JP2012185658A - アクティブフィードバック制御装置及びプログラム - Google Patents

アクティブフィードバック制御装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】制御の対象とする振動数領域の振動を低減するだけでなく、制御の対象としない振動数領域の振動も低減することができる。
【解決手段】アクティブフィードバック制御装置は、ゲインマージンW(s)の最大値が閾値γ以下で且つ振動量の増加量が最大となる最大振動増加量が閾値α以下の場合に、振動数領域における振動量Gc(s)の最大値を評価値とし、その他の場合に無限大を評価値とする予め定めた評価関数によりコントローラの制御特性を表すパラメータの制御性能を表す評価値を算出し、複数の組み合わせのパラメータについて算出した評価値に基づいて、複数の組み合わせのパラメータの中から評価値が最も小さいパラメータを設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、アクティブフィードバック制御装置及びプログラムに係り、より詳しくは、同定対象をモデル化することなく同定対象を制御するアクティブフィードバック制御装置及びプログラムに関する。
アクティブフィードバック制御による振動低減技術は既に実用化され、広く用いられている。図9には、一般的なアクティブ振動制御系のアクティブフィードバック制御システム100のブロック図を示した。同図に示すように、アクティブフィードバック制御システム100は、アクティブフィードバック制御の制御対象であり、外乱が入力される制御対象102、制御対象102を駆動するアクチュエータ104、制御対象102の状態を検出するセンサ106、アクチュエータ104を制御するコントローラ108を含んで構成される。
このようなアクティブフィードバック制御システム100では、コントローラ108は、制御対象102の動特性を示すパラメータ(例えば伝達関数のパラメータ)と、センサ106から入力された制御対象102の状態を示す信号と、に基づいて、制御対象102が所望の状態となるような制御信号をアクチュエータ104に出力することによりフィードバック制御する。このようなコントローラ108を設計するためには、制御対象102の動特性を知る必要がある。この場合、一般的には、制御対象102をモデル化し、そのモデルパラメータを推定(同定)する手法が採用される。
しかしながら、幅広い周波数帯域における振動制御を行うためには、対象とすべきモード次数が多くなり、精度の高いモデルパラメータの同定は困難である。
このため、モデルパラメータを推定することなく、幅広い振動数領域の多自由度系を制御する方法として、GA(遺伝的アルゴリズム)や、PSO(粒子群最適化)などを用いた手法が提案されている(例えば特許文献1及び非特許文献1、2参照)。
これらの手法では、概ね以下のような処理によってコントローラを最適化する。まず、アクチュエータへの印加電圧からセンサ応答までの伝達関数を計測し、コントローラのパラメータの初期値をランダムに設定し、コントローラの制御性能を以下に示す評価関数Jにより評価し、制御性能のよいコントローラをGAやPSOを用いて最適化する。
Figure 2012185658
ここで、Gc(s)は制御対象の振動量、s1は制御対象とする振動数領域(周波数領域)の下限、s2は制御対象とする振動数領域の上限、W(s)はゲインマージン(ゲイン余裕)の最悪値(最大値)、γはゲインマージンの閾値を表す。なお、ゲインマージンは、制御安定性を表す指標である。
このように、実測値と制御系の解析値を併用し、上記の評価関数Jを用いて、高い制御性能となる制御系の評価値を高くすることにより、制御対象において優れた制御性能を発揮する制御系を低次で構築することができる。
特開2010−257314号公報
"MDOF Vibration Control System design using PSO with Mutation rule", H.Yoshioka et al. 5th World Conference on Structural Control and Monitoring, 2010. "突然変異則を含む粒子群最適化(PSO)を用いた多自由度振動制御系の設計について",吉岡 宏和,松下 仁士,高橋 良典,第51回自動制御連合講演会,2008
