JP2012172321A - 窓用遮熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮熱効果を大幅に高め、年間を通じて十分な省エネ効果を得ることが可能な窓用遮熱装置を提供する。
【解決手段】窓用遮熱装置1は、引違い窓50の室内側に配設され、内側サッシ部51と同等の大きさであり表面に熱線反射フィルム9が張られた内側遮熱パネル2と、外側サッシ部と同等の大きさであり表面に熱線反射フィルム9が張られた外側遮熱パネル3と、これらの遮熱パネル2,3と内側サッシ部51及び外側サッシ部との間に空気層5を形成するとともに、内側遮熱パネル2及び外側遮熱パネル3を引違い可能に支持するパネル枠4とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】窓用遮熱装置1は、引違い窓50の室内側に配設され、内側サッシ部51と同等の大きさであり表面に熱線反射フィルム9が張られた内側遮熱パネル2と、外側サッシ部と同等の大きさであり表面に熱線反射フィルム9が張られた外側遮熱パネル3と、これらの遮熱パネル2,3と内側サッシ部51及び外側サッシ部との間に空気層5を形成するとともに、内側遮熱パネル2及び外側遮熱パネル3を引違い可能に支持するパネル枠4とを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、窓用遮熱装置に関するものであり、特に、引違い窓の室内側に配設され、遮熱効果を高めた窓用遮熱装置に関するものである。
建物の窓ガラスに熱線反射フィルムを貼着することにより、窓ガラスを通して室内に流入する熱量を少なくする方法が知られている。この熱線反射フィルムは、遮熱フィルムとも呼ばれ、例えばポリエステルフィルムに金属層を蒸着したり着色したりすることによって、可視光線や赤外線を反射させ太陽熱を遮蔽するものである。この熱線反射フィルムを用いることにより、夏期においては太陽光による室温の上昇を抑制することが可能である。また、熱線反射フィルムは赤外線も反射することから、冬期においては暖房効果をある程度高めることが可能である。
しかし、上記のように熱線反射フィルムを建物の窓ガラスに直接貼着したものでは、以下に示す不具合を有していた。
すなわち、熱線反射フィルムを窓ガラスに貼着するだけでは熱伝導率を下げることができないため、冬期においては、室内で温められた空気の熱が窓ガラスを通って室外に放熱されやすく、十分な暖房効果を得ることが難しかった。
また、例えば冬期の日中、暖房機の使用を減らすために、多くの太陽光を室内に取入れようとしても、窓ガラスには熱線反射フィルムが貼着されているため、十分な熱量を流入させることができず、ひいては省エネ効果が半減してしまう可能性があった。なお、窓を開放すれば流入する太陽光を多くすることができるが、これによれば冷気が入り込み、室温を低下させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、遮熱効果を大幅に高め、年間を通じて十分な省エネ効果を得ることが可能な窓用遮熱装置を提供することを課題とするものである。
本発明の窓用遮熱装置は、
「ガラス板、及び該ガラス板を固定する框からなる一対のサッシ部と、
該一対のサッシ部を引違い可能に支持するサッシ枠と
からなる引違い窓の室内側に配設され、
前記サッシ部と同等の大きさであり、表面に熱線反射フィルムが張られた一対の遮熱パネルと、
該一対の遮熱パネルと前記一対のサッシ部との間に空気層を形成するとともに、前記一対の遮熱パネルを引違い可能に支持するパネル枠と
を具備する」
ことを特徴とするものである。
「ガラス板、及び該ガラス板を固定する框からなる一対のサッシ部と、
該一対のサッシ部を引違い可能に支持するサッシ枠と
からなる引違い窓の室内側に配設され、
前記サッシ部と同等の大きさであり、表面に熱線反射フィルムが張られた一対の遮熱パネルと、
該一対の遮熱パネルと前記一対のサッシ部との間に空気層を形成するとともに、前記一対の遮熱パネルを引違い可能に支持するパネル枠と
を具備する」
ことを特徴とするものである。
ここで、「引違い窓」は従来周知の一般的なものを用いることが可能であり、建物の躯体に固定された既設の引違い窓をそのまま利用することも可能である。
