JP2012185062A - 超音波斜角探傷方法及び超音波斜角探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波斜角探傷方法は、探傷ゲートを予め設定する探傷ゲート設定ステップと、超音波探触子から鋼管の端面までの距離を計測する端面距離計測ステップと、超音波探触子2が送信した超音波が、鋼管の厚み方向の内面、外面、端面、内面の順である第1伝搬経路等の順に反射した後、超音波探触子に受信されるか否かを判断する第1判断ステップと、第1判断ステップにおいて超音波が超音波探触子に受信されると判断したときは、超音波が第1伝搬経路等の順に反射した後に超音波探触子に受信されるまでの時間である端面反射伝搬時間を算出し、探傷ゲート設定ステップで設定された探傷ゲートの終了時点を、超音波の送信時点を起点として端面反射伝搬時間が経過する時点に変更する探傷ゲート変更ステップとを含む。
【選択図】図7
Description
超音波斜角探傷においては、一般的に被探傷材の厚み方向の一方の面と、他方の面と、被探傷材中とのそれぞれのきずを、送信した同一の超音波による反射エコーから検出できるように探傷ゲートが設定される。このような探傷ゲートの設定方法を、図1を参照して説明する。図1は、超音波斜角探傷を行っているときの被探傷材の部分断面図であり、図1(a)は、一方の面に設けられたノッチを探傷しているときの被探傷材の部分断面図であり、図1(b)は、他方の面に設けられたノッチを探傷しているときの被探傷材の部分断面図である。
探触子106から送信した超音波が、他方の面104で反射してから一方の面102のノッチ103で反射し、更に他方の面104で反射してから探触子106で受信される。そして、超音波の送信時点から、ノッチ103からの反射エコーを受信する時点までの時間(以下、一方面ノッチ時間という)を計測する。
また、探触子106から送信した超音波が、他方の面のノッチ105で反射し、反射エコーとして探触子106で受信される。そして、超音波の送信時点から、ノッチ105からの反射エコーを受信する時点までの時間(以下、他方面ノッチ時間という)を計測する。
そして、送信時点を起点として他方面ノッチ時間が経過する時点よりも少し早い時点を探傷ゲートの開始時点とし、一方面ノッチ時間が経過する時点よりも少し遅い時点を探傷ゲートの終了時点とする。開始時点と終了時点との間に検出された反射エコーをきずからの反射エコーの候補とし、更に候補とした反射エコーの中から所定のエコー強度を越えるエコーをきずからの反射エコーとして検出する。
このようにして、探傷ゲートを設定することにより、被探傷材101の一方の面102と、他方の面104と、被探傷材中とのきずを検出することができる。
図2に示す例では、探触子106の中央から送信された超音波が他方の面104、端面107、一方の面102、他方の面104の順に反射して探触子106で受信される。このときの超音波の伝搬経路の長さは、図1(a)に示されるような、探傷ゲートを設定するために一方の面102に設けられたノッチ103を探傷するときの超音波の伝搬経路と比べ、被探傷材101中の伝搬経路の長さは同じである。しかしながら、図2に示される探触子106と被探傷材101との間の伝搬経路の長さは、図1(a)に示される伝搬経路よりも短い。従って、端面エコーは、図3に示すように探傷ゲートに入ってしまう。
端面エコーは、一般的にエコー強度が大きいので、きずからの反射エコーを検出するために設定されたエコー強度のしきい値Zを越えてしまい、きずからの反射エコーであると誤認識される虞がある。このために、このときの探触子106の位置よりも端面側では、超音波斜角探傷を行うことができず、このときの超音波の伝搬経路よりも端面側の領域(図2の斜線部分)は、未探傷領域108になるという問題がある。未探傷領域108が発生すると、その領域を他の探傷方法で探傷したり切り下げたりしなければならないので、手間が掛かったり歩留まりが低下する。
