JP2012170873A - 生ごみ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の微生物を用いた生ごみ処理装置においては、投入される生ごみ量などの装置の使用条件および稼働中の分解槽中の微生物の活性度が分解槽中の菌床重量や水分量の推移に影響し、さらにまた、これは分解槽の連続使用期限にも影響するため、分解槽中に含まれる水分量を適正に制御することが困難であるという問題、および分解槽の連続使用の有効期限の判定が困難という問題があった。
【解決手段】化学量論と熱流体力学の統合化モデルを用いて、分解槽中の分解経過時間に対する反応速度、熱収支、物質収支、水分収支を定量的に算定することを可能とし、これを用いて、稼働中の一定期間における分解槽中の水分量、菌床の水分率の制御を可能とし、さらにまた分解槽の連続使用期限の判定を可能とした。
【選択図】図1

Description

本発明は好気性微生物を用いて生ごみを分解処理する生ごみ処理装置に関わる。
一般家庭、学校、病院やその他各種施設などから排出される食品廃棄物、食品販売、製造、加工業や外食産業から排出される食品廃棄物など、養殖業から排出される魚介類廃棄物などの所謂生ごみの処理の方法の1つとして、好気性微生物の有機物分解作用を利用した生ごみ分解処理方法があり、これを応用した様々な生ごみ処理装置が実用化されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
所謂生ごみは、野菜類や食肉類や穀類などの食品廃棄物の集まりであり、これらはたんぱく質、脂質、炭水化物、水分、灰分などで構成された有機物から成り微生物によって分解が可能である。
従来の好気性の微生物を利用した生ごみ処理装置では、分解槽に投入された生ごみは、微生物による生ごみ分解過程で、生ごみからアミノ酸や脂肪酸などの低分子量の有機物や二酸化炭素やアンモニアや水分などの無機物質が生成される。従って、分解処理期間中の分解槽中では、微生物を定着した多孔質の菌床材、生ごみ、生ごみの分解により生成される生成物からなる水分を含む固体混合物(以降、菌床と呼称する)が形成される。従って、生ごみ分解過程における分解槽中の菌床は微生物の生育培地としての機能を果たしている。
分解槽の換気機能は、外気を取り込みこれを分解槽の気相部に給気する。また、分解槽中の空気を分解槽外に排出する。この換気機能により、分解槽中の微生物に対して酸素を供給し、また、分解過程で生成された二酸化炭素やアンモニアなどの気体成分を排出する機能を果たす。また、菌床から蒸発した水分も分解槽外に排出するので、換気機能は菌床から水分を除去する機能も果たす。
分解槽の菌床温度制御機能は、換気機能で取り込んだ外気をそのまま分解槽に送風したり、取り込んだ空気を加熱して熱風にして分解槽に送り込む。分解槽に送り込まれた空気は分解槽中の菌床と熱交換を行い菌床に対して熱を加えたり、また熱を奪ったりする。前記換気機能は分解槽中の空気の風速を制御することができる。従って、前記菌床温度制御機能は、換気機能と連動して、分解槽に送り込む風量(または風速)と給気温度を制御することにより菌床に熱を加えたり、菌床から熱を奪って菌床温度を変更することができる。同時に、菌床に与える熱速度や菌床上空の気相の気流条件は菌床からの水分の蒸発速度、即ち、分解槽から水分を除去する水分除去速度に影響するので、換気機能と連動する菌床温度制御機能は、分解槽からの水分除去速度を制御する因子としても機能する。
菌床温度測定機能は、分解槽に装着された温度センサを用いて期間中の菌床温度をリアルタイムに計測し菌床温度実測値として出力する。
菌床温度制御機能は、制御目標値として菌床温度が与えられると、菌床温度測定機能から得られる菌床温度実測値と与えられた制御目標値とを比較し、その差をゼロにするように換気機能と連動して外気から取り込む空気の加熱制御を行うことにより、菌床温度が制御目標値になるよう制御する。

