以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技盤の表面に形成された遊技領域内に遊技球を打出すための発射装置と、遊技球を貯留可能な球貯留皿とを備える遊技機であればよい。
まず、本発明にかかる遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ遊技機1を示す背面図である。なお、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機の前面(表面)側、奥側を背面(裏面)側として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面(表面)とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
〔パチンコ遊技機の前面(表面)構造〕
図1は、本発明が適用されたパチンコ遊技機およびカードユニットを示す正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技場(遊技店)に設置される。遊技場内にはパチンコ遊技機1等の遊技機が複数台並べて配置されている遊技機設置島が複数設けられており、パチンコ遊技機1は、そのような遊技機設置島に設置される。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取付けられた前面枠101(図2参照)とで主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102および上皿扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられているとともに、下皿枠104が取付けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取付けられる機構板105(図2参照)が一側を中心にして開閉可能に取付けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取付けられた上皿扉枠103の前面には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を遊技球として貯留可能な打球供給皿(上皿とも言う)3が、パチンコ遊技機1の前面(表面)側に向けて突出(膨出)するように設けてある。打球供給皿3は、図2に示す打球発射装置91に遊技球を供給する。打球発射装置91は、遊技球を打撃するためのアーム状の打球槌を発射モータにより動作させることにより遊技球を弾発発射する発射装置である。
打球供給皿3の下方には、打球供給皿3から溢れた遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿とも言う)が、パチンコ遊技機1の前面(表面)側に向けて突出(膨出)するように設けてあるとともに、その側方には、遊技球を発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。打球発射装置91は、打球操作ハンドル5の操作に応じて発射モータを駆動する制御が行なわれることにより、遊技球を発射する。ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。打球発射装置91により発射された遊技球(打球)は、遊技領域7に打出される。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた画像表示装置である。変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する小型の表示部である特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99等、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、遊技球を受入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常に遊技球の進入(受入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球の進入(受入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときに遊技球の進入(受入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞しやすくなり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球および他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29への遊技球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30への遊技球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33への遊技球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39への遊技球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図3参照)が内蔵される天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。左発光部28Lおよび右発光部28Rは、装飾を行なうために所定の発光パターンで発光させられる。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、本実施の形態では賞球LED51および球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けていたが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中である旨および補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
上皿扉枠103の前面における打球供給皿3の左右側方には、上皿扉枠103の前面側における打球供給皿3の左右側方に設けられたLED(図26の供給皿左LED200aおよび供給皿右LED200b)により発光する供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rが設けられている。供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rは、たとえば、遊技状態に応じた演出を行なうため、および、異常状態を報知するために用いられる。打球供給皿3の前面には、打球供給皿3の内部に設けられた供給皿前LED201a(後述する)により発光する供給皿前発光部201が横方向に細長く延在する態様で設けられている。具体的に、供給皿前発光部201は、打球供給皿3の前面において、最も前方に突出した位置において横方向に延びる領域に設けられている。供給皿前発光部201は、たとえば、遊技状態に応じた演出および装飾を行なうために用いられる。
余剰球受皿4の周縁上面には、余剰球受皿4の内部に設けられた受皿LED202aにより発光する受皿発光部202が設けられている。受皿発光部202は、たとえば、遊技状態に応じた演出を行なうため、および、異常状態を報知するために用いられる。なお、これら供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rおよび受皿発光部202の詳細については後述することとする。また、余剰球受皿4の左右側方には、内蔵されたLED(図39の受皿左LED203aおよび受皿右LED203b)により発光する受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rが設けられている。受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rは、たとえば、異常状態を報知するために用いられる。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED200a、供給皿右LED200b、供給皿左右外LED200c、供給皿前LED201a、受皿LED202a、受皿左LED203a、受皿右LED203b等の各種発光手段は、図3に示すように、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプ、および、カードユニット錠が設けられている。カード挿入口連結台方向表示器は、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す表示器である。カード投入表示ランプは、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すランプである。カード挿入口は、記録媒体としてのカードが挿入される開口部である。カードユニット錠は、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するための錠である。
遊技者の操作により打球発射装置91から発射された遊技球は、打球誘導レール117を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間における遊技球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間における遊技球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口としている。当該該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
〔パチンコ遊技機の背面(裏面)構造〕
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ遊技機およびカードユニットを示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、打球を発射する打球発射装置91、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、一部が払出制御基板37と重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留された遊技球は、タンクレール722(図44参照)を通り、カーブ樋を経てケースカバー731(図44参照)で覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ197が設けられている。球切れスイッチ197が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ197は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、球タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(球タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置91の駆動も停止する。なお、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作および打球発射装置91の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
〔パチンコ遊技機の回路構成〕
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、制御用のプログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、満タンスイッチ19からの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
なお、本実施の形態では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用される遊技球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用される遊技球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aへの遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞した遊技球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。なお、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数等、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行なうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させる等の行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
なお、本実施の形態では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、払出制御基板37を経由して、満タンスイッチ19からの満タン信号が入力されたときに、前述した受皿LED202aおよび受皿左右LED203a,203bを発光させる旨を示す演出制御コマンド、言い換えると、余剰球受皿4が満タン状態となったことに基づいて送信されるコマンドを演出制御基板80に送信する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、たとえば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が前述した不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、供給皿左LED200a,供給皿右LED200bおよび供給皿左右外LED200cを発光させる旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、受皿LED202aと、供給皿前LED201aと、左発光部28Lおよび右枠LED28cとのそれぞれについて、遊技状態に応じた演出を行なうために所定の発光パターンで発光させる旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。これにより、演出制御基板80が、受皿LED202aと、供給皿前LED201aと、左発光部28Lおよび右枠LED28cとのうち、受信した演出制御コマンドにより示されるLEDを所定の発光パターンで発光させる制御を行なう。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの設定状態を示す設定検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタ等によって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行なうとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左右LED200a,200b、供給皿左右外LED200c,供給皿前LED201a、受皿LED202a、受皿左右LED203a,203b、方向LED512a〜512dの表示制御を行ない、スピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、512a〜512dを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路253が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路254が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路253を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、512a〜512dの表示制御を行なう。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、および、ステージ装飾基板99が設けられている。装飾基板98、および、ステージ装飾基板99は、盤側IC基板98,99とも呼ばれる。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての中前板天基板473a、左前板天基板473b、右前板天基板473c(図17(b)参照)、上皿左サイド基板310L、上皿右サイド基板310R(図26参照)、上皿前左反射板332L、上皿前右反射板332R(図26参照)、受皿LED基板353、左幕板LED基板340L、右幕板LED基板340R(図39参照)、および、ジョグ基板508(図37参照)が設けられている。これらの基板は、各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508とも呼ばれる。これら各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。図4は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、LEDドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、LEDドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256、および、入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に変動表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行なうVDP262が演出制御基板80に搭載されている。VDP262は、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP262は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。また、演出制御用CPU86は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部256は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、および、508のそれぞれに搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。また、クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88を介して盤側IC基板98および99のそれぞれに搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示にしたがって、中継基板88,89を介して、枠側IC基板508に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板508に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号を入力すると、ジョグスイッチ510a〜510dの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板89に出力する。また、入力ICに入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板88に出力する。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ81から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各LED25a、25bに供給する。
また、中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICには、それぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給される。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、前面枠101に設けられた各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、512a〜512dに供給する。
また、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板上でバス形式に接続されている。また、シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板89から直接接続される。また、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
また、枠側IC基板508には、前面枠101に設けられたジョグスイッチ510a〜510dの検出信号を入力する入力ICが搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板508に搭載された入力ICと演出制御用マイクロコンピュータ81とは、中継基板88,89を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板88,89を介して入力ICに出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ81は、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力する。すると、入力ICは、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいてジョグスイッチ510a〜510dからの検出信号をラッチし、中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。この場合、入力ICは、ジョグスイッチ510a〜510dからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力しているが、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングと同じタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力してもよい。
盤側IC基板88,89に搭載されたシリアル−パラレル変換ICと各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508に搭載されたシリアル−パラレル変換ICとは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板88,89がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換ICがバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICはバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICと、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレルICとが、中継基板88,89を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで前面枠101と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、前面枠101と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICおよび入力ICに、演出制御用マイクロコンピュータ81から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換ICへのクロック信号の配線と入力ICへのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、および入力ICを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICには、予めアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。なお、制御信号は、固定長(コマンドのバイト数(たとえば2バイトや3バイトのコマンド))のコマンドで構成され、アドレスに対応するビットを異ならせている。各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICは、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各LEDに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各LEDへの供給は行なわない。
演出制御用マイクロコンピュータ81は、満タンスイッチ19からの満タン信号が入力されたことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ156から出力される受皿LED202a、受皿左LED203aおよび受皿右LED203bを点滅(発光)させる旨を示す演出制御コマンドを受信したことに基づいて、前面枠101側に設けられた受皿LED202a、受皿左LED203aおよび受皿右LED203bを制御するための制御信号を出力する。たとえば、受皿LED202aを制御するための制御信号を出力するときには、枠側シリアル−パラレル変換回路(受皿LED202aに信号を出力する枠側シリアル−パラレル変換回路)を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル出力回路253からシリアル信号方式で出力し、受皿LED202aを点滅(発光)させる満タン報知制御を行なう。受皿左LED203aおよび受皿右LED203bのそれぞれについても、同様のシリアル信号方式で制御信号が出力される。このような満タン報知制御は、パチンコ遊技機1の異常状態を報知する異常報知制御のうちの1つの制御であり、演出制御用マイクロコンピュータ81において、制御用のプログラムのうち、満タン報知制御用のプログラムが実行されることに基づいて行なわれる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23から球検出信号が入力されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ156から出力される供給皿左LED200a、供給皿右LED200b、および、供給皿左右外LED200cを点滅(発光)させる旨を示す演出制御コマンドを受信したことに基づいて、供給皿左LED200a、供給皿右LED200b、および、供給皿左右外LED200cを点滅(発光)させるための制御信号を出力し、供給皿左LED200a,供給皿右LED200b、および、供給皿左右外LED200cを点滅(発光)させる入賞異常報知制御を行なう。入賞異常報知制御は、パチンコ遊技機1の異常状態を報知する異常報知制御のうちの1つの制御であり、演出制御用マイクロコンピュータ81において、制御用のプログラムのうち、入賞異常報知制御用のプログラムが実行されることに基づいて行なわれる。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ81が前面枠101側に設けられた供給皿左LED200a,供給皿右LED200bを制御するための制御信号を出力する制御を行なうときには、枠側シリアル−パラレル変換回路(供給皿左LED200aと供給皿右LED200bとに信号を出力する枠側シリアル−パラレル変換回路)を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル出力回路253からシリアル信号方式で出力する。供給皿左右外LED200cについても、同様のシリアル信号方式で制御信号が出力される。
〔パチンコ遊技機の全体構成(前面側)〕
次に、パチンコ遊技機1の全体構成(前面側)を説明する。図5は、パチンコ遊技機1の開放した状態を示す斜視図であり、図6は、前面枠101および機構板105を斜め背面側から見た状態を示す斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図5および図6に示されるように、複数のパチンコ遊技機1を並設可能な図示しない遊技機設置島に固設される縦長の方形状をなす外枠100と、外枠100の一側を中心に開閉可能に取付けられた前面枠101と、前面枠101の一側を中心に開閉可能に取付けられ、前面枠101の背面側に配置される機構板105と、から主に構成されている。これらのうち外枠100は木材により構成され、前面枠101および機構板105は合成樹脂財により構成されている。
前面枠101の前面には、ガラス扉枠102およびその下方に配置される上皿扉枠103が一側を中心にそれぞれ開閉可能に設けられている。上皿扉枠103の下方には、下皿枠104が取付けられている。ガラス扉枠102の中央には、閉状態において遊技盤6の表面に形成された遊技領域7の前方を被覆するとともに、該遊技領域7を遊技者側から透視可能とする略円形の透視窓110が設けられている。透視窓110の上部左右側には、前面枠101の上部左右側に配設されるスピーカ27,27から出力される音を放音するための放音穴111が形成されている。
上皿扉枠103は、前面に前述した打球供給皿3が取付けられているとともに、ガラス扉枠102を開放することにより開放可能となるように構成されている。打球供給皿3の上流側端部には、背面側の機構板105に設けられた球払出装置97から払出される賞球を受入れ可能とする払出口112が形成されているとともに、打球供給皿3に待機(貯留)している待機球を前面枠101の背面に形成された後述する余剰球誘導通路に流出させて余剰球受皿4に返却するための球抜き口113が内部に形成されている。また、打球供給皿3の下流側端部には、打球供給皿3に待機している待機球を、打球発射装置91により打出される発射位置に誘導する待機球誘導口119が形成されている。なお、打球供給皿3の内部構造については後述する。
下皿枠104は、前面枠101の前面下部に取付けられており、その前面には、余剰球受皿4および打球操作ハンドル5が取付けられている。また、余剰球受皿4の配設位置には、後述する余剰球誘導通路を流下してきた遊技球が返却される返却口120が形成されている。なお、余剰球受皿4の内部構造については後述する。
