JP2012182348A - レーザーアニール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な装置或いは部材を新たに設けることなく、再アニールによる基板のクラック発生を防止するレーザーアニール装置を提供する。
【解決手段】レーザーアニール装置は、基板を載置するステージと、レーザー光を発振するレーザーヘッドと、発振されたレーザー光を基板の半導体層の上面に対して概ね垂直な主光軸に沿って集光させるfθレンズとを備え、ステージには載置された基板の半導体層の平均膜厚に対して所定量だけ異なる膜厚を有して半導体層の端部に所定の幅を有して延在する領域に相当する部分に所定の断面形状を有する凹部が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイ用のTFT製造に用いられるレーザーアニール装置に関する。
近年、液晶ディスプレイに対して、60インチを超える大型化及び4000×2000画素から成る4K2K等の従来のハイビジョンよりも高精細なビデオフォーマットへの対応が求められている。このような大型化及び高精細化の要求を満たすためには、液晶ディスプレイに用いられるTFTの半導体層の高移動度化が必須である。また、次世代のディスプレイと期待される有機ELディスプレイに用いられるTFTにも高移動度化が求められている。
TFTの高移動度化のためには、TFTの半導体層として用いられるアモルファスシリコンを多結晶化させて、低温ポリシリコンやマイクロクリスタルシリコン等の多結晶構造に変化させる必要がある。図9に、レーザー光を利用してアモルファスシリコンを多結晶化させるレーザーアニール装置の一例(特許文献1)を示す。レーザーアニール装置Acは、アモルファスシリコンから成る半導体層(基板4)を載置するステージ1と、基板4にレーザー光Lを照射させるためのガントリー2とを含む。ガントリー2には、レーザーヘッド3とfθレンズ5と、fθレンズ5にレーザー光Lを入射させるためのミラー6が設置されている。
レーザーヘッド3より発せられたレーザー光Lは、ミラー6を介して、fθレンズ5に入射される。レーザー光Lはfθレンズ5によって、基板4に対して垂直な主光軸に沿って半導体層上に集光される。集光されたレーザー光Lの一部は半導体層中に直接入射する。この半導体層に直接に入射するレーザー光Lを「直接レーザー光Ld」と呼ぶ。直接レーザー光Ldの一部は、基板4の半導体層(アモルファスシリコン)で吸収されて熱に変化する。この熱によって、基板4(半導体層)がアニールされる。
半導体層(基板4)で吸収されずに透過した直接レーザー光Ldは、ステージ1によって反射される。ステージ1によって反射される直接レーザー光Ldを反射レーザー光Lr(不図示)と呼ぶ。反射レーザー光Lrは、半導体層に再度入射して、その一部が半導体層で吸収されて、熱に変化する。この熱によって、半導体層は再度アニールされる(以後、「再アニール」)。このように、fθレンズ5より照射されたレーザー光Lのエネルギーを、直接レーザー光Ldと反射レーザー光Lr(それぞれの一部)による熱として利用することにより、半導体層(アモルファスシリコン)の結晶構造を効率良く変化させて、移動度の高いポリシリコンやマイクロクリスタルシリコンなどの結晶状態にできる。
国際公開第2009/081775号 特開2010−040674号公報 実開昭62−77688号公報
レーザーアニールを行う前のアモルファスシリコンは一般に化学気相蒸着法(CHEMICAL VAPOR DEPOSITION:CVD)を用いて成膜される。生成されたアモルファスシリコン膜の中心部と外周部に厚さにばらつきが生じる。具体的には、外周部にはその膜厚Toが、平均膜厚Tmと比べて10%以上異なる膜厚保証外領域Roが出来る。なお、中央部を膜厚保証領域Riと呼ぶ。膜厚保証外領域Roにレーザー光Lが照射されると、上記膜厚保証外領域Roでは膜厚が薄い或いは厚いために、再アニールにより膜厚保証外領域Ro(特に、中央部との境界部)に応力集中が発生し、アニール後の半導体層である基板4にクラックが発生する。それにより歩留まりが低下するという問題を抱えている。