なお、本発明に係る超音波斜角探傷方法においては、探傷ゲートの開始時点と終了時点との間に検出された反射エコーをきずからの反射エコーの候補とする。
また、超音波が超音波探触子に受信されるとは、超音波探触子のいずれかの部分に超音波が受信されることをいい、また超音波が超音波探触子に受信されないとは、超音波探触子のいずれの部分にも超音波が受信されないことをいう。
このように、端面反射伝搬時間が経過する時点を探傷ゲートの終了時点とするので、端面エコーが探傷ゲートに入らなくなり超音波探傷を行うことができる。
また、端面反射伝搬時間を、超音波探触子から被探傷材の端面までの距離に基づいて算出するので、容易に端面反射伝搬時間を得ることができる。
このために、探触子が、第1伝搬経路の順、第2伝搬経路の順、又は第3伝搬経路の順に反射した超音波を受信する位置にあっても、容易に未探傷領域を少なくすることができる。
図4に、そのようなときの被探傷材101の部分断面図の例を示す。図4に示す例では、探触子106の中央から送信された超音波が他方の面104、端面107の順に反射して探触子106で受信される。このときの超音波の伝搬経路は、図1(b)に示されるような、超音波が他方の面104に設けられたノッチ105を反射してから受信されるまでの伝搬経路よりも、探触子106と被探傷材101との間の伝搬経路において長くなる。従って、端面エコーは、図5に示すように探傷ゲートに入ってしまう。そうすると、端面エコーは、一般的にエコー強度が大きいので、きずからの反射エコーを検出するために設定されたエコー強度のしきい値Zを越えてしまい、きずからの反射エコーであると誤認識される虞がある。
この場合に、探傷ゲートの終了時点を、端面エコーを受信する時点に変更することが考えられる。しかしながら、この場合の端面エコーは、探傷ゲートの開始時点の近傍に発生するので、探傷ゲートの時間が短くなり、超音波探傷を実質的に行うことができない。
従って、第2判断ステップにおいて他方の面104、端面107の順に反射した超音波、又は他方の面104と端面107とが交差する隅部を反射した超音波、又は端面107、他方の面104の順に反射した超音波が探触子106に受信されると判断したときは、探傷を中止する。
超音波探触子106から被探傷材101の端面107までの距離によって、超音波斜角探傷を中止する判断が行えるので、無駄な超音波斜角探傷を行わなくてよい。
なお、探傷器が超音波探傷を中止することには、超音波探触子の超音波の送受信を停止すること、及び超音波の送受信を停止するための情報を発すること等を含む。超音波の送受信を停止することには、具体的には、超音波の送受信自体を停止すること、及び受信した反射エコーの電気信号への処理を停止すること等を含む。超音波の送受信を停止するための情報を発することには、具体的には、音声、及び表示によって警告を発すること等を含む。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る超音波斜角探傷方法について被探傷材が鋼管の場合を例として説明する。図6は、超音波斜角探傷方法に用いる超音波斜角探傷装置の構成図である。
超音波斜角探傷装置1は、鋼管10(被探傷材)の外面側に設置されている。超音波斜角探傷装置1は、超音波探触子2(以下、探触子ともいう)と、探傷器3と、ゲート設定部31と、端面距離計測部4とを備えている。
超音波探触子2は、超音波を送信すると共に反射エコーを受信する。また、超音波探触子2は、鋼管10の軸方向及び周方向に相対移動できるように構成されている。超音波探触子2は、例えば、移動ステージ(図示せず)に設置されており、鋼管10の軸方向に移動することができる。また、鋼管10は、例えば、鋼管10を周方向に回転させる回転駆動部(図示せず)に載置されており、鋼管10が回転することによって超音波探触子2が鋼管10の周方向に相対移動する。
探傷器3は、超音波探触子2が行う超音波の送信及び反射エコーの受信を制御すると共に超音波探触子2から反射エコーに相当する電気信号を受信し、電気信号と探傷ゲートとに基づいて鋼管10のきずを検出する。
