JP2012190742A - 有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率と駆動電圧及び面内均一性が改良された有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に陽極と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、透光性の電極を少なくとも有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、該透光性の電極は少なくとも金属酸化物を含有する透明電極であり、かつ、該透明電極は、その作製時に使用する不活性ガスと酸素ガスの混合ガスとして、酸素ガス混合比率を一定速度で増加し作製されたものであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法に関する。
各種ディスプレイのバックライト、看板や非常灯等の表示板、照明等の光源として用いられる面発光体は、高輝度、高発光効率、薄型、軽量といった多くの優れた特徴を有することから、近年注目されている。このような面発光体の中でも、有機材料を用いて正負の各電極からの電気エネルギーによって発光させる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能であり、薄膜型の完全固体素子であり、省スペースである等の理由から、特に近年注目されている。
有機EL素子の高効率化には光取り出し効率の向上が必須であるが、有機EL素子は発光層と金属電極との距離が数十nmオーダーと近いため、表面プラズモンモード光の導波損失が大きく、光取り出し効率が上がらないという課題を有している。表面プラズモンモード光の導波損失を少なくする手段としては、トップエミッション型の構成を取ることが挙げられる。
トップエミッション型の構成を取るためには、光取り出し側に透光性の電極が必要になり、通常ではインジウム錫酸化物(Tin−doped−Indium Oxide 以下ITO)やインジウム亜鉛酸化物(Zinc−doped−Indium Oxide 以下IZO)等が用いられる。ITO膜やIZO膜の形成には通常、スパッタ法やイオンプレーデイング法が用いられるが、これらの方法は比較的高エネルギーの粒子を発生させるため、トップエミッション方式の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、先に形成した有機層へのダメージが大きく、素子特性を劣化させてしまう。
スパッタ法やイオンプレーデイング法における透光性の金属酸化物電極作製時の有機EL層へのダメージの緩和という観点から、金属薄膜をバッファー層に用いることが提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。バッファー層としては、MgAg等が開示されている。金属バッファー層を用いる場合は、金属バッファー層に低抵抗化の効果を持たせることが可能である。しかし、金属バッファー層の低抵抗化と有機EL層への低ダメージ化の両立は難しく、有機EL層へのダメージ低減のためバッファー層膜厚を上げると透光性がおちるというトレードオフが存在する。
有機層へのダメージを低減するために、対向ロール式のスパッタ装置を用いて透明電極を作製する方法が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、この方式で透明電極を作製した場合、プラズマ空間と成膜空間が離れているため有機層へのダメージは少ないが成膜速度が非常に遅いという欠点を抱えている。
また、スパッタ装置で異なる酸素濃度で、高抵抗率の透明導電膜と低抵抗率の透明導電膜を積層することで、スパッタ時の酸素によるダメージを抑制しているが(例えば、特許文献3参照)、照明用途で使用する大面積の有機エレクトロルミネッセンス素子では、給電部からの距離が離れるほど輝度が低下したり、駆動電圧が上昇するという問題を抱えていた。
特開平8−185984号公報 特許第3955744号明細書 特許第4573592号明細書
Nature:vol.380、1996年3月7日、29頁
本発明の目的は、発光効率と駆動電圧及び面内均一性が改良された有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.基板上に陽極と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、透光性の電極を少なくとも有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、該透光性の電極は少なくとも金属酸化物を含有する透明電極であり、かつ、該透明電極は、その作製時に使用する不活性ガスと酸素ガスの混合ガスとして、酸素ガス混合比率を一定速度で増加し作製されたものであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記透光性の電極の作製時にチャンバー内圧力を一定にし、酸素ガス比率を一定速度で増加し作製することを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.前記透光性の電極の作製初期におけるチャンバー内の不活性ガスが、実質的に酸素ガスを含有しないことを特徴とする前記1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