この問題を防止するために、膜厚保証領域Ri以外の膜厚保証外領域Roにレーザー光Lを、照射させない方法として遮光マスクを用いる方法がある。つまり、膜厚保証外領域Roにおける直接レーザー光Ld及び反射レーザー光Lrの発生を防止するために、遮光マスクが使用される。同方法においては、ステージ1と基板4とをアライメントし、さらにはマスクと基板4とをアライメントする必要があり、タクトが大幅に増えるので、製造時間の増大を招く。また、レーザーアニール装置に、遮光マスク関連の装置を必要とするので、装置の大型化、複雑化と共にコストの増大を招く。
図10に、レーザーアニール装置Acにおけるレーザー光Lの光路を示す。反射率の高いステージ1の表面上の第一反射点8−Aで、反射レーザー光Lrが減衰されないまま再アニール点8−Cで再アニールされる。そのためアモルファスシリコン膜厚保証領域Ri外の膜厚保証外領域Ro上で、応力が集中してクラックが発生する。
また、シャッターを用いて遮光するという方法もある。シャッターでは、一般的なレーザーアニール工程の処理速度である数百〜千mm/sに、十分に追随できず基板のクラックを防ぐことは困難である。なお、レーザーアニール装置に、シャッター関連の装置を必要とするので、装置の大型化、複雑化と共にコストの増大を招くことは、遮光マスクを用いる場合と同様である。
上述のように、膜厚保証外領域Roに対してレーザー光Lを遮る2つの方法は現実的な選択肢ではない。これに対して、レーザー光L(直接レーザー光Ld)を遮光せずに、ステージ1からの反射レーザー光Lrの量を減じることで、基板4の再アニールを防止し、膜厚保証外領域Roでの応力集中を十分に緩和して半導体層のクラック発生を防止する方法(特許文献2)が提案されている。具体的には、ステージ1上の膜厚保証外領域Roに対応する部分に、ステージ1の他の部分より反射率が低い材料(例えばステンレス)を貼り付けて、より少なく反射レーザー光Lrを反射するように構成されている。
ステージ1の他の部分に比べて低反射率ということは、直接レーザー光Ldをより多く吸収することである。吸収された直接レーザー光Ld(つまり、減じられた反射レーザー光Lrの量)は熱に変化して、低反射材及びその近傍のステージ1を熱膨張させてしまう。ステージ1及び低反射材が熱膨張すれば、ステージ1と基板4及びfθレンズ5との位置関係に狂いが生じるので、アニール後の基板4の品質に悪影響が生じる。そのために、低反射材が吸収した熱をキャンセルするための冷却手段を必要とする。また、ステージ1に、低反射率材を貼り付けるために、ステージ1の加工及び低反射材の貼り付け作業を必要とするので、コストの増大が不可避である。
本発明においては、上述の問題に鑑みて、特別な装置或いは部材を新たに設けることなく、再アニールによる基板のクラック発生を防止するレーザーアニール装置を提供することを目的とする。
目的を達成するために、本発明のレーザーアニール装置は、半導体層を設けた基板にレーザー光を照射して、当該半導体層を多結晶化させるレーザーアニール装置であって、
前記基板を載置するステージと、
前記レーザー光を発振するレーザーヘッドと、
前記発振されたレーザー光を、前記基板の半導体層の上面に対して概ね垂直な主光軸に沿って集光させるレーザー照射手段とを備え、
前記ステージには、載置された基板の半導体層の平均膜厚に対して所定量だけ異なる膜厚を有して、半導体層の端部に所定の幅を有して延在する領域に相当する部分に、所定の断面形状を有する凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明のレーザーアニール装置を用いることにより、膜厚保証領域外において再アニールによる応力集中が低減され、基板のクラックを防止することができる。