端面距離計測部4は、超音波探触子2の寸法の中央から、超音波の送信方向にある鋼管10の端面までの距離を計測する。端面距離計測部4は、例えばレーザー距離計41と、レーザー距離計41からのレーザー光を受けるターゲット42とを具備し、レーザー距離計41からターゲット42までの距離を計測する。レーザー距離計41は、超音波探触子2に固定されており、超音波探触子2と共に鋼管10の軸方向に相対移動する。ターゲット42は、鋼管10の軸方向において鋼管10の端面と同一位置になるように設けられている。従って、レーザー距離計41によってターゲット42までの距離を測定すれば、超音波探触子2の中央から鋼管10の端面までの距離が測定される。
レーザー距離計41は、超音波探触子2から鋼管10の端面までの距離に応じた電気信号を探傷器3に送信する。
なお、端面距離計測部4は、この構成に限られず、超音波探触子2から鋼管10の端面までの距離を計測するならば、どのような構成でもよい。
例えば、移動ステージの駆動モータにエンコーダを取り付ける。そして、超音波探触子2の基準位置を決め、その基準位置における超音波探触子2から鋼管10の端面までの距離と、超音波探触子2が基準位置から移動したときのエンコーダの計測値とから、超音波探触子2から鋼管10の端面までの距離を計測する。
また、鋼管10を軸方向に搬送する搬送ローラを具備する搬送装置を設け、搬送ローラにエンコーダを取り付ける。鋼管10の基準位置を決め、その基準位置における超音波探触子2から鋼管10の端面までの距離と、鋼管10が基準位置から移動したときのエンコーダの計測値とから、超音波探触子2から鋼管10の端面までの距離を計測する。
また、鋼管10と超音波探触子2との間には接触媒質が供給され、超音波が鋼管10と超音波探触子2との間を伝搬するようにされている。
ゲート設定部31は、予め探傷ゲートを設定する(探傷ゲート設定ステップ)。
探傷ゲートの設定方法を、図8を参照して説明する。図8は、探傷ゲートを設定するときの鋼管10の部分断面図であり、図8(a)は、探傷ゲートの終了時点を設定するときの鋼管10の部分断面図であり、図8(b)は、探傷ゲートの開始時点を設定するときの鋼管10の部分断面図である。
鋼管10の外面12(一方の面)にノッチ13を設け、内面14(他方の面)にノッチ15を設け、外面12側に設置した超音波探触子2から超音波斜角探傷を行う。
超音波探触子2の中央から送信した超音波が、内面のノッチ15で反射し、反射エコーとして超音波探触子2で受信される。そして、超音波の送信時点から、ノッチ15からの反射エコーを検出する時点までの時間(以下、内面ノッチ時間という)を計測する。
また、超音波探触子2の寸法の中央から送信した超音波が、内面14で反射してから外面12のノッチ13で反射し、更に内面14で反射してから超音波探触子2で受信される。そして、超音波の送信時点から、ノッチ13からの反射エコーを検出する時点までの時間(以下、外面ノッチ時間という)を計測する。
そして、送信時点を起点として内面ノッチ時間が経過する時点よりも少し早い時点を探傷ゲートの開始時点とし、外面ノッチ時間が経過する時点よりも少し遅い時点を探傷ゲートの終了時点として、ゲート設定部31に入力する。ゲート設定部31は、こうして入力された開始時点と終了時点から探傷ゲートを決定し、探傷器3に設定する。
探傷器3は、探傷ゲートの開始時点と終了時点との間に検出された反射エコーをきずからの反射エコーの候補とし、更に候補とした反射エコーの中から所定のエコー強度を越えるエコーをきずからの反射エコーとして検出する。
なお、ゲート設定部31は、超音波斜角探傷方法のフローにおいて、探傷ゲート設定ステップに戻る度に、上述したように決定した探傷ゲートを探傷器3に設定する。
続いて、レーザー距離計41は、超音波探触子2から鋼管10の端面16までの距離Lを測定し、ゲート設定部31に入力する(端面距離計測ステップ)。
反射エコーを検出するまで、探傷ステップと端面距離計測ステップとを繰り返す。
