JP2012189692A - 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用トナーの提供。
【解決手段】アルコキシシリル基を有する反応性重合体と、結着樹脂と、を含有する電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関する。
電子写真法により形成されたトナー画像のドキュメントオフセット改良のため、特許文献1、2においてはトナー表面に、オルガノポリシロキサンやシランカップリング剤の架橋反応により無機コートを実施することや特許文献3においては無機シリカをアルコキシシリル基によりトナー表面に固着させることが記載されている。また、特許文献4、5では外殻層を設け、その外殻層のガラス転移温度(Tg)を高めることでドキュメントオフセット性向上を図るなどの方法が考案されている。
また、特許文献6では後処理工程においてコーティングすることでトナー画像の保護を図っている。
特開平7−239573号公報 特開平9−269611号公報 特開2009−282086号公報 特開2010−78995号公報 特開2008−281677号公報 特開2010−33052号公報
本発明は、ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用トナーを提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、
アルコキシシリル基を有する反応性重合体と、結着樹脂と、を含有する電子写真用トナーである。
請求項2に係る発明は、
芯体粒子と前記芯体粒子を被覆する被覆層とを有する層構造を有し、
前記反応性重合体が、前記芯体粒子及び前記被覆層の少なくとも一方に含有される請求項1に記載の電子写真用トナーである。
請求項3に係る発明は、
前記反応性重合体の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して1質量部以上50質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナーである。
請求項4に係る発明は、
前記反応性重合体がコア部と前記コア部を覆うシェル部とを含むコアシェル構造を有する粒子状であり、前記コア部のガラス転移温度よりも前記シェル部のガラス転移温度が高い請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真用トナーである。
請求項5に係る発明は、
前記コア部のガラス転移温度が−60℃以上10℃以下であり、前記シェル部のガラス転移温度が40℃以上80℃以下である請求項4に記載の電子写真用トナーである。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真用トナーを含有する電子写真用現像剤である。
請求項7に係る発明は、
トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項8に係る発明は、
現像剤保持体を少なくとも備え、請求項6に記載の電子写真用現像剤を収容するプロセスカートリッジである。
請求項9に係る発明は、
感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体上に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の電子写真用現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有する画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含有しない場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用トナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、芯体粒子と前記芯体粒子を被覆する被覆層とを有する層構造を有さない場合に比較して、トナーの帯電安定性が向上する。
請求項3に係る発明によれば、反応性重合体の含有量が結着樹脂100質量部に対して1質量部以上50質量部以下の範囲外である場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生がさらに抑制される。
請求項4に係る発明によれば、粒子状の反応性重合体におけるコア部のガラス転移温度がシェル部のガラス転移温度と同じかそれよりも高い場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生がさらに抑制される。
請求項5に係る発明によれば、粒子状の反応性重合体におけるコア部のガラス転移温度及びシェル部のガラス転移温度のいずれかが上記範囲外である場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生がさらに抑制される。
請求項6に係る発明によれば、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含有しない場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用現像剤が提供される。
請求項7に係る発明によれば、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含有しない場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用トナーを収容するトナーカートリッジが提供される。
請求項8に係る発明によれば、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含有しない場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高められる。
請求項9に係る発明によれば、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含有しない場合に比較して、ドキュメントオフセットの発生が抑制される電子写真用現像剤を用いた画像形成装置が提供される。
第一実施形態に係る画像形成装置について示す概略構成図である。 第二実施形態に係る画像形成装置について示す概略構成図である。 本実施形態に係る電子写真用現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<電子写真用トナー>
本実施形態の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)は、アルコキシシリル基を有する反応性重合体と、結着樹脂と、を含有する。
ここで、本実施形態において「アルコキシシリル基を有する反応性重合体」とは、架橋反応を生じさせる能力(反応性)を有するアルコキシシリル基が重合体中に含まれていることをいう。
本実施形態のトナーにアルコキシシリル基を有する反応性重合体が含まれているか否かは、以下の方法により確認される。
固体核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定により確認できる。 核磁気共鳴スペクトル測定装置として、ブルカーバイオスピン社製AVANCE400を使用し、マジック角回転(MAS)装置を備えたプローブを用いて、交差分極(CP)法によるC13 CP−MAS NMR測定およびハイパワーデカップル(HD)法によるSi29 HD- MAS NMR測定を行った。
13 CP−MAS NMR測定よりSi原子に結合したメタクリロキシプロピル構造中の炭素からのシグナルが確認できる。これらのシグナルは、反応前のメタクリロキシプロピルトリメトキシシランのそれぞれをNMR測定したNMRスペクトルと同じ位置かどうかを判断する。
また、Si29 HD- MAS NMR測定によりSi−Oが隣接するSi原子からのシグナルを確認できる。
一般に、電子写真用トナーには結着樹脂として熱可塑性樹脂が用いられており、この種の結着樹脂を含むトナー画像は、そのガラス転移温度(Tg)以上の温度の熱が加わった場合やTg以下でも高い圧力が加わった場合、画像部分の樹脂成分が溶融し印字物の裏面あるいは他の印字物に付着し画像の欠損が起こるという場合がある。これをドキュメントオフセットとよぶ。
本実施形態においては、アルコキシシリル基を有する反応性重合体をトナー中に含有させることで、定着性を損なうことなくドキュメントオフセットの発生を抑制可能となった。そのメカニズムは明確ではないが、以下のように推察される。
電子写真方式によりトナー画像を形成する際、記録紙等の被転写体上に転写された未定着のトナー画像は定着ロール等の定着手段により加熱され被転写体上に定着される。ドキュメントオフセットの発生を抑制するには、トナーの架橋密度を高く、また、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を高くすることで達成するが、架橋密度を高くすることや結着樹脂の高Tg化により未定着のトナー画像を定着するのに要するエネルギーが増大し、結果として定着性を損なってしまう。
本実施形態のトナーは結着樹脂と共にアルコキシシリル基を有する反応性重合体を含むものであるが、アルコキシシリル基は加熱により架橋反応を生ずる。そのため、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含むトナー像を定着する際、加熱によりアルコキシシリル基の架橋反応が進行する。これによって、トナー画像の架橋密度、Tgが上昇しドキュメントオフセットが生じにくくなる。また、ドキュメントオフセット防止のため結着樹脂のガラス転移温度を上げる必要がないことから、未定着のトナー画像を定着するのに要するエネルギーが増大することもない。
そのため、本実施形態のトナーを用いることで定着性を損なうことなくドキュメントオフセットの発生が抑制されるものと推察される。
本実施形態のトナーは、アルコキシシリル基を有する反応性重合体と結着樹脂とを含有するが、必要に応じて着色剤や離型剤等のその他の成分や外添剤を含んでもよい。
また、本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によって作製される。
以下に、本実施形態のトナーに含まれる各成分及び製造方法について説明する。
本実施形態のトナーは、芯体粒子とこの芯体粒子を被覆する被覆層とを有する層構成(コアシェル構造)の形成が容易なことから、結着樹脂を含有する樹脂粒子及び/又はその凝集粒子と、アルコキシシリル基を有する反応性重合体を含有する乳化粒子と、必要に応じてその他の成分の分散物とを、水または溶剤媒体中で凝集させて凝集粒子を得た後(凝集工程)、この凝集粒子を融合・合一(融合・合一工程)して得られたものであってもよい。