特開平7-33572 特開2006-281167

従来の微生物を利用した生ごみ処理装置では、稼働中の分解槽中の菌床は微生物の生育環境を提供しており、分解槽中の菌床が極端に乾燥したり、逆に水分量が多くなり過ぎると微生物の活性が低下したり微生物が死滅したりするなど生ごみの分解処理ができない状態、即ち、生ごみ処理装置としては致命的な故障が起こることになる。従って、致命的な故障を起こさせないよう分解槽中の水分量を適正な範囲に制御する必要があった。
分解槽中の水分量を制御するためには、まず分解槽中に生成される水分生成速度と分解槽からの水分除去速度を把握する必要がある。
しかし、水分生成速度は、投入される生ごみの量など利用者の分解槽の使用条件や分解速度を左右する微生物の活性状態に依存するので、水分生成速度を自由に制御することは実際上困難である。
従って、分解槽中の水分量を制御する方法として、水分生成速度を把握して、水分生成速度に応じて水分除去速度を制御して分解槽中の水分量を制御する方法が考えられる。
しかし、水分生成速度の把握には次のような問題があった。即ち、水分生成速度の把握には分解槽中の生ごみの分解過程における反応速度を把握する必要がある。反応速度は微生物の活性度に依存するので、従って、分解槽中の微生物の活性度を把握する必要がある。しかし、稼動中の分解槽中の微生物の活性度を簡便に把握する実用的な方法がなく、従って、水分生成速度を把握することは困難であった。
また、水分除去速度の制御には次のような問題があった。即ち、水分除去速度である分解槽中の菌床中の水分の蒸発速度は、菌床温度の影響を受け、菌床温度は菌床の熱収支の結果が反映される。菌床の熱収支には、分解過程で生じる反応熱速度が影響し、反応熱速度は分解槽中の微生物の活性度に依存する。従って、水分除去速度は微生物の活性度の影響を受けるので、菌床からの水分の除去速度を自由に制御することは困難であった。
そこで本発明は上記課題を解決するもので、一定の生ごみ処理期間(または、単に期間という)を設け、その期間中に分解槽から除去する期間水分除去量を水分除去制御の目標値として設定し、この期間水分除去量を除水するよう水分除去速度を制御することにより、前記期間における期間最終の分解槽中の水分量を制御することを可能とした生ごみ処理装置を実現することを第一の目的とするものである。
また、分解槽中の微生物の生育環境を適正に保つためには、分解槽中の菌床の水分率を適正範囲に保つ必要がある。菌床の水分率を制御するためには、期間中の分解槽中の菌床の重量の推移および生成水分量の推移を把握し、これに対して要求される水分率になるよう分解槽中の水分の除水量を制御する必要がある。しかし、菌床の重量推移や生成水分量推移は投入された生ごみ重量とその構成比率、即ち、投入された生ごみ中に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物等の構成比率、および稼働中の分解槽の微生物の活性度、即ち、分解過程における反応速度に依存するため、定量的な把握は困難であるため、分解槽中の菌床の水分率を制御することは困難であった。
また、従来、分解槽中の菌床の水分率を制御する方法として、水分率センサを分解槽に装着し分解槽中の菌床の水分率を測定して、水分率実測値に対して所望の水分率になるよう水分除去速度を制御する方法が用いられていた。しかし、この従来の方法にはつぎのような問題があった。
一般に微生物を利用した生ごみ分解過程においては、分解開始初期には、微生物作用による水分生成速度が高く、分解処理が経過するに従い水分生成速度が低減していく傾向を持っている。また、この期間中の水分生成速度の変化は、分解槽の利用条件や微生物の活性度状態によって異なる。従って、水分率センサを用いて、期間中、一律の水分率を目標に制御する方法は非効率的で且つ、また、実際上も困難であった。
また、従来、水分率センサを用いて、且つ、上記の微生物を利用した生ごみ分解過程における期間中の水分生成速度特性を予め実験的に求めておき、この期間中の水分率推移パターンと水分率センサから得た分解槽中の水分率推移データと照合し、その差異から水分率を制御する方法が用いられていた。
しかし、この方法は、実験条件と異なる利用条件や微生物活性度の場合は、制御の精度が悪くなるという問題があった。
また、水分率センサを用いる従来の方法は、分解槽中の測定環境に起因する水分率測定精度の長期間に亘る信頼性の問題やコストの問題もあった。
そこで本発明は上記課題を解決するもので、分解槽における反応速度と菌床温度との定量的関係を用いて菌床温度推移実測値から稼働中の分解槽中の反応速度を推定することを可能とし、推定した前記反応速度から、期間最終の菌床重量と期間水分生成量を算定し、所与の期間最終水分率に達するために必要な期間水分除去量を算定し、期間水分除去量を達成するよう水分除去速度を制御することにより、分解槽中の菌床の水分率を制御することを可能とした生ごみ処理装置を実現することを第2の目的とするものである。
さらに、また、従来の微生物を利用した生ごみ処理装置においては、生ごみの投入をくり返し行う連続運転を行う場合、分解槽がこれ以上継続して生ごみの処理が出来なくなるという連続運転に対する有限の期間が生じた。この分解槽の連続運転に対する有限な期間を決定づける要因として、分解槽中の微生物の活性度の経時劣化や分解槽中の菌床の増量などがある。しかし、稼働中の分解槽中の微生物の活性度の経時劣化は、投入される生ごみ量や連続投入の間隔など使用条件に左右され、且つ、稼働中の分解槽中の微生物の活性度を簡便に検出する実用的な方法がなく、分解槽中の微生物の活性度を検出して連続運転期限を決めることは困難であった。また、分解槽内の菌床の増量は、例えば分解槽容器全体の重量を測定する重量計測センサを備える方法があったが、測定精度およびコストの点で問題があり、前記の2つの因子を同時に簡便に実用的に検出することは困難であった。
