JP2012189121A - ブレーキディスクロータとその防錆処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要十分な防錆性能が得られ、制動要素としての基本機能を充足することができるブレーキディスクロータとその防錆処理方法を提供する。
【解決手段】鋳鉄製のブレーキディスクロータ1におけるアウタ側およびインナ側の摺動板2,3の摺動面2a,3aに、厚さtが2〜8μmの防錆被覆組成物の皮膜8を生成してある。この防錆被覆組成物の皮膜8は、少なくとも亜鉛フレークを質量5〜25g/m2、アルミフレークを質量0.1〜1.5g/m2、ケイ酸系樹脂バインダーを質量1.0〜5.0g/m2含有している。防錆被覆組成物の皮膜8は、処理液を常温にて塗装した上で、150℃以上で且つ200℃以下の温度条件で10分間の焼付処理を行うことで生成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用のブレーキディスクロータとその防錆処理方法に関し、特に鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に防錆被覆組成物を生成した構造とそのための防錆処理方法に関するものである。
自動車その他の車両が海外へ輸出される時には船舶にて輸送されることが多く、その場合に港付近の置場での保管、船積み後の航海、相手国港付近の置場での保管、海外販売店での展示在庫保管等を経て、初めて輸出先のユーザーに引き渡されることになる。特に海外ディーラーでの展示在庫保管では、時には数ヶ月の保管となり、この間に風雨にさらされて、ユーザーに引き渡される時にはブレーキディスクロータの摺動面に酷烈な錆が発生することがある。
この錆の発生は、例えばブレーキパッドで覆われた部分とそうでない部分とではその程度が異なり、そのままの状態でブレーキ操作すると制動トルクの変動が生じることになる。これは一般的にジャダー現象と呼ばれ、乗員に不快な制動感覚を与えることとなり、ブレーキ性能上好ましくない。
そこで、上記ジャダー現象の原因となるブレーキディスクロータの摺動面での錆の発生防止を目的とした従来の技術として、亜鉛末クロム酸化成被膜を施す方法や、防錆油を塗布する方法等のほかに、例えば特許文献1のように燐酸亜鉛皮膜を形成する方法や、特許文献2のように電解燐酸亜鉛皮膜を形成する方法、さらには防錆用亜鉛アルミ複合皮膜処理を施す方法等が提案されている。
特公平1−58372号公報 特開2002−250377号公報
しかしながら、特許文献1,2に代表されるような従来のいずれの方法においても、下記(a)〜(c)として列挙するような不具合があり、特に防錆性能向上の上でなおも改善の余地を残している。
(a)燐酸亜鉛皮膜処理:防錆性能不足。処理時間が長い。処理温度が高く、エネルギー効率が悪い。処理槽内のスラッジ除去のメンテナンスが必要。スラッジは産業廃棄物扱いとなり、環境上問題がある。
(b)電解燐酸亜鉛皮膜処理:防錆性能不足。膜厚が不均一となりやすい。摺動面以外の部位への皮膜処理が困難。基本ブレーキ性能における効力の低下。
(c)防錆用亜鉛アルミ複合被膜処理:使用するブレーキパッドの材質によっては、ブレーキパッドの表面やブレーキディスクロータの摺動面に防錆被覆組成物による二次的付着物ができる。焼付処理温度が高いため、エネルギーコストが高い。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、先に述べたような従来技術のもつ不具合を解消して、特に必要十分な防錆性能が得られ、しかも制動要素としての基本機能を充足することができるブレーキディスクロータとその防錆処理方法を提供するものである。
本発明は、鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に、少なくとも亜鉛フレークを質量5〜25g/m2、アルミフレークを質量0.1〜1.5g/m2、ケイ酸系樹脂バインダーを質量1.0〜5.0g/m2含有する防錆被覆組成物を皮膜厚さ2〜8μmで生成したものである。
