JP2012177400A - 減速装置 - Google Patents

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光司 佐藤
Koji Akiyoshi
幸治 秋吉
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Abstract

【課題】入力軸の偏心円板に圧入されたローラ案内用軸受の取付けの安定化を図り、軸受の抜け出しによる効率の低下を抑制することができるようにした減速装置を提供することである。
【解決手段】固定配置の内歯車3と同軸上に入力軸7を配置し、その入力軸7に内歯車3内で回転可能な二枚の偏心円板9を設け、それぞれの偏心円板9の外径面にローラ案内用軸受11を圧入する。二枚の偏心円板9間に環状突出部21を設け、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部に加締め突起22を形成し、その加締め突起22と上記環状突出部21とで軸受11が軸方向に移動するのを防止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内歯車の内周に形成された内歯に、その内歯より少ない数のローラを順次噛合させて入力軸の回転を出力軸に減速して伝達するローラ式の減速装置に関する。
この種のローラ式減速装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。そのローラ式減速装置においては、入力軸と出力軸を軸端部が対向する同軸上の配置とし、その両軸の軸端部を覆うハウジングによって複数の曲線形の内歯を内周に有する内歯車を支持し、上記入力軸の軸端部には内歯車内において回転可能な二枚の偏心円板を軸方向に間隔をおいて設け、上記出力軸の軸端部には、内歯車と偏心円板の外径面に取付けられた転がり軸受間に配置されるケージを設け、そのケージには二枚の偏心円板のそれぞれと対向する部位に上記内歯より少ない数の複数のポケットを周方向に等間隔に形成し、そのポケットのそれぞれ内部に上記軸受の外径面に沿って転動して内歯車の内歯に順次噛合されるローラを収容している。
上記の構成からなる減速装置において、入力軸が回転すると、偏心円板の回転により、ローラが内歯車の内歯に順次噛合し、その入力軸の1回転当たりに、ローラが内歯の一歯分だけ周方向に位置がずれ、出力軸が入力軸に対して減速回転する。
ここで、円滑な回転伝達が得られるようにするため、上記特許文献1に記載された減速装置においては、内歯の歯形を、出力軸の回転角が内歯車の内歯の一ピッチ分の範囲において、偏心円板の回転によって出力軸が回転し、その時、ローラの中心が描く軌跡と平行する曲線のうちローラの外側にある曲線を一歯分とする歯形として、複数のローラの全てを内歯に接触させるようにしている。
また、入力軸および出力軸を円滑に回転させるために、その入力軸および出力軸のそれぞれを転がり軸受で回転自在に支持している。このとき、入力軸や出力軸にはスラスト荷重が負荷されることが少なく、また、偏心円板上の転がり軸受にもスラスト荷重が負荷されることが少ないため、転がり軸受として玉軸受が一般的に使用されている。
ここで、減速装置の入力軸が高速回転される場合、玉軸受の保持器に大きな遠心力が作用して、保持器に変形が生じる可能性がある。遠心力による保持器の変形防止には、保持器の軽量化を図ることが重要である。そこで、減速装置においては、例えば、特許文献2に記載されているように、保持器を合成樹脂の成形品とした玉軸受を用いるようにしている。
特開昭62−93565号公報 特開2009−115128号公報
ところで、上記従来のローラ式減速装置においては、偏心円板の外径面に設けたローラ案内用の玉軸受が圧入による取付けであるため、入力軸に微妙な傾きがあると、その入力軸の回転によりローラ案内用玉軸受にアキシャル荷重が作用して、そのローラ案内用玉軸受が偏心円板から抜け出す可能性がある。ここで、玉軸受が抜け出した場合には、その玉軸受がハウジングの内面等に接触し、その接触部での摩擦が回転抵抗となって入力軸の円滑な回転を阻害し、減速装置の効率を低下させることになり、ローラ案内用玉軸受の取付けに改善すべき点が残されていた。
また、ローラ式減速装置は、主として自動車での使用であり、偏心円板の外径面に取付けられる玉軸受や、入力軸および出力軸を回転自在に支持する玉軸受は、油浴中に浸漬して油潤滑するようにしている。しかし、入力軸が高速回転した際、これらの玉軸受のボールはポケットの内面間に介在する潤滑油を剪断し、その剪断力が回転抵抗となって玉軸受での損失トルクが大きく、減速装置の効率を低下させることになり、その効率の向上を図るうえにおいても改善すべき点が残されていた。
