JP4225246B2 - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートシンクの上面に電子素子を搭載し、電子素子の周囲にリードフレームを設け、ヒートシンクの下面が露出するように装置のほぼ全体をモールド樹脂によって封止してなる電子装置、およびそのような電子装置の製造方法に関する。
この種の電子装置は、具体的には次のようにして製造される。ヒートシンクの上面に電子素子を搭載し、電子素子の周囲にリードフレームを設けてリードフレームと電子素子とを接続する。
それとともに、ヒートシンクとリードフレームの吊りリードとを接合する。こうして、ヒートシンク、電子素子およびリードフレームが一体化した一体化部材を、金型の下型に設置し、上型を合致させる。それにより、上記の一体化部材が金型のキャビティ内に設置される。
そして、当該キャビティ内にモールド樹脂を充填することにより、ヒートシンクの下面が露出するように、ヒートシンク、電子素子およびリードフレームをモールド樹脂によって封止する。こうして電子装置ができあがる。
図3は、上記した従来の製造方法における金型200を用いたモールド樹脂の封止工程を具体的に示す図であり、(a)は概略断面図、(b)は(a)の上面図である。なお、図3(b)において、上型220については、その一部すなわち押さえ部220aのみを示してある。
図3に示されるように、金型200は、上型220と下型210とを合致させることにより、その内部に、モールド樹脂の形状に対応したキャビティ230が形成されるものである。
このキャビティ230内には、ヒートシンク10の上面に電子素子20を搭載し、その周囲にリードフレーム30を設けるとともにヒートシンク10とリードフレーム30の吊りリード32とを接合してなる一体化部材101が、設置されている。
このヒートシンク10と吊りリード32との接合部11は、かしめや溶接などにより行われているが、ヒートシンク10がリードフレーム30と一体に成形されていることにより、接合部11が構成されていてもよい。
また、樹脂成形後において、電子装置の放熱性を高めるべく、ヒートシンク10の下面がモールド樹脂から露出するようにしている。
ヒートシンク10の下面をモールド樹脂から露出させるため、キャビティ230内においては、金型200の上型220に押さえ部220aを設け、この押さえ部220aによってヒートシンク10の上面の一部を押さえることにより、ヒートシンク10の下面を金型200の下型210に押しつけた状態としている。
そして、この状態でキャビティ230内へモールド樹脂を注入することにより、ヒートシンク10の下面への樹脂の回り込みを抑制し、樹脂成形後において、ヒートシンク10の下面がモールド樹脂から露出するようにしている。
ところで、このような従来の製造方法では、ヒートシンク10の上面の一部、すなわちヒートシンク10における電子素子20の搭載面の一部を、金型200の押さえ部220aで押さえていた。
そのため、従来では、ヒートシンク10の搭載面において上記押さえ部220aにて押さえられる部分が、デッドスペースとなり、電子素子20の搭載スペースが制約されてしまう。そして、このことは、高密度実装化の妨げとなり、装置の大型化やコストアップなどにつながる。
ちなみに、ヒートシンク10において電子素子20の搭載スペースとは無関係であるヒートシンク10と吊りリード32との接合部11を、押さえることも考えられるが、その場合、当該押さえ力による接合部のずれなどによるヒートシンク10とリードフレーム30との位置ずれ等が生じる恐れがある。そのため、従来では、ヒートシンク10の上面の一部を押さえるようにしていた。
一方で、ヒートシンクをダイパッド裏面に取り付けた樹脂封止型半導体装置の樹脂封止方法において、金型の下型に吸引孔を設け、ダイパッドの裏面を吸引固着しながら樹脂封止を行うことによりダイパッドの裏面の樹脂バリを防止するようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開5−55280号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法によれば、素子の搭載面に金型の押さえ部が無いため、デッドスペースが生じないが、吸引装置を備えた製造装置が要求されるため、大型化、コストアップの問題が生じる。