JP2012174747A - パワー半導体モジュールの構造およびその製造方法 - Google Patents
パワー半導体モジュールの構造およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012174747A JP2012174747A JP2011032761A JP2011032761A JP2012174747A JP 2012174747 A JP2012174747 A JP 2012174747A JP 2011032761 A JP2011032761 A JP 2011032761A JP 2011032761 A JP2011032761 A JP 2011032761A JP 2012174747 A JP2012174747 A JP 2012174747A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power semiconductor
- semiconductor module
- resin
- temperature
- insulating substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/0001—Technical content checked by a classifier
- H01L2924/0002—Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
Landscapes
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】 比較的大きな厚さ公差を有する絶縁基板であっても、簡単な構造の製造装置で、樹脂モールド成形時に絶縁基板を破損することなく、また樹脂のバリの発生をなくすことができるパワー半導体モジュールの構造を提供する。
【解決手段】
パワー半導体モジュール1は、絶縁層1aを挟む両面にそれぞれ金属パターン1b、1cを設けた絶縁基板1A上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂2にてモールドし、絶縁基板1Aの半導体を実装した面と反対側の面に設けた金属パターン1bをモールドした樹脂2から外側へ露出させる。絶縁基板1A上に、パワー半導体モジュール1のモールド成形時の型11に設けた押圧棒11aを受けるための押圧棒受け部材5を、高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材6を介して設けた。
【選択図】図6
【解決手段】
パワー半導体モジュール1は、絶縁層1aを挟む両面にそれぞれ金属パターン1b、1cを設けた絶縁基板1A上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂2にてモールドし、絶縁基板1Aの半導体を実装した面と反対側の面に設けた金属パターン1bをモールドした樹脂2から外側へ露出させる。絶縁基板1A上に、パワー半導体モジュール1のモールド成形時の型11に設けた押圧棒11aを受けるための押圧棒受け部材5を、高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材6を介して設けた。
【選択図】図6
Description
本発明は、絶縁基板上のパワー半導体等を樹脂封止したパワー半導体モジュールの構造およびその製造方法に関する。
従来、パワー半導体モジュールの製造方法としては、パワー・トランジスタ等の半導体チップを載せたリードフレーム(放熱部)を樹脂モールドによるパッケージの表面に露呈させ、ここから放熱させる半導体装置を製造するにあたって、上側モールド用金型と下側モールド用金型とで形成されたキャビティ内に半導体チップ、放熱部、リード等を挿入し、上側モールド用金型を貫通する押し棒(あるいは可動棒)にて放熱部(あるいは載置片)を下側モールド用金型に押しつけこれら間の隙間をなくした状態で、モールド用の樹脂を注入してパッケージ化することで、放熱部や載置片の周辺に樹脂によるバリが発生するのを抑止しようとするものが知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
しかしながら、上記従来のパワー半導体モジュールの製造方法にあっては、押し棒あるいは可動棒で放熱部あるいは載置片を押しつけてこれらの裏面と下側モールド用金型の載置片との間の隙間を無くそうとするものであるが、基板の厚さ等によっては、以下に説明するような問題がある。
すなわち、パワー半導体モジュールでは、セラミックを焼成して得たセラミック基板(絶縁基板)上に、アルミニウム・パターンや銅パターンを溶湯接合により、あるいは物理蒸着や化学蒸着を利用した薄膜形成によるメタライズ(活性金属による接合)により接合することが多いが、この場合、基板全体の厚さ公差が比較的大きくなってしまう。