そこで本発明は上記課題を解決するもので、稼働中の分解槽の微生物の活性度を分解槽中の菌床温度推移実測値から推定した反応速度を用いて推定し、さらに分解槽中の菌床を攪拌する攪拌モータの電流値から分解槽中の菌床の増量や粘性度を推定し、これにより分解槽の連続運転期限を判定することを可能とした生ごみ処理装置を実現することを第3の目的とするものである。
本発明は上記第1の目的を以下のように達成する。
請求項1記載発明は、微生物を利用した生ごみ処理装置において、菌床温度推移実測値を用いて生ごみ処理期間の開始時から任意の経過期間に対する水分除去量実績を算定し、さらにまた、所与の期間水分除去量と前記経過期間の水分除去量実績データに基づき、菌床温度と分解槽気相部の換気速度を制御して水分除去速度を制御する水分除去速度制御手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明は上記構成によって、以下のように分解槽から所与の期間水分除去量を除水するよう水分除去速度を制御することを可能とした。即ち、
微生物を利用した生ごみ処理装置において、分解槽に生ごみが投入され、投入された生ごみの分解が開始された時から投入された生ごみがほぼ分解処理を終える一定期間を実機試験により経験的に定める。この一定期間を生ごみ処理期間または、単に期間と称することにする。
水分除去速度制御手段は、分解槽中の菌床温度と水分除去速度の定量的関係と菌床温度推移実測値を用いて、期間開始時から任意の経過時間tに対する分解槽からの経過期間除水量実績値を算定する。さらにまた、前記水分除去速度制御手段は、所与の期間水分除去量と経過期間除水量実績値を用いて、経過時間tから期間終了時点までの残期間中に必要な残期間除水量を達成するために必要な残期間中の平均水分除去速度と平均菌床温度を算定する。
さらに、前記水分除去速度制御手段は、経過時間tにおける菌床温度実測値と、前記残期間中に必要とする平均菌床温度を比較し、菌床温度実測値が低い場合、換気機能と菌床温度制御機能を使って、菌床温度が前記の残期間中に必要とする平均菌床温度になるよう菌床温度を制御する。
前記水分除去速度制御手段は、以上の水分除去速度制御に関する動作を一定間隔で繰り返し行うことにより、所与の期間水分除去量を除水することを可能とした。
また、本発明は上記第2の目的を以下のように達成する。
請求項2記載発明は、請求項1記載の生ごみ処理装置において、投入生ごみの重量および生ごみ構成比率に関する情報と期間中の菌床温度推移実測値を用いて稼働中の分解槽中の分解過程における反応速度を推定する反応速度推定手段と、前記反応速度推定手段から得られる反応速度推定値を用いて、所与の期間最終水分率を達成するために必要な期間水分除去量を算定し、前記期間水分除去量を前記水分除去速度制御手段に通知する菌床水分率制御手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明は上記構成によって、以下のように稼働中の分解槽中の菌床の期間最終水分率を達成するよう水分除去速度を制御することを可能とした。即ち、
反応速度推定手段は、微生物による分解過程における反応速度と反応熱生成速度との定量的関係および菌床の熱収支における反応熱速度と菌床温度変化との定量的関係を用いて、投入生ごみの重量および生ごみ構成比率に関する情報と期間中の菌床温度推移実測値を用いて稼働中の分解槽中の分解過程における期間中の反応速度を推定する。
菌床水分率制御手段は、生ごみが投入された時点から始まる生ごみ処理期間の開始時に前記反応速度推定手段から当該期間の直前の期間における反応速度推定値を取得する。さらに、前記菌床水分率制御手段は、取得した反応速度推定値を用いて、当該期間開始時の投入生ごみの重量および生ごみ構成比率に関する情報から当該期間終了時における菌床重量および当該期間中に生成される期間水分生成量を推定し、所与の期間最終水分率に達するために必要な期間水分除去量を算定し、前記水分除去速度制御手段に通知する。
前記水分除去速度制御手段は前記菌床水分率制御手段から通知された期間水分除去量を除水するよう水分除去速度を制御する。
前記水分除去速度制御手段は、以上の動作を一定間隔で繰り返し行うことにより、稼働中の分解槽中の菌床の期間最終水分率を達成することを可能とした。
また、本発明は上記第3の目的を以下のように達成する。
請求項3記載発明は、請求項2記載の生ごみ処理装置において、菌床水分率制御手段に代えて、分解槽中の菌床を攪拌する攪拌モータの稼働中の電流値を出力する攪拌モータ電流値出力手段と、前記反応速度推定手段から得られる反応速度推定値と前記攪拌モータ電流値出力手段から得られる攪拌モータ電流値を用いて分解槽の連続運転期限を判定する分解槽連続運転期限判定手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明は上記構成によって、以下のように稼働中の分解槽の連続運転期限を判定することを可能とした。
分解槽連続運転期限判定手段は、前記反応速度推定手段から得られる反応速度推定値と、予め設定されている反応速度限度値を比較する。また、分解槽連続運転期限判定手段は、前記攪拌モータ電流値出力手段から得られる攪拌モータ電流値と予め設定されている電流値限度値とを比較する。反応速度推定値または、攪拌モータ電流値のいずれかが、それぞれの前記限度値を超えていた場合に、連続運転期限に到達したと判定することにより分解槽の連続運転期限を判定することを可能とした。
上記のように本発明にあって、一定期間中に分解槽から所与の水分量を除去することが可能となり、期間中に必要以上の水分量を除去し分解槽中の菌床が乾燥しすぎたり、あるいは、逆に除去する水分量が少ないため分解槽中の水分量が極端に多くなりすぎ、その結果、分解槽中の微生物の活性が極端に低下したり、死滅したりする、あるいは、菌床の乾燥のため粉塵化して外部に排出されるなどといった生ごみ処理装置の致命的な故障に至ることを防ぐことを可能とし、生ごみ処理装置の安定稼働や信頼性を向上させるなどの効果がある。