前面枠101は、前述した遊技盤6を背面側から取付け保持可能に構成されているとともに、該遊技盤6の前面に形成された遊技領域7を前面側から視認可能とするための略円形の遊技用開口114が略中央に形成されている。遊技用開口114の上部左右側には、スピーカ27を有するスピーカユニット27aを前面側から嵌合することにより取付け可能なスピーカ取付穴115が形成されている。スピーカユニット27aは、スピーカ27本体と、該スピーカ本体を被覆するカバー体とが一体化されてなるものである。スピーカユニット27aは、スピーカ取付穴115に取付けられた状態において、その後部が前面枠101の背面側に突出した状態で取付けられる(図10参照)。また、機構板105の上部における前述したスピーカ取付穴115との対向位置には、スピーカ取付穴115に取付けられるスピーカユニット27aの背面部を収容可能なスピーカ収容凹部115aが、背面側に向けて膨出するように形成されている。
スピーカユニット27aは、箱形状であって、遊技用開口114に沿って湾曲した辺を有する。スピーカ取付穴115は、前面枠101の枠部分と、遊技用開口114との間に形成されている。スピーカ取付穴115には、一部に底面部があり、その底面部にスピーカユニット27aの一部を当接させることにより、スピーカユニット27aの取付け位置の位置決めが行なわれる。なお、スピーカ取付穴115とスピーカユニット27aとの間には、隙間が生じるように構成してもよい。また、スピーカ取付穴115とスピーカ収容凹部115aとの間には、隙間が生じるように構成してもよい。このように構成した場合には、隙間に空気層が形成されるので、スピーカユニット27aから出力される音に変化を生じさせることができる。
上皿扉枠103の閉状態において前記払出口112に対向する箇所には、該払出口112に連通する払出連通口112aが形成されている。また、払出連通口112aの下方には、上皿扉枠103が開放されたときに払出口112から賞球を回収して余剰球誘導通路130に流出させて余剰球受皿4に返却するための賞球返却通路407a(図14参照)に連通する賞球返却口113aが形成されている。また、賞球返却口113aの近傍には、後述するファール球を前面枠101の背面側に形成される余剰球誘導通路130に流出させるためのファール球口116が形成されている。また、ファール球口116のさらに側方には、打球供給皿3から球抜き口113を介して流出された待機球を前面枠101の背面側に形成される余剰球誘導通路130に流出させるための球抜き連通口106が形成されている。
前面枠101の前面における遊技用開口114の下方には、打球発射装置91により打出される遊技球(打球)を遊技領域7に向けて誘導する打球誘導レール117(図1参照)が設けられる。また、打球誘導レール117の途中には、打球発射装置91により打出されたものの遊技領域7に到達することなく戻ってきたファール球を前述したファール球口116に誘導して回収するファール球誘導通路118が形成されており、該ファール球は、ファール球口116を介して背面側の余剰球誘導通路130に流出された後、余剰球受皿4に返却されるようになっている。また、このファール球誘導通路118近傍には、打球供給皿3から球抜き口113を介して流出された待機球を球抜き連通口106に誘導する球抜き誘導通路(図示省略)が形成されており、これらファール球および待機球はファール球口116および球抜き連通口106に連通する誘導通路を介して余剰球誘導通路130に流出される。
〔パチンコ遊技機の全体構成(背面側)〕
次に、パチンコ遊技機1の全体構成(背面側)を図7〜図9に基づいて説明する。図7は、前面枠を示す背面図であり、図8は、余剰球誘導通路の構造を示す要部拡大斜視図であり、図9は、図7のA−A断面図である。
前面枠101の裏面下部には、図7〜図9に示されるように、第2払出球誘導通路131bと、余剰球誘導通路130と、アウト球誘導通路132とが形成されている。第2払出球誘導通路131bは、第2払出球誘導通路131bは、機構板105側に設けられる球払出装置97から払出された遊技球を払出連通口112aに向けて誘導する第1払出球誘導通路131aに接続される通路である。余剰球誘導通路130は、上方の払出連通口112aと下方の返却連通口120aとを連通する通路である。アウト球誘導通路132は、アウト口26に流入したアウト球を機構板105側に形成された後述する合流通路163に向けて誘導する通路である。
第2払出球誘導通路131bの上流側端部は、払出連通口112aの上方位置において第1払出球誘導通路131aの連通口131cに接続され、該第1払出球誘導通路131aを流下してきた払出球が流入されるようになっている。流入した払出球は、後述するバックプレート135に取付けられた傾斜板133上に落下し、該傾斜板133により前方の払出連通口112aに向けて誘導されるようになっている。また、この第2払出球誘導通路131bの下流側は、払出連通口112aの下端縁から背面側に向けて突設されるとともに、前記傾斜板133が上面に載置される傾斜板保持片133aの側方に形成されており、余剰球誘導通路130の上流側端部と連通している。
したがって、打球供給皿3が満杯になって払出連通口112aを介して傾斜板133上まで球が詰まってきた場合、第2払出球誘導通路131bから傾斜板133上に誘導落下された払出球は、傾斜板133から側方に溢れて余剰球誘導通路130内に流入することになる。すなわち、打球供給皿3から溢れた余剰球は、余剰球誘導通路130内に流入して返却連通口120aに誘導されるようになっている。
余剰球誘導通路130は、前面枠101の裏面から背面側に向けて突設された水平な樋板134(図8、図9参照)により底面が形成されている。また、前側面は前面枠101の前面板101aにより形成されているとともに、背側面は合成樹脂材からなるバックプレート135および流し部材136の背面板(図6、図9参照)により形成されており、払出連通口112a側から返却連通口120a側に向けて下方に傾斜するように、左右方向に延設されている。このように余剰球誘導通路130は、底面および前後側面が被覆されている。
バックプレート135は、図6に示されるように、第2払出球誘導通路131b、余剰球誘導通路130、および、アウト球誘導通路132の背側面を被覆可能な横長板状に形成されている。バックプレート135は、その周縁の複数箇所に取付けられる複数のバックプレート取付ネジN1,N2により前面枠101の背面下部に取付けられるようになっている。
バックプレート135の上辺には、遊技盤6下部に形成されたアウト口26の背面を被覆するアウト口被覆部材(図示省略)との干渉を回避するための切り欠き137が形成されている。また、アウト球誘導通路132の下流側端部との対向位置にはアウト球連通口138が形成されているとともに、第1払出球誘導通路131aの連通口131cとの対向位置には連通口131dが形成されている。
また、バックプレート135の前面には、前述した傾斜板133の後端が傾斜板保持片133aとの対向位置に取付けられているとともに、アウト球誘導通路132の底面を構成する樋板139(図9参照)の背面側の端部と該バックプレート135の前面との間に形成される隙間を塞ぐための突片140(図9参照)が、樋板139に沿って突設されている。
なお、このような突片は、図示はしないが、特に余剰球誘導通路130の上方に形成される樋板、すなわち、余剰球誘導通路130の上方を閉塞している前面枠101の背面に突設された板部材の背面側端部とバックプレート135の前面との間に設けられることが好ましい。つまり、余剰球誘導通路130の上方は、アウト球誘導通路132の底面を構成する樋板139を含む前面枠101の背面から略水平に突設される複数の板部材により閉塞され、これら板部材によりアウト口26との連通が遮断されているため、これら板部材の背面側端部とバックプレート135の前面との間に隙間を突片により閉塞することで、余剰球誘導通路130内に進入されたセル板等の不正器具を前記隙間から余剰球誘導通路130の外部に延出してアウト口26にアプローチさせることが困難となる。
また、余剰球誘導通路130の上方には、該余剰球誘導通路130と同様に前面枠101の背面に形成されたアウト球誘導通路132が形成され、これら通路は互いに垂直方向を向く前面枠101の背面に沿って上下に配設されているとともに、互いの通路の背面が1枚のバックプレート135により被覆されることで互いに非連通状態とされているため、返却口120からアウト口26に連通するアウト球誘導通路132への不正器具の挿通が困難となっている。
また、アウト口26と返却口120とは、パチンコ遊技機1の左右方向の略中央位置に互いに上下に配設されているが、返却口120から上流側、すなわち、払出口112側に向けて延設される余剰球誘導通路130は、返却口120の背面奥方において、その上方に配設されたアウト球誘導通路132を避けるように、パチンコ遊技機1を正面から見て左斜め上方(背面から見て右斜め上方)に向けて屈曲形成されていることで、パチンコ遊技機1の前面側から返却口120を介して余剰球誘導通路130内に挿通した不正器具をそのまま押し込んだときにバックプレート135に当ってしまい、さらに奥方まで差し込むためには左側に屈曲させなければならないため、不正器具を挿入し難くなっている。
また、バックプレート135は複数のバックプレート取付ネジN1,N2により前面枠101の背面下部に取付けられるため、余剰球誘導通路130やアウト球誘導通路132内で球詰まりが発生した場合でもバックプレート135を取り外すことで球詰まりを解消することができる。
流し部材136は、返却連通口120aの背面を被覆するとともに、上面に形成された受入れ口136aを介して受入れた余剰球を、返却連通口120a側に向けて誘導可能な前面および上面が開口する箱状に形成された部材である。そして、その周縁に取付けられる複数の流し部材取付ネジN3により前面枠101の背面下部に取付けられるようになっている。
また、受入れ口136aの後縁辺からは取付片136b(図6参照)が上向きに立設されており、該取付片136bの背面にはバックプレート135の下部が当接されるようになっている(図9参照)。このように流し部材136の背面側にバックプレート135を配置した状態において、バックプレート135の背面下部側から取付けたバックプレート取付ネジN2を取付片136bの両端に挿通して前面枠101の裏面に形成されたネジ孔に螺入するようになっている。つまり、流し部材136の取付片136bの背面とバックプレート135の下部とが重合した状態で取付けられることで、バックプレート135が背面側に向けて押圧されても取付片136bとの間に隙間が形成されにくくなっている。
また、余剰球誘導通路130の背面を被覆するバックプレート135は、背面に配置される機構板105が図示しない係止部材等を介して前面枠101に係止されることで、該機構板105の前面により前面枠101側に向けて押圧されるようになっているため(図9参照)、余剰球誘導通路130に挿入されたセル板等によりバックプレート135が背面側に向けて押圧されても、樋板139の背面側端部との間に隙間が形成されにくい。
余剰球誘導通路130は、図7および図8に示されるように、通路途中に上下方向に屈曲する段部141が形成されている。段部141には、満タンスイッチ19が設けられている。詳しくは、樋板134の一部が段部141において切り欠かれており、該切欠部には、満タンスイッチ19を押圧可能なスイッチ片19aが、前面枠101に枢支された上端を中心に揺動自在に設けられている。スイッチ片19aは、通常時においてその一部が通路内に突出する突出位置に保持されている。余剰球受皿4の球が満タン状態(満杯状態)となって満タンスイッチ19の下流側に余剰球が詰まって滞留し、その球によりスイッチ片19aが押圧されて満タンスイッチ19がon状態となった場合には、球払出装置97の駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する制御が行なわれる。満タンスイッチ19を段部141に設けることにより次のような効果を得ることができる。不正行為者により、パチンコ遊技機1の前面側から返却口120を介して余剰球誘導通路130内にピアノ線等の線状部材が内部に挿入された場合に、当該線状部材が段部141に当って曲がり、その曲がった線状部材が上方へ反ってスイッチ片19aに接触し、満タンスイッチ19により満タン状態が誤検出される。これにより、異常状態となった旨が報知されるので、満タンスイッチ19によって、不正行為による異常状態を検出することができる。
このように余剰球誘導通路130が前面枠101側に形成されているため、満タンスイッチ19も前面枠101に取付けられている。また、余剰球誘導通路130における段部141の近傍には、前述した賞球返却口113aおよびファール球口116が形成されており、ファール球および返却賞球が、該余剰球誘導通路130を介して余剰球受皿4に返却されるようになっている。返却連通口120aの上方には球抜き連通口106が形成されており、打球供給皿3から流出された待機球が球抜き連通口106を経て余剰球受皿4に返却されるようになっている。
アウト球誘導通路132は、段部141よりも下流側の余剰球誘導通路130の上方位置において払出連通口112a側に向けて延設されており、前面枠101の裏面から背面側に向けて突設された水平な樋板139(図8、図9参照)により底面が形成されている。また、アウト球誘導通路132については、前側面が前面枠101の前面板101aにより形成されているとともに、背側面がバックプレート135(図6、図9参照)により形成されている。
そして、アウト口26から流下してきたアウト球は、下流側端部において背面側に誘導され、バックプレート135に形成されたアウト球連通口138を介して機構板105側に流出されるようになっている。
次に、機構板105の構造について説明すると、図2および図6に示されるように、機構板105の上部には球タンク38が設けられ、図示しない遊技機設置島の供給樋より導出された供給管(図示省略)より遊技球が球タンク38に供給されるようになっている。また、球タンク38内に貯留された遊技球は、供給球誘導通路160を流下して払出装置97に供給されるようになっている。
また、供給球誘導通路160の経路中には球切れスイッチ197が設けられており、この球切れスイッチ197により払出装置97での1回の球貸球数である25球の遊技球が通路内に準備されているか否かが検出されるようになっている。
この払出装置97には、球切り用のスプロケット(図示省略)が設けられており、これらスプロケットが駆動回転されることで遊技球が1球ずつ下方に排出されるようになっている。また、スプロケットが同期回転することで交互に遊技球が排出される。なお、これら排出された遊技球は、図示しない賞球用カウントスイッチによって検出された後、前述した第1払出球誘導通路131aを流下し、前面枠101側の第2払出球誘導通路131b内に流出して打球供給皿3に供給されるようになっている。
また、供給球誘導通路160における球払出装置97の配置位置の上流側には、球タンク38および供給球誘導通路160内の遊技球を排出するための球抜き通路161の上端が接続されており、球抜き弁710を球抜きレバー730(図44参照)を操作することにより、球タンク38および供給球誘導通路160内の遊技球を外部に排出することができるようになっている。
球抜き通路161は、機構板105の前面におけるアウト球連通口138との対向位置に形成された合流口162まで延設されている。また、合流口162からは、合流通路163が下方に向けて延設されている。つまり、アウト球誘導通路132を流下してくるアウト球および後述する入賞球は、アウト球連通口138および合流口162を介して合流通路163内に流入し、機構板105の下面から機構板105外部に排出されるようになっている。なお、機構板105外部に排出された遊技球は、図示しない遊技機設置島に設けられるアウト球タンク内に落下し、計数された後に遊技機設置島内に貯留される。
また、機構板105の下部前面側には、前述した遊技領域7において各種入賞口15,20,29,30,33,39に入賞した入賞球を回収する入賞球回収路164が設けられている。各種入賞口15,20,29,30,33,39に入賞した入賞球は、遊技盤6を通して背面側に流出された後、図7に示されるように、遊技盤6の背面を覆うように形成された入賞球誘導カバー体170(図9参照)により収集されるようになっている。収集された入賞球は、図9に示されるように、入賞球誘導カバー体170の下面に形成された流出口171を介して下方に流出された後、該流出口171の鉛直下方に配置される入賞球回収路164の上面開口から入賞球回収路164内に落下される。
入賞球回収路164内に落下した入賞球は、その下部に形成された連通路165を介して前面枠101側のアウト球誘導通路132の上流部に流出されるようになっている。つまり、回収された入賞球は、アウト球誘導通路132から再び機構板105側の合流通路163に流出されるため、機構板105を介して外部に排出されることになる。
このように機構板105には、第1払出球誘導通路131a,供給球誘導通路160,球抜き通路161,合流通路163,入賞球回収路164等の余剰球誘導通路130を除く各種球通路が形成されている。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1にあっては、余剰球誘導通路130を、打球供給皿3から溢れた余剰球が機構板105を介することなく余剰球受皿4に誘導されるように前面枠101の背面に形成し、該前面枠101の背面における余剰球誘導通路130近傍に満タンスイッチ19を設けている。これにより、従来のように、余剰球誘導通路130の一部に機構板105側に形成した通路との連通部等が形成されることがないので、余剰球受皿4から不正器具等を進入させても、該不正器具を余剰球誘導通路130の外部に突出させることが困難となる。したがって、不正器具を前面枠101の背面とその背面側に配置される機構板105の前面との間からアウト口26を介して遊技領域7内の特別可変入賞球装置20の開閉板等を強制的に開放させて球を不正に入賞させるといった不正行為を効果的に防止することができる。
また、余剰球誘導通路130が前面枠101から機構板105にわたり形成されることがない。つまり通路内における前面枠101と機構板105との連通部に段部等が形成されることがないので、球詰まりの発生等が防止される。
〔球タンクおよびスピーカの取付け構造〕
次に、球タンク38およびスピーカ27の取付構造を図10および図11に基づいて説明する。図10は、機構板が組み付けられた前面枠の上部を背面側から見た状態を示す要部斜視図であり、図11は、図10のB−B断面図である。
前面枠101の背面上部左右側には、前述したスピーカ取付穴115,115が内部に形成される前面が開口する膨出部121,121が、背面側に向けて膨出するように形成されている。該膨出部121の背面側には、後述する垂直面122が形成されており、該スピーカ取付穴115,115内に前面側から嵌合されるスピーカユニット27aの後面の一部が該垂直面122の前面側にて当接規制される。また、該垂直面122の側方には開口123(図11、図15参照)が形成されており、スピーカ取付穴115が背面側に開放されるようになっており、スピーカユニット27aの後部の一部が該開口123を介して垂直面122よりも背面側に向けて突出されるようになっている(図11参照)。
膨出部121の内面上部には、スピーカユニット27aの上面に形成された上下方向を向く位置決め溝27bに嵌合可能な位置決め片27c(図14参照)が突設されており、スピーカ取付穴115内でのスピーカユニット27aのガタツキが防止されるようになっている。
球タンク38は、図10および図11に示されるように、機構板105の背面上部、詳しくは後述する上辺部700a(図44参照)の背面側に凹設された球タンク取付部720に背面側からネジにより取付けられる。球タンク38は、上面が開口する所定深さを有する平面視略長方形状の箱体からなり、図11に示されるように、平面視で略横長長方形状に形成されているとともに、前面枠101と対向する前側板38bの右側角部(図中向かって左側角部)には、前方および側方に開放する切欠凹部38aが内向きに凹むように形成されている。また、底面側方には、供給球誘導通路160を構成するタンクレール722に連通する流出口38cが形成されており、底面は該流出口38cに向けて下方に傾斜するように配置されている。
一方、機構板105の球タンク取付部720における右側角部には、球タンク38と同様の機構板切欠凹部720aが内向きに凹むように形成されている。この機構板切欠凹部720aにおける前側面は垂直面122および内側面124に当接し、後側面は切欠凹部38aの前側面(外面)が当接するようになっている。
このように、球タンク38における前面枠101の背面と対向する前側板38bの角部に形成した切欠凹部38a内に右側のスピーカユニット27aの一部を収容するように配設することができる。すなわち、球タンク38の前側板38bにおける切欠凹部38aの形成箇所以外の部分が、左右に配設されるスピーカユニット27aの背面よりも前方に配置されるため、スピーカ27が大型化されてスピーカユニット27aの前後幅が長寸となり、球タンク38の側部と干渉する虞がある場合でも、球の貯留量を低減することなく、かつ、前面枠101の裏面側に大きく張出すことなく球タンク38を配設することができ、これにより遊技機設置島(図示省略)内に設けられる各種装置との干渉等を回避することができる。
また、スピーカユニット27a,27aが前面枠101の左右側に離間配置されている場合において、該スピーカユニット27a,27aの配設位置と同高さ位置に配設することができるとともに、左右のスピーカユニット27a,27aの間のスペースを利用して球の貯留スペースを効率的に形成できるばかりか、左右方向の幅寸法を全体的に短寸とすることなく、スピーカユニット27a,27aの背面側にも貯留スペースを形成することができるため、球の貯留量が著しく低減されることがない。
つまり、球タンク38は、前側板38bの角部に切欠凹部38aが形成されていることで、球の貯留領域は、左右のスピーカユニット27a,27a間に形成される前後幅L1の第1の貯留領域と、切欠凹部38aの背面側に形成されるL1よりも短寸の前後幅L2を有する第2の貯留領域と、から構成されている。
また、球タンク38の切欠凹部38aの外側面が、前面枠101の背面側に突出するスピーカユニット27aの本体外面に直接接触することはなく、スピーカユニット27aの本体外面に直接当接する垂直面122および該垂直面122に当接する機構板105の本体板(球タンク取付部720)を介して間接的に当接するようになっているため、スピーカ27が音を出力することにより生じる振動が球タンク38に伝達されやすくなり、該振動により、球タンク38内に貯留される遊技球が均されて、偏りなく貯留されるようになるため、球詰まり等の発生を効果的に防止できる。
なお、本実施の形態では、球タンク38の左右の切欠凹部38a,38aの前側面(外面)が、機構板105の球タンク取付部720背面に当接した状態で設けられていたが、少なくともスピーカユニット27aの背面または側面の一部に近接した状態で設けられていれば、必ずしも直接当接した状態で設けられていなくてもよいし、球タンク取付部720背面やスピーカユニット27aの背面または側面から離間した状態で配設されていてもよい。また、スピーカユニット27aの背面または側面の少なくとも一部に直接当接した状態で設けられていてもよい。
また、スピーカ27およびスピーカユニット27aが大型化し、前面枠101の背面から背面側に向けて大きく膨出するように取付けられた場合、球タンク38の左右幅を左右のスピーカユニット27a,27a間に納まるように短寸にすると、球の貯留量が制限されるが、上記のように球タンク38の一部に内側に凹む凹部38aを形成し、該凹部38a内にスピーカユニット27aの一部を嵌合させた状態で球タンク38を取付けることで、左右幅全体を短寸にしなくても済むため、貯留量の低減を回避できるばかりか、球タンク38を左右のスピーカユニット27a,27aよりも背面側に大きく突出させなくて済み、パチンコ遊技機1の前後幅が大寸となることがないので、スペース効率よく配設することができる。
〔電源基板ケースおよび払出制御基板ケースの取付け構造〕
次に、機構板105の背面下部に設けられる電源基板910が収納された電源基板ケース910a、および、払出制御基板37が収納された払出制御基板ケース37aの取付け構造について、図12および図13に基づいて説明する。図12は、機構板105の背面下部を背面側から見た状態を示す要部斜視図である。図13は、図12のC−C断面図である。
図12に示されるように、機構板105の背面下部(図12中下側)には、背面側から見て左側に電源基板ケース910aが取付けられるとともに、右側に払出制御基板ケース37aが取付けられる。具体的には、図13に示されるように、機構板105の内部を前後方向に仕切るように配設された仕切り板180の背面側の取付面180a,180bにそれぞれ取付けられる。機構板105を背面側から見て右側の取付面180bは、取付面180aから背面側に膨出した膨出部に形成されている。なお、仕切り板180を挟んで反対側、つまり、機構板105の前面下部(図13中上側)には前述した合流通路163、および、入賞球回収路164等が形成されているが、図13においてはそれらの図示を省略している。
取付面180aの左側端部に設けられる側板181には、電源基板ケース910aの左側辺の上下に設けられる差込片185aが挿入される差込穴182が形成されている。また、取付面180aの右側には、電源基板ケース910aの右側辺に設けられる押え片185bに係脱可能に設けられた押え用レバー183が、取付板180から背面側に向けて突設された前後方向を向く軸を中心に回動自在に設けられている。
取付面180bには、払出制御基板ケース37aの裏面に突設され、後述するスライド方向(図中左側)に向けて屈曲するフック189を挿通可能とするフック挿通用スリット190(図44参照)が左右方向に向けて形成されている。また、フック挿通用スリット190の右側には、払出制御基板ケース37aの右側面に当接して突っ張り可能な突張りレバー184が、取付板180から背面側に向けて突設された前後方向を向く軸を中心に回動自在に設けられている。
電源基板ケース910aの表面右側には、払出制御基板ケース37aが配置される段部186が形成されている。また、段部186における右側面には、払出制御基板ケース37aの左側辺から突設される係止片188が挿入可能な係止用スリット187が形成されている。なお、この段部186の背面は、取付面180aに取付けた状態において、取付面180bとほぼ面一をなす前後位置に形成されており(図13(b)参照)、払出制御基板ケース37aの取付面の一部を構成するようになっている。
ここで、図13に基づいて、電源基板ケース910aおよび払出制御基板ケース37aの機構板105への取付方法を説明する。
まず、図13(a)に示されるように、電源基板ケース910aの左側の差込片185aを差込穴182に挿通した状態で、取付面180aに向けて電源基板ケース910aの裏面を当接させる。そして、押え用レバー183を回転させて横向きにし、押え片185bを係止する。この状態で、電源基板ケース910aは取付面180aに仮止めされた状態となるとともに、段部186の背面は取付面180bとほぼ面一をなす。
次いで、図13(b)に示されるように、フック189をフック挿通用スリット190に挿通させて払出制御基板ケース37aの背面を取付面180bに当接させる。この状態で、該取付面180bの左側方に配置された段部186に向けて、払出制御基板ケース37aを取付面180bに押し当てた状態でスライド移動させる。
そして、図13(c)に示されるように、払出制御基板ケース37aの係止片188が係止用スリット187内に挿入されて左側面が段部186の右側面に当接した状態で、突張りレバー184を回転させて横向きにし、払出制御基板ケース37aを電源基板ケース910a側に向けて押圧する突っ張り位置に位置させる。
これにより、払出制御基板ケース37aは、フック189の係止作用により背面側への離脱が防止されるとともに、突張りレバー184により左右方向への移動が規制され、取付け位置に保持される。また、電源基板ケース910aは、差込片185aおよび押え用レバー183により取付面180aからの離脱および左右方向のスライド移動が規制されるとともに、その背面側の一部を覆うように取付けられた払出制御基板ケース37aにより取付面180aからの離脱が規制されるため、たとえば押え用レバー183による押さえ忘れがあっても、払出制御基板ケース37aが突張りレバー184を介して背面側に取付けられることで離脱が防止される。
このように、2つの制御基板ケース910a,37aのうち一方の制御基板ケース910aの背面側に段部186を設け、他方の制御基板ケース37aの一部を該段部186に当接するように背面側から覆うように取付けできるようにする、すなわち、双方の制御基板ケース910a,37aの一部を互いに左右およびケースの厚み方向に重合させてスペース効率よく配設することができるばかりか、双方の制御基板ケース910a,37aを互いに係合させて取付けるため、各制御基板ケースそれぞれに対応した取付け部材等を取付面に設ける必要がないので、取付け構造を簡素化できる。
さらに、2つの制御基板ケース910a,37aのうち不正行為が行なわれる可能性が高い制御基板ケースである払出制御基板ケース37aの方を背面側から覆うように取付けるようにすることで、万が一払出制御基板ケース37aに何らかの不正行為が行なわれた場合においても早期のうちに発見することができる。一方、電源基板ケース910aに不正行為が行なわれたとしても制御に異常が生じることは少ないので、不正行為が行なわれる可能性は極めて少ないため、電源基板910の一部が払出制御基板ケース37aにより被覆されても問題はない。
〔前面枠の前面に対する各種部品の取付構造〕
次に、前面枠101の前面側から取付けられる各種部材について、図14に基づいて説明する。図14は、前面枠の前面に組み付けられる各種部材を示す分解斜視図である。
前面枠101の上部左右側に形成されたスピーカ取付穴115,115には、前述したように、スピーカユニット27a,27aが前面側から取付けられる。スピーカユニット27aの上面には、スピーカ取付穴115,115の上部内面に形成された前後方向を向く位置決め片27cに嵌合可能な位置決め溝27bが、上面後端から前方に向けて凹設されている。よって、スピーカユニット27aは、位置決め溝27bを位置決め片27cに合わせた状態で前面枠101の前面側からスピーカ取付穴115,115に向けて後部を挿入することにより、位置決め溝27bの前壁が位置決め片27cの前端に当接規制されることにより前後位置が決定されるとともに、スピーカ取付穴115,115に対してガタツキなく嵌合される。