本実施形態のトナーは、芯体粒子とこの芯体粒子を被覆する被覆層とを有する層構造を有していてもよい。この場合、アルコキシシリル基を有する反応性重合体は、芯体粒子及び被覆層の少なくとも一方に含有されていればよい。
上記層構造は、凝集工程において、凝集粒子を形成した後にこの凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着させて形成してもよい。凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着させることで、被覆層が形成される。また、凝集粒子が芯体粒子となる。芯体粒子を被覆層で覆うことにより、芯体粒子に含まれる成分がトナー表面に露出するのを防止できる。そのため、トナーの帯電安定性が向上する。
(アルコキシシリル基を有する反応性重合体)
本実施形態に使用されるアルコキシシリル基を有する反応性重合体(以下「アルコキシシリル含有重合体」ということがある)としては、分子内にアルコキシシリル基を複数含有する重合体が使用可能である。アルコキシシリル含有重合体は、例えば、アルコキシシリル基を有する単量体の重合によって得ることができ、必要に応じて、アルコキシシリル基を有する単量体と、これと共重合可能な単量体との共重合によって得ることもできる。
アルコキシシリル基を有する単量体としては、特に制限はないが、R (3−n)SiX(式中、Rは重合性二重結合を有する1価有機基、Rは炭素数1以上4以下のアルキル基、Xは炭素数1以上4以下のアルコキシル基、nは2又は3)で示される有機ケイ素化合物であり、2又は3個のアルコキシル基を有し、かつ、反応性二重結合を有する化合物である。
その具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−( メタ) アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルメチルジブトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、γ−( メタ) アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ −( メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−( メタ)アクリロキシプロピルジメチルブトキシシランなどが上げられ、これらを1 種又は2 種以上併用して用いることができる。
また、アルコキシシリル基を有する単量体と共重合可能な重合性単量体としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N −(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン含有α,β−不飽和脂肪族炭化水素;スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族炭化水素等を挙げることができる。
アルコキシシリル含有重合体は、コア部とこのコア部を覆うシェル部とを含むコアシェル構造を有する粒子状であってもよい。この場合、コア部のガラス転移温度よりもシェル部のガラス転移温度が高いことが望ましい。コア部のガラス転移温度よりもシェル部のガラス転移温度が高いとガラス転移温度の低いコア部がガラス転移温度の高いシェル部により保護されるため、コア部のアルコキシシリル含有重合体が粒子内から漏れ出るのを防ぐことができる。これにより、コア部のアルコキシシリル含有重合体の反応性の失活が防止され、その結果としてドキュメントオフセットの発生がさらに抑制される。
コア部のガラス転移温度は−60℃以上10℃以下であり、シェル部のガラス転移温度は40℃以上80℃以下であることが望ましい。コア部のガラス転移温度は−60℃以上10℃以下であればコア部のアルコキシシリル含有重合体の粘度がトナー画像を定着する際に十分に低下するため、アルコキシシリル含有重合体の架橋反応が促進される。また、シェル部のガラス転移温度が40℃以上80℃以下であればコア部のアルコキシシリル含有重合体が粒子内から漏れ出るのを防ぐことができると共に、トナー画像を定着する際のエネルギーにより容易にシェル部が破壊されてコア部のアルコキシシリル含有重合体が放出される。その結果としてドキュメントオフセットの発生がさらに抑制される。
本実施形態においては、コア部又はシェル部に含まれるアルコキシシリル含有重合体のガラス転移温度を調整することで、コア部のガラス転移温度及びシェル部のガラス転移温度が調整される。また、アルコキシシリル含有重合体を構成する単量体の種類や含有比率を調整することで、アルコキシシリル含有重合体のガラス転移温度が調整される。
本実施形態のトナー中におけるアルコキシシリル含有重合体の含有量は、ドキュメントオフセット性の向上の観点から、後述する結着樹脂100質量部に対して1質量部以上50質量部以下が望ましく、2質量部以上40質量部以下が更に望ましく、3質量部以上30質量部以下が特に望ましい。
本実施形態で用いられるアルコキシシリル含有重合体は乳化粒子として調製されてもよい。
以下に、アルコキシシリル含有重合体の乳化粒子の製造方法について説明する。
まず、アルコキシシリル基を有する単量体と必要に応じて用いられるアルコキシシリル基を有する単量体と共重合可能な単量体とを含む第1の混合物を第1段として公地の乳化重合法で乳化重合し、得られたコア成分の存在下に、第1の混合物とは単量体の種類及び比率が同じであっても異なっていてもよい第2の混合物を乳化重合しシェル成分を導入する。なお、コア部、シェル部各成分内の重合は、何回かに分割して行ってもよい。
乳化重合に際しては、通常用いられるイオン性または非イオン性の界面活性剤を用いることができる。
イオン性界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアリルエーテルサルフェート、オクチルフェノキシエトキシエチルスルホネート、ポリオキシエチレントリデシルエーテルサルフェートなどのポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤;ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;イミダゾリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイドなどのアンモニウム塩などが代表例として挙げられるが、これらの中では、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。
また、非イオン性界面活性剤としては、たとえばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレン類;L−77、L−720、L−5410、L−7602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社製)などのシリコーンを含む非イオン系の界面活性剤などが代表例として挙げられる。
本実施形態においては、界面活性剤として1分子中に重合性二重結合を有する反応性界面活性剤を用いることが耐水性、耐候性の点で好ましい。また、特に分子内にポリオキシアルキレン基を有する反応性界面活性剤を用いた場合には、機械的安定性を向上させることができる。
かかる反応性界面活性剤の具体例としては、例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、SR−05、SR−10、SR−20、SR−1025、NE−10、NE−20、NE−30、NE−40、SE−10N)、日本乳化剤(株)製Antox−MS−60、RMA−1120、RMA−564、RMA−568、RMA−506、第一工業製薬(株)製アクアロンKH−05、KH−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN−2025、HS−10、HS−20、HS−1025、BC05、BC10、BC0515、BC1025、三洋化成工業(株)製エレミノールJS−2、エレミノールRS−30、花王(株)製ラテムルS−180、S−180A、PD−104、PD−420、PD−430などが挙げられる。
なかでも、環境への配慮から、非アルキルフェノール系のものが望ましい。
前記界面活性剤は、単独または2種以上を混合して用いることができ、その使用量は、単量体全量100質量部に対して10質量部以下、好ましくは0.5質量部以上8質量部以下が好ましい。
重合開始剤としては、特に限定はないが、重合をより安定に行なうために、重合開始剤としてレドックス系を用いることが望ましい。また、重合中の混合液の安定性を保持し、重合を安定に行なうためには、温度は70℃以下、好ましくは40℃以上65℃以下であり、pHは5以上9以下に調整することが好ましい。
前記レドックス系に用いる開始剤として、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられ、これらに組み合わせる還元剤としては、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、Bruggolite FF−6(BruggamannChemicalUS製)、二酸化チオ尿素、L−アスコルビン酸などがあげられる。特に、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物とロンガリット、Bruggolite FF−6または二酸化チオ尿素との組み合わせが好ましい。
なお、還元剤は、環境への配慮からホルムアルデヒド発生のないBruggolite FF−6、二酸化チオ尿素が特に好ましい。
前記重合開始剤の使用量は、単量体全量100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下、好ましくは0.05質量部以上5質量部以下である。
また、重合開始剤の触媒活性を安定的に付与するために、硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート化剤を用いてもよい。かかるキレート化剤の使用量は、単量体全量100質量部に対して0.0001質量部以上1質量部以下、好ましくは0.001質量部以上0.5質量部以下である。
重合体の分子量を調節するために連鎖移動剤の添加も可能である。連鎖移動剤としては公知のもの、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプタン系化合物、クロロホルム、四塩化炭素等の有機ハロゲン化物、スルフィドベンゼン、イソプロピルベンゼン、塩化第二鉄等が挙げられる。
