JP2011132810A - ラジアルタービンの動翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】タービン動翼の入口部、特に、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍の動翼入口に生じる流入ガスの衝突損失を低減し、動翼内部で発達する2次流れを抑制し、これにより、速度比(U/C)が小さいマッチング点(作動点)を有するタービンのタービン効率を向上することができるラジアルタービンの動翼を提供することを目的とする。
【解決手段】作動ガスが流入する動翼入口の高さ方向を形成するシュラウド側及びハブ側の両壁近傍における翼先端形状の向きが、動翼入口に流入する作動ガスの流入速度C、Cおよび動翼の周方向の回転速度U、Uおよびガス相対流入速度W、Wによって形成される速度三角形のガス相対流入速度成分の流入方向−β、−βと一致するように形成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の排気ターボチャージャ、小型ガスタービン、膨張タービン等に用いられ、作動ガスを渦巻状のスクロールからタービンロータの動翼へと半径方向に流入させて該動翼に作用させた後軸方向に流出させることにより該タービンロータを回転駆動するように構成されたラジアルタービンにおける動翼の構造に関する。
自動車用内燃機関等に用いられる比較的小型の過給機(排気ターボチャージャ)には、作動ガスをタービンケーシング内に形成された渦巻状のスクロールから該スクロールの内側に位置するタービンロータの動翼へと半径方向に流入させて該動翼に作用させた後軸方向に流出させることにより該タービンロータを回転駆動するように構成されたラジアルタービンが多く採用されている。
図9は、かかるラジアルタービン1を用いた過給機の1例を示し、図において、タービンケーシング2内には渦巻状のスクロール3が形成されるとともに内周側にはガス出口通路5が形成され、また、コンプレッサケーシング7内にはコンプレッサ9が設けられ、タービンケーシング2とコンプレッサケーシング7とを連結する軸受ハウジング11が形成されている。
タービンロータ13は外周に複数の動翼15が円周方向等間隔に固着され、また、コンプレッサ9の空気出口にはディフューザ17が設けられ、タービンロータ13とコンプレッサ9とはロータシャフト19で連結されている。前記軸受ハウジング11に取り付けられて前記ロータシャフト19を支持する1対の軸受21が設けられている。前記タービンロータ13、コンプレッサ9及びロータシャフト19は回転中心23を中心に回転するようになっている。
かかるラジアルタービン1を備えた過給機において、内燃機関(図示省略)からの排気ガスは前記スクロール3に入り、該スクロール3の渦巻きに沿って周回しながら複数の動翼15の外周側の入口端面から該動翼15に流入し、タービンロータ13中心側に向かい半径方向に流れて該タービンロータ13に膨張仕事をなした後、軸方向に流出してガス出口通路5から機外に送出されるようになっている。
動翼15の形状を図8(a)、(b)に示す。図8(a)は動翼15の子午面形状を示し、(b)は(a)のA−A線、B−B線、C−C線の翼断面形状をそれぞれA、B、Cに示す。
A−A線断面形状はハブ側の壁近傍の形状を示し、C−C線断面形状はシュラウド側の壁近傍の形状を示し、B−B線断面形状はハブ側とシュラウド側との高さ方向(Z方向)の中央部の形状を示す。A、B、Cのいずれの断面位置においても半径方向に放射状に真直ぐ伸びた形状をしている。
一方、動翼15の上流側に位置するタービンスクロール3の渦巻きに沿って周回しながら動翼15に流入したガスのガス流入速度は、動翼15の高さ方向(Z方向)に異なる速度分布を持つ。すなわち、図7に示すように、ガス流入速度Cは、前記動翼15の入口端面25(図6参照)近傍に形成され前記入口端面25の高さの10%〜20%の幅を有する3次元境界層によって、ガス速度Cの周方向成分である周方向速度Cθは入口端面25の中央部が大きく両端の角部つまりシュラウド側27及びハブ側29が小さくなる。
また半径方向成分である半径方向速度Cは図7に示すように、前記入口端面25の中央部が小さく両端の角部つまりシュラウド側27及びハブ側29が大きくなるような高さ方向分布となっている。