4.前記透光性の電極の作製時の酸素ガス濃度の上限が10%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記透明電極が、錫をドープした酸化インジウム、インジウム亜鉛酸化物、ガリウムをドープした酸化亜鉛、及びアルミニウムをドープした酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記有機エレクトロルミネッセンス素子がトップエミッションであることを特徴とする前記5又は6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記有機エレクトロルミネッセンス素子が両面エミッションであることを特徴とする前記5〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明によれば、発光効率と駆動電圧及び面内均一性が改良された有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、電子注入層が発光層に近い側から第一電子注入層、第二電子注入層の二層構成から成り、第一電子注入層の窒素物のバンドギャップに対して、第二電子注入層の窒素物のバンドギャップが狭くなるような電子注入層を用いることで、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を高め、駆動電圧を低減できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の電子注入層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。
《有機EL素子》
まず、面発光体の一例である本発明の有機EL素子の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する内容は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
はじめに、本発明の有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極(透明電極)
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極(透明電極)
(iii)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/透明保護層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極(透明電極)/補助電極
本発明の有機EL素子は陰極が透明であることを特徴とし、陽極はアプリケーションによって透明、不透明のどちらも選択することができる。本発明の有機EL素子は陽極〜陰極の順番に成膜するトップエミッション型の構成を取ることが好ましい。
発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していることが好ましく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。また、正孔輸送層には正孔注入層、電子阻止層も含まれる。
〔透明導電性層:電極〕
本発明に係る有機EL素子における透明導電性層としては、インジウムチンオキシド(ITO)、ZnO、IZO(In−ZnO)やAZO(Alminium doped zinc oxide)、GZO(Galiume doped zinc oxide)等の光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いることが好ましい。本発明においては、透明導電性層は陰極として用いられることが好ましい。
透明電極の形成方法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学的気相成長法(Chemical vapor deposition:CVD)等が挙げられるが、本発明における透明導電性層の成膜方法としては成膜速度を高める関連から、スパッタリング法とイオンプレーティング法が特に好ましい。陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
本発明の透明電極の作製初期は、酸素濃度を実質的に導入しない条件(酸素の分圧が実質的に0になる条件あるいは酸素濃度が0%の条件)で開始し、酸素濃度を一定速度で上げていくことを特徴とする。不活性ガスと酸素ガスの比率を100:0で透明電極作製開始し、最終的な比率(体積比率)は90:10まであげることが好ましい。特に好ましくは、95:5までで透明電極の抵抗率も100Ω/□以下と小さくなってくる。また、酸素の分圧の上限値としては、1.0×10−2Pa以下が好ましく、5.0×10−3Pa以下がより好ましい。酸素分圧の上限値を超えると逆に抵抗率が上昇したり、移動度も低下するので、透明導電膜としての所望の性能が得られなくなるおそれがある。透明導電膜の成膜時の酸素濃度を一定速度で上げていくことで、金属酸化物中の酸素空孔の比率が変化し、透明導電膜の抵抗率が勾配を持って徐々に低抵抗化していく。成膜初期に酸素を導入しないで成膜開始することから、有機層への酸素によるダメージを低減でき、透明導電膜内に界面がある場合と比較して、抵抗率に勾配がかかるためキャリアの移動度や密度にも影響が非常に小さくなり好ましい。
本発明において、酸素の分圧が実質的に0とは、酸素濃度が0.01%以下の場合か、あるいは装置の検出限界値以下を言う。
《透明保護層》
本発明の透明保護層とは、実質的に透明であり、かつ透明保護層の後工程での発光層へのプロセスダメージを抑制する層であることを特徴とする。透明とは可視光透過率が50%以上のことを指す。
本発明の有機EL素子は、透明導電性層と発光層との間に透明保護層を有していても良い。透明導電性層と発光層との間に透明保護層を有していると透明保護層以降のプロセスでの発光層の劣化が抑制されるだけでなく、本発明に係る電子注入層の劣化がさらに抑制される。
本発明の透明保護層は必要に応じてパターニングされていても良い。透明保護層をパターニングすることで透明導電性層と電子注入層が電気的に接触した構成となるため、透明導電性層から輸送された電子が透明保護層を通らずに電子注入層に輸送されるため、低い電圧で発光させることが可能となる。
《補助電極》
本発明の有機EL素子は、透明導電性層上に抵抗を下げる目的で補助電極を設けることができる。補助電極を形成する材料としては、金、白金、銀、銅、アルミ等の抵抗が低い金属が好ましい。補助電極の形成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、インクジェット法、エアロゾルジェット法などが挙げられる。本発明の補助電極の線幅は透明導電性層の開口率の観点から50μm以下であることが好ましく、補助電極の厚さは導電性の観点から、1μ以上であることが好ましい。
〔発光層〕