なお、反応性のアルコキシシリル基を残したまま水系で単量体を重合する方法としては、例えば、特開2006−307098号公報やテクノコスモス、2004、March、Vol.17等に記載の方法を参照できる。
アルコキシシリル含有重合体の乳化粒子の粒径は効率よく凝集させる観点から、体積平均粒子径(D50)で0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、50nm以上500nm以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、60nm以上400nm以下、特に好ましくは70nm以上300nm以下である。
アルコキシシリル含有重合体の乳化液の固形分は、乳化粒子を効率よく凝集させる観点から、10質量%以上70質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
本実施形態において、乳化粒子や分散物等の体積平均粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
(硬化触媒)
本実施形態のトナーは、未定着のトナー画像を定着する際におけるアルコキシシリル基の架橋反応(加水分解縮合反応)を促進させる目的で、硬化触媒を含有してもよい。
硬化触媒としては、有機金属化合物、酸性触媒、塩基性触媒が使用される。
これら硬化触媒の中でも好ましいのは、触媒活性の特に高い有機錫化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンの混合物または有機酸との混合物、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸またはその酸無水物、反応性シリコーン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物またはこれらの混合物などである。
有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ジオレイルマレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫チオグリコレート、ジブチル錫ビスイソノニル3 − メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジブチル錫ビス2 −エチルヘキシルチオグリコレート、ジメチル錫ビスドデシルメルカプチド、ジメチル錫ビス( オクチルチオグルコール酸エステル) 塩、オクチル酸錫などが挙げられる。
酸性リン酸エステル化合物としては、ジ-2-エチル ヘキシルハイドロゼン ホスファイト、プロピルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2 ― エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジ− 2 ― エチルヘキシルホスフェート、モノイソデシルアシッドホスフェート、ジイソデシルホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート(商品名A-18、SC有機化学(株))、ステアリルアシッドホスフェートモノエステル分離物(A-118HP、SC有機化学(株))、酸性トリポリリン酸アルミニウム(ミテジマ化学)などが挙げられる。
アミン化合物としては、トリエチルアミン、n − ブチルアミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、アンモニア、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、牛脂アミンなどが挙げられる。
硬化触媒はトナーに添加するため常温(15℃)で固体であることが好ましく、ステアリルアシッドホスフェート(商品名A-18、SC有機化学(株))、ステアリルアシッドホスフェートモノエステル分離物(A-118HP、SC有機化学(株))、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、牛脂アミンが好ましく、さらに好ましくはステアリルアシッドホスフェート(商品名A-18、SC有機化学(株))、ジメチルベヘニルアミン(商品名ファーミンDM2285、花王)の組合せが最も反応性がよく短時間で硬化するため最も好ましい。
硬化触媒の含有量は、アルコキシシリル含有重合体を硬化させるのに有効な量であればよく特に限定されるものではないが、具体的には、トナー中に含まれるアルコキシシリル含有重合体に対して0.0001質量%以上30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%以上10質量%以下である。0.0001質量%以上であればアルコキシシリル含有重合体の硬化が十分となり、硬度が向上する。30質量%以下であればトナー化に支障をきたすことがない。
(結着樹脂)
本実施形態における結着樹脂としては、公知のバインダ樹脂を使用してもよい。結着樹脂の主成分としては、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などが単独で使用されるか又は併用される。
分子間の凝集性が強く、そのためドキュメントオフセット性が高く、また耐久性や透光性等の点から、ポリエステル樹脂が好適であり、ポリエステル樹脂としては3価以上の多価カルボン酸成分やアルコール成分のないポリエステル樹脂が好ましいが、3価以上の多価カルボン酸成分は、全カルボン酸中に5モル%以上40モル%以下程度なら含有しても定着にほとんど影響しないためよい。また、変性は強度アップの観点からウレタン変性やポリエーテル変性などを用いてもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が公知である。
好適なポリエステル樹脂についてさらに説明すると、かかるポリエステル樹脂において用いる酸成分は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、又はこれらの無水物等を包含し、好適にはテレフタル酸/イソフタル酸である。これらの酸成分は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、定着時の臭いが問題にならない範囲で、他の酸成分を上記酸成分に組み合わせて使用してもよい。他の酸成分として、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等が挙げられ、更には、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル若しくはアルケニルコハク酸、又はこれらの酸の無水物、低級アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸も挙げられる。また、ポリエステル樹脂に架橋を施すためには、三価以上のカルボン酸成分も他の酸成分として混合使用可能である。三価以上のカルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、その他のポリカルボン酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
また、前記ポリエステル樹脂は、通常、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物で構成され、望ましくは90モル%以上、さらに望ましくは95モル%以上であることが好ましい。
上記ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態で結着樹脂として使用するポリエステル樹脂において、必要に応じて、他のアルコール成分を上記のアルコール成分に組み合わせて使用してもよい。他のアルコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等、その他の二価のアルコールが挙げられる。
また、他のアルコール成分として、三価以上のアルコールも好適である。かかるアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、その他の三価以上のアルコールが挙げられる。
さらに、かかるポリエステル樹脂を合成する反応の際には、その反応を促進せしめるため、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート、チタン化合物等が有利に使用される。チタン化合物は特に着色性がありブラックトナーに最適である。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01質量部以上1質量部以下が好ましく、0.1質量部以上0.6質量部以下がより好ましい。
なお、以上述べたトナーに使用される結着樹脂のTg(ガラス転移温度)は、好適には45℃以上60℃以下の範囲である。また、ポリエステルは、酸基を有するものであることが好ましく、酸価は、乳化する際の製造性の観点から、6mgKOH/g以上35mgKOH/g以下が好ましい。
なお、本実施形態において、酸価の測定は、JIS K−0070−1992に準ずる。
湿式製法によりトナーを製造する場合、結着樹脂を含有する樹脂粒子が用いられる。
本実施形態におけるポリエステルを含有する樹脂粒子は、ポリエステルを含有する樹脂を水系媒体中で分散して得ることが好ましい。
該樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の調製は、樹脂粒子の小粒径化及び得られるトナーの均一な粒径分布化の観点から、結着樹脂を乳化させて行うことが好ましい。
結着樹脂を分散させる水系媒体は水を主成分とするものである。水以外の成分としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール)等の有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。
本実施形態においては、ポリエステルを含有する結着樹脂を分散させるに際して、結着樹脂の分散安定性の向上などの観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以上3質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以上2質量部以下の界面活性剤を存在させることが好ましい。
上記界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン系界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