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、ヒートシンクの上面に電子素子を搭載し、電子素子の周囲にリードフレームを設け、ヒートシンクの下面が露出するように装置のほぼ全体をモールド樹脂によって封止してなる電子装置において、ヒートシンクの下面をモールド樹脂から適切に露出させつつ、ヒートシンクの上面におけるデッドスペースを小さくすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ヒートシンク(10)の上面に電子素子(20)を搭載し、電子素子(20)の周囲にリードフレーム(30)を設けるとともにヒートシンク(10)とリードフレーム(30)の吊りリード(32)とを接合した後、ヒートシンク(10)の下面が露出するように、ヒートシンク(10)、電子素子(20)およびリードフレーム(30)を金型(200)を用いてモールド樹脂(40)によって封止するようにした電子装置の製造方法において、モールド樹脂(40)の封止工程では、金型(200)の上型(220)によって吊りリード(32)のみを押さえることにより、ヒートシンク(10)の下面を金型(200)の下型(210)に押しつけた状態で、金型(200)のキャビティ(230)内へモールド樹脂(40)を注入することを特徴としている。
この製造方法によれば、モールド樹脂(40)の封止工程において、金型(200)の上型(220)によって吊りリード(32)のみを押さえることにより、ヒートシンク(10)の下面を金型(200)の下型(210)に押しつけるようにしているため、ヒートシンク(10)の上面すなわち電子素子(20)の搭載面には、デッドスペースが生じない。
また、本発明によれば、樹脂封止を行うワークを金型(200)内に固定するために、上記した吸引装置などの特別な装置が不要であるため、コストアップはほとんど生じることはない。
したがって、本発明によれば、ヒートシンク(10)の下面をモールド樹脂(40)から適切に露出させつつ、ヒートシンク(10)の上面におけるデッドスペースを小さくすることができる。
ここで、請求項1に記載の電子装置の製造方法においては、上型(220)により吊りリード(32)を押さえる部分は、上型(220)の一部が下型(210)よりもキャビティ(230)内へ突出した突出部(221)として構成されているものにできる。
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の電子装置の製造方法においては、ヒートシンク(10)と吊りリード(32)との接合は、かしめにより行われているものにできる。
つまり、本発明によっても、ヒートシンク(10)の下面をモールド樹脂(40)から適切に露出させつつ、ヒートシンク(10)の上面におけるデッドスペースを小さくすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
図1は、本発明の実施形態に係る電子装置100の概略構成を示す図であり、(a)は概略断面図、(b)は(a)の上面図である。なお、これら図1(a)、(b)では、ボンディングワイヤは省略してあり、また、図1(b)においては、モールド樹脂40の外形は破線にて示されている。
限定するものではないが、本実施形態の電子装置100は、自動車のパワーウィンドウの駆動モータを駆動するためのHIC(ハイブリッドIC、混成集積回路)などに適用することができる。
[装置構成等]
この電子装置100において、ヒートシンク10は、たとえば放熱性に優れたCu(銅)や鉄系金属からなるものであり、たとえばプレス加工や切削加工などにより形成された板状のものである。
ヒートシンク10の上面には電子素子20が搭載されている。図1(b)では、7個の電子素子20が搭載されている。これら電子素子20は、特に限定するものではないが、発熱素子や温度制約素子などの半導体チップ、あるいはその他の表面実装部品などからなるものである。
ここで、発熱素子は、大きな使用電流のもとで発熱する電子素子であって、温度制約素子よりも大きい電流が流れ且つ大きい発熱を行うものである。具体的には、発熱素子としては、パワーMOS素子やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)素子などのパワー素子や、抵抗体などを挙げることができる。
また、温度制約素子は、その使用温度に制約がある電子素子であり、具体的には、温度制約素子としては、マイコンあるいは制御ICなどを挙げることができる。これら発熱素子および温度制約素子は、たとえば、シリコン半導体などの半導体基板(半導体チップ)に対して半導体プロセスを用いて、トランジスタや抵抗などの素子や配線を形成してなるものである。
これら電子素子20は、電気絶縁性を有し且つ熱伝導性に優れた樹脂などからなる接着剤やはんだ、あるいは銀ペーストなどのダイボンド材などにより、ヒートシンク10の上面に固定されている。
なお、これら電子素子20は、直接ヒートシンク10の上面に搭載されたものでなくてもよく、たとえば、配線基板の上に電子素子20を実装し、この配線基板をヒートシンク10の上面に搭載した形態を採用してもよい。
この場合、配線基板としては、特に限定するものではないが、たとえば、単層または複数の層が積層されたセラミック配線基板またはプリント配線基板などを採用することができる。
