JP2012169335A - 導電パターン形成基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導電パターン形成基板の製造方法は、透明絶縁基板と、該透明絶縁基板の片面に設けられ、透明絶縁材料と該透明絶縁材料内に2次元ネットワーク状に配置された導電性繊維とを含む透明導電膜とを備える導電性基板に導電パターンを設ける導電パターン形成基板の製造方法であって、前記透明導電膜の表面の一部に、複数の金属端子15を設けた後に、前記透明導電膜にパルス状レーザ光を走査しながら照射することにより、透明絶縁材料内の導電性繊維を除去し、導電性繊維が存在していた部分に空隙を形成して、絶縁ラインBにより構成された絶縁パターン13を形成する。
【選択図】図1
Description
絶縁パターンの形成方法としては、例えば、特許文献1,2には、バインダ樹脂中に導電性繊維を含む透明導電膜にレーザ光を照射して絶縁部とする方法が開示されている。
本発明は、透明導電膜が導電性繊維を含むものであるにもかかわらず、外部引き回し配線との接触抵抗を小さくでき、しかも導電パターンの寸法精度に優れる導電パターン形成基板の製造方法を提供することを目的とする。
[1]透明絶縁基板と、該透明絶縁基板の片面に設けられ、透明絶縁材料と該透明絶縁材料内に2次元ネットワーク状に配置された導電性繊維とを含む透明導電膜とを備える導電性基板に導電パターンを設ける導電パターン形成基板の製造方法であって、前記透明導電膜の表面の一部に、外部引き回し配線との接続部になる複数の金属端子を設けた後に、前記透明導電膜にパルス状レーザ光を走査しながら照射することにより、透明絶縁材料内の導電性繊維を除去し、導電性繊維が存在していた部分に空隙を形成して、絶縁ラインにより構成された絶縁パターンを形成することを特徴とする導電パターン形成基板の製造方法。
[2]前記複数の金属端子同士が電気的に絶縁されるように絶縁パターンを形成することを特徴とする[1]に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
[3]絶縁パターンの形成では、パルス状レーザ光の照射エネルギを一定にすることを特徴とする[1]または[2]に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
[4]前記導電性繊維が金属ナノワイヤであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
本発明の導電パターン形成基板の一実施形態について説明する。
本実施形態の導電パターン形成基板は、画像に重ねられて使用されるものであって、図1,2に示すように、透明絶縁基板11と、透明絶縁基板11の片面に設けられた透明導電膜12と、透明導電膜12の表面の一部に設けられた複数の金属端子15,15・・・とを備える。また、透明導電膜12には、絶縁ラインBにより構成された絶縁パターン13が、所定の導電パターンが設けられるように形成されている。
なお、本発明において、「透明」とは、50%以上の光線透過率を有するものを指す。透明絶縁基板11と透明導電膜12とからなる導電パターン形成基板10は透明である。
本実施形態における表示領域αと端子領域βにおける透明導電膜12は、各々、絶縁ラインB1によって複数の導電部12a,12a・・・に分割されており、表示領域αと端子領域βにおいては、複数の導電部12a,12a・・・が絶縁ラインB1を介して平行に配列されている。同一の列の導電部12aにおいては、表示領域αと端子領域βとでは、電気的に導通している。
端子領域βは、金属端子15が設けられる領域である。本実施形態においては、端子領域βは、表示領域αから突出するように形成されている。また、端子領域βは、外部引き回し配線が接続される配線接触領域β1と、配線接触領域β1に向かって次第に幅が狭くなっており、外部引き回し配線が接続されない配線非接触領域β2とを有する。配線接触領域β1は、幅方向(図1の左右方向)の長さが表示領域αの幅方向の長さよりも短くなっている。
透明絶縁基板11の形状としては、板状のもの、可撓性を有するフィルム状のもの、立体的(3次元)に成形された成形品等を用いることができる。
透明絶縁材料としては、透明な熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン)、熱や活性エネルギ線(紫外線、電子線)で硬化した透明な硬化性樹脂(メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケートなどのシリコーン樹脂)の硬化物が挙げられる。