一般的には、アニオン系界面活性剤は分散力が強く、樹脂粒子、着色剤の分散に優れているため、離型剤を分散させるための界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤を用いることが有利である。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
界面活性剤の各分散液中における含有量としては、本実施形態を阻害しない程度であれば良く、一般的には少量であり、具体的には0.01質量%以上10質量%以下程度の範囲であり、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下の範囲であり、さらに好ましくは0.1質量%以上2質量%以下程度の範囲である。含有量が0.01質量%以上であると、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等の各分散液が安定する。そのため、凝集の発生が生じにくく、また、凝集時に各粒子間の安定性が異なることによる特定粒子の遊離が起きにくい。含有量が10質量%以下であれば、粒子の粒度分布が狭くなり、また、粒子径の制御が容易になる。一般的には粒子径の大きい懸濁重合トナー分散物は、界面活性剤の使用量は少量でも安定である。また、常温固体の水性ポリマー等も用いることができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム等が使用できる。
(着色剤)
本実施形態のトナーは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、下記に示すものをトナーの色彩に対応させて選択すればよい。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが挙げられる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3がより望ましい。
また、マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。
また、イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが挙げられる。
トナーにおける各着色剤の添加量は、結着樹脂等との混合により作製された最終的なトナー粒子100質量部中に2質量部以上15質量部以下の範囲であることが望ましく、3質量部以上7質量部以下の範囲であることがより望ましい。
また、ブラックトナーにおいては、着色剤としてカーボンブラック、磁性粒子、チタンブラック、非磁性黒色無機物、ニグロシン染料などが挙げられる。
トナーにおけるブラック着色剤の添加量は、結着樹脂等との混合により作製された最終的なトナー粒子100質量部中に0.5質量部以上25質量部以下の範囲であることが望ましく、1質量部以上15質量部以下の範囲であることがより望ましい。
着色剤分散液の調製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。着色剤は、水中にイオン性(カチオン性又はアニオン性)界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。分散させた着色剤粒子の体積平均粒子径は1μm以下であればよいが、80nm以上500nm以下の範囲であれば、凝集性を損なうことなく且つトナー中の着色剤の分散が良好で望ましい。
また、本実施形態のトナーには、必要に応じて離型剤(ワックス)や帯電制御剤を用いてもよい。
ワックスとしては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレンとプロピレンの共重合物が望ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
これらのワックスは1種類を単独で、又は2種類以上を併用してもよい。本実施形態におけるワックスの添加量は、最終的に製造されたトナー粒子中、0.1質量%以上10質量%以下の範囲であることが望ましく、0.5質量%以上4質量%以下の範囲であることがより望ましい。
離型剤分散液の調製に際しては、離型剤を、水中にイオン性(カチオン性又はアニオン性)界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の溶融温度以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力が付与されるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理する。上記処理を経ることにより、離型剤分散液が得られる。分散処理の際、ポリ塩化アルミニウム等の無機化合物を分散液に添加してもよい。望ましい無機化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、高塩基性ポリ塩化アルミニウム(BAC)、ポリ水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が望ましい。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用される。
本実施形態のトナーには、光定着方式による定着を可能とするため、アミニウム塩系化合物やジイモニウム塩系化合物等のオニウム塩系化合物、酸化インジウム系金属酸化物、酸化スズ系金属酸化物、酸化亜鉛系金属酸化物、スズ酸カドミウム、特定のアミド化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム化合物等の赤外線吸収剤を添加してもよい。
これらの赤外線吸収剤の好適な使用量はトナー粒子100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下である。より望ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。添加量が0.1質量部以上であれば、トナーの近赤外領域の光エネルギー吸収性能が確保され、定着不良が防止される。一方、添加量が10質量部以下であれば、帯電不良や色相変化などの不具合を招くことがない。
本実施形態のトナーに赤外線吸収剤を添加することで、画像定着装置として、少なくとも750nm以上1200nm以下の波長領域に赤外領域の発光ピークを有するハロゲン露光装置、フラッシュ露光装置、レーザー露光装置等が有利に使用される。
(凝集工程)
以下に、本実施形態における凝集工程及び融合・合一工程について説明する。
本実施形態のトナーは、ポリエステルなどの結着樹脂を含有する樹脂粒子及び/又はその凝集粒子と、アルコキシシリル含有重合体を含有する乳化粒子と、必要に応じてその他の成分の分散物とを、水または溶媒媒体中で凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程を経て得られるものであってもよく、ポリエステルなどの結着樹脂を含有する樹脂粒子及び/又はその凝集粒子の分散液と、アルコキシシリル含有重合体を含有する乳化粒子を含む重合体乳化液と、必要に応じて用いられるその他の成分の分散液とを混合して、水系または溶媒媒体中で上記樹脂粒子及び/又はその凝集粒子と乳化粒子と必要に応じて用いられるその他の分散物とを凝集させて得られるものであってもよい。
アルコキシシリル基を有する反応性重合体を乳化粒子として使用することで、アルコキシシリル含有重合体を含有する乳化粒子と、カルボン酸成分を有するポリエステル樹脂粒子及び/又は凝集粒子とがトナー画像の定着の際の熱によって架橋反応し、またはアルコキシシリル基の自己架橋によって分子量がアップすることでドキュメントオフセット性を改善することができる。
なお、上記混合の際の各分散(乳化)液の温度は、結着樹脂とアルコキシシリル含有重合体との架橋反応が行われる温度より低い温度であってもよいが、該架橋反応を進行させうる温度であってもよい。具体的には、30℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上60℃以下がさらに好ましい。
凝集工程において、結着樹脂を含有する樹脂粒子及び/又はその凝集粒子とアルコキシシリル含有重合体を含有する乳化粒子と必要に応じて用いられるその他の成分の分散物とを含む凝集粒子は、結着樹脂を含有する樹脂粒子及び/又はその凝集粒子の分散液とアルコキシシリル含有重合体を含有する乳化粒子を含む重合体乳化液と必要に応じて用いられるその他の成分の分散液とを混合した混合液に凝集剤を添加することで形成されてもよい。
該凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮した場合、凝集剤としては、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。具体的には塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられる。
これらの凝集剤の混合液中の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合は3質量%以下程度、二価の場合は1質量%以下程度、三価の場合は0.5質量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物を用いることが好ましい。
(融合・合一工程)
本実施形態における融合・合一工程では、前記凝集粒子を好ましくは結着樹脂のガラス転移温度又は融解温度付近の温度(具体的には、結着樹脂の軟化点の−10℃以上+5℃以下)に加熱し、酸及び界面活性剤を添加しながら融合・合一することが重要である。
融合・合一工程では、トナーが凝集して粗大粉ができてしまい粒度分布が崩れることがあるが、界面活性剤と共に、酸を添加して融合・合一させることにより、トナーを凝集させず、粗大粉の発生を抑制しながらpHを下げることが可能となった。
また、酸に対する界面活性剤の添加比率は、モル比で、0.1以上0.7以下であることが好ましく、0.3以上0.6以下であることがより好ましく、0.4以上0.5以下であることが更に好ましい。前記添加比率が0.1以上であると、凝集体の反発を抑制しつつ、カルボキシルイオンを増加させることができるため、粗大粉を発生させることなく融合が進み、空隙を低減したトナーを得ることができる。一方、前記添加比率が0.7以下の場合、トナー表面への活性剤付着が少なく、高温高湿下において帯電性が低下することで発生するかぶりが抑制される。
上記に用いる酸としては特に制限はないが、例えば、硝酸、硫酸、酢酸、リン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメリット酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、ケイ皮酸等が挙げられ、硝酸が好ましい。
