JP2009052198A - 薬剤保持器 - Google Patents
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Abstract
【課題】芳香剤の香りが早期に消失してしまうことを防ぎ、芳香剤の効果を持続させることが可能となる、薬剤保持器を提供する。
【解決手段】小便器の排水部に配置される薬剤保持器であって、芳香剤を収容する収容部を有する蓋部材と、排水部に付着する尿石を除去するための尿石除去剤を芳香剤よりも低い位置に保持し、蓋部材に着脱可能に装着される薬剤保持部材とを有し、芳香剤は、排水部に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高い位置に収容されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】小便器の排水部に配置される薬剤保持器であって、芳香剤を収容する収容部を有する蓋部材と、排水部に付着する尿石を除去するための尿石除去剤を芳香剤よりも低い位置に保持し、蓋部材に着脱可能に装着される薬剤保持部材とを有し、芳香剤は、排水部に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高い位置に収容されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、小便器に使用される薬剤保持器に関し、特に、尿石を除去するための尿石除去剤とともに、香りを付加するための芳香剤を収容する薬剤保持器に関する。
男性用小便器の鉢底排水部には、排水部として、排水口や、排水管の一部を湾曲させるとともに一定量の水が常時たまっているトラップ部が接続されている。このトラップ部には、鉢底排水部を介して尿が流れ込むため、臭いの発生原因となる尿石が付着しやすい。
そこで、尿石を除くことを目的としてトラップ部の洗浄を行うための薬剤保持器が種々提案されている(例えば特許文献1)。その一例を図5に示す。同図において、1001は小便器の鉢底排水部であり、鉢底排水部1001の底部には排水口1002が設けられている。1003は、鉢底排水部1001の下側に設けられたトラップ部であり、このトラップ部1003には排水口1002を介して尿や洗浄水が流れ込む。
1004は、排水口1002に設置される目皿である。目皿1004は、内部が空洞になっており、上面部及び下面部にはそれぞれ開口部1004a、1004bを備えている。1005は、固形薬剤を保持している固形薬剤保持具であり、洗浄水の流入及び流出を可能とするために多数の開口部1005aを有する。固形薬剤保持具1005は、少なくともその下部が、トラップ部1003に常時たまっている洗浄水の水位以下となるように接触しており、固形薬剤1006が常時洗浄水と接触するようにしている。1007は、固形薬剤保持具1005の上部から突出して設けられた傘状のフック部である。フック部1007の頂部は、開口部1005bの上側の周縁部に係止されている。
ところで、排泄を行うときにおいて、便器使用者が臭いをできるだけ感じないようにするためには、尿石を除いて臭いの元を少なくすることのほかに、人間が一般に好む香りを付加することにより、当該香りを臭いよりも意識するように促すことが考えられる。そのために、種々の芳香剤が用いられている。
芳香剤を男性用便器に適用する場合、鉢底排水部付近に配置することが考えられる。当該位置に配置すると便器内から洗浄水の流れによって空気の流れが生じることにより、芳香剤の香りが伝達される。便器内から拡がる香りは、爽快感、爽やか感を演出する効果がある。また、排水口、トラップ部を経由して拡散してくる悪臭を感じにくくするはたらきもある。
しかしながら、固形の芳香剤を男性用小便器の鉢底排水部付近にそのまま配置した場合、便器を洗浄する度に芳香剤が洗浄水に浸かり、短期間でその芳香作用が失われてしまう。また、芳香剤の表面に尿石が付着することにより、かえって悪臭を放つようになるため、好ましくない。
一方、上述した固形薬剤保持具に芳香剤を併せて保持させた場合は、芳香剤が常に洗浄水と接触することとなる。その結果、芳香剤が洗浄液に溶解してしまい、芳香剤の効果は早期に消失する。また、芳香剤の交換周期が短くなり、メンテナンスに手間と費用がかかるという問題もある。さらに、上述した尿石の付着の問題も解決することができない。
特開平10−8526号公報
本発明はこのような事情に基づきなされたものであり、芳香剤の製品寿命を延ばすことを目的とする。
