JP2012185446A - 光学シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スジ不良および充填ムラを低減することができる光学シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一の態様によれば、表面3aに複数の溝3bが並設されたシート本体3を移動させながら、シート本体3の表面3aに充填材料21を塗布し、その後掻取部材23により溝3b内に充填材料21が残るようにシート本体3の表面3a上の余分な充填材料21を掻き取る工程を備える光学シートの製造方法であって、充填材料21の塗布が、シート本体3の表面3aと掻取部材23の先端23aとの間に溜まる充填材料溜まり25よりも上流の位置から、ダイコート方式によりシート本体3の表面3aの幅とほぼ同じ幅で充填材料21を表面3aに塗布することにより行われることを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学シートの製造方法に関する。
近年、薄型かつ大型のディスプレイの普及に伴い、家庭用テレビや業務用ディスプレイ装置など、使用される用途も多様化し、ディスプレイの画質についても高いレベルが要求されつつある。
これらに使用される光学シートについても、透過率やコントラストを向上させる機能、または視野角を制御する機能等が要求されている。このようなことから、例えば、コントラストを向上させ、かつ視野角を制御するために光吸収部を有する光学シートを形成する場合がある。
このような光吸収部を有する光学シートは、例えば、光透過性シートの表面に溝を設け、その溝に光吸収材を含む充填材料を充填し、その後充填材料を硬化させることにより形成することができる。
充填材料の充填は、例えば、ドクターブレードを固定した状態で、光透過性シートを移動させながら、ドクターブレードの上流側先端付近に充填材料をノズルにより供給して、シート本体とドクターブレードとの間に充填材料溜まりを形成しつつ、ドクターブレードで余分な充填材料を掻き取ることにより行うことができる。
しかしながら、このような方法により、充填材料を充填すると、スジ不良および充填ムラ等が発生することがある。光学シートの外観品質は、画質に直接結び付くため、高い品質が要求される。このため、上記したようなスジ不良や充填ムラを極力低減することが好ましい。特に、充填材料に粒子を含ませると、これらの不良が発生しやすい。
ここで、スジ不良を改善するために、掻取部材を揺動させながら充填材料を掻き取る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、掻取部材を揺動させることにより、掻き取り時に掻取部材に噛んだ異物が、掻取部材の移動に伴い溝壁に当たり、掻取部材から異物が除去される。
しかしながら、掻取部材を揺動させた場合であっても、スジ不良が発生することがある。
特開2009−128645号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、スジ不良および充填ムラを低減することができる光学シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、スジ不良および充填ムラを低減するため鋭意研究を重ねた結果、シート本体の溝内における充填材料の充填率を高め、かつシート本体の幅とほぼ同じ幅で充填材料を均一に塗布した場合には、スジ不良および充填ムラが低減することを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
ここで、上記「スジ不良」とは、図6(a)に示されるように溝に充填されている硬化後の充填材料100が一部において凹んでいる、または図6(b)に示されるように一部の溝に充填されている硬化後の充填材料101が他の溝に充填されている硬化後の充填材料102よりも凹みが大きく、そして凹みが線状になっているものを意味する。
本発明の一の態様によれば、表面に複数の溝が並設されたシート本体を移動させながら、前記シート本体の前記表面に充填材料を塗布し、その後掻取部材により前記溝内に前記充填材料が残るように前記シート本体の前記表面上の余分な前記充填材料を掻き取る工程を備える光学シートの製造方法であって、前記充填材料の塗布が、前記シート本体の前記表面と前記掻取部材の先端との間に溜まる充填材料溜まりよりも上流の位置から、ダイコート方式により前記シート本体の前記表面の幅とほぼ同じ幅で前記充填材料を前記表面に塗布することにより行われることを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。
本発明の一の態様の光学シートの製造方法によれば、シート本体の溝内における充填材料の充填率を高めることができ、かつシート本体の幅とほぼ同じ幅で充填材料を均一に塗布することができるので、スジ不良および充填ムラを低減することができる。