しかしながら、上記従来技術では、制御の対象としない振動数領域がどのようになるかコントロールすることができない。制御の対象の振動数領域の振動が低減しても、制御の対象としない振動数領域の振動が増幅し、制御効果が十分に得られない虞があった。また、上記従来技術を適用した複数の制振装置を併用した場合に、一方の制振装置の制御が他方の制振装置の制御に悪影響を及ぼす可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記事実に鑑みて成されたものであり、制御の対象とする振動数領域の振動を低減するだけでなく、制御の対象としない振動数領域の振動も低減することができるアクティブフィードバック制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明のアクティブフィードバック制御装置は、 外乱が入力される制御対象、前記制御対象を駆動するアクチュエータ、及び前記制御対象の振動量を検出するセンサを含む同定対象の動特性を表わすデータと、前記センサにより検出された振動量と、に基づいて、前記制御対象が目標の状態となるような制御信号を生成して出力する制御手段と、前記センサにより検出された振動量に基づいて、予め定めた振動数領域のゲイン余裕を各々算出するゲイン余裕算出手段と、前記ゲイン余裕算出手段により算出したゲイン余裕の最大値が予め定めた第1の閾値以下で且つ前記振動量の増加量が最大となる最大振動増加量が予め定めた第2の閾値以下の場合に、前記振動数領域における振動量の最大値を評価値とし、その他の場合に無限大を評価値とする予め定めた評価関数により前記制御手段の制御特性を表すパラメータの制御性能を表す評価値を算出する評価値算出手段と、複数の組み合わせのパラメータについて前記評価値算出手段により算出された前記評価値に基づいて、前記複数の組み合わせの前記パラメータの中から評価値が最も小さいパラメータを前記制御手段に設定する設定手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、ゲイン余裕が第1の閾値以下であっても、最大振動増加量が第2の閾値より大きい場合、すなわち、制御対象の振動数領域以外の振動数領域の振動が大きくなっている可能性がある場合には、評価値を無限大としてそのパラメータの評価を下げるようにしている。このため、制御対象の振動数領域以外の振動数領域の振動が大きくなってしまうパラメータが選択されるのを防ぐことができる。
なお、請求項2に記載したように、前記評価値算出手段は、前記振動数領域における振動量の最大値が予め定めた第3の閾値以下の場合で且つ前記振動量に基づく振動増幅倍率の絶対値が1より大きい場合には、前記最大値から予め定めた定数を減算し且つ予め定めた振動数領域における前記振動増幅倍率の絶対値の総和を加算した値を前記評価値として算出し、前記振動数領域における振動量の最大値が予め定めた第3の閾値以下の場合で且つ前記振動量に基づく振動増幅倍率が1以下の場合には、前記最大値から予め定めた定数を減算した値を前記評価値として算出するようにしてもよい。
この発明によれば、評価値が第3の閾値以下の場合、評価値から予め定めた定数を減ずると共に、振動増幅倍率の絶対値が1を超える(増幅領域にある)場合には、その振動増幅倍率の絶対値の総和をエラーとして加えた値を、振動増幅倍率の絶対値が1以下(増幅領域でない)の場合には、エラーを加えない値を評価値として採用する。このため、評価値が第3の閾値以下であることを保証しつつ、振動増幅が最小となるパラメータを検索することが可能となる。
また、請求項3に記載したように、前記設定手段は、粒子群最適化又は遺伝的アルゴリズムを用いて、前記制御手段の制御特性を表わすパラメータを設定するようにしてもよい。
請求項4記載の発明のアクティブフィードバック制御プログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のアクティブフィードバック制御装置を構成する各手段として機能させることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、制御の対象とする振動数領域の振動を低減するだけでなく、制御の対象としない振動数領域の振動も低減することができる、という優れた効果を有する。