また、動翼15の形状は、入口端面25の径が、図6(a)に示すようにシュラウド側27、中央部、ハブ側29の全高に亘って同一であるため、動翼周速度U=Uとなる。このため、該動翼15の高さ方向にガス流入相対角度βが異なり、図6(b)に示す中央部のガス流入相対角度βを最適になるように調整すると、図6(c)に示す壁側つまり前記ハブ側29及びシュラウド側27のガス流入相対角度βが、前記スクロール3からの流動歪みにより中央部のガス流入相対角度βよりも大きくなる。尚、W、Wはガス流入相対速度、C、Cはガス流入絶対速度である。
このため、かかる従来技術にあっては、ハブ側29及びシュラウド側27においてガスが動翼15の背側(負圧面側)に衝突角度(インシデンス角度)を持って流入することとなって動翼入口の衝突損失を生じるとともに、ハブ側29及びシュラウド側27における衝突角度の増加は動翼15内部における2次流れ損失の増加を助長し、タービン効率の低下を招く問題点を有していた。
そこで、本出願人によって、動翼入口における流入相対角度を該動翼の高さ方向において一様に構成することによって、ガス流入相対角度のばらつきに起因するガスの衝突損失及び動翼内部における2次流れ損失を抑制してタービン効率を上昇しょうとする提案がなされた(特許文献1)。
この特許文献1の技術は、図5に示すように、作動ガスが流入する入口端面25の中央部を平面状に形成するとともに、シュラウド側27及びハブ側29において角部に直線状の切落し部31を形成することにより、入口端面25の両端部半径が中央部よりも小さくなるように形成するものである。
これにより、切落し部31の切落し量を変化させることによって、動翼15入口におけるガスの流動分布に合わせて動翼15の入口端面の両端部つまり前記シュラウド側27及びハブ側29を内周側に後退させ、動翼15に流入するガスの相対流入角度βを動翼15の高さ方向において最適角度になるように調整することを可能としたものである。
そして、動翼入口におけるガスの衝突角度を動翼の高さ方向において一定にするようにして、動翼の高さ方向におけるガス相対流入角度の不均一に伴う動翼入口の衝突損失や動翼内部における2次流れ損失の増加を回避してタービン効率の低下を防止したものである。
特許3534730号公報
しかし、近年、ラジアルタービンの過給機においてレスポンスの改善の目的で、コンプレッサ径に対して、小径のラジアルタービンが選択されるとともに、さらに、排ガス性能向上のために排ガス温度が高くなる傾向にある。例えば、一般的にガソリンエンジンにおいては900℃程度から1050℃程度へと上昇し、ディーゼルエンジンにおいても、750℃程度から850℃程度へと上昇している。
このため、タービン性能パラメータの速度比(U/C)の値が小さくなる傾向にあり、従来よりも小さい速度比(U/C)域に過給機の最大効率点が存在する効率特性を有するタービンとなり、速度比(U/C)が小さい作動点でマッチングされるようになっている。
この性能パラメータの速度比(U/C)のCは、理論ガス速度を示し、C=f(T,Π)のようにガス温度Tとタービン圧力比Πの関数によって表され、ある圧力、温度を持っているガスを、ある圧力、温度まで膨張させたときに得られる理論的なガス速度を意味する。また、Uは、動翼の周速度を示し、U=f(N,D)のように回転数と動翼径Dの関数として表される。従って、動翼径の小型化によってUが小さくなり、排ガスの高温化によってCが大きくなり、パラメータの速度比(U/C)が小さくなる傾向にある。
また、性能パラメータの速度比(U/C)が小さい場合の動翼入口における速度三角形は図1(b)に示すように、ガス相対流入角度βがマイナス側へ傾斜して動翼先端に向かうようになる。
従って、前述した特許文献1の技術をこのような性能パラメータの速度比(U/C)が小さい場合のタービンに適用すると、すなわち、動翼入口におけるガス流入相対角度βをガスの動翼の高さ方向において一定にするために、動翼の入口端面の中央部を平面状に形成するとともに、シュラウド側及びハブ側において角部を直線状に切り落すと、シュラウド側及びハブ側のガス相対流入角度βがマイナス側へより大きく傾き、動翼入口に対する衝突損失が大きくなり、かえってタービン効率の低下を招く。
