JP2012188866A - 小便器用排水トラップ及びこれを備えた小便器 - Google Patents

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総謁 北村
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一輝 野邑
Shuhei Haida
周平 灰田
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晴生 山▲崎▼
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Abstract

【課題】尿石の発生をより確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる小便器用排水トラップ及びこれを備えた小便器を提供する。
【解決手段】小便器用排水トラップ20は、小便器の便鉢部11の下端部に配置し、水封部21を形成する。水封部21内に収納し、この水封部21内に滞留する尿中に含まれる尿素から分離されたアンモニアと錯体を形成する金属、又は金属化合物を表面に露出した制菌剤30を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は小便器用排水トラップ及びこれを備えた小便器に関する。
特許文献1には従来の小便器用排水トラップが開示されている。この小便器用排水トラップは小便器の便鉢部の下端部に着脱自在に取り付けることができるカートリッジ形態に形成されている。この小便器用排水トラップは上壁部を有している。この上壁部は流入口を貫設している。この流入口を通じて、便鉢部の表面に沿って流下し、上壁部の上面に流れ込んだ尿が排水トラップ内に流入する。また、この小便器用排水トラップはこの上壁部より上方に設けられた保持部材を有している。この保持部材はクエン酸等を含む薬剤を保持している。この小便器用排水トラップは、保持部材に保持された薬剤が溶解して小便器排水トラップの水封部内に流入する。これにより、水封部内の液性が酸性に維持される。このため、水封部内の液性がアルカリ性になることによって尿中に溶解していたカルシウムイオンが難溶性カルシウム化合物(尿石)に変質することを抑制することができる。
また、特許文献2には尿石の発生を抑制することができるセラミックスボールが開示されている。このセラミックスボールは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属をシリカ及びアルミナの骨格の隙間に担持し、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を露出しつつ、その表面に酸化銀を薄く固定している。このセラミックスボールは、露出したアルカリ金属及びアルカリ土類金属が尿のpHを上昇させ、尿素を能動的にアンモニアに変える。さらに、このセラミックスボールはアンモニアが酸化銀に反応することによって形成された錯体を吸着する。このようにして、このセラミックスボールはアンモニアを除去することができる。このため、尿石の発生を抑制することができる。このセラミックスボールは、プラスチック製の籠の中に充填され、この籠を小便器の便鉢部内に吊るして利用することができる。
特表2007−518005号公報 特開2004−307245号公報
しかし、特許文献1の小便器用排水トラップでは、薬剤の溶解速度が速いため、薬剤を頻繁に補充する必要がある。また、特許文献2のセラミックスボールでは、このセラミックスボールを充填した籠を小便器の便鉢部内に吊るして利用した場合、尿がセラミックスボールの表面を一時的に通過してしまう。このため、セラミックスボールによって、尿素をアンモニアに変え、そのアンモニアを酸化銀に反応させて形成される錯体は僅かである。よって、セラミックスボールを充填した籠の下方(下流側)において尿石の発生の抑制が不充分になるおそれがある。また、このセラミックスボールでは、酸化銀がセラミックスボールの表面に薄く固定されているだけであるため、溶出することができる銀イオン量が少ない。このため、反応するアンモニアの量が制限されてしまい、セラミックスボールを頻繁に交換する必要がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、尿石の発生をより確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる小便器用排水トラップ及びこれを備えた小便器を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の小便器用排水トラップは、小便器の便鉢部の下端部に配置し、水封部を形成する小便器用排水トラップであって、
前記水封部内に収納し、この水封部内に滞留する尿中に含まれる尿素から分離されたアンモニアと錯体を形成する金属、又は金属化合物を表面に露出した制菌剤を備えていることを特徴とする。
