JP2012175180A - 導波管伝送線路変換器 - Google Patents

導波管伝送線路変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数特性を改善し、加工精度のばらつきにより生じる周波数特性のずれに対する許容範囲を広くした導波管伝送線路変換器を提供する。
【解決手段】導波管伝送線路変換器は、一端に開口部が形成されかつ他端がバックショート板で閉塞された筒形状の金属筐体と、金属筐体において、開口部が形成された面以外の面を貫通して一端が外部の伝送線路に接続され、バックショート板に対して伝送線路から入力される信号の波長の1/4の距離を隔てて平行で、かつ開口部から入力又は出力される電磁波の電界が生じる方向に対して平行な導体部を有しているプローブ導体と、プローブ導体と電磁結合し、プローブ導体の共振周波数と異なる共振周波数を生じさせる寄生素子とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、導波管伝送線路変換器に関する。
導波管から入力された電磁波を伝送線路で伝達する電気信号に変換する、若しくはその逆方向の変換をするためには、導波管伝送線路変換器が用いられている(例えば、非特許文献1)。ここでの伝送線路とは、マイクロストリップ線路又は同軸線路等を意味する。
図6は、導波管伝送線路変換器9の構成例を示す概略図である。図6(a)は導波管伝送線路変換器9の透視斜視図であり、図6(b)は図6(a)において導波管伝送線路変換器9を方向A6で見たときの透視図である。
同図に示すように、導波管伝送線路変換器9は、不図示の導波管と接続する開口部91aを有する直方体形状の筐体91と、筐体91において開口部91aと対向する面91b(バックショート板)に取り付けられているコネクタ92と、一端がコネクタ92に接続され他端が開口部91a及びバックショート板91bに対して垂直な2つの面(広壁面)のいずれかに接続されているプローブ導体93とを備えている。ここで、広壁面とは、開口部91aが設けられている面に対して垂直な4つの面のうち、開口部91aが設けられている面の長い辺を共通にする面である。
コネクタ92は、同軸ケーブルと接続され、同軸ケーブルの内導体をプローブ導体93に接続して導通させ、同軸ケーブルの外導体を筐体91に接続して導通させる。コネクタ92において、同軸ケーブルの内導体と、外導体とは絶縁されている。
プローブ導体93は、コネクタ92に接続されている部分からバックショート板91bに対して垂直な接続部93aと、管内波長λgの1/4の距離を隔ててバックショート板91bに対して平行な終端部93cとを有し、接続部93aと終端部93cとが垂直に接することによってL字形状をなしている。ここで、接続部93a及び終端部93cは、針金状、あるいは棒状の導体である。換言すると、プローブ導体93は、屈曲部93bにおいて直角に曲がっており、屈曲部93bにより接続部93aと終端部93cとに分けられている。ここで、管内波長λgは、導波管を用いて伝送する電磁波の導波管内における波長、すなわち導波管管内波長である。
上記の構成を有する導波管伝送線路変換器9は、同軸ケーブルを介してコネクタ92に入力された電気信号を電磁波に変換して筐体91の開口部91aから出力する。また、導波管伝送線路変換器9は、開口部91aから入力された電磁波を電気信号に変換してコネクタ92に接続された同軸ケーブルに出力する。
図6においては、同軸ケーブルにより電気信号が給電される構成を示したが、マイクロストリップ線路により給電される導波管伝送線路変換器もある(例えば、特許文献1)。
特開2004−320460号公報
平田仁著、「マイクロ波工学の基礎」、日本理工出版会、2004年2月、p.95−96
しかしながら、製造工程において、低い加工精度で製造されると、導波管伝送線路変換器の周波数特性にずれが生じて、要求される周波数特性を満たすことができないことがある。例えば、図6に示した導波管伝送線路変換器9において、コネクタ92とプローブ導体93との取付け及び接続や、プローブ導体93の他端と筐体91との接続などの加工の精度が悪いと、特性インピーダンスに誤差が生じ、周波数特性がずれて、要求される周波数特性を満たせないことがある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、周波数特性を改善し、加工精度のばらつきにより生じる周波数特性のずれに対する許容範囲を広くした導波管伝送線路変換器を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、一端に開口部が形成されかつ他端