発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。また、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の膜厚の総和は1〜100nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、より低い駆動電圧を得ることができることから1nm以上、30nm以下である。なお、発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む膜厚である。
個々の発光層の膜厚としては、1〜50nmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは1〜20nmの範囲に調整することである。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はない。
発光層の作製には、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜形成方法により製膜して形成することができる。
各発光層は複数の発光材料を混合してもよく、また燐光発光材料と蛍光発光材料を同一発光層中に混合して用いてもよい。
発光層の構成として、ホスト化合物、発光材料(発光ドーパント化合物ともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
〈ホスト化合物〉
有機EL素子の発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。更に好ましくは燐光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもいい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、発光の長波長化を防ぎ、かつ高Tg(ガラス転移温度)化合物が好ましい。ここでいうガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
〈発光材料〉
次に、発光材料について説明する。
発光材料としては、蛍光性化合物、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物等ともいう)を用いることができる。
燐光発光材料とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にて燐光発光する化合物であり、燐光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましい燐光量子収率は0.1以上である。
上記燐光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中での燐光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明において燐光発光材料を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて上記燐光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
燐光発光材料の発光の原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーを燐光発光材料に移動させることで燐光発光材料からの発光を得るというエネルギー移動型であり、もう一つは燐光発光材料がキャリアトラップとなり、燐光発光材料上でキャリアの再結合が起こり燐光発光材料からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、燐光発光材料の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
燐光発光材料は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
有機EL素子には、蛍光発光体を用いることもできる。蛍光発光体(蛍光性ドーパント)の代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
また、従来公知のドーパントも本発明に用いることができ、例えば、国際公開第00/70655号明細書、特開2002−280178号公報、同2001−181616号公報、同2002−280179号公報、同2001−181617号公報、同2002−280180号公報、同2001−247859号公報、同2002−299060号公報、同2001−313178号公報、同2002−302671号公報、同2001−345183号公報、同2002−324679号公報、国際公開第02/15645号明細書、特開2002−332291号公報、同2002−50484号公報、同2002−332292号公報、同2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、同2002−338588号公報、同2002−170684号公報、同2002−352960号公報、国際公開第01/93642号明細書、特開2002−50483号公報、同2002−100476号公報、同2002−173674号公報、同2002−359082号公報、同2002−175884号公報、同2002−363552号公報、同2002−184582号公報、同2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、同2002−226495号公報、同2002−234894号公報、同2002−235076号公報、同2002−241751号公報、同2001−319779号公報、同2001−319780号公報、同2002−62824号公報、同2002−100474号公報、同2002−203679号公報、同2002−343572号公報、同2002−203678号公報等が挙げられる。
本発明においては、少なくとも一つの発光層に2種以上の発光材料を含有していてもよく、発光層における発光材料の濃度比が発光層の厚さ方向で変化していてもよい。
〔中間層〕
各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設ける場合について説明する。