この小便器用排水トラップでは、水封部内に生息する細菌から分泌されるウレアーゼ酵素により、水封部内に滞留する尿中に含まれる尿素からアンモニアが分離されるため、水封部内はアンモニア水溶液が貯留されることになる。制菌剤を構成するアンモニアと錯体を形成する金属、又は金属化合物は、水に溶けにくい性質を有するが、水封部内に収納されているため、常時、アンモニア水溶液中に浸漬した状態になり、徐々に溶解させることができる。このため、水封部内のアンモニアは、制菌剤から溶出した金属イオンに反応して、錯体(金属錯イオン)を形成する。よって、水封部内のpHの上昇が抑えられ、尿石の発生を抑制することができる。
また、金属錯イオンは、殺菌性を有するため、水封部内の細菌の繁殖を抑制することができる。このため、尿中に含まれる尿素から分離されるアンモニアを少なくするとともに、細菌の繁殖による生物膜の生成を抑制することができる。よって、水封部内のpHの上昇を抑制し、尿石の発生を抑制することができる。また、生物膜は水封部内の尿石による詰まりを加速させるものであるため、生物膜の生成を抑制することにより詰まりを防止することができる。
したがって、本発明の小便器用排水トラップは、尿石の発生をより確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる。
また、この小便器用排水トラップは、制菌剤から金属イオンを溶出する際に電気エネルギーを利用しないため、電気配線などを必要とせず、容易に小便器に適用することができる。また、この小便器用排水トラップを備えた小便器を清掃する際に酸性洗剤やアルカリ性洗剤を利用しても、金属、又は金属化合物を表面に露出した制菌剤は、何ら影響を受けないか、溶解が早まる程度である。このため、この小便器用排水トラップは、小便器の清掃に利用することができる洗剤の制約が少ないとともに、尿石の発生を確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる。
前記制菌剤は表面を前記金属、又は前記金属化合物のみから形成し得る。この場合、制菌剤から溶解し得る金属イオンを多くすることができる。このため、より多くのアンモニアと錯体を形成することができるため、尿石による詰まりを防止しつつ、制菌剤の寿命を長くすることができる。
前記制菌剤は前記水封部から取出し自在に収納し得る。この場合、制菌剤の交換を容易に行うことができる。
小便器の便鉢部の下端部に着脱自在に取り付けられ得る。この場合、小便器用排水トラップを容易に交換することができる。
本発明の小便器は、上記小便器用排水トラップを備え、非水洗式であることを特徴とする。この小便器は、その排水トラップにおいて上述した効果を奏することができる。
実施例1の小便器を示す部分断面図である。 実施例1の小便器用排水トラップを示す断面図である。 実施例2の小便器を示す部分断面図である。 実施例3の小便器用排水トラップを示す断面図である。
本発明の小便器用排水トラップを備えた小便器を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
実施例1の小便器は、図1及び図2に示すように、非水洗式であり、便鉢部11を有する便器本体10と、便鉢部11の下端部に配置した小便器用排水トラップ20とを備えている。小便器用排水トラップ20は水封部21を形成している。また、小便器用排水トラップ20はカートリッジ形態に形成されている。
便器本体10は壁面Wに係止して固定する壁掛タイプである。便器本体10は便鉢部10の下端部に垂直方向に貫通した開口部12を有している。また、便器本体10は、開口部12に取り付けられ、底部を有し、上方に向けて開口した略円筒形状の収納容器13を有している。収納容器13は小便器用排水トラップ20を収納することができる。
収納容器13は上端部に係止部材14を連結している。係止部材14は、収納容器13の上端開口から上方に延びた円筒形状の連結部14Aと、連結部14Aの上端から連続して外側に拡がるリング形状の鍔部14Bとを有している。収納容器13は、係止部材14の外側面にパッキン15が外嵌され、開口部12に上方から挿入されている。係止部材14の鍔部14Bが開口部12の周縁部の上面に係止している。
収納容器13は外側面の上部に螺子部が形成されている。この螺子部にナット部材16がねじ込まれている。これにより、係止部材14の鍔部14Bと、ナット部材16とにより開口部12の周縁部を挟持し、収納容器13は開口部12に取り付けられている。収納容器13は下端部から後方(図1及び図2における左方向)に延びる連結管部17を有している。連結管部17は壁面Wに引き出された排水管1に連結されている。
収納容器13は内側面の上下方向の中間部に形成した係止凹部13Aを有している。係止凹部13Aは、後述する小便器用排水トラップ20の本体部22の側壁部22Aに設けられた係止凸部22Fを係止することができる。つまり、収納容器13内に挿入した小便器用排水トラップ20を軸周りに所定の角度回転させることにより、係止凸部22Fを係止凹部13Aに係止することができる。このように、小便器用排水トラップ20は収納容器13に対して、着脱自在に取り付けることができる。このため、この小便器用排水トラップ20は容易に交換することができる。