この発明の課題は、入力軸の偏心円板に圧入されたローラ案内用軸受の取付けの安定化を図り、軸受の抜け出しによる効率の低下およびボールによる潤滑油の剪断抵抗の低下を抑制することができるようにした減速装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、固定配置の内歯車と、その内歯車内で回転可能な二枚の偏心円板を軸端部に有し、その偏心円板のそれぞれ外径面にローラ案内用軸受が圧入された入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸とを有し、前記出力軸の前記入力軸と対向する軸端部に前記内歯車と前記偏心円板との間で回転可能なケージを設け、そのケージの前記偏心円板のそれぞれと径方向で対向する部位に内歯車の内周に形成された内歯より少ない数のポケットを周方向に等間隔に設け、そのポケットのそれぞれ内部に前記内歯に噛合するローラを収容し、前記入力軸と共に回転する偏心円板上のローラ案内用軸受によりローラを前記内歯に順次噛合させて入力軸の1回転当たりに内歯の一歯分だけ周方向に移動させることにより出力軸を減速回転させるようにした減速装置において、前記偏心円板のそれぞれに圧入されたローラ案内用軸受のそれぞれが軸方向に移動するのを阻止する抜止め手段を設けた構成を採用したのである。
ここで、抜止め手段として下記の構成a乃至fからなるものを採用することができる。
構成a;二枚の偏心円板間に設けられた環状突出部と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に形成された加締め突起とからなるもの。
構成b;二枚の偏心円板間に嵌合された間座と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に形成された加締め突起とからなるもの。
構成c;二枚の偏心円板間に取付けられた止め輪と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に形成された加締め突起とからなるもの。
構成d;二枚の偏心円板間に設けられた環状突出部と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に取付けられた止め輪とからなるもの。
構成e;二枚の偏心円板間に嵌合された間座と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に取付けられた止め輪とからなるもの。
構成f;二枚の偏心円板間に取付けられた止め輪と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に取付けられた止め輪とからなるもの。
上記のような抜止め手段の採用において、ローラ案内用軸受を軸方向に位置決めすることができるため、軸受の取付けの安定化を図り、軸受の抜け出しによる効率の低下を抑制することができる。
ここで、偏心円板の外径面に圧入されたローラ案内用軸受や、入力軸を回転自在に支持する軸受および出力軸を回転自在に支持する軸受として、外輪と、内輪と、その両輪間に組み込まれたボールおよびそのボールを保持する合成樹脂製の保持器とからなり、上記保持器が、軸方向で対向する二枚の環状体を有し、その環状体の対向面のそれぞれにボールを収容する複数の半球状ポケットが周方向に等間隔に形成され、周方向で隣接するポケット間に形成された柱部に軸方向に貫通する孔が形成された玉軸受を採用するのが好ましい。
上記のような玉軸受の採用においては、環状体の柱部にその軸方向に貫通する孔が設けられているため、軸受内部を潤滑油が通過する際、柱部の孔にも潤滑油が流通するようになることから、内輪の外径と保持器の内径間、外輪の内径と保持器の外径間からポケットとボール間のポケット隙間に流れ込む潤滑油の量を低減させることができ、ボールによる潤滑油の剪断抵抗が小さくなって玉軸受での損失トルクの低減化を図ることができる。
ここで、ポケットの内周面に凹部を設けておくと、ポケットの内周面とボールの接触面積の低減化を図ることができるため、ボールによる潤滑油の剪断抵抗を一層低減させることができる。
また、環状体の軸方向端部に径方向に延びる鍔部を設けておくと、内・外輪と鍔部の対向部間にラビリンスを形成することができ、そのラビリンスによって軸受内部に流入する潤滑油の量を低減させることができるため、ボールによる潤滑油の剪断抵抗をより一層低減させることができる。
さらに、ポケットの周方向一端部の外径側に軸方向に延出する外径側凸部を形成してその内周をポケットの球状内面に連設される球面とし、かつ、内径側を窪ませて内径側凹部を設け、周方向他端部の内径側に軸方向に延出する内径側凸部を形成してその内周をポケットの球状内面に連設される球面とし、かつ、外径側を窪ませて外径側凹部を設け、前記外径側凸部を対向する環状体の外径側凹部に挿入することにより外径側凸部と内径側凸部とを軸方向で係合させ、前記外径側凸部と内径側凸部の係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に傾斜させることにより、二枚の環状体を軸方向に強固に連結することができ、軸方向への分離を防止することができる。