また、水分除去速度の制御方法として、微生物による分解過程で生じる反応熱速度による水分除去速度に不足が生じる場合に、菌床に熱を供給して水分除去速度を補う方法を用いているので、微生物による分解過程で生じる反応熱を有効に利用し、生ごみ処理装置の運用に要する消費エネルギーを節減できるという効果がある。
また、稼働中の分解槽中の菌床の水分率を制御することを可能とすることにより、分解槽中の微生物の生育環境条件を適正な範囲に保つことができ、微生物を利用した生ごみ処理装置の生ごみ分解処理性能を一定レベルに維持する効果があり、また、生ごみ処理装置の安定稼働や信頼性を向上させるなどの効果がある。
また、前記により分解槽中の微生物の生育環境条件を適正な範囲に保つことができ、分解槽中の微生物の活性度を良好なレベルに保つことができる。これにより、微生物活性度が低下した時に生ごみ分解過程で生成される腐敗臭などの悪臭の発生および分解処理過程で生成される残渣量を低減する効果がある。
また、微生物活性度を良好なレベルに保つことにより、微生物による反応熱が増大し、菌床を加熱するために生ごみ処理装置に加えなければならない熱量を低減できるので、生ごみ処理装置の省エネ化の効果がある。
また、分解槽の連続運転期限を検出することを可能とすることにより、分解槽中の微生物の活性度の低下や菌床の増量により、生ごみ処理装置が致命的な故障となるのを予防することができる効果がある。また、生ごみ処理装置の連続運転に対する安全性、信頼性を向上させる効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る生ごみ処理装置の構成図を示す。
図2は、図1中の操作・表示パネルの一部の詳細を示す。
図1に示すように、生ごみ処理装置は、投入された生ごみを分解処理する分解槽、分解槽中の菌床を攪拌する攪拌機構5、分解槽中の菌床の攪拌を制御する攪拌制御部6、分解槽に空気を供給し、分解槽中の気体を排出する換気制御部7、分解槽中の菌床の温度を制御する菌床温度制御部8、分解槽の菌床温度を測定する菌床温度測定部9、生ごみ処理装置の操作や動作状態を表示する操作・表示パネル10、および生ごみ処理装置の全体を制御する制御部11から主に構成されている。分解槽2の内部は、微生物を定着した菌床材と投入された生ごみと生ごみが分解されて生成される水分(液)と固体生成物から成る固体混合物である菌床3と、菌床3の上部の気相部4とに分かれる。
制御部11は、生ごみ処理装置1の全体を制御するもので、操作・表示パネル10や、各種制御部6、7、8や菌床温度測定部9から出力される信号を受けて制御ロジックを働かせ、その結果生成される制御信号を前記の各種制御部や前記の測定部に送信して、生ごみ処理装置が所望の動作をするよう制御する。前記制御ロジックには、水分除去速度制御部111、反応速度推定部112、菌床水分率制御部113、連続運転期限判定部114などがある。
図2は、操作・表示パネル10の一部を詳細に示す図で、投入した生ごみの重量を設定する投入生ごみ重量設定スイッチ101、投入した生ごみの食品区分(野菜類、魚肉類、穀類)に関する構成比率を設定する投入生ごみ構成比率設定スイッチ102、生ごみを分解槽に投入したタイミングを通知する投入タイミング通知ボタン103、および、連続運転期限を検出した場合に利用者に連続運転期限を知らせる連続運転期限警報ランプ104で構成されている。
次に分解槽から所与の期間水分除去量を除水する水分除去速度制御の動作を説明する。
水分除去速度制御部111は、投入タイミング通知ボタン103の押下により生ごみ処理期間を開始し、投入生ごみ重量設定スイッチ101から投入された生ごみ重量を取得する。水分除去速度制御部111は、他の制御部から与えられた期間水分除去量、または、投入された生ごみ重量に一定割合を掛けて得られた数値を所与の期間水分除去量(Erq)として設定する。
次に分解槽から除去された水分除去速度の推定方法を説明する。
分解槽中の菌床に十分水分が含まれている場合の菌床からの水分の蒸発速度E(t)の推定は(1)式を用いて推定できる。
E(t)=K*(ρ*(Tb(t)-ρ(Ta(t)) (1)
但し、kは気流の物質伝達係数、Tb(t)は経過時間tにおける菌床温度、Ta(t)は、経過時間tにおける気相部空気の温度、ρ*(T)は温度Tの飽和水蒸気密度、ρ(T)は温度Tの気相の水蒸気密度。
物質伝達係数kは、分解槽気相部の熱流体力学的仕様、気流条件、および気体の物理特性などに依存する係数で、分解槽の気相部の風速u(t)の関数として生ごみ処理装置の実機試験で予め求めることができる。即ち、物質伝達係数kを気相部の風速u(t)の関数形で表わすと、(1)式は、(2)式のように書き直すことができる。
E(t)=K(u(t))*(ρ*(Tb(t)-ρ(Ta(t)) (2)
菌床から蒸発した水蒸気は換気機能で分解槽外に排出されるので、この場合、菌床からの水分の蒸発速度が分解槽からの水分除去速度に等しい。従って、(2)式を用いて分解槽中からの水分除去速度が推定できる。
水分除去速度制御部111は、期間の初めt0から経過時間tまでの間に対して、菌床温度測定部9からの菌床温度Tb(t)、菌床温度制御部8からの給気温度Ta(t)、換気制御部7からの風速u(t)のデータを得て、(2)式を用いて、期間の初めから経過時間tまでに分解槽から除水された経過期間除水量実績E(t0;t)を算出する。
従って、所与の期間水分除去量Erqと経過期間除水量実績E(t0;t)の差から、経過時間tから期間最終時teまでの期間、即ち、残期間(t;te)の間に除水しなければならない残期間除水量E(t;te)が求まる。即ち、