また、「遮熱パネル」において、「サッシ部と同等の大きさ」とは、サッシ部と比較して縦及び横の長さが略等しいことを意味しており、同じ作用を生ずる範囲で多少大きさの異なるものも含まれる。また、遮熱パネルの厚みについては、特に限定されるものではないが、ガラス板よりも薄い方が好ましい。「遮熱パネル」は、熱線反射フィルムと、その熱線反射フィルムを貼着または張設するための板状または枠状のベース部材とで構成することができる。
また、「パネル枠」は、遮熱パネルの側面を受ける縦枠、遮熱パネルの上端部分を摺動可能に支持する上枠、及び遮熱パネルの下端部分を摺動可能に支持する下枠から構成することができる。なお、下枠には、摺動方向を案内するレールを備えることが好ましい。
本発明の窓用遮熱装置によれば、引違い窓の室内側に配設され、少なくとも一対の遮熱パネルと、それらの遮熱パネルを引違い可能に支持するパネル枠とを備えて構成されている。遮熱パネルは、ガラス窓を有するサッシ部と同等の大きさであり、表面に熱線反射フィルムが張られている。このため、例えば夏季においては、ガラス窓を通して流入した可視光線や赤外線を反射させ太陽熱を遮蔽すること、すなわち太陽光による室温の上昇を抑制することが可能になる。
また、遮熱パネルとサッシ部との間には、空気層が形成されているため、冬期においては、室内からの赤外線を熱線反射フィルムによって反射することに加え、空気層によって断熱効果を大幅に高め、室内で温められた空気の熱が窓ガラスを通って外部に放熱されることを抑制できる。したがって、冬期においても十分な省エネ効果を得ることが可能になる。
また、空気層を形成することにより、冬期においては、室内側の遮熱パネルの温度を、サッシ部のガラス板の温度よりも高くすることができ、防露効果を高めることが可能になる。
さらに、遮熱パネルは引違い窓と同じように引違い可能に支持され、且つサッシ部と同等の大きさであるため、極めて容易に開閉することができるとともに、引違い窓との組合わせで様々な使用形態を採ることが可能となる。例えば、冬期の日中、多くの太陽光を室内に取入れたい場合には、引違い窓を閉じたまま遮熱パネルを開放することにより可能になる。また、夏季の日中、室内の空気を換気したい場合には、引違い窓のサッシ部をある程度開くとともに、遮熱パネルをサッシ部の開き度合に合わせて開放することにより、換気を行いながらも窓ガラスを通して流入した太陽光を遮蔽することができ、ひいては室温の上昇を最小限に抑えることが可能になる。
ところで、本発明にかかる窓用遮熱装置において、
「前記遮熱パネルは、透明なプラスチック板を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記プラスチック板の室内側面または室外側面の少なくともいずれか一方に貼着されている」
構成とすることができる。
「前記遮熱パネルは、透明なプラスチック板を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記プラスチック板の室内側面または室外側面の少なくともいずれか一方に貼着されている」
構成とすることができる。
ここで、「室内側面」とは室内側の面であり、「室外側面」とは室外側(サッシ部側)の面である。
本発明の窓用遮熱装置によれば、遮熱パネルは、透明なプラスチック板をベース部材とし、その表面(室内側面または室外側面)に熱線反射フィルムが貼着されているため、遮熱パネル全体が軽量となり、換気時など、遮熱パネルを開閉させる際の操作性をよくするとともに、パネル枠の取付構造を簡素化することができる。また、遮熱パネルの厚みを薄くすることができるため、窓用遮熱装置を限られたスペースに設置する場合であっても、遮熱パネルとサッシ部との間の空気層を比較的広くすることが可能になる。
また、本発明にかかる窓用遮熱装置において、
「前記遮熱パネルは、四角枠状の框部材を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記框部材の室内側面または室外側面の少なくともいずれか一方に張設され、前記框部材の開口部を閉鎖している」
構成とすることができる。
「前記遮熱パネルは、四角枠状の框部材を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記框部材の室内側面または室外側面の少なくともいずれか一方に張設され、前記框部材の開口部を閉鎖している」
構成とすることができる。
ここで、「框部材」の材質は特に限定させるものではないが、合成樹脂製またはアルミニウム製とすることにより、一層軽量化したものとすることができる。また、風などによる熱線反射フィルムの煽りを抑制するために、熱線反射フィルムと框部材との間に金網等の網状部材、またはプラスチックの薄板を設けるようにしてもよい。
