JP2012172141A - ゴム組成物、それを用いたベルト用コーティングゴム及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】スチールコードなどの金属補強材との初期接着性及び耐熱接着性を損なうことなく、長時間の使用後でもその接着力の低下をほとんど生じない接着耐久性を有し、耐老化性に優れるゴム組成物を提供すると共に、該ゴム組成物を用いてなるベルト用コーティングゴム及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、平均長さ0.5〜30μm及び平均直径0.04〜0.4μmである気相成長炭素繊維とを含み、かつゴム製品の金属補強材を被覆するコーティングゴムに用いられるゴム組成物、該ゴム組成物を用いてなるベルト用コーティングゴム、及び一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した2枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該ベルトがコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む空気入りタイヤであって、前記スチールコードを被覆するコーティングゴムに、前記ゴム組成物を用いてなるものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、それを用いたベルト用コーティングゴム及び空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、ゴム製品の金属補強材、特に空気入りタイヤにおけるスチールコードとの接着耐久性(耐熱、耐湿熱接着性など)に優れるゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いてなるベルト用コーティングゴム及び空気入りタイヤに関するものである。
近年、自動車の足廻りを支える空気入りタイヤに限らず、ベルト、ホース等のゴム製品にはスチール製の金属補強材が必要に応じて使用されている。このようなゴム製品にあっては、その補強材とゴム組成物との接着性が問題にされることがしばしばある。
一方、近年、自動車用タイヤに要求される性能は益々厳しくなってきており、タイヤの耐久性の更なる改良が望まれている。このため、空気入りタイヤにあっては、スチールコードとコードを被覆するゴム組成物との接着性を確保することが重要となっている。
空気入りタイヤにおいては、コーティングゴムで被覆したスチールコードの層を含むベルトを用いた場合、スチールコードを被覆するコーティングゴムが、タイヤの耐久性に関与する重要なゴムとなり、ここで、該コーティングゴムに求められる性能としては、スチールコードとの耐久接着性(耐熱、耐湿熱接着性など)が挙げられる。
このような要求性能を満たすゴム組成物としては、従来、硫黄や有機コバルト塩を配合してなる接着ゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この接着ゴム組成物は、初期接着性に優れるが、接着耐久性や耐老化性については、必ずしも充分であるとは云えなかった。
またレゾルシン、又はレゾルシンとホルムアルデヒドとを縮合して得られるレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂(RF樹脂)を配合する接着ゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。レゾルシン及びRF樹脂を配合することで、スチールコードとゴム組成物との耐湿熱接着性及び接着耐久性を向上させるとしている。しかしながら、レゾルシン、RFなどを添加することで耐湿劣化性は確保されるものの、これらの直接使用は加工時にブルームを生じ易くし、初期接着性や耐熱接着性を低下させるという問題が生じる。
一方、ゴム材料を基材とし、充填材として平均アスペクト比が10未満である気相成長炭素繊維を配合してなるゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、このゴム組成物は、その力学特性を改良し、具体的には幅広い温度領域での動的粘弾性、モジュラス、及び熱伝導率などを改良し、低ロス性を維持しつつ、80℃以上での破壊特性を改良することを目的とするものであって、スチールコードを被覆するコーティングゴムへの適用及びスチールコードとの接着耐久性については、なんら言及されていない。
特開2007−211152号公報 特開2001−234140号公報 特開2003−327753号公報
本発明は、このような状況下になされたものであり、スチールコードなどの金属補強材との初期接着性及び耐熱接着性を損なうことなく、長時間の使用、あるいは環境ストレスが加えられた後でも、その接着力の低下をほとんど生じない接着耐久性を有し、耐老化性に優れるゴム組成物を提供すると共に、該ゴム組成物を用いてなるベルト用コーティングゴム及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
空気入りタイヤにおけるベルト用コーティングゴム中に、特定の形状を有する気相成長炭素繊維を含有させることにより、放熱性が高まり、その結果、該コーティングゴムの蓄熱性が低くなって、走行時に高温に発熱することが抑えられ、接着層(ベルト用コーティングゴム層)の劣化を抑制することができ、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)ゴム成分と、平均長さ0.5〜30μm及び平均直径0.04〜0.4μmである気相成長炭素繊維とを含み、かつゴム製品の金属補強材を被覆するコーティングゴムに用いられることを特徴とするゴム組成物、
(2)気相成長炭素繊維の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜15質量部である上記(1)に記載のゴム組成物、
(3)上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とするベルト用コーティングゴム、
