JP2012175882A - 電源装置及び空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
交流電源が瞬間的に遮断したときに、ダイオードブリッジ等の素子に突入電流が流れることを防止できる電源装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
交流電源1から供給される交流電流を整流する整流回路3と、交流電源1の位相を検出する位相検出手段17と、交流電源1と整流回路3の間に設けられた双方向スイッチ10と、双方向スイッチ10と並列に設けられた抵抗9と、整流回路3が整流した電流を平滑化して負荷側に供給する平滑コンデンサ16と、位相検出手段17が検出した位相に基づいて交流電源1の停電から交流電流の通電が再開したか否かを判定する判定手段18と、判定手段が交流電流の通電が再開したと判定した場合、位相検出手段が前記交流電圧のゼロクロスを検出するまで交流電流を抵抗に通電し、ゼロクロスに基づいて双方向スイッチ10をオン制御する制御手段19と、を備える。
【選択図】図1
Description
図1は本実施の形態1における電源装置100の構成図を示している。本実施の形態1で説明する電源装置100は例えば空気調和装置の圧縮機に内蔵されるモータや送風ファンのモータなどを駆動するための電源に使用されるものである。
電源装置100は外部電源である交流電源1からの突入電流を防止する突入電流防止回路2と、交流電源1から供給される交流電流を整流する整流回路3と、整流回路3で整流された電流を昇圧して直流電流に変換する昇圧チョッパ回路4を備えている。
整流回路3の高電圧側に出力端には高圧側母線5が、その低電圧側の出力端には低圧側母線6が接続されている。整流回路3と昇圧チョッパ回路4は交流電流を直流電流に変換するコンバータ部であって、直流に変換された電流は昇圧チョッパ回路4から負荷側であるインバータ7に供給され、直流電流はインバータ7で任意の周波数の三相の交流電流に変換される。インバータ7で直流電流から三相交流電流に変換された電流はインバータ7に接続されたモータ8へと流れ、モータ8を駆動する。モータ8は例えば空気調和装置の圧縮機や送風ファンのモータなどである。
双方向スイッチ10は、スイッチング素子を有し、そのスイッチング素子がオン/オフすることにより、電源側接点11と整流回路側接点12の間の交流電流の導通/非導通が切り替わる構成となっている。双方向スイッチ10の具体的な構成については図3、4を用いて後述する。
昇圧チョッパ回路4は、スイッチング素子14がオン状態の間にコイル13はエネルギーを蓄積し、スイッチング素子14がオフした時にコイル13から発生する逆起電力を利用してダイオード15を介して平滑コンデンサ16を充電する。交流電源1から供給される交流電流は整流回路3と昇圧チョッパ回路4で昇圧及び平滑化された直流電流となってインバータ7へ流れる。
通電/停電判定手段18は、位相検出手段17から入力された検出値に基づいて、以下の3パターンの判定を行ない、その判定結果を制御手段19に出力する。
(1)交流電源1が停電した否か。
(2)交流電源1から整流回路3に流れる交流電流の通電が再開したか否か。
(3)交流電源1の交流電圧値がゼロクロスしたか否か。
制御手段19は、通電/停電判定手段18から入力された判定結果に基づいて双方向スイッチ10の駆動制御を行なう。制御手段19の制御方法の詳細については図6を用いて後述する。
時間t2で交流電源1が停電から復電すると、交流電圧Vは0VからV2に一瞬で変化する。通電/停電判定手段18は位相検出手段17から入力された変化量ΔVが所定値以上であり、変化前の交流電圧V=0であれば停電から復電したと判断することができる。
また、通電/停電判定手段18は所定時間Δtの前後で交流電圧Vの正負が反転し、ΔVの値が所定値未満であれば交流電圧がゼロクロスしたと判断することができる。
図3に図示する双方向スイッチ10は、ダイオードブリッジ23とMOSFET28を有している。MOSFETとはMetal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorのことであり、スイッチング素子の一種である。ダイオードブリッジ23は4つのダイオード24、ダイオード25、ダイオード26、ダイオード27から構成されるダイオードブリッジである。
電源側接点11と接続した点aとダイオード24のアノードが接続されており、ダイオード24のカソードとダイオード25のカソードが点bで接続している。また、ダイオード24のアノードはダイオード27のカソードと点aで接続している。ダイオード25のアノードはダイオード26のカソードと点cで接続し、点cは整流回路側接点12と接続している。ダイオード26のアノードとダイオード27のアノードは点dで接続している。