本発明の実施の形態に係るレーザーアニール装置構成を示す側面図である。 図1のレーザーアニール装置でアニールされる基板のデバイス構造を示す断面図である。 図2に示した基板の平面図である。 図1に示したステージの上面を示す平面図である。 図1に示したステージに設けられた溝の形状を示す、V−V断面図である。 図5に示した溝の変形例を示す断面図である。 図1に示した溝の周囲に冷却用流路を設けた例を示す断面図である。 図1のレーザーアニール装置におけるレーザー光の光路を示す説明図である。 従来のレーザーアニール装置の構成を示す側面図である。 従来のレーザーアニール装置におけるレーザー光の光路を示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るレーザーアニール装置について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係るレーザーアニール装置Apは、図10に示した従来のレーザーアニール装置Acと同様に、アモルファスシリコンから成る半導体層(基板4)を載置するステージ1と、基板4にレーザー光Lを照射させるためのガントリー2とを含む。ガントリー2には、レーザーヘッド3とfθレンズ5と、fθレンズ5にレーザー光Lを入射させるためのミラー6が設置されている。fθレンズ5は好ましくはテレセントリックfθレンズが用いられるが、それに限定されない。
なお、ステージ1の材質は、基板4とレーザー光Lの焦点との距離が変化しないように平面度が高いものがよい。具体的な材質としては、一般的な液晶ディスプレイ用ガラス板の第6世代サイズ以上のように特に大きなサイズのガラス板をのせることが可能なサイズにおいてでも、ステージ1がレーザーアニール装置Ap周辺の温度変化により、ステージ1のサイズが変化して精度が悪化しないように熱膨張が小さく、さらにステージ1上の平面度を確保するための研磨等の加工も容易なグラナイト等が用いられる。ただし十分な平面度や使用環境下で熱膨張の問題が無いという条件を満たせることができればアルミニウムやステンレス鋼の金属製などでも良く、材質は特に限定しない。なお上記グラナイト製ステージ1は550nmでの反射率は一般的に60%から70%程度である。
図1では、ガントリー2は基板4と垂直なZ方向に対して固定した構成が示されている。しかし、基板サイズが第6世代〜第10世代まで大きくなると基板4の反り等が発生するとレーザーヘッド3とガラス基板4とfθレンズ5との距離の差が発生し、基板4内で集光されるレーザー光Lのエネルギー密度に差が発生する。結果、アニールムラと呼ばれる移動度のバラツキが発生する。それを防ぐために、ガントリー2にオートフォーカス機能といったガラス基板4とfθレンズ5との距離を一定に保つ機構をガントリー2に備えることが望ましい。
ガントリー2は基板4の上で、縦(Y)方向にも横(X)方向にも自由に動くことができ、レーザー光Lを発振しながら基板4上を走査することにより基板4の全面を均一にアニールできるものが望ましい。そのためにも速度ムラができないことが必要である。速度ムラが発生することにより、単位時間当たりのレーザー照射により得られる熱量の差が発生しTFTの移動度のバラツキが発生し、ディスプレイ用として用いることが出来ない。そのため速度のムラが小さいリニア駆動のものが効果的である。ただしボールねじタイプでも十分に速度ムラが発生しなければ、問題が無く、特にリニア駆動に限定したものではない。ただし、レーザー光のコヒーレンス性により光学系の途中でレーザービームが干渉をしてビーム内に強度バラツキが生じることがあり、そのムラの寄与を低減するために、わざとガントリー2に速度バラツキを与える場合もあるが、そのようなものもTFTの移動度バラツキが問題なければここで用いてもよい。
図1には、1台のレーザーヘッド3が示されているが、製造タクトを上げるために複数台のレーザーヘッド3を並べてもよい。なお、レーザーヘッド3は5Wから250Wの出力を持つようなレーザー発振機である。レーザーヘッド3の出力は、十分に結晶化することができれば、特に限定しない。また、1Wや500mWといった小出力のレーザー発振機を複数台並べてフライアイレンズやファイバーなどに通して一台のレーザーヘッド3から1本のビームとして発振するように構成しても良い。