この状態で、スピーカユニット27aに形成された各取付ネジ孔27dにスピーカ取付ネジ27eを取付け、前面枠101に設けられたネジ孔27fにそれぞれ螺入することで前面枠101に取付けられる。このようにスピーカ取付穴115,115に取付けられた状態において、スピーカユニット27aの後部が前面枠101の裏面から背面側に向けて張出すようになっている。
なお、スピーカユニット27aは、スピーカ27の音出力部(コーン正面)が前面に開放されるように、後方の本体部が箱状のカバー体(エンクロージャ)内に収納されて一体化されたものであるため、スピーカのコーンから正面に出る音と背面に出る音とが効果的に遮断され、これにより音が打ち消しあうことが防止されることで、特に低音域の音質が効果的に向上されるようになっている。なお、スピーカユニット27aの前面におけるスピーカ27の音出力部(コーン)の外側方には、カバー体(エンクロージャ)の内部(スピーカ背面)に連通する縦長長方形状の開口部が形成されており、背面からの音も利用して低音再生が行なわれることで、より音質が向上するようになっている。
また、左右のスピーカユニット27a,27aの間には、スピーカユニット27aから延出される配線を被覆するスピーカ配線カバー400が、スピーカユニット27aの中央側を取付ける取付ネジ27eにより取付けられるとともに、左側のスピーカユニット27aの近傍に取付けられるスピーカ中継基板401が、スピーカ配線カバー400により被覆されるようになっている。
前面枠101の前面における遊技用開口114の左側には、該前面枠101を補強する上下方向を向く上前面枠補強板金402がネジを介して取付けられる。上前面枠補強板金402の下端には、上皿扉枠103の上端を回動自在に枢支する中ヒンジ板金403が取付けられる。中ヒンジ板金403の下方位置には、上皿扉枠103の下端を回動自在に枢支する下ヒンジ板金404が取付けられている。また、上前面枠補強板金402よりも中央側には、破損防止カバー405が取付けられている。
払出連通口112aの近傍には、シリアル中継基板406が取付けられるとともに、その前方には貯留カバー407が取付けられる。貯留カバー407は、ガラス扉枠102の開放時に払出連通口112aからこぼれた賞球を賞球返却口113aに誘導する賞球返却通路407aが背面側に形成されているとともに、この前面側に配置される打球供給皿3の裏面に形成される球抜き口113と対向する箇所に該球抜き口113と連通する球抜き連通口407bが形成されており、背面側に形成されるファール球誘導通路118に連通されている。
貯留カバー407の右側には、打球誘導レール117を構成する発射点レール408が取付けられる。さらに発射点レール408の右側には、上皿扉枠103をロックするロック装置のロック片(図示省略)が係止される被係止部を有する上皿ロック409が取付けられている。上皿ロック409の前方には錠前飾り411が取付けられている。なお、遊技用開口114の内周左右側には、遊技盤6の帯電を防止するための中アース板金410,410がそれぞれ取付けられている。
〔前面枠の背面に対する各種部品の取付構造〕
次に、前面枠101の背面側から取付けられる各種部材について、図15に基づいて説明する。図15は、前面枠の背面に取付けられる各種部品を示す分解斜視図である。なお、図15においては、前面枠101の背面を正面から見た状態として説明する。
前面枠101の背面上部におけるスピーカ取付穴115,115間には、ドアスイッチを構成するスイッチバー415、前板スイッチバネ416、および、ドアスイッチカバー417が取付けられている。スイッチバー415は、棒材により構成されており、前後方向を向いた態様で、前板スイッチバネ416により前面側に向けて付勢された状態で設けられている。そして、通常状態においてスイッチバー415は、その前端が前面枠101の前面側に突出しており、前面枠101の前面側に配置されるガラス扉枠102が閉状態となったときに、ガラス扉枠102の背面所定箇所に当接し、前板スイッチバネ416の付勢力に抗して背面側に向けて移動されるようになっている。
また、ガラス扉枠102により背面側に押圧された状態において、スイッチバー415の後端はドアスイッチカバー417から貫通して背面側に突出されるとともに、この状態において、前面枠101の背面側に配置される機構板105に設けられた後述する前板スイッチ7060を押圧するようになっている。
すなわち、ガラス扉枠102が開放されたときには、スイッチバー415の前端は開放されるので、前板スイッチバネ416の付勢力により前方に付勢され、後端は前板スイッチ7060から離脱されるので、前板スイッチ7060により、ガラス扉枠102が開放された状態が検出されるようになっている。
また、ガラス扉枠102が閉状態であるときにおいては、スイッチバー415の後端は前板スイッチ7060を押圧する状態で保持される。機構板105が開放された場合には、スイッチバー415は保持されたままであるが、その後端から前板スイッチ7060が機構板105とともに離脱されるため、前板スイッチ7060により、機構板105が開放された状態も検出できる。
前面枠101における左右のスピーカ取付穴115,115は、前面枠101の上部背面から後向きに突設された膨出壁からなる膨出部121,121の内部にそれぞれ形成されている。膨出部121,121の背面におけるスピーカ取付穴115,115の背面側における開口123の側方に形成された垂直面122および左側下部には、機構板105を前面枠101の背面に近接配置した状態で保持するための機構板止め具418a,418bがそれぞれ突設されている。遊技用開口114の右側上下位置には、機構板105の右側辺の上下端部を回動自在に支持する上機構板ヒンジ419aおよび下機構板ヒンジ419bがそれぞれ突設されている。
また、前面枠101の背面右側上下角部には、外枠100に対して前面枠101を回動自在に枢支するための上内蝶番420aおよび下内蝶番420bが取付けられている。また、上機構板ヒンジ419aの近傍には上アース板金421aが取付けられ、背面左下角部には下アース板金421bが取付けられている。
遊技用開口114の周囲には、遊技盤6を遊技用開口114に対して着脱自在に保持するための上下一対の左遊技盤押え部材422aおよび右遊技盤押え部材422bがそれぞれ4箇所に設けられている。また、背面左側には、外枠100に対して前面枠101を施解錠可能であるとともに、前面枠101に対してガラス扉枠102を施解錠可能な施解錠装置423が、左側辺部に沿って上下方向に設けられている。施解錠装置423は、全部または一部が、たとえば、合成樹脂製のカバーで覆われている。特に、施解錠装置423は、合成樹脂製のカバーで錠の機構部分を覆うようにするのが好ましい。
背面右側には、下前面枠補強板金424が上下方向に向けて取付けられている。また、余剰球誘導通路130における段部141(図8参照)の近傍には、前述した満タンスイッチ19、スイッチ片19a、前面枠中継基板424aが配設されている。また、アウト球誘導通路132の上流側端部近傍に形成された凹部には、遊技盤6の下部を保持するためのセンターフック425が配設されているとともに、その下方には配線押さえ426が取付けられている。
なお、バックプレート135、流し部材136に係わる部材に関しては、図6において説明済みであるため、ここでは同様の符号を付すことによりその説明は省略するものとする。
〔ガラス扉枠構造〕
次に、図16〜図19に基づいて、ガラス扉枠102の構造を説明する。図16は、前板飾りの前面に取付けられる各種部品を示す分解斜視図であり、図17は、(a)が前板ベースの背面に取付けられる各種部品を示す分解斜視図であり、(b)が前板ベースの前面に取付けられる各種部品を示す分解斜視図である。図18は、前板飾りと前板ベースとの組み付け状態を示す斜視図である。図19は、前板ベースの前面に取付けられる各種部品の一部および背面に配置されるLED基板を示す分解斜視図である。
ガラス扉枠102は、図18に示されるように、遊技者側から遊技盤6の表面に形成された遊技領域7を透視可能とするための円形状の透視用開口450aが中央に形成された前板飾り451(図16参照)と、前板飾り451の背面に取付けられ、円形状のガラス窓取付用開口452aが中央に形成された前板ベース452(図17参照)とから構成される。これら各部材451,452に形成される透視用開口451aおよびガラス窓取付用開口452aは、その円弧の下部が各部材の下端辺から下方に向けて湾曲状に張出すように形成されている。前板飾り451は、メッキ(銀メッキ)処理が施され、複数の開口部(後述する照射用開口611)が形成された枠部材であり、メッキ枠部材ともよばれる。
まず、図16に基づいて前板飾り451の構造を説明すると、透視用開口451aの上方左右側には、スピーカ27から出力される音を前方に向けて放音させるための円形状の放音穴453,453がそれぞれ形成されている。また、左右の放音穴453,453の間には、後述するトップレンズが背面側から嵌合されるトップレンズ取付部464が前面側に突出するように形成されている。
前板飾り451の前面における透視用開口451aの周囲には、放音穴454が上部に形成された左上クリアベース455aおよび右上クリアベース455bと、これら左上クリアベース455aおよび右上クリアベース455bの下方に配置される左下クリアベース456aおよび右下クリアベース456bとが取付けられる。つまり、左上クリアベース455aと左下クリアベース456aとが上下方向に並ぶ態様で取付けられる。また、右上クリアベース455bと右下クリアベース456bとが上下方向に並ぶ態様で取付けられる。
図19に示すように、左上クリアベース455aおよび左下クリアベース456aの外側(左側)と、右上クリアベース455bおよび右下クリアベース456bの外側(右側)とのそれぞれには、横断面略凹溝状のレンズ配置部610が上下方向に延在する態様で形成されている。詳しくは、左上クリアベース455aおよび左下クリアベース456aの外側のレンズ配置部610には、上下方向に延びる棒状(直線状)のサイドインナーレンズ457a,457cが上下方向に並ぶ態様で配置される。サイドインナーレンズ457a,457cの前面側には、透明な合成樹脂材からなる帯状の左サイドレンズ458aが取付けられている。また、右上クリアベース455b、右下クリアベース456bの外側のレンズ配置部610には、上下方向に延びる直線状のサイドインナーレンズ457b,457dが上下方向に並ぶ態様で配置され、その前面側には、透明な合成樹脂材からなり、上下方向に延在する態様の帯状の右サイドレンズ458bが取付けられる。サイドインナーレンズ457a〜457dは透光性材からなる導光部材として用いられ、左サイドレンズ458a,右サイドレンズ458bは、透光性材からなる透光カバー部材として用いられている。
なお、これら左右のレンズ配置部610のそれぞれには、後述する6個の第1反射部612および5個の第2反射部613が長手方向に向けて交互に形成されている。このようなレンズ配置部610の表面は、メッキ処理が施されている。
棒状のサイドインナーレンズ457a,457cにより、その背面側に6個配置される左枠LED28bの光が上下方向に拡散される。また、棒状のサイドインナーレンズ457b,457dにより、その背面側に6個配置される右枠LED28cの光が上下方向に拡散される。
図16に示すように、前板飾り451の前面側の4隅には、ガラス扉枠102を回動するためのヒンジ(図示省略)および回動軸の他端を係合する係合部を被覆する4つのヒンジカバー459a〜459dがそれぞれ取付けられている。
放音穴453,453とトップレンズ取付部464との間には、透明なレンズからなり、LEDの光を透過可能な飾り部材460,460が取付けられる。左右の放音穴453,453の前面側には、スピーカ27のコーン等を保護するためのスピーカネット461が取付けられるとともに、放音穴453,453の周囲を装飾する上ストラクチャー462a,462bが取付けられる。また、下部左右側には、フレーム構造をなす下ストラクチャー462c,462dが取付けられる。
さらに、前板飾り451の前面側において、透視用窓451aの左側部に設けられる各種部材を前面側から被覆する透明な左クリアレンズ463aが、左サイドレンズ458a等の前面側に取付けられる。また、前板飾り451の前面側において、透視用窓451aの右側部に設けられる各種部材を前面側から被覆する透明な右クリアレンズ463bが、右サイドレンズ458b等の前面側に取付けられる。また、左クリアレンズ463aを通して上ストラクチャー462aおよび下ストラクチャー462cが視認可能とされている。また、右クリアレンズ463bを通して上ストラクチャー462bおよび462dが視認可能とされている。上ストラクチャー462a〜462dは、ガラス扉枠102の前面に露出した状態で設けられる左クリアレンズ463aおよび右クリアレンズ463bを補強することができる部材である。具体的には、固定ピン等の固定部材を用いて、上ストラクチャー462a〜462dを少なくとも2点で固定すればよい。
また、上記各種レンズは、LEDからの光を透光可能な透光性を有する合成樹脂材等により構成されていればよい。
次に、図17に基づいて前板ベース452の構造を説明すると、図17(a)に示されるように、ガラス窓取付用開口452aには、透明なガラス窓(図示省略)が背面側から取付けられ、ガラス窓取付用開口452aの周囲4箇所に設けられた窓押さえ470により保持されるようになっている。また、ガラス窓取付用開口452aの上部左右側には円筒状の放音穴471が形成されている。
前板ベース452の背面側における左側辺部には、上下方向に延在する態様の帯状の左前板補強板金472aがネジにより取付けられ、前板ベース452が補強されている。前板ベース452の背面側における右側辺部には、上下方向に延在する態様の帯状の右前板補強板金472bがネジにより取付けられ、前板ベース452が補強されている。また、前板ベース452の背面側における上辺部には、左右方向に延在する態様の帯状の上前板補強板金472cがネジにより取付けられ、前板ベース452が補強されている。
図17(b)に示されるように、前板ベース452の前面下辺部には、下前板補強板金472dが前面側から取付けられて補強されている。前面における左右の放音穴471,471間には、天枠LED28aが前面に複数実装された中前板天基板473a、ならびに、その中前板天基板473aの左右側に配設される左前板天基板473bおよび右前板天基板473cが取付けられている。そして、左前板天基板473bの前面側には、左天基板シート474aが取付けられる。右前板天基板473cの前面側には、右天基板シート474bが取付けられる。
前板ベース452の前面左右辺部には、左前板基板475aと右前板基板475bとが取付けられる。左前板基板475aは、複数の左枠LED28bおよび1つの賞球LED51が前面に実装され、上下方向に延在される。右前板基板475bは、複数の右枠LED28cおよび1つの球切れLED52が前面に実装され、上下方向に延在される。左前板基板475aの前面側には、左前板基板シート476aが取付けられる。右前板基板475bの前面側には、右前板基板シート476bが取付けられる。
このように構成された前板飾り451および前板ベース452は、図18に示されるように、前板ベース452の前面と前板飾り451の背面とを互いに当接させた状態でネジ止めすることにより一体化されて、ガラス扉枠102として構成される。前板飾り451の上部に設けられたトップレンズ取付部464には、トップレンズ480、トップレンズカバー481、および、トップレンズベース482が背面側から取付けられ、これらトップレンズ480、トップレンズカバー481、トップレンズベース482が取付けられた状態で前板飾り451と前板ベース452とが一体化される。
トップレンズ取付部464は、トップレンズ480が臨む開口が形成され、当該開口にトップレンズ480を固定する固定部が形成されている。当該固定部は、基端が開放し、先端が収束してなるコ字形の枠部分を一対配置して構成されている。トップレンズ480は、コ字形部分に相当する形状の段部が形成され、前述のコ字形の枠部分に嵌合するようになっている。また、トップレンズ480は、カップ状に形成された複数の透光部材により構成されている。トップレンズベース482は、トップレンズ480における複数の透光部材に対応する数の突起を有する。この突起内に発光体が配置される。トップレンズベース482は、前述の突起がトップレンズ480内に当接してトップレンズ480をトップレンズ取付部464に固定している。トップレンズ480、トップレンズカバー481、および、トップレンズベース482のそれぞれは、透明部材よりなり、多重に重ねられた透明部材によって光を複雑に反射させるようになっている。
また、前板飾り451の前面下辺部には、下飾り483が配置され、該下飾り483の裏面に、前板飾り451と前板ベース452とを一体化するためのネジが螺入されるようになっている。また、前板ベース452の背面における左前板補強板金472a背面には、前板返し板金477が取付けられる。
〔左右発光部構造〕
次に、図20〜図25に基づいて、左発光部28Lおよび右発光部28Rの詳細な構造を説明する。図20は、前板飾りの前面を示す要部拡大正面図である。図21は、前板飾りに対するサイドインナーレンズの取付状態を示す要部拡大斜視図である。図22は、図20のA−A断面図である。図23は、(a)が図22のB−B断面図、(b)が図22のC−C断面図、(c)が図22のD−D断面図である。図24は、サイドインナーレンズにおける導光状態を示す断面図である。図25は、サイドインナーレンズの発光状態を示す概略図である。
図23(a)における図22のB−B断面図および図23(c)における図22のD−D断面図は、図示を明確にするために、後述する第1の凹部603および第2の凹部604の上下中央位置よりもやや下方位置で切断した状態を示す断面図としている。
また、左発光部28Lおよび右発光部28Rの構造はほぼ同様であるため、ここでは右発光部28Rについて説明し、左発光部28Lの構造の詳細な説明は省略する。また、右発光部28Rに設けられるサイドインナーレンズ457b,457dは上下対象に形成されているため、図20〜図25においては、両者のうち下方のサイドインナーレンズ457dの詳細な構造のみを説明し、サイドインナーレンズ457bの詳細な説明は省略することとする。
右発光部28Rには、図20に示されるように、前述した導光部材としてのサイドインナーレンズ457b,457d(サイドインナーレンズ457bは図示省略)、および、その背面(裏面)側に配置される右枠LED28cから主に構成される直線発光部600が、前板飾り451における右側辺に沿って上下方向に設けられている。
サイドインナーレンズ457dは、特に図21に示されるように、透明な合成樹脂材により棒状に形成されている。詳しくは、帯状に形成される板状部601と、板状部601の左右方向の前面中央部から前方に向けて突出形成される中央リブ602Cと、板状部601の左右方向の前面端部からそれぞれ外側斜め前方に向けて突出形成される左リブ602Lおよび右リブ602Rとが、一体成形により構成されている。つまり、上下方向に延設されるサイドインナーレンズ457dは、左右方向に並設されるとともに、それぞれの後端が一体化されてなる3本の左リブ602L、中央リブ602C、および、右リブ602Rにより構成されている。左リブ602Lおよび右リブ602Rは、中央リブ602Cに対して所定角度傾斜した状態で設けられているため、左リブ602Lと中央リブ602Cとの間、および、右リブ602Rと中央リブ602Cとの間には、断面略三角形状をなす空間が上下方向に向けて延在する態様で形成されている。
これら左リブ602L、中央リブ602C、および、右リブ602Rの前端面、ならびに、板状部601の裏面には、長手方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており(図22参照)、内部の光が外方に放射されるようになっている。
サイドインナーレンズ457dの裏面には、板状部601裏面から左リブ602L、中央リブ602C、および、右リブ602Rの基部までの深さを有するとともに、左右幅方向に延びる3個の第1の凹部603および2個の第2の凹部604(図19参照)が、長手方向に向けて所定間隔おきに交互に凹設されている。また、サイドインナーレンズ457dの表面側における第1の凹部603に対応する箇所には、第1の凹部603を形成するための第1の凸部605が、左リブ602Lと中央リブ602Cとの間および右リブ602Rと中央リブ602Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されている。サイドインナーレンズ457dの表面側における第2の凹部604に対応する箇所には、第2の凹部604を形成するための第2の凸部606が、左リブ602Lと中央リブ602Cとの間および右リブ602Rと中央リブ602Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されている。
第1の凹部603は、図21および図24に示されるように、垂直導入面607aと、上水平導入面607bと、下水平導入面607cとの3つの面により側面視略コ字形に形成された照射光導入面を構成している。垂直導入面607aは、サイドインナーレンズ457dを取付けた状態でパチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く方向に形成された面である。上水平導入面607bは、垂直導入面607aの上端から裏面側に向けて形成された面である。下水平導入面607cは、サイドインナーレンズ457dを取付けた状態でパチンコ遊技機1の底面に対して水平方向を向く垂直導入面607aの下端から裏面側に向けて形成された面である。このような第1の凹部603では、その裏面側に配置される右枠LED28cからの照射光が該サイドインナーレンズ457d内部に導入されるようになっている(図24参照)。
なお、垂直導入面607aには上下方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。
第2の凹部604は、垂直反射面608aと上傾斜反射面608bと下傾斜反射面608cとの3つの面によりなる反射面を構成している。垂直反射面608aは、サイドインナーレンズ457dを取付けた状態でパチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く方向に形成された面である。上傾斜反射面608bは、垂直反射面608aの上端から裏面側に向けて上方に傾斜する面である。下傾斜反射面608cは、垂直反射面608aの下端から裏面側に向けて下方に傾斜する面である。第2の凹部604は、第1の凹部603により形成される照射光導入面からサイドインナーレンズ457dの内部に導入されてサイドインナーレンズ457d内部を長手方向に向けて誘導された光をパチンコ遊技機1の前面側に向けて反射するようになっている。
なお、本実施の形態では、垂直反射面608aにはローレット加工が施されていないが、該垂直反射面608aの上下方向にわたりローレット加工を施し、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されるようにしてもよく、このようにすることで内部の光が外方に放射されるため、第2の凸部606における輝度を高めることができる。
サイドインナーレンズ457dの下端には、前記第2の凹部604の上半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面608a’(図示省略)と上傾斜反射面608b’(図示省略)とからなる第2の半凹部604’が形成されているとともに、その前面側には、該第2の凹部604’を形成するための第2の半凸部606’(図20、図25参照)が凸設されている。
なお、特に図示はしないが、サイドインナーレンズ457dと上下対象に形成されるサイドインナーレンズ457bの上端にも、第2の半凹部604’および第2の半凸部606’が同様に形成されている。
また、特に図示はしないが、サイドインナーレンズ457dの上端には、第2の凹部604の下半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面608a’(図示省略)と下傾斜反射面608c’(図示省略)とからなる第2の半凹部604’(図示省略)が形成されているとともに、その前面側には、該第2の半凹部604’(図示省略)を形成するための第2の半凸部606’(図示省略)が凸設されている。
また、サイドインナーレンズ457dと上下対象に形成されるサイドインナーレンズ457bの下端には、特に詳細な図示はしないが、前記第2の凹部604の上半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面608a’(図示省略)と上傾斜反射面608b’(図示省略)とからなる第2の半凹部604’(図示省略)が形成されているとともに、その前面側には、該第2の半凹部604’(図示省略)を形成するための第2の半凸部606’(図示省略)が凸設されている。このため、これらサイドインナーレンズ457dの上端に形成される第2の半凹部604’とサイドインナーレンズ457bの下端に形成される第2の半凹部604’とにより、互いの上下端部同士を付き合わせたときに1つの第2の凹部604および第2の凸部606が形成されるようになっている。
一方、前板飾り451の前面には、図21に示されるように、サイドインナーレンズ457dを前方から配置可能な前述のレンズ配置部610が、前板飾り451の右側辺に沿って上下方向に向けて延設されている。レンズ配置部610は、サイドインナーレンズ457dが配置された状態において板状部601の裏面と当接する底壁面610aと、左リブ602Lの外面および右リブ602Rの外面それぞれと当接する傾斜壁面610b,610cとを含み、これらが、前方に開放する態様の横断面略凹溝状に形成されている。
底壁面610aには、該底壁面610aの裏面側に配置される各右枠LED28cとの対向位置に、該右枠LED28cの照射面を前方に露呈させるための照射用開口611が上下方向にわたって複数形成されており、上下方向に向けて所定間隔おきに配設された各右枠LED28cからの照射光を前方に向けて照射させることができるようになっている。各サイドインナーレンズは、このような複数の照射用開口611を前板飾り451の前面側において一体的に覆うような態様で設けられている。
照射用開口611の前方には、サイドインナーレンズ457dが配置された状態において、第1の凹部603内に収容されて係合する三角柱状の照射光反射部612が左右方向に向けて架設されている。照射光反射部612は、メッキが施された反射部材であり、非透光性の部材である。この照射光反射部612の裏面側には、図24に示されるように、裏面側に向けて下方に傾斜する上照射光反射面612bと、裏面側に向けて上方に傾斜する下照射光反射面612cとがそれぞれ形成されている。上照射光反射面612bは、右枠LED28cからの照射光を、該第1の凹部603の上方に設けられた第2の凹部604の下傾斜反射面608cに向けて反射させ、上水平導入面607bに入射させる。下照射光反射面612cは、右枠LED28cからの照射光を、該第1の凹部603の下方に設けられた第2の凹部604の上傾斜反射面608bに向けて反射させ、下水平導入面607cに入射させるようになっている。
また、底壁面610aには、サイドインナーレンズ457dが配置された状態において、第2の凹部604内に嵌合される補助反射部613が前方に向けて凸設されている。補助反射部613は、サイドインナーレンズ457dが配置された状態でパチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く垂直補助反射面613aと、該垂直補助反射面613aの上端から裏面側に向けて上方に傾斜する上補助反射面613bと、該垂直補助反射面613aの下端から裏面側に向けて下方に傾斜する下補助反射面613cとにより、縦断面略三角形状に形成されている。サイドインナーレンズ457dが配置された状態において、垂直補助反射面613aは垂直反射面608aの裏面に当接し、上補助反射面613bは上傾斜反射面608bの裏面に当接し、下補助反射面613cは下傾斜反射面608cの裏面に当接する。
また、底壁面610aの下端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部613の上半分、つまり上下幅寸法が垂直補助反射面613aの上下幅寸法の半分の垂直補助反射面613a’(図示省略)と上補助反射面613b’(図示省略)とからなる半補助反射部613’(図22参照)が形成されている。サイドインナーレンズ457dが配置された状態において、サイドインナーレンズ457dの下端の垂直反射面608a’(図示省略)が垂直補助反射面613a’(図示省略)に当接もしくは近接し、上傾斜反射面608b’(図示省略)が上補助反射面613b’(図示省略)に当接もしくは近接するようになっている。たとえば、サイドインナーレンズ457dと、底壁面610aとが当接するときには、反射面608a’〜 608c’と反射面613a’〜 613c’とが所定の間隔で形成されるようになっている。これにより、たとえば、下傾斜反射面608b’を通過した光が、間隙を前面側(図24における左側)に屈折(境界面における屈折光)し、下補助反射面613b’で反射して、再び下傾斜反射面608b’に入射するので、間隙がない場合に比べて、補助反射部613の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
また、底壁面610aの上端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部613の下半分、つまり上下幅寸法が垂直補助反射面613aの上下幅寸法の半分の垂直補助反射面613a’(図示省略)と下補助反射面613c’(図示省略)とからなる半補助反射部613’(図示省略)が形成されている。サイドインナーレンズ457bが配置された状態において、サイドインナーレンズ457bの上端の垂直反射面608a’(図示省略)が垂直補助反射面613a’(図示省略)に当接もしくは近接し、また、下傾斜反射面608b’(図示省略)が下補助反射面613b’(図示省略)に当接もしくは近接するようになっている。このように反射面間を所定の間隔で形成すると、前述した場合と同様の理由に基づいて、発光する部分の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
レンズ配置部610を構成する前板飾り451と、照射光反射部612および補助反射部613とのそれぞれは、非透光性の合成樹脂材により構成されており、底壁面610a、傾斜壁面610b,610cおよび上記各反射面612a〜612c,613a〜613cにはメッキ処理が施されている。これにより、サイドインナーレンズ457d内部から放射される光が、損失されることなく効率よく反射して再度内部に入射されることとなる。