(4)一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した2枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該ベルトがコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む空気入りタイヤであって、前記スチールコードを被覆するコーティングゴムに、上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、
(5)ゴム組成物が、充填材として、さらにカーボンブラック及び/又はシリカを含む上記(4)に記載の空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、スチールコードなどの金属補強材との初期接着性及び耐熱接着性を損なうことなく、長時間の使用、あるいは環境ストレスが加えられた後でも、その接着力の低下をほとんど生じない接着耐久性を有し、耐老化性に優れるゴム組成物を提供すると共に、該ゴム組成物を用いてなるベルト用コーティングゴム及び空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの一例の断面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルトを構成するスチールコードの層を示す一例の断面図である。
まず、本発明のゴム組成物について説明する。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、平均長さ0.5〜30μm及び平均直径0.04〜0.4μmである気相成長炭素繊維とを含み、かつゴム製品の金属補強材を被覆するコーティングゴムに用いられることを特徴とする。
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物において用いられるゴム成分としては、従来、金属補強材のコーティングゴムに使用されているゴム弾性を示すものであればよく特に制限はないが、例えば天然ゴムの他;ビニル芳香族炭化水素/共役ジエン共重合体、合成ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの合成ゴム等の公知のゴムのいずれも用いることができる。該ゴム成分は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。金属補強材との接着特性及びゴム組成物の破壊特性の観点から、該ゴム成分は、天然ゴム及び合成ポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなるか、50質量%以上の天然ゴムを含み残部が合成ゴムであるのが好ましい。
(気相成長炭素繊維)
本発明のゴム組成物に配合される気相成長炭素繊維は、通常のカーボンファイバー(CF)(平均直径5μm〜、長さ100μm程度)の10-2〜10-1倍程度のオーダーの微細な繊維状構造体であるため、カーボンファイバーを添加する場合よりも分散性等の問題を生じにくく、かつ、同様の性能向上効果を得ることができる利点がある。本発明においては、この気相成長炭素繊維をゴム組成物の充填材として用いたことにより、少量の添加で優れた諸特性向上効果を得ることができる。
特に空気入りタイヤにおけるベルト用コーティングゴムに当該ゴム組成物を用いた場合、前記気相成長炭素繊維により放熱性が高まり、その結果該コーティングゴムの蓄熱性が低くなって、走行時に高温に発熱することが抑えられ、接着層(ベルト用コーティングゴム層)の劣化が抑制される。
本発明においては、前記気相成長炭素繊維として、平均長さが0.5〜30μm、好ましくは1.5〜25μmの範囲にあり、かつ平均直径が0.04〜0.4μm、好ましくは0.07〜0.3μmの範囲にあるものが用いられる。アスペクト比は10未満であることが好ましい。さらに比表面積は好ましくは5〜50m2/g、より好ましくは8〜30m2/gである。
このような低アスペクト比の気相成長炭素繊維の製造方法も特に限定されない。例えば通常の方法で作製した長い繊維を短く粉砕してアスペクト比を低減する方法が挙げられる。具体的には、ボールミル混合機や乳鉢を用いてメカニカルに粉砕する方法、水系あるいは有機溶媒中に分散させて超音波をかけて粉砕する方法などがあり、これらをふるいわけして平均アスペクト比10未満の気相成長炭素繊維を得ることができる。
本発明においては、前記気相成長炭素繊維として、例えば市販されている昭和電工(株)製の気相法炭素繊維「VGCF」(登録商標)を用いることができる。以下、気相成長炭素繊維を「VGCF」と略称することがある。
また、本発明における気相成長炭素繊維は酸化処理することできる。酸化処理の方法としては、硝酸、硫酸、過塩素酸又はこれらの酸の混合物で処理する化学的処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の物理的処理が例示される。
さらに、本発明における気相成長炭素繊維は上記酸化処理に加えて、カップリング剤で処理することができる。カップリング剤としては、チタネート系、アルミニウム系、シラン系のカップリング剤が例示され、該カップリング剤を溶剤に溶解し、気相成長炭素繊維に含浸する等の方法で処理することができる。
当該ゴム組成物においては、前記気相成長炭素繊維の含有量は、全ゴム成分100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲にあることが好ましい。気相成長炭素繊維の含有量が0.1質量部以上であれば放熱性の効果を発現することができ、一方15質量部以下であれば、ゴム自体の耐久性を確保することができる。より好ましい含有量は0.5〜15質量部、さらに好ましい含有量は0.5〜10質量部である。
(VGCF以外の補強用充填材)
当該ゴム組成物においては、全ゴム成分100質量部に対して、VGCF以外の補強用充填材を、10〜100質量部の割合で含有することができ、好ましくは20〜70質量部の割合で含有することができる。
VGCF以外の補強用充填材としては、シリカ及び/又はカーボンブラックを挙げることができる。
上記シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。
このシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。