本発明に係るアクティブフィードバック制御システムのブロック図である。 設定部で実行される処理のフローチャートである。 第1実施形態に係る設定部で実行される評価値算出のフローチャートである。 第2実施形態に係る設定部で実行される評価値算出のフローチャートである。 振動数とモビリティとの関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 振動数と振動増幅倍率との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 振動数とモビリティとの関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 振動数と振動増幅倍率との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 従来におけるアクティブフィードバック制御システムのブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1には、本実施形態に係るアクティブフィードバック制御システム10の概略ブロック図を示した。同図に示すように、アクティブフィードバック制御システム10は、制御対象12、アクチュエータ14、及びセンサ16から成る同定対象18と、コントローラ20及び設定部26から成るアクティブフィードバック制御装置28と、を含んで構成されている。
制御対象12は、アクティブフィードバック制御の制御対象であり、外乱が入力される。制御対象としては、例えば建物等の制振対象の構造物とすることができるが、制御対象の種類はこれに限られるものではない。
アクチュエータ14は、制御対象12を駆動する。アクチュエータ14は、例えば制御対象12が制振対象の構造物である場合には、この構造物の振動を抑制するための制御力を構造物に加えるものとすることができるが、アクチュエータの種類はこれに限られるものではない。
センサ16は、制御対象12の状態を検出する。センサ16は、例えば制御対象12が構造物の場合には、この構造物の加速度等の物理量を検出するものとすることができるが、センサ16が検出する物理量の種類はこれに限られるものではない。
コントローラ20は、アクチュエータ14、制御対象12、及びセンサ16から成る同定対象18の動特性を表わすデータ(伝達関数を表すデータ)と、センサ16により検出された制御対象12の状態を示す検出信号と、に基づいて、制御対象12が所望の状態となるような制御信号、例えば制御対象12が構造物であれば、この構造物の振動が抑制された状態となるような制御信号をアクチュエータ14に出力することによりフィードバック制御する。
設定部26は、同定対象18の動特性を表すデータと、コントローラ20の制御特性を表す伝達関数を表すパラメータ(制御パラメータ)の候補について計算されたコントローラ20の制御性能を表す評価値(詳細は後述)と、に基づいて、コントローラ20のパラメータを最適化する。すなわち、コントローラ20の制御特性を表すパラメータの候補のうち制御性能が最も高くなる(評価値が最も小さくなる)パラメータをコントローラ20に対して設定する。
アクチュエータ14への入力からセンサ16の出力までの閉ループ伝達関数T(s)は、次式で表わされる。
Figure 2012185658
ここで、G(s)は同定対象18の動特性を表わす伝達関数であり、H(s)はコントローラ20の特性を表わす伝達関数である。
同定対象18の動特性を表わす伝達関数G(s)は、計測等により予め定めることができ、コントローラ20の特性を表わす伝達関数H(s)も予め定められる。
従って、設定部26は、制御性能を表す伝達関数T(s)を求めることができる。ここで、設定部26は、制御対象12自体をモデル化する必要がなく、直接コントローラ20のパラメータの制御性能を評価値(詳細は後述)によって評価し、コントローラ20の制御性能を改善(最適化)することができる。
なお、最適化方法は、種々公知の最適化方法を用いることができるが、例えば、制御対象12自体をモデル化せずに直接コントローラ20を最適化する方法としては、例えば上記非特許文献2記載の粒子群最適化(PSO)による方法を用いることができる。この方法は、任意の評価関数を最適化する方法であり、この方法を用いる場合、コントローラ20のパラメータを複数種類発生させ、その中から最適なパラメータを探索することになる。
このように、複数種類のパラメータの中から最適なパラメータを探索して設定することにより、コントローラ20による制御性能及び制御安定性をより向上させることができる。なお、コントローラ20のパラメータの最適化方法としては、粒子群最適化に限定されるものではなく、遺伝的アルゴリズム(GA)等の他の最適化方法を用いても良い。
なお、コントローラ20の制御安定性は、次式で示す開ループ特性を表わす伝達関数OL(s)から求められる位相余裕やゲイン余裕により評価できる。
OL(s)=G(s)H(s) ・・・(3)