本発明の窓用遮熱装置によれば、遮熱パネルは、四角枠状の框部材をベース部材とし、その室内側面または室外側面に熱線反射フィルムが張設されている。つまり、熱線反射フイルムを支持する框部材は、枠のみであり内部は空隙(開口部)となっている。このため、遮熱パネル全体を軽量化することができ、換気時など、遮熱パネルを開閉させる際の操作性をさらによくすることができる。また、ベース部材である框部材の表面積が、板状のものと比べて少なくなるため、遮熱パネルの表面温度が太陽光によって高められても、遮熱パネルから室内へ再放射される熱量を少なくすることができる。
さらに、本発明にかかる窓用遮熱装置において、
「前記遮熱パネルは、前記パネル枠に対して、室内側面及び室外側面を互いに反転させることが可能な四角枠状の框部材を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記框部材の室内側面に張設され、
前記框部材の室外側面には、熱線反射機能を有しない透明フィルムが張設され、
前記熱線反射フィルム及び前記透明フィルムにより前記框部材の開口部に密閉された空気層が形成されている」
構成としてもよい。
「前記遮熱パネルは、前記パネル枠に対して、室内側面及び室外側面を互いに反転させることが可能な四角枠状の框部材を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記框部材の室内側面に張設され、
前記框部材の室外側面には、熱線反射機能を有しない透明フィルムが張設され、
前記熱線反射フィルム及び前記透明フィルムにより前記框部材の開口部に密閉された空気層が形成されている」
構成としてもよい。
本発明の窓用遮熱装置によれば、熱線反射フィルム及び透明フィルムの間に空気層が形成されるため、サッシ部及び遮熱パネル間の空気層と合わせて空気層も二層となる。したがって、断熱効果がさらに高められ、冬期において室内側から室外への放熱を大幅に低減することができる。
また、遮熱パネルは、四角枠状の框部材をベース部材とし、パネル枠に対して、室内側面と室外側面とが逆になるようにひっくり返すことが可能となっている。また、框部材の室内側面(ひっくり返した場合は室外側面となる)には、熱線反射フィルムが張設され、框部材の室外側面(ひっくり返した場合は室内側面となる)には、熱線反射機能を有しない透明フィルムが張設されている。
このため、夏季においては、熱線反射フィルムを張設した面が室外側を向き、透明フィルムを張設した面が室内側を向くように遮熱パネルを取付けることにより、框部材の開口部内の空気層への太陽光の流入を抑制し、その空気層の温度上昇を抑制することができる。一方、冬期においては、熱線反射フィルムを張設した面が室内側を向き、透明フィルムを張設した面が室外側を向くように遮熱パネルを取付けることにより、室内の赤外線を効率よく反射するとともに、框部材の開口部内の空気層に太陽光を積極的に流入させ、その空気層の温度を上昇させること、すなわち室内から空気層への放熱を大幅に減らすことが可能になる。
このように、本発明によれば、遮熱パネル及び空気層によって遮熱効果を大幅に高め、年間を通じて十分な省エネ効果を得ることができる。また、室内に流入する熱量、及び室内から放出される熱量を容易に調節することができ、快適な環境を維持することが可能となる。
以下、本発明の第一実施形態である窓用遮熱装置1について説明する。なお、本実施形態では、室内側を「内側」とし、室外側を「外側」とする。図1に示すように、窓用遮熱装置1は、引違い窓50の室内側に配設されており、遮熱効果を有する板状の内側遮熱パネル2及び外側遮熱パネル3(以下、まとめて「遮熱パネル2,3」と称す)と、これらの遮熱パネル2,3を互いに引違い可能に支持するパネル枠4とを備えて構成されている。
なお、引違い窓50は、建物の躯体(図示しない)に固定された既設のものであり、内側サッシ部51及び外側サッシ部(図示しない)と、内側サッシ部51及び外側サッシ部を引違い可能に支持するサッシ枠57とを備えて構成されている。ここで、内側サッシ部51及び外側サッシ部は、ガラス板52と、パッキン56を介してガラス板52を固定する框53とからなる。また、サッシ枠57は、上枠58、下枠59、及び縦枠(図示しない)からなり、枠状に形成されるとともに、下枠59にはフィン等により形成された複数のレール61が設けられている。