そして、かかる発明を防錆処理方法として捉えるならば、鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に、少なくとも亜鉛フレークを20〜25質量%、アルミフレークを0.1〜3質量%、熱硬化性ケイ酸系樹脂を6〜10質量%含有する処理液を塗布し、その後の焼付処理にて、前述の皮膜厚さ2〜8μmの防錆被覆組成物を生成することになる。
より具体的には、例えば亜鉛フレークを20〜25質量%、アルミフレークを0.1〜3質量%、熱硬化性ケイ酸系樹脂を6〜10質量%、グリコールを13〜18質量%、メタノールを3〜5質量%、エタノールを3〜5質量%、水を30〜40質量%それぞれ含有する処理液を用意し、この処理液をもって、鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に塗装を施した上で、焼付処理を施すものとする。なお、処理液の温度は常温で良い。また、この時の焼付処理の条件は、150℃以上で且つ10分間以上とし、望ましくは200℃以下とする。
これにより、鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に、防錆被覆組成物が生成されることになる。
この防錆被覆組成物は鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に対して高い密着力が得られ、従来の例えば電解燐酸亜鉛皮膜処理と比べて、ブレーキパッドとの摺動後における防錆性能が飛躍的に向上し、過酷な放置条件下でもその部位の錆の発生を著しく遅らせることが可能となる。これによって、防錆被覆組成物の皮膜厚さが2μm以上であれば、必要十分な防錆効果が得られることになる。
特に、焼付処理時の条件として、150℃以上、200℃以下の温度で且つ処理時間を10分間以上とすることにより、先に述べたように、ブレーキパッドの表面やブレーキディスクロータの摺動面での防錆被覆組成物による二次的付着物の発生を抑制する上で有効である。これは次のように説明できる。
すなわち、150℃以上、200℃以下の温度で且つ処理時間を10分間以上とした焼付処理条件下では、ブレーキディスクロータの摺動面に対する防錆被覆組成物の密着力を維持しながらも、その防錆被覆組成物の生成が完結化されない(防錆被覆組成物同士の一体化が少ない)ため、ブレーキパッドとの摺動において、防錆被覆組成物が大きな塊とならずに粉状に少しずつ剥がれ落ちることにより、一気に剥がれることがなく、先に述べた二次的付着物発生の根源(主要因)をつくり出しにくくなるものと推測される。このため、ブレーキパッドの表面に対して、防錆被覆組成物の二次的付着物による圧痕を生じさせたり、部分的な崩壊を生じさせることがなく、それらによるブレーキ性能への悪影響の要因を排除することができる。
故に、このような観点から防錆被覆組成物の最適な皮膜厚さを考察すると、防錆被覆組成物の皮膜厚さは厚ければ良いというものではなく、先にも述べたように防錆被覆組成物の皮膜厚さは8μmが上限ということになる。
本発明によれば、先に述べた従来の技術、特に燐酸亜鉛皮膜処理や電解燐酸亜鉛皮膜処理のものと比較して、生成皮膜を厚膜化することなしにブレーキパッドとの摺動後の防錆性能が一段と向上する。
また、使用するブレーキパッドの材質によって発生し得る防錆被覆組成物の二次的付着物、すなわちブレーキパッドやブレーキ性能に悪影響を与える防錆被覆組成物の二次的付着物の発生を抑制できるため、車両適用時におけるブレーキパッドの材質の選択肢を広げてその選定を容易にすることが可能となる。
さらに、処理液の温度は常温で良いので、従来の燐酸亜鉛皮膜処理や電解燐酸亜鉛皮膜処理のものと比較してエネルギー効率に優れる。