レーザーヘッド3は、500nmから600nmの間の波長を持つグリーンレーザー発振器を備えている。本実施の形態では、出力が安定しており高出力化が可能であるためYAGレーザーの第二高調波の532nmの波長を発振できるグリーンレーザーが用いられる。波長が500nm以下のレーザー光はYAGレーザーの第二高調波のレーザー光よりもアモルファスシリコンの吸収係数が大きいために、膜表面のみしかアニールされず、十分なTFT特性が得られない。また波長が600nm以上のレーザー光ではアモルファスシリコンの吸収係数が小さいためアモルファスシリコンを結晶化することができない。ただし、アモルファスシリコンに吸収があり十分にアニールすることができれば、半導体レーザーやエキシマーレーザーなどでもよく、特に発振源、波長を限定しない。またレーザーの発振方法も連続波でもパルスでもよい。
波長が500nmから600nmの間のレーザー光はアモルファスシリコンへの吸収係数が大きすぎず、且つアモルファスシリコンの上部から下部まで均一にレーザー光を照射することができ、膜厚に依存しない均一なレーザーアニールが可能になるという利点を有している。
また、レーザービーム(レーザー光L)のスポット径Dは直径1mmから10mm程度である。レーザーヘッド3から出射されたレーザー光Lはミラー6で基板の方向へ反射されて光路を曲げられて、そのままfθレンズ5に入射し、基板4上で集光される。なお集光されたレーザービーム(直接レーザー光Ld)のスポット径Ddは30μmから300μm程度である。またシリンドリカルレンズなどを用いてラインビームを形成してもよい。なお、上述のスポット径D及びDdはそれぞれ、一般的な値であり、本発明のレーザーアニール装置において限定されるものではない。
さらにはレーザー出力とレーザーのスポット径などのビームサイズから決まるエネルギー密度が5kW/cmから300kW/cmの間になることが望ましい。エネルギー密度が5kW/cm以下の場合ではアモルファスシリコンは十分に結晶変化することができず、また300kW/cm以上の場合には一度に与える熱量が大きすぎて基板4に反り等を発生させてしまう。
テレセントリックのfθレンズ5を用いる理由は、ガントリー2が高速で作動する際、レーザーヘッド3が多少動くことによる光学系のズレが発生しても、レーザー光Lを基板4上の一定位置に照射できる利点がある。
図2に、アニールされる基板4の断面のデバイス構造を示す。同デバイス構造は一般的に、以下に述べるように製造される。基板4は一般的な液晶ディスプレイのガラス板として用いられる基板厚約0.5mmから1.0mm程度の無アルカリガラス板2−1上にゲート電極2−2の材質をスパッタ法やCVD法で成膜を行い、その後、ドライエッチング法やウエットエッチング法などを用いてパターニングされるMoWなどからなる厚み10nmから200nm程度のゲート電極2−2を形成し、その後CVDなどでゲート絶縁膜であるSiOを10nmから100nm程度形成したのちに、さらにCVDなどで半導体層2−4であるアモルファスシリコン(a−Si)を10nmから100nm程度の厚さに形成される。
なお、ゲート電極2−2の材質としては十分に抵抗が低ければアルミニウム(Al)や銅(Cu)などでもよい。材質はこれらに限定されるものではなく、複合材料でも、積層材料でもよい。さらにゲート絶縁膜2−3もゲート電極2−2を絶縁できれば窒化ケイ素(SiN)単独や酸化ケイ素(SiO)と窒化ケイ素の積層材料でもよい。さらには半導体層2−4もアモルファスシリコン以外にも、レーザーアニールすることにより移動度が高めることができる材質であればアモルファス酸化物半導体InGaZnOなどの酸化物半導体でもよく、特に材質は限定されない。