非発光性の中間層とは、複数の発光層を有する場合、その発光層間に設けられる層である。非発光性の中間層の膜厚としては1〜20nmの範囲にあるのが好ましく、更には3〜10nmの範囲にあることが隣接発光層間のエネルギー移動等相互作用を抑制し、且つ素子の電流電圧特性に大きな負荷を与えないということから好ましい。
この非発光性の中間層に用いられる材料としては、発光層のホスト化合物と同一でも異なっていてもよいが、隣接する2つの発光層の少なくとも一方の発光層のホスト材料と同一であることが好ましい。
非発光性の中間層は非発光層、各発光層と共通の化合物(例えば、ホスト化合物等)を含有していてもよく、各々共通ホスト材料(ここで、共通ホスト材料が用いられるとは、燐光発光エネルギー、ガラス転移点等の物理化学的特性が同一である場合やホスト化合物の分子構造が同一である場合等を示す。)を含有することにより、発光層−非発光層間の層間の注入障壁が低減され、電圧(電流)を変化させても正孔と電子の注入バランスが保ちやすいという効果を得ることができる。更に、非ドープ発光層に各発光層に含まれるホスト化合物と同一の物理的特性または同一の分子構造を有するホスト材料を用いることにより、従来の有機EL素子作製の大きな問題点である素子作製の煩雑さをも併せて解消することができる。
ホスト材料はキャリアの輸送を担うため、キャリア輸送能を有する材料が好ましい。キャリア輸送能を表す物性としてキャリア移動度が用いられるが、有機材料のキャリア移動度は一般的に電界強度に依存性が見られる。電界強度依存性の高い材料は正孔と電子注入・輸送バランスを崩しやすいため、中間層材料、ホスト材料は移動度の電界強度依存性の少ない材料を用いることが好ましい。
また、一方では、正孔や電子の注入バランスを最適に調整するためには、非発光性の中間層は後述する阻止層、即ち正孔阻止層、電子阻止層として機能することも好ましい態様として挙げられる。
〔注入層:電子注入層、正孔注入層〕
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、および陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン層、酸化バナジウムに代表される酸化物層、アモルファスカーボン層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子層等が挙げられる。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属層、フッ化カリウムに代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデンに代表される酸化物層等が挙げられる。本発明に係わる電子注入層は積層しても良く、金属層とアルカリ金属ハライド層との積層構成か酸化物層と金属層とアルカリ金属ハライド層の層構成が好ましく、金属酸化物にアルカリ金属がドープされていても良い。金属酸化物にドープするアルカリ金属の量は1〜10質量%が好ましい。上記電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は1nm〜10μmの範囲が好ましい。
〔阻止層:正孔阻止層、電子阻止層〕
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては好ましくは3〜100nmであり、更に好ましくは5〜30nmである。
〔正孔輸送層〕
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
〔電子輸送層〕
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、および複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、およびこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる積層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《トップエミッション型有機EL素子の作製》
有機EL素子1−1〜1−6及び比較の有機EL素子1−11、12は発光面積が5cm×5cmとなるように作製した。
〔有機EL素子1−1の作製〕
(陽極の形成)
透明な基板の上に厚さ100nmとなる条件でアルミニウムをスパッタ法で成膜、パターニングして、アルミニウム層から成る陽極を形成した。次いで、アルミニウム層を設けた基板を、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
(正孔注入層〜電子輸送層の形成)
このアルミニウム層を設けた基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、タンタル製抵抗加熱ボードにα−NPD、H1、Ir−1、BAlq、Alqをそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。
更に、タングステン製抵抗加熱ボードにリチム、バリウム、アルミニウムを入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
Figure 2012190742
まず、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボードに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒でアルミニウム層上に膜厚20nmの正孔注入/正孔輸送層を設けた。
更に、H1の入った前記加熱ボードとIr−1の入ったボードをそれぞれ独立に通電して、発光ホストであるH4と発光ドーパントであるIr−1の蒸着速度が100:6になるように調節し、膜厚30nmの発光層を設けた。
次いで、BAlqの入った前記加熱ボードに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。更に、Alqの入った前記加熱ボードを通電して加熱し蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚20nmの電子輸送層を設けた。
(電子注入層の形成)