実施の形態に係る光透過部の形成工程を模式的に示した図である。 実施の形態に係る光吸収部の形成工程を模式的に示した図である。 実施の形態に係る充填工程を模式的に示した図である。 実施の形態に係る光学シートの製造方法におけるシートの断面図である。 実施の形態に係る粘着層および剥離層を有する基材シートを示した図である。 スジ不良を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態においては、光学シートを作製するが、この光学シートは例えば表示装置のディスプレイに用いることができる。
表示装置のディスプレイとしては、例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、プロジェクションテレビ等が挙げられる。
図1は本実施の形態に係る光透過部の形成工程を模式的に示した図であり、図2は本実施の形態に係る光吸収部の形成工程を模式的に示した図であり、図3は本実施の形態に係る充填工程を模式的に示した図であり、図4は本実施の形態に係る光学シートの製造方法におけるシートの断面図である。
まず、図1に示されるように所定ピッチで後述する光透過部2の形に対応した形の溝を有する金型10と、ニップロール11との間に基材シート1を送り込む。図1に示した矢印は、基材シート1を送り込む方向である。基材シート1の送り込みに合わせて、金型10と基材シート1との間に供給装置12から例えば電離放射線硬化型樹脂等の光透過部形成用組成物13の液滴を供給し続ける。供給装置12から基材シート1上に光透過部形成用組成物13を供給するとき、金型10と基材シート1との間に、光透過部形成用組成物13が溜まった組成物溜まり14が形成されるようにする。この組成物溜まり14を形成することによって、光透過部形成用組成物13が基材シート1の幅方向に広がる。
上記のようにして金型10と基材シート1との間に供給された光透過部形成用組成物13は、金型10とニップロール11との間の押圧力により、基材シート1と金型10との間に充填される。その後、光照射装置15によって光透過部形成用組成物13に光を照射し、光透過部形成用組成物13を硬化させて、光透過部2を形成する。光透過部2を形成した後、基材シート1上に光透過部2が形成されたシート本体3は、剥離ロール16を介して引かれることによって、金型10から引き剥がされる。
基材シート1は、基材シート1上に光透過部2を形成するためのベースとなるものである。基材シート1としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。さらに、ポリエステル系フィルムの中でも、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
金型10に送り込まれる基材シート1は、図5に示されるように粘着層6および剥離層7を備えていてもよい。粘着層6は、光学シートを表示装置のディスプレイに接着させるためのものである。粘着層6に用いられる粘着剤は光を透過するとともに、適切に光学シートを他に接着させることができれば、その材料は特に限定されるものではない。粘着剤としては、例えばアクリル系の共重合体を挙げることができる。
剥離層7は、取扱時に粘着層6が他に接触しないようにするためのものであり、粘着層6上に形成されている。剥離層7としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等が挙げられる。
上記「シート本体」とは、本実施の形態のように基材シート1と光透過部2が別体のものである場合には少なくともこれらを合わせたものを意味する。本実施の形態のシート本体3は、光透過性のものである。
シート本体3の表面3aには、図4(a)に示されるように単位光透過部2a間に金型の形状に対応する溝3bが形成されている。本実施の形態では、溝3bは図4(a)に示されるように略台形状となっている。溝3bは基材シート1側に向けて先細るように形成されており、基材シート1の長手方向に沿って延在している。溝3bの形状は、略台形状に限られず、例えば、略V字状または略矩形状に形成されていてもよい。具体的には、シート本体3は、シート本体3の表面3aにおける幅が200〜2000mmであるものを用いることができる。また、単位光透過部2aは、単位光透過部2aの上部の幅が10〜100μmであるものであってもよい。溝3bは、例えば、溝3bの上部の幅が5〜50μmであり、溝3bの深さが50〜200μmであり、溝3bの側壁が溝3bの底面の法線方向に対して0〜10°の角度をなすものであってもよい。
なお、上記においては、金型および紫外線照射を用いてシート本体3を形成しているが、押出成形や熱プレス成形などによって、シート本体3を形成してもよい。
シート本体3を形成した後、充填装置20を用いて、図2および図3に示されるように溝3bに充填材料21を充填する。
まず、充填装置20について説明する。充填装置20は、図2および図3に示されるように、シート本体3の表面3aに充填材料21を塗布するダイヘッド22と、溝3b内に充填材料21が残るように、またシート本体3の表面3aに存在する余分な充填材料21を掻き取る掻取部材23と、ダイヘッド22および掻取部材23に対して、シート本体3を相対的に移動させる搬送手段(搬送装置)24とを備えている。
