JP2012190564A - 樹脂モールド真空バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】真空バルブを構成する封着金具と、この封着金具の電界緩和を図る外部シールドとの間に空気を残存させないようにし、絶縁欠陥の形成を防いだ絶縁層を得る。
【解決手段】真空絶縁容器1と、真空絶縁容器1内に収納された接離自在の一対の接点5、6と、真空絶縁容器1の両端開口部に封着された封着金具2、3と、封着金具2、3の外周を覆うように配置されるとともに、所定の高さを有するそれぞれの固定部材11、13でこの封着金具2、3に固定されたそれぞれの外部シールド10、12と、真空絶縁容器1、封着金具2、3、外部シールド10、12の外周に形成された絶縁層とを備えた構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、真空バルブをエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などの絶縁材料でモールド(注型)した樹脂モールド真空バルブに関する。
従来、接離自在の一対の接点を有する真空バルブの外周をエポキシ樹脂でモールドし、外部絶縁を補強したものが知られている。モールドにあたっては、真空絶縁容器に封着される円板状の封着金具が電界集中を起こし易いので、この外周を覆うような椀状の外部シールドを設け、電界緩和が図られている(例えば、特許文献1参照。)。
外部シールドは、軸方向と直交する半径方向面と軸方向と平行する外周端部とで構成され、外部シールドの半径方向面が封着金具の面に当接し、この状態を保ってモールドされる。このため、封着金具と外部シールドの隙間に空気が残存することがあり、モールド時に漏れ出してくることがある。エポキシ樹脂が硬化するまでの間に、残存していた空気が漏れ出してくると、ボイドなどの絶縁欠陥となり、部分放電特性を低下させることになる。
特開2001−338557号公報
本発明が解決しようとする課題は、封着金具と、この封着金具の電界緩和を図る外部シールドとの間に空気を残存させないようにし、ボイドなどの絶縁欠陥の起き難い樹脂モールド真空バルブを提供することにある。
上記課題を解決するために、実施形態の樹脂モールド真空バルブでは、真空絶縁容器と、前記真空絶縁容器内に収納された接離自在の一対の接点と、前記真空絶縁容器の開口部に封着された封着金具と、前記封着金具の外周を覆うように配置されるとともに、所定の高さを有する固定部材でこの封着金具に固定された外部シールドと、前記真空絶縁容器、前記封着金具、前記外部シールドの外周に形成された絶縁層とを備えている。
本発明の実施例1に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す断面図。 図1のA−A矢視図。 本発明の実施例1に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す要部拡大半断面図。 本発明の実施例2に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す要部拡大半断面図。 本発明の実施例3に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す要部拡大半断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る樹脂モールド真空バルブを図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す断面図、図2は、図1のA−A矢視図、図3は、本発明の実施例1に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す要部拡大半断面図である。
図1に示すように、2本連結した筒状の真空絶縁容器1の両端開口部には、円板状の固定側封着金具2と可動側封着金具3が封着されている。固定側封着金具2の中央部には、固定側通電軸4が貫通固定されており、真空絶縁容器1内の端部に固定側接点5が固着されている。固定側接点5に対向し、接離自在の可動側接点6が可動側封着金具3の開口部を移動自在に貫通する可動側通電軸7端部に固着されている。可動側通電軸7の中間部には、伸縮自在のベローズ8の一方端が封着され、他方端が可動側封着金具3の開口部に封着されている。これにより、真空絶縁容器1内の真空を保って、可動側通電軸7を軸方向に移動させることができる。なお、接点5、6を包囲するように筒状のアークシールド9が真空絶縁容器1の内面中間部に固定されている。
固定側封着金具2には、外周を覆うような椀状の固定側外部シールド10が金属製の固定側固定部材11を介して設けられている。固定側固定部材11は、1〜3mmの所定の高さを有している。可動側封着金具3にも、固定側と同様に、外周を覆うような椀状の可動側外部シールド12が金属製の可動側固定部材13を介して設けられている。可動側固定部材13も1〜3mmの所定の高さを有している。外部シールド10、12は、軸方向と直交する半径方向面と、軸方向と平行する外周端部とで構成されている。可動側通電軸7の外周には、モールド時にエポキシ樹脂が浸入しないように、所定の隙間を保ったシール管14が設けられている。
真空絶縁容器1、固定側封着金具2、固定側外部シールド10、可動側封着金具3、可動側外部シールド12などの外周には、エポキシ樹脂をモールドして形成した絶縁層15が設けられている。絶縁層15の軸方向両端には、テーパー状の界面接続部16が設けられており、他の電気機器が接続されるようになっている。界面接続部16を除く絶縁層15の外周には、例えば導電性塗料を塗布して形成した接地層17が設けられ、電界緩和が図られている。
次に、固定部材11、13の構成を固定側を示す図2、図3を参照して説明する。なお、可動側も同様の構成である。