この場合、従来の方法のように、押し棒だけで押圧してばらつきを吸収しようとすると、基板の変形が大きくなって破損してしまうといった問題がある。
また、特許文献1に記載のように、可動棒にてばねを介して弾力的に押すようにすることで基板の大きな変形を避けることも可能となるが、製造装置が複雑で高価になる上、装置のメインテナンス工数の増加や押し棒やばねの交換頻度の増加を避けることができず、生産性が悪くなってしまうといった問題があった。
また、特許文献1に記載のように、可動棒にてばねを介して弾力的に押すようにすることで基板の大きな変形を避けることも可能となるが、製造装置が複雑で高価になる上、装置のメインテナンス工数の増加や押し棒やばねの交換頻度の増加を避けることができず、生産性が悪くなってしまうといった問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、比較的大きな厚さ公差を有する絶縁基板であっても、簡単な構造でかつメインテナンスが容易な製造装置でありながら、絶縁基板等の樹脂モールド成形時に押し棒の押圧により絶縁基板を破損することなく、また絶縁基板側露出面における樹脂バリの発生をなくすことができるパワー半導体モジュールの構造およびその製造方法を提供することにある。
この目的のため、本発明のパワー半導体モジュールの構造は、
絶縁層を挟む両面にそれぞれ金属パターンを設けた絶縁基板上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂にてモールドし、絶縁基板の半導体を実装した面と反対側の面に設けた金属パターンがモールドした樹脂から外側へ露出したパワー半導体モジュールの構造において、
絶縁基板上に、パワー半導体モジュールのモールド成形時の型に設けた押圧棒を受けるための押圧棒受け部材を、高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して設けた、
ことを特徴とする。
絶縁層を挟む両面にそれぞれ金属パターンを設けた絶縁基板上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂にてモールドし、絶縁基板の半導体を実装した面と反対側の面に設けた金属パターンがモールドした樹脂から外側へ露出したパワー半導体モジュールの構造において、
絶縁基板上に、パワー半導体モジュールのモールド成形時の型に設けた押圧棒を受けるための押圧棒受け部材を、高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して設けた、
ことを特徴とする。
また、この目的のため、本発明のパワー半導体モジュールの製造方法は、
絶縁層を挟む両面にそれぞれ金属パターンを設けた絶縁基板上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂にてモールドし、絶縁基板の半導体を実装した面と反対側の面に設けた金属パターンがモールドした樹脂から外側へ露出したパワー半導体モジュールの製造方法であって、
高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して絶縁基板上に押圧棒受け部材を載置し、温度変形部材を加熱して溶融させた状態で治具を用いて、絶縁基板の底面から押圧棒受け部材の上面までの高さを、温度変形部材の変形にて調整した後、温度変化部材を凝固させる高さ調整工程と、
絶縁基板を治具から取り出した後、絶縁基板を型に入れて、この型に設けた押圧棒で押圧棒受け部材を押圧しながら樹脂モールド成形して半導体および押圧棒受け部材を設けた絶縁基板を樹脂封止する樹脂モールド成形工程と、
を有することを特徴とする。
絶縁層を挟む両面にそれぞれ金属パターンを設けた絶縁基板上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂にてモールドし、絶縁基板の半導体を実装した面と反対側の面に設けた金属パターンがモールドした樹脂から外側へ露出したパワー半導体モジュールの製造方法であって、
高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して絶縁基板上に押圧棒受け部材を載置し、温度変形部材を加熱して溶融させた状態で治具を用いて、絶縁基板の底面から押圧棒受け部材の上面までの高さを、温度変形部材の変形にて調整した後、温度変化部材を凝固させる高さ調整工程と、
絶縁基板を治具から取り出した後、絶縁基板を型に入れて、この型に設けた押圧棒で押圧棒受け部材を押圧しながら樹脂モールド成形して半導体および押圧棒受け部材を設けた絶縁基板を樹脂封止する樹脂モールド成形工程と、
を有することを特徴とする。