点bと点dはMOSFET28を介して接続し、MOSFET28はP型であって、そのドレイン電極が点bと接続し、MOSFET28のソース電極が点dと接続している。そしてMOSFET28のゲート電極に駆動回路21から出力される信号がゲート電圧として印加される。
電源側接点11から整流回路側接点12に電流が流れる場合、電源側接点11、点a、ダイオード24、点b、MOSFET28、点d、ダイオード26点c、整流回路側接点12の順に電流が流れる。また、整流回路側接点12から電源側接点11に電流が流れる場合、整流回路側接点12、点c、ダイオード25、点b、MOSFET28、点d、ダイオード27、点a、電源側接点11の順に電流が流れる。
制御手段19はMOSFET28をオン/オフすることにより双方向スイッチ10の導通/非導通を制御することができる。
電源側接点11から整流回路側接点12に電流が流れる場合、電源側接点11、ダイオード30、MOSFET32、整流回路側接点12の順に電流が流れる。整流回路側接点12から電源側接点11に電流が流れる場合、整流回路側接点12、ダイオード29、MOSFET31、電源側接点11の順に電流が流れる。
MOSFET31のゲート電極及びMOSFET32のゲート電極には駆動回路21から出力される信号がゲート電圧として印加される。
制御手段19は電源側接点11から整流回路側接点12に電流が流れている場合は、MOSFET32をオン/オフし、整流回路側接点12から電源側接点11に電流が流れている場合はMOSFET31をオン/オフすることによって双方向スイッチ10の導通/非導通を制御することができる。
図5(b)及び図5(c)は時間tと双方向スイッチ10のオン/オフの関係を示している。図5(b)及び図5(c)では、図2(b)の場合と同様に時間t1で双方向スイッチ10をオフにして非導通とする。しかし、時間t3からは、図2(b)の場合と異なり、双方向スイッチ10をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
図5(b)には、時間t3からキャリア周波数一定で双方向スイッチ10をスイッチングさせる場合を図示している。図5(b)では時間t3から所定時間、若しくは電圧検出手段20の検出値が所定値に達するまで、25〜60kHzの任意の周波数で双方向スイッチ10をスイッチングしている。
図5(c)には、時刻t3からキャリア周波数を時間が経つにつれて小さくしてスイッチングさせる場合を図示している。図5(c)では時間t3から所定時間、若しくは電圧検出手段20の検出値が所定値に達するまで、25〜60kHzの間の任意の周波数で双方向スイッチ10のスイッチングを開始し、終了時には25kHz未満の周波数で双方向スイッチ10のスイッチングを終了している。
尚、図5(b)及び図5(c)ではデューティ比一定で双方向スイッチ10をスイッチングさせる場合を図示しているが、時間が経つにつれて段階的若しくは連続的にデューティ比を大きくしてスイッチングさせてもよい。
交流電源1が停電してから双方向スイッチ10が非導通となるまでの間に遅延時間があると、この間に平滑コンデンサ16が放電してその両端電圧が低下してしまう。そして双方向スイッチ10が非導通になる前に交流電源1が復電してしまうと、突入電流が整流回路3に流れてしまう可能性がある。特に双方向スイッチ10に代えてメカニカルリレーを使用する構成であると、リレーを切り離すためには物理的動作が必要となるので、このような問題が顕著になる。
そこで、本発明ではメカニカルリレーの代わりにスイッチング素子を使用した双方向スイッチ10を用いている。双方向スイッチ10の導通/非導通の切り替えをスイッチング素子のオン/オフで行なう、つまり物理的動作ではなく電気的動作で行なうことにより、停電を検出して(時間t1)から双方向スイッチ10を非導通するまでの時間を大幅に短縮することができる。
特に本実施の形態1では双方向スイッチ10にSiC−MOSFETを使用しており、そのメリットは大きい。ここでは、SiC−MOSFETとSi−IGBT、Si−MOSFETを比較してその点について説明する。まず双方向スイッチ10には以下の3つの要件が求められる。
(1)通電時のエネルギーロス(定常損失)が少ないこと。通常運転時は双方向スイッチ10に電流が流れていることから、省エネ性の観点から通電時は当然エネルギーロスが少ないことが望ましい。
(2)スイッチング時のエネルギーロス(スイッチング損失)が少ないこと。復電時に平滑コンデンサ16に与える負荷を小さくするために、復電時は双方向スイッチ10をスイッチングさせながら平滑コンデンサ16を充電することが望ましい。
(3)応答速度が速いこと。停電時に双方向スイッチ10が非導通になる前に復電すると突入電流が発生する可能性があることから、双方向スイッチ10の応答速度は速いことが望ましい。