また、上記に用いる界面活性剤としては特に制限はないが、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両面活性剤等が挙げられる。特に硝酸とアニオン系界面活性剤の組合せは、アニオン系界面活性剤のアニオン部位が硝酸に吸着しやすいため、硝酸のカルボキシルイオンとの作用を抑制でき、トナー同士の凝集を抑制しやすい観点からより好ましい。この場合のアニオン系界面活性剤としては、既述の乳化重合凝集法における樹脂粒子分散液、着色剤分散液、及び離型剤分散液の分散安定を目的として用いられるアニオン系界面活性剤と同様のものが好ましく用いられる。
(洗浄、乾燥工程等)
融合・合一工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
また、乾燥後のトナー粒子には、種々の外添剤を必要に応じて添加することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー子等、公知の粒子が使用できる。外添剤の個数平均粒子径は好ましくは4nm以上200nm以下、より好ましくは8nm以上30nm以下である。外添剤の個数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて求められる。外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、1.0質量部以上3.5質量部以下がより好ましい。
また、外添剤としてアルコキシシリル含有重合体を含む樹脂粒子を用いてもよい。
本実施形態のトナーの軟化温度は、一般に70℃以上140℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以上120℃以下、さらに好ましくは85℃以上95℃以下である。また、ガラス転移温度は、トナーの低温定着性と耐熱保存性の向上の観点から、30℃以上65℃以下が好ましく、40℃以上60℃以下がより好ましい。なお、トナーの軟化温度及びガラス転移温度の測定方法は、樹脂におけるこれらの測定方法と同様であり、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
高画質化の観点から、トナー粒子の体積平均粒子径(D50)は1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。また、6μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、4μm以下が更に好ましい。
<電子写真用現像剤>
本実施形態に係る電子写真用現像剤は、本実施形態のトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態のトナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲にあり、望ましくは30μm以上100μm以下の範囲にある。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成方法>
電子写真プロセスでは、例えば感光体などのような光導電性絶縁体の表面に静電荷を与え、さらにこれに光像を照射することによって静電荷像を形成する。次いで、光導電性絶縁体上の潜像部分にトナーを含む現像剤を付着させ、潜像を可視化する。その後、得られたトナー像を記録紙などの被転写体に静電的に転写し、さらにこれを定着する。本実施形態では、以下において詳細に説明するように、光エネルギーを照射してトナーを溶融させた後に固化定着させる方法、すなわち、光定着法(換言すると、フラッシュ定着法)を採用してもよい。
本実施形態において採用される現像方法は、特に限定されるものではなく、その都度好適な現像方法を選択し、採用してもよい。すなわち、本実施形態では、その都度、本実施形態のトナーに求められる必須の条件を満足させつつ、それぞれの現像方法に最適な現像剤を調製し、使用してもよい。本実施形態において採用される現像方法は、したがって、この技術分野において広く使用されている二成分現像方式及び一成分現像方式の両方を包含する。
二成分現像方式は、トナーと、マグネタイト、フェライト、鉄粉、ガラスビーズ等あるいはそれらの樹脂被覆物からなるキャリアとを接触させ、摩擦帯電を利用してキャリアにトナーを付着させ、さらにこのトナーを潜像部分に案内して現像を行う方法である。すなわち、この方式の場合、トナーとキャリアを組み合わせて現像剤を構成する。この方式で使用する現像方法には、磁気ブラシ現像法などがある。
二成分現像方式におけるキャリアの使用を省略した方法として、一成分現像方式も公知である。この方式は、キャリアを使用しないので、トナーの濃度の制御、混合、攪拌、などの機構が不要となり、しかも装置の小型化が可能となるなどの利点を有している。一成分現像方式では、一般的に、トナー層を金属製の現像ローラ上に均一な薄膜として形成し、このトナー層を潜像部分に案内して現像を行ってもよい。現像ローラ上のトナーへの電荷の付与は、摩擦帯電あるいは静電誘導によって行ってもよい。例えば、摩擦帯電に基づく一成分現像方式の場合、接触を伴うBMT方式やFEED方式では磁性トナーを使用し、しかし、同じく接触を伴うタッチダウン方式では非磁性トナーを使用する。なお、電子写真プロセス及びそれにおいて採用される現像方法は、多くの電子写真関連の刊行物が存在しているので、詳細はそれらの刊行物を参照してもよい。
本実施形態に係る画像形成方法では、前述の赤外線吸収剤を含有することにより、現像剤の使用により可視化された画像を被転写体に転写した後に定着する工程において、トナー定着方式として光定着方式を使用してもよい。転写されたトナー画像の光定着には、フラッシュ光、遠赤外線、ハロゲン光、レーザー光などを光源として使用してもよい。フラッシュ光は、可視光から近赤外光までに及ぶ広い波長域の光のなかから、使用するフラッシュ定着装置の仕様に応じて適切なものを使用してもよい。特に、フラッシュ光としてキセノンランプを用いて、効率よくトナーが定着される。また、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光1回の単位面積当りの発光エネルギーは、数層のトナー層を積層して画像形成を行うカラー画像形成を考慮すると、発光エネルギー密度(入力基準)で表して、2.0J/cm以上5.0J/cm以下の範囲であるのが望ましい。
なお、発光エネルギー密度(入力基準):S(J/cm)は、以下の式で表される。
S=((1/2)×C×V)/(u×l)/(n×f)
ランプ本数 :n(本)
点灯周波数: f(Hz)
入力電圧: V(V)
コンデンサ容量: C(μF)
プロセス搬送速度: u(mm/s)
印字幅:l(mm)
また、フラッシュ光の発光時間は、フラッシュ光の発光エネルギー密度などに応じて広く変更してもよいものの、通常、500μs以上3,000μs以下の範囲であることが望ましい。フラッシュ光の発光時間が短すぎると、フラッシュ定着率を上昇させるのに十分な程度にトナーを溶融させることができないことがある。また、フラッシュ光の発光時間が長すぎると、被転写体上に定着したトナーの過熱を引き起こすおそれがある。
さらに具体的に説明すると、本実施形態におけるカラー画像形成方法は、上記のような相違点を除いて、基本的には従来の画像形成方法と同様にして実施される。望ましい一例を示すと、画像露光による静電荷像の形成は、例えば感光体などのような光導電性絶縁体の表面に正又は負の均一な静電荷を与えた後、様々な手段によって光導電性絶縁体に光像を照射することによってその絶縁体上の静電荷を部分的に消去して静電荷像を形成することによって行われる。例えば、レーザ光を照射して、特定部分の表面電荷を消去することにより、画像情報に応じた静電荷像を光導電性絶縁体上に形成してもよい。
次いで、形成された静電荷像を現像により可視化する。これは、光導電性絶縁体上の静電荷の残った潜像部分に本実施形態のトナーを含む現像剤の粉体を付着させることによって行われてもよい。
現像工程の完了後、可視化された画像を被転写体へ転写する。これは、得られたトナー像を、一般的に、記録紙などの被転写体に静電的に転写することによって行ってもよい。最後に、上記の転写工程で転写されたトナー像をフラッシュ定着により溶融させ、被転写体に定着させる。このような一連の処理工程を経て、目的とする印刷物などが得られる。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る電子写真用現像剤を用いて、被転写体上にトナー像の定着像を形成するものであれば特に限定されないが、例えば、感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体上に形成された前記静電荷像を本実施形態に係る電子写真用現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有する画像形成装置が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置による画像の形成は、例えば、以下のように行う。まず、感光体上を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールを感光体と接触若しくは近接させて、静電荷像にトナーを付着させ、感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着器により定着され、被転写体に画像が形成される。
感光体としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなどを電荷発生材料や電荷輸送材料として使用した有機感光体が用いられる。特に、感光体としては、耐摩耗性の観点から無機感光体であればアモルファスシリコン感光体、有機感光体であれば最表層にメラミン樹脂、フェノール樹脂又はシリコーン樹脂などの架橋構造を有する樹脂層を有した所謂オーバーコート層を有する感光体であることが望ましい。
また、定着器としては、加熱・加圧あるいは光により定着を行うものであればよく、本実施形態のトナーを光定着用トナーとして用いる場合には、光定着器(フラッシュ定着器)が用いられるが、その他の場合には、熱ロール定着器、オーブン定着器等が望ましく用いられる。