本発明のパワー半導体モジュールの構造にあっては、絶縁基板上に、高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して、パワー半導体モジュールのモールド成形時の型に設けた押圧棒を受けるための押圧棒受け部材を設けたので、温度変形部材にて絶縁基板の底面から押圧棒受け部材の上面までの高さを調整できるようになる。したがって、比較的大きな厚さ公差を有する絶縁基板であっても、ばね付きの可動棒が不要となって構造が簡単でかつメインテナンスが容易な製造装置を用いることができ、また、絶縁基板等の樹脂モールド成形時における押し棒や可動棒の押圧に起因した絶縁基板の破損を防止し、絶縁基板等の樹脂モールド成形に伴う絶縁基板側露出面上の樹脂バリの発生をなくすことができる。
本発明のパワー半導体モジュールの製造方法にあっては、温度変化部材を温度に応じて溶融・凝固させて温度変形部材にて絶縁基板の底面から押圧棒受け部材の上面までの高さを調整する高さ調整工程を設けたので、温度変形部材にて絶縁基板の底面から押圧棒受け部材の上面までの高さを調整できるようになる。したがって、比較的大きな厚さ公差を有する絶縁基板であっても、ばね付きの可動棒が不要となって構造が簡単でかつメインテナンスが容易な製造装置を用いることができ、また、絶縁基板等の樹脂モールド成形時における押し棒や可動棒の押圧による絶縁基板を破損することなく、絶縁基板等の樹脂モールド成形に伴う絶縁基板側露出面上の樹脂バリの発生をなくすことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
まず、実施例1のパワー半導体モジュールは、たとえば電気自動車の走行用三相交流モータ(図示せず)をパルス幅変調(PWM: Pulse Width Modulation)駆動するインバータ(図示せず)の各相(U相、V相、W相)に対応するインバータ回路の上下アーム直列回路を形成して同一モジュールとして内蔵したものである。このような3つのパワー半導体モジュールを組み合わせて三相インバータ回路が形成される。
図1に、実施例1のパワー半導体モジュール1を示す。同図は、図2、3に示すパワー半導体モジュール組付体1'を樹脂モールド成形した後に型から取り出し、その上面の樹脂2を削り終えた状態を示す。なお、その下面は、後述するように、樹脂2のバリ等が発生しないように樹脂モールド成形するので、上面のように削る必要はない。また、図1は不要箇所を切り落す前のパワー半導体モジュール1の状態を示し、これらの作業を終えることで、完成したパワー半導体モジュール1が得られる。
パワー半導体モジュール1は、セラミックを基材として焼成したロア・セラミック基板1aおよびアッパ・セラミック基板1dの両面にアルミニウム・パターンや銅パターンなどの金属パターン1b、1cおよび1e、1fをそれぞれ溶湯接合により、あるいは活性金属によるメタライズなどにより接合するとともに、ロア・セラミック基板1a上に絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)・チップやダイオード・チップ等が高温はんだで接合されている。
ロア・セラミック基板1aとアッパ・セラミック基板1dとの間には複数のスペーサ9が介装され、IGBTチップ、ダイオード・チップ、金属パターン1eなどに高温はんだで接合されている。
ロア・セラミック基板1aとアッパ・セラミック基板1dとの間には複数のスペーサ9が介装され、IGBTチップ、ダイオード・チップ、金属パターン1eなどに高温はんだで接合されている。
なお、以後、ロア・セラミック基板1aおよびこの両面の金属パターン1b、1cを合わせてロア基板1A、またアッパ・セラミック基板1dおよびこの両面の金属パターン1e、1fを合わせてアッパ基板1Bと言う。ロア・セラミック基板1aおよびアッパ・セラミック基板1dは本発明の絶縁層に相当し、ロア基板1A、アッパ基板1Bは本発明の絶縁基板に相当し、IGBTチップおよびダイオード・チップは、本発明の半導体に相当する。
また、ロア・セラミック基板1aの上面の金属パターン1cには、図1中、それぞれ横方向両側へ突出する端子11、また図1中の上下方向へそれぞれ突出するアウト・リード端子3a、Nリード端子3b、Pリード端子3cが接合されるとともに、ロア・ゲート端子4aとアッパ・ゲート端子4bとが設けられる。ロア・ゲート端子4aとアッパ・ゲート端子4bは、ボンディング・ワイヤ10(図3、6参照)を介してIGBTチップに接合されている。
さらに、実施例1のパワー半導体モジュール1には、樹脂モールド前のパワー半導体モジュール組付体1'が描かれた図2、3に示すように、ロア・セラミック基板1aの上面側の金属パターン1cの四隅Pにはんだ6を介してピン受け部材5が設けられている。このピン受け部材5は、パワー半導体モジュール1の樹脂モールド成形工程において、後述する型と一体のピン13a(図6参照)の押圧力を受けるとともに、ロア基板1Aの厚さに起因してその公差厚さが大きい場合でも、高さ調整工程前のパワー半導体モジュール組付体1'におけるロア基板1Aの底面からピン受け部材5の上面までの高さA(図4参照)が高さ調整工程により高さH(図5参照)前後となる許容公差範囲内に収まるようにその高さの調整を行えるようにしてある。ここで、許容公差範囲は、ピン13aでピン受け部材5が押圧されている時、ロア基板1Aの底面とモールド用の下型12(図6参照)の内底面との間に樹脂が流れ込む隙間を形成することなく、またピン13aの押圧力によりロア基板1Bが過大変形して破損することがない範囲に設定されている。
