JP2012184758A - 回転機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸11に設けられ、作動流体Fが導入される羽根車12と、羽根車12の出口12x2側の全周を覆うように形成され、作動流体Fを旋回させる旋回流路25が内部に画定されたスクロール22と、を備えた回転機械C1において、旋回流路25の、作動流体Fの流通方向に直交する直交断面の流路断面積を調整する面積調整手段31を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明に係る回転機械は、回転軸に設けられ、作動流体が導入される羽根車と、該羽根車の入口側又は出口側の全周を覆うように形成され、前記作動流体を旋回させる旋回流路が内部に画定されたスクロールと、を備えた回転機械において、前記旋回流路の、前記作動流体の流通方向に直交する直交断面の流路断面積を調整する面積調整手段を備えることを特徴とする。
このようにすれば、旋回流路の流路断面積を調整する面積調整手段を備えるので、異なる要求仕様に対応して設計されたスクロールを用いたとしても、その要求仕様に適した流路断面積にすることが可能である。これにより、複数の要求仕様や要求仕様の変更に柔軟に対応することができると共に、製作工数や製作コストを抑制することができる。
このようにすれば、面積調整手段が設けられた円周方向領域において、作動流体の速度の差分が小さくなって、円周方向速度の圧力分布を略均等にすることができ、作動流体に生じ得る圧力損失を抑制することができる。
このようにすれば、面積調整手段が円周方向に分割されて設けられているので、面積調整手段の構成要素単体の大きさを小さくすることができ、取り扱いの容易性を向上させることができる。これにより、スクロールに対する組み付けの容易性を高めることができるので、流路断面積の断面積分布を、より容易に調整することが可能となる。
このようにすれば、面積調整手段がスクロールの内表面に設けられた調整壁を有するので、簡素な構成で流路断面積を調整することが可能となる。
このようにすれば、調整壁がスクロールの外周端よりも内周端側に設けられているので、旋回流路の半径方向遠心側において作動流体の流通を妨げない。すなわち、角運動量保存の法則により、旋回流路の中心側と遠心側とで作動流体の円周方向速度成分の変化幅を大きくすることができる。
このようにすれば、調整壁が、作動流体を沿わす外壁面を回転軸が延在する主軸方向に交差させるように設けられているので、組立容易性を向上させることができる。
このようにすれば、調整壁がスクロールの内周端よりも外周端側に設けられているので、比較的に組立容易性を向上させることができる。
このようにすれば、調整壁の外壁面が湾曲状に形成されているので、作動流体を外壁面に沿って滑らかに沿わすことができ、作動流体に生じ得る圧力損失を抑制することができる。
このようにすれば、調整壁とスクロールの内表面との間に形成されていると共にスクロールの内表面に対して調整壁を支持する支持壁を有するので、調整壁をより強固に支持することができる。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機(回転機械)C1の要部を拡大した子午断面図であり、図2は、図1におけるI−I線断面図である。図1に示すように、遠心圧縮機C1は、作動流体Fを圧縮するロータ1と、ロータ1の周囲を囲うステータ2とを有している。
なお、以下の説明においては、軸線Pの延在方向を「主軸方向」と、主軸11の周方向を「円周方向」、主軸11の半径方向を「主半径方向」という。
羽根車12は、主板12bを主軸11の先端部に挿通されており、主軸11の先端に対して螺着した軸端ナット13によって主軸11に同軸状に拘束されている。
この羽根車12は、主軸方向一方に向けて開口する内側開口12x1から、複数の羽根12aによって分割された各流路に作動流体Fを流入させ、主半径方向外側に向けて開口する外側開口12x2から作動流体Fを全周状に流出させる。
ケーシング20は、略筒状に形成された筒状ケーシング21と、筒状ケーシング21に気密に連結されたスクロール22と、スクロール22を支持するベースプレート23とを有している。
上述したスクロール22の一端22a側においては、ディフューザ14を主半径方向外側に向けて延伸する突出部22eが形成されており、この突出部22eとベースプレート23側との間がディフューザ14の出口14aとされている。
この鋳造に用いた鋳型は、遠心圧縮機C0(不図示)の要求仕様(遠心圧縮機C1の要求仕様とは異なる要求仕様)を満たすように設計されたものである。つまり、上記の鋳型は、遠心圧縮機C0の要求仕様に応じて定められた、遠心圧縮機C0の代表半径や遠心圧縮機C0の羽根車12の機械マッハ数(羽根車の入口速度/羽根車の出口速度)、流量係数によって、スクロール22の流路断面積(作動流体Fの流通方向に直交する直交断面の流路断面積)の分布が最適なものとなるように設定されている。