ダイヘッド22は、シート本体3の表面3aの幅Wとほぼ同じ長さLのスリット22aを有している。ダイヘッド22は、シート本体3の表面3aと掻取部材23の先端23aとの間に溜まる充填材料溜まり25よりも上流に配置されている。
掻取部材23は、溝3bと直交するように配置され、かつ先端23aをシート本体3の表面3aに押し当てた状態で使用される。
掻取部材23としては、例えばドクターブレードが挙げられる。また、掻取部材23は、揺動可能であることが好ましい。掻き取り時に掻取部材23を揺動させることにより掻取部材23に噛んだ異物を掻取部材23から除去することができる。
次に、充填装置20によって、充填される充填材料21について説明する。充填材料21としては、溝3b内に充填させることができる材料であれば、特に限定されないが、本実施の形態のように光学シートの光吸収部を形成する場合であっては、例えば、充填材料21は、透明な電離放射線樹脂組成物と光吸収材とを含むものであることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂組成物としては、従来公知の視認性向上シートや視野角向上シート等に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることができる。例えば、アクリレート系の官能基を有するものを好適に使用することができ、具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマーを挙げることができる。
また、上記樹脂組成物中には、反応性希釈剤を添加してもよく、このような反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマーを使用してもよく、具体的は、リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、組成物中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
光吸収材としては、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収できる着色剤や樹脂ビーズやガラスビーズを着色剤で着色した光吸収粒子が挙げられる。着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、繊維状炭素、黒色酸化鉄等の金属塩、染料や顔料を含むインキ等が挙げられる。
顔料としては、赤外光を透過することが可能な、ペリレンブラック顔料、アニリンブラック顔料、フォーマット墨(イエロー、マゼンダ、シアン顔料の混合顔料)、フタロシアニンブルー、ブリリアントカーミン6B等が好ましい。
光吸収粒子は、樹脂ビーズやガラスビーズに着色剤を練り込んだものであってもよい。着色剤の練り込み易さの観点からは、樹脂ビーズを用いることが好ましい。樹脂ビーズとしては、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等を好適に使用することができる。また、ウレタン架橋微粒子やシリコン系ビーズも好適に使用できる。これらの樹脂ビーズは、上記した電離放射線硬化型樹脂組成物の屈折率差が0.1程度のものを用いることが好ましい。また、着色剤を練り込む前の樹脂としては、透明な樹脂でも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂ビーズが用いられる。
光吸収粒子に用いられる着色剤としては、上記したもののなかでもカーボンブラックが好適に使用できる。樹脂ビーズへのカーボンブラックの練り込み量は、樹脂ビーズ1質量部に対してカーボンブラックを0.1〜0.7質量部程度であり、好ましくは0.15〜0.5質量部、より好ましくは0.2〜0.35質量部である。カーボンブラックの練り込み量が0.7質量部よりも多いと樹脂ビーズが割れやすくなる場合があり、一方、0.1質量部よりも少ないと、所望の黒色性を有する光吸収粒子を得られない場合がある。また、カーボンブラックは、平均粒子径が10〜500nmのものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)を好適に使用することができる。なお、ここでの平均粒子径とは、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径を意味する。
電離放射線硬化型樹脂組成物への光吸収材の分散性を向上させるために、光吸収粒子を表面処理しておくこともできる。表面処理としては、従来公知のシリカコーティングによる親水処理や、プラズマ等による表面改質が挙げられる。
上記した各成分を含む充填材料21は、電離放射線硬化型樹脂組成物に、所定量の光吸収材を混合し、所望により重合開始剤等を添加することにより調製することが可能である。光吸収材の添加量は、充填材料21の全質量に対して15〜35%の範囲とすることが好ましく、この範囲とすることにより、よりコントラストに優れる光学シートを実現することができる。光吸収材の含有量が少なすぎると、光吸収部の光遮光性が不十分となる場合があり、光吸収材の含有量が多すぎると、樹脂ビーズ同士が接触し割れや欠けの問題が発生し易くなる。