なお、ピン受け部材5は、本発明の押圧棒受け部材に相当する。
なお、ピン受け部材5は、本発明の押圧棒受け部材に相当する。
次に、これらピン受け部材5の高さ調整工程につき、図4、5に基づき説明する。なお、これらの図は、分かりやすくするため、図1、2、3に示した構造からアッパ基板1B等を省略して、その一部を模式的に描いてある。
高さ調整工程では、図4に示すように、まず、ピン受け部材5とはんだ6を、図5に示すロア治具7の内側底面に載せたロア基板1Aのロア・セラミック基板1aの上面側金属パターン1cの四隅上にそれぞれセットする。この状態で図5に示すようにアッパ治具8をロア治具7上にセットして加熱する。すると、加熱されたはんだ6が溶融し始めて柔らかくなり、流動可能となる。そして、アッパ治具8をロア治具7に押し付けてこれらを当接させた状態のままで冷却すると、はんだ6は図4に示すロア基板1Aの底面からピン受け部5の上面までの高さAの状態から図5に示す公差許容範囲の高さH(<A)の状態になって固化(凝固)し、その高さHを維持する。
このとき、パワー半導体モジュール組付体1'における高さAは、基板1Aやピン受け部材5等のばらつきにかかわらず、ロア治具7とアッパ治具8により決まる高さHとなって、はんだ6がそれらの厚さのばらつきを吸収する。
なお、はんだ6は、本発明の温度変化部材に相当し、IGBTチップやダイオード・チップ等を両セラミック基板1a、1dに接合するのに用いる高温はんだよりも低い溶融点をもつはんだを用いる。したがって、高さ調整工程では、はんだ6の溶融温度以上で高温はんだの溶融温度より低い温度で加熱するようにする。
また、ロア治具7およびアッパ治具8は、本発明の治具に相当する。
なお、はんだ6は、本発明の温度変化部材に相当し、IGBTチップやダイオード・チップ等を両セラミック基板1a、1dに接合するのに用いる高温はんだよりも低い溶融点をもつはんだを用いる。したがって、高さ調整工程では、はんだ6の溶融温度以上で高温はんだの溶融温度より低い温度で加熱するようにする。
また、ロア治具7およびアッパ治具8は、本発明の治具に相当する。
次に、はんだ6の冷却後、アッパ治具8をロア治具7から外してパワー半導体モジュール組付体1'(図2、3参照)をロア治具7の内側から取り出して、次の樹脂モールド成形工程へと進む。
樹脂モールド成形工程では、まず、図6に示すように、高さ調整工程を終えたパワー半導体モジュール組付体1'を下型12内に載置する。
一方、上型13は、この内側で、ロア基板1Aのロア・セラミック基板1aの上面側金属パターン1cの四隅に対応する箇所Pに対応する部位に、それぞれピン13aが一体的に設けられて下方に向けて突出されている。
一方、上型13は、この内側で、ロア基板1Aのロア・セラミック基板1aの上面側金属パターン1cの四隅に対応する箇所Pに対応する部位に、それぞれピン13aが一体的に設けられて下方に向けて突出されている。
このピン13aの長さは、上型13が下型12に互いに合わされて型締めされたとき、ピン13aの先端がピン受け部材5の上面に当接して、パワー半導体モジュール組付体1'のロア基板1Aの底面側の金属パターン1bを下型12の内底面に隙間が発生しないように、またロア基板1Aを過剰に変形させて破損しないような範囲で、ロア基板1Aを確実に押し付けることが可能な長さに設定してある。
なお、ピン13aは本発明の押圧棒に相当し、下型12および上型13は本発明の型に相当する。
なお、ピン13aは本発明の押圧棒に相当し、下型12および上型13は本発明の型に相当する。
続いて、上型13を下型12に合わせて型締めを行う。このとき、上型13のピン13aがパワー半導体モジュール組付体1'のピン受け部材5に当接してこれを下方に押圧することで、ロア基板1Aの底面側の金属パターン1bと下型12の型内面との間に隙間をなくした状態にする。この状態でトランスファー・モールド法により、樹脂(たとえば、エポキシ樹脂にシリカの充填剤を充填したモールド樹脂)2(図1参照)を下型12と上型13との隙間から充填してパワー半導体モジュール組付体1'の隙間を樹脂封止する。
このようにして、上型13がピン13aとともにパワー半導体モジュール組付体1'および下型12から離された後、樹脂封止されたパワー半導体モジュール組付体1'が下型12から取り出される。この樹脂モールド工程により、ロア基板1Aとアッパ基板1Bとの間の隙間が、樹脂封止されるが、このとき、ロア基板1Aと下型12の内底面には隙間がないようにしていたので、ロア基板1Aの底面側の金属パターン1bには樹脂2が付着していない。一方、アッパ基板1Bの上面側の金属パターン1f上は、樹脂2で覆われている。また、パワー半導体モジュール組付体1'の樹脂2には、4つのピン13aの跡としてのピン孔が残っている。