本例の窓用遮熱装置1について詳しく説明する。内側遮熱パネル2は、引違い窓50における内側サッシ部51に対向して配置され、縦及び横の長さは、内側サッシ部51の縦及び横の長さと略同一となっている。内側遮熱パネル2は、透明のプラスチック板からなるベース板7と、ベース板7の下端に設けられベース板7を固定する下側框部8と、ベース板7の表面(本例では室内側の面)全体に貼着された熱線反射フィルム9とから構成されている。なお、図1では、構成を理解しやすいように、熱線反射フィルム9の一部を捲った状態を示している。ベース板7は、正面視形状が長方形であり、その大きさ(縦及び横の長さ)はガラス板52と等しいが、厚みはガラス板52よりも薄く約2mmである。下側框部8は、アルミニウム合金で成形された断面H形の部材であり、上側の溝にベース板7が嵌込まれている。熱線反射フィルム9は、ポリエステルフィルムに金属層を蒸着して構成されたものであり、透明感をある程度維持しつつ、金属層によって可視光線や赤外線を反射させることが可能である。なお、この熱線反射フィルム9としては市販されている周知のフィルムを用いることができる。ここで、ベース板7が本発明のプラスチック板に相当する。
また、外側遮熱パネル3は、引違い窓50における外側サッシ部(図示しない)に対向するとともに、内側遮熱パネル2よりも室外側に配置されている。なお、外側遮熱パネル3の構造は、内側遮熱パネル2と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
パネル枠4は、遮熱パネル2,3の側面を受ける一対の縦枠11と、一対の縦枠11の上端間に横設され遮熱パネル2,3の上端部分を摺動可能に支持する上枠12と、一対の縦枠11の下端間に横設され遮熱パネル2,3の下端部分を摺動可能に支持する下枠13とを備えて構成され、四角形の枠状に形成されている。なお、上枠12の下面には、遮熱パネル2,3の上端部分を挟持し、左右方向に摺動可能に支持する上側レール部材14が設けられ、下枠13の上面には、下側框部8の下側溝部分に挿入し、遮熱パネル2,3を左右方向に摺動可能に支持する下側レール部材15が設けられている。
次に、窓用遮熱装置1の作用、及び具体的な使用形態について説明する。遮熱パネル2,3は、夫々内側サッシ部51及び外側サッシ部と略同等の大きさであり、表面に熱線反射フィルム9が張られているため、例えば夏季においては、ガラス板52を通して流入した可視光線や赤外線を反射させ太陽熱を遮蔽する。
また、遮熱パネル2,3と、内側サッシ部51及び外側サッシ部との間には、空気層5が形成されているため、冬期においては、室内からの赤外線を熱線反射フィルム9によって反射するとともに、空気層5によって断熱効果が大幅に高められ、室内で温められた空気の熱が引違い窓50を通って室外に放熱されることを抑制する。
さらに、内側遮熱パネル2及び外側遮熱パネル3は、引違い可能に支持され、且つ内側サッシ部51及び外側サッシ部と略同等の大きさであるため、極めて容易に開閉させることができるとともに、様々な使用形態を採ることが可能となる。例えば、冬期の日中、多くの太陽光を室内に取入れたい場合には、図2(a)に示すように、内側サッシ部51を閉じたまま内側遮熱パネル2を開放する(すなわち外側遮熱パネル3に重ねる)ことにより、内側サッシ部51のガラス板52から直射日光を取込むことが可能になる。一方、夏季の日中、室内の空気を換気したい場合には、図2(b)に示すように、引違い窓50(図2(a)参照)の内側サッシ部51をある程度開いて隙間Sを確保するとともに、内側遮熱パネル2を内側サッシ部51の開き度合に合わせて開放することにより、換気を行いながらもガラス板52を通して流入した太陽光(すなわち隙間S以外から流入する太陽光)を遮蔽することが可能になる。
このように、第一実施形態の窓用遮熱装置1によれば、夏季においては、太陽光による室温の上昇を抑制することができ、また、換気を行なう場合でも室温の上昇を最小限に抑えることができる。一方、冬期においては、空気層5の断熱効果により暖房効果を高めることができ、しかも必要に応じて太陽光を室内に取入れることもできる。したがって、年間を通じて十分な省エネ効果を得ることが可能となる。
また、第一実施形態の窓用遮熱装置1によれば、空気層5を形成することにより、冬期においては、遮熱パネル2,3の温度を、ガラス板52の温度よりも高くすることができ、防露効果を高めることが可能になる。