がバックショート板で閉塞された筒形状の金属筐体と、前記金属筐体において、前記開口部が形成された面以外の面を貫通して一端が外部の伝送線路に接続され、前記バックショート板に対して前記伝送線路から入力される信号の波長の1/4の距離を隔てて平行で、かつ前記開口部から入力又は出力される電磁波の電界が生じる方向に対して平行な導体部を有しているプローブ導体と、前記プローブ導体と電磁結合し、前記プローブ導体の共振周波数と異なる共振周波数を生じさせる寄生素子とを備えていることを特徴とする導波管伝送線路変換器である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記寄生素子は、前記信号の波長の1/4の長さを有する第1素子及び第2素子とからなり、前記第1素子と第2素子とによってL字形状をなしていることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記寄生素子の前記第1素子及び第2素子のいずれか一方は、前記金属筐体の延在方向と平行な前記金属筐体の側面から所定の距離を隔てて、該側面と平行に配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、導波管伝送線路変換器は、プローブ導体と電磁結合する寄生素子を設けたことにより、プローブ導体による共振周波数と、プローブ導体及び寄生素子による共振周波数との複数の共振周波数を有することになる。これにより、共振周波数が1つの場合に比べ、所望の周波数特性が得られる周波数帯域を広げることができ、加工精度にばらつきが生じて周波数特性がずれた場合においても、所望の周波数特性を満たすことが容易になる。
第1実施形態における導波管伝送線路変換器1の構成を示す概略図である。 同実施形態における導波管伝送線路変換器1の反射損失(Return Loss [dB])のシミュレーション結果を示すグラフである。 第2実施形態における導波管伝送線路変換器2の構成を示す概略図である。 第3実施形態における導波管伝送線路変換器3の構成を示す概略図である。 第4実施形態における導波管伝送線路変換器4の構成を示す概略図である。 導波管伝送線路変換器の構成例を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る各実施形態における導波管伝送線路変換器を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における導波管伝送線路変換器1の構成を示す概略図である。図1(a)は導波管伝送線路変換器1の透視斜視図であり、図1(b)は図1(a)において方向A1から見たときの透視図である。
同図に示すように、導波管伝送線路変換器1は、中空の直方体形状であり、いずれかの面に不図示の導波管と接続する開口部11aが設けられている金属製の筐体11と、筐体11において開口部11aと対向する面11b(バックショート板)に取り付けられているコネクタ12と、筐体11の内部に設置されている基板13とを備えている。バックショート板11bと対向する面は、面全体が開口部11aになっている。
また、筐体11には狭壁面11cと平行なスリット11dが形成されており、基板13がスリット11dに差し込まれて固定されている。ここで、狭壁面11cは、バックショート板11bに対して垂直な4つの面のうち、バックショート板11bの短い辺を共通にする2つの面のいずれかである。
コネクタ12は、同軸ケーブルと接続され、同軸ケーブルの内導体を基板13上に配置されるプローブ導体14と接続して導通させ、同軸ケーブルの外導体を筐体11に接続して導通させる。
基板13は、誘電体からなり、一方の主面にプローブ導体14としての配線が形成され、他方の主面に寄生素子15としての配線が形成されている。また、基板13は、上述のように筐体11に固定され、筐体11のバックショート板11bに対して垂直に接するとともに、狭壁面11cと平行になっており、バックショート板11bから開口部11aへの方向と平行になるように固定されている。ここで、図1に示されているプローブ導体14の配置は、開口部11aから入力又は出力される電磁波の電界が発生する方向が広壁面に垂直な方向である場合の配置である。
プローブ導体14は、コネクタ12を介して、コネクタ12に接続される同軸ケーブルの内導体に接続される。また、プローブ導体14は、管内波長λgの1/4の距離を隔ててバックショート板11bと平行、かつ狭壁面11cと平行な配線14bと、配線14bの一端と直角に接するとともにコネクタ12に接続されている配線14aと、配線14bの他端と直角に接し長さが約(λg/4)の配線14cとを有している。配線14cは、その長手方向の長さが(λg/4)よりわずかに短く、バックショート板11bと接しないようになっている。
