム塩の合成
アルゴン雰囲気下、重合体K(0.15g)、THF(20mL)、メタノール(10mL)、水酸化セシウム一水和物(103mg)、及び水(1mL)を混合し、65℃で2時間撹拌し、次いでメタノール(20mL)を加え、65℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮して乾燥し、得られた固体にメタノールを加えてろ過した。得られたろ液を濃縮して乾燥させ、得られた固体を水で洗浄した後、乾燥させることで、重合体Kのセシウム塩(0.14g)を得た。得られた重合体Kのセシウム塩を共役高分子化合物14と呼ぶ。共役高分子化合物14は、式(Y)で表される構造単位からなる。
Figure 2012190788
(Y)
共役高分子化合物14のHOMOの軌道エネルギーは−5.56eVであり、LUMOの軌道エネルギーは−2.67eVであった。
[参考例19]
化合物Lの合成
窒素雰囲気下、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸(92.85g)、エタノール(1140mL)、及び濃硫酸(45mL)を混合し、48時間還流し、減圧濃縮した後に酢酸エチル(1000mL)を加え、水及び10重量%炭酸ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、下記式で表される化合物L(95.38g、収率91%)を得た。
Figure 2012190788
化合物L
化合物Mの合成
窒素雰囲気下、化合物L(95.0g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(108.5g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドのジクロロメタン付加物(3.3g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(2.2g)、酢酸カリウム(117.2g)、及び1,4−ジオキサン(1.3L)を混合し、105℃で22時間撹拌した。反応混合物をろ過してジオキサン及びトルエンで洗浄した。ろ液を減圧濃縮して酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物M(90.1g、308mmol)を得た。
Figure 2012190788
化合物M
化合物Nの合成
窒素雰囲気下、1,5−ジヒドロキシナフタレン(15.0g)、トリエチルアミン(28.5g)、及びクロロホルム(150mL)を混合して0℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(68.7g)を滴下して1時間撹拌した。反応混合物に水、及びクロロホルムを加えて水層を除去し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて減圧濃縮し、得られた固体を再結晶で精製して、下記式で表される化合物N(31.46g)を得た。下記式中、Tfはトリフルオロメチルスルホニル基を示す。
Figure 2012190788
化合物N
化合物Oの合成
窒素雰囲気下、化合物N(16.90g)、化合物M(23.30g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.60g)、リン酸カリウム(42.30g)、及び1,2−ジメトキシエタン(340mL)を混合し、80℃で14時間撹拌し、反応混合物をろ過してクロロホルム及びメタノールで洗浄した。ろ液を減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式で表される化合物O(8.85g)を得た。
Figure 2012190788
化合物O
化合物Pの合成
窒素雰囲気下、化合物O(8.80g)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エチル−p−トルエンスルホネート(12.52g)、ジメチルホルムアミド(380mL)、炭酸カリウム(13.32g)、及び18−クラウン−6(1.02g)を混合し、100℃で23時間撹拌し、反応混合物を水に加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、下記式で表される化合物P(7.38g)を得た。
Figure 2012190788
化合物P
化合物Qの合成
窒素雰囲気下、化合物P(5.53g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(11.25g)、(1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(0.15g、シグマアルドリッチ社製)、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(0.12g、シグマアルドリッチ社製)、及び1,4−ジオキサン(300mL)を混合して110℃で19時間撹拌し、反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで再結晶で精製して、下記式で表される化合物Q(5.81g)を得た。得られた化合物Qについて行われたH NMRの結果を以下に示す。
H NMR(400MHz,CDCl,rt)
δ(ppm) 1.27−1.41(30H),3.39(6H),3.57(4H),3.66−3.75(8H),3.83(4H),3.99(4H),4.27−4.42(8H),7.13(2H),7.60(2H),7.76(2H),7.93(2H),8.30(2H).