反射エコーが検出されると(検出ステップ)、ゲート設定部31は、送信した超音波が、内面14、外面12、端面16、内面14の順である第1伝搬経路の順に反射した後、又は、内面14、外面12と端面16とが交差する隅部、内面14の順である第2伝搬経路の順に反射した後、又は内面14、端面16、外面12、内面14の順である第3伝搬経路の順に反射した後に反射エコーとして超音波探触子2に受信されるか否かを判断する第1判断を行う(第1判断ステップ)。このとき、どのような反射エコーを検出しても第1判断を行うのでなく、例えば所定の強度以上の反射エコーを検出したときに第1判断を行うようにしてもよい。
この第1判断は、超音波探触子2から鋼管10の端面16までの距離Lに基づいて行う。
具体的には、距離Lを用いて超音波の伝搬経路を幾何学的に推定し、超音波が超音波探触子2に受信されるか否かを判断する。
より具体的には、探触子の寸法(径)の中央から鋼管(被探傷材)の端面までの距離L、超音波の鋼管(被探傷材)への入射角θ、超音波の鋼管(被探傷材)中での屈折角α、探触子の寸法(径)の中央から鋼管(被探傷材)の外面(一方の面)までの距離d、探触子の寸法(径)D、鋼管(被探傷材)の肉厚W、の値を用いた下記の式(1)が成立すれば、超音波が超音波探触子2に受信されると判断する。
なお、探触子の中央から鋼管の端面までの距離L以外の各記号の値は、事前に調べてゲート設定部31に設定しておく。
距離Lが式(1)の左辺の式の値と同じになるときの超音波探触子2の位置を図9(b)に示す。端面16から遠い側の超音波探触子2の端から送信された超音波が第2伝搬経路を経由して前記端に受信される。
距離Lが式(1)の左辺の式の値と右辺の式の値の間の値になるときの超音波探触子2の位置を図9(c)に示す。超音波探触子2から送信された超音波が第1伝搬経路、第2伝搬経路、又は第3伝搬経路を経由して超音波探触子2に受信される。
超音波探触子2が、図9(a)と図9(b)とで示されるそれぞれの位置と、図9(a)と図9(b)とで示されるそれぞれの位置の間の位置にあるときに、式(1)が成立する。
このように、第1判断を、実際の反射エコーを見て行うのでなく、距離Lを用いて幾何学的に判断するので、容易に行うことができる。
端面エコーは、一般的にエコー強度が大きいので、きずからの反射エコーを検出するために設定されたエコー強度のしきい値Zを越えてしまい、きずからの反射エコーであると誤認識される虞がある。
具体的には、距離Lを用いて超音波の伝搬経路を幾何学的に推定し、推定した伝搬経路の長さから端面反射伝搬時間Tを算出する。
より具体的には、探触子の寸法(径)の中央から鋼管(被探傷材)の端面までの距離L、超音波の鋼管(被探傷材)への入射角θ、超音波の鋼管(被探傷材)中での屈折角α、探触子の寸法(径)の中央から鋼管(被探傷材)の外面(一方の面)までの距離d、鋼管(被探傷材)の肉厚W、接触媒質中の音速C1、鋼(被探傷材)中の音速C2、の値を用いた下記の式(2)、(3)、及び(4)によって端面反射伝搬時間Tを算出する。
そして、探傷ゲートの終了時点を、予め定めた時点から、超音波の送信時点を起点として端面反射伝搬時間Tが経過する時点に変更する(探傷ゲート変更ステップ)。
R:鋼管中での超音波の伝搬経路長さ
r:探触子と鋼管との間での超音波の伝搬経路長さ
ここでR及びrは、下記の式(3)、(4)で表される。
図11(a)は、図9(a)で示した伝搬経路に上記の伝搬経路の計算式を記入した説明図であり、図11(b)は、図9(b)で示した伝搬経路に、上記の伝搬経路の計算式を記入した説明図である。
なお、C1(接触媒質中の音速)及びC2(鋼中の音速)の値については、事前に調べてゲート設定部31に設定しておく。
なお、超音波探触子2が図9(a)に示される位置にあるときには、図9(a)に示される超音波探触子2と鋼管10との間の伝搬経路の長さは、図8(a)に示される伝搬経路よりも長いので、端面エコーは、予め定めた探傷ゲートに入らない。しかしながら、この場合に端面反射伝搬時間が経過する時点を探傷ゲートの終了時点としても何ら不具合はない。