また、第一実施形態の窓用遮熱装置1によれば、遮熱パネル2,3は、ベース板7として、透明で厚みの薄いプラスチック板を用いているため、全体が軽量となり、換気時など、遮熱パネル2,3を開閉させる際の操作性をよくするとともに、パネル枠4の構成及び取付方法を簡単なものとすることができる。また、厚みが薄いため、窓用遮熱装置1を限られたスペースに設置する場合であっても、空気層5の幅を比較的広くすることができる。
続いて、本発明の第二実施形態である窓用遮熱装置20について説明する。図3に示すように、窓用遮熱装置20は、前述した第一実施形態の窓用遮熱装置1(図1参照)における遮熱パネル2,3のさらに室内側に、引違い可能に支持された内側仕切りパネル21及び外側仕切りパネル22(以下、まとめて「仕切りパネル21,22」と称す)を配設し、遮熱パネル2,3と仕切りパネル21,22との間に第二の空気層24を形成したものである。詳しく説明すると、仕切りパネル21,22は、夫々遮熱パネル2,3と同等の大きさであり、透明なプラスチック板からなるベース板26と、ベース板26の下端部分を固定するアルミニウム合金製の下側框部27とから構成されている。つまり、仕切りパネル21,22は、遮熱パネル2,3から熱線反射フィルム9を除いたものと同じ構成である。
なお、遮熱パネル2,3と、仕切りパネル21,22とを、夫々引違い可能に支持するパネル枠23は、第一実施形態におけるパネル枠4よりも内外方向の幅が広くなっており、上枠29の下面及び下枠30の上面には、仕切りパネル21,22を左右方向に摺動可能に支持する内側案内部31a,32aと、遮熱パネル2,3を左右方向に摺動可能に支持する外側案内部31b,32bとが夫々一体に形成された、上側レール部材31及び下側レール部材32が設けられている。また、遮熱パネル2,3と、仕切りパネル21,22とは、上側レール部材31及び下側レール部材32に対して着脱可能に支持されている。具体的には、遮熱パネル2,3及び仕切りパネル21,22の上端と、それが差込まれる内側案内部31a及び外側案内部31bの溝部上端との間には、隙間Lが形成されており、隙間Lがなくなるように遮熱パネル2,3または仕切りパネル21,22を持上げ、下部側を室内側に引くように傾斜させることにより、下側框部8,27を下側レール部材32から逸脱させることが可能になっている。ここで、外側案内部31b,32bが本発明のパネル枠に相当する。
次に、窓用遮熱装置20の作用、及び具体的な使用形態について説明する。遮熱パネル2,3と仕切りパネル21,22との間に第二の空気層24が形成されているため、空気層5及び第二の空気層24によって二層の空気層が形成され、断熱効果がさらに高められる。
また、上側レール部材31の内側案内部31aと外側案内部31b、及び下側レール部材32の内側案内部32aと外側案内部32bは、夫々同一の形状となっており、しかも遮熱パネル2,3及び仕切りパネル21,22の下側框部8,27は、内外(室内から見て前後)対称の形状となっている。つまり、遮熱パネル2,3においては、熱線反射フィルム9が貼着された面を、室内側に向けることも室外側に向けることも可能であり、さらに遮熱パネル2,3と、仕切りパネル21,22の配列順序を変えることも可能になっている。このため、図4(a)に示すように、夏季においては、熱線反射フィルム9が張られた遮熱パネル2,3を、仕切りパネル21,22よりも室外側に配置し、且つ熱線反射フィルム9が貼着された面が室外側となるように装着すれば、ベース板7及び第二の空気層24への太陽光N1の流入を抑え、第二の空気層24の温度上昇を抑制することが可能になる。一方、冬期においては、図4(b)に示すように、遮熱パネル2,3を仕切りパネル21,22よりも室内側に配置するとともに、遮熱パネル2,3においては熱線反射フィルム9が貼着された面を室内側となるように装着すれば、室内の赤外線N2の反射効果を高めるとともに、第二の空気層24に太陽光N1を積極的に流入させ、第二の空気層24の温度を上昇させること、すなわち室内から第二の空気層24への放熱を大幅に減らすことが可能になる。
このように第二実施形態の窓用遮熱装置20によれば、二重の空気層5,24によって断熱効果を大幅に高めることができる。また、季節や室温に応じて、遮熱パネル2,3と仕切りパネル21,22との配置を変えたり、熱線反射フィルム9の向きを変えたりすることにより、第二の空気層24に流入する熱量を変化させることができ、ひいては省エネ効果をさらに高めることができる。