E(t;te)=Erq-E(t0;t) (3)

(3)式から、残期間における必要平均水分除去速度Ee(t)が得られる。

Ee(t)=E(t;te)/(te-t) (4)

(2)式と(4)式から、所与の期間水分除去量を達成するために必要な残期間の必要平均菌床温度Tbe(t)が得られる。
水分除去速度制御部111は、菌床温度測定部9から得られる菌床温度Tb(t)とTbe(t)を比較し、菌床温度Tb(t)の方が低い場合は、菌床温度制御部8に菌床温度制御目標値としてTbe(t)を通知する。
菌床温度制御部8は、換気制御部7から送られてくる給気を加熱し、菌床温度測定部9から得られる菌床温度Tb(t)をモニターしながら、菌床温度制御目標値Tbe(t)に達するよう菌床温度を制御する。
水分除去速度制御部111は、期間中、一定時間間隔で、上記の水分除去速度制御をくり返し行うことにより、所与の期間水分除去量を達成する。
次に、所与の期間最終水分率を達成するよう分解槽中の水分除去速度を制御する動作を説明する。
まず、最初に分解槽中の微生物による生ごみの分解過程について説明する。次に期間中の分解槽中の反応速度の推定方法を説明する。最後に期間最終水分率を達成する水分除去速度制御方法について説明する。
以下は微生物による生ごみの分解過程の説明である。
微生物による生ごみの分解過程は、生ごみ成分のたんぱく質、脂質、炭水化物の化学反応式で表わされる。即ち、以下に生ごみの分解過程における5つの化学反応式を示す。
たんぱく質(P)→アミノ酸(AA)→無機物質(D1) (5)
脂質(L)→脂肪酸(LA)→無機物質(D2) (6)
炭水化物(HC)→無機物質(D3) (7)
但し、D1は、CO2、NH3、H2S、H2Oが生成されることを示す。
また、D2は、CO2、H2Oが生成されることを示す。
また、D3は、CO2、H2Oが生成されることを示す。

また、前記の分解過程における1段の反応((7)式)と、2段の反応((5)式および(6)式)の反応速度を反応速度係数kを用いて次のように表わす。
k0
A -------→ B (8)

k1 k2
A ------→ B ---------→ C (9)

また、微生物による分解過程における反応速度は、微生物の活性が分解槽中の微生物の生育環境の経時劣化と共に劣化するので、反応速度係数kを、初期反応速度係数kiとダンピング係数kaを用いた時間の関数として表すことができる。即ち、

k(t)=kiexp(-ka*t) (10)

そうすると、1段の反応の反応速度は、次式で表わされる。
dA/dt=-k0(t)*A (11)

dB/dt=k0(t)*A (12)

また、2段の反応の反応速度は次式で表わされる。

dA/dt=-k1(t)*A (13)
dB/dt=k1(t)*A-k2(t)*B (14)
dC/dt=k2(t)*B (15)
式(5)、(6)、(7)で表わされる5つの化学反応式にそれぞれ対応する初期反応速度係数を{kP、kAA、kL、kLA、kHC}とすると、5つの化学反応式に対応した反応速度式を用いて、分解過程における経過時間tの関数として、それぞれの反応物量、生成物量を算定することができる。

以上より、分解槽に生ごみが投入された時点から経過時間t後の分解槽中の菌床の重量W(t)は次式のように表される。

W(t)=W0+O2(t)+AA(t)+LA(t)-HVP(t0;t)/Lh*dt-CO2(t)-NH3(t)-H2S(t)
(16)


但し、
if HVP(t0;t)/Lh*dt≧H2O(t) then HVP(t0;t)/Lh*dt=H2O(t)
(17)