本発明に係るブレーキディスクロータの詳細を示す図で、(A)はインナ側の摺動板側から見た正面図、(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図、(C)は同図(B)のE部の拡大図。 図1に示したブレーキディスクロータの防錆処理手順を示す工程説明図。 スプレーガンによる処理液の塗装形態の一例を示す説明図。 焼付処理温度とDTVとの相関を示す特性グラフ。 焼付処理温度とブレーキパッドへの二次的付着物残留指数との相関を示す特性グラフ。 複合腐食試験のサイクル数とDTVとの相関を示す特性グラフ。 制動回数とブレーキの効力との相関を示す特性グラフ。
図1〜3は本発明に係るブレーキディスクロータとその防錆処理方法を実施するためのより具体的な実施の形態を示していて、特に図1はブレーキディスクロータ1そのものの詳細を示している。
図1の(A)〜(C)に示すように、ベンチレーテッドタイプのブレーキディスクロータ1は一般的な鋳鉄材料(例えばFC250相当)で形成されているものであって、車両取付時に外側に位置することになるアウタ側の摺動板2とその内側に所定距離隔てて位置することになるインナ側の摺動板3、およびそれら両者の間に放射状に配置された複数の隔壁4とを有していて、上記双方の摺動2,3と各隔壁4とで囲まれた空間がそれぞれに通風路として機能することになる。なお、5はアウタ側の摺動板2と一体に形成されたいわゆるハット型断面形状をなす筒状のボス部である。
そして、上記ボス部5のうち最も外側の面は、ロードホイールが着座することになるロードホイール取付面6として機能するようになっていて、周知のようにこのロードホイール取付面6のボルト穴7には図示しないハブボルトが入ることから、ハブボルトとこれに螺合する図示外のホイールナットとをもってロードホイールがロードホイール取付面6に締め付け固定されることになるとともに、アウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aにはその防錆性付与のために所定膜厚tの防錆被覆組成物の皮膜8が生成(形成)されている。
上記防錆被覆組成物の皮膜8は、後述するようにその膜厚tが2〜8μmで、少なくとも亜鉛フレークを質量5〜25g/m2、アルミフレークを質量0.1〜1.5g/m2、ケイ酸系樹脂バインダーを質量1.0〜5.0g/m2含有するものとする。
防錆被覆組成物の皮膜8の生成に先立って、図2に示すように最初に機械加工後のブレーキディスクロータ1に一般的な洗浄・脱脂処理を施し、十分に乾燥させる。
この乾燥処理の後に、アウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aに防錆被覆組成物の皮膜8を形成するための塗装を施す。ブレーキディスクロータ1の製造過程では、鋳造後にアウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aに切削加工が施されることになるが、この切削加工後の摺動面2a,3aには極端に厚膜化することなしに所定の表面処理にて必要十分な防錆性能を付与する必要がある。そこで、アウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aに膜厚tの防錆被覆組成物の皮膜8を生成するべく、亜鉛フレークやアルミフレークさらには熱硬化性ケイ酸系樹脂を含む処理液を用いて、図3に示すようにスプレー塗装方式にて少なくともアウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aに塗装を施す。
この処理液としては、例えば亜鉛フレークを20〜25質量%、アルミフレークを0.1〜3質量%で望ましくは1質量%、熱硬化性ケイ酸系樹脂を6〜10質量%、グリコールを13〜18質量%、メタノールを3〜5質量%、エタノールを3〜5質量%、水を30〜40質量%それぞれ含有するものとする。
図3に示した処理液のスプレー塗装には、例えば塗装ロボットを用いるものとし、塗装ロボットに持たせたスプレーガン9をブレーキディスクロータ1の各部位に対峙させたときのそのスプレーガン9の向きおよび移動軌跡を予めティーチングしておくものとする。そして、治具にセットしたブレーキディスクロータ1を、その軸心を回転中心として回転駆動機構10にて回転させながら、スプレーガン9を図3の矢印で示すようにブレーキディスクロータ1の半径方向に移動させ、且つ塗料供給のON−OFF制御を併用しながら塗装を施す。なお、必要に応じて、アウタ側,インナ側の各摺動面2a,3a以外のブレーキディスクロータ1の最外周部やボス部5さらにはロードホイール取付面6等の部位にも処理液の塗装が施されても良い。