本発明は、小便器の排水部に配置される薬剤保持器であって、芳香剤を収容する収容部を有する蓋部材と、排水部に付着した尿石を除去するための尿石除去材を保持するとともに、蓋部材に吊り持ち支持される薬剤保持部材とを有し、収容部における芳香剤の収容位置は、排水部に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高いことを特徴とする。
本発明によれば、排水部に常時溜まっている洗浄水と芳香剤との接触を防止できるため、洗浄水による芳香剤の溶解を防止できる。これにより、芳香剤の寿命を延ばすことができる。
以下、図面を用いて本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
本実施形態に係る薬剤保持器は、小便器の排水部に配置される薬剤保持器であって、芳香剤を収容する収容部を有する蓋部材と、排水部に付着した尿石を除去するための尿石除去材を保持するとともに、蓋部材に吊り持ち支持される薬剤保持部材とを有する。
蓋部材の収容部における芳香剤の収容位置は、小便器の排水部に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高い。これにより、非洗浄時においては、芳香剤は洗浄水と接触することがなく、また、便器の洗浄が行われるときにおいても、洗浄水には接触しないか、若しくは接触しても短時間であるので、芳香剤が洗浄水に溶解することはほとんどなく、芳香剤の香りが早期に消失してしまうことを防ぐことができる。また、芳香剤は蓋部材に収容されているため、そのまま鉢底排水部付近に直接に配置される場合と比較して、芳香剤への尿石の付着を防ぐことが可能である。
まず、図1は、本実施形態の薬剤保持器を使用した小便器洗浄システムを示す。同図において、1は小便器、2は小便器の下部に設けられた鉢底排水部である。
3と4は、小便器の排水部である、排水口とトラップ部である。排水口3は、鉢底部の中央に設けられ、小便器に流入した洗浄水を排出する。トラップ部4は、排水口3に接続された湾曲状の形状を有し、内部には非洗浄時においても一定量の水が溜まっている。これにより、後述する排水管5から発生する悪臭が小便器の外部に漏れ出すのを防止している。なお、本実施形態では、トラップ部4を小便器1中に内蔵しているが、小便器1の外部に設けてもよい。
5は、トラップ部4に接続されて、このトラップ部4に流入した洗浄水や尿を排出する排水管である。20は、図2において詳述する、本実施形態の薬剤保持器であり、小便器の排水部、すなわち排水口3及びトラップ部4に配置される。
図1に示すように、本実施形態においては、芳香剤が薬剤保持器20によって収容されている。これにより、芳香剤を鉢底排水部2付近に直接配置した場合と異なり、尿石の付着を防ぐことができる。さらに、本実施形態においては、後述する芳香剤が薬剤保持器20の蓋部材の裏側に形成された収容部に収容されている。よって、尿等が芳香剤に接触する場合でも、直接芳香剤に当たるのではなく、便器などに一端当たってから接触するため、そのまま配置する場合に起こる、尿等による衝撃で芳香剤が割れるなどの問題を回避することが可能である。
次に、図2、図3、及び図4を用いて、本実施形態の薬剤保持器20の構造を詳細に説明する。
図2は、本実施形態の薬剤保持器の側面図であり、図3は分解斜視図である。また、図4は薬剤保持器に係る蓋部材の裏面の斜視図である。
これらの図において、21は蓋部材であり、芳香剤26が収容される。また、31は薬剤保持部材である。
図3に示すように、蓋部材21は、中央が隆起した円盤形状の蓋部材本体22を有しており、この蓋部材本体22の平面視中央には、上下方向に延びる貫通穴23が形成されている。また、図4に示すように、蓋部材21の裏側には、蓋部材本体22の裏側から下方に突出した円筒状の収容部24が一体形成されている。さらに、収容部24の水平方向外面には、取り付け突起部25が周方向2箇所に形成されており、この取り付け突起部25を介して蓋部材21を薬剤保持部材31に装着することができる(詳細は後述する)。
収容部24内に配置される芳香剤26は、収容部24の内径寸法よりも僅かに寸法の小さい円盤形状の支持板27により支持されている。この支持板27には、複数の放出口27aが形成されており、この放出口27aを介して芳香剤26の香りが収容部24の外部に放出され、小便器周辺の悪臭による不快感を軽減させることができる。
また、便器洗浄時にトラップ部4に流入した洗浄水は、支持板27に当接するため、収容部24の内部に洗浄水を流入しにくくさせることができる。