なお、上記実施形態では、超音波探触子2を鋼管10の軸方向に移動させながら、各ステップを実施したが、探傷を行う位置に超音波探触子2を停止させて、探傷を行うようにしてもよい。
しかしながら、評価ステップの後に、探傷ステップに戻るようにしてもよい。その理由を次に述べる。
超音波探触子2が端面エコーを受信しない位置を移動している場合は、探傷ゲートが変更されないので、探傷ゲート変更ステップに戻って予め設定された探傷ゲートに設定し直す必要はない。
また、探傷ゲート変更ステップで探傷ゲートの終了時点を変更した次のサイクルの探傷ステップ時に、超音波探触子2が端面エコーを受信する位置にあるのならば、その位置に応じた探傷ゲートが設定されるので、探傷ゲート変更ステップに戻って予め設定された探傷ゲートに設定し直す必要はない。
また、探傷ゲート変更ステップで探傷ゲートの終了時点を変更した次のサイクルの探傷ステップ時に、超音波探触子2が鋼管10の端面16に近づいて端面エコーを受信しない位置に移動した場合、前の探傷ゲート変更ステップで変更した探傷ゲートが維持されることになる。しかし、超音波探触子2が鋼管10の端面16に近づくことにより、探傷を行える領域が、探傷ゲート変更ステップで探傷ゲートを変更した時点よりも狭くなるので、変更した探傷ゲートを維持しても、実際の探傷には何ら問題ない。
また、探傷ゲート変更ステップで探傷ゲートの終了時点を変更した次のサイクルの探傷ステップ時に、超音波探触子2が鋼管10の端面16から離れて端面エコーを受信しない位置に移動した場合、図9(a)に示される位置に超音波探触子2があるときの探傷ゲートが維持されることになる。予め設定された探傷ゲートよりも終了時点が少し遅くなるが、実際の探傷には何ら問題なく、むしろ探傷する領域が広くなるので好ましい。
従って、評価ステップの後に、探傷ステップに戻るようにしてもよい。
このように、評価ステップの後に探傷ゲート設定ステップに戻ると、予め定めた探傷ゲートに戻す手間がかかるが、評価ステップの後に探傷ステップに戻るようにすることにより、予め定めた探傷ゲートに戻す手間を省くことができる。
また、第1判断を、実際の反射エコーを見て行うのでなく、距離Lを用いて幾何学的に判断するので、容易に行うことができる。
また、端面反射伝搬時間を、超音波探触子から被探傷材の端面までの距離に基づいて容易に算出することができる。
このために、探触子が、第1伝搬経路の順、第2伝搬経路の順、又は第3伝搬経路の順に反射した超音波を受信する位置にあっても、容易に未探傷領域を少なくすることができる。
特に、超音波探触子2を鋼管10の軸方向に連続的に移動させながら自動で超音波斜角探傷を行う場合でも、超音波探触子から鋼管の端面までの距離に基づいて端面反射伝搬時間を算出し、端面反射伝搬時間が経過する時点を探傷ゲートの終了時点とするので、容易に未探傷領域を少なくすることができる。
第2実施形態は、第1実施形態の第1判断ステップの後に更にステップを追加する。図12は、第2実施形態に係る超音波斜角探傷方法のフロー図である。
本実施形態では、第1判断ステップにおいて超音波が超音波探触子2に受信されないと判断したときに、超音波探触子2が送信した超音波が、鋼管10の内面14、端面16の順に反射した後、又は内面14と端面16とが交差する隅部に反射した後、又は端面16、内面14の順に反射した後に反射エコーとして超音波探触子2に受信されるか否かを、ゲート設定部31が、超音波探触子2から鋼管10の端面16までの距離Lに基づいて判断する(第2判断ステップ)。
具体的には、距離Lを用いて超音波の伝搬経路を幾何学的に推定し、超音波が超音波探触子2に受信されるか否かを判断する。
より具体的には、探触子の寸法(径)の中央から鋼管(被探傷材)の端面までの距離L、超音波の鋼管(被探傷材)への入射角θ、超音波の鋼管(被探傷材)中での屈折角α、探触子の寸法(径)の中央から鋼管(被探傷材)の外面(一方の面)までの距離d、探触子の寸法(径)D、鋼管(被探傷材)の肉厚W、の値を用いた下記の式(5)が成立すれば、超音波が超音波探触子2に受信されると判断する。