ここで、処理液の塗装が不要な部分にマスキングを施すことなく要塗装部分のみを限定しての塗装を可能にするため、スプレーガン9は小ノズル径の小型、且つノズルパターンを小スポット状のものとして、要塗装部分のみを狙って順次移動させて塗装を施すものとする。
また、上記スプレーガン9を順次移動させながら塗装膜厚を均一にするために、塗装面とスプレーガン9の相対位置、相対角度、相対速度等、スプレーガン9の姿勢を適宜調整・制御する。
より具体的には、ブレーキディスクロータ1の塗装部分が円板状もしくは円筒状であるため、図3に示すように、回転駆動機構10の主軸にブレーキディスクロータ1を取り付け、そのブレーキディスクロータ1を、例えば150〜250rpm程度で回転させながら、塗装ロボットに持たせた小型のスプレーガン9をブレーキディスクロータ1の半径方向に沿って移動させ、且つその移動速度と塗料噴出方向を変化させながら順次塗装を施す。
この場合、処理液の飛散による処理液ミストの付着防止および環境保全を図るために、塗装部位の近傍にミストコレクタ11を設置するのが望ましい。なお、図3では、塗装を施す部分にハッチングを付してある。
こうしてブレーキディスクロータ1に対する処理液の塗装が完了したならば、図2に示すように、処理液を塗布したブレーキディスクロータ1の乾燥焼付処理を150℃以上で且つ200℃以下の温度条件にて10分間以上行う。以上により、少なくともアウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aに所定膜厚tの防錆被覆組成物の皮膜8が生成(形成)されたブレーキディスクロータ1が完成する。
上記防錆被覆組成物の皮膜8の生成は、焼付処理により得られるが、ブレーキディスクロータ1に対する上記処理液の塗装においては常温にて行い、塗装後の乾燥焼付処理を先に述べたように150℃以上で且つ200℃以下の温度条件で10分間以上行うものとする。
図4は、先の焼付処理温度とブレーキディスクロータ1の各摺動面2a,3aのDTV(Disc Thickness Variation:板厚変化)の相関関係、すなわち防錆性能を示している。
また、図5は、焼付処理温度とブレーキパッドへの二次的付着物残留指数の相関関係、すなわち二次的付着物発生解消特性を示している。
さらに、図6は、上記の防錆被覆組成物の皮膜8を生成したブレーキディスクロータ1の各摺動面2a,3aの防錆性能を評価したもので、複合腐食試験のサイクル数と各摺動面2a,3aのDTVの相関関係、すなわち防錆性の効果を示している。
図4の防錆性能の評価の方法は、市場でブレーキディスクロータ1に錆が発生し、ジャダー現象と呼ばれるところの、乗員に不快な制動感覚が発生するに至る経緯を再現したもので、具体的には以下のとおりである。
すなわち、ブレーキディスクロータ1が車両に組み付けられて、ユーザーに引き渡される前までのブレーキ使用条件を想定し、ブレーキディスクロータ1に対してブレーキディスクロータパッドにて制動を行う。次に、ブレーキディスクロータ1の各摺動面2a,3aでの錆の発生を促進させるために、複合腐食試験を任意サイクル実施する。さらに、上記任意サイクルの複合腐食試験を終了したブレーキディスクロータ1に対しブレーキディスクロータパッドにて制動を行い、その後のDTVを測定し、従来品と比較することで防錆性能効果向上の程度を評価した。
上記のブレーキディスクロータ1の各摺動面2a,3aのDTV(板厚変化)は、ブレーキディスクロータ1の各摺動面2a,3aの厚さに変動がどの程度あるかどうかを知るための数値で、ブレーキディスクロータ1のアウタ側,インナ側の各摺動面2a,3aの全円周に沿って各々の厚みを計測し、同位相におけるその差を表したものであり、ジャダー現象の発生要因の一つとして先にも述べたが、その値が小さいほどジャダーが発生しにくいものとなる。