カートリッジ形態に形成された小便器用排水トラップ20は、上壁部を形成する蓋部材23と、本体部22とを有している。また、小便器用排水トラップ20は、水封部21内に収納した制菌剤30を有している。制菌剤30は、スティック部材31の先端部に設けられており、銅、銀、ニッケル、亜鉛等のアンモニアと錯体を形成する金属、又は、これら金属の金属化合物(例えば、酸化銀、塩化銀等)のみから形成され、これら金属、又は金属化合物が表面に露出するように形成されている。
蓋部材23は外形が円形状である。蓋部材23は、収納容器13の係止部材14により形成された開口、すなわち、便鉢部11の下端部に設けられた開口に嵌まり込んでいる。蓋部材23は制菌剤30が先端部に設けられたスティック部材31を挿通することができる垂直方向に貫設した貫通孔23Bを有している。スティック部材31を貫通孔23Bの上方から挿通することによって、制菌剤30を水封部21内に収納することができる。また、スティック部材31は貫通孔23Bに抜き差し自在である。このため、制菌剤30は水封部21から取出し自在に収納することができ、制菌剤30の交換を容易に行うことができる。
蓋部材23は、外周端面に環状凹部が形成されており、この環状凹部にパッキンPが嵌め込まれている。このため、係止部材14により形成された開口の内側面と蓋部材23の外周端面とは水密状に接合されている。よって、便器本体10の便鉢部11の表面に沿って流下した尿は蓋部材23の上面に流れ込む。蓋部材23は垂直方向に貫設した流入口23Aを有している。蓋部材23の上面に流れ込んだ尿はこの流入口23Aから小便器用排水トラップ20内に流入する。
蓋部材23は、外周部より内側に設けられ、下方に延びる隔壁部24を有している。隔壁部24は蓋部材23と同軸上に形成された円筒形状である。また、隔壁部24は、上端が蓋部材23の中央部によって閉鎖されており、下端が本体部22の底部22Bとの間に間隔を有し、開口している。流入口23Aは隔壁部24の外側面に沿って複数に分割された円弧形状に形成されている。
隔壁部24は下端から外側に向けて延びたリング形状の連結部25を有している。連結部25は外周縁部から上方に延びた円筒形状の折返し部26を有している。折返し部26は隔壁部24と一定の間隔を有している。また、折返し部26は隔壁部24と側壁部22Aとの間の中央位置に設けられている。つまり、折返し部26、隔壁部24及び本体部22の側壁部22Aは同軸上に配置されている。また、折返し部26は、上端が後述するシール層Sの下面よりも下方であり、かつ連結部25の外周縁部とシール層Sの上面との間の中央高さよりも上方に位置するように形成されている。
本体部22は、側壁部22A、側壁部22Aの下端部に連続した底壁部22B、底壁部22Bの一部を開口した流出口22C、及び流出口22Cに連通し、本体部22内に立ち上がった流出管22Dを有している。側壁部22Aは、円筒形状であり、上端部が蓋部材23の外周縁部の下部に隙間なく接着されている。側壁部22Aの外側面の中間部には複数の係止凸部22Fが形成されている。上述したように、係止凸部22Fが収納容器13の内側面に形成された係止凹部13Aに係止することにより、カートリッジ形態の小便器用排水トラップ20は収納容器13内に着脱自在に取り付けられている。
本体部22は、内部を連結部25より下方で連通しつつ、隔壁部24によって隔壁部24の内側と外側とに区画されている。隔壁部24より外側の水封部21内に非溶水性であり、尿よりも比重が軽いシール液が注入されている。このため、隔壁部24より外側の水封部21内に貯留された尿よりも上方にシール層Sが形成されている。シール層Sは水封部21内に貯留された尿から生じる臭気が流入口23Aから外部に発散することを防止することができる。
流出管22Dは隔壁部24内に立ちあがっている。これにより、小便器用排水トラップ20は尿が滞留する水封部21を形成している。流出管22Dは上端開口22Eを折返し部26の上端より上方に開口している。流出管22Dは半円筒形状に形成され、円弧形状の外側面が隔壁部24の内側面に接している。つまり、流出管22Dは平面視で隔壁部24内の一方に偏った位置に配置されている。
流出管22Dの下部は、本体部22の底部22Bに沿って側壁部22A方向に屈曲している。本体部22は、流出管22Dの下流端における底部22Bに排出口22Cを貫設している。この排出口22Cが収納容器13の連結管17の上流部に臨む位置になるよう小便器用排水トラップ20は収納容器13に取り付けられている。