プローブ導体14は、配線14a、配線14b、及び配線14cによって、U字形状をなしている。ここで、λgは、外部よりコネクタ12を介して入力される信号の導波管内における波長、すなわち、導波管管内波長(以下、管内波長)である。
また、プローブ導体14は、一端がコネクタ12に接続され、他端が筐体11に接続されることなくオープン(開放端)になっている。しかし、プローブ導体14は、筐体11の狭壁面11cに沿って配置されている長さが約(λg/4)の配線14cを有しているので、筐体11と接続されていないが、筐体11に接続(短絡)されているのと同じ特性を得ることができる。
寄生素子15は、基板13において、プローブ導体14が形成されている主面と異なる他方の主面に形成されている。また、寄生素子15は、長さが(λg/4)の2つの配線15a、15bとが直角に接することにより、L字形状をなしている配線パターンである。配線15aは筐体11の狭壁面11cに沿って配置され、配線15bはバックショート板11b及び狭壁面11cと平行に配置されている。また、寄生素子15は、配線15bがプローブ導体14の配線14bと距離Dの位置に配置される。また、寄生素子15は、狭壁面11cに沿って形成されている長さが約(λg/4)の配線15aを有することにより、筐体11に接続されている場合と同じ特性を得ることができ、鏡像法により(λg/2)の長さを有する無給電素子とみなすことができる。
この距離Dは、シミュレーションや実測値などに基づいて、プローブ導体14と寄生素子15とに要求される結合量に応じて、0から(λg/2)の間のいずれかの値に決定される。また、この結合量は、給電点であるコネクタ12からみたとき、プローブ導体14及び寄生素子15による共振周波数が所定の周波数になる結合量である。
図2は、本実施形態における導波管伝送線路変換器1の反射損失(Return Loss [dB])のシミュレーション結果を示すグラフである。同図において、横軸は周波数[GHz]を示し、縦軸は反射損失[dB]を示している。また、実線は寄生素子15を設けた場合の反射損失を示し、破線は寄生素子15を設けていない場合の反射損失を示している。
導波管伝送線路変換器1は、寄生素子15が設けられていることで、約9.6[GHz]と約10.6[GHz]との2つの共振周波数を有することになり、反射損失の周波数特性が向上していることが分かる。例えば、反射損失が−20[dB]の周波数帯域は、寄生素子15を設けない場合、約9.4[GHz]から約10[GHz]までの周波数帯域であるが、寄生素子15を設けた場合、約9.2[GHz]から約10.7[GHz]までの周波数帯域になり、給電特性(反射損失)が2倍以上広帯域化されている。
このように、本実施形態の導波管伝送線路変換器1は、寄生素子15を備えていることにより、給電点であるコネクタ12からみて、プローブ導体14による第1の共振周波数と、プローブ導体14及び寄生素子15による第2の共振周波数との異なる共振周波数を有することになる。プローブ導体14及び寄生素子15における第2の共振周波数が、第1の共振周波数の近傍になるように、プローブ導体14と寄生素子15との結合量を定めることにより、第1の共振周波数と第2の共振周波数との間の反射量が低減されるので、共振周波数が1つの場合に比べ反射量を低減させることができる。
その結果、導波管伝送線路変換器1を製造する工程において、その製造の加工精度にばらつきが生じたとしても、所望の特性が得られる周波数帯域を広げているので、所望の特性を満たすことができる。
また、給電特性を広帯域化したことにより、導波管伝送線路変換器1を使用する環境の雰囲気温度の変化や、経年変化などによる周波数特性の変化により、要求される周波数特性を満たせなくなることを抑制することができる。
また、プローブ導体14の配線14cを狭壁面11cに沿って配置したことにより、他端を筐体11に接続することなく、プローブ導体14の他端を筐体11に接続したときと同じ特性を得られるようにしている。これにより、プローブ導体14の他端を筐体11に接続する加工を省くことができ、製造工程において生じるばらつきを低減させることができる。
なお、基板13を固定する方向は、図1に示されている方向に限らず、プローブ導体14の配線14bが、バックショート板11bから(λg/4)の距離を隔てて、バックショート板11bと平行に配置され、かつ開口部11aから入力又は出力される電磁波の電界が発生する方向と平行な(一致する)方向であれば、基板13をいずれの方向で固定してもよい。