次に、本実施形態の作用として、設定部26で実行される処理の流れを図2、3に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、本実施形態では、以下では、制御対象12が建物等の構造物であり、センサ16は、制御対象12の振動量、例えば変位、速度、加速度、モビリティ(単位加振力当たりの速度応答)等を検出するものとする。
次に、設定部26により実行される処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップ200では、コントローラ20の予め定めた初期パラメータを出力する。
ステップ202では、同定対象18の伝達関数G(s)を表すデータと、コントローラ20の伝達関数H(s)を表すパラメータの候補と、に基づいて、ゲインマージンW(s)を算出する。ゲインマージンは、上記(3)式で示す開ループ特性を表わす伝達関数OL(s)等に基づいてゲイン余裕を算出する公知の式により算出できる。なお、ゲインマージンW(s)は後述する制御対象の振動数範囲のみならず、伝達関数G(s)の動特性が与えられている全ての振動数領域にわたって計算する。
ステップ204では、伝達関数H(s)のパラメータの制御性能を示す評価値の算出処理を実行する。図3には、評価値の算出処理を示すフローチャートを示した。
まず、ステップ300では、ゲインマージンW(s)の最悪値(最大値)が、予め定めた閾値γ(第1の閾値)以下であるか否かを判断する。ゲインマージンW(s)は、前述したように開ループ特性を表わす伝達関数OL(s)から求めることができる。なお、通常、ゲインマージンW(s)が1以下であれば制御は安定する。
閾値γは、ゲインマージンW(s)の最悪値がこの値以下であれば、制御が安定すると判断できる値に設定され、例えばユーザーが予め設定する。例えば閾値γは、一例として0.5(−6dB)に設定することができるが、これに限られるものではない。
そして、ゲインマージンW(s)の最悪値がγ以下の場合、すなわち制御が安定していると考えられる場合には、ステップ302へ移行し、ゲインマージンW(s)の最悪値がγより大きい場合、すなわち制御が不安定であると考えられる場合には、ステップ306へ移行する。
ステップ302では、制御対象である振動数領域s1〜s2及びこれ以外の振動数領域を含む全ての振動数領域における振動増加量(振動量の単位時間当たりの増加量)のうち最大の振動増加量が予め定めた閾値α(第2の閾値)以下であるか否かを判断する。なお、閾値αは、最大振動増加量がこの値以下であれば振動数領域以外の振動が許容範囲であると判断できる値に設定され、例えばユーザーが予め設定する。そして、最大振動増加量がα以下の場合には、ステップ304へ移行し、最大振動増加量がαより大きい場合には、ステップ306へ移行する。
ステップ304では、下記式により評価値Jを算出する。
Figure 2012185658
一方、ステップ308では、評価値Jを∞とする。このように、ゲインマージンW(s)が閾値γ以下であっても、全ての振動数領域における最大振動増加量が閾値αより大きい場合、すなわち、制御対象の振動数領域s1〜s2以外の振動数領域の振動が大きくなっている可能性がある場合には、評価値Jを∞とする。これにより、そのパラメータの評価が下がるため、制御対象の振動数領域s1〜s2以外の振動数領域の振動が大きくなってしまうパラメータが選択されるのを防ぐことができる。
この評価値の算出は、複数種類のパラメータの組み合わせについて実行する。例えば制御対象12の制御に必要なパラメータがN個ある場合、このN個のパラメータの様々な組み合わせについて、上記の評価値の算出を行う。
図2のステップ206では、評価値が今までで最小か否かを判断し、最小である場合には、ステップ208へ移行して、評価値が最小のパラメータをコントローラ20に出力する。具体的には、ステップ202で算出した様々なパラメータの組み合わせの評価値のうち、最も評価が高い、すなわち評価値が小さいパラメータの組み合わせを選択し、これをコントローラ20に出力する。これにより、コントローラ20は、制御対象12の伝達関数G(s)のパラメータを更新する。一方、評価値が最小でない場合には、ステップ210へ移行する。
ステップ210では、予め定めた終了条件を満たすか否かを判断し、終了条件を満たさない場合には、ステップ212へ移行して別のパラメータの候補を作成してステップ202へ戻って上記と同様の処理を繰り返す。一方、終了条件を満たす場合には、本ルーチンを終了する。なお、終了条件を満たす場合としては、例えば計算時間や処理の繰り返し回数が予め定めた値に達した場合としてもよいし、評価値が予め定めた所望の値に達した場合としてもよい。