特に、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍から、50%以上のガス流量が動翼内部に流入するため、かかる両壁部近傍での衝突損失の影響は大きい。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み、タービン動翼の入口部、特に、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍の動翼入口の速度三角形を調整して、または動翼の入口形状を調整して、ガス相対流入速度成分の流れ方向に沿った動翼の入口形状とすることによって、動翼入口の両壁近傍で生じる流入ガスの衝突損失を低減し、動翼内部で発達する2次流れを抑制し、これにより、速度比(U/C)が小さいマッチング点(作動点)を有するタービンのタービン効率を向上することができるラジアルタービンの動翼を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、作動ガスをタービンケーシング内に形成された渦巻状のスクロールから該スクロールの内側に位置するタービンロータの動翼へと半径方向に流入させて該動翼に作用させた後軸方向に流出させることにより該タービンロータを回転駆動するように構成されたラジアルタービンの動翼において、
前記作動ガスが流入する動翼入口の高さ方向を形成するシュラウド側及びハブ側の両壁近傍における翼形状の向きが、動翼入口に流入する作動ガスの流入速度(C)および動翼の周方向の回転速度(U)およびガス相対流入速度(W)によって形成される速度三角形のガス相対流入速度成分の流入方向と一致するように形成されてなることを特徴とする。
かかる発明によれば、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍における動翼入口の形状を、動翼入口に流入する作動ガスの流入速度(C)および動翼の周方向の回転速度(U)およびガス相対流入速度(W)によって形成される速度三角形のガス相対流入速度成分の流入方向と一致させる形状とするため、両壁近傍において作動ガスがスムーズに動翼内部に流れ込み、両壁近傍の動翼入口で生じる衝突損失を低減でき、ガス流れの衝突損失を低減し、動翼内部で発達する2次流れを抑制してタービン効率を向上することができる。
これにより、ガス相対流入角度β(−β、−β、図1(b)参照)がマイナス側へ傾斜して動翼先端に向かうような特性を有するタービンにおいて効率的にタービン効率を向上することができるようになる。
すなわち、両壁近傍の動翼入口の速度三角形を調整してガス相対流入速度(W)の流入方向と一致するような動翼の入口形状とすることによって両壁近傍の動翼入口で生じる衝突損失を低減できるようになる。
また、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍から、50%以上のガス流量が動翼内部に流入するため、かかる両壁部近傍の流れを改善することによって、タービン効率の向上効果が大きく得られる。
また、好ましくは、動翼入口のシュラウド側及びハブ側の両壁近傍における先端部のみを前記ガス相対流入速度成分の流れ方向に合わせて傾斜させるとよい。
このように、両壁近傍における先端部のみを前記ガス相対流入速度(W)の流れ方向に合わせて傾斜させることで、図1(b)に示すAの速度三角形およびCの速度三角形によって示されるガス相対流入速度(W)の流れ方向に簡単に合わせることができる。
さらに、傾斜角度がシュラウド側およびハブ側同じにすると、より簡単にガス相対流入速度(W)の流れ方向に合わせた構造とすることができる。動翼へ流入される作動ガスの流入速度(C)は、シュラウド側およびハブ側の壁部分では略同条件で流入されるため、シュラウド側、ハブ側の径を同一に設定すれば、動翼の周方向の回転速度(U)がシュラウド側、ハブ側で同一となり、先端部の傾斜角度をシュラウド側およびハブ側で同一に設定することができる。
また、好ましくは、動翼入口の高さ方向の中央部よりシュラウド側及びハブ側の径を大きく形成するとともに、シュラウド側及びハブ側の動翼入口の翼形状が半径方向に真直ぐに伸ばした形状とするとよい。
このように、シュラウド側とハブ側とを中央部より径方向に伸ばすことによって、図3(b)に示すように、動翼の周方向の回転速度(U)を増大させて、ガス相対流入速度(W)の流れ方向の相対流入角度βをゼロに近づけ、半径方向に真直ぐ伸びる動翼に沿うようにでき、作動ガスがスムーズに動翼内部に流れ込み、動翼入口で生じる衝突損失を低減でき、ガス流れの衝突損失を低減できる。
さらに、前記シュラウド側の径と、前記ハブ側の径とが同径とすることで、簡単にガス相対流入速度(W)の流れ方向に合わせた構造とすることができる。