このように、放出口27aが形成された支持板27の上に芳香剤26を載置することにより、芳香剤26の香り放出及び洗浄水の流入抑制という二つの技術的な課題を解決することができる。
放出口27aの口径寸法は、製品寿命に達する前に縮小した芳香剤26が放出口27aから落下しないような大きさに設定されていればよい。
図1に図示するように、蓋部材21は、トラップ部4に常時溜まっている洗浄水よりも高い位置に配置されている。これにより、芳香剤26と洗浄水との接触を防止して、芳香剤26の製品寿命を延ばすことができる。
支持板27の平面視中央には、支持板27を吊り持ち支持するための支持棒28が結合されている。
この支持板28は、芳香剤26を貫通するとともに、蓋部材21の貫通穴23を通って蓋部材21の上側から突出した状態となっている。
支持板28の上端部には、他の部分よりも径寸法の小さい縮径部28aが形成されており、この縮径部28aに固定部材29を滑り込ませることにより、固定部材29を介して支持棒28及び支持板27を蓋部材21に固定することができる。
一方、本実施形態に係る薬剤保持部材31は、底部に固形薬剤32が載置される、しぼり形状の有底部材であり、側面部、及び底部に複数の通水部34が形成されている。言い換えれば、薬剤保持部材31は、格子状の形状を有している。また、薬剤保持部材31の上側は開放されており、上端部には周方向に延びるとともに内側に突出したつば部33が形成されており、当該つば部33には切欠部33aが形成されている。
次に、小便器排水口に薬剤保持器を設置する設置方法について説明する。
まず、蓋部材21に形成された取り付け突起部25とつば部33の切欠部33aとの位相を合わせ、蓋部材21を下方に移動させる(薬剤保持部材31に接近させる)。
このとき、蓋部材21の取り付け突起部25は、切欠部33aを通って、薬剤保持部材31の内側の領域に進入する。
次に、支持棒28を回転中心軸として蓋部材21又は薬剤保持部材31を水平方向に回転させ、取り付け突起部25を切欠部33aと異なる位置に移動させる。
これにより、取り付け突起部25の上端面とつば部33の背面とが当接して、薬剤保持部材31を蓋部材21に吊り持ち支持させることができる。
次に、これらのユニット化された蓋部材21及び薬剤保持部材31を小便器排水部に設置する。
具体的には、小便器排水口3からトラップ部4の内部に薬剤保持部材31を挿入し、薬剤保持部材31の外壁を小便器排水口3に当接させる。このとき、薬剤保持部材31に保持されている固形薬剤32の一部は、トラップ部4に常時溜まっている洗浄水に浸漬する。これにより、固形薬剤32が溶解して、トラップ部4に尿石が付着するのを防止することができる。
なお、トラップ部4に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高い位置に、固形薬剤31を配置してもよい。この場合、便器洗浄のときにトラップ部4に進入する洗浄水によって、固形薬剤31は溶解されることとなる。
次に、薬剤保持器による洗浄動作について説明する。
非洗浄時においては、以下のように作用する。上述するように、小便器1の排水口3からつながるトラップ部4には、常時洗浄水が貯留している。よって、排水口3及びトラップ部4に配置された本実施形態の薬剤保持器20の薬剤保持部材内部には、通水口34を介して当該洗浄水が流入及び流出するため、収容されている固形薬剤32が洗浄水中に溶解する。
一方、芳香剤26の収容部24は洗浄水の水位より高い位置にあるため、トラップ部4に常時溜まっている洗浄水が芳香剤26に接触することはない。言い換えれば、芳香剤26は、非洗浄時において、洗浄水中に溶解しない。
これに対し、小便器1を洗浄するときには以下のように作用する。まず、用をたした便器使用者により、便器洗浄が指示されると、小洗浄水給水部(不図示)から小便器1に便器洗浄水が供給される。この便器洗浄水は、小便器1の内周面を洗浄しながら鉢底排水部2に流入し、排水口3を介してトラップ部4に流入する。
通常、給水される洗浄水は、小便器の鉢底排水部2などを洗浄するために、トラップ部4の容量を超える量で供給される。したがって、洗浄水はトラップ部4から溢れ出し、鉢底排水部2に貯留する。一定時間経過後、洗浄水はトラップ部4から配水管5を通って流出するため、小便器1の鉢底排水部2に溢れていた水もトラップ部に流出して、非洗浄時の水位に戻る。
洗浄水が鉢底排水部に貯留するとき、洗浄水が薬剤保持部材31の開口部34を介して、非洗浄時以上の容量で薬剤保持器20内部に流れ込む。しかしながら、上述したように芳香剤は排水部よりも高い位置で収容されるため、流れ込んだ洗浄水に接触しないか、若しくは、接触したとしても、鉢底排水部に直接配置した場合や尿石除去剤と同位置で保持した場合と比較して、短時間となる。よって、洗浄水に芳香剤が溶解する量は、それらの場合と比較して少ない。