このように、本実施形態では、ゲインマージンW(s)が閾値γ以下であっても、全ての振動数領域における最大振動増加量が閾値αより大きい場合、すなわち、制御対象の振動数領域s1〜s2以外の振動数領域の振動が大きくなっている可能性がある場合には、評価値Jを∞としてそのパラメータの評価を下げるようにしている。このため、制御対象の振動数領域s1〜s2以外の振動数領域の振動が大きくなってしまうパラメータが選択されるのを防ぐことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るアクティブフィードバック制御システムの構成及びコントローラ20で実行される処理は、第1実施形態で説明したのと同一であるので、説明は省略する。
設定部26で実行される処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。図4に示す処理が図3に示す処理と異なる点は、ステップ308、310の処理が追加されている点である。
本実施形態では、ステップ304で評価値Jが算出された後、ステップ308へ移行する。
ステップ308では、ステップ304で算出した評価値Jが、予め定めた閾値β(第3の閾値)以下であるか否かを判断する。ここで、閾値βは、評価値Jの目標値であり、例えばユーザーが予め設定する。そして、評価値Jが閾値β以下の場合には、ステップ310へ移行し、評価値Jが閾値βより大きい場合には、評価値Jをそのままとしてリターンする。
ステップ310では、評価値Kを次式により算出する。
Figure 2012185658
ここで、Bはボーナス、s0、s3は、振動数領域s1〜s2を含むさらに広い範囲の振動数領域の下限及び上限である。すなわち、s0<s1、s2<s3であり、振動数領域s0〜s3は、制御対象以外の振動数も含む領域である。例えば、s0は0.1Hz、s3は400Hz等に設定できるがこれに限られるものではない。また、C(s)は振動増幅倍率であり、次式で表される。
Figure 2012185658
ボーナスBは、振動増幅倍率C(s)の総和よりも十分大きい値(例えば1000)とする。すなわち、KがJより大きくならないような値に設定する。
このように、評価値Jが目標とする閾値β以下の場合、評価値JからボーナスBを減ずると共に、振動増幅倍率C(s)の絶対値が1を超える(増幅領域にある)場合には、その振動増幅倍率C(s)の絶対値の総和をエラーとして加えた値を、振動増幅倍率C(s)の絶対値が1以下(増幅領域でない)の場合には、エラーを加えない値を評価値Kとして採用する。
このため、評価値KがJ以下(β以下)であることを保証しつつ、振動増幅が最小となるパラメータを検索することが可能となる。
なお、上記各実施形態においては、コントローラ20の伝達関数H(s)のパラメータを、PSO(粒子群最適化)を用いた方法により最適化する場合について説明したが、これに限らず、GA(遺伝的アルゴリズム)を用いた方法等、様々なパラメータの組み合わせについて評価関数により評価値を求め、求めた評価値に基づいて最適なパラメータの組み合わせを求める方法であれば、本発明を適用可能である。
また、アクティブフィードバック制御装置28は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されたコンピュータで構成することができる。この場合、図2〜4に示すような処理を実行するプログラムをCPUが読み込んで実行することにより、コンピュータを、アクティブフィードバック制御装置28を構成する各手段として機能させることができる。
(実施例)
次に、本発明者が本実施形態に係るアクティブフィードバック制御システム10をシミュレーションした結果について説明する。
図5には、「非制御」、すなわちアクティブフィードバック制御しない場合と、「従来技術」、すなわち評価値Jを上記(1)式により求めてPSOによりパラメータを最適した場合における振動数と、振動量としてのモビリティ(単位加振力当たりの速度応答)と、の関係をシミュレーションした結果を示した。なお、モビリティは、制御対象12の揺れやすさを表す。
また、図6には、「従来技術」における振動数と振動増幅倍率C(s)との関係をシミュレーションした結果を示した。
図5、6に示すように、「従来技術」の場合、制御対象の振動数領域(1〜30Hz)では、振動量が抑えられており制御効果が高いが、制御対象外の振動数領域(30Hz以上)では、モビリティや振動増幅倍率が大きいのが判る。このため、「従来技術」を広帯域に加振する振動源に適用した場合や、複数の制振装置を設置するシステムに適用した場合等に問題が大きい。