カーボンブラックとしても特に制限はなく、例えばSRF、GPF、FEF、HAF、1SAF、SAFなどが用いられるが、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが特に好ましい。
シリカ及び/又はカーボンブラックは、1種用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該ゴム組成物中にカーボンブラック及び/又はシリカが適量含有されていると、VGCFのみを添加した場合に比べて、高い補強効果が得られる。
(シランカップリング剤)
当該ゴム組成物においては、VGCF以外の補強用充填材としてシリカを用いる場合、その補強性などをさらに向上させる目的で、シランカップリッグ剤を配合することができる。
このシランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−卜リエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドなどが挙げられるが、これらの中で補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好適である。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましいシランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカに対して、通常1〜20質量%の範囲で選定される。この量が1質量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、20質量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果およびゲル化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ましい配合量は、5〜15質量%の範囲である。
(ゴム組成物の調製)
当該ゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常、ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸など、さらには有機コバルト塩を含有させることができる。
また、本発明のゴム組成物は、ロールなどの開放式混練機、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機などの混練り機を用いて混練りすることによって得ることができる。
(ゴム組成物の用途)
当該ゴム組成物は、ゴム製品におけるスチールコードなどの金属補強材との初期接着性及び耐熱接着性を損なうことなく、長時間の使用、あるいは環境ストレスが加えられた後でも、その接着力の低下をほとんど生じない接着耐久性を有し、耐老化性に優れることから、前記スチールコードなどの金属補強材のコーティングゴムとして、特に空気入りタイヤにおけるベルト用コーティングゴムとして用いられる。
本発明はまた、当該ゴム組成物を用いたことを特徴とするベルト用コーティングゴムを提供すると共に、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した2枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該ベルトがコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む空気入りタイヤであって、前記スチールコードを被覆するコーティングゴムに、当該ゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤをも提供する。
次に、本発明の空気入りタイヤについて、添付図面を参照しながら説明する。
[空気入りタイヤ]
図1は、本発明の空気入りタイヤの一例の断面図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在してこれら各部1,2,3を補強するカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に位置するベルト5とを備える。
図示例のタイヤにおいて、カーカス4は、一枚のカーカスプライからなり、また、上記ビード部1内に夫々配設した一対のビードコア6間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア6の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなる。なお、図示例のカーカス4は、一枚のカーカスプライよりなるが、本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカスプライの枚数は複数であってもよい。
また、図示例のタイヤにおいては、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に二枚のベルト層からなるベルト5が配置されており、該ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなり、二枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト5を構成する。なお、図中のベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、ベルトを構成するベルト層の枚数は二枚以上であればよく、これに限られるものではない。更に、本発明の空気入りタイヤは、ベルト5のタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなるベルト補強層を備えてもよく、ベルト5の端部と該ベルト補強層の間に更に層間ゴムを備えることもできる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、ベルト5は、当該ゴム組成物を用いてなるコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む。即ち、ベルト5を構成するベルト層の少なくとも一層が、スチールコードの層であればよく、複数のベルト層がスチールコードの層であってもよい。