熱ロール定着器としては、一般的に一対の定着ロールが対向して圧接された加熱ロール型定着装置が用いられる。一対の定着ロールとしては、加熱ロール及び加圧ロールが対向して設けられ、圧接してニップが形成されている。加熱ロールは、内部にヒーターランプを有する金属製の中空芯金コアに耐油耐熱性弾性体層(弾性層)及びフッ素樹脂等よりなる表面層が順次形成されてなり、加圧ロールは、必要に応じて内部にヒーターランプを有する金属製の中空芯金コアに耐油耐熱性弾性体層及び表面層が順次形成されてなる。これらの加熱ロールと加圧ロールとが形成するニップ域に、未定着トナー像が形成された被転写体を通過させることで、未定着トナー像を定着させる。
一方、光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等があるが、フラッシュランプによって瞬時に定着させることでエネルギーが節約され最適である。
光定着の方式としては、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式であることが望ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01ms乃至100ms程度ずつ遅らせて発光を行い、同じ箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給するため、定着条件をマイルドにし、耐ボイド性と定着性との両立が実現される。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本実施形態においては、フラッシュランプの本数は1本乃至20本の範囲であることが望ましく、2本乃至10本の範囲であることがより望ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1msec乃至20msecの範囲であることが望ましく、1msec乃至3msecの範囲であることがより望ましい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、第一実施形態に係る画像形成装置について示す概略構成図である。この画像形成装置は、定着器として光定着器を備えるものである。
図1は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。
図1中、312Kはブラック現像ユニット、312Cはシアン現像ユニット、312Mはマゼンタ現像ユニット、312Yはイエロー現像ユニット、314(Y、M、C及びK)は感光体、316(Y、M、C及びK)は帯電装置、318(Y、M、C及びK)は露光装置、320(Y、M、C及びK)は現像装置、322(Y、M、C及びK)はクリーニング装置、324(Y、M、C及びK)は転写ロール、326は光定着器、328はテンションロール、390は転写電圧供給手段、Pは記録用紙を各々表す。
図1に示す画像形成装置は、帯電装置、露光装置、感光体、および現像装置を含む符号312(Y、M、C及びK)で示される各色の現像ユニットと、記録用紙Pに接して配置され、記録用紙Pを搬送するテンションロール328と、各現像ユニットの感光体314(Y、M、C及びK)を押圧するように記録用紙Pを介してその反対側に接するように配置された転写ロール324(Y、M、C及びK)と、これら4つの転写ロールに電圧を供給する転写電圧供給手段390と、感光体と転写ロールとのニップ部分を図中の矢印方向に通過する記録用紙Pの感光体と接触する側に光を照射する光定着器326と、から構成されている。
なお、ブラック現像ユニット312Kは、感光体314Kの周囲に時計回りに帯電装置316K、露光装置318K、現像装置320K、クリーニング装置322Kが配置された構成を有する。また、感光体314Kの現像装置320Kが配置された位置から時計回りにクリーニング装置322Kが配置されているまでの間の感光体314K表面に接するように、記録用紙Pを介して転写ロール324Kが対向配置されている。このような構成は他の色の現像ユニットも同様である。なお、図1に示す画像形成装置においては、各現像ユニットの現像装置320(Y、M、C及びK)には、各々の色に対応したトナーを含む現像剤が収納される。
次に、図1に示す画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、ブラック現像ユニット312Kにおいて、感光体314Kを時計回り方向に回転させつつ、帯電装置316Kにより感光体314Kの表面を帯電する。次に帯電された感光体314Kの表面を露光装置318Kにより露光することにより、複写しようとする元の画像のブラック色成分の画像に対応した静電荷像が感光体314K表面に形成される。さらに、この静電荷像上に現像装置320K内に収納されたブラックトナーを付与することによりこれを現像してブラックトナー像を形成する。このプロセスは、シアン現像ユニット312C、マゼンタ現像ユニット312M、イエロー現像ユニット312Yにおいても同様に行なわれ、それぞれ現像ユニットの感光体表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。
感光体表面に形成された各色のトナー像は、転写ロール324(Y、M、C及びK)による転写電位の作用により、矢印方向に搬送される記録用紙P上に順次転写され、元の画像情報に対応するように記録用紙Pの表面に積層されて、最上層からイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの順に積層されたカラーの積層トナー画像が形成される。
次に、この記録用紙P上の積層トナー画像が、光定着器326のところまで搬送され、そこで光定着器326から光の照射を受けて、溶融し、記録用紙Pに光定着されカラー画像が形成される。
なお、記録用紙Pへの転写を終えた感光体314(Y、M、C及びK)表面に残留するトナーは、クリーニング装置322(Y、M、C及びK)により除去される。
次に、他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図2は、第二実施形態に係る画像形成装置について示す概略構成図である。この画像形成装置は、定着器として加熱定着器を備えるものである。
図2の画像形成装置は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る電子写真用現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。
イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
トナー像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図3は、本実施形態に係る電子写真用現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、現像装置111とともに、感光体107、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図3において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図3で示すプロセスカートリッジ200では、感光体107、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態に係るプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーとしたものである。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくとも本実施形態のトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば本実施形態に係る電子写真用現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本実施形態のトナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態のトナーが容易に現像装置に供給される。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
(アルコキシシリル含有重合体A−1乃至A−16の調製)
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水180部、多環フェニルエーテル型非イオン界面活性剤Newcol−706(日本乳化剤(株)製:有効成分30%)1.5部、5%、炭酸水素ナトリウム水溶液1.5部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ55℃に昇温した。昇温後、表1(A−1乃至A−16)のコア部に示すモノマーの混合物のうち20部、7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液2.0部、還元剤として20%Bruggolite FF−6(BruggamannChemical製)水溶液1.1部、硫酸第一鉄・7水和物(0.10%)/エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(0.40%)混合水溶液1.5部を添加し、30分間初期重合を行った。上記モノマー混合物の残り180部にアデカリアソープSR−10(旭電化工業(株)製:有効成分100%)3.0部、アデカリアソープER−20(旭電化工業(株)製:有効成分75%)1.8部、および脱イオン水76部を加え乳化したモノマー乳化液を100分かけて等速追加した。その間、7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液2.4部および5%Bruggolite FF−6水溶液1.8部を添加した。
モノマー乳化液追加終了後、1時間後重合を行った。さらに、硫酸第一鉄・7水和物(0.10%)/エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(0.40%)混合水溶液1.4部を添加した後、表1(A−1乃至A−16)のシェル部に示すモノマー混合物200部にアデカリアソープSR−10の3.1部、アデカリアソープER−20の2.0部、および脱イオン水84部を加え乳化したモノマー乳化液を110分かけて等速追加した。その間、7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液2.8部および5%Bruggolite FF−6水溶液2.1部を添加した。モノマー乳化液追加終了後、1.5時間後重合を行った。得られた合成樹脂エマルジョンに5%炭酸水素ナトリウム水溶液20部を添加後、脱イオン水で固形分50%に調整してアルコキシシリル含有重合体A−1乃至A−16の乳化液を得た。
アルコキシシリル含有重合体の体積平均粒子径は170nmであった。また、アルコキシシリル含有重合体のコア部のガラス転移温度及びシェル部のガラス転移温度を表1に示す。