次に、上述のように構成されたサイドインナーレンズ457d、前板飾り451、右枠LED28cの詳細な構造および互いの配置関係等について説明する。
図20に示されるように、サイドインナーレンズ457dの表面側には、第1の凸部605(第1の凹部603)と第2の凸部606(第2の凹部604)とがそれぞれ上下方向に向けてほぼ一定間隔おきに交互に形成されている。図20の拡大図には、左リブ602L、中央リブ602C、右リブ602R、第1の凸部605、および、第2の凸部606に係る寸法(単位はmm)が記載されている。これらの寸法は小数第2以下を四捨五入した寸法としている。
第1の凹部603および第2の凹部604は、図22および図24に示されるように、裏面側に向けて開放する凹溝状に形成されている。詳しくは、第1の凹部603を構成する垂直導入面607aの上下幅寸法L1は約5mmであり、上水平導入面607bおよび下水平導入面607cの前後幅寸法L2は約2.5mmとされている。
この第1の凹部603内に収容される照射光反射部612の垂直反射面612aの上下幅寸法は、前記垂直導入面607aの上下幅寸法L1よりも短寸とされており、垂直反射面612aの上端と上水平導入面607bとの間、および、垂直反射面612aの下端と下水平導入面607cとの間には僅かな隙間(所定距離の隙間)が形成されている。よって、右枠LED28cからの照射光がこの僅かな隙間から照射光反射部612よりも前方(パチンコ遊技機1の前方)に向けて放射される。
照射光反射部612は、上照射光反射面612bと下照射光反射面612cとの接合端辺、すなわち頂辺が、底壁面610aよりもやや前方(パチンコ遊技機1の前方)に位置するように設けられている。また、上水平導入面607bに対する上照射光反射面612bの傾斜角度、および、下水平導入面607cに対する下照射光反射面612cの傾斜角度θ1は、それぞれ約45度とされている。各右枠LED28cは、光を前方に向けて略水平(パチンコ遊技機1の底面に対して水平)に照射、すなわち、垂直導入面607aに対して直交方向(交差方向)に照射するように配置されている。したがって、右枠LED28cからの照射光は、上照射光反射面612bと下照射光反射面612cとによりそれぞれ上下方向に反射される。
第2の凹部604を構成する垂直反射面608aの上下幅寸法L4は約1.8mmであり、上傾斜反射面608bの上下幅寸法L5および下傾斜反射面608cの上下幅寸法L6、すなわち、上傾斜反射面608bおよび下傾斜反射面608c上下の端辺間の垂直幅寸法はそれぞれ約2.5mmであり、上傾斜反射面608bの上端辺と下傾斜反射面608cの下端辺との間の上下幅(垂直幅)寸法L3(L3=L4+L5+L6)は約6.8mmとされている。
また、上下方向を向くサイドインナーレンズ457d(板状部601)の裏面に対する上傾斜反射面608bおよび下傾斜反射面608cの傾斜角度θ2はそれぞれ約135度とされている。つまり、サイドインナーレンズ457d(板状部601)の裏面に対して直交する水平面に対する上傾斜反射面608bおよび下傾斜反射面608cの傾斜角度はそれぞれ約45度である。このため、上水平導入面607bおよび下水平導入面607cのそれぞれに対して直交方向に入射した光を前方に向けて効率よく反射させることができる。
図22に示されるように、複数の右枠LED28cが前面における長手方向に向けて所定間隔おきに複数配置された右前板基板475bは、レンズ配置部610の裏面側に近接配置されているとともに、各右枠LED28cが底壁面610aに形成された各照射用開口611に臨むように配設されている。各照射光反射部612の裏面側には右枠LED28cがそれぞれ配設されているが、補助反射部613の裏面側には右枠LED28cは配設されない。各右枠LED28cは、光を前方に向けて略水平に照射する態様、すなわち、垂直導入面607aに対して直交方向に照射する態様で配置されている。
サイドインナーレンズ457dは、図21に示されるように、裏面に形成された第1の凹部603を照射光反射部612に対向させるとともに、第2の凹部604を補助反射部613に対向させた状態で、レンズ配置部610の前面側から配置する(図20参照)。サイドインナーレンズ457dは、レンズ配置部610内に配置された状態において、板状部601の裏面が底壁面610aに当接し、左リブ602Lの裏面が傾斜壁面610bに当接し、右リブ602Rの裏面が傾斜壁面610bに当接し、第1の凹部603内に照射光反射部612が収容されて嵌合し、第2の凹部604内に補助反射部613が嵌合する(図22参照)。なお、サイドインナーレンズ457a〜457dのそれぞれと、レンズ配置部610とを電気的に接続し、サイドインナーレンズ457a〜457dのそれぞれがレンズ配置部610を介して電気的に接地(アース)されるような構成を採用してもよい。
次に、サイドインナーレンズ457dの発光態様について、図24および図25に基づいて説明する。なお、図25においては、主に発光している領域が白色で示され、ほとんど発光していない領域が黒色で示されている。
図24に示されるように、サイドインナーレンズ457dに対する光の供給は、各第1の凹部603から行なわれる。右枠LED28cから照射された光は、前方に向けてほぼ水平に照射されるため、照射用開口611を通過した光は主に上照射光反射面612bおよび下照射光反射面612cにより上方および下方に向けて反射する。照射方向とほぼ平行な上水平導入面607bに対する上照射光反射面612bの傾斜角度および下水平導入面607cに対する下照射光反射面612cの傾斜角度θ1=45度であるため、反射光は上水平導入面607bおよび下水平導入面607cに対してほぼ直交する方向に反射する。
これにより、上水平導入面607bおよび下水平導入面607cに対する入射光の入射角が0度となるため、入射光は、上水平導入面607bおよび下水平導入面607cによりほぼ屈折することなく、上方および下方に向けてほぼ垂直に入射し、そのまま直線的に進む。
下水平導入面607cから入射した入射光は、下方に向けてほぼ垂直方向(パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向)に進み、下水平導入面607cの直下に配設された上傾斜反射面608bに入射する。この入射光の光路は、上傾斜反射面608bの法線Hに対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーがすべて反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、該上傾斜反射面608bの前方位置、すなわち、第2の凸部606の上部付近がその周辺に比べて強く発光する(図25参照)。
なお、上水平導入面607bから入射した入射光は、上方に向けてほぼ垂直に進み、該上水平導入面607bの直上に配設された別の下傾斜反射面608c(図示省略)に入射する。この入射光の光路は、下傾斜反射面608cの法線Hに対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーがすべて反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、該下傾斜反射面608cの前方位置、すなわち、第2の凸部606の下部付近がその周辺に比べて強く発光する(図25参照)。
右枠LED28cから照射された光は、前述のようにすべてが上下の照射光反射面612b,612cに向けて水平に照射されるわけではなく、上水平導入面607bや下水平導入面607cに対して斜めに入射する光もあるため、これら光は、レンズ内部に透過され、または反射することになる。
また、右枠LED28cからの照射光、上水平導入面607bで反射した反射光、または、下水平導入面607cで反射した反射光等、上照射光反射面612bの上端辺と上水平導入面607bとの隙間もしくは下照射光反射面612cの下端辺と下水平導入面607cとの隙間に入り込んだ光は、垂直導入面607aに入射し、レンズ内部に透過され、または反射することになるため、該垂直導入面607aの前方上下位置、すなわち、第1の凸部605の上下部付近がその周辺に比べて強く発光する(図25参照)。
また、垂直導入面607aに入射した光は、反射した場合でもその裏面側に垂直反射面612aが配置されていることにより、反射光が外部に放射されることなく、垂直反射面612aに反射して再度垂直導入面607aに入射するため、垂直導入面607aが明るくなる。さらに、垂直導入面607aにはローレット加工が施されていることで、その裏面側上下端付近から入射する光が凹凸面により上下方向にわたり分散して反射されるため、照射光反射部612により右枠LED28cからの照射光が遮られても、上下幅方向にわたり発光することになる。
このように、サイドインナーレンズ457dにあっては、裏面側に配置された右枠LED28cとの対向位置に、各導入面607a〜607cからなる第1の凹部603が凹設されていることにより、右枠LED28cから前方に向けて水平に照射される光により、第1の凹部603の前方に形成される第1の凸部605付近が、その周辺に比べて強く発光する(図25参照)。つまり、右枠LED28cが発光することにより、サイドインナーレンズ457dの表面における各第1の凹部603の正面位置に、主に垂直導入面607aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成される。
また、裏面側に配置された右枠LED28cと対向しない位置に、各反射面608a〜608cからなる第2の凹部604が凹設されていることにより、主に上下の水平導入面607b,607cからサイドインナーレンズ457d内部に透過して垂直方向(パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向)に誘導された光が、上下の傾斜反射面608b,608cでパチンコ遊技機1の前方に向けて反射し誘導されるため、第2の凹部604の前方に形成される第2の凸部606付近が、その周辺に比べて強く、かつ、第1の凸部605とほぼ同じ輝度で発光する(図25参照)。つまり、右枠LED28cが発光することにより、サイドインナーレンズ457dの表面における各第2の凹部604の正面位置に、主に上下の水平導入面607b,607cから導入された入射光により発光する第2の発光部が形成される。
また、垂直導入面607aと右枠LED28cとの間には非透光性部材からなる照射光反射部612が配置されている。これにより垂直導入面607aの裏面側が遮られていることで、右枠LED28cの照射光が直接垂直導入面607aを透過して前方に放射されることがないので、第1の発光部における輝度が適度に低下される。
一方、右枠LED28cの前面側には上下の照射光反射面612b,612cが形成されており、右枠LED28cの照射光を上下の水平導入面607b,607cに対して直交方向に入射させるようになっているため、反射による光の損失を極力抑えた状態で照射光を第2の凹部604側に向けて誘導することができるばかりか、透過光が上下の水平導入面607b,607cの直下および直上に形成される上下の傾斜反射面608b,608cに向けて直線的に誘導され、上下の傾斜反射面608b,608cに入射する前に外部に放射することを効果的に防止できるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
さらに、上下の傾斜反射面608b,608cの裏面側には、非透光性部材からなる上下の補助反射面613b,613cが近接配置されているため、上下の傾斜反射面608b,608cから外部に放射される光が再度内部に入射されるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
また、図22を用いて説明したように、垂直導入面607aの上下幅寸法L1=約5mmであるのに対し、上傾斜反射面608bおよび下傾斜反射面608cそれぞれの上下幅寸法L5,L6の合計幅寸法L5+L6=約5mmであることで、サイドインナーレンズ457dを正面から見たときにおける発光領域の上下幅寸法が、垂直導入面607aの上下幅寸法L1と、上傾斜反射面608bおよび下傾斜反射面608cそれぞれの上下幅寸法L5,L6の合計幅寸法L5+L6とがほぼ同寸(L1=L5+L6)であるため、第1の発光部および第2の発光部の輝度をほぼ同じようにすることができる。
さらに、垂直導入面607aの上下幅寸法L1よりも垂直反射面608aの上下幅寸法L4の方が短寸(L1>L4)であることで、発光領域を構成する上傾斜反射面608bと下傾斜反射面608cとが大きく分離されることがないので、第2の発光部の輝度の低減が防止される。
このように、裏面側に右枠LED28cが配置される第1の凸部605(第1の発光部)における輝度が適度に低減されるとともに、裏面側に右枠LED28cが配置されない第2の凸部606(第2の発光部)における輝度が効果的に向上されていることで、第1の凸部605(第1の発光部)と第2の凸部606(第2の発光部)との輝度の差が極力小さくなっている。これにより輝度の違いによる違和感が生じなくなり、第2の凸部606(第2の発光部)の裏面側にもあたかも右枠LEDが配置されて発光しているように見せることができるため、多量のLEDを配置することなく、インパクトのある発光演出を実現することが可能となる。
なお、サイドインナーレンズ457dの下端に形成された第2の半凹部604’に関しては、前述した上傾斜反射面608b’(図示省略)が上傾斜反射面608bと同様の作用・効果を奏するとともに、サイドインナーレンズ457bの上端に形成された第2の半凹部604’(図示省略)に関しては、前述した下傾斜反射面608c’(図示省略)が下傾斜反射面608bと同様の作用・効果を奏するため、サイドインナーレンズ457dの下端およびサイドインナーレンズ457bの上端もあたかも右枠LEDが配置されて発光しているように見える。
さらに、サイドインナーレンズ457b,457dの接合部には、前述したように、サイドインナーレンズ457dの上端に形成された第2の半凹部604’(図示省略)と、サイドインナーレンズ457bの下端に形成された第2の半凹部604’(図示省略)とにより第2の凹部604(図示省略)が形成され、他の第2の凹部604と同様の作用・効果を奏するため、サイドインナーレンズ457b,457dの接合部もあたかも右枠LEDが配置されて発光しているように見える。
また、垂直導入面607a、上水平導入面607b、および、下水平導入面607cのそれぞれに対して斜めに入射してサイドインナーレンズ457d内部に透過した入射光は、主にローレット加工が施された面、つまり各リブ602L,602C,602Rの前端面や板状部601の裏面から外部に放射される。つまり、サイドインナーレンズ457d内部に透過した入射光はすべて垂直方向に向けて進むわけではなく、レンズ内面で反射しながら進む光もあり、これによりサイドインナーレンズ457dの上下方向に延設された各リブ602L、602C、および、602Rの前端面が、上下方向にわたって均等に発光するため、サイドインナーレンズ457dの表面を長手方向にわたり発光させることができる。
また、サイドインナーレンズ457d内部から板状部601の裏面を経て外部に放射された光は、その裏面に近接配置される底壁面610aにより反射されて再度内部に透過される。サイドインナーレンズ457d内部から左右のリブ602L,602Rの外面を経て外部に放射された光は、その外側に近接配置される傾斜壁面601b,610cにより反射されて再度内部に透過される。これによりサイドインナーレンズ457d内部を誘導される光が裏面側に放射しにくくなり、光が前方に向けて放射されやすくなるため、サイドインナーレンズ457d全域を効率よく発光させることができる。
〔打球供給皿の内部構造〕
次に、打球供給皿3の内部構造を、図26〜図28に基づいて説明する。図26は、打球供給皿の内部構造を示す分解斜視図である。図27は、同じく打球供給皿の内部構造を示す分解斜視図である。図28は、同じく打球供給皿の内部構造を示す分解斜視図である。
図26に示されるように、打球供給皿3は、上皿扉枠103の本体を構成する上皿本体板300と、上皿本体板300の前方および左右側方を被覆する上皿カバー体301と、上向きに開口する皿状に形成される上皿球受け302と、から主に構成されている。上皿本体板300の前面左右側には、供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rを構成する各種部材が組み付けられる。上皿本体板300の前面中央には、上皿カバー体301および上皿球受け302が前面側から取付けられる。上皿本体板300の前面中央上部には、上皿球受け302に待機する待機球との当接による磨耗を保護するカバーシール315が取付けられる。
上皿本体板300の前面左右側には、供給皿左LED200aおよびその外側に配置された供給皿左外LED200cを前面に有する上皿左サイド基板310L,供給皿右LED200bおよびその外側に配置された供給皿右外LED200cを前面に有する上皿右サイド基板310Rと、上皿左基板シート311L,上皿右基板シート311Rと、上皿左横飾り312Lおよび上皿右横飾り312Rと、上皿左クリアベース313L,上皿右クリアベース313Rと、上皿左サイドレンズ314Lおよび上皿右サイドレンズ314Rとが、それぞれ記載した順に前面側から取付けられている。このような構成において、上皿左基板シート311Lは上皿左横飾り312Lと供給皿左LED200aとの間に挟まれた態様で取付けられている。また、上皿右基板シート311Rは上皿右横飾り312Rと供給皿右LED200bとの間に挟まれた態様で取付けられている。
また、上皿本体板300の前面における上皿左サイド基板310L、上皿左基板シート311L、上皿左横飾り312L、上皿左クリアベース313L、上皿、および、左サイドレンズ314Lのさらに左側には、上皿扉枠103を前面枠101に対して回動可能に枢支するための上皿ヒンジ316および上皿軸カバー317が取付けられている。
上皿カバー体301は、合成樹脂材からなる1枚の板材を側面視で略V字状をなすように屈曲し、該屈曲部が前方に向けて突出するように形成されており、開口収容凹部3000と呼ばれる凹部により形成される内部空間に、上皿球受け302が配設可能とされている。開口収容凹部3000は、上方等に開口し、各種の部材を収容可能な凹部である。また、左右方向を向く屈曲部301aは、上下方向に所定幅を有しており、該屈曲部301aに供給皿前発光部201を構成する横長帯状の前面が形成されている。
そしてその左右側部には、上皿左横飾り320Lおよび上皿右横飾り320Rが背面側から差し込まれて取付けられるとともに、上皿左横飾り320L,上皿右横飾り320Rの外側には、透明な透光部材として、上皿左横Vレンズ321L,上皿右横Vレンズ321Rと、上皿左横レンズ322L,上皿右横レンズ322Rと、ロゴ(図示省略)が刻印された左ロゴレンズ323L,右ロゴレンズ323Rと、がそれぞれ記載した順に取付けられている。
また、屈曲部301aの背面側、すなわち、開口収容凹部3000には、上皿前レンズ330と、上皿前中レンズ331L,331Rと、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rと、上皿前左シート333Lおよび上皿前右シート333Rと、供給皿前LED201a(図29、図30参照)を前面に有する上皿前左基板334Lおよび上皿前右基板334Rと、上皿前基板カバー335と、がそれぞれ記載した順に背面側から取付けられている。これらレンズは、すべて、透明な透光部材である。また、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rのそれぞれには、光を反射するために、メッキ(銀メッキ)が施されている。これらレンズおよび基板の構成については、図29および図30を用いて詳細に説明する。そして、開口収容凹部3000の背面に、上皿本体板300が取付けられる。上皿前中レンズ331L,331Rは、棒状に一体形成されたレンズである。
この棒状の上皿前中レンズ331L,331Rにより、その背面側に配置される4つの供給皿前LED201aの光が左右方向に拡散されるようになっている。前述したように、供給皿前発光部201は、打球供給皿3の前面において、最も前方に突出した位置において横方向に延びる領域に設けられている。供給皿前発光部201は、打球供給皿3の前面において最も前方に突出した位置において横方向に延びる領域に開口部310aが形成され、その開口部310aに臨む態様で、前述の発光体およびレンズ等が取付けられることにより構成される。具体的に、前述したその開口部310aには、開口部310aと同様の棒状の上皿前レンズ330が臨む態様で嵌合されて取付けられる。そして、前述したように、上皿前中レンズ331L,331Rと、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rと、上皿前左シート333Lおよび上皿前右シート333Rと、供給皿前LED201aを前面に有する上皿前左基板334Lおよび上皿前右基板334Rと、上皿前基板カバー335とは、ネジにより上皿前レンズ330と一体的に取付けられる。この場合、上皿前レンズ330と、上皿前左基板334Lおよび上皿前右基板334Rとの位置関係は、上皿前レンズ330がこれら基板上の臨む態様で取付けられる。これにより、供給皿前LED201aによって左右方向に拡散した光は、上皿前レンズ330を透過して、開口収容凹部3000の内部から外部へ放射される。このような構成において、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rは、上皿前中レンズ331L,331Rの裏面側に嵌め入れられる。また、上皿前左シート333Lおよび上皿前右シート333Rは、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rと、上皿前基板カバー335との間に挟まれた態様で取付けられる。
供給皿左発光部200Lを発光させる発光体としての供給皿左LED200aを有する上皿左サイド基板310Lおよび供給皿左発光部200Rを発光させる発光体としての供給皿右LED200bを有する上皿右サイド基板310Rは、上皿本体板300の前面左右側にそれぞれ前向きに設けられている。したがって、パチンコ遊技機1の左右側面側を向く供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rは、前方に向けて光を照射する供給皿左LED200a、および、供給皿右LED200bの前方に前後方向に縦向き姿勢で配置される各レンズ321L〜323L,321R〜323Rが間接的に面発光することで発光するようになっている。
また、本実施の形態では、特に図示はしないが、三角形状の左ロゴレンズ323L,右ロゴレンズ323Rは、刻印された図示しないロゴのみが発光するようになっているが、略三角形状をなす左ロゴレンズ323L,右ロゴレンズ323R全域を面発光させてもよい。
なお、供給皿左外LED200cおよび供給皿右外LED200cが発光することで、前面側を向く上皿左サイドレンズ314L、上皿右サイドレンズ314Rが面発光するようになっており、入賞異常報知を行なうために利用されるが、遊技に関わる演出や装飾用発光部として利用してもよい。
次いで、図27に示されるように、上皿本体板300の背面側には、払出口112と払出連通口112aとを連通させるための前板シュート360、前板シュート板金361、および、下前板シュート板金362が、払出口112の背面にネジにより取付けられるとともに、待機球誘導口119の背面側には、整流器下板金363がネジにより取付けられる。これらの背面側には、上皿本体板300の背面を被覆するように取付けられる補強用の上皿本体板金364がネジにより取付けられる。
また、上皿本体板金364の背面には、上皿板金365と、打球発射装置91に球を1球ずつ供給するための整流器366と、上皿扉枠103を構成する上皿本体板300を前面枠101に係止するための上皿ロックセット367と、がネジにより取付けられる。なお、368は整流器押え金具であり、369は配線クランプであり、370は上皿アース板金である。
上皿カバー体301の下面には、上皿下飾り375がネジにより取付けられているとともに、上皿下飾り375の下部左右側には、左上皿下飾り376aおよび右上皿下飾り376bが取付けられている。
上皿カバー体301の上面には、図28(a)に示されるように、上方に開口し各種部材を収容可能な凹部である収容凹部としての切欠凹部301bが形成されている。切欠凹部301bは、開口収容凹部3000の一部をなす凹部である。切欠凹部301bには、カードユニット50に係わる操作部や表示部等が設けられる残高ベース380および上皿球受け302が載置されかつ収容される態様で取付けられる。具体的に、上皿球受け302は、切欠凹部301bの上部、より具体的には、残高ベース380上部および裏面側に嵌合される。
残高ベース380は、左側に上皿球受け302を載置して収容可能な収容凹部380aが形成されているとともに、右側には水平面からなるパネル取付部380bが形成されている。収容凹部380aは、開口収容凹部3000の一部をなす凹部である。パネル取付部380bには、後述するジョグボタン500、球貸ボタン381a、返却ボタン381b、残高表示器382が取付けられるようになっており、該パネル取付部380bの表面には、残高装飾パネル383が取付けられている。
開口収容凹部3000は、漸時上方へ反り返る底面と、漸時下方へ垂れ下がり当該底面の反り返った縁部に連結される上面とで形成され、さらに上面に開口が形成される。これにより、収容凹部380aが形成されている。また、上皿球受け302は、底面部と、当該底面部の前面側および左右の側方に相当する辺に立ち壁を有してなる形状である。このような上皿球受け302は、立ち壁の上縁端が開口収容凹部3000の開口に密着して嵌め入れられる。開口収容凹部3000において、前述の上面と底面とにより形成される左右両側方の開口に、それぞれ、供給皿左発光部200Lと供給皿右発光部200Rとが嵌合する態様で、供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rが取付けられる。そして、開口収容凹部3000における残りの開口、すなわち、背面側の開口は、上皿本体板300が取付けられることにより塞がれる。
図28(b)に示されるように、残高ベース380は、切欠凹部301bの上部に取付けられる。そして、上皿球受け302は、切欠凹部301bの上部、より具体的には、残高ベース380上部および裏面側に嵌合される。この場合、上皿球受け302は、残高ベース380により、上皿カバー体301と連結される態様で上皿カバー体301に取付けられている。
残高装飾パネル383には、カードユニット50にて受付けられた記録媒体(たとえばICカードやICコイン等)等に記憶された有価価値の大きさを表示するための残高表示器382の表示部を透視可能とする残高表示レンズ384が取付けられている。残高表示器382は、残高表示基板385の上面に実装されているとともに、残高表示基板385の上面には、残高基板シート386が取付けられている。
また、後述するジョグボタン500は、パネル取付部380bに形成された円筒状のジョグボタン取付穴380cに上方から嵌合されるようになっており、その押圧操作面が残高装飾パネル383の上面よりも上方に突出した状態で配置されている。
上皿カバー体301の内部には、上皿中継基板390が背面に取付けられる上皿中継基板ベース391がネジにより背面側から取付けられている。
上皿中継基板ベース391の上方に配置される上皿球受け302には、貯留部302aと整流部302bとが形成されており、整流部302bの下面の一部は、金属製のメタルシュー393により構成されており、打球発射装置91に誘導される球がアースされるようになっている。また、整流部302bからは、球抜き口113に連通する球抜き通路392が斜め下方に向けて連設され、さらにその前面側には、該球抜き通路392の上流側の開口を開閉可能とする上皿球抜きシャッター394と、該上皿球抜きシャッター394を開閉操作するための上皿球抜きレバー395および上皿球抜きレバーベース395aと、球抜き軸ピン397と、上皿球抜きレバー395を閉鎖方向に付勢する上皿球抜きバネ398と、上皿球抜きリンク399とが取付けられているとともに、これら部材は上皿球抜きカバー396により前面側が覆われている。上皿球抜きレバー395を操作することにより上皿球抜きシャッター394が開放され、余剰球受皿4に球が流出することになる。
〔打球供給皿の発光部構造〕
次に、図29および図30に基づいて、供給皿前発光部201の発光部構造を説明する。図29は、(a)が上皿前中レンズを示す正面図であり、(b)が(a)のE−E断面図である。図30は、(a)が図29(b)の要部拡大図であり、(b)が(a)のF−F断面図である。
供給皿前発光部201には、図29に示されるように、前述した導光部材としての上皿前中レンズ331L,331Rおよびその背面(裏面)側に配置される供給皿前LED201aとから主に構成される直線発光部が左右方向に設けられている。
上皿前中レンズ331L,331Rは、透明な合成樹脂材により棒状に形成されている。図30(b)に示されるように、側面視凸状に形成され、その前面は中央発光面331a,上発光面331b,下発光面331cとから構成されている。これら中央発光面331a,上発光面331b,下発光面331cには、長手方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており(図30(a)参照)、内部の光が外方に放射されるようになっている。
上皿前中レンズ331L,331Rの裏面には、上下幅方向に延びる第1の凹部703および第2の凹部704が、長手方向に向けて所定間隔おきに交互に凹設されている。第1の凹部703は、図30(a)に示されるように、左右方向を向く横導入面707aと、該横導入面707aの左端から裏面側に向けて連設され、前後方向を向く左縦導入面707bと、該横導入面707aの右端から裏面側に向けて連設され、前後方向を向く右縦導入面707cと、により側面視略逆コ字形に形成された照射光導入面を構成している。第1の凹部703では、その裏面側に配置される供給皿前LED201aからの照射光が上皿前中レンズ331L,331R内部に導入される。
なお、横導入面707aには左右方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が左右方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。