図2はまたCVD法を用いて形成された基板4の半導体層(a−Si)の側断面を示す。形成された基板4の中央部側には膜厚保証領域Riと、基板4の端部側には膜厚が膜厚保証領域Riの平均膜厚を±10%以上超える膜厚保証外領域Roが1mmから20mm程度、CVD法を用いると発生する。これは、マスクなどを用いて、所望の領域に対しCVDで成膜される際にマスクのエッジ部が十分に制御できず、平均膜厚と膜厚が大きく異なる膜厚保証外領域Roが発生する。膜厚保証外領域Roは、膜厚保証領域Riと比べて膜厚が大きく異なるため、応力が集中しやすく、ここから半導体層(基板4)のクラックが発生する。
図3に、図2に示した基板4の平面を示す。基板4において、中央部に膜厚保証領域Riが矩形状に発生し、その周囲の外端部に膜厚保証外領域Roが1mmから20mm程度の幅で発生している。
図4に、ステージ1の上面を示す。ステージ1には、基板4を載置した場合に、膜厚保証外領域Roに対応する部分に、反射レーザー光Lrのエネルギー密度を低減させるための溝4−1が形成されている。溝4−1の幅Wgは、膜厚保証外領域Roの幅Woと同等の1mmから20mmである。膜厚保証外領域Roへ本来入射するはずの反射レーザー光Lrに対して作用するために、膜厚保証外領域Roの下に完全に溝4−1が形成される必要がある。そのために、ステージ1に実際に形成される膜厚保証外領域Roの幅Woが20mm以上であれば、溝4−1の幅Wgも幅Woと同等以上に形成する必要がある。
なお、幅Wg(溝4−1)が、幅Wo(膜厚保証外領域Ro)より大きい場合には、特に限定しない。但し、溝4−1が膜厚保証領域Riの下に形成される場合は、溝4−1により半導体層2−4がアニールされる度合いが異なるので、アニールムラが発生する。よって、膜厚保証領域Riの下には溝4−1は形成しないほうが望ましい。
図5のステージ1の断面図を参照しながら、溝4−1の横断面形状について説明する。図4を参照して説明したように、溝4−1は、概ね膜厚保証外領域Roに相当する形状つまり、矩形枠状に延在している。一方その延在方向に概ね垂直な断面形状は、幅Wgを底辺とし、頂点の開角をθgとし、深さをDgとする二等辺三角形状である。この二等辺三角形の二等辺に相当する部分は溝4−1に入射した直接レーザー光Ldを反射する反射面5−1として働く。なお、ステージ1は、溝4−1が設けられていないステージ上面5−2で、基板4と接する。
ステージ1に形成された溝4−1の形状は幅Wgに関しては上記の通り、膜厚保証外領域Roの幅Woと同等であり、頂点の開角θgに関しては90度以下の鋭角であることが望ましい。開角θgが90度以上の鈍角であると、基板4を透過して溝4−1に入射した直接レーザー光Ldが、溝4−1の中で1回しか反射することができない。
またステージ上面5−2は基板4の照射距離を保つために平面度を高める必要がある。そのために、研磨等を行うことにより平面度が上がると共に、60%から70%程度の反射率が高い材質が使われる。一方で反射面5−1は平面度が必要ないので、ステージ上面5−2と同じ材質でも研磨処理などを省き550nmの光において反射率20%程度まで反射率を下げた表面状態が望ましい。反射光(反射レーザー光Lr)は、できる限り基板4に戻らないことが望ましいので、20%以下の反射率が可能であれば、より望ましい。
これにより、溝4−1の中で、直接レーザー光Ldは最低二回は反射すると共に、反射面5−1の反射率は20%程度なので、反射光(反射レーザー光Lr)が基板4に到達する際には、溝4−1に入射した直接レーザー光Ldの4%から5%程度以下までに減衰さられ、ほぼ反射光の影響を無視することができる。その結果、アモルファスシリコンの膜厚保証外領域Ro上でレーザーアニールを行っても再アニールにより熱応力が軽減されるために、半導体層(基板4)へのクラックは発生しない。
なお、溝4−1は、十分な深さがあれば単純な矩形断面を有する凹部として形成しても良い。この場合、直接レーザー光Ldは、溝4−1の底部で一度反射されることによって、デフォーカス且つ拡散された反射レーザー光Lrとして基板4に再入射する。このように、凹状断面の溝4−1から基板4に再入射する反射レーザー光Lrの減衰率(量)は、逆三角形状溝4−1で二回以上反射された後に基板4に再入射する反射レーザー光Lrの減衰率(量)に比べて劣る。しかしながら、デフォーカスされることにより、基板4に再入射する反射レーザー光Lrのエネルギー密度は低減されているので、基板4の再アニールによる熱応力が低減される。結果、半導体層のクラックが低減される。