なお、アルコキシシリル含有重合体のコア部のガラス転移温度及びシェル部のガラス転移温度は、次に示すFoxの式より算出した。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn)/100
ここで、Wnは単量体nの質量%、Tgnは単量体nからなるホモポリマーのTg(絶対温度)を示す。
また、算出に用いたそれぞれのポモポリマーのTg値を次に示す。
・ブチルアクリレート: −54℃
・2 − エチルヘキシルアクリレート: −70℃
・ブチルメタクリレート: 20℃
・イソブチルメタクリレート: 53℃
・シクロヘキシルメタクリレート: 83℃
・γ − (メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン: 42.5℃
(ポリエステル樹脂分散液1の調製)
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 310部
・テレフタル酸 116部
・フマル酸 12部
・ドデセニルコハク酸 54部
・Ti(OBu) 0.05部
加熱乾燥した三口フラスコに上記原料を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、反応系内に生成した水を減圧蒸留にて留去しながら、240℃まで徐々に昇温を行った。さらに240℃で2時間脱水縮合反応を継続し、粘稠な状態でGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量22000になったところで、減圧蒸留を停止しポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1のガラス転移温度は60℃、酸価は14mgKOH/gであった。
次いで、このポリエステル樹脂1を100部と、酢酸エチル50部と、イソプロピルアルコール25部と、10%アンモニア水溶液5部、アルコキシシリル含有重合体の硬化触媒としてジメチルベヘニルアミン(アルコキシシリル硬化剤、花王ファーミンDM2285)10部、ステアリルアシッドホスフェート(商品名A-18、SC有機化学(株))10部とをセパラブルフラスコに入れ、充分混合、溶解した後、40℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度8g/minで滴下した。液が白濁した後、送液速度25g/minに上げて転相させ、送液量が135部になったところで滴下を止めた。その後減圧下で溶剤除去を行い、ポリエステル樹脂分散液1を得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は132nm、ポリエステル樹脂分散液1の固形分濃度は38%であった。
(ポリエステル樹脂分散液2の調製)
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−ドデカン二酸230部、1,9−ノナンジオール160部、および触媒としてジブチル錫オキサイド0.2部を入れ、その後減圧操作により、三口フラスコ内の空気を窒素に置換して不活性雰囲気下として、機械攪拌により180℃、5時間攪拌し、且つ還流して反応を進行させた。反応中は、反応系内において生成した水を留去した。その後、減圧下において230℃まで徐々に昇温し、2時間攪拌して粘稠な状態でGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量29000になったところで、減圧蒸留を停止しポリエステル樹脂2を得た。ポリエステル樹脂2の融解温度は73℃、酸価は12mgKOH/gであった。
次いで、このポリエステル樹脂2を100部と、酢酸エチル35部、及びイソプロピルアルコール35部をセパラブルフラスコに入れ、これを75℃で充分混合、溶解した後、10%アンモニア水溶液を5.5部滴下した。加熱温度を60℃に下げ、攪拌しながらイオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度6g/minで滴下し、液が白濁したのち、送液速度25g/minに上げ、総液量が400部になったところで、イオン交換水の滴下を止めた。その後、減圧下で溶媒の除去を行い、ポリエステル樹脂分散液2を得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は136nm、ポリエステル樹脂分散液2の固形分濃度は12%であった。
(着色剤分散液の調製)
・シアン顔料(大日精化(株)製、C.I.Pigment Blue 15:3、(銅フタロシアニン)): 100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR): 15部
・イオン交換水: 900部
以上を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の平均粒径は、0.13μm、着色剤粒子濃度は25%であった。
(離型剤分散液の調製)
・エステルワックス(WEP5、日本油脂(株)製): 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK): 5部
・イオン交換水: 200部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴ−リン社)で分散処理し、平均粒径が0.24μmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:23%)を調製した。
(トナーの製造)
・ポリエステル樹脂分散液1: 302.6部(固形分115部)
・ポリエステル樹脂分散液2: 100部(固形分12部)
・着色剤分散液: 48.0部(固形分12部)
・アニオン性界面活性剤(dowfax2A1、20%水溶液): 11.5部
・離型剤分散液: 80.2部(固形分18.5部)
・アルコキシシリル含有重合体A−1乳化液: 85部(固形分42.5部)
pHメーター、攪拌羽、温度計を具備した重合釜に、上記原料のうち、ポリエステル樹脂分散液1、ポリエステル樹脂分散液2、アルコキシシリル含有重合体A−1乳化液及びアニオン性界面活性剤と、イオン交換水631部とを入れ、200rpmで15分間攪拌しながら、界面活性剤をポリエステル樹脂分散液1になじませた。続いて、これに着色剤分散液及び離型剤分散液を加え混合した後、この原料混合物に0.3Mの硝酸水溶液を加えて、pHを2.7に調製した。ついで、Ultraturrax(IKAジャパン社製)により1000rpmでせん断力を加えながら、凝集剤として硫酸アルミニウム10%水溶液100部を滴下した。尚、この凝集剤滴下の途中で、原料混合物の粘度が増大するので、粘度上昇した時点で、滴下速度を緩め、凝集剤が一箇所に偏らないよう注意した。凝集剤の滴下が終了したら、さらに回転数6000rpmに上げて5分間攪拌し、凝集剤と原料混合物を充分混合した。
次いで、上記原料混合物をマントルヒーターにて30℃に加温しながら550から650rpmで攪拌した。60分攪拌後、コールターマルチサイザーII型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて一次粒子径が安定に形成するのを確認した後、凝集粒子を成長させるために0.5℃/分で45℃まで昇温した。凝集粒子の成長はコールターマルチサイザーII型を用いて随時確認するが、その凝集速度によって、凝集温度や攪拌の回転数を変えた。
一方、凝集粒子被覆用として、ポリエステル樹脂分散液1を147.4部に、イオン交換水75.5部、アニオン性界面活性剤(dowfax2A1、20%水溶液)5.6部、アルコキシシリル含有重合体A−1乳化液40部を加えて混合し、予めpH2.7に調製した被覆用樹脂粒子分散液を調製した。上記凝集工程で凝集粒子が4.0μmに成長したところで、上記被覆用樹脂粒子分散液を加え、攪拌しながら10分間保持した。その後、被覆した凝集粒子(付着粒子)の成長を停止させるために、EDTA水溶液(キレス社製、キレスト40をイオン交換水で12%濃度に希釈したもの)16.7部と、1Mの水酸化ナトリウム水溶液とを順に加え、原料混合物のpHを6.5に制御した。次いで、凝集粒子を融合させるために、pHを6.5に調整しながら昇温速度1℃/minで85℃まで昇温した。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、氷水を注入して急冷した。
次いで、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で冷却後のスラリーのpHを9.0に調整し、20分間攪拌を行い、得られた粒子を20μmメッシュで一度篩分した。その後、固形分に対しておよそ10倍量の温水(50℃)を加え、再度pHを9.0に調整しながら20分攪拌し温アルカリ洗浄を行い、一旦濾過を行った。さらにろ紙上に残った固形分をスラリーに分散して、40℃の温水で3回繰り返し洗浄を行い、さらにスラリーに0.3Nの硝酸水溶液を加えてpHを4.0にしながら40℃で酸洗浄を行った。ついで最終的に、イオン交換水の温水40℃で攪拌洗浄を行い、乾燥させ、体積平均粒子径4.1μmのトナー母粒子を得た。
上記得られたトナー母粒子に、外添剤としてシリカ粉末(粒子径:50nm)及びチタニア粉末(粒子径:40nm)を、それぞれトナー母粒子100部に対して0.9部及び0.6部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してシアントナーC-1を得た。
アルコキシシリル含有重合体A−1乳化液をアルコキシシリル含有重合体A−2乃至A−16乳化液に変更した以外は上述の方法と同様にして、シアントナーC-2乃至C−16を得た。また、アルコキシシリル含有重合体A−1乳化液を用いない以外は上述の方法と同様にして、シアントナーC-17を得た。
さらに、C−1トナー中のアルコキシシリル含有重合体A−1の量はトナー母粒子100部に対し23部であるがC−18乃至C−21では各々アルコキシシリル含有重合体A−1の含有量がトナー母粒子100部に対し5部、10部、50部、70部となるようにトナーを作成した。但し、アルコキシシリル含有重合体A−1を50部を超えて添加するとトナーの色が白っぽくなることからアルコキシシリル含有重合体A−1の添加量は50部以下が好ましい。
さらに、粉砕トナーにアルコキシシリル含有重合体A−1を外添する検討を行った。粉砕トナーは下記配合に基づき、各材料を混合した。この混合物をエクストルーダー(池貝社製、PCM−30)により120℃、200rpmにて溶融混練(混合)して、混練物を作製した。
・顔料(カーボンブラック):ブラックパールズL(キャボット) 10部