第2の凹部704は、左右方向を向く横反射面708aと、該横反射面708aの左端から裏面側に向けて左方に傾斜する左傾斜反射面708bと、該横反射面708aの右端から裏面側に向けて右方に傾斜する右傾斜反射面708cと、からなる反射面を構成している。第2の凹部704では、上記照射光導入面から内部に導入されて上皿前中レンズ331L,331R内部を長手方向に向けて誘導された光を前側に向けて反射する。
なお、横反射面708aには左右方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が左右方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。
また、図29(b)に示されるように、上皿前中レンズ331Lの左端には、前記第2の凹部704の右半分、つまり左右幅寸法が横反射面708aの左右幅寸法の半分の横反射面708a’(図示省略)と右傾斜反射面708c’(図示省略)とからなる第2の半凹部704’が形成されている。第2の半凹部704’の前面側には、該第2の半凹部704’を形成するための第2の半凸部706’が凸設されている。
なお、上皿前中レンズ331Lと左右対象に形成される上皿前中レンズ331Rの右端には、第2の半凹部704’および第2の半凸部706’が同様に形成されている。
また、上皿前中レンズ331Lの右端には、前記第2の凹部704の左半分、つまり左右幅寸法が横反射面708aの左右幅寸法の約1/4の横反射面708a’(図示省略)と左傾斜反射面708b’(図示省略)とからなる第2の半凹部704’(図示省略)が形成されている。第2の半凹部704’の前面側には、該第2の半凹部704’(図示省略)を形成するための第2の半凸部706’(図示省略)が凸設されている。
すなわち、この上皿前中レンズ331Lと左右対象に形成される上皿前中レンズ331Rの左端には、特に詳細な図示はしないが、前記第2の凹部704の右半分、つまり左右幅寸法が横反射面708aの左右幅寸法の約1/4の横反射面708a’(図示省略)と右傾斜反射面708c’(図示省略)とからなる第2の半凹部704’(図示省略)が形成されている。その第2の半凹部704’の前面側には、当該第2の半凹部704’(図示省略)を形成するための第2の半凸部706’(図示省略)が凸設されている。このため、これら上皿前中レンズ331Lの右端に形成される第2の半凹部704’と、上皿前中レンズ331Rの左端に形成される第2の半凹部704’とにより、互いの左右端部同士を付き合わせたときに、左右幅が横反射面708aの約半分の横反射面708a’からなる1つの第2の凹部704および第2の凸部706が形成されるようになっている。
一方、上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332Rの前面には、上皿前中レンズ331L,331Rを前方から配置可能なレンズ配置部710が、第1の凸部705に対応する箇所に形成されている。レンズ配置部710には、その裏面側に配置される各供給皿前LED201aとの対向位置に、該供給皿前LED201aの照射面を前方に露呈させるための照射用開口711が左右方向にわたって複数形成されている。このような照射用開口711が形成されることにより、左右方向に向けて所定間隔おきに配設された各供給皿前LED201aからの照射光を照射用開口711を介して前方に向けて照射させることができる。
照射用開口711の前方には、上皿前中レンズ331L,331Rが配置された状態において、第1の凹部703内に収容されて係合する三角柱状の照射光反射部712が左右方向に向けて架設されている。この照射光反射部712の裏面側には、裏面側に向けて右方に傾斜する左照射光反射面712bと、裏面側に向けて左方に傾斜する右照射光反射面712cとがそれぞれ形成されている。左照射光反射面712bは、供給皿前LED201aからの照射光を、該第1の凹部703の左方に設けられた第2の凹部704の右傾斜反射面708cに向けて反射させ、左縦導入面707bに入射させる。右照射光反射面712cは、供給皿前LED201aからの照射光を、該第1の凹部703の右方に設けられた第2の凹部704の左傾斜反射面708bに向けて反射させ、右縦導入面707cに入射させる。
また、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rには、上皿前中レンズ331L,331Rが配置された状態において、第2の凹部704内に嵌合される補助反射部713が前方に向けて凸設されている。補助反射部713は、左右方向を向く横補助反射面713aと、該横補助反射面713aの左端から裏面側に向けて左方に傾斜する左補助反射面713bと、該横補助反射面713aの右端から裏面側に向けて右方に傾斜する右補助反射面713cと、により横断面略三角形状に形成されている。上皿前中レンズ331L,331Rが配置された状態において、横補助反射面713aが横反射面708aの裏面に当接し、左補助反射面713bが左傾斜反射面708bの裏面に当接し、右補助反射面713cが右傾斜反射面708cの裏面に当接するようになっている。
また、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rの前面左端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部713の右半分、つまり左右幅寸法が横補助反射面713aの左右幅寸法の半分の横補助反射面713a’(図示省略)と右補助反射面713c’(図示省略)とからなる半補助反射部713’が形成されている。上皿前中レンズ331Lが配置された状態において、上皿前中レンズ331Lの左端の横反射面708a’(図示省略)が横補助反射面713a’(図示省略)に当接もしくは近接し、また、右傾斜反射面708c’(図示省略)が右補助反射面713c’(図示省略)に当接もしくは近接する。このように反射面間を所定の間隔で形成すると、前述した場合と同様の理由に基づいて、発光する部分の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
また、上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rの前面右端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部713の左半分、つまり左右幅寸法が横補助反射面713aの左右幅寸法の半分の横補助反射面713a’(図示省略)と左補助反射面713b’(図示省略)とからなる半補助反射部713’が形成されている。上皿前中レンズ331Rが配置された状態において、上皿前中レンズ331Rの右端の横反射面708a’(図示省略)が横補助反射面713a’(図示省略)に、また、左傾斜反射面708b’(図示省略)が左補助反射面713b’(図示省略)に当接もしくは近接するようになっている。このように反射面間を所定の間隔で形成すると、前述した場合と同様の理由に基づいて、発光する部分の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
上皿前左反射板332L、上皿前右反射板332R、照射光反射部712、および、補助反射部713は、非透光性の合成樹脂材により構成されているとともに、その前面および上記各反射面712a〜712c,713a〜713cにはメッキ処理が施されている。このため、上皿前中レンズ331L,331R内部から放射される光を損失させることなく効率よく反射して再度内部に入射させるようになっている。
次に、上述のように構成された上皿前中レンズ331L,331R、上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332R、供給皿前LED201aの詳細な構造および互いの配置関係等について説明する。
第1の凹部703および第2の凹部704は、図30に示されるように、裏面側に向けて開放する凹溝状に形成されている。詳しくは、第1の凹部703を構成する横導入面707aの左右幅寸法L1は約4.4mmであり、左縦導入面707bおよび右縦導入面707cの前後幅寸法L2は約3.4mmとされている。なお、図29および図22には各部位に係る寸法(単位はmm)が記載されている。また、各寸法は小数第2以下を四捨五入した寸法としている。
この第1の凹部703内に収容される照射光反射部712の横反射面712aの左右幅寸法は、前記横導入面707aの左右幅寸法L1よりも短寸とされており、横反射面712aの左端と左縦導入面707bとの間および横反射面712aの右端と右縦導入面707cとの間には僅かな隙間が形成されている。よって、供給皿前LED201aからの照射光がこの僅かな隙間から照射光反射部712よりも前方に向けて放射されるようになっている。
照射光反射部712は、左照射光反射面712bと右照射光反射面712cとの接合端辺、すなわち頂辺が底壁面710aよりもやや前方に位置するように設けられている。また、左縦導入面707bに対する左照射光反射面712bの傾斜角度および右縦導入面707cに対する右照射光反射面712cの傾斜角度θ1はそれぞれ約45度とされている。各供給皿前LED201aは、光を前方に向けて略水平に照射、すなわち、横導入面707aに対して直交方向に照射するように配置されている。このため、該供給皿前LED201aからの照射光は、左照射光反射面712bと右照射光反射面712cとによりそれぞれ左右方向に反射されるようになっている。
第2の凹部704を構成する横反射面708aの左右幅寸法L4は約2.7mmであり、左傾斜反射面708bの左右幅寸法L5および右傾斜反射面708cの左右幅寸法L6、すなわち、左傾斜反射面708bおよび右傾斜反射面708c左右の端辺間の左右幅寸法はそれぞれ約2.2mmであり、左傾斜反射面708bの左端辺と右傾斜反射面708cの右端辺との間の左右幅寸法L3(L3=L4+L5+L6)は約7.2mmとされている。なお、上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332Rの前面から横反射面708aまでの前後幅は約3.5mmとされている。
また、左右方向を向く上皿前中レンズ331L,331Rの裏面に対する左傾斜反射面708bおよび右傾斜反射面708cの傾斜角度θ2はそれぞれ約125度とされている。つまり、上皿前中レンズ331L,331Rの裏面に対して直交する前後面に対する左傾斜反射面708bおよび右傾斜反射面708cの傾斜角度は、それぞれ約35度であるため、左縦導入面707b,右縦導入面707cに対して直交方向に入射した光を前方に向けて効率よく反射させることができるようになっている。
複数の供給皿前LED201aが前面における長手方向に向けて所定間隔おきに複数配置された上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332Rは、レンズ配置部710の裏面側に近接配置されているとともに、各供給皿前LED201aが各照射用開口711に臨むように配設されている。すなわち、各照射光反射部712の裏面側には供給皿前LED201aがそれぞれ配設されているが、補助反射部713の裏面側には供給皿前LED201aは配設されない。なお、各供給皿前LED201aは、光を前方に向けて略水平に照射、すなわち、横導入面707aに対して直交方向に照射するように配置されている。
上皿前中レンズ331L,331Rは、図29(b)に示されるように、裏面に形成された第1の凹部703を照射光反射部712に対向させるとともに、第2の凹部704を補助反射部713に対向させた状態で前面側から配置する。また、配置された状態において、裏面が上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332Rの前面にそれぞれ当接するとともに、第1の凹部703内に照射光反射部712が収容して嵌合され、第2の凹部704内に補助反射部713が嵌合されるようになっている。
このように構成された上皿前中レンズ331L,331Rは、第1の凹部703および第2の凹部704が形成されていることにより、前述したサイドインナーレンズ457dと同様に発光する。すなわち、裏面側に配置された各供給皿前LED201aとの対向位置に、各導入面707a〜707cからなる第1の凹部703が凹設されていることにより、供給皿前LED201aから前方に向けて水平に照射される光により、第1の凹部703の付近が、その周辺に比べて強く発光する。つまり、各供給皿前LED201aが発光することにより、上皿前中レンズ331L,331Rの表面における各第1の凹部703の正面位置に、主に横導入面707aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成される。
また、裏面側に配置された各供給皿前LED201aと対向しない位置に、各反射面708a〜708cからなる第2の凹部704が凹設されていることにより、主に左右の縦導入面707b,707cから上皿前中レンズ331L,331R内部に透過して左右方向に誘導された光が、左右の傾斜反射面708b,708cにより前方に向けて反射誘導されるため、第2の凹部704の前方に形成される第2の凸部706付近が、その周辺に比べて強く、かつ、第1の凸部705とほぼ同じ輝度で発光する。つまり、各供給皿前LED201aが発光することにより、上皿前中レンズ331L,331Rの表面における各第2の凹部704の正面位置に、主に左右の縦導入面707b,707cから導入された入射光により発光する第2の発光部が形成される。
また、横導入面707aと供給皿前LED201aとの間には非透光性部材からなる照射光反射部712が配置されている。これにより横導入面707aの裏面側が遮られていることで、供給皿前LED201aの照射光が直接横導入面707aを透過して前方に放射されることがないので、第1の発光部における輝度が適度に低下される。
一方、供給皿前LED201aの前面側には左右の照射光反射面712b,712cが形成されており、供給皿前LED201aの照射光を左右の縦導入面707b,707cに対して直交方向に入射させるようになっている。このため、反射による光の損失を極力抑えた状態で照射光を第2の凹部704側に向けて誘導することができるばかりか、透過光が左右の縦導入面707b,707cの直下および直上に形成される上下の傾斜反射面708b,708cに向けて直線的に誘導され、上下の傾斜反射面708b,708cに入射する前に外部に放射することを効果的に防止できるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
さらに、上下の傾斜反射面708b,708cの裏面側には、非透光性部材からなる上下の補助反射面713b,713cが近接配置されているため、上下の傾斜反射面708b,708cから外部に放射される光が再度内部に入射されるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
また、図30(a)を用いて説明したように、横導入面707aの上下幅寸法L1=約4.4mmであるのに対し、左傾斜反射面708bおよび右傾斜反射面708cそれぞれの左右幅寸法L5,L6の合計幅寸法L5+L6=約4.4mmであることで、上皿前中レンズ331L,331Rを正面から見たときにおける発光領域の左右幅寸法が、横導入面707aの左右幅寸法L1と、左傾斜反射面708bおよび右傾斜反射面708cそれぞれの左右幅寸法L5,L6の合計幅寸法L5+L6とがほぼ同寸(L1=L5+L6)である。このため、第1の発光部および第2の発光部の輝度をほぼ同じようにすることができる。
さらに、横導入面707aの左右幅寸法L1よりも横反射面708aの左右幅寸法L4の方が短寸(L1>L4)であることで、発光領域を構成する左傾斜反射面708bと右傾斜反射面708cとが大きく分離されることがないので、第2の発光部の輝度の低減が防止される。
このように、裏面側に供給皿前LED201aが配置される第1の発光部における輝度が適度に低減されるとともに、裏面側に供給皿前LED201aが配置されない第2の発光部における輝度が効果的に向上されていることで、第1の発光部と第2の発光部との輝度の差が極力小さくなっている。これにより輝度の違いによる違和感が生じなくなり、第2の発光部の裏面側にもあたかも供給皿前LED201aが配置されて発光しているように見せることができるため、多量のLEDを配置することなく、インパクトのある発光演出を実現することが可能となる。
また、横導入面707a,左縦導入面707b,右縦導入面707cに対してそれぞれ斜めに入射して上皿前中レンズ331L,331R内部に透過した入射光は、主にローレット加工が施された面、つまり各前面331a,331b,331cから外部に放射される。つまり、上皿前中レンズ331L,331R内部に透過した入射光はすべて左右方向に向けて進むわけではなく、レンズ内面で反射しながら進む光もある。これにより上皿前中レンズ331L,331R左右方向にわたって均等に発光するため、上皿前中レンズ331L,331Rの表面を長手方向にわたり発光させることができる。
また、上皿前中レンズ331L,331Rの裏面から外部に放射された光は、その裏面に近接配置される上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332Rの前面により反射されて再度内部に透過されることで、上皿前中レンズ331L,331R内部を誘導される光が裏面側に放射しにくくなり、光が前方に向けて放射されやすくなるため、上皿前中レンズ331L,331R全域を効率よく発光させることができる。
〔打球供給皿の左右の発光部構造〕
次に、図31〜図36に基づいて、扉枠左発光部204L,扉枠右側方発光部204Rを構成する上皿左サイドレンズ体および上皿右サイドレンズ体の構造を説明する。図31は、(a)は上皿左サイドレンズ体を示す平面図であり、(b)は上皿左サイドレンズ体を示す正面図であり、(c)は上皿左サイドレンズ体を示す右側面図である。図32は、図31(b)のA−A断面図である。図33は、(a)は、上皿左サイドレンズ体の上部拡大断面図であり、(b)は上皿左サイドレンズ体の下部拡大断面図である。図34は、上皿左サイドレンズ体における導光状態を示す拡大断面図である。図35は、上皿左サイドレンズ体の発光状態を示す概略図である。図36は、凹レンズにおける光の屈折状態を示す原理図である。また、図32における左側を上皿左サイドレンズ体の前面側、右側を上皿左サイドレンズ体の背面側として説明する。
図31〜図36において、上皿左サイドレンズ体の一部を構成する上皿左基板シート311Lおよび上皿左サイドレンズ314Lの図示は省略している。扉枠右側方発光部204Rの発光部構造は、扉枠左発光部204Lの発光部構造とほぼ同様であり、同様の作用・効果を奏するため、ここでの詳細な説明は省略する。扉枠左発光部204Lおよび扉枠右側方発光部204Rは、たとえば、入賞異常報知を行なうために用いられる。
扉枠左発光部204Lの一部を構成する上皿左サイドレンズ体800は、図20および図31に示されるように、上皿左サイド基板310L、上皿左基板シート311L(図示省略)、上皿左横飾り312L、上皿左クリアベース313L、および、上皿左サイドレンズ314L(図示省略)により構成される。上皿左サイド基板310Lは、供給皿左LED200aおよびその外側に配置された発光体としての供給皿左外LED200cを前面に有する。上皿左基板シート311Lは、上皿左サイド基板310Lの前面側に配置される。上皿左横飾り312Lは、上皿左基板シート311Lの前面側に配置される。上皿左クリアベース313Lは、上皿左横飾り312Lの前面における左側に配置される。上皿左サイドレンズ314Lは、上皿左クリアベース313Lの前面側に配置される。
上皿左サイド基板310Lおよび上皿左横飾り312Lは、上皿本体板300の前面にネジを介して取付けられるようになっており、上皿左クリアベース313Lは、係止爪を介して上皿左横飾り312Lに係止されている。
図31に示されるように、上皿左横飾り312Lは、非透明な合成樹脂材により上皿左サイド基板310Lの前面を被覆するように形成されている。上皿左横飾り312Lの前面および背面(全面)にはメッキ処理が施されており、上皿左クリアベース313Lの内部を誘導され背面側に放射された光を前方に向けて反射するようになっている。これにより、供給皿左外LED200cから上皿左クリアベース313Lの内部に誘導された光を背面側への放射により損失することなく、前方に集中させることができるため、上皿左クリアベース313Lの発光量の低減を防止することできる。上・中・下段の各供給皿左LED200aに対応する箇所には、各供給皿左LED200aを上皿左基板シート311Lを通して前方に臨ませるための開口801a〜801c(図31(b)参照)がそれぞれ形成されている。
左側上下の各供給皿左外LED200cに対応する箇所には、図32に示されるように、前方に向けて膨出する中空状の膨出部802a,802bが形成されており、802の前端面に上皿左クリアベース313Lの背面(裏面)が当接して配置されるようになっているとともに、膨出部802a,802bの前端面には、後述する柱状導光部805a,805bが遊挿可能な挿通口803がそれぞれ形成されている。
上皿左クリアベース313Lは、透明な合成樹脂材により厚さ約3mm(図32参照)の板材により帯状に形成されており、上皿左横飾り312Lの前面に上下方向に向けて取付けられている。図32に示されるように、上皿左クリアベース313Lの背面313b(裏面)における上下の各供給皿左外LED200cに対応する箇所には、円柱状の柱状導光部805a,805bが後向きに突設されている。柱状導光部805a,805bの後端面には、各供給皿左LED200cからの照射光を導光部材としての上皿左クリアベース313Lの内部に導入する略半球面状の照射光導入面806aを構成するための照射光導入凹部806がそれぞれ凹設されている。つまり、照射光導入凹部806は背面側に向けて開放する凹部である。
これら上下の柱状導光部805a,805bは、それぞれ上皿左横飾り312Lの前面側から挿通口803内に挿通され、各照射光導入面806aが各供給皿左外LED200cに対向するように近接配置されている。
また、上皿左クリアベース313Lの前面313a(表面)における照射光導入凹部806の前方位置、つまり照射光導入凹部806との対向位置には、照射光導入面806aから導入され誘導された入射光を反射させる入射光反射面807aを構成するための入射光反射凹部807が凹設されている。つまり、入射光反射凹部807は前面側に向けて開放する凹部である。
入射光反射面807aは、図31(b)中の拡大図に示すように、上皿左クリアベース313Lの正面視、つまり上皿左クリアベース313Lを前面側から見て円形に形成されているとともに、円周方向に向けて60度の間隔で均等に分割されてなる正面視略三角形状をなす複数(6つ)の反射面により構成されている。各反射面は、特に図34に示されるように、円の中心点から周縁方向に向けて外側に膨出し、かつ、円周方向に向けて外側に膨出する湾曲面に形成されている。すなわち、入射光反射凹部807は、正面視略三角形状をなす複数の湾曲面状の反射面により、円の中心に向けて凹む略六角錐形状に形成されている。
このように、背面側に向けて開放する照射光導入凹部806を構成する照射光導入面806aと、前面側に向けて開放する入射光反射凹部807を構成する入射光反射面807aとは、互いに中央部が近接するように凹む凹面にて構成さていることで、上皿左クリアベース313Lにおける各供給皿左外LED200cとの対向位置に凹レンズ部を形成している。
さらに、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける入射光反射凹部807の周囲からは、円筒状の筒状発光部808a,808bが前方に向けて突設されている。言い換えると、入射光反射凹部807は、上皿左クリアベース313Lの前面313a(表面)から供給皿左外LED200cと反対側に向けて突設された筒状発光部807の内側に形成されている。
筒状発光部808a,808bの外周面には、環状の段部809a,809bが所定間隔おきに形成されており、これら段部809a,809bにより、筒状発光部808a,808bの肉厚が先端に向けて段階的に肉薄になっている。そしてこれら段部809a,809bが形成されることにより、筒状発光部808a,808bの外周面に、供給皿左外LED200cの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く環状の発光面が形成される。
上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける筒状発光部808aの下方近傍位置には、図31(b)に示されるように、上下方向を向くとともに、左右幅方向に向けて互いに等間隔おきに配置された複数(4枚)の発光板810が前方に向けて立設されている。また、図32に示されるように、上皿左クリアベース313Lの背面313bにおける発光板810との対向位置には、上下方向に向けてローレット加工が施され、開角θ3=約90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。これらローレット加工により形成された左右幅方向を向く複数の凹条および凸条により、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の発光板810に向けて乱反射させる上反射部811が形成されている。
この上反射部811は、上方の筒状発光部808a側から下方の筒状発光部808b側に向けて内側(上皿左クリアベース313Lの内部側)に向けて傾斜する傾斜面上に形成されており(傾斜角θ5=2.5度)、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の発光板810に向けて効率よく反射できるようになっているため、各発光板810の前端面および各発光板810間を上方から下方に向けて略均一に発光できるようになっている。
このように、筒状発光部808aの下方近傍位置に上反射部811が形成されていることにより、供給皿左外LED200cから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光により、筒状発光部808aの下方近傍位置(発光板810付近)が発光されるようになっている。つまり、上反射部811からの反射光により第2の発光部が形成されるようになっている。
上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける下方の筒状発光部808bの下方近傍位置には、図31(b)および図32に示されるように、筒状発光部808bとほぼ同形状をなす筒状発光部808cが形成されている。なお、筒状発光部808cの外周面には環状の段部809a,809bが形成されており、これら段部809a,809bにより、筒状発光部808a,808bの外周面に供給皿左外LED200cの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く環状の発光面が形成される。また、内部には円柱状の凹部807bが形成されており、該凹部807bの底面は、後述する下反射部812からの反射光により発光する平坦状の円形発光面807cとされている。
なお、該凹部807bの底面に形成される円形発光面807cにローレット加工等を施し、光を拡散させるようにしてもよく、このようにすることで、円形発光面807cにおける発光量が増加するとともに、光が拡散することで演出効果が向上する。
また、上皿左クリアベース313Lの背面313bにおける筒状発光部808cとの対向位置には、上下方向に向けて凹凸加工が施され、開角θ3=約109.5度をなす三角錐状の凸部が上下左右方向に向けて連続して形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。これら該凹凸加工により形成された複数の凹凸部により、入射光反射面807aにより誘導された光を前方の筒状発光部808cに向けて乱反射させる下反射部812が形成されている。
このように、筒状発光部808bの下方近傍位置に下反射部812が形成されていることにより、供給皿左外LED200cから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光により、筒状発光部808bの下方近傍位置に形成された筒状発光部808cが発光されるようになっている。つまり、下反射部812からの反射光により第2の発光部が形成される。
また、上皿左クリアベース313Lの前面313aには、前面側に開放する断面凹状(図31(c)参照)の凹溝条813が、上皿左クリアベース313Lの上部右側の端縁部から筒状発光部808aにかけて左右方向に延設されるとともに、筒状発光部808aから発光板810を通過して、筒状発光部808b,808cにかけて上下方向に延設され、さらに筒状発光部808cから上皿左クリアベース313Lの下部右側の端縁部にかけて延設されており、上皿左クリアベース313Lの表面側に筋状の発光部が形成されるようになっている。
また、前述したように、上皿左横飾り312Lの前面にはメッキ処理が施されているため、供給皿左外LED200cから上皿左クリアベース313Lの内部を誘導されてきた入射光が上皿左クリアベース313Lの背面313b側から放射しても、該放射した光は上皿左横飾り312Lの前面により前方に反射することで、上皿左横飾り312Lの背面側に放射されて上皿左クリアベース313Lの前面側の発光量が低減することが防止される。
このように、本実施の形態における上皿左クリアベース313Lは、回路基板を模したレンズ形状とされており、筒状発光部808a〜808cは発光部、発光板810はヒートシンク、凹溝条813は配線プリントパターンであり、これらが発光して見えるようになっている。
また、この上皿左クリアベース313Lのように回路基板を模したレンズ形状は、特に詳細な図示や説明等はしないが、たとえば左上クリアベース455a、右上クリアベース455b、左下クリアベース456a、および、右下クリアベース456b等にも適用されており、これらも上皿左クリアベース313Lと同様の作用・効果を奏する。
次に、上述のように構成された上皿左クリアベース313Lおよび供給皿左外LED200cについて、詳細な構造および互いの配置関係等について説明する。なお、図31〜図33には各部位の寸法(単位はmm)が記載されている。なお、該寸法は小数第2以下を四捨五入した寸法としている。
柱状導光部805a,805bは、直径約8.5mmであり、上皿左クリアベース313Lの背面313bから先端までの長さが約3.6mmとされている。また、照射光導入凹部806の深さは約2.6mmとされている。
筒状発光部808a,808bは、内径約6mmで、基部外径(最大外径)約10mm、中部外径約9mm、先端部外径約8mmとされているため、各段部809a,809bには、直系方向の幅寸法が約1mmの環状の発光面が形成されている。また、基部、中間部、および、先端部それぞれの前後方向の長さは約2.5mmとされている。