充填材料21は、25℃での粘度が1000〜5000mPa・sであることが好ましく、2000〜3000mPa・sであることがより好ましい。充填材料21の粘度を上記範囲としたのは、1000mPa・s未満であると、ダイヘッド22内の圧力が上昇せずに幅方向の均一な吐出が難しい場合があるからであり、また5000mPa・sを超えると、ダイヘッド22内の圧力は上昇するが、シート本体3に対する吐出圧は低くなり、充填率の低下を引き起こすおそれがあるからである。
このような充填装置20および充填材料21を使用して、シート本体3の溝3bに充填材料21を充填させる。具体的には、ダイヘッド22および掻取部材23に対して、搬送手段24によりシート本体3を移動させながら、シート本体3の表面3aにダイヘッド22のスリット22aから充填材料21を塗布し、その後掻取部材23により溝3b内に充填材料21が残るようにシート本体3の表面3aに存在する余分な充填材料21を掻き取る。なお、シート本体3を固定した状態で、ダイヘッド22および掻取部材23を移動させながら充填材料21の充填を行ってもよい。
充填材料21の掻き取りを行うと、シート本体3の表面3aと掻取部材23の先端23aとの間には充填材料21の溜まり(充填材料溜まり)25が形成される。ダイヘッド22は、この充填材料溜まり25よりも上流に配置されているので、充填材料21は、この充填材料溜まり25よりも上流から塗布されることとなる。
また、ダイヘッド22のスリット22aはシート本体3の表面3aの幅Wとほぼ同じ長さLとなっているので、充填材料21はシート本体3の表面3aの幅Wとほぼ同じ幅で塗布されることとなる。
その後、例えば、紫外線ランプ等の電離放射線照射装置26により電離放射線を照射して、充填材料21を硬化させる。これにより、図4(b)に示されるようにシート本体3の溝3bに溝3bの形状と対応した形状を有する光吸収部4が形成され、光学シート5が形成される。
本実施の形態の光学シート5の製造方法によれば、スジ不良および充填ムラを低減することができるが、これは次のような理由からである。
スジ不良は、溝の上部に存在する気泡が掻取部材に引っ掛かり、この状態でシート本体が移動するために発生するものと考えられる。この気泡は溝内に存在する空気あるいは充填材料溜まりに含まれる空気が原因で発生するものと考えられる。特に、高速で充填材料の掻き取りを行う場合、気泡が発生し易い。
本実施の形態においては、ダイヘッド22で吐出することで圧力を加えて充填材料21を押し出すため、溝3b内の空気を確実に充填材料21と置換することができ、溝3b内の空気を確実に排出することができる。これにより、溝3b内における充填材料21の充填率が高くなり、スジ不良を低減することができる。
一方、充填ムラは、シート本体の表面に対して充填材料を部分的に塗布することにより発生すると考えられる。すなわち、充填材料を1箇所から塗布した場合、塗布口付近における充填材料は、その他の部分における充填材料に比べて厚さが厚くなり、また充填材料を複数箇所から塗布した場合、このことに加えて、塗布口から塗布された充填材料が、隣り合う塗布口から塗布された充填材料と合流し、その合流部がその他の部分における充填材料に比べて厚さが厚くなる。このようにシート本体の表面に対して充填材料を部分的に塗布した場合には、充填材料の厚さが部分的に異なり、充填ムラが発生すると考えられる。
本実施の形態においては、シート本体3の表面3aにダイコート方式によりシート本体3の表面3aの幅Wとほぼ同じ幅で充填材料を塗布しているので、シート本体3の表面3a全体に均一に充填材料21を塗布することができる。これにより、充填ムラを低減することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。本実施例においては、上記実施の形態と同様の方法で光学シートを作製し、光学シートの外観観察を行うとともに、充填材料の充填率を測定した。
(実施例)
まず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基材シート上に透明な紫外線硬化型樹脂を塗布し、周面に略台形状の溝および略台形状の突部が形成された金型に、紫外線硬化型樹脂が金型に接触するように基材シートを押し当てた。
そして、基材シート側からロールを押し当てて、所望の厚みにした後、基材シート越しに紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。その後、金型から硬化した紫外線硬化型樹脂を剥がし、複数の単位光透過部を有する光透過部を形成した。
単位光透過部は略台形状となっており、単位光透過部間には断面形状が略台形状の溝が形成されていた。この溝は基材シートの流れ方向に延在しており、この溝は、溝の深さが120μm、溝の上部の幅が20μm、基材シートの法線と溝の斜面との成す角度が3°、溝の繰り返し単位の長さが85μmとなっていた。