続いて、他の例の遮熱パネル40について説明する。この遮熱パネル40は、第一実施形態及び第二実施形態の遮熱パネル2,3に置き換わるものであり、図5に示すように、枠状の框部材41と、框部材41の内面側及び外面側に夫々に張設され、框部材41の開口部42を閉鎖する熱線反射フィルム45及び透明フィルム46(熱線反射機能を有しないフィルム)と、框部材41の内面及び外面と熱線反射フィルム45及び透明フィルム46と間に夫々配設され、風などによる熱線反射フィルム45及び透明フィルム46の煽りを抑制する一対の金網41aと、を備えて構成されている。
詳しく説明すると、遮熱パネル40の框部材41は、アルミニウム合金または合成樹脂で成形された四角枠状の部材であり、内部には内外方向(前後方向)に貫通する大きな開口部42が形成されている。また、框部材41における室内側及び室外側の面、詳しくは金網41aの周囲に位置する面には、夫々溝部43が環状に形成され、ゴム製のパッキン44を圧入させることが可能になっている。熱線反射フィルム45及び透明フィルム46は、溝部43で囲まれた部分よりも大きめに形成され、縁部分を溝部43に沿わせた後、パッキン44を圧入することで、開口部42を閉鎖し、且つ金網41aに接した状態で張設されている。特に、熱線反射フィルム45及び透明フィルム46は、框部材41の内面及び外面に夫々張設されているため、開口部42内において框部材41の厚みに相当する部分が密閉された空気層47となっている。
この遮熱パネル40によれば、内部に空隙(空気層47)が形成されているため、遮熱パネル40全体を軽量化することができ、換気時など、遮熱パネルを開閉させる際の操作性をさらによくすることができる。また、ベース部材である框部材41の表面積が、板状のものと比べて少なくなるため、遮熱パネル40の表面温度が太陽光によって高められても、遮熱パネル40から室内へ再放射される熱量を少なくすることができる。
また、遮熱パネル40の間にも空気層47が形成されるため、空気層の数がさらに増え、室内側から室外への放熱を大幅に低減することが可能になる。
さらに、この框部材41は、室内側の面及び室外側の面が互いに反転するようにひっくり返すことが可能な形状となっている。これによれば、第二実施形態と同じように、夏季は熱線反射フィルム45が室外側を向くように遮熱パネル40を取付けることで、太陽光を効率よく反射するとともに、空気層47の温度上昇を抑え、一方、冬期は熱線反射フィルム45が室内側を向くように遮熱パネル40を取付けることで、室内の赤外線を効率よく反射するとともに、空気層47に太陽光を積極的に流入させ室内の熱が室外に放熱されることを抑制することが可能になる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記第一実施形態では、熱線反射フィルム9をベース板7の室内側の面に貼着するものを示したが、ベース板7の室外側の面に貼着するようにしてもよい。また、ベース板7の下部に下側框部8を備えるものを示したが、下側框部8を備えることなくベース板7の下縁を下側レール部材15で直接支持するようにしてもよい。また、パネル枠4として、建物の躯体に設けられた既設の窓枠を利用してよく、この場合には、その窓枠に上側レール部材14及び下側レール部材15を取付けることにより、遮熱パネル2,3を摺動可能に支持することができる。
また、図5に示す遮熱パネル40では、金網41aを備えることで、熱線反射フィルム45及び透明フィルム46の煽りを抑制するものを示したが、図6に示すように、金網41aに代えてプラスチック製(例えばポリカーボネート製)の薄板49を備えるようにしてもよい。また風などによる影響を受けにくい硬質の熱線反射フィルムまたは透明フィルムを用いた場合は、金網41aや薄板49を省略することも可能である。
1,20 窓用遮熱装置
2 内側遮熱パネル(遮熱パネル)
3 外側遮熱パネル(遮熱パネル)
4,23 パネル枠
5 空気層
7,26 ベース板(プラスチック板)
9 熱線反射フィルム
31b 外側案内部(パネル枠)
32b 外側案内部(パネル枠)
40 遮熱パネル
41 框部材
42 開口部
45 熱線反射フィルム
46 透明フィルム
47 空気層
50 引違い窓
51 内側サッシ部(サッシ部)
52 ガラス板
53 框
57 サッシ枠
2 内側遮熱パネル(遮熱パネル)
3 外側遮熱パネル(遮熱パネル)
4,23 パネル枠
5 空気層
7,26 ベース板(プラスチック板)
9 熱線反射フィルム
31b 外側案内部(パネル枠)
32b 外側案内部(パネル枠)
40 遮熱パネル
41 框部材
42 開口部
45 熱線反射フィルム