筒状発光部808cは、内径約5mmで、基部外径(最大外径)約10mm、中部外径約9mm、先端部外径約8mmとされているため、各段部809a,809bには、直系方向の幅寸法が約1mmの環状の発光面が形成されている。また、基部、中間部、および、先端部それぞれの前後方向の長さは約2.5mmとされている。
また、正面視円形をなす入射光反射凹部807の入射光反射面807aの直径は、筒状発光部808a,808bの内径と同様に約6mmとされている。入射光反射面807aおよび筒状発光部808cの円形発光面807cは、図34に示されるように、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも内側、つまり上皿左クリアベース313Lの内部に埋設された位置に設けられているとともに、特に各筒状発光部808a,808bの入射光反射面807aは、その中心部が上皿左クリアベース313Lの背面313bを超えて柱状導光部805a,805b内に入り込む程度の深さに形成されている。具体的には、各筒状発光部808a,808bの入射光反射面807aの中心部は、図33に示されるように上皿左クリアベース313Lの背面313bより柱状導光部805a,805b内に約0.6mm入り込んでいる。
このようにすることで、入射光反射面807aを極力照射光導入面806aに近接して設けることができる。このため、照射光導入面806aからの入射光が周囲に拡散される前にその近傍位置で入射光反射面807aから外部に放射されて発光するとともに、内部で反射させて周囲に誘導し、近傍の発光板810や筒状発光部808cを発光させることができる。
各発光板810は、図31(b)中の拡大図および図33(a)に示されるように、厚さ約1mm、上下幅寸法約17.5mmであり、各発光板810間の離間幅寸法は約1.5mmとされている。なお、各発光板810間の表面は、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも約0.5mm前方に隆起している。
なお、これら各部位の寸法は、上記した寸法に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
次に、上皿左クリアベース313Lの発光態様について、主に図34〜図36に基づいて説明する。なお、図35においては、主に発光している領域が白色で示され、ほとんど発光していない領域が黒色で示されている。
ここで、照射光導入面806aおよび入射光反射面807aは、前述したように互いに内向きに凹むように形成され、中央の部分が周辺よりも薄いいわゆる凹レンズ部を構成していることから、まず凹レンズにおける光の屈折態様を、図36の原理図の基づいて簡単に説明すると、凹レンズの場合、光軸に平行に入射する平行光線は、レンズを通過することにより拡散することになる。これら拡散する光は、図中点線で示される経路を通過するように見えることになり、これら点線はレンズの中心から焦点距離fだけ離れた焦点Pに集まる。つまり、焦点Pは見かけ上の光源位置であり、該焦点Pから照射された光線方向に屈折することになる。
このように凹レンズは、指向性の高いLEDからの照射光を効果的に拡散することができるため、照射光導入面806aおよび入射光反射面807aにより凹レンズ部を構成することにより、供給皿左外LED200cからの照射光を上皿左クリアベース313L内において効果的に拡散できる。
具体的に説明すると、図34に示されるように、上皿左クリアベース313Lに対する光の供給は、各柱状導光部805a,805bの照射光導入凹部806から行なわれる。供給皿左外LED200cから前方に向けてほぼ水平に照射された光は、略半球面状の照射光導入面806aに照射されることで、図中複数の矢印で示されるように、上下左右方向に拡散する。前方の入射光反射面807aに到達した光の一部は、入射光反射面807aを透過して外部、つまり前方に放射されるため、入射光反射面807aが明るくなる(図35参照)。
すなわち、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける各供給皿左外LED200cとの対向位置に形成される各入射光反射面807aの領域が第1の発光部として形成される。
また、入射光反射面807aは互いに異なる方向を向く6つの反射面により形成されていることで、光は多方向に向けて拡散して放射されることになるため、発光態様が複雑になり、装飾効果が向上する。なお、本実施の形態では、入射光反射面807aは互いに異なる方向を向く複数の反射面により形成されていたが、たとえば半球面状等の1つの反射面により形成されていてもよい。
照射光導入面806aから導入され、入射光反射面807aの周囲に拡散した光の一部が筒状発光部808a,808b内に誘導される。このように筒状発光部808a,808bの先端部方向に向けて誘導される光の一部は、主に供給皿左外LED200cの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く先端面や段部809a,809bにより形成された環状の発光面から放射されるため、筒状発光部808a,808bが環状に発光して見える(図35参照)。
また、照射光導入面806aから導入されて入射光反射面807aに到達した光の一部は、入射光反射面807aにより反射して上下左右方向、つまり上皿左クリアベース313Lの内部方向に誘導される。そして、誘導された光は、たとえば入射光反射面807aの下方近傍に設けられた下反射部812により乱反射され、前方の筒状発光部808cに向けて誘導された一部の光が、円形発光面807c、筒状発光部808cの先端面、および、段部809a,809bにより形成された環状の発光面から放射されるため、筒状発光部808c全域が、筒状発光部808bよりも若干弱い光量で発光して見える(図35参照)。
なお、筒状発光部808aの照射光導入面806aから入射光反射面807aにて反射して、入射光反射面807aの下方近傍に設けられた上反射部811にて乱反射され、前方の発光板810に向けて誘導された一部の光が、供給皿左外LED200cの照射方向に対して直交する面、つまり前面側を向く発光板810の先端面や各発光板810間の隙間面から放射されるため、複数の発光板810およびその間の隙間全域が、筒状発光部808aよりも若干弱い光量で発光して見える(図35参照)。
さらに、入射光反射面807aにより反射して上皿左クリアベース313Lの内部方向に誘導された光の一部が、凹溝条813を介して放射されることにより、筋状の光が見えることになる。
以上説明したように、上皿左サイドレンズ体800にあっては、照射光導入面806aが導光部材としての上皿左クリアベース313Lの裏面における照射光導入凹部806に形成されていることで、発光体としての供給皿左外LED200cからの照射光を周囲に拡散させることなく、上皿左クリアベース313Lの内部に確実に導入させることができるため、上皿左クリアベース313Lの表面における入射光反射面807aを効果的に発光させることができるとともに、導入された入射光の一部が該入射光反射面807aにより上皿左クリアベース313Lの内部において周囲に誘導されるため、供給皿左外LED200cと照射光導入凹部806とを離間して供給皿左外LED200cからの照射光の一部を上皿左クリアベース313Lの背面313bに直接照射したりすることなく、上皿左クリアベース313Lにおける照射光導入凹部806およびその周辺領域を、上皿左クリアベース313Lの内部で広範囲にわたり発光させることができる。
すなわち、上皿左クリアベース313Lにおける供給皿左外LED200cとの対向位置に、球面状の照射光導入面806aおよび入射光反射面807aにより凹レンズ部が形成されているため、供給皿左外LED200cからの照射光を上皿左クリアベース313Lの内部において効果的に拡散することができるため、上皿左クリアベース313Lにおける供給皿左外LED200cとの対向位置に形成される入射光反射面807a、つまり第1の発光部を発光させることができるとともに、上皿左クリアベース313Lにおける供給皿左外LED200cとの対向位置の周囲を広範囲にわたり発光させることができる。
特に、供給皿左外LED200cの周囲を明るくするために、供給皿左外LED200cを上皿左クリアベース313Lの背面313bから離間して配置しなくても、照射光を上皿左クリアベース313Lの内部で拡散して周囲に誘導できることで、供給皿左外LED200cに対して照射光導入面806aを近接配置し、これにより上皿左サイドレンズ体800全体を肉薄に構成することができるため、設計上の自由度が向上する。
さらに、供給皿左外LED200cに対して照射光導入面806aを近接して配置できることで、供給皿左外LED200cからの照射光が照射光導入面806aに到達するまでの間に周囲に拡散されて光量が損失することを極力抑えることができるため、光量の低下が防止される。
また、照射光導入凹部806は、上皿左クリアベース313Lの背面313bから供給皿左外LED200cに向けて突設された柱状導光部805a,805bの端面に形成されていることで、上皿左クリアベース313L全体の肉厚を大寸にすることなく、照射光導入面806aを背面側に配置される供給皿左外LED200cに極力近接させることができるため、照射光を効率よく上皿左クリアベース313L内に導光させることができる。
また、入射光反射凹部807は、上皿左クリアベース313Lの前面313aから供給皿左外LED200cと反対側に向けて突設された筒状発光部808a,808bの内側に形成されていることで、入射光反射面807aから外部に放射された光を周囲に拡散することなく、筒状発光部808a,808bの内周面に反射して前方に向けて効率よく誘導することができる。
また、照射光導入面806aは、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも内側に形成されていることにより、照射光導入面806aによる反射光の内部での誘導効果を効果的に向上させることができる。
また、上皿左クリアベース313Lの背面313bにおける照射光導入凹部806から離間した位置に形成され、照射光導入面806aから導入され誘導された入射光を表面側に向けて反射させる上反射部811および下反射部812を備え、供給皿左外LED200cが発光した状態において、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける照射光導入凹部807の正面位置に、照射光導入面806aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成されるとともに、上皿左クリアベース313Lの前面313aにおける上反射部811および下反射部812の正面位置に、入射光反射面807aにより反射した反射光により発光する第2の発光部が形成されるようにした。これにより、上皿左クリアベース313Lの裏面における供給皿左外LED200cとの対向位置に照射光導入凹部806が凹設されることにより供給皿左外LED200cからの照射光が表面側に向けて誘導されるだけでなく、該照射光の一部が照射光導入面806aから上皿左クリアベース313Lの内部に導入されて上反射部811および下反射部812側に向けて誘導されやすくなり、上反射部811および下反射部812により表面側に向けて反射される反射光の光量が増加するため、供給皿左外LED200cが裏面側に配置された第1の発光部だけでなく、供給皿左外LED200cが配置されていない第2の発光部により発光させることができるため、供給皿左外LED200cの配置数量を増加することなく発光部を増加することができる。
さらに、上反射部811の前方には発光板810が形成され、また、下反射部812の前方には筒状発光部808cが形成されることで、これら上反射部811および下反射部812で反射した反射光により、供給皿左外LED200cが配置されていない第2の発光部を効果的に発光させることができる。
また、上皿左クリアベース313Lの前面313aから供給皿左外LED200cと反対側に向けて突設された筒状発光部808a,808bが発光することで、上皿左クリアベース313Lの前面313aよりも前方位置が発光することになり、光に奥行き感を持たせることができるとともに、パチンコ遊技機1の側方からの光の視認性が向上する。
特に、扉枠左発光部204Lおよび扉枠左発光部204Rは、着座して遊技を行なう遊技者の視点よりも下方に位置するものであるため、所定のエラーが発生したことに基づいて筒状発光部808a,808bが発光することで、上皿左クリアベース313Lの前面313aが平面状に発光する場合に比べて、エラーに基づく発光を遊技者や遊技店の店員等が気づきやすくなる。
また、この上皿左クリアベース313Lにおける照射光導入凹部806および入射光反射凹部807のような凹レンズ形状の構成は、上皿左クリアベース313Lだけでなく、たとえば左上クリアベース455a、右上クリアベース455b、左下クリアベース456a、および、右下クリアベース456b等、他のレンズ部にも適用可能である。
〔ジョグボタンの内部構造〕
次に、ジョグボタン500の内部構造を、図37および図38に基づいて説明する。図37は、ジョグボタンの内部構造を示す分解斜視図である。図38は、(a)はジョグボタンを示す平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図であり、(c)はジョグボタンの使用状況の一例を示す断面図である。
なお、図37において、図中左側が遊技者から見て奥側、図中右側は遊技者から見て手前側、図中下側が遊技者から見て左側、図中上側が遊技者から見て右側に向けて配置されるようになっており、説明上において、図中左側をジョグボタン500の上方、図中右側をジョグボタン500の下方、図中下側をジョグボタン500の左方、図中上側をジョグボタン500の右方として説明する。
図37に示されるように、ジョグボタン500は、上面に略水平な操作面501aを有するトップボタン501と、トップボタン501の下方に配置されてトップボタン501を支持するボタンハウジング502と、トップボタン501の周縁において水平方向に回動自在に設けられる環状のジョグダイアル503と、トップボタン501を上方に付勢するジョグボタンバネ504と、ジョグダイアル503の下方に配置される環状のカバープレートセット505と、ジョグダイアル503を回動自在に支持するダイアルベース506と、各部材を支持するボタンベース507と、ボタンベース507の下面に取付けられるジョグ基板508と、から主に構成されている。
なお、このジョグ基板508上に、トップボタン501の操作面501aを発光可能なLED等を設けてもよい。
トップボタン501は、透光性を有する下面が開口する円筒状部材からなり、上面は操作面501aを構成しているとともに、下方に配置されるボタンハウジング502の上部に嵌合可能になっている。操作面501aには、上・下・左・右の方向を示す上方向マーク520a、下方向マーク520b、左方向マーク520c、および、右方向マーク520dがそれぞれ印刷されている。なお、これら方向マークは、トップボタン501の下方に配置される印刷シート(図示省略)等に印刷し、操作面501aを通して透視可能としてもよい。
ボタンハウジング502は、筒状部材からなるとともに、該筒状部材の上部における上下左右位置からは、後述するように光学式センサからなる各種方向スイッチ510a〜510dの透光部と受光部との間を遮蔽可能な上下方向を向く被検出片521a〜521d(図38(b)参照)が放射状に形成されている。
また、筒状部材の下部には、ボタンベース507内部に配置されるジョグボタンバネ504の上端が取付けられるバネ取付部524が形成されており、このジョグボタンバネ504により、ボタンベース507に対してボタンハウジング502が常時上方に付勢された状態で支持されるようになっている。
よって、被検出片521a〜521dは、図38(b)に示される通常状態において各種方向スイッチ510a〜510dの上方に配置され、トップボタン501の所定箇所がジョグボタンバネ504の付勢力に抗して下向きに押圧されたときに、いずれか1つまたは複数の被検出片521a〜521dが各種方向スイッチ510a〜510dの透光部と受光部との間に配置されて遮光しうるようになっている。
このように、本実施の形態のジョグボタン500は、ジョグボタンバネ504により、トップボタン501の操作面501aが押圧方向(下方向)に対して略直交する直交姿勢のまま下方向に向けて押圧可能であり、かつ、該操作面501aの中央から見て周縁の任意の方向(たとえば上下左右方向)が押圧方向(下方向)に対して傾倒する傾倒姿勢で下方向に向けて押圧可能なように、ボタンベース507上に設けられている。
ジョグダイアル503は、ダイアルベース506の外周縁に上向きに連続形成された環状の噛合部522上に載置されるようになっており、該噛合部522に噛合することよりダイアルベース506とともに回転されるようになっている。また、ジョグダイアル503の上面には、複数のグリップ部523が所定間隔おきに突設されている。
ダイアルベース506の筒状の本体部下端縁からは、後述する右上ダイアルスイッチ511a,右下ダイアルスイッチ511bにより検出される複数の被検出ドグ527が、所定間隔おきに下向きに突設されている。
ボタンベース507は、ジョグダイアル503およびダイアルベース506を外周に嵌合可能とする筒状部525が中央に突設されており、その内部にジョグボタンバネ504が配置される。また、ボタンベース507の周縁下部所定箇所からは、ジョグボタン500本体を前述したジョグボタン取付穴380cに嵌合した状態において、ジョグボタン取付穴380cの下面開口周縁に弾性変形により係止可能な外向きの係止爪526(図38(b)参照)が下向きに延設されている。
ジョグボタン500は、ジョグボタン取付穴380cに上方から嵌合することにより、図38(b)に示されるように、ジョグダイアル523の外周下面がジョグボタン取付穴380cの上面開口の周縁部に載置されて位置決めされるとともに、この状態において係止爪526がジョグボタン取付穴380cの下面開口の周縁部に係止されることにより、ジョグボタン取付穴380cに保持されるようになっている。
ジョグ基板508は、上方の被検出片521a〜521dのそれぞれに対応する位置に、該被検出片521a〜521dそれぞれを検出可能な光学式フォトセンサからなる上ジョグスイッチ510a、下ジョグスイッチ510b、左ジョグスイッチ510c、および、右ジョグスイッチ510dが、同一円周上に90度間隔おきに取付けられており、それぞれの被検出片521a〜521dを検出できるようになっている。
各ジョグスイッチ510a〜510dの外側には、上方LED512a、下方向LED512b、左方向LED512c、および、右方向LED512dのそれぞれがジョグスイッチ510a〜510dのそれぞれに対応するように配設されている。
また、方向LED512a〜512dよりも外側の領域における上ジョグスイッチ510aと右ジョグスイッチ510dとの間には、被検出ドグ527を検出可能な光学式フォトセンサからなる右上ダイアルスイッチ511aおよび右下ダイアルスイッチ511bが配設されている。複数の被検出ドグ527は、ダイアルベース506の回転とともに円周方向に回転し、2つの右上ダイアルスイッチ511aおよび右下ダイアルスイッチ511bのそれぞれの透光部と受光部との間を通過するように配置されており、2つの右上ダイアルスイッチ511aおよび右下ダイアルスイッチ511bのそれぞれの検出状況に基づいて、ジョグダイアル503の回転方向および回転量等を特定できるようになっている。
次に、このように構成されたジョグボタン500の押圧操作の検出状況について説明する。まず、通常状態においては、トップボタン501はジョグボタンバネ504により常時上方に向けて付勢されている(図38(b)参照)。この状態において、操作面501aは、ジョグダイアル503の上端よりも上方位置において略水平に保持されている。
この通常状態において、たとえば平面視円形の操作面501aの略中央部が下向きに押圧された場合、トップボタン501およびボタンハウジング502は、操作面501aが略水平に保持された状態のまま下方に向けて押圧される。つまり、操作面501aが押圧方向に対して略直交する直交姿勢のまま押圧されるため、すべての被検出片521a〜521dまたは4つのうち2以上の被検出片が2以上のジョグスイッチ510a〜510dにより同時に検出される。
また、たとえば平面視円形の操作面501aの周縁におけるいずれかの方向マーク520a〜520d(ここでは左方向マーク520c)の印刷箇所が下向きに押圧された場合、トップボタン501およびボタンハウジング502は、操作面501aが左側に傾倒した傾倒姿勢のまま下方に向けて押圧される。つまり、操作面501aが押圧方向に対して左側に傾倒する左傾倒姿勢のまま下方に向けて押圧されるため、すべての被検出片521a〜521dのうち1つの被検出片(ここでは左被検出片521c)のみが、左ジョグスイッチ510cにより検出される(図38(c)参照)。
このように、ジョグボタン500にあっては、操作面501aを直交姿勢のまま下方に向けて押圧した場合と、上下左右いずれかの方向に傾倒する傾倒姿勢で下方に向けて押圧した場合と、でそれぞれ個別に押圧操作が検出される。これにより、たとえば傾倒姿勢での押圧操作の検出が不要な機種または必要な機種でも共通して使用できるので汎用性が向上するばかりか、押圧姿勢の違いを判定できるため、1つの操作手段により、多数の押圧操作を検出することができる。さらに、たとえば上下左右の傾倒方向の違いに応じて押圧方向を認識することができるため、ジョグボタン500を方向キーとして使用することもできる。
また、ジョグボタン500は、打球供給皿3の上面側に遊技者による操作が可能に設けられているため、たとえば遊技に関連する演出の実行時等において、たとえば変動表示装置9に表示される演出画像や、あるいは図示しない機械的構造物からなる役物装置等を動作させたり、演出背景等を選択可能な演出用操作ボタンとして使用することができるばかりか、遊技履歴等の表示操作ボタンとして使用することも可能である。さらに、たとえばリーチ演出の発生時において、複数種類のリーチ演出パターンのうちからいずれかを選択させるための操作ボタンとして使用することも可能である。
また、単一の押圧操作を検出するだけでなく、上下左右の4種類の方向への傾倒姿勢での押圧操作を個別に検出できるため、いわゆる方向キーとしての機能を持たせることができ、これにより、たとえば選択画面上におけるカーソルの移動方向を選択したり、役物装置の可動方向を指示する方向キーとして使用することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、演出制御用マイクロコンピュータ81は、上記のように2以上のジョグスイッチ510a〜510dにより被検出片521a〜521dの検出があった場合には、前記直交姿勢で押圧操作がなされたと判定するようになっていたが、所定条件成立時、たとえば演出実行中においてジョグボタン500の押圧操作を促す演出(上下左右等の方向を示さない演出)が行なわれた場合等においては、いずれか1つのジョグスイッチ510a〜510dでのみいずれかの被検出片521a〜521dが検出された場合でも、前記直交姿勢で押圧操作がなされたと判定するようになっている。このように所定条件の成立状況に応じて、押圧操作の判定方法を変えることができるため、汎用性が向上するとともに、遊技者による押圧操作を確実に検出することが可能となる。
また、トップボタン501の外周にジョグダイアル503が正逆回転自在に設けられていることで、前述したような変動表示装置9に表示される演出画像や、あるいは図示しない機械的構造物からなる役物装置等を動作量や動作方向等を指定可能な演出用操作ダイヤルとして使用することが可能となるため、操作性が向上する。
〔余剰球受皿の内部構造〕
次に、余剰球受皿の内部構造について、図39に基づいて説明する。図39は、余剰球受皿4の内部構造を示す分解斜視図である。
図39に示されるように、余剰球受皿4は、下皿枠104を構成する下皿本体板350と、余剰球受皿4の背面を覆う下皿背板351と、上方に開口した凹部が形成された皿状の下皿球受け352とから主に構成されている。より具体的に、下皿球受け352は、前面および左右両側面が壁部で囲まれた皿状の部材である。下皿本体板350は、下皿球受け352等の部材を収容可能な収容凹部としての球受け収容部350aがパチンコ遊技機1の前面(表面)側に向けて平面視略コ字形の形状で突出(膨出)するように形成されている。具体的に、下皿本体板350は、下皿球受け352と同様に、前面および左右両側面が壁部で囲まれた皿状の部材である。下皿本体板350は、下皿本体板350の中央部には、下皿球受け352を上部に載置する態様で収容するための開口(上方向きの開口)が設けられている。球受け収容部350aは、この上方向きの開口と、その内部の空間を含む収容部である。球受け収容部350aは、下皿球受け352が背面側から取付けられるように構成されている。
下皿球受け352は、受皿LED202aが複数上面に設けられた受皿LED基板353が取付けられる下皿LEDベース354を介して球受け収容部350aに取付けられる。下皿球受け352における前面および左右両側面の壁部と、その外側での球受け収容部350aにおける前面および左右両側面の壁部との間には、下皿LEDベース354を設けるための隙間(空間)902が壁部間に沿って形成されており、その隙間902において、下皿LEDベース354が取付けられる。
下皿LEDベース354は、透明な合成樹脂材よりなり、下皿球受け352の前縁および左右側縁(つまり、下皿球受け352の縁部)を囲む平面視略コ字形に形成されている。下皿LEDベース354の前縁および左右側縁上部には、受皿発光部202を構成する平面視略コ字形をなす上面板354aが形成されている。また、下皿LEDベース354の前縁および左右側縁下部には、上面板354aとほぼ同形をなす下面板354bが形成されており、該下面板354bの上面に受皿LED基板353が取付けられるようになっている。具体的に、受皿LED基板353は、下皿LEDベース354と同様に、下皿球受け352の前縁および左右側縁(つまり、下皿球受け352の縁部)を囲む平面視略コ字形に形成されており、該下面板354bの上面に取付けられる。受皿LED202aは、下皿球受け352の前縁および左右側縁の全体に亘って発光可能となるように、受皿LED基板353において、下皿球受け352の前縁に対応する部分、および、左右側縁に対応する部分において、適宜の間隔で配置されている。
そして、この上面板354aの上方には、上面板354aとほぼ同形をなす乳白色のシボシート355が配置されるとともに、さらにその上方に、透光性を有する下皿アクリルセンター356が配置されている。シボシート355は、入射光を拡散させる機能を有するシート状の部材である。シボシート355により受皿LED202aからの光が拡散され、かつ受皿発光部202が面発光される。下皿アクリルセンター356は、下皿LEDベース354と同様に、下皿球受け352の前縁および左右側縁(つまり、下皿球受け352の縁部)を囲む平面視略コ字形に形成されており、下皿球受け352と、球受け収容部350aとを連結する態様で、下皿LEDベース354の上面側に取付けられる。より具体的に、下皿アクリルセンター356は、下皿LEDベース354の上面板354aとの間に、シボシート355を挟んだ態様で、下皿LEDベース354の上面側に取付けられている。
このように構成された余剰球受皿4は、球が貯留される下皿球受け352の前縁および左右側縁の上部、すなわち、下皿球受け352の縁部を囲う位置に、所定幅を有する平面視略コ字形をなす平坦な受皿発光部202が、上向きに発光可能な状態で設けられている。
また、受皿発光部202を発光させる発光体(演出用の電気部品)としての受皿LED202aを有する受皿LED基板353は、該受皿発光部202の発光面を構成する下皿アクリルセンター356から下方に離間した位置に配置されている。さらに、これら受皿LED基板353と下皿アクリルセンター356との間にシボシート355および上面板354aが配設されており、指向性の高い受皿LED202aからの光を拡散させて下皿アクリルセンター356を面発光させることができるようになっている。
このような余剰球受皿4は、下皿球受け352、下皿LEDベース354、受皿LED基板353、および、下皿アクリルセンター356等の各種部品が球受け収容部350aに収容される態様で、下皿本体板350に取付けられ、背面に下皿背板351が取付けられることにより構成される。
下皿本体板350の前面左右側には、受皿左LED203aが前面に実装される左幕板LED基板340L、および、受皿右LED203bが前面に実装される右幕板LED基板340Rが取付けられている。左幕板LED基板340Lの前面には、下皿幕板保護シート341および左下皿LEDケース342Lが取付けられる。右幕板LED基板340Rの前面には、下皿幕板保護シート341および右下皿LEDケース342Rが取付けられる。また、左下皿LEDケース342Lおよび右下皿LEDケース342Rのそれぞれの前面外側には、凹凸加工が施された棒状の下皿光拡散レンズ343が取付けられる。また、右下皿LEDケース342Rの前面内側には、下皿アクリルサーキット344および下皿ストラクチャー345がネジにより取付けられる。
棒状の下皿光拡散レンズ343により、その背面側に配置される1つの受皿左LED203aおよび受皿右LED203bの光が上下方向に拡散されるようになっている。また、左側には、コ字形をなす下皿メッキフレーム346および下皿ストラクチャーカバー347が取付けられる。
さらにこれらの前面側には、透明な左下皿アクリルカバー348Lおよび右下皿アクリルカバー348Rが取付けられ、さらにその下方には、左下皿下飾り349Lおよび右下皿下飾り349Rが取付けられ、これらにより受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rが形成される。なお、下皿本体板350の前面右側には、打球操作ハンドル5を構成するハンドルベース540が取付けられるハンドル取付部551が突設されている。