樹脂モールド成形工程後、下型12から取り出したパワー半導体モジュール組付体1'は、アッパ基板1Bの上面側に設けた金属パターン1f上の樹脂2を削り取って金属パターン1fが露呈するようにする。また図1に示すように、端子11の不要な端部部分を一点鎖線C1に沿ってそれぞれ切り離すなどして、完成品としてのパワー半導体モジュール1を得る。
以上のように、実施例1のパワー半導体モジュール1にあっては、ロア基板1A上に、高温で溶融し常温で凝固するはんだ6を介して、パワー半導体モジュール組付体1'の樹脂モールド成形時に使用する型に設けたピン13aを受けるためのピン受け部材5を設けたので、はんだ6を高温で溶融した状態で治具7、8を用いてロア基板1Aの底面からピン受け部材5の上面までの高さを許容範囲内に調整できるようになる。
したがって、比較的大きな厚さ公差を有するロア基板1Aであっても、ばね付きの可動棒等が不要となって構造が簡単でかつメインテナンスが容易な製造装置を用いることができ、また、ロア基板1A等の樹脂モールド成形時におけるピン13aの押圧に起因したロア基板1Aの過大変形による破損を防止するとともに、ロア基板1A等の樹脂モールド成形に伴う樹脂2のバリの発生をなくすことができる。
したがって、比較的大きな厚さ公差を有するロア基板1Aであっても、ばね付きの可動棒等が不要となって構造が簡単でかつメインテナンスが容易な製造装置を用いることができ、また、ロア基板1A等の樹脂モールド成形時におけるピン13aの押圧に起因したロア基板1Aの過大変形による破損を防止するとともに、ロア基板1A等の樹脂モールド成形に伴う樹脂2のバリの発生をなくすことができる。
次に、本発明に係る実施例2のパワー半導体モジュールの構造について説明する。この実施例2の説明にあたっては、実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
実施例2のパワー半導体モジュールの構造では、実施例1のパワー半導体モジュールの構造におけるピン受け部材5に代えて、図7、8、9に示すように、パワー半導体モジュール組付体1'の端子11の四隅に近い部分をそれぞれ一部切り欠いて下方へ折り曲げて伸ばし、その先端部分を曲げてロア基板1Aの上面に平行にしてピン受け部11aとする。このピン受け部11aの下面とロア基板1Aの上面との間には、はんだ6を介在させる。
なお、ピン受け部11aは、本発明の押圧棒受け部材に相当する。
なお、ピン受け部11aは、本発明の押圧棒受け部材に相当する。
実施例2についても、高さ調整工程において、上記パワー半導体モジュール組付体1'のはんだ6を加熱して溶融させた状態で、図5の治具7、8と同様の治具を用いて、実施例1と同様に、ロア基板1Aの底面から押圧棒受け部材の上面までの高さAを高さHとなるように調整する。
高さの調整を終えたはんだ6は、冷却されて凝固し、その後、調整された高さHを維持する。凝固後、パワー半導体モジュール組付体1'は、治具から取り出して、樹脂モールド成形工程へと移る。
樹脂モールド成形工程では、ピン受け部11aの高さ調整を終えたパワー半導体モジュール組付体1'を、実施例1の図6の場合と同様に、図示を省略した下型の内面上に載置し、上型と下型とを互いに型締めする。このとき、上型のピンがピン受け部11aに当接してこれらを下方へ押圧し、下型の内底面とロア基板1Aの底面との間の隙間をなくす。この状態で、樹脂2を上型と下型の間からパワー半導体モジュール組付体1'の空隙へ流し込み、図10にその一部を示すように樹脂封止する。
樹脂2が凝固したら、上型を下型から離してパワー半導体モジュール組付体1を取り出し、実施例1と同様に、アッパ基板1Bの上方を覆う樹脂2を削ってアッパ基板1Bの上面に設けた金属パターンが外に露出されるようにするとともに、端子11など不要な部分を切断して切り離し、パワー半導体モジュール1を得る。
樹脂2が凝固したら、上型を下型から離してパワー半導体モジュール組付体1を取り出し、実施例1と同様に、アッパ基板1Bの上方を覆う樹脂2を削ってアッパ基板1Bの上面に設けた金属パターンが外に露出されるようにするとともに、端子11など不要な部分を切断して切り離し、パワー半導体モジュール1を得る。
以上のように、実施例2では、実施例1の効果に加え、以下の効果がある。
すなわち、ピン受け部11aを端子11と一体に形成したので、部品点数が減り、製造工数を削減できる。
すなわち、ピン受け部11aを端子11と一体に形成したので、部品点数が減り、製造工数を削減できる。
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