本発明によれば、タービン動翼の入口部、特に、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍の動翼入口の速度三角形を調整して、または動翼の入口形状を調整して、ガス相対流入速度(W)の流れ方向に沿った動翼の入口形状とすることによって、動翼入口の両壁近傍で生じる流入ガスの衝突損失を低減し、動翼内部で発達する2次流れを抑制することができる。これにより、速度比(U/C)が小さいマッチング点(作動点)を有するタービンのタービン効率を向上することができる。
本発明の第1実施形態を示し、(a)は動翼の子午面形状を示す一部断面図、(b)は(a)のA−A線、B−B線、C−C線のそれぞれの翼断面図である。 第1実施形態の動翼部分の斜視図である。 第2実施形態を示し、(a)は動翼の子午面形状を示す一部断面図、(b)は(a)のD−D線、E−E線、F−F線のそれぞれの翼断面図である。 第2実施形態の動翼部分の斜視図である。 従来技術の説明図であり、図1(a)の対応図である。 従来技術の説明図であり、図2の対応図である。 ガス流入速度の周方向成分CΘおよび半径方向速度Cを示す。 従来技術の説明図であり、図1(a)、(b)の対応図である。 ラジアルタービンを用いた過給機全体の構成図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(第1実施形態)
図1、図2および図8を参照して本発明の第1実施形態ついて説明する。
図9は、本発明のラジアルタービンの動翼を用いた過給機の1例を示し、図において、タービンケーシング2内には渦巻状のスクロール3が形成されるとともに内周側にはガス出口通路5が形成され、また、コンプレッサケーシング7内にはコンプレッサ9が設けられ、タービンケーシング2とコンプレッサケーシング7とを連結する軸受ハウジング11が形成されている。
タービンロータ13は外周に複数の動翼50が円周方向等間隔に固着され、また、コンプレッサ9の空気出口にはディフューザ17が設けられ、タービンロータ13とコンプレッサ9とはロータシャフト19で連結されている。前記軸受ハウジング11に取り付けられて前記ロータシャフト19を支持する1対の軸受21が設けられている。前記タービンロータ13、コンプレッサ9及びロータシャフト19は回転中心23を中心に回転するようになっている。
かかるラジアルタービン1を備えた過給機において、内燃機関(図示省略)からの排気ガスは前記スクロール3に入り、該スクロール3の渦巻きに沿って周回しながら複数の動翼50の外周側の入口端面52から該動翼50に流入し、タービンロータ13中心側に向かい半径方向に流れて該タービンロータ13に膨張仕事をなした後、軸方向に流出してガス出口通路5から機外に送出されるようになっている。
以上に示すラジアルタービン1を用いた過給機の基本構成は従来技術と同様である。本発明においては、タービンの動翼15のガス入口部の改良に関するものである。
図1(a)、(b)、図2に示すように本発明の第1実施形態においては、動翼50の入口端面(動翼入口)52の高さ方向を形成するシュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍において、高さ方向(幅方向)20%程度の翼先端部L、Lを流入ガスの流入方向に倒した形状となっている。高さ方向の中央部分は従来(図8)と同様に半径方向に真直ぐに伸びた翼断面形状となっている。
すなわち、図1(b)に示すように、ハブ側29のA−A線断面位置における動翼50の断面形状を流入ガスの流れ方向、つまり、速度三角形のW方向と同方向に傾けた断面形状からなるハブ側傾斜部54が形成されている。また、同様に、シュラウド側27のC−C線断面位置における動翼50の断面形状も速度三角形のW方向と同方向に傾けたシュラウド側傾斜部56が形成されている。
本発明の速度三角形は、図1(b)に示すように、動翼50へ流入される作動ガスの流入速度Cと、動翼50の周方向の回転速度Uと、ガス相対流入速度Wとによって構成され、このガス相対流入速度Wの流れ方向の相対流入角度βは、従来技術で説明したようなプラス側(β、β図6参照)に指向する特性ではなく、マイナス側(−β、−β、図1参照)に向かう特性を有する。