Figure 2012190788
化合物Q
重合体Lの合成
アルゴン雰囲気下、化合物J(0.53g)、化合物Q(0.43g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.3mg)、Aliquat336(5mg、シグマアルドリッチ社製)、トルエン(12mL)、2mol/L炭酸ナトリウム水溶液(1mL)を混合し、105℃で9時間撹拌し、次いでフェニルボロン酸(23mg)を加え105℃で14時間撹拌した。反応混合物にジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物(0.40g)と水(8mL)とを加えて80℃で2時間撹拌し、混合物をメタノールに滴下し析出物をろ過して回収し、乾燥させた。固体をクロロホルムに溶解させ、アルミナクロマトグラフィー、及びシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、溶出液をメタノールに滴下し、析出物をろ過して回収し、乾燥させて重合体L(0.56g)を得た。
重合体Lのポリスチレン換算の数平均分子量は3.4×104であった。重合体Lは、式(Z)で表される構造単位からなる。
Figure 2012190788
(Z)

[実験例15]
重合体Lセシウム塩の合成
アルゴン雰囲気下、重合体L(0.25g)、THF(13mL)、メタノール(6mL)、水酸化セシウム一水和物(69mg)、及び水(1mL)を混合し、65℃で6時間撹拌し、反応混合物を濃縮してイソプロパノールに滴下し、固体をろ過して回収し、乾燥させた。得られた固体にメタノールを加えてろ過し、ろ液をイソプロパノールに滴下し固体をろ過して回収し、乾燥させて重合体Lセシウム塩(0.19g)を得た。得られた重合体Lセシウム塩を共役高分子化合物15と呼ぶ。共役高分子化合物15は、式(AA)で表される構造単位からなる。
Figure 2012190788
(AA)
共役高分子化合物15のHOMOの軌道エネルギーは−5.50eV、LUMOの軌道エネルギーは−2.65eVであった。
[実験例16]
メタノールと共役高分子化合物1とを混合し、0.2重量%の共役高分子化合物1を含む組成物を得た。ガラス基板表面に成膜パターニングされたITO陰極(膜厚:45nm)上に、前記組成物を大気中でスピンコート法により塗布し、膜厚10nmの塗膜を得た。この塗膜を設けた基板を常圧の不活性雰囲気下(窒素雰囲気下)、130℃で10分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却させ、共役高分子化合物1を含む電子注入層が形成された基板を得た。
次に、発光高分子材料(サメイション(株)製「Lumation BP361」)とキシレンとを混合し、1.4重量%の発光高分子材料を含む発光層形成用組成物を得た。上記で得た共役高分子化合物1を含む層が形成された基板の共役高分子化合物1を含む層の上に、発光層形成用組成物を大気中でスピンコート法により塗布し、膜厚80nmの塗膜を得た。この塗膜を設けた基板を不活性雰囲気下(窒素雰囲気下)、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却させ、発光層が形成された基板を得た。
次に、上記で得た発光層が形成された基板の発光層の上に、正孔注入材料溶液を大気中でスピンコート法により塗布し、膜厚60nmの塗膜を得た。この塗膜を設けた基板を不活性雰囲気下(窒素雰囲気下)、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然冷却させ、正孔注入層が形成された基板を得た。ここで正孔注入材料溶液には、スタルクヴイテック(株)製PEDOT:PSS溶液(ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸、製品名:「Baytron」)を用いた。
上記で得た正孔注入層が形成された基板を真空装置内に挿入し、真空蒸着法によって該層の上にAuを80nm成膜し、陽極を形成させて、積層構造体1を製造した。
上記で得た積層構造体1を真空装置より取り出し、不活性ガス雰囲気下(窒素雰囲気下)で、封止ガラスと2液混合型エポキシ樹脂にて封止し、有機EL素子1を得た。
上記で得られた有機EL素子1に10Vの順方向電圧を印加し、発光輝度と発光効率とを測定した。結果を表1に示す。
Figure 2012190788
[実験例17]
<両面発光型の有機EL素子の作製>
実験例16において、Auの膜厚を20nmとした以外は、実験例16と同様に操作し、両面発光型の有機EL素子2を得た。
上記で得られた両面発光型の有機EL素子2に15Vの順方向電圧を印加し、発光輝度と発光効率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2012190788
<有機EL素子の作製>
[実施例1]
ITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタ法によって形成されたものであって、その厚みは50nmであり、陽極に相当する。このITO薄膜上に、高分子化合物Aの懸濁液をスピンコート法により塗布成膜し、厚みが60nmの正孔注入層用の塗布膜を形成した。この薄膜をホットプレート上で170℃、15分間乾燥することによって正孔注入層を形成した。なお正孔注入層は大気雰囲気中において形成した。