次いで、光透過部の表面から60°傾いたドクターブレードを溝と直交するように配置し、かつドクターブレードの刃先を光透過部の表面に押し当てた状態で、ライン速度5.0m/分で基材シートと光透過部とを有するシート本体を流し、かつドクターブレードの300mm上流から25℃での粘度が3500mPa・sの、黒インキ(光吸収材)と紫外線硬化型樹脂とを含む充填材料を基材シートの幅と同じ長さのスリットを有するダイヘッドを用いてダイコート方式により光透過部の表面に塗布した。
ドクターブレードの300mm上流は、充填材料溜まりが形成される位置よりも上流の位置であった。
塗布された充填材料は、単位光透過部間の溝に充填された。そして、単位光透過部上に存在する余分な充填材料はドクターブレードにより掻き取られた。
ドクターブレードは、金属製であり、ドクターブレードの刃先部がドクターブレードの基部に比べて薄くなるように片側の面に段付け加工が施されたものであった。刃先部の厚さは0.07mmであり、基部の厚さは0.2mmであった。また、刃先は0.035mmの曲率半径を有していた。なお、ドクターブレードは、段付け加工が施された面が下流側となるように配置された。用いたドクターブレードの枚数は、1枚であった。
余分な充填材料を掻き取った後、紫外線を照射し、溝内の、充填材料に含まれる紫外線硬化型樹脂を硬化させて、実施例の光学シートを作製した。
(比較例1)
比較例1においては、黒インキと紫外線硬化型樹脂とを含む充填材料を、ドクターブレードの直近かつシートの中央部に配置された内径が10mmの1本のノズルから塗布した以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。
(比較例2)
比較例2においては、黒インキと紫外線硬化型樹脂とを含む充填材料を、シートの幅方向に四等分する位置に配置された内径が10mmの3本のノズルから塗布した以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。
外観観察
このようにして作製された実施例および比較例1、2の光学シートの外観を観察したところ、比較例1の光学シートには多数のスジ不良が観察され、比較例2の光学シートには帯状の充填ムラおよび塗布された充填材料の合流部にスジ状の充填ムラが観察された。これに対し、実施例の光学シートの外観は、スジ不良および充填ムラが少なく、良好な状態であった。
充填率測定
また、実施例および比較例1、2の光学シートの充填材料の充填率を測定した。充填率は、作成した光学シートの断面を顕微鏡で観察し、溝の断面積と、そこに充填されている材料の断面積の比から計算した。比較例1の光学シートにおける充填率は92%であり、比較例2の光学シートにおける充填率は90〜95%であった。これに対し、実施例の光学シートにおける充填率は、98%であった。
これらの実験結果から、充填材料溜まりが形成される位置よりも上流の位置から充填材料を塗布した場合には、充填率が高くなるとともにスジ不良が低減できることが確認された。また、充填材料を、基材シートの幅と同じ長さのスリットを有するダイヘッドを用いてダイコート方式により塗布した場合には、充填ムラが低減できることが確認された。
1…基材シート、2…光透過部、2a…単位光透過部、3…シート本体、3a…表面、3b…溝、4…光吸収部、21…充填材料、22…ダイヘッド、22a…スリット、23…掻取部材、23a…先端、25…充填材料溜まり。

Claims (5)

  1. 表面に複数の溝が並設されたシート本体を移動させながら、前記シート本体の前記表面に充填材料を塗布し、その後掻取部材により前記溝内に前記充填材料が残るように前記シート本体の前記表面上の余分な前記充填材料を掻き取る工程を備える光学シートの製造方法であって、
    前記充填材料の塗布が、前記シート本体の前記表面と前記掻取部材の先端との間に溜まる充填材料溜まりよりも上流の位置から、ダイコート方式により前記シート本体の前記表面の幅とほぼ同じ幅で前記充填材料を前記表面に塗布することにより行われることを特徴とする、光学シートの製造方法。
  2. 前記充填材料の塗布が、前記充填材料を塗布するためのスリットを有するダイヘッドを用いて行われる、請求項1に記載の光学シートの製造方法。
  3. 前記充填材料の掻き取りが、ドクターブレードを用いて行われる、請求項1または2に記載の光学シートの製造方法。
  4. 前記シート本体が光透過性シートであり、かつ前記充填材料が透明樹脂および前記透明樹脂中に分散された光吸収材を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  5. 前記溝の形状が、略台形状、略V字状、または略矩形状である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
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