また、二枚の環状体を同一形状とすることができるため、一つの金型での成形を可能とし、コストの低減を図ることができる。
上記のような内径側凸部と外径側凸部の係合による二枚の環状体の連結において、内径側凸部を外径側凸部よりも厚肉とすると、高回転により大きな遠心力が作用した際に、内径側凸部の質量が外径側凸部よりも大きいため、内径側凸部が外径方向に大きく変形して係合面での結合力を高めることができ、軸方向への分離をより確実に防止することができる。
保持器成形用の樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の潤滑性や耐摩耗性に優れた樹脂を用いるのが好ましい。
この発明に係る減速装置においては、上記のように、偏心円板のそれぞれに圧入されたローラ案内用軸受のそれぞれが軸方向に移動するのを阻止する抜止め手段を設けたことによって、ローラ案内用軸受の取付けの安定化を図り、軸受の抜け出しによる効率の低下を抑制することができる。
この発明に係る減速装置の実施の形態を示す縦断正面図 図1のII−II線に沿った断面図 図2のローラ案内用軸受の組込み部を拡大して示す断面図 ローラ案内用軸受を抜止めする抜止め手段の他の例を示す断面図 抜止め手段のさらに他の例を示す断面図 抜止め手段のさらに他の例を示す断面図 抜止め手段のさらに他の例を示す断面図 抜止め手段のさらに他の例を示す断面図 減速装置に用いられる玉軸受の断面図 図9に示す玉軸受の保持器を示す斜視図 図10に示す保持器の分解斜視図 図9に示す保持器の一部を示す平面図 図12のXIII-XIII線に沿った断面図 図12のXIV−XIV線に沿った断面図 保持器の他の例を示す平面図 図15のXVI-XVI線に沿った断面図 玉軸受の他の例を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1に示すように、ハウジング1は、円筒状をなしている。ハウジング1は、軸方向に2分割されて第1分割ハウジング1aと第2分割ハウジング1bが設けられている。
第1分割ハウジング1aと第2分割ハウジング1bは、図示省略したボルトの締め付けにより結合一体化され、その突合せ側端部の内径面には、第1分割ハウジング1aと第2分割ハウジング1bとに跨って大径凹部2が形成されている。
図1および図2に示すように、大径凹部2内には内歯車3が圧入され、その内歯車3の内周に複数の内歯4が設けられている。
図1に示すように、第1分割ハウジング1aの開口端部には端板5が設けられ、その端板5の中央部に形成された軸挿入孔6に入力軸7が挿入されている。入力軸7は、軸挿入孔6内に組込まれた軸受8により回転自在に支持されて、内歯車3と同軸上の配置とされ、上記ハウジング1内に位置する軸端部には内歯車3内において回転可能な二枚の偏心円板9が軸方向に間隔をおいて設けられている。
また、二枚の偏心円板9は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位置がずれる取付けとされ、その外径面10にはローラ案内用軸受11が圧入されている。ローラ案内用軸受11として玉軸受を採用している。ここで、図2に示すδは、入力軸7の中心Oと偏心円板9の円筒状外径面の中心Oの偏心量を示している。
図1に示すように、第2分割ハウジング1bの内側には出力軸12が挿入されている。出力軸12は第2分割ハウジング1bの開口端部内に組込まれた軸受13により回転自在に支持されて、入力軸7と同軸上の配置とされている。
出力軸12の入力軸7と対向する軸端部にはケージ14が設けられ、そのケージ14は偏心円板9上の軸受11と内歯車3の対向部間において回転自在とされている。ケージ14は、出力軸12側に閉塞端を有し、その閉塞端面15の中央部に形成された小径孔部16内に入力軸7の軸端部を受ける軸受17が組込まれている。
図1乃至図3に示すように、ケージ14には、周方向に等間隔に並ぶ複数のポケット18が複列に形成され、各列のポケット18は、二枚の偏心円板9のそれぞれに支持された軸受11と径方向で対向する位置に形成されており、一方の列の複数のポケット18と他方の列の複数のポケット18は周方向に半ピッチ位置がずれている。
各列の複数のポケット18は、内歯車3の内周に形成された内歯4の歯数より少なく、それぞれのポケット18に対して一つのローラ19が径方向に移動自在に収容されている。