ここで、HVP(t0;t)/Lh*dtは後で説明する蒸発潜熱速度HVPを期間(t0;t)で積分した蒸発潜熱量、また、
W0は、投入生ごみの投入時重量、
O2(t)は酸化反応に使われた酸素量、
以下は経過時間tまでに生成された生成物量で、AA(t)(アミノ酸)、LA(t)(脂肪酸)、CO2(t)(二酸化炭素)、NH3(t)(アンモニア)、H2S(t)(硫化水素)、H2O(t)(水(液))で、5つの化学反応式で生成される同一の化合物は合算した重量で表している。
また、水分量H2O(t)は、5つの化学反応から合成される水分量、微生物分解作用による細胞質水が細胞質外に流出する細胞質水量(反応速度係数kH)、および熱流体力学的作用により細胞質水が浸透的に流出する細胞質水量の合算値を示す。
以上により、期間中の反応速度係数{kP(t)、kAA(t)、kL(t)、kLA(t),kHC(t)、kH(t)}と投入生ごみ重量とその成分比率(たんぱく質、脂質、炭水化物)から、分解過程における経過時間tに対して、分解槽中の菌床の重量および生成水分量が算定できる。分解反応に用いる微生物が同じ場合には、前記の6つの反応速度係数の相対関係は一定の関係となり、反応速度係数は6つの内の一つが決まれば他の5つは決まるので、たんぱく質の反応速度係数kP(t)で代表させることが出来る。さらに、kP(t)は、式(10)から求められるので、初期反応速度係数kPで代表させることができる。
次に、稼働中の分解槽中の微生物による分解過程での期間中の反応速度の推定方法を順序を追って説明する。
最初に反応速度と反応に伴い発生する反応熱量との定量的関係を説明する。
前記の5つのそれぞれの化学反応において、反応時に反応熱を生成(または吸収)する。それを熱化学方程式で表わすと、例えば、脂質の場合、次のように表現することができる。
(CH2-O-CO-R)3+3H2O=(CH2OH)3+3RCOOH+ΔGl (18)

ここで、ΔGlは、脂質1モルから3モルの脂肪酸を生成するときの反応熱を表わし、ΔGl=-500kcal/モル(発熱)が知られている。
5つの化学反応に対して、それぞれの反応物1モル当たりの反応熱量が解っているので、生ごみの分解反応における反応熱速度をHBCとすると、反応熱速度は次のように表わすことができる。

HBC=0.4*ΣΔGi*dAi(t)/dt (19)

ここで、dAi(t)/dtは、5つの化学反応のそれぞれの反応速度を表わしている。また、ΔGiはそれぞれ対応する5つの化学反応の反応物1モル当りの反応熱量を示す。
次に菌床熱収支と菌床温度との定量的関係を説明する。
分解槽中の菌床の熱収支は、次の式で表わすことができる。

HCV+HBC+HCD*β-HLoss=HVP+HTG (20)

HCV;菌床と気相間の対流熱伝達速度
HCD;気相中の水蒸気の凝結熱速度で、βはその菌床への熱回収率
HLoss;分解槽壁を通して外部に熱伝導する菌床の熱損失速度
HVP;菌床からの蒸発に伴う蒸発潜熱速度
HTG;菌床の顕熱速度
ここで、HCVは、分解槽の菌床と気相間の界面面積当たりの熱伝達率をαとすると、次式で表わされる。
HCV=α*(Ta(t)-Tb(t)) (21)

αの値は、分解槽の設計仕様や気相の気流条件で決まる。実際の分解槽の実機測定から気相部の風速uをパラメータとして実測できる。これを風速の関数として表わすと、(21)式は、次のように表わすことができる。

HCV=α(u(t))*(Ta(t)-Tb(t)) (22)
HCD*βは、気相中の水蒸気が飽和水蒸気密度を超えた分だけ凝結するとすると、気相の気象状態から求めることができる。熱回収率βは分解槽の設計条件で決まる定数。
HLossは、分解槽壁の面積当たりの熱伝導率をhwとすると、
HLoss=hw*(Tb(t)-Ti(t)) (23)
但し、Tiは、分解槽周辺の空気の温度
HVPは、(2)式を用いて次のように表わすことが出来る。
HVP=E(t)*Lh (24)
但し、Lh;蒸発潜熱
また、菌床顕熱は、菌床温度に反映され菌床温度とは次の関係で表わさせる。

HTG(t1;t2)=Mb*cp*(Tb(t2)-Tb(t1)) (25)

但し、HTG(t1;t2)は、菌床顕熱速度HTGを期間(t1;t2)で積分した菌床顕熱量、Mbは菌床重量,cpは菌床の定圧比熱
(20)式の各項は、上で説明したように計算可能であり、従って、菌床の熱収支式(20)から微生物による分解過程における反応速度と菌床温度推移との定量的関係が得られる。
つぎに、熱収支式(20)を利用した期間中の分解槽中の微生物による分解過程における反応速度の推定方法を説明する。
反応速度推定部112は、投入完了ボタン103の押下により投入タイミング信号を受け取ると、生ごみ処理期間を開始し、前記投入生ごみ重量設定スイッチ101から投入された生ごみの重量を取得し、前記投入生ごみ構成比率設定スイッチ102から投入された生ごみの食品区分に関する構成比率情報を取得する。得られたこれらの投入生ごみに関するデータを用いて、前記反応速度推定部112、投入された生ごみに含まれている食品成分構成別重量、即ち、たんぱく質、脂質、炭水化物、細胞水量、即ち、期間始まり時における初期反応物量を算定する。
また、前記反応速度推定部112は、前記菌床温度測定部9から菌床温度推移実測値Tb(t)を取得する。また、前記菌床温度制御部8から給気温度Ta(t)を取得する。また、前記換気制御部7から風速u(t)を取得する。
これらのデータを用いて、(20)式の反応熱量HBC(t0;te)を除く各項の期間中の熱量を計算する。これらを用いて、期間中の反応熱量HBC(t0;te)を算定する。これを次式に示す。