なお、溝4−1は、単純な矩形断面である必要はない。例えば、凹部は、幅Wgを底部とし、ステージ1の上面から所定の深さDgの位置で、直接レーザー光Ldの主光軸に対して所定の傾きを有して平面的に偏在する面を有して形成される四角形状断面を有するように形成してもよい。この場合、直接レーザー光Ldは、主光軸に対して傾いた底部と側壁で二回反射された後に反射レーザー光Lrとして基板4に再入射するので、減衰率(量)も向上する。この観点より、溝4−1を五角以上の多角形断面を有する凹部として形成することにより、直接レーザー光Ldの反射回数を増加させ、減衰率(量)の増大を図ることができる。
溝4−1が凹形の場合、幅Wgは逆三角形状の場合と同じく、膜厚保証外領域Roと同等の1mmから20mm程度の幅が望ましく、深さDgはfθレンズ5に依存する。凹部底面での直接レーザー光Ldのスポット径Ddが、fθレンズ5で集光した焦点のスポット径Ddの2倍から10倍程度になるような深さが望ましい。これにより1/4倍から1/100倍程度までエネルギー密度が低減される、さらに溝4−1で反射率の低い反射率20%以下の反射面5−1で反射することにより、エネルギー密度は1/8倍から1/500倍まで低減され、さらにはエネルギー自体も20%低減でき、再アニールによる熱応力が低減され、半導体層へのクラックが低減される。
図6に、図5に示した溝4−1の変形例を示す。同変形例における溝4−2は、溝4−1のように一つの逆三角形状に形成するのではなく、その底面部に、鋭角の溝が複数形成されている。結果、直接レーザー光Ldは溝4−2においては、溝4−1に比べて、より多く反射させて反射レーザー光Lrの影響をさらに弱めることができる。複数の溝の数は特に限定したものではない。ただし、この際も上記と同様な理由から反射率を20%程度まで下げた表面状態が望ましい。
図7に示すように、溝4−1の周囲に冷却用の流路6−1を設けてもよい。これにより、溝4−1で吸収される直接レーザー光Ldの熱により、ステージ1の材質であるグラナイトなどが風化し、粒子が発生しコンタミが発生するというようなステージの劣化を防ぐことができる。流路6−1に流す媒体はレーザーアニール装置Apを使用する室温程度であることが望ましい。室温以外の温度の媒体が流されるとステージ1が室温と媒体の温度差により当初の精度を維持できないためである。ただし、精度的な問題が発生しなければ、その媒体の温度は特に限定されない。流路6−1の形状、大きさなどもステージ1の精度、強度が十分に保つことができれば特に限定されない。なお、本変形例においても、溝4−1の代わりに溝4−2を設けても良いことは言うまでもない。
図8は、上述のレーザーアニール装置Apにおけるレーザー光(L、Ld、及びLr)の光路を示したものである。基板4を透過してきた直接レーザー光Ldは、反射率の低い反射面5−1で最初に第一反射点8−Aで反射されてエネルギーが弱められ、さらに第二反射点8−Bで反射されてさらにそのエネルギーが弱められる、結果的に再アニール点8−Cでアニールされる際にはほぼ反射光は無視できるほどになっており、アモルファスシリコンの膜厚保証外領域Ro上でも半導体層2−4へのクラックが発生することがない。
上述のように、グリーンレーザーは吸収係数が小さいために、半導体層2−4(図2)を透過した後に、ステージ1により反射されて、半導体層2−4を再アニールし易く、課題の再アニールによる半導体層2−4へのクラックが発生しやすい。しかしながら、本実施の形態に係るレーザーアニール装置Apにおいては、ステージ1に設けられた溝4−1或いは溝4−2、およびそれらの変形例によって、グリーンレーザーも十分に減衰された後に、反射レーザー光Lrとして基板4に再入射される。