また、下皿本体板350の前面左側における左幕板LED基板340Lの取付位置の内側には、前後に貫通する貫通口が形成されており、その背面側には、左下皿ストラクチャー560が配置され、さらにその背面側には、下皿アクリルサーキット561および下皿メッキ飾り562が配置される。そして、この下皿メッキ飾り562の前面には、その背面側から取付けられる複数のネジ900により、下皿メッキ飾り562と、さらに下皿本体板350の前面側に配置される左下皿アクリルカバー348Lとが取付けられるようになっており、下皿本体板350を挟んでその前後の下皿メッキ飾り562と左下皿アクリルカバー348Lとが一体化された状態で取付けられる。より具体的には、複数のネジ900は、左下皿アクリルカバー348Lの表面側から嵌め込まれる複数の下皿ストラクチャーピン901と同軸的に螺合される。下皿ストラクチャーピン901は、ネジ900よりも大径のピン状の部材である。左下皿ストラクチャー560、下皿アクリルサーキット561、および、下皿メッキ飾り562のそれぞれには、複数の下皿ストラクチャーピン901を嵌め入れるための穴部が形成されている。下皿ストラクチャーピン901が下皿メッキ飾り562の背面まで嵌め入れられ、下皿ストラクチャーピン901の軸心部分に形成されたネジ孔にネジ900が螺入されることにより、下皿本体板350を挟んでその前後の下皿メッキ飾り562と左下皿アクリルカバー348Lとが一体化された状態で固定される。なお、下皿メッキ飾り562の背面側には、下皿幕板保護シート563および前面に左下皿LEDが実装される左下皿LED基板564が取付けられている。下皿幕板保護シート563は、左下皿LED基板564と同様の形態に形成されたシート状の保護部材であり、左下皿LED基板564の表面側を保護する。なお、右下皿アクリルカバー348Rを通して左下皿ストラクチャー560等が視認できるようになっている。
また、下皿球受け352の下面には、球抜き穴を開閉自在とするスライド板570と、該スライド板570を球抜き穴の閉塞方向に付勢するコイルバネ571と、これらスライド板570およびコイルバネ571を配設するための下皿球抜きベース572とが下面側からネジにより取付けられている。
このような受皿右発光部203Lおよび受皿右発光部203Rは、前述したように満タンスイッチ19により余剰球受皿4が満タン状態となったことが検出されたときに、満タン状態となった旨、すなわち、満タン状態となった異常状態を報知するために、受皿左LED203aおよび受皿右LED203bが点滅(発光)されることにより、発光させられる。
〔余剰球受皿左右側の発光部構造〕
次に、図40に基づいて、受皿右発光部203Lおよび受皿右発光部203Rの発光部構造を説明する。図40は、(a)は下皿光拡散レンズおよび右下皿LEDケースを示す正面図であり、(b)は(a)のG−G断面図であり、(c)は(b)のH−H断面図である。なお、受皿右発光部203Lおよび受皿右発光部203Rにおける下皿光拡散レンズ343は左右同様に構成されているため、ここでは受皿右発光部203Rの構造を説明し、受皿左発光部203Lの詳細な説明は省略することとする。
受皿右発光部203Rには、図40に示されるように、前述した導光部材としての下皿光拡散レンズ343、および、その背面(裏面)側に配置される受皿右LED203bから主に構成される直線発光部が上下方向に延在する態様で設けられている。
下皿光拡散レンズ343は、透明な合成樹脂材により棒状に形成されている。下皿光拡散レンズ343は、板状部1801、中央リブ1802C、左リブ1802L、および、右リブ1802Rが一体成形されることにより構成されている。板状部1801(図40(c)参照)は、帯状に形成されている。中央リブ1802Cは、板状部1801の左右方向の前面中央部から前方に向けて延設されている。左リブ1802Lおよび右リブ1802Rのそれぞれは、板状部1801の左右方向の前面端部からそれぞれ外側斜め前方に向けて延設されている。このように、上下方向に延設される下皿光拡散レンズ343は、左右方向に並設されるとともに、それぞれの後端が一体化されてなる3本の左リブ1802L,中央リブ1802C,右リブ1802Rにより構成されている。左リブ1802Lおよび右リブ1802Rは、中央リブ1802Cに対して所定角度傾斜した状態で設けられているため、左リブ1802Lと中央リブ1802Cとの間、および、右リブ1802Rと中央リブ1802Cとの間には、断面略三角形状をなす空間が上下方向に向けて形成されている。
これら左リブ1802L、中央リブ1802C、および、右リブ1802Rの前端面および板状部1801の裏面には、長手方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており(図40(b)参照)、内部の光が外方に放射されるようになっている。
下皿光拡散レンズ343の裏面上下方向の中央位置には、板状部1801裏面から左リブ1802L、中央リブ1802C、および、右リブ1802Rの基部までの深さを有するとともに、左右幅方向に延びる第1の凹部1803が凹設されている。また、下皿光拡散レンズ343の表面側における第1の凹部1803に対応する箇所には、第1の凹部1803を形成するための第1の凸部1805が、左リブ1802Lと中央リブ1802Cとの間および右リブ1802Rと中央リブ1802Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されている。
第1の凹部1803は、垂直導入面1807aと上水平導入面1807bと下水平導入面1807cとにより側面視略コ字形に形成された照射光導入面を構成しており、その裏面側に配置される受皿右LED203bからの照射光が該下皿光拡散レンズ343内部に導入されるようになっている。垂直導入面1807aは、パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く面である。上水平導入面1807bは、垂直導入面1807aの上端から裏面側に向けて連設され、パチンコ遊技機1の底面に対して水平方向を向く面である。下水平導入面1807cは、垂直導入面1807aの下端から裏面側に向けて連設され、パチンコ遊技機1の底面に対して水平方向を向く面である。
なお、垂直導入面1807aには上下方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。また、下皿光拡散レンズ343の上下端は斜めに切り欠かれており、裏面側に向けて上方に傾斜する傾斜反射面1808b、1808cが形成されている。
一方、右下皿LEDケース342Rの前面には、下皿光拡散レンズ343を前方から配置可能なレンズ配置部1810が上下方向に向けて延設されている。レンズ配置部1810には、該その裏面側に配置される受皿右LED203bとの対向位置に、該受皿右LED203bの照射面を前方に露呈させるための照射用開口1811が形成されている。この照射用開口1811により、受皿右LED203bからの照射光を前方に向けて照射させることができるようになっている。
照射用開口1811の前方には、下皿光拡散レンズ343が配置された状態において、第1の凹部1803内に収容されて係合する三角柱状の照射光反射部1812が左右方向に向けて架設されている。この照射光反射部1812の裏面側には、裏面側に向けて下方に傾斜する上照射光反射面1812bと、裏面側に向けて上方に傾斜する下照射光反射面1812cとがそれぞれ形成されている。上照射光反射面1812bは、受皿右LED203bからの照射光を照射光反射面1808cに向けて反射させて、上水平導入面1807bに入射させる。下照射光反射面1812aは、受皿右LED203bからの照射光を傾斜反射面1808bに向けて反射させて、下水平導入面1807cに入射させるようになっている。
また、右下皿LEDケース342Rの上下端部には、下皿光拡散レンズ343が配置された状態において、下皿光拡散レンズ343の下端に形成された傾斜反射面1808b’および上端に形成される傾斜反射面1808cそれぞれに当接もしくは近接する補助反射面が形成されている。このように反射面間を所定の間隔で形成すると、前述した場合と同様の理由に基づいて、発光する部分の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
レンズ配置部1810を構成する右下皿LEDケース342Rおよび照射光反射部1812は、非透光性の合成樹脂材により構成されているとともに、右下皿LEDケース342Rの前面および上記各反射面1812a〜1812cにはメッキ処理が施されているため、下皿光拡散レンズ343内部から放射される光を反射して再度内部に入射させるようになっている。
次に、上述のように構成された下皿光拡散レンズ343、右下皿LEDケース342R、受皿右LED203bの詳細な構造および互いの配置関係等について説明する。
第1の凹部1803は、裏面側に向けて開放する凹溝状に形成されている。詳しくは、第1の凹部1803を構成する垂直導入面1807aの上下幅寸法L1は約5mmであり、上水平導入面1807bおよび下水平導入面1807cの前後幅寸法L2は約2.5mmとされている。
この第1の凹部1803内に収容される照射光反射部1812の垂直反射面1812aの上下幅寸法は、前記垂直導入面1807aの上下幅寸法L1よりも短寸とされており、垂直反射面1812aの上端と上水平導入面1807bとの間および垂直反射面1812aの下端と下水平導入面1807cとの間には僅かな隙間が形成されている。よって、受皿右LED203bからの照射光がこの僅かな隙間から照射光反射部1812よりも前方に向けて放射されるようになっている。
照射光反射部1812は、上照射光反射面1812bと下照射光反射面1812cとの接合端辺、すなわち頂辺が底壁面1810aよりもやや前方に位置するように設けられている。また、上水平導入面1807bに対する上照射光反射面1812bの傾斜角度および下水平導入面1807cに対する下照射光反射面1812cの傾斜角度θ1はそれぞれ約45度とされている。受皿右LED203bは、光を前方に向けて略水平に照射、すなわち、垂直導入面1807aに対して直交方向に照射するように配置されているため、該受皿右LED203bからの照射光は、上照射光反射面1812bと下照射光反射面1812cとによりそれぞれ上下方向に反射されるようになっている。
右下皿LEDケース342Rは、レンズ配置部1810の裏面側に近接配置されているとともに、受皿右LED203bが照射用開口1811に臨むように配設されている。すなわち、各照射光反射部1812の裏面側には受皿右LED203bがそれぞれ配設されている。
下皿光拡散レンズ343に対する光の供給は、第1の凹部1803から行なわれる。受皿右LED203bから照射された光は、前方に向けてほぼ水平に照射されるため、照射用開口1811を通過した光は主に上照射光反射面1812bおよび下照射光反射面1812cにより上方および下方に向けて反射する。ここで、照射方向とほぼ平行な上水平導入面1807bに対する上照射光反射面1812bの傾斜角度および下水平導入面1807cに対する下照射光反射面1812cの傾斜角度θ1=45度であるため、反射光は上水平導入面1807bおよび下水平導入面1807cに対してほぼ直交する方向に反射する。
上水平導入面1807bおよび下水平導入面1807cに対する入射角は0度となるため、入射光は上水平導入面1807bおよび下水平導入面1807cによりほぼ屈折することなく、上方および下方に向けてほぼ垂直に入射し、そのまま直線的に進む。
下水平導入面1807cから入射した入射光は、下方に向けてほぼ垂直に進み、下水平導入面1807cの直下に配設された傾斜反射面1808bに入射する。この入射光の光路は、上傾斜反射面1808bの法線H(図示省略)に対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーがすべて反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、傾斜反射面1808bの前方位置、すなわち、下端付近がその周辺に比べて強く発光する。
なお、上水平導入面1807bから入射した入射光は、上方に向けてほぼ垂直に進み、上端に形成された傾斜反射面1808cに入射する。この入射光の光路は、下傾斜反射面1808cの法線H(図示省略)に対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーがすべて反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、傾斜反射面1808cの前方位置、すなわち、上端付近がその周辺に比べて強く発光する。
第1の凹部1803に戻って、受皿右LED203bから照射された光は、上述のようにすべてが上下の照射光反射面1812b,1812cに向けて水平に照射されるわけではなく、上水平導入面1807bや下水平導入面1807cに対して斜めに入射する光もある。したがって、これら光は、レンズ内部に透過され、または反射することになる。
ここで、受皿右LED203bからの照射光、上水平導入面1807b、または、下水平導入面1807c等で反射した反射光等、上照射光反射面1812bの上端辺と上水平導入面1807bとの隙間、または、下照射光反射面1812cの下端辺と下水平導入面1807cとの隙間に入り込んだ光は、垂直導入面1807aに入射し、レンズ内部に透過され、または反射することになる。このため、垂直導入面1807aの前方上下位置、すなわち、第1の凸部1805の上下部付近が、その周辺に比べて強く発光する。
また、垂直導入面1807aに入射した光は、反射した場合でもその裏面側に垂直反射面1812bが配置されていることにより、反射光が外部に放射されることなく、該垂直反射面1812aに反射して再度垂直導入面1807aに入射するため、垂直導入面1807aが明るくなる。さらに、垂直導入面1807aにはローレット加工が施されていることで、その裏面側上下端付近から入射する光が凹凸面により上下方向にわたり分散して反射されるため、照射光反射部1812により受皿右LED203bからの照射光が遮られても、上下幅方向にわたり発光することになる。
このように、下皿光拡散レンズ343にあっては、裏面側に配置された受皿右LED203bとの対向位置に、各導入面1807a〜1807cからなる第1の凹部1803が凹設されていることにより、受皿右LED203bから前方に向けて水平に照射される光によって、第1の凹部1803の前方に形成される第1の凸部1805付近が、その周辺に比べて強く発光する。つまり、受皿右LED203bが発光することにより、下皿光拡散レンズ343の表面における第1の凹部1803の正面位置に、主に垂直導入面1807aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成される。
また、垂直導入面1807aと受皿右LED203bとの間には非透光性部材からなる照射光反射部1812が配置されており、これにより垂直導入面1807aの裏面側が遮られていることで、受皿右LED203bの照射光が直接垂直導入面1807aを透過して前方に放射されることがないので、第1の発光部における輝度が適度に低下される。
一方、右枠LED28cの裏面側には上下の照射光反射面1812b,1812cが形成されており、受皿右LED203bの照射光を上下の水平導入部1807b,1807cに対して直交方向に入射させるようになっているため、反射による光の損失を極力抑えた状態で照射光を傾斜反射面1808b,1808c側に向けて誘導することができるばかりか、透過光が上下の水平導入部1807b,1807cの直下および直上に形成される上下の傾斜反射面1808b,1808cに向けて直線的に誘導され、上下の傾斜反射面1808b,1808cに入射する前に外部に放射することを効果的に防止できるため、上下端における輝度を高めることができる。
さらに、上下の傾斜反射面1808b,1808cの裏面側には、非透光性部材からなる上下の補助反射面が近接配置されているため、上下の傾斜反射面1808b,1808cから外部に放射される光が再度内部に入射されるため、上下端における輝度を高めることができる。
また、垂直導入面1807a、上水平導入面1807b、および、下水平導入面1807cに対してそれぞれ斜めに入射して下皿光拡散レンズ343内部に透過した入射光は、主にローレット加工が施された面、つまり各リブ1802L,1802C,1802Rの前端面や板状部1801の裏面から外部に放射される。よって、下皿光拡散レンズ343の上下方向に延設された各リブ1802L,1802C,1802Rの前端面が、上下方向にわたって均等に発光するため、下皿光拡散レンズ343の表面を長手方向にわたり発光させることができる。
また、下皿光拡散レンズ343内部から板状部1801の裏面から外部に放射された光は、その裏面に近接配置される底壁面1810aにより反射されて再度内部に透過されるとともに、下皿光拡散レンズ343内部から左右のリブ1802L,1802Rの外面から外部に放射された光は、その外側に近接配置される傾斜壁面1801b,1810cにより反射されて再度内部に透過され、これにより下皿光拡散レンズ343内部を誘導される光が裏面側に放射しにくくなり、光が前方に向けて放射されやすくなるため、下皿光拡散レンズ343全域を効率よく発光させることができる。
〔供給皿左右発光部および受皿発光部の発光状況〕
次に、このように構成された供給皿左発光部200L、供給皿右発光部200Rおよび受皿発光部202の発光状況について、図41および図42に基づいて説明する。図41は、(a)が供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rの発光状況を示す正面図であり、(b)が供給皿右発光部200Rの発光状況を示す右側面図である。図42は、(a)が受皿発光部202の発光状況を示す正面図であり、(b)が受皿発光部202の発光状況を示す右側面図である。
供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rは、前述したように、遊技状態に応じた演出を行なうために所定の発光パターンで発光させられ、また、入賞異常報知を行なうために点滅させられる。遊技状態に応じた演出が行なわれるときと、入賞異常報知が行なわれるときは、発光パターンが異ならされる。なお、供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rは、装飾のための発光が行なわれてもよい。
供給皿前発光部201は、前述したように、遊技状態に応じた演出および装飾を行なうために所定の発光パターンで発光させられる。遊技状態に応じた演出が行なわれるときと、装飾のための発光が行なわれるときは、発光パターンが異ならされる。なお、供給皿前発光部201は、所定の異常状態(エラー状態)が生じたときに点滅させる等、入賞異常報知を行なうために用いてもよい。
扉枠左発光部204Lおよび右側方発光部204Rは、前述したように、入賞異常報知を行なうために点滅させられる。なお、扉枠左発光部204Lおよび右側方発光部204Rは、遊技状態に応じた演出を行なうために所定のパターンで発光させてもよく、装飾のための発光が行なわれてもよい。
受皿発光部202は、前述したように、遊技状態に応じた演出を行なうために所定の発光パターンで発光させられ、また、満タン報知を行なうために点滅させられる。遊技状態に応じた演出が行なわれるときと、満タン報知が行なわれるときは、発光パターンが異ならされる。なお、受皿発光部202は、装飾のための発光が行なわれてもよい。
受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rは、前述したように、満タン報知を行なうために点滅させられる。遊技状態に応じた演出が行なわれるときと、満タン報知が行なわれるときは、発光パターンが異ならされる。なお、受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rは、遊技状態に応じた演出を行なうために所定のパターンで発光させてもよく、装飾のための発光が行なわれてもよい。
左発光部28Lおよび右発光部28Rは、前述したように、装飾を行なうために所定の発光パターンで発光させられる。なお、左発光部28Lおよび右発光部28Rは、遊技状態に応じた演出を行なうために所定のパターンで発光させてもよく、所定の異常状態(エラー状態)が生じたときに点滅させる等、入賞異常報知を行なうために用いてもよい。
これら発光部は、所定の異常状態(エラー状態)が生じたときに発光させてもよい旨を説明したが、対象となる異常状態は、前述した異常状態に限らず、各種の異常状態を対象として用いてもよい。
供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rは、図41(a),(b)中網点で示されるように、打球供給皿3の左右側面に側面視略V字形状に形成されている。すなわち、供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rはパチンコ遊技機1の外側方を向くように設けられているため、図41(b)に示されるように、パチンコ遊技機1の側方からの視認性が高いので、たとえば遊技店の店員等が図示しない遊技機設置島の端部側等にいる場合でも、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rの発光を視認しやすくなるため、前述した異常状態(エラー状態)の発生に対して早期に対処することができる。
また、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rは、図41(a)に示されるように、前面枠101の前面から遊技者側(先端の屈曲部301a)に向かうにしたがい、前面枠101の左右方向の中央に向けて傾斜するように設けられているので、遊技者も発光状況を視認可能になるため、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rを、遊技に関わる演出手段として発光させることが可能である。
受皿発光部202は、図42に示されるように、余剰球受皿4における下皿球受け352の前縁および左右側縁を囲むように、平面視略コ字形に形成されているため、余剰球受皿4が満杯になった旨を音声や変動表示装置等により報知する場合、遊技に関わる演出等が遮られてしまうことがあるが、余剰球受皿4が満杯になった旨を光により報知することにより、演出等を遮ることなく遊技者に認識させることができる。また、余剰球受皿4の周縁が発光するため、遊技者は貯留皿が満杯になった旨を認識しやすいばかりか、余剰球受皿4に球が貯留されていても球により光が遮られることがない。
〔打球操作ハンドルの内部構造〕
次に、打球操作ハンドル5の内部構造について、図43に基づいて説明する。図43は、打球操作ハンドルの内部構造を示す分解斜視図である。
打球操作ハンドル5は、前述したハンドル取付部に取付けられる円筒状のハンドルベース540と、該ハンドルベース540の前面開口中心部にハンドルカラー541を介して後端が回動自在に軸支される前後方向を向くハンドルシャフト542と、ハンドルシャフト542の前端に相対回転不能に固定されるとともに、遊技者により操作可能に設けられるハンドルリング543と、ハンドルリング543の前面に取付けられる略半球状のハンドルトップ台544と、から主に構成される。
ハンドルベース540は、円筒状の筒状取付部540aと、該筒状取付部540aの前部に拡径して連設されるとともに、前面開口にハンドルリング543が回動自在に設けられるハンドル取付部540bとから構成されている。ハンドル取付部540bの内部には、ハンドルリング543の回転およびスイッチレバー546を検出可能なマイクロスイッチ545と、上端を中心に揺動自在に支持され、球の連続発射を停止させる際に操作するスイッチレバー546と、アース線が取付けられるとともに、ハンドルリング543の回動を規制するためのフック板金547が取付けられている。なお、ハンドルリング543が初期位置にある状態においてスイッチレバー546が押圧されて球の発射が停止されることになる。
ハンドルシャフト542の前端は、ハンドルリング543の中心を貫通して前方に突出されており、その前端には、ハンドルコイルバネ548および円筒状のハンドルカラー549を介してハンドルトップ台544が相対回転不能に固定されている。また、ハンドルトップ台544の前面には、ハンドルクロス550が取付けられている。ハンドルコイルバネ548は、導電性を有する金属製のバネであり、ハンドルリング543(導電性を有する)とフック板金547(導電性を有する)とのそれぞれと電気的に接続されている。フック板金547は、所定の接地経路を経て電気的に接地(アース)されている。これにより、ハンドルリング543は、ハンドルコイルバネ548およびフック板金547を介して電気的に接地(アース)されている。このように、ハンドルコイルバネ548は、弾性力によりハンドルリング543を不勢する機能を有するとともに、ハンドルリング543を電気的に接地される機能も有する。また、ハンドルコイルバネ548は、弾性体であるので、ハンドルリング543のような回動する部材であっても、自らが延びることにより、ハンドルリング543との電気的な接続状態を容易に保持することが可能である。
〔機構板の構造〕
次に、機構板105の構造について、図44に基づいて説明する。図44は、機構板の構造を示す分解斜視図である。なお、図44において図中右斜め上側が前面側、左斜め下側が背面側であり、前面側から見た状態で説明する。
機構板105は、水平な上辺部700aおよび上辺部700aの左側端部から下方に連設される上下方向に延びる左辺部700bにより略L字形をなす機構板本体上部700と、機構板本体上部700の左辺部700b下端に接続される機構板本体下部701と、機構板本体上部700と機構板本体下部701との右側端部同士を連結する棒状のジョイント部702と、から四角枠状に構成されている。
機構板本体上部700における上辺部700aの前面側には、母線カバー7050、前述したスイッチバー415により押圧可能に設けられ、ガラス扉枠102および当該機構板105の開放を検出する前板スイッチ7060、前板スイッチカバー707、および、配線押え708が取付けられている。左辺部700bの前面側には、供給球誘導通路160を構成する裏通路カバー709と、上端が弁固定ピン7110により揺動自在に枢支され、供給球誘導通路160を流下してきた球流路を球抜き通路161に切り替え可能とする球抜き弁710と、球抜き弁710を押える弁押え712とが設けられるとともに、球抜き弁710の上方には、機構板105を回動自在に枢支するための上蝶番713、外枠100に対する機構板105および前面枠101の開放を検出する外枠スイッチ714、外枠スイッチレバー715、外枠スイッチベース716がそれぞれ取付けられている。
機構板本体上部700における上辺部700aの背面側には、球タンク38を取付けるための球タンク取付部720が凹設されている。この球タンク取付部720の前面は、前面枠101における膨出部121に対向配置される。球タンク取付部720の上部左右側には、前面枠101の背面に取付けられた機構板止め具418a,418bに係合可能な機構板押え721,721がスライド自在に取付けられている。球タンク取付部720の下方には、供給球誘導通路160を構成する左右方向を向くタンクレール722が取付けられているとともに、タンクレール722内の球を均す球均し振子723が上端を中心に揺動自在に枢支されている。なお、タンクレール722内には前後2条の球通路が構成されている。
供給球誘導通路160のカーブ通路近傍には、球均し板金724,球を2列に仕切る仕切り板725が取付けられているとともに、その上方には、アース基板726が取付けられている。また、供給球誘導通路160におけるカーブ通路およびその下流側の背面は経路カバー727により構成されるとともに、カーブ通路の上側は母線出口カバー728により被覆される。
経路カバー727におけるカーブ通路下部には球切れスイッチ197が取付けられるとともに、下端には球ストッパーセット729が取付けられている。また、経路カバー727により構成される通路近傍には、弁押え712に固着されて該弁押え712を回動操作可能な前後方向を向く円柱状の球抜きレバー730が軸心周りに回動自在に枢支されている。
経路カバー727の下部には、球払出装置97が左辺部700bに対して着脱自在に取付けられており、供給球誘導通路160を流下してきた球が供給されるようになっている。また、経路カバー727の背面にはケースカバー731が、その上端を左右方向を向く軸周りに揺動自在に取付けられており、経路カバー727および球払出装置97の背面が被覆されるようになっている。また、左辺部700bの下端には、払出球誘導通路カバー732が取付けられている。
機構板本体下部701の左側上部には、払出球誘導通路131aの一部が形成されており、その背面側には、配線カバー740が取付けられている。機構板本体下部701を構成する取付板180の背面左側には、球抜き通路161および合流通路163が形成されているとともに、その近傍には機構板中継基板741が取付けられている。これら球抜き通路161,合流通路163,機構板中継基板741の背面側には、これら通路背面を構成する排出部カバー742が取付けられている。なお、排出部カバー742の背面右側には電源基板ケース910aを押さえるための押え用レバー183が回動自在に取付けられている。
排出部カバー742の背面には、基板取付ベース743が取付けられているとともに、その側方には、カードユニット50との通信用の基板であって、払出制御基板37とのやり取り信号と残高表示基板385にカードユニット50からの信号を中継する基板SAKV744を収容可能なケース本体744bおよびケースカバー744cからなる基板SAKVケース744aが取付けられている。これら排出部カバー742およびその背面に取付けられる基板取付ベース743により背面側に膨出する膨出部が形成されており、基板取付ベース743の背面は、払出制御基板ケース37aが取付けられる取付面180bとして形成されており、該取付面180bにはフック挿通用スリット190が形成されている。
払出制御基板ケース37aは、ケース本体37bおよびケースカバー37cから構成され、内部に払出制御基板37を収納可能に構成されており、取付面180bの背面に取付けられている。ケースカバー37cには複数の封止片37eが形成されており、これら封止片37eに取付けた図示しないワンウェイネジをケース本体37bに形成されたネジ部37dに螺入することにより、ケース本体37bとケースカバー37cとを開放不能に固着することが複数回できるようになっている。なお、37fはワンウェイネジの頭部を被覆するキャップである。また、基板取付ベース743の上部には、図示しない遊技機設置島の内部に配設された球通路等から落下する球によりコネクタが破損することを防止するためのコネクタカバー745および突張りレバー184が取付けられている。
コネクタカバー745は、一側端部に形成された軸受け部745bが基板取付ベース743に形成された軸部743bに回動可能に枢支されているとともに、基板取付ベース743側に向けて突設された弾性変形可能な係止爪745aを基板取付ベース743の上部に形成された係止穴743aに係止することにより、基板取付ベース743上部に保持されるようになっている。