ローラ19は、内歯車3の内歯4に対して噛合可能とされ、そのローラ19が噛合する内歯4は、周方向に並ぶ複数のローラ19のそれぞれが同時に接触可能とする曲線状の歯形とされている。全てのローラ19を接触可能とするため、前述の特許文献1に記載されているように、出力軸12の回転角が内歯車3の内歯4の一ピッチ分の範囲において、偏心円板9の回転によって出力軸12が回転し、その時、ローラ19の中心が描く軌跡と平行する曲線のうちローラ19の外側にある曲線を一歯分とする歯形としている。
上記の構成からなるローラ式減速装置において、入力軸7が回転すると、偏心円板9の回転によりローラ19が内歯車3の内歯4と順次噛合し、その入力軸7の一回転当たりにローラ19が内歯4の一歯分だけ周方向に移動し、出力軸12が減速回転する。
ここで、減速装置の各種部品の加工における加工誤差や、減速装置の組立て時における組立て誤差等によって入力軸7に微妙な傾きが生じているような場合、その入力軸7の回転により二枚の偏心円板9上のそれぞれのローラ案内用軸受11にアキシャル荷重が負荷されて、そのローラ案内用の軸受11が偏心円板9から抜け出す可能性がある。
ここで、ローラ案内用軸受11が抜け出した場合には、その軸受11がハウジング1の内面等に接触し、その接触部での摩擦が回転抵抗となって入力軸7の円滑な回転を阻害し、減速装置の効率を低下させることになる。
そのような問題が発生するのを防止するため、図3では、入力軸7に一体化された二枚の偏心円板9の外径面上に抜止め手段20を設けて、ローラ案内用軸受11のそれぞれが軸方向に移動するのを阻止している。
抜止め手段20は、二枚の偏心円板9間に設けられた環状突出部21と、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部に形成された加締め突起22とからなり、上記環状突出部21と加締め突起22により二枚の偏心円板9のそれぞれに圧入された軸受11が軸方向に移動するのを防止するようにしている。ここで、加締め突起22として、ここでは、環状のものを示したが、突起状のものであってもよい。
上記のような抜止め手段20の採用において、ローラ案内用軸受11を軸方向に位置決めすることができるため、軸受11の取付けの安定化を図り、軸受11の抜け出しによる減速装置の効率の低下を抑制することができる。
図3においては、抜止め手段20として、環状突出部21と加締め突起22からなるものを示したが、抜止め手段20はこれに限定されるものでない。図4乃至図8は、抜止め手段20の他の例を示している。
図4に示す抜止め手段20においては、二枚の偏心円板9間に間座23を嵌合し、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に加締め突起22を形成して、上記間座23と加締め突起22とでローラ案内用軸受11が軸方向に移動するのを防止している。
図5に示す抜止め手段20においては、二枚の偏心円板9間に環状溝24を形成しその環状溝24に止め輪25を取付け、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に加締め突起22を形成して、上記止め輪25と加締め突起22とでローラ案内用軸受11が軸方向に移動するのを防止している。
図6に示す抜止め手段20においては、二枚の偏心円板9間に環状突出部21を形成し、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に環状溝26を形成し、その環状溝26に止め輪27を取付け、上記環状突出部21と止め輪27とでローラ案内用軸受11が軸方向に移動するのを防止している。
図7に示す抜止め手段20においては、二枚の偏心円板間に間座23を嵌合し、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に環状溝26を形成し、その環状溝26に止め輪27を取付け、上記間座23と止め輪27とでローラ案内用軸受11が軸方向に移動するのを防止している。
図8に示す抜止め手段20においては、二枚の偏心円板9間に環状溝24を形成し、その環状溝24に止め輪25を取付け、二枚の偏心円板9の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に環状溝26を形成し、その環状溝26に止め輪27を取付け、ローラ案内用軸受11の幅寸法に対応する間隔をおいて取付けた合計3枚の止め輪25,27によってローラ案内用軸受11が軸方向に移動するのを防止している。
図4乃至図8に示すいずれの抜止め手段20の採用においてもローラ案内用軸受11を確実に抜止めすることができる。
図1に示すローラ式減速装置は、主として自動車での使用であって油浴中に浸漬する組付けとされ、偏心円板9の外径面に取付けられた軸受11や、入力軸7および出力軸12を回転自在に支持する軸受8、13は油浴の油で潤滑される。このため、損失トルクの小さい低トルク仕様の軸受を用いるのが好ましい。