また、本実施形態では、プローブ導体14の配線パターンがU字形状をなしている場合について説明したが、配線14cは、バックショート板11bと反対の方向、すなわち開口部11aに向かって基板13上にレイアウトされていてもよい。このとき、配線14cの長さを(λg/4)よりわずかに短くせずに、(λg/4)としてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態の導波管伝送線路変換器は、プローブ導体を針金状、あるいは棒状の導体により形成して、基板を用いていない点が第1実施形態の導波管伝送線路変換器1と異なる。
図3は、第2実施形態における導波管伝送線路変換器2の構成を示す概略図である。図3(a)は導波管伝送線路変換器2の透視斜視図であり、図3(b)は図3(a)において方向A3で見たときの透視図である。
同図に示すように、導波管伝送線路変換器2は、中空の直方体形状であり、いずれかの面に不図示の導波管と接続する開口部21aが設けられている金属製の筐体21と、筐体21において開口部21aと対向する面21b(バックショート板)に取り付けられているコネクタ22と、一端がコネクタ22に接続されているプローブ導体24と、プローブ導体24と電磁結合している寄生素子25と、寄生素子25をプローブ導体24に固定し誘電体からなる固定部材26とを備えている。バックショート板21bに対向する面は、面全体が開口部21aになっている。
コネクタ22は、第1実施形態のコネクタ12と同様に、同軸ケーブルと接続され、同軸ケーブルの内導体をプローブ導体24と接続して導通させ、同軸ケーブルの外導体を筐体21に接続して導通させる。また、コネクタ22において、同軸ケーブルの内導体と、外導体とは絶縁されている。
プローブ導体24は、一端がコネクタ22と接続されバックショート板21bから開口部21aへの方向に伸びる接続部24aと、一端が接続部24aの他端と直角に接しバックショート板21bに対して垂直な広壁面に向かって伸びる中間部24bと、一端が中間部24bの他端に接し筐体21の広壁面と平行にバックショート板21bに向かって伸びる終端部24cとを有している。
また、プローブ導体24は、接続部24aと中間部24bとが直角に接し、中間部24bと終端部24cとが直角に接することによってU字形状をなしている。ここで、筐体21の狭壁面は、第1実施形態と同様に、バックショート板21bと垂直な面のうち、バックショート板21bの短い辺を共通にする2つの面である。また、筐体21の広壁面は、バックショート板21bと垂直な面のうち、バックショート板21bの長い辺を共通にする2つの面である。
プローブ導体24の中間部24bは、管内波長λgの1/4の距離を隔ててバックショート板21b及び狭壁面と平行に配置されている。また、終端部24cは、広壁面と所定の距離を隔てて平行に配置されている。ここで、図3に示されているプローブ導体24の配置は、開口部21aから入力又は出力される電磁波の電界が発生する方向が広壁面に垂直な方向である場合の配置である。
接続部24aは長さが(λg/4)であり、終端部24cは長さが約(λg/4)であり、バックショート板21bに接しないようになっている。すなわち、プローブ導体24は、一端がコネクタ22に接続され、他端が筐体21に接続されることなくオープン(開放端)になっており、筐体21と接続されていない。しかし、プローブ導体24は、第1実施形態と同様に、終端部24cが筐体21の広壁面から所定の距離を隔てて、当該広壁面と平行に配置され、その長さが約(λg/4)であるので、筐体21の広壁面に接続(短絡)されているのと同じ特性を得ることができる。
また、プローブ導体24は、例えば、上述のようにU字形状に加工された後に、筐体21の内部において、コネクタ22と接続されるとともに固定される。
寄生素子25は、長さが(λg/4)の垂直部25aと、長さが(λg/4)の平行部25bとからなり、垂直部25aと平行部25bとが直角に接しL字形状を有している。垂直部25aは、固定部材26を介して、プローブ導体24に固定されている。
また、寄生素子25は、給電点であるコネクタ22からみたとき、プローブ導体24及び寄生素子25が結合して得られる共振周波数が所定の周波数になる位置に固定されている。寄生素子25を固定する位置は、図2において示したように、寄生素子25を設けた際の共振周波数により、導波管伝送線路変換器2に要求される反射損失を満たす周波数帯域が広がるように決定される。
固定部材26は、誘電体からなり、プローブ導体24と寄生素子25とを絶縁しつつ接着して寄生素子25を固定する。