なお、本実施形態においては、薬剤保持部材を有底のしぼり形状としているが、これに限定されるものではない。例えば、排水口の口径よりも大きい直径を有する円筒型の形状として、排水口を覆うように配置することにより、芳香剤が排水部に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高い位置に収容されるようにしてもよい。
また、本実施形態において芳香剤を支持する支持板は円盤形状を有しているが、これに限定されるものではなく、他の形状とすることが可能である。支持板の大きさについても、洗浄のときに洗浄水が芳香剤に接触する限り、また、収容部が蓋部材の裏側に設けられる場合には、蓋部材への薬剤保持部材の装着を妨げない限り、特に限定されず、任意の大きさとすることが可能である。
20 薬剤保持器
21 蓋部材
24 収納部
27 支持板
27a 放出口
31 薬剤保持部
21 蓋部材
24 収納部
27 支持板
27a 放出口
31 薬剤保持部
Claims (5)
- 小便器の排水部に配置される薬剤保持器であって、
芳香剤を収容する収容部を有する蓋部材と、
前記排水部に付着する尿石を除去するための尿石除去剤を前記芳香剤よりも低い位置に保持し、前記蓋部材に着脱可能に装着される薬剤保持部材とを有し、
前記芳香剤は、前記排水部に常時溜まっている洗浄水の水位よりも高い位置に収容されていることを特徴とする薬剤保持器。 - 前記収容部を前記蓋部材の裏側に形成したことを特徴とする請求項1に記載の薬剤保持器。
- 前記収容部に収容される芳香剤を支持する支持板を有し、
前記支持板には、前記芳香剤の香りを前記収容部の外部に放出するための複数の放出口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤保持器。 - 前記支持板に取り付けられ、前記芳香剤及び前記蓋部材を貫通して上下方向に延びる支持棒と、
前記支持棒の上端部に形成された縮径部に係合して、前記支持棒を吊持する固定部材とを有することを特徴とする請求項3に記載の薬剤保持器。 - 前記薬剤保持部材には、前記排水部内の洗浄水を流入及び流出させるための複数の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の薬剤保持器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007217124A JP2009052198A (ja) | 2007-08-23 | 2007-08-23 | 薬剤保持器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007217124A JP2009052198A (ja) | 2007-08-23 | 2007-08-23 | 薬剤保持器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009052198A true JP2009052198A (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=40503505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007217124A Pending JP2009052198A (ja) | 2007-08-23 | 2007-08-23 | 薬剤保持器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009052198A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105804197A (zh) * | 2015-01-20 | 2016-07-27 | Toto株式会社 | 小便器 |
-
2007
- 2007-08-23 JP JP2007217124A patent/JP2009052198A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105804197A (zh) * | 2015-01-20 | 2016-07-27 | Toto株式会社 | 小便器 |
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