次に、電子輸送層まで成膜した素子を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、アルミニウムの入った前記加熱ボードに通電して、蒸着速度0.1〜0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚5nmのアルミニウム層から成る電子注入層を設けた。
(透光性の電極(陰極)の形成)
次に、電子注入層まで成膜した素子を一旦グローブボックスに移し、次に予めITOターゲットを装着した市販の平行平板スパッタリング装置に移し、スパッタリング装置のチャンバー内を5×10−3Paまで減圧した後、窒素ガスと酸素ガスを流しながら、酸素ガス濃度が0%の条件で成膜を開始し、ガス流量を一定になるように混合ガス濃度を調整しながら、最終酸素ガス濃度が5%になるように酸素濃度を一定速度で上げて成膜速度10nm/秒で膜厚120nmのITO導電層の透光性の電極(陰極)を形成した。
(素子の封止)
最後に、上記で得られた素子をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用い、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化・封止して、トップエミッション型有機EL素子1−1を得た。
〔有機EL素子1−2の作製〕
有機EL素子1−1の透光性の電極(陰極)の形成の際酸素ガス濃度が0%の条件で成膜を開始し、ガス流量を一定になるように混合ガス濃度を調整しながら、最終酸素ガス濃度が2.5%になるように酸素濃度を一定速度で上げて成膜した以外は有機EL素子1−1の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し有機EL素子1−2を得た。
〔有機EL素子1−3の作製〕
有機EL素子1−2のターゲットITOを、IZOに変えて透光性の電極を作製した以外は有機EL素子1−2の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し有機EL素子1−2を得た。
〔有機EL素子1−4の作製〕
有機EL素子1−2のターゲットITOを、GZOに変えて透光性の電極を作製した以外は有機EL素子1−2の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し有機EL素子1−3を得た。
〔有機EL素子1−5の作製〕
有機EL素子1−2のターゲットITOを、AZOに変えて透光性の電極を作製した以外は有機EL素子1−1の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し有機EL素子1−4を得た。
〔有機EL素子1−6の作製〕
有機EL素子1−2と同様に有機EL素子を作製したのち、インクジェットを用いてAgナノペーストで補助配線を形成してから、有機EL素子1−1と同様に封止し有機EL素子1−5を得た。
〔比較の有機EL素子1−11の作製〕
有機EL素子1−6の透光性の電極を作製する際、アルゴンと酸素ガス濃度比率を終始100:0の条件でITO導電膜を120nm形成した以外は有機EL素子1−6の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し比較の有機EL素子1−11を得た。
〔比較の有機EL素子1−12の作製〕
有機EL素子1−6の透光性の電極を作製する際、アルゴンと酸素ガス濃度比率が85:15の条件でITO導電膜を120nm形成した以外は有機EL素子1−6の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し比較の有機EL素子1−12を得た。
〔比較の有機EL素子1−13の作製〕
有機EL素子1−6の透光性の電極を作製する際、アルゴンと酸素ガス濃度比率を終始100:0の条件でITO導電膜を120nm形成し、終了時酸素を導入して酸素ガス濃度を2.5%にした以外は有機EL素子1−6の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し比較の有機EL素子1−13を得た。
実施例2
《両面エミッション型有機EL素子の作製》
有機EL素子2−1及び比較の有機EL素子2−11は発光面積が5cm×5cmとなるように作製した。
〔有機EL素子2−1の作製〕
(陽極の形成)
透明な基板の上に厚さ100nmとなる条件でITOをスパッタ法で成膜、パターニングして、ITO層から成る陽極を形成した。次いで、ITO層を設けた基板を、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
(正孔注入層〜電子輸送層の形成)
このITO層を設けた基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、タンタル製抵抗加熱ボードにα−NPD、H1、Ir−1、BAlq、Alqをそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。
更に、タングステン製抵抗加熱ボードにリチウム、バリウム、アルミニウムを入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
まず、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボードに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒でITO層上に膜厚20nmの正孔注入/正孔輸送層を設けた。
更に、H1の入った前記加熱ボードとIr−1の入ったボードをそれぞれ独立に通電して、発光ホストであるH4と発光ドーパントであるIr−1の蒸着速度が100:6になるように調節し、膜厚30nmの発光層を設けた。
次いで、BAlqの入った前記加熱ボードに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。更に、Alqの入った前記加熱ボードを通電して加熱し蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚20nmの電子輸送層を設けた。
(電子注入層の形成)