なお、遠心圧縮機C0の代表半径は、ディフューザ14の出口14aの主半径方向の位置及び出口14aにおける作動流体Fの流れ角によって定められる。
このため、図1に示すように、遠心圧縮機C1は、スクロール22の流路断面積を調整するための調整壁(面積調整手段)31を有している。
この状態において、調整壁31は、幅方向を主軸方向に向けている。
筒状ケーシング21を主軸方向に流れた作動流体Fは、羽根車12の内側開口12x1から、複数の羽根12aによって分割された各流路に流入する。各流路を流れる作動流体Fは、流路下流に向かうに従って静圧及び動圧を増加させ、外側開口12x2から全周状に流出する。そして、ディフューザ14を流れる過程において、作動流体Fの動圧の一部が静圧に変換される。
また、上述した構成においては、調整壁31を金属材料で形成したが、合成樹脂や金属酸化物等で形成してもよい。
また、上述した構成においては、調整壁31を構成要素31A,31B,31C,31Dに分割したが、分割せずに一体的に連続して構成してもよい。
以下、本発明の第二実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図3に示すように、遠心圧縮機C2は、上述した第一実施形態の遠心圧縮機C1とほぼ同様の構成となっているが、遠心圧縮機C1がスクロール22の内部の主半径方向内側に配設された調整壁31を有していたのに対して、スクロール22の内部の主軸方向一方側に配設された調整壁(面積調整手段)32を有する点で相違する(図1参照)。
なお、調整壁32は、スクロール22の円周方向領域全部に亘って作動流体Fの円周方向速度成分の差分が小さくなるように、配設されている。
また、上述した遠心圧縮機C1は、調整壁31をスクロール22の内部の主半径方向内側に固定しているが、主半径方向内側に開口するディフューザ14の出口を閉塞させるのを避けるために、調整壁31の配設可能位置が実質的に限られた範囲(例えば突出部22eの延在範囲)になってしまって、流路断面積の調整が限定される恐れがあった。これに対して、遠心圧縮機C2によれば、配設可能位置が広く許容されることから、流路断面積の調整範囲を広くすることができる。
また、上述した遠心圧縮機C1の調整壁31の突出部22eに対する位置決め及び固定が比較的に困難であったのに対して、遠心圧縮機C2によれば、調整壁32をスクロール22の内表面22fに対して位置決め及び固定を容易にすることができる。
以下、本発明の第三実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図4に示すように、遠心圧縮機C3は、上述した遠心圧縮機C1とほぼ同様の構成となっているが、遠心圧縮機C1がスクロール22の内部の主半径方向内側に配設された調整壁31を有していたのに対して、スクロール22の内部の主半径方向外側に配設された調整壁(面積調整手段)33を有する点で相違する(図1参照)。
なお、調整壁33は、スクロール22の円周方向領域全部に亘って作動流体Fの円周方向速度成分の差分が小さくなるように、配設されている。
また、上述した遠心圧縮機C2と同様に、配設可能位置が比較的に広く許容されることから、流路断面積の調整範囲を比較的に広くすることができる。また、調整壁33をスクロール22の内表面22fに対して位置決め及び固定を容易に行うことができる。
以下、本発明の第四実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図5に示すように、遠心圧縮機C4は、上述した遠心圧縮機C2とほぼ同様の構成となっているが、遠心圧縮機C2が幅方向に真直状になった調整壁32を有していたのに対して、幅方向に湾曲した調整壁(面積調整手段)34を有する点で相違する(図2参照)。
なお、この調整壁34の部材の形状以外の具体的な構成については、調整壁32と同様の構成を用いることができる。
なお、調整壁34は、スクロール22の円周方向領域全部に亘って作動流体Fの円周方向速度成分の差分が小さくなるように、配設されている。
また、上述した遠心圧縮機C2と同様に、配設可能位置が比較的に広く許容されることから、流路断面積の調整範囲を比較的に広くすることができる。また、調整壁34をスクロール22の内表面22fに対して位置決め及び固定を容易に行うことができる。
以下、本発明の第五実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図6に示すように、遠心圧縮機C5は、上述した遠心圧縮機C2とほぼ同様の構成となっているが、遠心圧縮機C2の調整壁32がスクロール22の内表面22fとの間に間隙を形成していたのに対して、調整壁32とスクロール22の内表面22fとの間に支持壁(面積調整手段)35を有する点で相違する(図2参照)。