図9乃至図17は、ローラ式減速装置への使用に好適な玉軸受を示す。図9に示すように、玉軸受30は、外輪31と、内輪32と、その両輪31、32間に組み込まれたボール33およびそのボール33を保持する保持器34とからなる。
図10乃至図14に示すように、保持器34は、合成樹脂の成形品からなる二枚の環状体35からなる。合成樹脂としては、潤滑性および耐摩耗性に優れた樹脂を用いるのが好ましい。そのような樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂を挙げることができる。
二枚の環状体35は軸方向で対向する組み合わせとされ、その対向面にはボール33を収容する複数の半球状のポケット36が周方向に等間隔に形成されている。この二枚の環状体35は、隣接するポケット36間に形成された柱部37の先端面が互いに衝合する組み合わせとされて軸方向に連結される。
上記のように、軸方向に連結される二枚の環状体35の対向面にボール33が収容されるポケット36を形成し、隣接するポケット36間に形成された柱37に軸方向に貫通する孔38を設けることによって、軸受内部を潤滑油が通過する際、柱部37の孔38にも潤滑油が流通することになる。
このため、外輪31の内径と保持器34の外径間、および、内輪32の外径と保持器34の内径間からポケット36とボール33間に形成されるポケット隙間に流れ込む潤滑油の量を低減させることができ、ボール33による潤滑油の剪断抵抗が小さくなって玉軸受部での損失トルクの低減化を図ることができ、図1に示す減速装置のローラ案内用軸受11として使用し、あるいは、入力軸7や出力軸12を支持する軸受としての使用によって、トルク損失を低減し、減速装置の効率の向上を図ることができる。
二枚の環状体35の連結に際し、ここでは、図11乃至図14に示すように、ポケット36の周方向一端部の外径側に軸方向に延出する外径側凸部40を形成してその内周をポケット36の球状内面に連設される球面とし、かつ、内径側を窪ませて内径側凹部41を設け、周方向他端部の内径側に軸方向に延出する内径側凸部42を形成してその内周をポケット36の球状内面に連設される球面とし、かつ、外径側を窪ませて外径側凹部43を設け、上記外径側凸部40を対向する環状体35の外径側凹部43に挿入することにより、その外径側凸部40と内径側凸部42とを軸方向で係合させるようにしている。
また、外径側凸部40と内径側凸部42の係合面44を、外径側凸部40および内径側凸部42の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に傾斜させ、その係合面44の傾斜角度θを5°以上としている。
上記のように、外径側凸部40を対向する環状体35の外径側凹部43に挿入し、その外径側凸部40と内径側凸部42とを軸方向に傾斜する係合面44の係合によって軸方向で係合させることにより、二枚の環状体35を軸方向に強固に連結することができ、軸方向への分離を防止することができる。
また、二枚の環状体35を同一形状とすることができるため、一つの金型での成形を可能とし、コストの低減を図ることができる。
上記のような外径側凸部40と内径側凸部42の係合による二枚の環状体35の連結において、図13および図14に示すように、内径側凸部42の平均厚さを外径側凸部40の平均厚さよりも厚肉とすると、高回転により大きな遠心力が作用した際に、内径側凸部42の質量が外径側凸部40よりも大きいため、内径側凸部42が外径方向に大きく変形して係合面44での結合力を高めることができ、二枚の環状体35の軸方向への分離をより確実に防止することができる。
図15および図16に示すように、ポケット36の内周面に凹部45を設けておくと、ポケット36の内周面とボール33の接触面積の低減化を図ることができるため、ボール33による潤滑油の剪断抵抗を一層低減させることができる。
また、図17に示すように、環状体35の軸方向端部に径方向に延びる鍔部46を設け、外輪31および内輪32には、鍔部46が収容される大径凹部47、48を形成すると、その大径凹部47、48と鍔部46との間でラビリンス49を形成することができるため、軸受内部に流入する潤滑油の量を低減させることができることになり、ボール33による潤滑油の剪断抵抗をより一層低減させることができる。
1 ハウジング
3 内歯車
4 内歯
7 入力軸
8 軸受
9 偏心円板
11 ローラ案内用軸受
12 出力軸
13 軸受
14 ケージ
18 ポケット
19 ローラ
20 抜止め手段
21 環状突出部
22 加締め突起
23 間座
25 止め輪
27 止め輪
30 玉軸受
31 外輪
32 内輪
33 ボール
34 保持器
35 環状体