本発明が解決しようとするジャダー現象は主に錆ジャダーであり、それは海外へ輸出される車両における車両保管状態等によるブレーキディスクロータ1の摺動面2a,3aにおける錆の進行度合いが、摺動面2a,3aにおけるパッドの接触部と非接触部で差異を生じ、DTVの値が大きくなることが大きな要因であることから、基本防錆性能の向上によるジャダー現象の抑止に大いに貢献する。
図5のブレーキパッドへの二次付着物残留指数は、ブレーキパッドに二次的に付着する防錆被覆組成物の成分を、レイティングナンバー(図5では、R/Noと表記してある。)法によって評価したもので、ナンバーが大きいほど、二次的付着物の程度が少なく、ブレーキパッドおよびブレーキ性能への悪影響が少ないことを示す。
図6の防錆性能の評価では、従来の防錆処理品(特開2002−250377号公報に記載の電解燐酸亜鉛皮膜処理品)に比較し、本発明の焼付塗装品は、複合腐食試験のサイクル数が多くても錆によるDTVの値が大きくならない(悪化しない)ことがわかる。
また、図4の防錆性能を得るための焼付処理温度は、100℃ではDTVの値が高いが、150℃以上ではその値が低い水準のままであるため、防錆性能向上の観点からは150℃以上での焼付処理が望ましいことがわかる。
さらに、図5の二次的付着物発生のレイティングナンバーは、200℃を超えると、従来の防錆処理に比較してレベルが悪化してしまい、ブレーキパッドやブレーキ性能に悪影響を及ぼしやすくなるため、ブレーキパッドへの二次的付着物解消の観点からは焼付処理温度は200℃以下が望ましいことがわかる。
加えて、図7におけるブレーキの効力については、従来品である電解燐酸亜鉛被膜処理のものと比較し、発生摩擦係数(μ)は高く、また制動50回程度で安定化するため、基本ブレーキ性能への悪化に関わるような問題はないことがわかる。
このように本実施の形態によれば、従来の技術である燐酸亜鉛皮膜処理や電解燐酸亜鉛皮膜処理のものと比較して、生成皮膜を厚膜化することなしにブレーキパッドとの摺動後の防錆性能が一段と向上するほか、使用するブレーキパッドの材質によって発生し得る防錆被覆組成物の二次的付着物、すなわちブレーキパッドやブレーキ性能に悪影響を与える防錆被覆組成物の二次的付着物の発生を抑制できるため、車両適用時におけるブレーキパッドの材質の選択肢を広げてその選定を容易にすることも可能となる。
1…ブレーキディスクロータ
2…アウタ側の摺動板
2a…アウタ側の摺動面
3…インナ側の摺動板
3a…インナ側の摺動面
8…防錆被覆組成物の皮膜

Claims (4)

  1. 鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に、少なくとも亜鉛フレークを質量5〜25g/m2、アルミフレークを質量0.1〜1.5g/m2、ケイ酸系樹脂バインダーを質量1.0〜5.0g/m2含有する防錆被覆組成物を皮膜厚さ2〜8μmで生成したことを特徴とするブレーキディスクロータ。
  2. 鋳鉄製のブレーキディスクロータにおけるアウタ側およびインナ側のそれぞれの摺動面に、少なくとも亜鉛フレークを20〜25質量%、アルミフレークを0.1〜3質量%、熱硬化性ケイ酸系樹脂を6〜10質量%それぞれ含有する処理液を塗布し、その後の焼付処理にて少なくとも亜鉛フレークを質量5〜25g/m2、アルミフレークを質量0.1〜1.5g/m2、ケイ酸系樹脂バインダーを質量1.0〜5.0g/m2含有する皮膜厚さ2〜8μmの防錆被覆組成物を生成することを特徴とするブレーキディスクロータの防錆処理方法。
  3. 上記焼付処理の条件を150℃以上で且つ10分以上とすることを特徴とする請求項2に記載のブレーキディスクロータの防錆処理方法。
  4. 上記焼付処理の条件を200℃以下とすることを特徴とする請求項3に記載のブレーキディスクロータの防錆処理方法。
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