尚、ここでいう応答速度はキャリア周波数の相関関係があり、キャリア周波数を高くできるスイッチング素子ほど応答速度が速いといえる。
ステップ1(以下、ステップをSと略す)では、使用開始時に使用者が交流電源1を投入する。交流電源1が交流電圧を電源装置100に印加し、S2に進む。最初に交流電源1の投入した時は、平滑コンデンサ16は充電されておらず、双方向スイッチ10が導通状態となっていると、突入電流が整流回路3等の素子に流れるおそれがある。そこで、S2では、通電開始直後は制御手段19が駆動回路21に制御信号を出力し双方向スイッチ10を非導通状態となるように制御している。その後S3に進む。
S3では、l1lは位相検出手段17の出力値から交流電圧がゼロクロスしたか否かを判定する。ゼロクロスしたと判定した場合はS4に進み、ゼロクロスしていないと判定した場合はS3をループする。
S4では、交流電圧がゼロクロスした時から双方向スイッチ10を導通状態にして、交流電流を双方向スイッチ10に流して平滑コンデンサ16の充電し、モータ8の駆動を開始する。その後S5に進む。
S5では、モータ8の運転を継続するか否かを制御手段19が判定する。運転を継続しない場合はS6に進む。運転を継続しない場合とは、例えば使用者が装置の運転止める信号を制御手段19に入力した場合など、制御手段19はその入力された信号に基づいてS6でモータ8の運転を停止する。運転を継続する場合はそのままS7に進む。
S7では、通電/停電判定手段18が位相検出手段17の出力値に基づいて停電が発生したか否かを判定する。停電が発生したと判定した場合はS8に進み、停電が発生していないと判定した場合はS5に戻る。尚、停電が発生した否かの判定は上述した方法にて行なうものとする。
S8では、制御手段19は双方向スイッチ10を非導通とする制御信号を駆動回路21に出力し、双方向スイッチ10を非導通状態とする。その後S9に進む。
S9では、通電/停電判定手段18が位相検出手段17の出力値から交流電源1が停電から復電したか否かを判定する。停電から復電していないと判定した場合はS9をループし、停電から復電したと判定した場合はS3に戻る。尚、停電から復電したか否かの判定は上述した方法にて行なうものとする。
実施の形態1では交流電源1から整流回路3の間の交流電流が流れる線に双方向スイッチ10を設ける構成の電源装置100について説明した。本実施の形態2では双方向スイッチ10に代えてコイル13より負荷側の直流電流が流れる配線上にスイッチング素子を設ける構成の電源装置110、120について説明する。尚、本実施の形態2において実施の形態1と同一の構成部分には同一の符号を付し説明は省略する。
スイッチング素子14は、コイル13とP−MOSFET33の間の高圧側母線5と低圧側母線6を繋ぐ配線上に設けられている。
本実施の形態2では、P−MOSFET33とN−MOSFET35をSiC−MOSFETとしているので、実施の形態1で既に説明したように25〜60kHzのキャリア周波数でスイッチング可能であり、平滑コンデンサ16の充電時に平滑コンデンサ16にかかる負荷を低減することができる。
同様に電源装置120では、低圧側母線6上に設けたスイッチング素子をN型のMOSFET35としたことにより、グランド電位であるソース電圧を基準にして駆動回路36がゲート電圧出力することができので、N−MOSFET35のゲート電圧を作る際に別途絶縁電源を設ける必要がなくなる。
図9は、本実施の形態3における空気調和装置200の構成図である。空気調和装置200は実施の形態1、2で説明した電源装置100、110、120のいずれかの電源装置を備えている。本実施の形態3では電源装置100を備えているものとして説明する。
室外機37には、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機39と、圧縮機39から吐出された冷媒の流れる方向を暖房運転と冷房運転に応じて切り替える四方弁40が設けられている。四方弁40には4つの接続部があり、1つは圧縮機39の冷媒の吐出配管と接続し、1つは圧縮機39の冷媒の吸入配管と接続し、1つは圧縮機39に設けられた熱源側熱交換器41と接続し、1つは室内機38に設けられた負荷側熱交換器42と接続している。熱源側熱交換器41と負荷側熱交換器42の間には冷媒を減圧する膨張弁43が設けられている。また、室外機37には熱源側熱交換器41に室外空気を送風する室外送風機44が設けられている。室内機38には負荷側熱交換器42と、負荷側熱交換器42に室内空気を送風する室内送風機45とが設けられている。
室内機38が設置されている室内にはリモコン47が設けられており、使用者はリモコン47で冷房運転、暖房運転や室内の設定温度などの運転情報を設定することができ、リモコン47で設定された情報は制御手段19に出力される。
制御手段19は入力されたモータ8の回転数、電圧検出手段20の検出値、リモコン47で設定された運転情報に基づいて双方向スイッチ10、スイッチング素子14、インバータ7を制御する。