つぎに、高分子化合物Bを0.8重量%の濃度でキシレンに溶解し、高分子化合物Bをを含むキシレン溶液をえた。このキシレン溶液を大気中においてスピンコート法によって正孔注入層上に塗布し、膜厚が20nmの正孔輸送層用の塗布膜を成膜した。つづいて、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において180℃、60分間保持することによって塗布膜を乾燥し、正孔輸送層をえた。
つぎに高分子化合物Cを1.3重量%の濃度でキシレンに溶解し、高分子化合物Cを含むキシレン溶液をえた。このキシレン溶液を大気中においてスピンコート法によって正孔輸送層上に塗布し、膜厚が80nmの発光層用の塗布膜を成膜した。つづいて、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において170℃、10分間保持することによって塗布膜を乾燥し、発光層をえた。
つぎに共役高分子化合物1を0.2重量%の濃度でメタノールに溶解し、共役高分子化合物1を含むメタノール溶液をえた。このメタノール溶液を大気中においてスピンコート法により発光層上に塗布し、膜厚が6nmの電子注入層用の塗布膜を成膜した。つづいて、大気雰囲気中において130℃で10分間保持することによって塗布膜を加熱した(1回目の加熱)。
1回目の加熱を終えた形成途中の有機EL素子を大気中、室温で90分間保管した。その後、大気雰囲気中において130℃で10分間保持することによって塗布膜を加熱し(2回目の加熱)、電子注入層をえた。
つづいて、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した状態において、陰極としてアルミニウムを約100nm蒸着した。蒸着後、接着部材を介してガラス基板を貼り合せ、封止をおこない、有機EL素子を作製した。
[実施例2]
実施例2では、実施例1とは2回目の加熱の条件のみを異ならせて、他は実施例1と同様に有機EL素子を形成した。重複する説明を省略するため、以下では2回目の加熱条件のみについて説明する。
2回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
[実施例3]
実施例3では、実施例1とは1回目の加熱の条件のみを異ならせて、他は実施例1と同様に有機EL素子を形成した。重複する説明を省略するため、以下では1回目の加熱の条件のみについて説明する。
1回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
[実施例4]
実施例4では、実施例1とは1回目および2回目の加熱の条件のみを異ならせて、他は実施例1と同様に有機EL素子を形成した。重複する説明を省略するため、以下では1回目および2回目の加熱の条件のみについて説明する。
1回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
2回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
[比較例1]
比較例1では、実施例1とは2回目を省略したこと以外は実施例1と同様に有機EL素子を形成した。すなわち1回目の加熱をおこない、大気中で90分間保管したのちに、2回目の加熱をおこなうことなく陰極を形成した。
[輝度半減寿命の測定]
実施例1〜4および比較例1において作製した各有機EL素子の輝度半減寿命を測定した。すなわち各有機EL素子を定電流駆動したさいに、輝度が初期輝度の50%になるまでの時間(輝度半減寿命LT50)を測定した。なお定電流駆動を開始するさいの初期輝度は5,000cd/m2とした。各有機EL素子の寿命比は、比較例1で作製した素子の輝度半減寿命を1.0として算出した。
測定結果を表3に示す。
Figure 2012190788
表3に示すように、2回目の加熱をおこなうことによって、2回目の加熱をおこなわない場合に比べて、輝度半減寿命が1.5倍または1.4倍向上した。しかも、1回目の加熱及び/又は2回目の加熱を大気雰囲気中でおこなった場合でも、1回目の加熱及び/又は2回目の加熱を窒素雰囲気中でおこなった場合と同程度に輝度半減寿命が向上することが確認された。
[実施例5]
ITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタ法によって形成されたものであって、その厚みは50nmであり、陽極に相当する。このITO薄膜上に、高分子化合物Aの懸濁液をスピンコート法により塗布成膜し、厚みが60nmの正孔注入層用の塗布膜を形成した。この薄膜をホットプレート上で170℃、15分間乾燥することによって正孔注入層を形成した。なお正孔注入層は大気雰囲気中において形成した。
つぎに、高分子化合物Bを0.8重量%の濃度でキシレンに溶解し、高分子化合物Bをを含むキシレン溶液をえた。このキシレン溶液を大気中においてスピンコート法によって正孔注入層上に塗布し、膜厚が20nmの正孔輸送層用の塗布膜を成膜した。つづいて、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において180℃、60分間保持することによって塗布膜を乾燥し、正孔輸送層をえた。
つぎに高分子化合物Cを1.3重量%の濃度でキシレンに溶解し、高分子化合物Cを含むキシレン溶液をえた。このキシレン溶液を大気中においてスピンコート法によって正孔輸送層上に塗布し、膜厚が80nmの発光層用の塗布膜を成膜した。つづいて、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において170℃、10分間保持することによって塗布膜を乾燥し、発光層をえた。