これは、技術背景の欄で説明したように、近年のレスポンスの改善の目的で、コンプレッサ径の小型化および排ガス温度の高温化に対応して、小径化に伴う回転速度Uの低下および排ガス高温化に伴う作動ガスの流入速度Cの増加によるものであり、速度三角形の2辺の長さ関係が変わることに基づくものである。
また、図1のように、動翼50の入口端面52の位置は、シュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍においても、中央部においてもそれぞれ同一径のDに設定されている。このため、ハブ側29とシュラウド側27のそれぞれの動翼50の周方向の回転速度UとUは同一となり、作動ガスの流入速度Cは、シュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍においては略同一であるため、シュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍においての作動ガスの流入速度CとCとは同一となり、相対流入角度βは−β=−βとなって、この角度に、ハブ側傾斜部54およびシュラウド側傾斜部56の傾斜角度を設定する。
このように、傾斜角度をハブ側傾斜部54およびシュラウド側傾斜部56とも同じにすることにより、別々の角度設定する動翼形状に比べてより簡単にガス相対流入速度Wの流れ合わせた動翼50を製造できる。
一例として、ハブ側傾斜部54およびシュラウド側傾斜部56の傾斜角度を20°程度傾斜させて設定するのが好ましいが、動翼50の両壁近傍の動翼径(直径)Dに応じて形成される速度三角形による相対流入角度βに合わせるように、ハブ側傾斜部54およびシュラウド側傾斜部56の傾斜角度を設定すればよいため、ハブ側傾斜部54およびシュラウド側傾斜部56を別々の角度に設定してもよいことは勿論である。
このように、動翼50の入口の両壁近傍における先端部のみをガス相対流入速度Wの相対流入角度βに合わせて傾斜することで、簡単にガス相対流入速度Wの流入方向と一致するような動翼50の入口形状とすることができ、動翼50のシュラウド側27およびハブ側29の両壁近傍の動翼入口で生じる動翼50への衝突損失を低減できるようになる。
これにより、ガス相対流入角度β(−β、−β、図1(b))がマイナス側へ傾斜して動翼先端に向かうような、性能パラメータの速度比(U/C)が小さいマッチング点(作動点)有するタービンにおいて効率的にタービン効率を向上することができるようになる。
さらに、シュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍から、50%以上のガス流量が動翼50内部に流入するため、かかる両壁部近傍の流れを改善することによって、タービン効率の向上効果が効率的に大きく得られる。
また、入口端面52の全高(全幅)において傾斜すると、動翼径の小型化によるレスポンスの改善効果が少なくなる。
(第2実施形態)
次に、図3、4を参照して第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態で説明した構成部材と同一のものには同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態は、動翼70のハブ側29とシュラウド側27のそれぞれの動翼径Dを中央部の動翼径Dよりも大径に伸ばして速度三角形を調整して、径方向に真直ぐ伸ばした動翼70の形状に沿って流入させるものである。
図3(a)、(b)に示すように第2実施形態においては、動翼70の入口端面72の高さ方向を形成するシュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍において、高さ方向(幅方向)20%程度の翼先端部L、Lの動翼径Dを高さ方向の中央部分の動翼径Dより大きく設定して先端を3角形状に突出したハブ側突出部74およびシュラウド側突出部76を形成している。ここで動翼径Dは第1実施形態の動翼径Dと同じで基準となる動翼径である。
図3(b)に示すように、ハブ側29のD−D線断面位置における動翼70の断面形状、シュラウド側27のF−F線断面位置における断面形状、さらに中央部のE−E線断面位置における断面形状は、いずれも径方向に真直ぐ伸びた形状をしている。第2実施形態では、動翼70の入口部分は径方向に真直ぐ伸びた形状をしているため、相対流入角度βはβ=βとも略ゼロになっている(W、W、図3(b))。