距離Lが式(5)の左辺の式の値と右辺の式の値の間の値になるときの超音波探触子2の位置を図13(c)に示す。超音波探触子2から送信された超音波が、鋼管10の内面14、端面16の順に反射した後、又は内面14と端面16とが交差する隅部に反射した後、又は端面16、内面14の順に反射した後に反射エコーとして超音波探触子2に受信される。
超音波探触子2が、図13(a)と図13(b)で示されるそれぞれの位置と、図13(a)と図13(b)で示されるそれぞれの位置の間の位置にあるときに、距離Lが式(5)の条件を満足する。
そうすると、端面エコーは、一般的にエコー強度が大きいので、きずからの反射エコーを検出するために設定されたエコー強度のしきい値Zを越えてしまい、きずからの反射エコーであると誤認識される虞がある。
この場合に、探傷ゲートの終了時点を、端面エコーを受信する時点に変更することが考えられる。しかしながら、この場合の端面エコーは、探傷ゲートの開始時点の近傍に発生するので、探傷ゲートの時間が短くなり、超音波探傷を実質的に行うことができない。
超音波探触子2から鋼管10の端面16までの距離によって、超音波斜角探傷を中止する判断が行えるので、無駄な超音波斜角探傷を無くすことができる。
なお、探傷器3が超音波探傷を中止することには、超音波探触子の超音波の送受信を停止すること、及び超音波の送受信を停止するための情報を発すること等を含む。超音波の送受信を停止することには、具体的には、超音波の送受信自体を停止すること、及び受信した反射エコーの電気信号への処理を停止すること等を含む。超音波の送受信を停止するための情報を発することには、具体的には、音声、及び表示によって警告を発すること等を含む。
第1実施形態において、端面反射伝搬時間Tを算出しているが、算出された時間が正しいか否かを検証した。
図15に、超音波探触子2の中央から鋼管10の端面までの距離を変化させたときの算出された端面反射伝搬時間Tと、実際に端面エコーが検出されるまでの時間とを示す。
また、第1及び第2実施形態では言及していないが、超音波が鋼管10の内面と端面とを反射してから超音波探触子2に受信されるまでを算出した時間と、実際に鋼管10の内面と端面とを経由した端面エコーが検出されるまでの時間とを示す。
このときの、各条件を示す。
α(超音波の鋼管中での屈折角)=47.3°
θ(超音波の鋼管への入射角)=19°
C1(接触媒質中音速)=1530m/sec
C2(鋼中音速)=3230m/sec
d(探触子の中央から鋼管の外面までの距離)=20mm
D(探触子の径)=15.8mm
W(鋼管の肉厚)=20.4mm
図15に示すように実測値と計算値とは、良く合致している。
従って、算出した端面反射伝搬時間Tを探傷ゲートの終了時点とすることにより、端面エコーが探傷ゲートに入らなくなる。
2・・・超音波探触子
3・・・探傷器
4・・・端面距離計測部
10・・・鋼管(被探傷材)
12・・・外面(一方の面)
14・・・内面(他方の面)
16・・・端面
31・・・ゲート設定部
101・・・被探傷材
102・・・一方の面
104・・・他方の面
107・・・端面
Claims (4)
- 超音波を被探傷材の厚み方向の一方の面から該被探傷材中に送信し、探傷ゲート内に入る反射エコーによって該被探傷材のきずを検出する超音波斜角探傷方法であって、
前記探傷ゲートを予め設定する探傷ゲート設定ステップと、
前記被探傷材の厚み方向の前記一方の面側に配置され前記超音波を送信する超音波探触子から、該超音波の送信方向にある該被探傷材の端面までの距離を計測する端面距離計測ステップと、