36 ポケット
37 柱部
38 孔
40 外径側凸部
41 内径側凹部
42 内径側凸部
43 外径側凹部
44 係合面
45 凹部
46 鍔部
49 ラビリンス

Claims (14)

  1. 固定配置の内歯車と、その内歯車内で回転可能な二枚の偏心円板を軸端部に有し、その偏心円板のそれぞれ外径面にローラ案内用軸受が圧入された入力軸と、その入力軸と同軸上に配置された出力軸とを有し、前記出力軸の前記入力軸と対向する軸端部に前記内歯車と前記偏心円板との間で回転可能なケージを設け、そのケージの前記偏心円板のそれぞれと径方向で対向する部位に内歯車の内周に形成された内歯より少ない数のポケットを周方向に等間隔に設け、そのポケットのそれぞれ内部に前記内歯に噛合するローラを収容し、前記入力軸と共に回転する偏心円板上のローラ案内用軸受によりローラを前記内歯に順次噛合させて入力軸の1回転当たりに内歯の一歯分だけ周方向に移動させることにより出力軸を減速回転させるようにした減速装置において、
    前記偏心円板のそれぞれに圧入されたローラ案内用軸受のそれぞれが軸方向に移動するのを阻止する抜止め手段を設けたことを特徴とする減速装置。
  2. 前記抜止め手段が、前記二枚の偏心円板間に設けられた環状突出部と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に形成された加締め突起とからなる請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記抜止め手段が、前記二枚の偏心円板間に嵌合された間座と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に形成された加締め突起とからなる請求項1に記載の減速装置。
  4. 前記抜止め手段が、前記二枚の偏心円板間に取付けられた止め輪と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に形成された加締め突起とからなる請求項1に記載の減速装置。
  5. 前記抜止め手段が、前記二枚の偏心円板間に設けられた環状突出部と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に取付けられた止め輪とからなる請求項1に記載の減速装置。
  6. 前記抜止め手段が、前記二枚の偏心円板間に嵌合された間座と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に取付けられた止め輪とからなる請求項1に記載の減速装置。
  7. 前記抜止め手段が、前記二枚の偏心円板間に取付けられた止め輪と、二枚の偏心円板の軸方向で対向する端部と反対側の端部外周に取付けられた止め輪とからなる請求項1に記載の減速装置。
  8. 前記ローラ案内用軸受、前記入力軸を回転自在に支持する軸受および前記出力軸を回転自在に支持する軸受の少なくとも一つの軸受が、外輪と内輪間に組み込まれたボールを保持器で保持した玉軸受からなり、その玉軸受の保持器が、軸方向で対向する二枚の環状体を有し、その環状体の対向面のそれぞれにボールを収容する複数の半球状ポケットが周方向に等間隔に形成され、周方向で隣接するポケット間に形成された柱部に軸方向に貫通する孔が形成された構成からなる請求項1乃至7のいずれかの項に記載の減速装置。
  9. 前記ポケットの内周面に凹部が形成された請求項8に記載の減速装置。
  10. 前記環状体の軸方向端部に径方向に延びる鍔部を設けた請求項8又は9に記載の減速装置。
  11. 前記ポケットの周方向一端部の外径側に軸方向に延出する外径側凸部を形成してその内周をポケットの球状内面に連設される球面とし、かつ、内径側を窪ませて内径側凹部を設け、周方向他端部の内径側に軸方向に延出する内径側凸部を形成してその内周をポケットの球状内面に連設される球面とし、かつ、外径側を窪ませて外径側凹部を設け、前記外径側凸部を対向する環状体の外径側凹部に挿入することにより外径側凸部と内径側凸部とを軸方向で係合させ、前記外径側凸部と内径側凸部の係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に傾斜させた請求項8乃至10のいずれかの項に記載の減速装置。
  12. 前記内径側凸部を前記外径側凸部よりも厚肉とした請求項11に記載の減速装置。
  13. 前記環状体が合成樹脂の成形品からなる請求項8乃至12のいずれかの項に記載の減速装置。
  14. 前記合成樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂の一種からなる請求項13に記載の減速装置。
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