このような構成を有する小便器では、使用者が便鉢部11に向かって小便をすると、尿が便鉢部11の表面に沿って流下し、蓋部材23の上面に流れ込む。蓋部材23の上面に流れ込んだ尿は流入口23Aから小便器用排水トラップ20内に流入する。すると、尿はシール層Sを突き抜けて上方から隔壁部24と折返し部26との間に流入する。隔壁部24、連結部25及び折返し部26に囲まれた領域において、尿は下降から上昇に転じる対流を生じつつ、折返し部26の上端を乗り越えて折返し部26より外側に流れる。折返し部26の上端を乗り越えた尿は、折返し部26と側壁部22Aとの間を下降し、連結部25の下方を流れ、隔壁部24の内側を上昇して、流出管22Dの上端開口22Eから流出管22D内に流出し、排出口22Cから排出される。
尿が流入口23Aから小便器用排水トラップ20内に流入しなくなると、水封部21内に尿が滞留する。水封部21内に生息する細菌から分泌されるウレアーゼ酵素により、水封部21内に滞留する尿中に含まれる尿素からアンモニアが分離される。このため、水封部21はアンモニア水溶液を貯留することになる。また、制菌剤30は、水に溶けにくい性質を有するが、水封部21内に収納されているため、常時、アンモニア水溶液中に浸漬した状態になり、徐々に溶解する。このため、水封部21内のアンモニアは、制菌剤30から溶出した金属イオンに反応して、錯体(金属錯イオン)を形成する。よって、水封部21内のpHの上昇が抑えられ、尿石の発生を抑制することができる。
また、金属錯イオンは、殺菌性を有するため、水封部21内の細菌の繁殖を抑制することができる。このため、尿中に含まれる尿素から分離されるアンモニアを少なくするとともに、細菌の繁殖による生物膜の生成を抑制することができる。よって、水封部21内のpHの上昇を抑制し、尿石の発生を抑制することができる。また、生物膜は水封部21内の尿石による詰まりを加速させるものであるため、生物膜の生成を抑制することにより詰まりを防止することができる。
したがって、実施例1の小便器用排水トラップ20を備えた小便器は、尿石の発生をより確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる。
また、この小便器用排水トラップ20は、制菌剤30から金属イオンを溶出する際に電気エネルギーを利用しないため、電気配線などを必要とせず、容易に小便器に適用することができる。また、この小便器用排水トラップ20を備えた小便器を清掃する際に酸性洗剤やアルカリ性洗剤が利用されても、金属、又は金属化合物を表面に露出した制菌剤30は、何ら影響を受けないか、溶解が早まる程度である。このため、この小便器の清掃に利用することができる洗剤の制約が少ないとともに、尿石の発生を確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる。
また、制菌剤30は表面をアンモニアと錯体を形成する金属、又は金属化合物のみから形成しているため、金属、又は金属化合物から溶解し得る金属イオンを多くすることができる。このため、より多くのアンモニアと錯体を形成することができるため、制菌剤30の寿命を長くすることができる。
<実施例2>
実施例2の小便器は、図3に示すように、水洗式である。また、小便器用排水トラップ20は水封部21内にシール層Sを有していない。実施例2の小便器はこれらの点で実施例1と相違する。他の構成は実施例1と同様であり、同一の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この小便器は押しボタン式の便器洗浄装置60を有している。小便器の使用者は、便鉢部11に向かって小便をした後、便器洗浄装置60の押しボタン61を押す。これによって、便器洗浄装置60が駆動し、便器洗浄が実行される。便器洗浄が実行されると、洗浄水が便鉢部11の上部から表面に沿って流下する。洗浄水は、蓋部材23の上面に流れ込み、蓋部材23の流入口23Aから小便器用排水トラップ20内に流入する。このため、先に水封部21内に流入した尿を後から流入した洗浄水によって小便器用排水トラップ20の排出口22Cから排出することができる。しかし、水封部21内が完全に洗浄水に置き換わることはなく、尿を希釈した洗浄水が水封部21内に貯留される。
水封部21内の洗浄水に希釈され、残留する尿中に含まれる尿素からも水封部21内に生息する細菌から分泌されるウレアーゼ酵素により、アンモニアが分離される。このアンモニアは、制菌剤30から溶出した金属イオンに反応し、錯体(金属錯イオン)を形成することになる。これによって、水封部21内のpHの上昇が抑えられ、尿石の発生を抑制することができる。
また、金属錯イオンは、殺菌性を有するため、水封部21内の細菌の繁殖を抑制することができる。このため、尿中に含まれる尿素から分離されるアンモニアを少なくするとともに、細菌の繁殖による生物膜の生成を抑制することができる。よって、水封部21内のpHの上昇を抑制し、尿石の発生を抑制することができる。また、生物膜は水封部21内の尿石による詰まりを加速させるものであるため、生物膜の生成を抑制することにより詰まりを防止することができる。
したがって、実施例2の小便器用排水トラップ20を備えた小便器も、尿石の発生をより確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる。