46 透明フィルム
47 空気層
50 引違い窓
51 内側サッシ部(サッシ部)
52 ガラス板
53 框
57 サッシ枠
Claims (4)
- ガラス板、及び該ガラス板を固定する框からなる一対のサッシ部と、
該一対のサッシ部を引違い可能に支持するサッシ枠と
からなる引違い窓の室内側に配設され、
前記サッシ部と同等の大きさであり、表面に熱線反射フィルムが張られた一対の遮熱パネルと、
該一対の遮熱パネルと前記一対のサッシ部との間に空気層を形成するとともに、前記一対の遮熱パネルを引違い可能に支持するパネル枠と
を具備する
ことを特徴とする窓用遮熱装置。 - 前記遮熱パネルは、透明なプラスチック板を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記プラスチック板の室内側面または室外側面の少なくともいずれか一方に貼着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の窓用遮熱装置。 - 前記遮熱パネルは、四角枠状の框部材を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記框部材の室内側面または室外側面の少なくともいずれか一方に張設され、前記框部材の開口部を閉鎖している
ことを特徴とする請求項1に記載の窓用遮熱装置。 - 前記遮熱パネルは、前記パネル枠に対して、室内側面及び室外側面を互いに反転させることが可能な四角枠状の框部材を備え、
前記熱線反射フィルムは、前記框部材の室内側面に張設され、
前記框部材の室外側面には、熱線反射機能を有しない透明フィルムが張設され、
前記熱線反射フィルム及び前記透明フィルムにより前記框部材の開口部に密閉された空気層が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の窓用遮熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011032763A JP2012172321A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 窓用遮熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011032763A JP2012172321A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 窓用遮熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012172321A true JP2012172321A (ja) | 2012-09-10 |
Family
ID=46975503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011032763A Withdrawn JP2012172321A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 窓用遮熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012172321A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020133322A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 京セラ株式会社 | 太陽電池装置および太陽電池システム |
-
2011
- 2011-02-18 JP JP2011032763A patent/JP2012172321A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020133322A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 京セラ株式会社 | 太陽電池装置および太陽電池システム |
JP7233956B2 (ja) | 2019-02-22 | 2023-03-07 | 京セラ株式会社 | 太陽電池装置および太陽電池システム |
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Legal Events
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