取付板180の背面右側には、電源基板ケース910aが取付けられる取付面180aが形成されており、その背面には、シールド板金750および配線収束用のワイヤーラグ751が取付けられており、シールド板金750の背面側に電源基板ケース910aが配設されるようになっている。電源基板ケース910aは、ケース本体910bおよびケースカバー910cから構成され、内部に電源基板910を収納できるようになっている。
なお、これら払出制御基板ケース37aおよび電源基板ケース910aの取付方法の詳細は前述しているため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、取付板180の背面右側辺部には、前面枠101の背面に取付けられた機構板止め具418cに係合可能な機構板押え721がスライド自在に取付けられているとともに、取付板180の前面左側辺部には、上端が左側辺部700bの前面に固定される上下方向に延びる下蝶番752の下端が固定されている。よって機構板105は、下蝶番752および上蝶番7130により、上下方向を向く左辺部700bを中心として回動自在に枢支されている。
次に、以上に説明した実施の形態の主な効果を以下に列挙する。
(1) 図39に示すように、余剰球受皿4は、下皿本体板350に形成された球受け収容部350aに、下皿球受け352、下皿LED基板353、下皿LEDベース354、および、下皿アクリルセンター356が収容される態様で取付けられ、背面側に下皿背板351が取付けられたことにより、構成される。下皿LED基板353において受皿LED202aが下皿球受け352の縁部を囲う位置に配置され、受皿LED202aに臨む態様で下皿LEDベース354の上方に下皿アクリルセンター356が設けられるので、下皿球受け352の縁部を囲う範囲で受皿LED202aが発光し、その光が下皿LEDベース354の上方の下皿アクリルセンター356を介して放射される。これにより、下皿球受け352の縁部を囲う位置において光が上方へ放射されることにより、下皿球受け352の縁部を光により装飾することが可能となるので、発光体の配置により演出効果を向上させることができる。
(2) 図39に示すように、下皿球受け352と下皿本体板350との隙間902に、下皿LEDベース354、下皿LED基板353、および、下皿アクリルセンター356等の余剰球受皿4を発光させるための部材を設けている。下皿アクリルセンター356は、その隙間902と同様の形状に形成され、下皿球受け352と下皿本体板350とを連結する態様で下皿球受け352と下皿本体板350に取付けられている。下皿アクリルセンター356は、単に光を透過させる機能だけではなく、下皿球受け352と下皿本体板350とを連結する機能も持っているので、透光機能を有する透光部材が連結部材としての機能も有することとなり、このような機能の兼用により、余剰球受皿4の部品点数を削減することができる。
(3) 図39に示すように、下皿アクリルセンター356は、下皿LEDベース354の上面板354aとの間にシボシート355を挟んだ態様で、下皿LEDベース354における上面板354aの上面側に取付けられるので、透光機能を有する下皿アクリルセンター356がシボシート355を取付ける機能も有することとなり、このような機能の兼用により、余剰球受皿4の部品点数を削減することができる。
(4) 図39に示すように、下皿本体板350における左右両側部に受皿左LED203a,受皿右LED203bをさらに備えたことにより、下皿本体板350周辺における発光による装飾機能を一層向上させることができる。
(5) 前述したように、余剰球受皿4の満タン状態のような所定の異常状態が検出されたときに、下皿本体板350における左右両側部に設けられた受皿左発光部203L、受皿右発光部203Rの発光状態を制御することによって異常報知が実行されるので、その異常報知が不正行為に起因する異常状態であれば不正行為者に気付かれにくい態様で異常報知を行なえるようにすることができる。また、遊技店内の遊技店員からは下皿本体板350における左右両側部に設けられた受皿左発光部203L、受皿右発光部203Rの発光が見えるので、各種エラーや不正等の異常状態を遊技店員に容易に認識させることができる。また、下皿本体板350における左右両側部に設けられた発光部が、発光による装飾機能と、異常報知機能とを兼用することが可能であるので、異常報知を行うための特別な装置を設ける必要がなくなり、異常報知を行なうためのコストの増加を防止することができる。
(6) 前述したように、余剰球受皿4の満タン報知が、余剰球受皿4に設けられた受皿発光部202の発光状態を制御することにより行なわれるので、その報知により、他の電気部品を用いて行なわれる遊技の演出が遮られることがないので、演出効果の減退を防止できる。また、図3に示すように、シリアル信号方式の制御信号を用いて発光体を含む電気部品を制御することにより、パラレル信号方式の制御信号を用いるときと比べて、発光体を含む電気部品を制御することができ、制御信号を伝送する配線数を低減することができるとともに、配線の取り回しを容易化することができる。
(7) 図26に示すように、打球供給皿3は、上皿カバー体301に形成された開口収容凹部3000、切欠凹部301bに、上皿球受け302、上皿前左基板334L,上皿前右基板334R、および、上皿前レンズ330等が収容される態様で取付けられ、背面側に上皿本体板300が取付けられたことにより、構成されている。そして、上皿前左基板334L,上皿前右基板334Rにおいて上皿カバー体301の内部から上皿カバー体301の前面側に臨む位置に供給皿前LED201aが配置され、さらに、上皿前レンズ330が、上皿前左基板334L,上皿前右基板334Rにおける供給皿前LED201aに対向配置され、上皿カバー体301における前面側の所定領域(開口部310a)において、当該供給皿前LED201aの光を上皿カバー体301の内部から外部へ透過させる。これにより、上皿カバー体301における前面側を光により装飾することが可能となるので、発光体の配置により演出効果を向上させることができる。
(8) 図26に示すように、上皿カバー体301に、上皿球受け302が嵌合される切欠凹部310bが形成され、前面側の所定領域において上皿前レンズ330が嵌合される開口部310aが形成されたので、上皿カバー体301に取付けられる上皿球受け302および上皿前レンズ330の位置決めを容易化することができる。
(9) 図26および図28に示すように、残高ベース380が、上皿カバー体301と上皿球受け302とを連結する形状で設けられ、予め定められた領域にジョグボタン500が取付けられる。これにより、残高ベース380が上皿カバー体301と上皿球受け302とを連結する機能を有するとともに、所定の操作部が取付けられる機能も有するので、このような機能の兼用により、打球供給皿3の部品点数を削減することができる。
(10) 前述したように、上皿カバー体301の外側側面に設けられた供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rを遊技状態に応じて発光させることによって、発光体を用いた演出の態様を多様化することができ、遊技者に対する演出効果を向上させることができる。また、上皿カバー体301の外側側面に発光体が設けられるように構成されているので、例えば、遊技店内の一区画に遊技機が複数台設置されている場合に、その遊技機で遊技をしている遊技者以外の者(隣の遊技機で遊技をしている遊技者や遊技店内でまだ遊技を行っていない遊技者)であっても、その遊技機の発光体の発光状態が見えるようにすることができる。そのため、その遊技機で遊技をしている遊技者以外の者に対しても、注意を引く演出を実行することができ、演出効果をさらに向上させることができる。
(11) 前述したように、回転操作部材であるジョグダイアル503および押圧操作部材であるトップボタン501を組合せて操作部を構成することにより、操作部の設置スペースを大幅に増やすことなく操作部を多機能化することができる。そして、1つのジョグスイッチにより押圧操作が検出されたときに一方向押圧検出信号が出力され、少なくとも2つのジョグスイッチにより押圧操作が検出されたときに、一方向押圧検出信号とは異なる複数方向押圧検出信号が出力される。これにより、1つの押圧操作部材であるトップボタン501を異なる操作態様で操作することに基づいて、異なる検出信号が出力されるので、押圧操作部材をさらに多機能化することができる。このような多機能化により、操作部材数の増加を防ぐことができるので、操作部の設置領域を省スペース化することができる。
(12) 図29および図30に示すように、上皿前レンズ330の裏面における供給皿前LED201aとの対向位置に第1の凹部703が凹設されることにより供給皿前LED201aからの照射光が表面側に向けて誘導されるだけでなく、該照射光の一部が照射光導入面である横導入面707a,左縦導入面707b,右縦導入面707cから上皿前レンズ330の内部に導入されて入射光反射面である横反射面708a,左傾斜反射面708b,右傾斜反射面708c側に向けて誘導されやすくなる。これにより、入射光反射面で表面側に向けて反射される反射光の光量が増加するため、発光体が裏面側に配置された第1の発光部だけでなく、発光体が配置されていない第2の発光部で発光させることができるため、発光体の配置数量を増加することなく発光部を増加することができる。
(13) 図19等に示すように、メッキ枠部材である前板飾り451の裏面側の左前板基板475a,右前板基板475bからの照射光が、複数の照射用開口611を経て、前板飾り451の表面側において、複数の照射用開口611を一体的に覆う態様で取付けられたサイドインナーレンズ457a〜457dにより、前板飾り451の裏面側で拡散され誘導される。そして、左サイドレンズ458a,右サイドレンズ458bにより、前板飾り451の表面側においてサイドインナーレンズ457a〜457dが誘導した光が前板飾り451の表面側へ向けて透過される。前板飾り451の表面側において、複数の照射用開口611を一体的に覆う態様で取付けられたサイドインナーレンズ457a〜457dにより、前板飾り451の裏面側で拡散され誘導され、透光されるので、前板飾り451の表面側を、拡散され誘導され光により装飾することが可能となるので、発光体の配置により演出効果を向上させることができる。
(14) 図32〜図34に示すように、サイドインナーレンズ457a〜457dの裏面における左枠LED28b,右枠LED28cとの対向位置に第1の凹部603が凹設されることにより左枠LED28b,右枠LED28cからの照射光が表面側に向けて誘導されるだけでなく、該照射光の一部が照射光導入面である垂直導入面607a,上水平導入面607b,下水平導入面607cからサイドインナーレンズ457a〜457dの内部に導入されて入射光反射面側である垂直反射面608a,上傾斜反射面608b,下傾斜反射面608cに向けて誘導されやすくなる。これにより、入射光反射面で表面側に向けて反射される反射光の光量が増加するため、発光体が裏面側に配置された第1の発光部だけでなく、発光体が配置されていない第2の発光部で発光させることができるため、発光体の配置数量を増加することなく発光部を増加することができる。
(15) 図40に示すように、照射光導入面である照射光導入面806aが照射光導入部である照射光導入凹部806に形成されていることで、供給皿左右外LED200cからの照射光を周囲に拡散させることなく打球供給皿導光部材の内部に確実に導入させることができるため、上皿左クリアベース313L、上皿右クリアベース313Rの表面における入射光反射面807aを効果的に発光させることができるとともに、導入された入射光の一部が入射光反射面807aにより上皿左クリアベース313L、上皿右クリアベース313Rの内部において周囲に誘導されるため、供給皿左右外LED200cと照射光導入凹部806とを離間して発光体からの照射光の一部を上皿左クリアベース313L、上皿右クリアベース313Rの裏面に直接照射したりすることなく、上皿左クリアベース313L、上皿右クリアベース313Rにおける照射光導入凹部806およびその周辺領域を広範囲にわたり発光させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、球タンク38には、右側のスピーカユニット27aに対応する箇所にのみ切欠凹部38aが形成されていたが、左側のスピーカユニット27aに対応する左側角部に切欠凹部が形成されていてもよい。また、切欠凹部38aは球タンク38の角部に形成されていたが、角部、すなわち、前側板38bの左右側端部のみならず、たとえば左右方向の中央等に切欠凹部を形成してもよく、スピーカユニット27aの配設状況に応じた数量の切欠凹部を任意の箇所に形成すればよい。
(2) 前述の実施の形態では、切欠凹部の形状は、前方および側方に開放する平面視L字形の切欠凹部だけでなく、前方に開放する平面視コ字形であってもよいし、あるいは平面視半球状等であってもよく、スピーカユニット27aの外面形状に応じた形状とすることが好ましい。
(3) 前述の実施の形態では、球タンク38は前面枠101の背面側に配置される機構板105の上部に取付けられていたが、前面枠101の背面側に配置されるようになっていれば、前面枠101に直接取付けられていてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、操作手段としてのジョグボタン500の操作面501aは、平面視円形に形成されていたが、形状は任意に変形可能であり、たとえば平面視十字形に形成されていてもよい。
(5) 前述の実施の形態では、操作面501aは、上中左右の4方向に傾倒可能に形成されていたが、傾倒方向の数は任意であり、たとえば左右または上下の2方向にのみ傾倒可能であってもよいし、あるいは4方向以上の方向に傾倒可能に設けられていてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、操作面501aの直交姿勢での押圧は2以上のジョグスイッチ510a〜510dによる検出に基づいて判定されるようになっていたが、3以上またはすべての検出に基づいて判定されるようにしてもよい。
(7) 前述の実施の形態では、2つのジョグスイッチ510a〜510dによる検出で、たとえば上下左右の4方向に左上、左下、右上、右下の4方向を加えた合計8方向を検出することも可能である。
(8) 前述の実施の形態では、余剰球誘導通路130は、前面枠101の背面および該背面に形成された樋板134とバックプレート135により形成されていたが、これに限定されるものではなく、前面枠101のみにより一体形成されていてもよい。
(9) 前述の実施の形態では、余剰球誘導通路130の配設位置や通路形状等は任意であり、上記実施の形態に記載の形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
(10) 前述の実施の形態では、サイドインナーレンズ457a〜457dの左・右枠LED28b,28c、上皿前中レンズ331Lおよび上皿前中レンズ331Rの供給皿前LED201a、下皿光拡散レンズ343の受皿左LED203a,受皿右LED203bは、枠側IC基板としての各種基板に設けられていたが、盤側IC基板としての各種基板に設けてもよい。つまり、特に図示はしないが、これらレンズやLEDを遊技盤6の遊技領域7上に配設し、盤側IC基板として中継基板88に接続するようにしてもよい。
(11) 前述の実施の形態における第1の凹部、第2の凹部の形状(傾斜角度等)は種々に変更可能であり、たとえば第1の凹部にあっては、側面視コ字形に形成されていたが、裏面側に開放する側面視略U字形等に形成されていてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、第1の凹部内に照射光反射部612が設けられていたが、必ずしも設けられていなくてもよい。また、これら照射光反射部612をレンズ側に一体的に形成してもよい。
(13) 前述の実施の形態では、第2の凹部裏面側に補助反射面が形成されていたが、必ずしも設けられていなくてもよい。または、第2の凹部裏面にメッキ処理等を施して補助反射部をレンズ側に直接設けてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rは、所定の異常状態が発生したことに基づいて発光するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば遊技に関連する演出装置としてこれら発光部を発光させてもよいし、装飾用発光部として発光させてもよい。たとえば、遊技状態に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ81が供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rの発光状態を制御する。さらに、球切れや賞球時に発光させるようにしてもよい。また、これら供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rとともに供給皿前発光部201を発光させてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、受皿発光部202は、余剰球受皿4が球で満杯になったことに基づいて発光するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば遊技に関連する演出装置としてこれら発光部を発光させてもよし、装飾用発光部として発光させてもよい。さらに、球切れや賞球時に発光させるようにしてもよい。
(16) 前述の実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1が適用されていたが、遊技球を用いてゲームを行なうことが可能なスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
(17) 前述の実施の形態では、下皿球受け352と下皿本体板350との隙間に、下皿LEDベース354、下皿LED基板353、および、下皿アクリルセンター356等の余剰球受皿4を発光させるための部材を設けている。余剰球受皿4を発光させるための部材は、球受け収容部350aと下皿本体板350との間に隙間を設けず、下皿球受け352の縁部に沿って発光体および発光体の光を透過させる透光部材を付加的に取付けるように構成することも考えられる。これに対し、前述した実施の形態では、下皿アクリルセンター356は、単に光を透過させる機能だけではなく、下皿球受け352と下皿本体板350とを連結する機能も持っているので、透光機能を有する透光部材が連結部材としての機能も有することとなり、このような機能の兼用により、余剰球受皿4の部品点数を削減することができる。また、下皿アクリルセンター356は、下皿LEDベース354の上面板354aとの間にシボシート355を挟んだ態様で、上部取付部の上面側に取付けられるので、透光機能を有する透光部材が光拡散シートを取付ける機能も有することとなり、このような機能の兼用により、余剰球受皿4の部品点数を削減することができる。
(18) 打球供給皿3は、上皿カバー体301に形成された開口収容凹部3000、切欠凹部301bに、上皿球受け302、上皿前左基板334L,上皿前右基板334R、および、上皿前レンズ330等が収容される態様で取付けられ、背面側に上皿本体板300が取付けられたことにより、構成されている。打球供給皿3を発光させるための部材は、打球供給皿3の内部に、発光体を設けずに導光部材を配置し、遊技機の内部であるが打球供給皿3の外部に設けた発光体の光を、導光部材により一旦打球供給皿3の内部に誘導して打球供給皿3の外部に放射するように構成することも考えられる。これに対し、前述した実施の形態では、上皿カバー体301に形成された開口収容凹部3000、切欠凹部301bに、上皿球受け302、上皿前左基板334L,上皿前右基板334R、および、上皿前レンズ330等が収容される態様で取付けられ、背面側に上皿本体板300が取付けられたことにより打球供給皿3が構成されるので、発光体と、その光を上皿カバー体301の外部へ透過させるレンズ部材との位置関係が複雑なものにならないようにする(簡素化する)ことができ、打球供給皿3の内部構造が複雑化しないようにすることができる。
(19) 前述した実施の形態に示した打球供給皿3の構成(供給皿前発光部201の構成を含む)は、余剰球受皿4の構成として用いてもよい。また、前述した実施の形態に示した余剰球受皿4の構成(受皿発光部202の構成を含む)は、打球供給皿3の構成として用いてもよい。
以上の実施の形態には以下の発明が開示されている。
(1) 遊技盤(遊技盤6)の表面に形成された遊技領域(遊技領域7)内に遊技球を打出すための発射装置(打球発射装置91)と、遊技球を貯留可能な球貯留皿(余剰球受皿4)とを備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記球貯留皿は、
前記遊技機の前面側に突出して設けられ、上方に開口した収容凹部(球受け収容部350a)が形成された皿本体(下皿本体板350)と、
該皿本体に取付けられ、前記収容凹部の背面を構成する板状の背板部材(下皿背板351)と、
前記収容凹部に載置収容され、上方が開口した球受凹部が形成された球受皿(下皿球受け352)と、
前記球受皿の縁部を囲うように設けられ、発光体(受皿LED202a)が取付けられる発光体取付部材(下皿LEDベース354)と、
該発光体取付部材に取付けられ、前記球受皿の縁部を囲う位置に配置される発光体が設けられる発光体基板(下皿LED基板353)と、
前記発光体に臨む態様で前記発光体取付部材の上方に設けられる透光性を有した透光部材(下皿アクリルセンター356)とを備え、
前記球受皿、前記発光体基板、前記発光体取付部材、および、前記透光部材は、前記収容凹部に収容される態様で前記皿本体に取付けられ、背面側に前記背板部材が取付けられた(図39)。
このような構成によれば、球貯留皿は、皿本体に形成された収容凹部に、球受皿、発光体基板、発光体取付部材、および、透光部材が収容される態様で取付けられ、背面側に背板部材が取付けられたことにより、構成される。そして、発光体基板において発光体が球受皿の縁部を囲う位置に配置され、発光体に臨む態様で発光体取付部材の上方に透光部材が設けられるので、球受皿の縁部を囲う範囲で発光体が発光し、その光が発光体取付部材の上方の透光部材を介して放射される。これにより、球受皿の縁部を囲う位置において光が上方へ放射されることにより、球受皿の縁部を光により装飾することが可能となるので、発光体の配置により演出効果を向上させることができる。
(2) 前記球受皿の外縁と前記皿本体の収容凹部の内縁との間には、隙間(902)が形成され(図39)、
当該隙間に前記透光部材および前記発光体取付部材が取付けられ(図39)、
前記透光部材は、前記隙間と同様の形状に形成され、前記球受皿と前記皿本体とを連結する態様で前記球受皿および前記皿本体に取付けられた(図39)。
このような構成によれば、球受皿の外縁と皿本体の収容凹部の内縁との間に形成された隙間に、透光部材および発光体取付部材が取付けられ、その隙間と同様の形状に形成された透光部材が、球受皿と皿本体とを連結する態様で球受皿および皿本体に取付けられている。透光部材および発光体取付部材が取付けられる隙間と同様の形状に形成された透光部材が、球受皿と皿本体とを連結する態様で球受皿および皿本体に取付けられているので、透光機能を有する透光部材が連結部材としての機能も有することとなり、このような機能の兼用により、球貯留皿の部品点数を削減することができる。
(3) 前記発光体基板および前記発光体取付部材は、前記球受皿の外縁と前記皿本体の収容凹部の内縁との間の隙間に沿う形状で形成され(図39)、
前記発光体取付部材は、
前記隙間における下部で当該隙間に沿う形状で形成され、前記発光体基板が上面側に取付けられる下部取付部(下面板354b)と、
前記隙間における上部で当該隙間に沿う形状で形成され、前記透光部材が上面側に取付けられる上部取付部(上面板354a)とを備え、
前記透光部材は、当該透光部材と前記上部取付部との間に光拡散シート(シボシート355)を挟んだ態様で、前記上部取付部の上面側に取付けられた(図39)。
このような構成によれば、球受皿の外縁と皿本体の収容凹部の内縁との間の隙間に沿う形状で形成された発光体取付部材が、発光体基板が上面側に取付けられる下部取付部と透光部材が上面側に取付けられる上部取付部とを備える。そして、透光部材が、当該透光部材と上部取付部との間に光拡散シートを挟んだ態様で、上部取付部の上面側に取付けられるので、透光機能を有する透光部材が光拡散シートを取付ける機能も有することとなり、このような機能の兼用により、球貯留皿の部品点数を削減することができる。
(4) 前記皿本体における左右両側部に設けられた発光体部(受皿左LED203a,受皿右LED203b)をさらに備えた(図39)。
このような構成によれば、皿本体における左右両側部に発光体部が設けられたことにより、皿本体周辺における発光による装飾機能を一層向上させることができる。
(5) 所定の異常状態が遊技機において発生したことを検出する異常検出手段(満タンスイッチ19)と、
該異常検出手段によって所定の異常状態が検出されたときに異常報知(満タン報知)を実行する異常報知手段(遊技制御用マイクロコンピュータ156)とをさらに備え、
該異常報知手段は、前記皿本体における左右両側部に設けられた発光部(受皿左発光部203L、受皿右発光部203R)の発光状態を制御することによって異常報知を実行する。
このような構成によれば、所定の異常状態が検出されたときに、皿本体における左右両側部に設けられた発光部の発光状態を制御することによって異常報知が実行されるので、その異常報知が不正行為に起因する異常状態であれば不正行為者に気付かれにくい態様で異常報知を行なえるようにすることができる。また、遊技店内の遊技店員からは皿本体における左右両側部に設けられた発光部の発光が見えるので、各種エラーや不正等の異常状態を遊技店員に容易に認識させることができる。また、皿本体における左右両側部に設けられた発光部が、発光による装飾機能と、異常報知機能とを兼用することが可能であるので、異常報知を行うための特別な装置を設ける必要がなくなり、異常報知を行なうためのコストの増加を防止することができる。
(6) 前記発射装置に供給する遊技球を貯留可能な打球供給皿(打球供給皿3)をさらに備え、
前記球貯留皿は、前記打球待機皿から溢れた余剰球を貯留可能であり(余剰球受皿4)、
遊技の進行を制御し、演出用の電気部品(各LED25a、25b、51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、512a〜512d等)を制御させるための演出制御コマンド(演出制御コマンド)を送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ156)と、
前記遊技制御手段が送信した前記演出制御コマンドに応じて、前記発光体基板の発光体を含む前記電気部品を制御する演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ81)とをさらに備え、
前記演出制御コマンドは、前記球貯留皿に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満杯状態となったことに基づいて出力される演出制御コマンド(受皿LED202aを発光させる旨を示す演出制御コマンド)を含み、
前記演出制御手段は、前記演出制御コマンドに基づいて、前記電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する出力手段(シリアル出力回路253)を含み、
該出力手段から入力された前記制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して前記電気部品に出力するシリアル−パラレル変換回路(各盤側IC基板98、99のシリアル−パラレル変換IC、各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508のシリアル−パラレル変換IC)をさらに備え、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記球貯留皿に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満杯状態となったことに基づいて出力される演出制御コマンドが送信されたことに基づいて、前記発光体基板の発光体により前記貯留部の満杯状態を報知するための制御信号をシリアル信号方式で出力することにより、前記発光体基板の発光体の発光状態を制御して満杯状態を報知する制御を行なう満杯報知制御手段(満タン報知制御を実行するプログラム)を含む。
このような構成によれば、球貯留皿が満杯になった旨の報知が、球貯留皿に設けられた発光体基板の発光体の発光状態を制御することにより行なわれるので、その報知により、他の電気部品を用いて行なわれる遊技の演出が遮られることがないので、演出効果の減退を防止できる。また、シリアル信号方式の制御信号を用いて発光体を含む電気部品を制御することにより、パラレル信号方式の制御信号を用いるときと比べて、発光体を含む電気部品を制御することができ、制御信号を伝送する配線数を低減することができるとともに、配線の取り回しを容易化することができる。
(7) 前記打球供給皿及び前記球貯留皿が表面側に設けられる保持枠(前面枠101)と、
前記打球供給皿から溢れた余剰球を前記球貯留皿に誘導する余剰球誘導通路(余剰球誘導通路130)と、
前記球貯留皿が貯留された余剰球により満杯になったことを検出する貯留状態検出手段(満タンスイッチ19)と、
前記保持枠の裏面側に配置され、前記打球供給皿に遊技球を払出す払出機構(球払出装置97)を有する機構部(機構板105)と、
前記遊技盤に設けられ、前記遊技領域内において該遊技領域内に設けられた入賞口のいずれにも入賞しなかったアウト球を回収するためのアウト球回収口(アウト口26)と、
前記アウト球回収口から回収されたアウト球を、前記機構部を介して弾球遊技機外部に流出させるアウト球流出通路(アウト球誘導通路132,合流通路163)とをさらに備え、
前記余剰球誘導通路を、前記打球供給皿から溢れた余剰球が前記機構部を介すことなく前記球貯留皿に誘導されるように前記保持枠の裏面に形成するとともに、該保持枠の裏面における前記余剰球誘導通路近傍に前記貯留状態検出手段を設けた(図8)。
このような構成によれば、余剰球誘導通路の一部に機構部側に形成した通路との連通部等が形成されることがないので、余剰球貯留部から不正器具等を進入させても、該不正器具を余剰球誘導通路の外部に突出させることが困難となるため、不正器具を保持枠の裏面とその裏面側に配置される機構部との間からアウト球回収口を介して遊技領域内の入賞口に進入させるといった不正行為を効果的に防止することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。