本発明においては、基板から出射した直接レーザー光は、溝によって、反射されることによって減衰された後に反射レーザー光として基板に再入射される。つまり、溝に入射した直接レーザー光は、反射される度にエネルギーを奪われて減衰される。奪われたエネルギーの一部は、反射面で吸収されて熱に変化するが、その熱による影響(熱膨張)は溝の形状の若干の変化で吸収されて、基板の接地面であるステージの上面までは影響は及ばない。また、溝の縁部の熱膨張が問題になるようであれば、溝の上面の開口部の周囲に凹部を設けても良い。
さらに、溝中の反射面は、ステージの表面より低い位置にあるために、直接レーザー光はデフォーカスされて反射される。つまり、反射による減衰と共に、デフォーカス反射による拡散によって、基板に再入射する反射レーザー光の単位エネルギーも低減される。
なおレーザーアニールを行った後、ソース・ドレインの電極をスパッタなどで形成し、パターンニングすることによりディスプレイ用のTFTは完成する。
上記の実施の形態の構成のレーザーアニール装置により、レーザーアニール工程で半導体層へのクラックを発生されることなく製造できるようになる。
本発明は、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの製造や半導体の製造、太陽電池などのレーザー加工を用いる製造などに適用できる。
Ac、Ap レーザーアニール装置
1 ステージ
2 ガントリー
3 レーザーヘッド
4 基板
4−1、4−2 溝
5 fθレンズ
6 ミラー
L レーザー光
Ld 直接レーザー光
Lr 反射レーザー光
2−1 ガラス板
2−2 ゲート電極
2−3 ゲート絶縁膜
2−4 半導体層(アモルファスシリコン膜)
Ri 膜厚保証領域
Ro 膜厚保証外領域
5−1 反射面
5−2 ステージ上面
Wg 溝の幅
Dg 溝の深さ
θg 溝の底の角度
6−1 冷却用流路
8−A 第一反射点
8−B 第二反射点
8−C 再アニール点

Claims (6)

  1. 半導体層を設けた基板にレーザー光を照射して、当該半導体層を多結晶化させるレーザーアニール装置であって、
    前記基板を載置するステージと、
    前記レーザー光を発振するレーザーヘッドと、
    前記発振されたレーザー光を、前記基板の半導体層の上面に対して概ね垂直な主光軸に沿って集光させるレーザー照射手段とを備え、
    前記ステージには、載置された基板の半導体層の平均膜厚に対して所定量だけ異なる膜厚を有して、半導体層の端部に所定の幅を有して延在する領域に相当する部分に、所定の断面形状を有する凹部が形成されていることを特徴とするレーザーアニール装置。
  2. 前記領域の膜厚は、前記平均膜厚より±10%を超えることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  3. 前記凹部の幅は、前記領域の幅と同等であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  4. 前記レーザーヘッドは、波長が500から600nmの間であるレーザー光を発振することを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  5. 前記凹部は、前記幅を底部とし、前記ステージの上面から所定の深さの位置を頂点とし、当該頂点より所定の角度が開角した2つの斜辺で形成される三角形状断面を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  6. 前記凹部は、前記幅を底部とし、前記ステージの上面から所定の深さの位置で、前記主光軸に対して所定の傾きを有して平面的に偏在する面を有して形成される多角形状断面を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザーアニール装置。
JP2011044901A 2011-03-02 2011-03-02 レーザーアニール装置 Withdrawn JP2012182348A (ja)

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