・ワックス:ポリエチレンワックスPE190(クラリアント) 5部
・ワックス:エステルワックスWEP-10(日油) 3部
・結着樹脂:ポリエステル樹脂(FP131 花王製) 82部
次いで混練物をハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕した後、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒子径が4.4μmのトナー母粒子を得た。
上記得られたトナー母粒子に、外添剤としてシリカ粉末(粒子径:50nm)及びチタニア粉末(粒子径:40nm)を、それぞれトナー母粒子100部に対して0.9部及び0.6部、並びに、アルコキシシリル含有重合体A−1乳化液を真空乾燥して得られたアルコキシシリル含有重合体A−1粒子5部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合してブラックトナーKT−1を得た。また、アルコキシシリル含有重合体A−1粒子を添加しないトナーとしてKT−2を作成した。
・スチレン 72.1モル
・ブチルアクリレート 19.5モル
・シランカップリング剤 0.1モル
(信越シリコーン社製、商品名:KBE503、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)
上記組成からなるモノマー混合物を70℃でラジカル塊状重合させた。
高分子量体は開始剤としてアゾイソブチロニトリルを0.1モルで重合を行い、低分子量体は開始剤としてアゾイソブチロニトリルを1モルで重合を行った。
ついで、得られた高分子量体および低分子量体を、低分子量体:高分子量体=70:30の割合で混合させて、スチレン−ブチルアクリレート−シラン共重合体樹脂Aを得た。
次いで、下記組成からなる原料をスーパーミキサーで混合した。
・スチレン−ブチルアクリレート−シラン共重合体樹脂A 82部
・顔料(カーボンブラック):ブラックパールズL(キャボット) 10部
・ワックス:ポリエチレンワックスPE190(クラリアント) 5部
・ワックス:エステルワックスWEP-10(日油) 3部
この混合物をエクストルーダー(池貝社製、PCM−30)により120℃、200rpmにて溶融混練(混合)して、混練物を作製した。
次いで、混練物をハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕した後、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒子径が4.8μmのトナー母粒子を得た。
上記得られたトナー母粒子に、外添剤としてシリカ粉末(粒子径:50nm)及びチタニア粉末(粒子径:40nm)を、それぞれトナー母粒子100部に対して0.9部及び0.6部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してブラックトナーTG−1を得た。
上述の方法によりシアントナーC−1乃至C−21、ブラックトナーKT−1及びKT−2、並びに、トナーTG−1にアルコキシシリル基を有する反応性重合体が含まれているか否かを上述の方法で確認したところ、シアントナーC−4、C−17、ブラックトナーKT−2及びトナーTG−1以外のトナーについてアルコキシシリル基を有する反応性重合体が含まれていることが確認された。
(現像剤の製造)
スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸イソブチル(30/60/10の質量比)を共重合した樹脂(綜研化学社製、分子量:82000)15部をトルエン500部に溶解させ、フェライト粒子(体積平均粒径:35μm)100部を加え、ニーダ−中で減圧蒸留し、樹脂披覆キャリアを作製した。
上記各トナー36gと、上記キャリア414gを2LのVブレンダーに入れ、20分間攪拌し、その後、孔径212μmのメッシュで篩分して現像剤C−1乃至C−21、KT−1及びKT−2、並びに、TG−1を作製した。
<実施例1>
富士ゼロックス(株)社製APEOSPORT C6550Iの現像器に上述した現像剤を充填し、以下の方法により画像形成を行った。
まず画像形成装置を、室温28℃、湿度85%の環境下で、48時間のシーズニング(馴らし運転)を行った。次に、75g/m、A4の記録紙(富士ゼロックスインターフィールド社製C2)の表面に、面積あたりのトナー載り量を4[g/m]にして2×2cmのベタ画像を有する未定着画像を形成した。次に、ヒートロール定着(定着温度170℃)により、未定着画像を記録紙に定着させて、記録紙上にトナー画像の定着された印刷物を作製した。
なお、実施例1において、シアントナーC−4、C−17、ブラックトナーKT−2、及び、トナーTG−1が本実施形態の範囲外である。
(ドキュメントオフセット評価方法)
形成された定着画像の画像同士を重ね合わせて80g/cmの荷重下、70℃雰囲気に10日間放置し、10日後に引き剥がし、ドキュメントオフセットの有無を目視で評価した。得られた結果を表2に示す。
◎:確認できない。
○:画像面積の1%未満の剥離あり。
△:画像面積の1%以上10%未満の剥離あり。使用可能レベル。
×:画像面積の10%以上が剥離する。使用できない。
<実施例2>
現像剤C−1及びC−17を用い、実施例1と同様の方法で未定着画像を形成した。次いで、フラッシュ定着を実施した。フラッシュ定着の条件は、発光エネルギー密度(入力基準)で表して、3.0J/cmで行った。定着画像に対して実施例1と同様のドキュメントオフセット性評価を実施した。ヒートロール定着に比べ顕著にドキュメントオフセット性に差が現れ、現像剤C−1を用いた場合は80℃のドキュメントオフセット性評価においても◎であった。一方、現像剤C−17を用いた場合は70℃のドキュメントオフセット性でも×であった。
なお、実施例2において、シアントナーC−17が本実施形態の範囲外である。
<実施例3>
現像剤C−1及びC−17を用い、実施例1と同様の方法で未定着画像を形成した。次いで、レーザー定着を実施した。レーザー定着の条件は、特開2011-39290記載のコヒーレント製9001-80-808(波長808nm、光出力80W)を基として光出力を160Wに向上した半導体レーザを1列備え、該半導体レーザからのレーザ光の一部を透過し他の部分を側方へ反射して光を2分割するハーフミラーと、該ハーフミラーで反射されたレーザ光をさらに反射して光経路を記録媒体2の方へ向ける全反射ミラーとを備えたもの(特開2011-39290の図9に対応する)を用いた。記録媒体2の搬送速度は1000mm/sとした。
この状態で、前記半導体レーザとハーフミラーと全反射ミラーとを有する系を第1のレーザ光照射部5として、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅が10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅が10mmのレーザ光を、記録媒体2上の未定着トナー像に照射した。また、前記半導体レーザとハーフミラーとを有する系を第2のレーザ光照射部6として、記録媒体2の搬送方向Cに交差する幅方向のビーム幅を10mm、搬送方向Cに沿う方向のビーム幅を2mmとして、レーザ光を記録媒体に照射した。定着画像に対して実施例1と同様のドキュメントオフセット性評価を実施した。ヒートロール定着に比べ顕著にドキュメントオフセット性に差が現れ、現像剤C−1を用いた場合では80℃のドキュメントオフセット性評価においても◎であった。一方、現像剤C−17を用いた場合は70℃のドキュメントオフセット性でも×であった。
なお、実施例3において、シアントナーC−17が本実施形態の範囲外である。
1Y、1M、1C、1K、314 感光体
2Y、2M、2C、2K、316 帯電ローラ(帯電装置)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、318 露光装置
4Y、4M、4C、4K、320 現像装置
5Y、5M、5C、5K、324 1次転写ローラ(転写ロール)
6Y、6M、6C、6K、322 感光体クリーニング装置(クリーニング装置)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K、312 ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
326 光定着器
328 テンションロール
390 転写電圧供給手段
P 記録紙(被転写体)

Claims (9)

  1. アルコキシシリル基を有する反応性重合体と、結着樹脂と、を含有する電子写真用トナー。
  2. 芯体粒子と前記芯体粒子を被覆する被覆層とを有する層構造を有し、
    前記反応性重合体が、前記芯体粒子及び前記被覆層の少なくとも一方に含有される請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記反応性重合体の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して1質量部以上50質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記反応性重合体がコア部と前記コア部を覆うシェル部とを含むコアシェル構造を有する粒子状であり、前記コア部のガラス転移温度よりも前記シェル部のガラス転移温度が高い請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記コア部のガラス転移温度が−60℃以上10℃以下であり、前記シェル部のガラス転移温度が40℃以上80℃以下である請求項4に記載の電子写真用トナー。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真用トナーを含有する電子写真用現像剤。
  7. トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真用トナーであるトナーカートリッジ。
  8. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項6に記載の電子写真用現像剤を収容するプロセスカートリッジ。
  9. 感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体上に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の電子写真用現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有する画像形成装置。
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