上述のように、寄生素子25をプローブ導体24から所定の間隔を離して配置することにより、プローブ導体24の共振周波数に加えて、プローブ導体24及び寄生素子25の結合による共振周波数が得られ、図2に示したように、反射損失を改善することができ、製造における加工精度のばらつきにより周波数特性がずれた場合においても、所望の周波数特性を満たすことが容易になる。
なお、プローブ導体24が有する中間部24bが配置される方向は、図3に示した向きに限らず、電磁波を伝送線で伝送する電気信号に変換する効率が高くなるように、開口部21aから入力される電磁波の電界が発生する方向と平行な方向に中間部24bが配置されていればよい。あるいは、開口部21aから出力する電磁波の電界が発生する方向が予め定められた方向になるように、当該方向と平行な方向に中間部24bが配置されていればよい。
また、終端部24cを中間部24bの他端からバックショート板21bに向かって伸びるように配置する構成について説明したが、開口部21aに向かって伸びるように配置してもよい。この場合、終端部24cの長さを(λg/4)よりわずかに短くせずに、(λg/4)としてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態の導波管伝送線路変換器は、マイクロストリップ線路を用いて給電する点と、マイクロストリップ線路とプローブ導体とを接続するために筐体の狭壁面を貫通している点とが第1実施形態の導波管伝送線路変換器1と異なる。
図4は、第3実施形態における導波管伝送線路変換器3の構成を示す概略図である。図4(a)は導波管伝送線路変換器3の透視斜視図であり、図4(b)はマイクロストリップ線路を構成する基板33を方向A4で平面視した図である。
同図に示すように、導波管伝送線路変換器3は、中空の直方体形状であり、いずれかの面に不図示の導波管と接続する開口部31aが設けられている金属製の筐体31と、開口部31aと平行に筐体31内部に設けられた基板33とを備えている。筐体31において、開口部31aが設けられている面は、全面が開口部31aになっている。
また、筐体31は、開口部31aを含む開口部側筐体30aと、開口部31aと対向する面(バックショート板)31bを含むバックショート側筐体30bとからなる。開口部側筐体30aとバックショート側筐体30bとが基板33を挟むことにより、基板33を固定している。
基板33は、第1実施形態の基板13と同様に、誘電体からなり、バックショート板31bと対向する一方の主面に、マイクロストリップ線路に接続されたプローブ導体34としての配線34a、34bが形成され、他方の主面に寄生素子35としての配線が形成されている。また、基板33は、筐体31のバックショート板31bから管内波長λgの1/4の距離を隔てて、バックショート板31bと平行に設置されているとともに、筐体31の開口部31a及びバックショート板31bと垂直な4つ面に接し固定されている。なお、プローブ導体34及び寄生素子35を設ける基板33の主面は、逆であってもよい。
プローブ導体34は、筐体31のバックショート板31bに対して垂直な2つの狭壁面のいずれかに設けられている貫通孔31cを通じて、筐体31外部のマイクロストリップ線路と接続される。また、プローブ導体34は、一端がマイクロストリップ線路と接続され筐体31の外部から貫通孔31cを通って筐体31の内部に直線状に伸びる配線34aと、一端が配線34aの他端に接続され他端が貫通孔31cが設けられた面及びバックショート板31bに対して垂直な広壁面31dに接続された配線34bとからなる。また、プローブ導体34は、配線34aの他端と、配線34bの一端とが直角に接することにより、L字形状をなしている。ここで、広壁面31dは、バックショート板31bに対して垂直な4つの面のうち、バックショート板31bの長い辺を共通にする2つの面のいずれかである。また、図4に示されているプローブ導体34の配置は、開口部31aから入力又は出力される電磁波の電界が発生する方向が広壁面に垂直な方向である場合の配置である。配線34bは、開口部31aから入力又は出力される電磁波の電界が生じる方向と平行な方向に配置される。
寄生素子35は、基板33において、プローブ導体34が形成されている主面と異なる他方の主面に形成されている。また、寄生素子35は、長さが(λg/4)の2つの配線35a、35bの端部が直角に接することにより、L字形状をなしている配線パターンである。配線35aは筐体31の広壁面31dに沿って配置されている。配線35bは、プローブ導体34の配線34bと平行に配置されている。