そして、ハブ側29のD−D線断面位置における速度三角形のガス相対流入速度W方向が、真直ぐの動翼70の方向と同方向になるように、動翼70の周方向の回転速度Uを調整する。すなわち、作動ガスの流入速度Cはエンジンの運転条件によって決まり、動翼の形状によって調整できない値であるため、動翼70の周方向の回転速度Uを変えることで、つまり動翼70の径を変えることで調整する。
また、同様に、シュラウド側27のF−F線断面位置における動翼70の断面形状における速度三角形のガス相対流入速度W方向が、真直ぐの動翼70の方向と同方向になるように、動翼70の周方向の回転速度Uを調整する。
このように、動翼70の入口端面72のシュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍において、動翼径DをDより大きくしてハブ側突出部74およびシュラウド側突出部76を形成することによって、速度三角形のガス相対流入速度WD、の方向が、径方向に真直ぐに延びて形成された動翼70に沿った方向の流れとすることができる。
なお、ハブ側突出部74およびシュラウド側突出部76の径をともに動翼径Dとすることで、製造容易となるが、異なる径を設定してよいことは勿論である。
また、動翼入口の速度三角形を動翼径Dによって調整することで、動翼70の入口の両壁近傍におけるガス相対流入速度W、Wの相対流入角度βを略ゼロにして動翼70の径方向に真直ぐ伸びた形状に合わせた方向とすることで、簡単にガス相対流入速度の流入方向と動翼70の方向を一致させることができ、動翼70のシュラウド側27およびハブ側29の両壁近傍の動翼入口で生じる動翼70への衝突損失を低減できる。
これにより、性能パラメータの速度比(U/C)が小さいマッチング点(作動点)を有するタービンにおいて効率的にタービン効率を向上することができる。
また、シュラウド側27及びハブ側29の両壁近傍から、50%以上のガス流量が動翼50内部に流入するため、かかる両壁部近傍の流れを改善することによって、タービン効率の向上効果が効率的に大きく得られる。
本発明によれば、タービン動翼の入口部、特に、シュラウド側及びハブ側の両壁近傍の動翼入口の速度三角形を調整して、または動翼の入口形状を調整して、ガス相対流入速度(W)の流れ方向に沿った動翼の入口形状とすることによって、動翼入口の両壁近傍で生じる流入ガスの衝突損失を低減し、動翼内部で発達する2次流れを抑制することができる。これにより、速度比(U/C)が小さいマッチング点(作動点)を有するタービンのタービン効率を向上することができるので、ラジアルタービンの動翼への適用に適している。
1 ラジアルタービン
2 タービンケーシング
3 スクロール
13 タービンロータ
15、50、70 動翼
27 シュラウド側
29 ハブ側
52、72 入口端面
54 ハブ側傾斜部
56 シュラウド側傾斜部
74 ハブ側突出部
76 シュラウド側突出部

Claims (5)

  1. 作動ガスをタービンケーシング内に形成された渦巻状のスクロールから該スクロールの内側に位置するタービンロータの動翼へと半径方向に流入させて該動翼に作用させた後軸方向に流出させることにより該タービンロータを回転駆動するように構成されたラジアルタービンの動翼において、
    前記作動ガスが流入する動翼入口の高さ方向を形成するシュラウド側及びハブ側の両壁近傍における翼形状の向きが、動翼入口に流入する作動ガスの流入速度(C)および動翼の周方向の回転速度(U)およびガス相対流入速度(W)によって形成される速度三角形のガス相対流入速度成分の流入方向と一致するように形成されてなることを特徴とするラジアルタービンの動翼。
  2. 動翼入口のシュラウド側及びハブ側の両壁近傍における先端部のみを前記ガス相対流入速度成分の流れ方向に合わせて傾斜させたことを特徴とする請求項1記載のラジアルタービンの動翼。
  3. 傾斜角度がシュラウド側およびハブ側同じであることを特徴する請求項2記載のラジアルタービンの動翼。
  4. 動翼入口の高さ方向の中央部よりシュラウド側及びハブ側の径を大きく形成するとともに、シュラウド側及びハブ側の動翼入口の翼形状が半径方向に真直ぐに伸びてなることを特徴とする請求項1のラジアルタービンの動翼。
  5. 前記シュラウド側の径と、前記ハブ側の径とが同径であることを特徴とする請求項4記載のラジアルタービンの動翼。
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