次に、電子輸送層まで成膜した素子を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、アルミニウムの入った前記加熱ボードに通電して、蒸着速度0.1〜0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚5nmのアルミニウム層から成る電子注入層を設けた。
(透光性の電極(陰極)の形成)
次に、電子注入層まで成膜した素子を一旦グローブボックスに移し、次に予めITOターゲットを装着した市販の平行平板スパッタリング装置に移し、スパッタリング装置のチャンバー内を5×10−3Paまで減圧した後、窒素ガスと酸素ガスを流しながら、酸素ガス濃度が0%の条件で成膜を開始し、ガス流量を一定になるように混合ガス濃度を調整しながら、最終酸素ガス濃度が2.5%になるように酸素濃度を一定速度で上げて成膜速度10nm/秒で膜厚120nmのITO導電層の透光性の電極(陰極)を形成した。
次いで、透光性の電極(陰極)の上に有機EL素子1−6の作製と同様にしてインクジェットを用いてAgナノペーストで補助配線を形成して有機EL素子1−1を得た。
(素子の封止)
最後に、上記で得られた素子をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用い、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化・封止して、両面エミッション型有機EL素子2−1を得た。
〔比較の有機EL素子2−11の作製〕
有機EL素子2−1の透光性の電極を作製する際、アルゴンと酸素ガス濃度比率を終始100:0の条件でITO導電膜を120nm形成した以外は有機EL素子2−1の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し比較の有機EL素子2−11を得た。
〔比較の有機EL素子2−12の作製〕
有機EL素子2−1の透光性の電極を作製する際、アルゴンと酸素ガス濃度比率が85:15の条件でITO導電膜を120nm形成した以外は有機EL素子2−1の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し比較の有機EL素子2−12を得た。
〔比較の有機EL素子2−13の作製〕
有機EL素子1−6の透光性の電極を作製する際、アルゴンと酸素ガス濃度比率を終始100:0の条件でITO導電膜を120nm形成し、終了時酸素を導入して酸素ガス濃度を2.5%にした以外は有機EL素子2−1の作製と同様にして有機EL素子を作製したのち、有機EL素子1−1と同様に封止し比較の有機EL素子2−13を得た。
〔発光効率の測定〕
上記作製した各有機EL素子に対し、2.5mA/cm定電流を流したときの外部取り出し量子効率(%)を測定した。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。
得られた外部取り出し量子効率(%)の測定結果を基に、有機EL素子2−1の外部取り出し量子効率(%)を100としたときの相対値を求め、これを発光効率の尺度とした。尚、外部量子効率の相対値が大きいほど発光効率が高く、好ましい結果であることを表す。なお、外部取り出し量子効率は陽極側と陰極側の両側の光量の和から算出した。
〔電圧の評価〕
上記で作製した各有機EL素子に対し、陽極側と陰極側の両側の正面輝度の和が1000cd/mとなるときの電圧を各素子の電圧とした。尚、電圧の数値が小さいほど、好ましい結果であることを表す。
〔面内均一性の評価〕
上記で作製した各有機EL素子に2.5mA/mの電流を流した時の発光面内での輝度低下を2次元色彩輝度計CA−2000(コニカミノルタセンシング製)を用いて測定し、最も輝度の高い部分を100として、そこに対する輝度低下の割合を示す。以上により得られた結果を表1に記す。
〔発光寿命の評価〕
上記作製した各有機EL素子に対し、正面輝度が1000cd/mとなるような電流を与え、連続駆動した。次いで、正面輝度が初期値(1000cd/m)の半減値(500cd/m)になるまでに要する半減時間Tを求めた。次いで、有機EL素子1の半減時間Tを100とした時の各有機EL素子の相対半減時間を求め、これを発光寿命の尺度とした。尚、相対半減時間が大きいほど発光寿命が長く、好ましい結果であることを表す。
Figure 2012190742
表1の結果から明らかなように、本発明で規定する有機エレクトロルミネッセンス素子では、駆動電圧が低く、大面積での面内均一性、発光寿命ともに良好であることが分かる。

Claims (8)

  1. 基板上に陽極と正孔輸送層、発光層、電子輸送層、透光性の電極を少なくとも有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、該透光性の電極は少なくとも金属酸化物を含有する透明電極であり、かつ、該透明電極は、その作製時に使用する不活性ガスと酸素ガスの混合ガスとして、酸素ガス混合比率を一定速度で増加し作製されたものであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記透光性の電極の作製時にチャンバー内圧力を一定にし、酸素ガス比率を一定速度で増加し作製することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記透光性の電極の作製初期におけるチャンバー内の不活性ガスが、実質的に酸素ガスを含有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記透光性の電極の作製時の酸素ガス濃度の上限が10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記透明電極が、錫をドープした酸化インジウム、インジウム亜鉛酸化物、ガリウムをドープした酸化亜鉛、及びアルミニウムをドープした酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子がトップエミッションであることを特徴とする請求項5又は6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が両面エミッションであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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