前記端面距離計測ステップによって計測された距離に基づいて、前記超音波探触子が送信した超音波が、前記被探傷材の厚み方向の他方の面、前記一方の面、前記端面、該他方の面の順である第1伝搬経路の順に反射した後、又は該他方の面、該一方の面と該端面とが交差する隅部、該他方の面の順である第2伝搬経路の順に反射した後、又は該他方の面、該端面、該一方の面、該他方の面の順である第3伝搬経路の順に反射した後に反射エコーとして該超音波探触子に受信されるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにおいて前記超音波が前記超音波探触子に受信されると判断したときは、該超音波の送信時点から、該超音波が前記第1伝搬経路の順、又は前記第2伝搬経路の順、又は前記第3伝搬経路の順に反射した後に該超音波探触子に受信されるまでの時間である端面反射伝搬時間を前記端面距離計測ステップによって計測された距離に基づいて算出し、前記探傷ゲート設定ステップで設定された前記探傷ゲートの終了時点を、予め設定した時点から、該超音波の送信時点を起点として前記端面反射伝搬時間が経過する時点に変更する探傷ゲート変更ステップとを含むことを特徴とする超音波斜角探傷方法。 - 前記第1判断ステップにおいて前記超音波が前記超音波探触子に受信されないと判断したときに、前記端面距離計測ステップによって計測された距離に基づいて、前記超音波探触子が送信した超音波が、前記被探傷材の前記他方の面、前記端面の順に反射した後、又は該他方の面と該端面とが交差する隅部に反射した後、又は該端面、該他方の面の順に反射した後に反射エコーとして該超音波探触子に受信されるか否かを判断する第2判断ステップとを更に含み、
前記第2判断ステップにおいて前記超音波が反射エコーとして前記超音波探触子に受信されると判断したときは超音波斜角探傷を中止することを特徴とする請求項1に記載の超音波斜角探傷方法。 - 被探傷材の厚み方向の一方の面側に配置され超音波を該被探傷材に向けて送信すると共に該被探傷材からの反射エコーを受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子の超音波の送信及び反射エコーの受信を制御すると共に該超音波探触子から前記反射エコーに相当する電気信号を受信し、該電気信号と探傷ゲートとに基づいて被探傷材のきずを検出する探傷器と、
前記探傷器に、予め前記探傷ゲートを設定するゲート設定部と、
前記超音波探触子から、前記超音波の送信方向にある前記該被探傷材の端面までの距離を計測する端面距離計測部とを備え、
前記ゲート設定部は、前記端面距離計測部によって計測された距離に基づいて、前記超音波探触子が送信した超音波が、前記被探傷材の厚み方向の他方の面、前記一方の面、前記端面、該他方の面の順である第1伝搬経路の順に反射した後、又は該他方の面、該一方の面と該端面とが交差する隅部、該他方の面の順である第2伝搬経路の順に反射した後、又は該他方の面、該端面、該一方の面、該他方の面の順である第3伝搬経路の順に反射した後に反射エコーとして該超音波探触子に受信されるか否かを判断する第1判断を行い、該第1判断において前記超音波が前記超音波探触子に受信されると判断したときは、該超音波の送信時点から、該超音波が前記第1伝搬経路の順、又は前記第2伝搬経路の順、又は前記第3伝搬経路の順に反射した後に該超音波探触子に受信されるまでの時間である端面反射伝搬時間を前記端面距離計測ステップによって計測された距離に基づいて算出し、前記探傷ゲートの終了時点を、予め定めた時点から、該超音波の送信時点を起点として前記端面反射伝搬時間が経過する時点に変更することを特徴とする超音波斜角探傷装置。 - 前記ゲート設定部は、前記第1判断において前記超音波が前記超音波探触子に受信されないと判断したときに、前記端面距離計測部によって計測された距離に基づいて、前記超音波探触子が送信した超音波が、前記被探傷材の前記他方の面、前記端面の順に反射した後、又は該他方の面と該端面とが交差する隅部に反射した後、又は該端面、該他方の面の順に反射した後に反射エコーとして該超音波探触子に受信されるか否かを判断する第2判断を行い、
前記探傷器は、前記ゲート設定部が、前記第2判断において、前記超音波が反射エコーとして前記超音波探触子に受信されると判断したときに、超音波探傷を中止することを特徴とする請求項3に記載の超音波探傷装置。
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