たとえば、本発明の温度変化部材は、上記実施例でははんだを用いたが、これに限る必要はなく、高温で溶融し常温で凝固してその形を保つものであればよい。なお、その場合、温度変化部材の溶融温度が半導体等を絶縁基板に接合するはんだの溶融温度より低いことが望ましい。
樹脂封止したパワー半導体モジュールの、ピン13aを抜いた後にできたピン孔は、後で樹脂を入れて埋めるようにしてもよい。この場合、ピン受け部材5やピン受け部11aのピン孔の部分がさびなくなる。
ピン受け部材5やピン受け部11aは、少なくともその表面がさびない材料で作るようにしてもよい。また、それらの数や位置は適宜設定可能である。
パワー半導体モジュールは、アッパ基板1Bがないものであってもよい。
1 パワー半導体モジュール
1' パワー半導体モジュール組付体
1a ロア・セラミック基板
1b、1c、1e、1f 金属パターン
1d アッパ・セラミック基板
1A ロア基板
1B アッパ基板
2 樹脂
3a アウト・リード端子
3b Nリード端子
3c Pリード端子
4a ロア・ゲート端子
4b アッパ・ゲート端子
5 ピン受け部材
6 はんだ
7 ロア治具
8 アッパ治具
9 スペーサ
10 ボンディング・ワイヤ
11 端子
11a ピン受け部
12 下型
13 上型
13a ピン
1' パワー半導体モジュール組付体
1a ロア・セラミック基板
1b、1c、1e、1f 金属パターン
1d アッパ・セラミック基板
1A ロア基板
1B アッパ基板
2 樹脂
3a アウト・リード端子
3b Nリード端子
3c Pリード端子
4a ロア・ゲート端子
4b アッパ・ゲート端子
5 ピン受け部材
6 はんだ
7 ロア治具
8 アッパ治具
9 スペーサ
10 ボンディング・ワイヤ
11 端子
11a ピン受け部
12 下型
13 上型
13a ピン
Claims (5)
- 絶縁層を挟む両面にそれぞれ金属パターンを設けた絶縁基板上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂にてモールドし、前記絶縁基板の半導体を実装した面と反対側の面に設けた前記金属パターンが前記モールドから外側へ露出したパワー半導体モジュールの構造において、
前記絶縁基板上に、前記パワー半導体モジュールのモールド成形時の型に設けた押圧棒を受けるための押圧棒受け部材を、高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して設けた、
ことを特徴とするパワー半導体モジュールの構造。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールの構造において、
前記温度変形部材は、はんだである、
ことを特徴とするパワー半導体モジュールの構造。 - 請求項1又は請求項2に記載のパワー半導体モジュールの構造において、
前記温度変形部材は、この溶融温度が前記半導体と前記金属パターンを接合するはんだの溶融温度より低い、
ことを特徴とするパワー半導体モジュールの構造。 - 請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のパワー半導体モジュールの構造において、
前記押圧棒受け部材は、前記絶縁基板に接続される端子の一部で形成した、 ことを特徴とするパワー半導体モジュールの構造。 - 絶縁層を挟む両面にそれぞれ金属パターンを設けた絶縁基板上に、半導体を実装した状態で、これらを樹脂にてモールドし、前記絶縁基板の前記半導体を実装した面と反対側の面に設けた前記金属パターンが前記モールドから外側へ露出したパワー半導体モジュールの製造方法であって、
高温で溶融し常温で凝固する温度変形部材を介して前記絶縁基板上に押圧棒受け部材を載置し、前記温度変形部材を加熱して溶融させた状態で治具を用いて、前記絶縁基板の底面から前記押圧棒受け部材の上面までの高さを、前記温度変形部材の変形にて調整した後、前記温度変化部材を凝固させる高さ調整工程と、
前記絶縁基板を前記治具から取り出した後、前記絶縁基板を型に入れて、該型に設けた押圧棒で前記押圧棒受け部材を押圧しながら樹脂モールド成形して前記半導体および前記押圧棒受け部材を設けた前記絶縁基板を樹脂封止する樹脂モールド成形工程と、
有することを特徴とするパワー半導体モジュールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011032761A JP2012174747A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | パワー半導体モジュールの構造およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011032761A JP2012174747A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | パワー半導体モジュールの構造およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012174747A true JP2012174747A (ja) | 2012-09-10 |