また、寄生素子35は、プローブ導体34と所定の結合量が得られる位置に形成されている。また、寄生素子35は、広壁面31dに沿って形成されている配線35aを有することにより、筐体31に接続されている場合と同じ特性を得ることができ、鏡像法により(λg/2)の長さを有する無給電素子とみなすことができる。
上述のように、基板33において、プローブ導体34と寄生素子35とを異なる主面に形成して電磁結合させている。これにより、プローブ導体34の共振周波数に加えて、プローブ導体34及び寄生素子35の結合による共振周波数が得られ、図2に示したように、反射損失を改善することができ、製造における加工精度のばらつきにより周波数特性がずれた場合においても、所望の周波数特性を満たすことが容易になる。
なお、基板33を境にして、バックショート板31bを有する部材と、開口部31aを有する管状の部材とから筐体31を構成するようにしてもよい。この場合、2つの部材で基板33を挟み込むため、筐体31とプローブ導体34の配線34bとの導通を良好にすることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態の導波管伝送線路変換器は、プローブ導体を筐体に接続しない点が第3実施形態の導波管伝送線路変換器3と異なる。
図5は、第4実施形態における導波管伝送線路変換器4の構成を示す概略図である。図5(a)は導波管伝送線路変換器4の透視斜視図であり、図5(b)はマイクロストリップ線路を構成する基板33を方向A5で平面視した図である。ここで、導波管伝送線路変換器4は、マイクロストリップ線路に接続されたプローブ導体44の構成が、第3実施形態の導波管伝送線路変換器3(図4)と異なる。以下、第3実施形態の導波管伝送線路変換器3と同じ構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
プローブ導体44は、基板33において、寄生素子35が形成されている主面と異なる主面上に形成され、筐体31のバックショート板31bに対して垂直な2つの狭壁面のいずれかに設けられている貫通孔31cを通じて、筐体31外部のマイクロストリップ線路と接続される。
また、プローブ導体44は、一端がマイクロストリップ線路に接続され筐体31の外部から貫通孔31cを通って筐体31の内部に直線状に伸びる配線44aと、筐体31の内側において一端が配線44aの他端に接続され貫通孔31cが開けられている面と平行に形成された配線44bと、一端が配線44bの他端に接続され筐体31の広壁面31dに平行に形成され他端がオープン(開放端)になっている配線44cとからなる。
また、プローブ導体44は、配線44a、配線44b、及び配線44cによって、U字形状をなしている。配線44cは、長さが約(λg/4)である。また、プローブ導体44は、第3実施形態のプローブ導体34と異なり、筐体31に接続(短絡)されていないが、配線44cが筐体31の広壁面31dから所定の距離を隔てて広壁面31dに対して平行に形成され、その長さが約(λg/4)であるので、筐体31に接続されている場合と同じ特性を得ることができる。
ここで、図5に示されているプローブ導体44の配置は、開口部31aから入力又は出力される電磁波の電界が発生する方向が広壁面に垂直な方向である場合の配置である。配線44bは、開口部31aから入力又は出力される電磁波の電界が発生する方向と平行な方向に配置される。
これにより、プローブ導体44と筐体31とを接続させる必要がなくなり、接続させるための加工を省くことができ、その加工精度のばらつきにより周波数特性がずれた場合においても、所望の周波数特性を満たすことが容易になる。
上記の各実施形態において説明したように、プローブ導体(14、24、34、44)と電磁結合する寄生素子(15、25、35)を設けて、要求される反射損失などの特性が得られる周波数帯域を広帯域化することにより、製造工程において加工精度にばらつきが生じたとしても、周波数特性を満たすことができる。
また、寄生素子(15、25、35)をL字形状にするとともに、各一辺の長さを(λg/4)にし、一辺を筐体(11、21、31)と平行に配置することにより、寄生素子(15、25、35)を筐体(11、21、31)に接続させずとも、共振を生じさせることができるので、筐体(11、21、31)に接続する加工を省くことができる。その結果、加工精度のばらつきにより生じる周波数特性の低下を防ぐことができる。
なお、上述の各実施形態において、プローブ導体(14、24、34、44)における共振周波数は、シミュレーションの結果や、実測値などに基づいて、長さや幅、太さなどを決定することにより、所望の周波数に設定される。また、結合したプローブ導体(14、24、34、44)と寄生素子(15、25、35)とによる共振周波数も同様に、シミュレーションの結果や、実測値などに基づいて、寄生素子の長さや幅、太さなどを決定することにより、所望の周波数に設定される。また、結合したプローブ導体(14、24、34、44)と寄生素子(15、25、35)とによる共振周波数は、製造工程における加工精度にばらつきが生じても、特定の周波数又は周波数帯域で所望の特性が得られるように設定される。