また、図7には、「非制御」、「第1実施形態」で説明したアクティブフィードバック制御、「第2実施形態」で説明したアクティブフィードバック制御による振動数と、振動量としてのモビリティと、の関係をシミュレーションした結果を示した。
また、図8には、「第1実施形態」で説明したアクティブフィードバック制御、「第2実施形態」で説明したアクティブフィードバック制御による振動数と振動増幅倍率C(s)との関係をシミュレーションした結果を示した。
なお、「第1実施形態」の場合における評価値の算出に関して、振動増幅倍率αを1.4、振動数の下限値s1を1(Hz)、振動数の上限値s2を30(Hz)に設定した。すなわち、振動増幅倍率が1.4以下で振動数が1〜30Hzの範囲のモビリティの最大値を最小化するように設定した。
図7に示すように、「非制御時」に0.006[m/s/N]程度であったモビリティが、制御対象の振動数領域である1〜30Hzにおいて、約半分の0.003[m/s/N]以下となり、効果的に振動が低減されていることがわかる。
また、「第2実施形態」における評価値の算出に関して、振動増幅倍率α、振動数の下限値s1、振動数の上限値s2を「第1実施形態」の場合と同様に設定すると共に、βを0.003、ボーナスBを1000に設定した。すなわち、振動数が1〜30Hzの範囲のモビリティが0.003を下回る場合に、ボーナス1000を減ずるとともに、振動増幅倍率C(s)が1以上の振動数領域については、エラーを加えた。その結果、図8に示すように、制御対象の振動数領域である1〜30Hzのモビリティの最大値は「第1実施形態」とほぼ同程度であるにも関わらず、図8に示すように、振動が増幅する領域が大きく減少することがわかった。
10 アクティブフィードバック制御システム
12 制御対象
14 アクチュエータ
16 センサ
18 同定対象
20 コントローラ
26 設定部
28 アクティブフィードバック制御装置

Claims (4)

  1. 外乱が入力される制御対象、前記制御対象を駆動するアクチュエータ、及び前記制御対象の振動量を検出するセンサを含む同定対象の動特性を表わすデータと、前記センサにより検出された振動量と、に基づいて、前記制御対象が目標の状態となるような制御信号を生成して出力する制御手段と、
    前記センサにより検出された振動量に基づいて、予め定めた振動数領域のゲイン余裕を各々算出するゲイン余裕算出手段と、
    前記ゲイン余裕算出手段により算出したゲイン余裕の最大値が予め定めた第1の閾値以下で且つ前記振動量の増加量が最大となる最大振動増加量が予め定めた第2の閾値以下の場合に、前記振動数領域における振動量の最大値を評価値とし、その他の場合に無限大を評価値とする予め定めた評価関数により前記制御手段の制御特性を表すパラメータの制御性能を表す評価値を算出する評価値算出手段と、
    複数の組み合わせの前記パラメータについて前記評価値算出手段により算出された前記評価値に基づいて、前記複数の組み合わせのパラメータの中から評価値が最も小さいパラメータを前記制御手段に設定する設定手段と、
    を備えたアクティブフィードバック制御装置。
  2. 前記評価値算出手段は、前記振動数領域における振動量の最大値が予め定めた第3の閾値以下の場合で且つ前記振動量に基づく振動増幅倍率の絶対値が1より大きい場合には、前記最大値から予め定めた定数を減算し且つ予め定めた振動数領域における前記振動増幅倍率の絶対値の総和を加算した値を前記評価値として算出し、前記振動数領域における振動量の最大値が予め定めた第3の閾値以下の場合で且つ前記振動量に基づく振動増幅倍率が1以下の場合には、前記最大値から予め定めた定数を減算した値を前記評価値として算出する
    請求項1記載のアクティブフィードバック制御装置。
  3. 前記設定手段は、粒子群最適化又は遺伝的アルゴリズムを用いて、前記制御手段の制御特性を表わすパラメータを設定する
    請求項1又は請求項2記載のアクティブフィードバック制御装置。
  4. コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のアクティブフィードバック制御装置を構成する各手段として機能させるためのアクティブフィードバック制御プログラム。
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