また、図1(b)に示されるように、電子素子20の周囲には、リードフレーム30(後述の図2参照)のリード部31が複数本設けられている。このリードフレーム30は、たとえばCuや42アロイなどから形成されたものである。
そして、図示しないが、リードフレーム30のリード部31と電子素子20との間、場合によっては、個々の電子素子20同士の間は、モールド樹脂40の内部にて、Au(金)やAl(アルミニウム)などからなるボンディングワイヤ等によって電気的に接続されている。
また、ヒートシンク10とリードフレーム30の吊りリード32とが、接合部11にて接合されている。
ここでは、ヒートシンク10の上面にて吊りリード32をかしめることにより接合部11が形成されている。具体的には、ヒートシンク10の上面に形成された突起に吊りリード32の穴を嵌合させ、上記突起をかしめて潰すなどの方法により、かしめ固定が行われる。
そして、図1に示されるように、電子素子20、上記の図示しないボンディングワイヤ、各リード部31における上記ボンディングワイヤとの接続部すなわちインナーリード、吊りリード32、および、ヒートシンク10は、上記モールド樹脂40によって包み込まれるように封止されている。
ここで、各リード部31の一部すなわちアウターリードは、モールド樹脂40から突出しており、この突出部にて外部の配線部材などと接続されるようになっている。また、ヒートシンク10における上面すなわち素子搭載面とは反対側の下面は、モールド樹脂40から露出している。
なお、モールド樹脂40は、通常の半導体パッケージに用いられるエポキシ系樹脂などのモールド材料からなり、後述する成形型としての金型200を用いたトランスファーモールド法により成形されるものである。
このような電子装置100において、本実施形態では、モールド樹脂40について、次のような独自の構成を採用している。
すなわち、図1に示されるように、モールド樹脂40の端部のうち吊りリード32の周囲に位置する部位では、吊りリード32の直上に位置する部分が、吊りリード32の直下に位置する部分よりも引っ込んだ引っ込み部41として構成されている。
この引っ込み部41の引っ込み寸法d(図1(a)参照)は、限定するものではないが、たとえば、吊りリード32の板厚(たとえば0.数mm程度)と同程度もしくはそれ以上であり、好ましくは、1mm程度以内とすることができる。
また、この電子装置100は、図示しない基材上に搭載される。この基材は、たとえば、上記したパワーウィンドウを駆動するためのモータが収納された金属などからなるケースや、プリント基板などからなるものである。
具体的には、半導体装置100は、ヒートシンク10の下面と上記基材との間に、電気絶縁性を有し且つ熱伝導性に優れたグリスなどを介在させて、基材に接した形で搭載される。そして、半導体装置100の熱は、ヒートシンク10を介して基材に放熱されるようになっている。
[製法等]
次に、この電子装置100の製造方法について述べる。
図2は、本製造方法におけるモールド樹脂の封止工程を説明するための図である。図2において(a)は、金型200内にワークとしての一体化部材101を設置した状態を示す概略断面図、(b)は、(a)の上面図である。
なお、これら図2(a)、(b)では、ボンディングワイヤは省略してあり、図2(b)では、金型200のうちの下型210の全体および上型220の一部すなわち押さえ部としての突出部221を示してある。
まず、ヒートシンク10の上面に電子素子20を搭載し、電子素子20の周囲にリードフレーム30を設けるとともにヒートシンク10とリードフレーム20の吊りリード32とをかしめなどにより接合する。また、電子素子20とリードフレームのリード部31とを上記した図示しないボンディングワイヤなどにより電気的に接続する。
こうして、ヒートシンク10、電子素子20およびリードフレーム30が一体化した一体化部材101を、金型200に設置する。図2に示されるように、金型200は、下型210と上型220とを合致させることにより、その内部に、モールド樹脂40の形状に対応したキャビティ230が形成されるものである。
具体的には、上記一体化部材101を金型200の下型210に設置し、上型220を合致させる。それにより、上記一体化部材101が金型200のキャビティ230内に設置される。この状態が図2に示される。
次に、モールド樹脂40の封止工程では、金型200の上型220によって吊りリード32のみを押さえることにより、ヒートシンク10を金型200の下型210に押しつけるようにする。
ここで、本実施形態では、図2に示されるように、上型220により吊りリード32を押さえる部分すなわち押さえ部221は、上型220の一部が下型210よりもキャビティ230内へ突出した突出部221として構成されている。
このような突出部221の突出寸法d(図2(a)参照)は、上記図1(a)に示される引っ込み部41の引っ込み寸法dに相当するものであり、たとえば、吊りリード32の板厚(たとえば0.数mm程度)と同程度もしくはそれ以上であり、好ましくは、1mm程度以内とすることができる。