Family
ID=46977422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011032761A Withdrawn JP2012174747A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | パワー半導体モジュールの構造およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012174747A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016046467A (ja) * | 2014-08-26 | 2016-04-04 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
CN116798882A (zh) * | 2023-08-22 | 2023-09-22 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种双面散热结构功率模块的制造方法 |
-
2011
- 2011-02-18 JP JP2011032761A patent/JP2012174747A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016046467A (ja) * | 2014-08-26 | 2016-04-04 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
CN116798882A (zh) * | 2023-08-22 | 2023-09-22 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种双面散热结构功率模块的制造方法 |
CN116798882B (zh) * | 2023-08-22 | 2024-01-30 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种双面散热结构功率模块的制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101915873B1 (ko) | 전력용 반도체 장치 및 그 제조 방법 | |
US9431326B2 (en) | Semiconductor device and manufacturing method thereof | |
JP5279632B2 (ja) | 半導体モジュール | |
KR101928681B1 (ko) | 전력용 반도체 장치 및 그 제조 방법 | |
JP6249892B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP6288254B2 (ja) | 半導体モジュールおよびその製造方法 | |
CN101335263A (zh) | 半导体模块和半导体模块的制造方法 | |
JP2005244166A (ja) | 半導体装置 | |
JP6183226B2 (ja) | 電力用半導体装置の製造方法 | |
JP6192809B2 (ja) | 半導体モジュールおよび半導体モジュールを搭載した駆動装置 | |
JP4039298B2 (ja) | 樹脂封止型半導体装置およびその製造方法ならびに成形型 | |
JP2012174747A (ja) | パワー半導体モジュールの構造およびその製造方法 | |
JP2012174748A (ja) | 半導体モジュールの構造およびその製造方法 | |
JP7241962B2 (ja) | 半導体装置および半導体装置の製造方法 | |
WO2022259395A1 (ja) | 半導体製造装置および半導体装置の製造方法 | |
JP7142714B2 (ja) | 電力用半導体装置の製造方法 | |
JP6647187B2 (ja) | パワーモジュールおよびその製造方法 | |
JP2023077978A (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP4225246B2 (ja) | 電子装置の製造方法 | |
JP4431193B2 (ja) | 絶縁型大電力用半導体装置 | |
JPH11330116A (ja) | 半導体装置の製造方法、それに使用されるリードフレーム及び成型用金型 | |
CN117043937A (zh) | 半导体装置以及半导体装置的制造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140513 |