つぎに共役高分子化合物13を0.2重量%の濃度でメタノールに溶解し、共役高分子化合物13を含むメタノール溶液をえた。このメタノール溶液を大気中においてスピンコート法により発光層上に塗布し、膜厚が6nmの電子注入層用の塗布膜を成膜した。つづいて、大気雰囲気中において130℃で10分間保持することによって塗布膜を加熱した(1回目の加熱)。
1回目の加熱を終えた形成途中の有機EL素子を大気中、室温で90分間保管した。その後、大気雰囲気中において130℃で10分間保持することによって塗布膜を加熱し(2回目の加熱)、電子注入層をえた。
つづいて、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した状態において、陰極としてアルミニウムを約100nm蒸着した。蒸着後、接着部材を介してガラス基板を貼り合せ、封止をおこない、有機EL素子を作製した。
[実施例6]
実施例6では、実施例5とは2回目の加熱の条件のみを異ならせて、他は実施例5と同様に有機EL素子を形成した。重複する説明を省略するため、以下では2回目の加熱条件のみについて説明する。
2回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
[実施例7]
実施例7では、実施例5とは1回目の加熱の条件のみを異ならせて、他は実施例5と同様に有機EL素子を形成した。重複する説明を省略するため、以下では1回目の加熱の条件のみについて説明する。
1回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
[実施例8]
実施例8では、実施例5とは1回目および2回目の加熱の条件のみを異ならせて、他は実施例5と同様に有機EL素子を形成した。重複する説明を省略するため、以下では1回目および2回目の加熱の条件のみについて説明する。
1回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
2回目の加熱は、常圧程度の圧力において、酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素雰囲気中において130℃で10分間保持することによっておこなった。
[比較例2]
比較例2では、実施例5とは2回目を省略したこと以外は実施例5と同様に有機EL素子を形成した。すなわち1回目の加熱をおこない、大気中で90分間保管したのちに、2回目の加熱をおこなうことなく陰極を形成した。
[輝度半減寿命の測定]
実施例5〜8および比較例2において作製した各有機EL素子の輝度半減寿命を測定した。すなわち各有機EL素子を定電流駆動したさいに、輝度が初期輝度の50%になるまでの時間(輝度半減寿命LT50)を測定した。なお定電流駆動を開始するさいの初期輝度は5,000cd/m2とした。各有機EL素子の寿命比は、比較例2で作製した素子の輝度半減寿命を1.0として算出した。
測定結果を表4に示す。
Figure 2012190788
表4に示すように、2回目の加熱をおこなうことによって、2回目の加熱をおこなわない場合に比べて、輝度半減寿命が1.2倍〜1.4倍向上した。しかも、1回目の加熱及び/又は2回目の加熱を大気雰囲気中でおこなった場合でも、1回目の加熱及び/又は2回目の加熱を窒素雰囲気中でおこなった場合と同様に輝度半減寿命が向上することが確認された。
1 有機EL素子
2 基板
3 陽極
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6 発光層
7 電子注入層
8 陰極

Claims (5)

  1. 陽極、発光層、電子注入層、および陰極がこの順に積層された構成の有機EL素子の製造方法であって、
    陽極を形成する工程と、
    発光層を形成する工程と、
    電子注入層を形成する工程と、
    陰極を形成する工程とを含み、
    前記電子注入層を形成する工程では、イオン性ポリマーを含む塗布液を塗布成膜し、成膜した薄膜を加熱した後に、当該薄膜の形成された形成途中の有機EL素子を所定の時間保管し、その後、前記薄膜をふたたび加熱する、有機EL素子の製造方法。
  2. 前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱のうち、少なくとも1回の加熱を、窒素の体積比が90%以下の雰囲気中でおこなう、請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱のうち、少なくとも1回の加熱を、窒素の体積比が90%以下、かつ酸素の体積比が10%〜30%の雰囲気中でおこなう、請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管の前後におこなう2回の加熱を、窒素の体積比が90%以下、かつ酸素の体積比が10%〜30%の雰囲気中でおこなう、請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 前記電子注入層を形成する工程では、前記形成途中の有機EL素子の保管を、窒素の体積比が90%以下の雰囲気中でおこなう、請求項1〜4のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
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