HBC(t0;te)=
HVP(t0;te)+HTG(t0;te)-HCV(t0;te)-HCD(t0;te)*β-HLoss(t0;te)
(26)
HBC(t0;te)と(19)式の積分形を用いて当該期間の初期反応速度係数kP、即ち、当該期間の反応速度を推定することが出来る。
分解槽中の微生物の活性の経時劣化は、通常、生ごみ処理期間(例えば、24時間)に比べて緩慢な変化であり、以上で算定した期間中の反応速度を、次の期間の分解槽中の微生物による分解過程における反応物量、生成物量の時間推移の算定に用いることができる。
次に、期間最終水分率を達成する水分除去速度制御方法について説明する。
前記菌床水分率制御部113は、投入完了ボタン103の押下により、投入タイミング信号を受け取ると、生ごみ処理期間を開始し、前記投入生ごみ重量設定スイッチ101から投入された生ごみの重量を取得し、前記投入生ごみ構成比率設定スイッチ102から投入された生ごみの食品区分に関する構成比率情報を取得する。得られたこれらの投入生ごみに関するデータを用いて、菌床水分率制御部113は、投入された生ごみに含まれている食品成分構成別重量、即ち、たんぱく質、脂質、炭水化物、細胞水量を推定する。これらの投入生ごみデータと前記反応速度推定部112から得られる当該期間の前の期間の反応速度推定値を用いて、期間中に生成される全水分量H2O(te)と、式(16)から期間最終時点における水分を除く固形の菌床重量W(te)を推定する。
前記菌床水分率制御部113は、(27)式を用いて、予め設定されている期間最終時点における分解槽中の菌床の水分率、即ち、所与の期間最終水分率RH(te)を達成するために必要な期間水分除去量Erqを算定する。