また、図2は、本発明の空気入りタイヤのベルトを構成するスチールコードの層を示す一例の断面図である。図示例のスチールコードの層7は、複数のスチールコード8を当該ゴム組成物を用いてなるコーティングゴム9で被覆してなる。ここで、スチールコード8はモノフィラメントからなることが好ましい。スチールコード8がモノフィラメントからなれば、スチールコードの層7を薄くすることができ、コーティングゴムの重量の低減が可能となる。その結果、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。なお、スチールコードの層7の厚さは0.8〜1.2mmの範囲が好ましい。
上記スチールコードの層7において、スチールコード8の線径は0.17〜0.35mmの範囲が好ましい。該線径が0.17mm未満では、タイヤの耐久性を十分に確保することができず、一方、0.35mmを超えると、コーティングゴムの重量の低減効果が十分に得られない。
上記スチールコードの層7において、層内で隣接するスチールコード8間の距離Dは0.7〜1.3mmの範囲であることが好ましい。ここで、距離Dは、コーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層内で隣接するスチールコード間の最短距離である。該距離Dが上記した範囲内にあれば、軽量化により転がり抵抗の低減が可能となり、タイヤの耐久性が向上する。また、距離Dが0.7mm未満では、重量が重くなり軽量化による効果が得られず、一方、1.3mmを超えると、ベルトの剛性が不足し、耐久性能、操縦安定性等が低下するおそれがある。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られたゴム組成物の加硫後の耐熱接着性及び湿熱接着性を、下記の方法で求めた。
(1)耐熱接着性
黄銅のブラス鍍金(Cu:63質量%、Zn:37質量)したスチールコード(1×5×0.25mm(素線径))を12.5mm間隔で平行に並べ、このスチールコードを上下両側から各ゴム組成物でコーティングして各サンプルを作製した。各サンプルを温度160℃、300分間の条件で加硫し、ASTM−D−2229に準拠して各サンプルからスチールコードを引き抜き、引き抜かれたスチールコード表面のうち、ゴムで被覆されている表面積の割合を目視で求め、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど、接着力が高く、良好であることを示す。
(2)湿熱接着性
供試タイヤを、100℃、95%RHに保持した恒温恒湿槽中に5週間放置した後、タイヤからベルト層を取り出し、ベルト層中のスチールコードを引張試験機により50mm/minの速度で引張り、露出したスチールコードのゴムの被覆状態を目視で観察し、その被覆率を求め、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど、接着力が高く、良好であることを示す。
実施例1〜3及び比較例1、2
バンバリーミキサーにて、各成分を混練して、第1表に示す配合処方の5種のゴム組成物を調製し、耐熱接着性を評価した。その結果を第1表に示す。
また、前記ゴム組成物でスチールコードを被覆してベルト層を形成し、図1の構造でサイズ:185/70 R14の5種のタイヤを常法により試作し、湿熱接着性を評価した。その結果を第1表に示す。
Figure 2012172141
[注]
1)カーボンブラック:HAF級カーボンブラック
2)コバルト脂肪酸塩:マノボンドC 22.5 ローディア社製
3)老化防止剤6C:N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
4)加硫促進剤DZ:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
5)VGCF:昭和電工(株)製、気相法炭素繊維「VGCF」(登録商標)、平均繊維長
10〜20μm、平均繊維径0.15μm、アスペクト比100
第1表から分かるように、実施例1〜3は、比較例1に比べて、耐熱接着性及び湿熱接着性のいずれも優れている。
本発明のゴム組成物は、ゴム製品におけるスチールコードなどの金属補強材との初期接着性及び耐熱接着性を損なうことなく、長時間の使用、あるいは環境ストレスが加えられた後でも、その接着力の低下をほとんど生じない接着耐久性を有し、耐老化性に優れることから、前記スチールコードなどの金属補強材のコーティングゴムとして、特に空気入りタイヤにおけるベルト用コーティングゴムとして好適に用いられる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ベルト
6 ビードコア
7 スチールコードの層
8 スチールコード
9 コーティングゴム
D 隣接するスチールコード間の距離

Claims (5)

  1. ゴム成分と、平均長さ0.5〜30μm及び平均直径0.04〜0.4μmである気相成長炭素繊維とを含み、かつゴム製品の金属補強材を被覆するコーティングゴムに用いられることを特徴とするゴム組成物。
  2. 気相成長炭素繊維の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜15質量部である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とするベルト用コーティングゴム。
  4. 一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設した2枚以上のベルト層からなるベルトとを備え、該ベルトがコーティングゴムで被覆したスチールコードよりなる層を含む空気入りタイヤであって、前記スチールコードを被覆するコーティングゴムに、請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. ゴム組成物が、充填材として、さらにカーボンブラック及び/又はシリカを含む請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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