そして、一体化部材101を金型200内に設置した状態では、この突出部221が上方から吊りリード32を押さえるが、このとき、吊りリード32の下部は支えが無いため、吊りリード32は若干たわみ、吊りリード32ひいては一体化部材101は下方に押さえつけられる。
そのため、一体化部材101におけるヒートシンク10の下面は、金型200の下型210に押しつけられて密着する。そして、この状態で、キャビティ230内に溶融状態にあるモールド樹脂40を注入して充填することにより、ヒートシンク10の下面が露出するように、一体化部材101がモールド樹脂40によって封止される。
その後は、モールド樹脂40を冷却して固化させ、モールド樹脂40によって封止された一体化部材101を金型200から取り出す。こうして、上記電子装置100ができあがる。
[効果等]
ところで、本実施形態によれば、ヒートシンク10の上面に電子素子20を搭載し、電子素子20の周囲にリードフレーム30を設けるとともにヒートシンク10とリードフレーム30の吊りリード32とを接合した後、ヒートシンク10の下面が露出するように、ヒートシンク10、電子素子20およびリードフレーム30を金型200を用いてモールド樹脂40によって封止するようにした電子装置100の製造方法において、次のような点を特徴とする製造方法が提供される。
すなわち、本実施形態の製造方法では、モールド樹脂40の封止工程では、金型200の上型220によって吊りリード32のみを押さえることにより、ヒートシンク10の下面を金型200の下型210に押しつけた状態で、金型200のキャビティ230内へモールド樹脂40を注入することを特徴としている。
このような特徴点を有する本実施形態の製造方法によれば、モールド樹脂40の封止工程において、金型200の上型220によって吊りリード32のみを押さえることにより、ヒートシンク10の下面を金型200の下型210に押しつけるようにしているため、ヒートシンク10の上面すなわち電子素子20の搭載面には、上記したようなデッドスペースが生じない。
また、本実施形態の製造方法によれば、樹脂封止を行うワークを金型200内に固定するために、上記したような吸引装置などの特別な装置が不要であるため、コストアップはほとんど生じることはない。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、ヒートシンク10の下面をモールド樹脂40から適切に露出させつつ、ヒートシンク10の上面におけるデッドスペースを小さくすることができる。
その結果、本実施形態によれば、ヒートシンク10の素子搭載面の面積を大きくすることなく、従来よりも多くの電子素子20を搭載することができる。つまり、本実施形態によれば、装置を大型化することなく、より高密度な実装が可能となり、コストダウンなどに寄与する。
たとえば、従来では、図3(b)に示されるように、4個の電子素子20がヒートシンク10に搭載されているが、本実施形態では、図2(b)に示されるように、上記デッドスペースが無くなった分、ヒートシンク10のサイズは変わらなくても素子搭載面積が増加し、7個の電子素子20が搭載可能となっている。
また、本実施形態の製造方法では、吊りリード32のみを押さえるようにしているため、ヒートシンク10とリードフレーム30との位置ずれなどが生じる恐れは無くなることも利点である。
ここで、上述したように、本実施形態の製造方法においては、上型220により吊りリード32を押さえる部分は、上型220の一部が下型210よりもキャビティ230内へ突出した突出部221として構成されているものとしている。
そして、この突出部221の突出寸法d(図2(a)参照)を吊りリード32の板厚(たとえば0.数mm程度)と同程度以上1mm程度以内と小さくすることにより、上記図1(a)に示される引っ込み部41の引っ込み寸法dも同程度に小さいものになる。
そのため、できあがった電子装置100において、モールド樹脂40の外形が従来と比べて大きく変わることなく、モールド樹脂40による防水性や、モールド樹脂40による位置決めの機能を損なうことがないという利点もある。
また、上述したように、本実施形態の製造方法においては、ヒートシンク10と吊りリード32との接合は、かしめにより行われているものにできるが、それ以外にも、溶接、はんだ付けなどを採用してもよい。さらには、ヒートシンク10がリードフレーム30と一体に成形されているものであってもよい。
また、本実施形態によれば、ヒートシンク10と、ヒートシンク10の上面に搭載された電子素子20と、電子素子20の周囲に設けられたリードフレーム30と、ヒートシンク10と接合されたリードフレーム30の吊りリード32と、ヒートシンク10の下面が露出するように、ヒートシンク10、電子素子20およびリードフレーム30を封止するモールド樹脂40とを備える電子装置100において、モールド樹脂40の端部のうち吊りリード32の周囲に位置する部位では、吊りリード32の直上に位置する部分が、吊りリード32の直下に位置する部分よりも引っ込んでいることを特徴とする電子装置100が提供される。