また、上述の各実施形態では、プローブ導体(14、24、34、44)に対して、1つの寄生素子(15、25、35)を設けた構成について説明したが、これに限ることなく、複数の寄生素子を設けることにより、複数の共振周波数を得られるようにしてもよい。また、筐体(11、21、31)の一つの面全体が、開口部(11a、21a、31a)となっている構成について説明したが、バックショート板(11b、21b、31b)と対向する面の一部分に開口部を設けるようにしてもよい。
また、第1及び第2実施形態では、コネクタ(12、22)がバックショート板(11b、21b)に取り付けられている構成を説明したが、これに限ることなく、筐体(11、21)の他の面にコネクタを取り付けるようにしてもよい。このとき、プローブ導体は、バックショート板から(λg/4)の距離を隔てて、バックショート板と平行な部分を有するように形成する。
また、上記の各実施形態において、筐体(11、21、31)が中空の直方体形状である場合について説明したが、これに限ることなく、筐体は、一端に開口部が形成されかつ他端がバックショート板で閉塞された筒形状の金属筐体であって、延在方向の断面が円形、方形、又は矩形のいずれかである金属筐体でもよい。このとき、バックショート板は、金属筐体が延在する方向と垂直であればよい。また、プローブ導体14は、開口部が形成された面以外の面を貫通していればよい。また、プローブ導体14の配線14c、プローブ導体24の終端部24c、及びプローブ配線44の配線44cは、開口部が設けられている面に対して垂直な金属筐体の筒形状の側面(延在方向)と平行に所定の距離を隔てて配置されていればよい。また、寄生素子(15、35)の配線(15a、35a)及び配線(15b、35b)のいずれか一方は、金属筐体の延在方向と平行な金属筐体の側面から所定の距離を隔てて、当該側面と平行に配置されていればよい。また、寄生素子25の垂直部25a及び平行部25bのいずれか一方は、金属筐体の延在方向と平行な金属筐体の側面から所定の距離を隔てて、当該側面と平行に配置されていればよい。
なお、本発明に記載の導体部は、第1実施形態の配線14b、第2実施形態の中間部24b、第3実施形態の配線34b、及び第4実施形態の配線44bが対応する。
1,2,3,4,9…導波管伝送線路変換器、11,21,31,91…筐体、11a,21a,31a,91a…開口部、11b,21b,31b,91b…バックショート板、11c…狭壁面、11d…スリット、12,22,92…コネクタ、13,33…基板、14,24,34,44,93…プローブ導体、14a,14b,14c,15a,15b,34a,34b,34c,35a,35b,44a,44b,44c…配線、15,25,35…寄生素子、24b…中間部、30a…開口部側筐体、30b…バックショート側筐体、31c…貫通孔、31d…広壁面、93b…屈曲部

Claims (3)

  1. 一端に開口部が形成されかつ他端がバックショート板で閉塞された筒形状の金属筐体と、
    前記金属筐体において、前記開口部が形成された面以外の面を貫通して一端が外部の伝送線路に接続され、前記バックショート板に対して前記伝送線路から入力される信号の波長の1/4の距離を隔てて平行で、かつ前記開口部から入力又は出力される電磁波の電界が生じる方向に対して平行な導体部を有しているプローブ導体と、
    前記プローブ導体と電磁結合し、前記プローブ導体の共振周波数と異なる共振周波数を生じさせる寄生素子と
    を備えていることを特徴とする導波管伝送線路変換器。
  2. 前記寄生素子は、前記信号の波長の1/4の長さを有する第1素子及び第2素子からなり、前記第1素子と第2素子とによってL字形状をなしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の導波管伝送線路変換器。
  3. 前記寄生素子の前記第1素子及び第2素子のいずれか一方は、前記金属筐体の延在方向と平行な前記金属筐体の側面から所定の距離を隔てて、該側面と平行に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の導波管伝送線路変換器。
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