Claims (9)
- 交流電源から供給される交流電流を整流する整流回路と、
前記交流電源から前記整流回路に印加される交流電圧の位相を検出する位相検出手段と、
前記交流電源と前記整流回路の間に設けられ、前記交流電源から前記整流回路及び前記整流回路から前記交流電源の双方向に通電可能な双方向スイッチと、
前記双方向スイッチと並列に設けられた抵抗と、
前記整流回路が整流した電流を平滑化して負荷側に供給する平滑コンデンサと、
前記位相検出手段が検出した位相に基づいて前記交流電流の通電が停止したか否か及び前記交流電流の通電が再開したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記交流電流の通電が停止したと判定すると前記双方向スイッチがオフになる制御をし、前記判定手段が前記交流電流の通電が再開したと判定すると前記位相検出手段が検出する前記交流電圧のゼロクロス近傍で前記双方向スイッチがオンになる制御をする制御手段と、
を備えた電源装置。 - 前記双方向スイッチはワイドバンドギャップ半導体を使用したMOSFET素子を有し、
前記制御手段は前記MOSFET素子のオンとオフを制御することにより前記双方向スイッチがオンになる制御とオフになる制御を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 交流電源から供給される交流電流を整流する整流回路と、
前記交流電源から前記整流回路に流れる交流電圧の位相を検出する位相検出手段と、
前記整流回路が整流した電流を平滑化して負荷側に供給する平滑コンデンサと、
前記整流回路と前記負荷側を繋ぐ高圧側の配線に設けられ、ソースが前記整流側にドレインが前記負荷側に接続されたP型のMOSFET素子と、
前記位相検出手段が検出した位相に基づいて前記交流電流の通電が停止したか否か及び前記交流電流の通電が再開したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記交流電流の通電が停止したと判定すると前記MOSFET素子をオフになる制御をし、前記判定手段が前記交流電流の通電が再開したと判定すると前記位相検出手段が検出する前記交流電圧のゼロクロス近傍で前記MOSFET素子がオンになる制御をする制御手段と、
を備えた電源装置。 - 交流電源から供給される交流電流を整流する整流回路と、
前記交流電源から前記整流回路に流れる前記交流電流の位相を検出する位相検出手段と、
前記整流回路が整流した電流を平滑化して負荷側に供給する平滑コンデンサと、
前記整流回路と前記負荷側を繋ぐ低圧側の配線に設けられ、ソースが前記整流側にドレインが前記負荷側に接続されたN型のMOSFET素子と、
前記位相検出手段が検出した位相に基づいて前記交流電流の通電が停止したか否か及び前記交流電流の通電が再開したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記交流電流の通電が停止したと判定すると前記MOSFET素子をオフになる制御をし、前記判定手段が前記交流電流の通電が再開したと判定すると前記位相検出手段が検出する前記交流電圧のゼロクロス近傍で前記MOSFET素子がオンになる制御をする制御手段と、
を備えた電源装置。 - 前記MOSFET素子はシリコンカーバイドを使用したMOSFET素子であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の電源装置。
- 前記制御手段は、前記位相検出手段が前記交流電流のゼロクロスを検出すると前記MOSFET素子を25kHz以上のキャリア周波数でスイッチングを開始することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
- 前記制御手段は、前記MOSFET素子を25kHz以上のキャリア周波数でスイッチングを開始した後、キャリア周波数を下げて25kHz未満にすることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
- 前記平滑コンデンサの両端電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、
前記電圧検出手段の検出値が上がると前記キャリア周波数を上げることを特徴とする請求6又は7に記載の電源装置。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の電源装置と、
前記電源装置が変換した直流電流を交流電流に変換するインバータと、
前記インバータが変換した交流電流により駆動されるモータと、
を備えたことを特徴とする空気調和装置。
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