本実施形態の電子装置100は、上記したように本実施形態の製造方法によって適切に製造されうるものであり、その効果は、上述したとおりである。
つまり、本電子装置100によっても、ヒートシンク10の下面をモールド樹脂40から適切に露出させつつ、ヒートシンク10の上面におけるデッドスペースを小さくすることができる。
(他の実施形態)
なお、ヒートシンク10としては、上記した各図に示した形状に限定されるものではない。たとえば、ヒートシンク10の形状は、上記図1では平面が略十字形状をなしているが、矩形状をなすものであってもよい。
また、ヒートシンク10と吊りリード32との接合部11の位置や数も適宜設計変更が可能である。たとえば、上記図1では、ヒートシンク10の対向する両端部に1個ずつ合計2個の接合部11を設け、押さえ部221も2点設けたが、当該端部に2個ずつ合計4個の接合部を設け、押さえ部も4点設けてもよい。
また、接合部11の位置についても、ヒートシンク10の各辺にそれぞれ設けてもよい。それにより、接合部および押さえ部の数も6点、8点、…、と任意の数とすることができる。また、例えば接合部は4点あるが押さえ部は2点と、必ずしも接合部と押さえ部の数が等しくなくてもよい。
また、上記実施形態では、本発明の電子装置を、パワーウィンドウの駆動モータを駆動するHICに適用したものとして主として説明したが、本発明の電子装置の用途は、これに限定されるものではないことはもちろんである。
以上、述べてきたように、本発明は、ヒートシンクの上面に電子素子を搭載し、電子素子の周囲にリードフレームを設け、ヒートシンクとリードフレームの吊りリードとを接合した後、ヒートシンクの下面が露出するように金型を用いてモールド樹脂の封止を行うようにした電子装置の製造方法において、モールド樹脂の封止工程では、金型の上型によって吊りリードのみを押さえることにより、ヒートシンクの下面を金型の下型に押しつけるようにした製造方法、および、それにより製造される電子装置を主要部とするものであり、これら製造方法および電子装置におけるその他の部分については適宜設計変更が可能である。
本発明の実施形態に係る電子装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略断面図、(b)は(a)の上面図である。 上記実施形態に係る電子装置の製造方法におけるモールド樹脂の封止工程を説明するための図であり、(a)は概略断面図、(b)は(a)の上面図である。 従来の電子装置の製造方法におけるモールド樹脂の封止工程を説明するための図であり、(a)は概略断面図、(b)は(a)の上面図である。
符号の説明
10…ヒートシンク、11…ヒートシンクと吊りリードとの接合部、
20…電子素子、30…リードフレーム、31…リードフレームのリード部、
32…リードフレームの吊りリード、40…モールド樹脂、41…引っ込み部、
200…金型、210…金型の下型、220…金型の上型、
221…押さえ部としての突出部、230…金型のキャビティ。

Claims (2)

  1. ヒートシンク(10)の上面に電子素子(20)を搭載し、
    前記電子素子(20)の周囲にリードフレーム(30)を設けるとともに前記ヒートシンク(10)と前記リードフレーム(30)の吊りリード(32)とを接合した後、
    前記ヒートシンク(10)の下面が露出するように、前記ヒートシンク(10)、前記電子素子(20)および前記リードフレーム(30)を金型(200)を用いてモールド樹脂(40)によって封止するようにした電子装置の製造方法において、
    前記上型(220)により前記吊りリード(32)を押さえる部分は、前記上型(220)の一部が前記下型(210)よりも前記キャビティ(230)内へ突出した突出部(221)として構成されており、
    前記モールド樹脂(40)の封止工程では、前記金型(200)の上型(220)の前記突出部(221)によって前記吊りリード(32)のみを押さえることにより、前記ヒートシンク(10)の下面を前記金型(200)の下型(210)に押しつけた状態で、前記金型(200)のキャビティ(230)内へ前記モールド樹脂(40)を注入することを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 前記ヒートシンク(10)と前記吊りリード(32)との接合は、かしめにより行われていることを特徴とする請求項に記載の電子装置の製造方法。
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