Erq=H2O(te)-RH(te) /(1-RH(te)) *W(te) (27)
菌床水分率制御部113は、前記の期間水分除去量Erqを前記水分除去速度制御部111に通知する。
水分除去速度制御部111は前記期間水分除去量を達成するよう水分除去速度を制御することにより、期間最終時点において所与の期間最終水分率を達成する。
次に、分解槽連続運転期限を判定する方法を説明する。
稼働中の分解槽中の微生物による分解過程で反応速度を決定付ける初期反応速度係数kPは分解槽中の微生物の活性度の指標となる。従って、稼働中の期間の微生物活性度は、期間の初期反応速度係数kPで表わすことができる。
連続運転期限判定部114は、予め実機試験で分解槽中の微生物の活性度と生ごみ分解処理性能との関係から、分解槽の生ごみ分解処理性能限度となる微生物の限界活性度kP(limit)を経験的に定めそれを参照データとして保持する。また、予め実機試験で分解槽中の菌床の重量と攪拌モータに掛るトルクと攪拌モータの電流値との経験的定量関係を取得し攪拌モータの電流値の上限値を決めて参照データとし保持する。
また、予め実機試験で分解槽中の菌床の重量が同じで、粘性が平常状態の場合と、菌床の粘性が平常状態の場合より高くなった場合の2つのケースにおける菌床の重量と攪拌モータの電流値との経験的定量関係を取得し、攪拌モータの電流値の上限値を参照データとして保持する。
連続運転期限判定部114は、前記反応速度推定部112から期間中の初期反応速度係数推定値kPを取得する。取得した初期反応速度係数推定値kPと
前記微生物限界活性度kP(limit)とを比較して、初期反応速度係数推定値kPが微生物限界活性度kP(limit)より低い場合は、これ以上連続運転を継続することは不適当と判断し、操作・表示パネル上の連続運転期限警報ランプを点灯する。
また、連続運転期限判定部114は、攪拌制御部6から、期間中の攪拌モータの電流値を取得し記録し、前記攪拌モータの電流値の上限値と比較し、期間中の攪拌モータの電流値が前記攪拌モータの電流値の上限値を一定時間以上超えていた場合は、これ以上連続運転を継続することは不適当と判断し、操作・表示パネル上の連続運転期限警報ランプを点灯する。
以上の発明の実施例では、生ごみ処理装置1の制御部11の内部に水分除去速度制御部111、反応速度推定部112、菌床水分率制御部113、および連続運転期限判定部114の4つの制御ロジック部を設けたが、これに代えて、前記4つの制御ロジック部を遠隔地に設置し、制御部11と前記4つの制御ロジック部とのインターフェイスを通信回線で接続して、生ごみ処理装置1と遠隔地の制御ロジック部とが連携して制御部11に前記4つの制御ロジック部が内蔵されているときと同じ機能を果たすよう構成しても良い。
以上の本発明の実施例では、投入生ごみの重量を設定する方法として、操作・表示パネルの投入生ごみ重量設定スイッチ101を用いて重量の設定を行ったが、重量の代わりに、既知の容積の容器を単位に、容器1杯、とか容器3杯と6分目といった容量で投入生ごみ量を通知して、それを重量換算する方法を用いても良い。
また、生ごみ投入量が毎回比較的平均した使用状態の場合は、投入生ごみ量を標準量、大目、少な目という相対的な設定情報を用いて通知する方法を用いても良い。
以上の本発明の実施例では、反応速度推定法として、熱収支式(20)の積分形を持ちる方法を示したが、期間中において菌床温度が熱平衡状態、即ち、菌床温度推移の極大値近傍にある一定の短い期間をサンプリングし、熱収支式(20)を用いて反応速度を推定する方法を用いても良い。あるいは、反応速度推定法としてその2つの方法を併用しても良い。
以上の本発明の実施例では、投入生ごみの食品区分に関する構成比率を操作・表示パネル上の投入生ごみ構成比率設定スイッチ102で設定する方法を用いたが、それに代えて、投入生ごみの食品区分に関する構成比率を示す他の設定方法を用いても良い。
例えば、生ごみ処理装置が設置される場所が特定され、利用する利用者が特定されるような利用形態の場合は、その場所で利用者が投入する生ごみの食品区分に関する特性は、1週間や1カ月程度の利用期間の平均で見れば、ある一定の特性を持つと予想される。たとえば、ある和食のレストランで使われる場合の投入される生ごみは、和食料理に使われる食材の加工後の廃棄物や食べ残しの残飯が多いと予想される。食品加工会社、市場、学校給食配給センタ等々その利用者の業務に特有の生ごみの特性を持つことが予想される。このような利用形態の場合は、生ごみ投入毎に設定する方法に代えて、予め生ごみ処理装置に組み込まれている装置の出荷仕様や動作仕様を選択・設定するように設けられた装置動作仕様パラメータ設定部に利用者の業種タイプを選択したり、あるいはまた、投入生ごみ構成比率を半固定的に設定する方法を用いても良い。
以上の発明の実施例では、期間初めからの経過時間までの水分除去量実績の推定方法には菌床温度推移実測値と蒸発速度推定式を用いる推定方法を用いたが、当該期間の前の期間の反応速度推定値を当該期間の反応速度として用い、菌床温度推移実測値と熱収支式から推定する方法を用いても良い。またその両者を併用しても良い。
以上の発明の実施例では、期間最終水分率は、予め制御部に固定的に設定されているとしたが、期間最終水分率を操作・表示パネルあるいは、装置動作仕様パラメータ設定部に設定スイッチを設けて、装置管理者が期間最終水分率を変更できるようにしても良い。
以上の発明の実施例では、連続運転期限を判定した結果に対応して操作・表示パネル上の連続運転期限警報ランプを点灯するようにしたが、連続運転期限警報ランプに代わって、分解槽の使用可能期間を示す状態表示に代えても良い。
本発明の実施形態を示す生ごみ処理装置の構成図 図1中の操作・表示パネル10の一部の詳細図
1 生ごみ処理装置全体
2 分解槽
3 分解槽中の菌床
4 分解槽中の気相部
5 攪拌機構
6 攪拌制御部
7 換気制御部
8 菌床温度制御部
9 菌床温度測定部
10 操作・表示パネル
11 制御部
101 投入生ごみ重量設定スイッチ
102 投入生ごみ構成比率設定スイッチ
103 投入タイミング通知ボタン
104 連続運転期限警報ランプ
111 水分除去速度制御部
112 反応速度推定部
113 菌床水分率制御部
114 連続運転期限判定部

Claims (3)

  1. 微生物を利用した生ごみ処理装置において、菌床温度推移実測値を用いて生ごみ処理期間の開始時から任意の経過期間における分解槽からの水分除去量実績を推定し、さらにまた、所与の期間水分除去量と前記経過期間の水分除去量実績データに基づき、菌床温度と分解槽気相部の換気速度を制御して水分除去速度を制御する水分除去速度制御手段を備え、分解槽から所与の期間に期間水分除去量を除去することを可能としたことを特徴とする生ごみ処理装置。
  2. 請求項1記載の生ごみ処理装置において、投入生ごみの重量および生ごみ構成比率に関する情報と期間中の菌床温度推移実測値を用いて、稼働中の分解槽中の分解過程における反応速度を推定する反応速度推定手段と、前記反応速度推定手段から得られる反応速度推定値を用いて、所与の期間最終水分率を達成するために必要な期間水分除去量を算定し、前記期間水分除去量を前記水分除去速度制御手段に通知する菌床水分率制御手段を備え、所与の期間最終水分率を達成するよう分解槽中の水分率を制御することを可能としたことを特徴とする生ごみ処理装置。
  3. 請求項2記載の生ごみ処理装置において、菌床水分率制御手段に代えて、分解槽中の菌床を攪拌する攪拌モータの稼働中の電流値を出力する攪拌モータ電流値出力手段と、前記反応速度推定手段から得られる反応速度推定値と前記攪拌モータ電流値出力手段から得られる攪拌モータ電流値を用いて分解槽の連続運転期限を判定する分解槽連続運転期限判定手段を備えたことを特徴とする生ごみ処理装置。
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