また、押しボタン式の便器洗浄装置60であるため、小便後に使用者が押しボタン61を押し忘れてしまうおそれがある。この場合、水封部21内に貯留される尿が増加するため、尿石の発生が増加する危惧が生じる。しかし、制菌剤30から溶出した金属イオンが尿中に含まれる尿素から分離されたアンモニアに確実に反応し、錯体(金属錯イオン)を形成するため、水封部21内のpHの上昇が抑えられ、尿石の発生を抑制することができる。
<実施例3>
実施例3の小便器は、図4に示すように、球形状の制菌剤80が小便器用排水トラップ70の水封部21内に投入され、収納されている。また、蓋部材73は、流入口23Aが貫設されているのみであり、他の貫通孔(実施例1における貫通孔23B)は貫設されていない。実施例3の小便器は、これらの点で実施例1に相違する。他の構成は実施例1と同様であり、同一の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
制菌剤80は、銅、銀、ニッケル、亜鉛等のアンモニアと錯体を形成する金属、又は、これら金属の金属化合物(例えば、酸化銀、塩化銀等)を球形状の核部材80の表面にコーティングし、これら金属、又は金属化合物が表面に露出するように形成されている。
この小便器でも、制菌剤80が水封部21内に収納されているため、常時、アンモニア水溶液中に浸漬した状態になり、徐々に溶解する。このため、水封部21内のアンモニアは、制菌剤80から溶出した金属イオンに反応して、錯体(金属錯イオン)を形成する。よって、水封部21内のpHの上昇が抑えられ、尿石の発生を抑制することができる。
また、金属錯イオンは、殺菌性を有するため、水封部21内の細菌の繁殖を抑制することができる。このため、尿中に含まれる尿素から分離されるアンモニアを少なくするとともに、細菌の繁殖による生物膜の生成を抑制することができる。よって、水封部21内のpHの上昇を抑制し、尿石の発生を抑制することができる。また、生物膜は水封部21内の尿石による詰まりを加速させるものであるため、生物膜の生成を抑制することにより詰まりを防止することができる。
したがって、実施例3の小便器用排水トラップ70を備えた小便器も、尿石の発生をより確実に抑制し、尿石による詰まりを防止することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1〜3では、小便器用排水トラップをカートリッジ形態に形成し、小便器の便鉢部の下端部に着脱自在に取り付けたが、小便器用排水トラップは小便器本体に一体的に形成してもよい。
(2)実施例3では、制菌剤を核部材の表面にアンモニアと錯体を形成する金属、又は金属化合物にコーティングして形成したが、制菌剤をこれら金属、又は金属化合物のみから形成してもよい。
(3)制菌剤は銅や銀の貴金属地金で形成するとコストが高くなるため、アンモニアと錯体を形成する金属化合物で形成することが好ましい。また、難溶性塩といわれる塩化銀等を利用すると、溶解性が低いため制菌剤の長寿命化を図ることができる。
(4)実施例2では、小便器が押しボタン式の便器洗浄装置を有していたが、小便器の使用者を検知し、自動的に便器洗浄を実行する自動洗浄装置であってもよい。
(5)実施例1及び3では、小便器用排水トラップの水封部にシール層を形成しているが、水封部にシール層を形成しなくてもよい。
(6)実施例1〜3では、小便器用排水トラップは、隔壁部の下端に連続して形成された連結部及び折返し部を有しているが、連結部及び折返し部を有していなくてもよい。
(7)実施例1〜3では、小便器用排水トラップが椀型のトラップ形態であったが、P型等の他のトラップ形態であってもよい。
11…便鉢部
20、70…小便器用排水トラップ
21…水封部
30、80…制菌剤

Claims (5)

  1. 小便器の便鉢部の下端部に配置し、水封部を形成する小便器用排水トラップであって、
    前記水封部内に収納し、この水封部内に滞留する尿中に含まれる尿素から分離されたアンモニアと錯体を形成する金属、又は金属化合物を表面に露出した制菌剤を備えていることを特徴とする小便器用排水トラップ。
  2. 前記制菌剤は表面を前記金属、又は前記金属化合物のみから形成していることを特徴とする請求項1の小便器用排水トラップ。
  3. 前記制菌剤は前記水封部から取出し自在に収納していることを特徴とする請求項1又は2記載の小便器用排水トラップ。
  4. 小便器の便鉢部の下端部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の小便器用排水トラップ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の小便器用排水トラップを備え、非水洗式であることを特徴とする小便器。
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