この支持壁35は、調整壁32と一体に形成しているが、別体で形成して後に調整壁32に接続する構成としてもよい。なお、支持壁35の先端35aの、スクロール22の内表面22fに対する接合方法は、溶接の他、ロー付けやボルト止め、接着等を用いることが可能である。
なお、この支持壁35は、支持壁35が延びる円周方向領域の全部に亘って連続して配設してもよいし、断続的に設けてもよい。また、図6において、調整壁32の裏面32bから支持壁35を複数延出させる構成にしてもよい。また、上述した遠心圧縮機C1の調整壁31、遠心圧縮機C3の調整壁33、及び、遠心圧縮機C4の調整壁34に対して、支持壁35を配設してもよい。
以下、本発明の第六実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図7に示すように、遠心圧縮機C6は、上述した遠心圧縮機C4とほぼ同様の構成となっているが、遠心圧縮機C4の調整壁34がスクロール22の内表面22fとの間に間隙を形成していたのに対して、調整壁34とスクロール22の内表面22fとの間に支持壁(面積調整手段)36を有する点で相違する(図5参照)。
この支持壁36は、本実施形態においては調整壁34と一体に形成しているが、別体で形成して後に調整壁34に接続する構成としてもよい。なお、支持壁36の、スクロール22の内表面22fに対する接合方法は、溶接の他、ロー付けやボルト止め、接着等を用いることが可能である。
なお、この支持壁36は、支持壁36が延びる周方向領域の全部に亘って連続して配設してもよいし、断続的に設けてもよい。また、上述した遠心圧縮機C1の調整壁31、遠心圧縮機C2の調整壁32、及び、遠心圧縮機C3の調整壁33に対して、支持壁36を配設してもよい。
例えば、上述した各実施形態においては、所謂オープンインペラタイプの羽根車12を用いる構成としたが、所謂クローズドインペラタイプの羽根車を用いてもよい。
また、上述した各実施形態においては、遠心圧縮機の吐出スクロールに本発明を適用したが、吸込ケーシングに本発明を適用してよい。この場合には、羽根車の入口側の全周をスクロールが覆うこととなる。
22…スクロール
22c…外周端
22d…内周端
22f…内表面
25…旋回流路
31(31A,31B,31C,31D),32,33,34…調整壁(面積調整手段)
31a,32a,33a,34a…外壁面
35,36…支持壁(面積調整手段)
C1,C2,C3,C4,C5,C6…遠心圧縮機(回転機械)
Claims (9)
- 回転軸に設けられ、作動流体が導入される羽根車と、
該羽根車の入口側又は出口側の全周を覆うように形成され、前記作動流体を旋回させる旋回流路が内部に画定されたスクロールと、を備えた回転機械において、
前記旋回流路の、前記作動流体の流通方向に直交する直交断面の流路断面積を調整する面積調整手段を備えることを特徴とする回転機械。 - 前記面積調整手段は、前記スクロールの少なくとも一部の円周方向領域に設けられ、該円周方向領域に亘って前記作動流体の速度の差分が小さくなるように、前記流路断面積を調整することを特徴とする請求項1に記載の回転機械。
- 前記面積調整手段は、前記円周方向に分割されて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機械。
- 前記面積調整手段は、前記スクロールの内表面に設けられ、前記内表面によって画定される真断面積よりも前記流路断面積を小さくする調整壁を有することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の回転機械。
- 前記調整壁は、前記直交断面において前記スクロールの外周端よりも内周端側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回転機械。
- 前記調整壁は、前記作動流体を沿わす外壁面を前記回転軸が延在する主軸方向に交差させるように設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回転機械。
- 前記調整壁は、前記直交断面において前記スクロールの内周端よりも外周端側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回転機械。
- 前記調整壁は、前記作動流体を沿わす外壁面が湾曲状に形成されて、前記直交断面において前記外壁面が円弧状の輪郭をなしていることを特徴とする請求項4から7のうちいずれか一項に記載の回転機械。
- 前記面積調整手段は、前記調整壁と前記スクロールの内表面との間に形成されていると共に前記スクロールの内表面に対して前記調整壁を支持する支持壁を有することを特徴とする請求項4から8のうちいずれか一項に記載の回転機械。
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