図2に示すように、固定側固定部材11は、円周方向に3個(3個以上の複数)等間隔に配置されている。固定側固定部材11は、図3に示すように、固定側封着金具2の面に固定された凸状の突起部11aと、固定側外部シールド10の軸方向と直交する半径方向面に固定された凹状の窪み部11bで構成されている。窪み部11bには、突起部11aが嵌め込まれ、強固に固定される。
突起部11aと窪み部11bを合せた高さは前述の通り所定の高さを有し、固定側封着金具2と固定側外部シールド11間には絶縁層15aが形成される。この絶縁層15aは、絶縁層15と連接し、同一成分である。なお、突起部11aと窪み部11bの固定は、上述の逆でもよい。
これにより、固定側封着金具2と固定側外部シールド10の軸方向と直交する半径方向面間が所定の距離に保たれ、モールド時に、この間にエポキシ樹脂が流れ込み、空気が残存していたとしても注型金型外に押出し、ボイドなどの絶縁欠陥のない絶縁層15、15aとすることができる。また、固定側固定部材11により固定側外部シールド10を固定側封着金具2と同電位とすることができ、電界緩和を図ることができる。
上記実施例1の樹脂モールド真空バルブによれば、封着金具2、3の電界緩和を行う外部シールド10、12を所定の高さを有する固定部材11、13を介して固定しているので、封着金具2、3と外部シールド10、12間に充分にエポキシ樹脂が流れ込み、ボイドなどの絶縁欠陥のない絶縁層15、15aとすることができる。
上記実施例1では、突起部11aを凸状で説明したが、これを棒状、クサビ状などにしてもよく、窪み部11bに確実に嵌め込まれるものなら、その形状は問わない。
次に、本発明の実施例2に係る樹脂モールド真空バルブを図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施例2に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す要部拡大半断面図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、固定部材の材質である。図4において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、固定側封着金具2に導電性ゴムからなる凸状の弾性部材18を複数固定し、弾性部材18と対向する固定側外部シールド10に弾性部材18が嵌め込まれる嵌合孔19を設けている。弾性部材18と嵌合孔19で固定部材が構成される。
上記実施例2の樹脂モールド真空バルブによれば、実施例1による効果のほかに、絶縁層15、15aの熱応力を弾性部材18で吸収することができ、耐クラック性を向上させることができる。
次に、本発明の実施例3に係る樹脂モールド真空バルブを図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施例3に係る樹脂モールド真空バルブの構成を示す要部拡大半断面図である。なお、この実施例3が実施例2と異なる点は、外部シールドに樹脂流通孔を設けたことである。図5において、実施例2と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、固定側外部シールド10には、軸方向と直交する半径方向面に、モールド時にエポキシ樹脂が流通する複数の樹脂流通孔20を設けている。
上記実施例3の樹脂モールド真空バルブによれば、実施例2による効果のほかに、樹脂流通孔20により、固定側封着金具2と固定側外部シールド10間へのエポキシ樹脂の流れ込み、残留空気の押出しなどをより効率的に行うことができる。
以上述べたような実施形態によれば、真空バルブをモールドした絶縁層を、絶縁欠陥の形成し難いものにすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 真空絶縁容器
2 固定側封着金具
3 可動側封着金具
4 固定側通電軸
5 固定側接点
6 可動側接点
7 可動側通電軸
8 ベローズ
9 アークシールド
10 固定側外部シールド
11 固定側固定部材
11a 突起部
11b 窪み部
12 可動側外部シールド
13 可動側固定部材
14 シール管
15、15a 絶縁層
16 界面接続部
17 接地層
18 弾性部材
19 嵌合孔
20 樹脂流通孔

Claims (5)

  1. 真空絶縁容器と、
    前記真空絶縁容器内に収納された接離自在の一対の接点と、
    前記真空絶縁容器の開口部に封着された封着金具と、
    前記封着金具の外周を覆うように配置されるとともに、所定の高さを有する固定部材でこの封着金具に固定された外部シールドと、
    前記真空絶縁容器、前記封着金具、前記外部シールドの外周に形成された絶縁層とを備えた樹脂モールド真空バルブ。
  2. 前記固定部材は、前記封着金具と前記外部シールドとの一方の円周方向に固定された複数の突起部と、
    前記封着金具と前記外部シールドとの他方に固定された前記突起部が嵌め込まれる複数の窪み部とで構成される請求項1に記載の樹脂モールド真空バルブ。
  3. 前記固定部材は、前記封着金具の円周方向に固定された導電性の複数の弾性部材と、
    前記弾性部材が嵌め込まれる前記外部シールドに設けられた複数の嵌合孔とで構成される請求項1に記載の樹脂モールド真空バルブ。
  4. 前記外部シールドに樹脂が流通する複数の樹脂流通孔を設けた請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の樹脂モールド真空バルブ。
  5. 前記絶縁層の外周に接地層を設けた請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の樹脂モールド真空バルブ。
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