透明絶縁材料は、透明絶縁基板11と互いに同一材料又は同一系統の樹脂材料からなることが好ましい。例えば、透明絶縁基板11がポリエチレンテレフタレートフィルムの場合、透明絶縁材料にはポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
また、導電性繊維として、シリコンナノワイヤやシリコンナノチューブ、金属酸化物ナノチューブ、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリル等を用いることもできる。
上記導電性繊維の中でも、透明導電膜12を容易に形成できると共に、後述するレーザ光の照射によって容易に絶縁部を形成できる点で、金属ナノワイヤが好ましく、銀を主成分とする金属ナノワイヤ(銀ナノワイヤ)がより好ましい。
金属端子15を構成する金属としては、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケルなどが挙げられる。
金属端子15の形成方法としては、金属ペーストを印刷し、乾燥させる方法、金属を蒸着させる方法などが挙げられる。金属ペーストを印刷する場合には、金属の他にバインダ樹脂(例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等)が含まれる。また、印刷方法としては、容易に厚くできることから、スクリーン印刷法が好ましい。
金属端子15に接続される外部引き回し配線としては、公知の金属ワイヤやケーブル、基板上に印刷や蒸着等により設けられた金属層などが挙げられる。
本実施形態の導電パターン形成基板10の製造方法は、予め金属端子15が表面に設けられた透明導電膜a(図5参照)にレーザ光を走査しながら照射して、絶縁ラインから構成された絶縁パターンを形成することにより導電パターン形成基板を製造する方法である。本製造方法では、表示領域αおよび端子領域βを有する導電パターンを形成するための絶縁ラインB1と、導電パターンを囲う外形線となる絶縁ラインB2を有する絶縁パターン13を形成する。
レーザ光照射装置40は、レーザ光Lを発生させるレーザ光発生手段41と、レーザ光Lを集光する集光手段である凸レンズ等の集光レンズ42と、透明絶縁基板11および透明導電膜aからなる導電性基板Aが載置されるステージ43とを備えている。
このレーザ光照射装置40では、レーザ光発生手段41から集光レンズ42を介して透明導電膜aにレーザ光Lを照射する。
レーザ光Lの照射による導電パターンの形成では、露光、現像、エッチング等が不要であるため、簡便である。
次いで、レーザ光照射装置40のレーザ光発生手段41よりレーザ光Lを出射させ、レーザ光Lを集光レンズ42により集光すると共に、ガルバノミラーを用いることによって走査させながら、透明導電膜aに照射する。
レーザ光の照射によって、レーザ光照射前には透明導電膜aに含まれていた導電性繊維が除去され、導電性繊維の存在した部分が空隙となる。そのため、レーザ光を走査しながら照射した部分を絶縁ラインBとすることができる。
すなわち、エネルギ密度・照射エネルギが上記数値範囲よりも小さな値に設定された場合、絶縁ラインの絶縁が不十分になるおそれがある。また、上記数値範囲よりも大きな値に設定された場合、加工痕が目立つようになり、タッチパネルや電磁波シールドなどの用途では不適当となる。
また、絶縁パターンの形成では、安定に絶縁性を得ることができる上に、簡素化されることから、パルス状レーザ光の照射エネルギを一定にすることが好ましい。
また、スポット径面積Sは、下記式により定義される。
S=S0×D/FL
S0:レンズで集光されるレーザのビーム面積
FL:レンズの焦点距離
D:透明導電膜aの表面(上面)と焦点との距離
また、絶縁ラインBの絶縁は、透明導電膜12へのレーザ光照射によって、透明絶縁材料内の、導電性繊維が存在していた部分を空隙にすることによって得られるため、導電性繊維を含む導電部12aと絶縁ラインBとの外観(色、透明性)が同一となる。また、導電性繊維は2次元状のネットワークを形成しているため、少数の導電性繊維を除去することで確実に電気的絶縁状態を得ることができ、また、照射するレーザ光のエネルギを小さくすることができる。このため、絶縁ラインBは視認不能である。
また、得られた導電パターン形成基板10においては、金属端子15に外部引き回し配線を接続するため、外部引き回し配線との接触抵抗を小さくできる。
さらに、導電性繊維を含む塗料の塗布・乾燥およびレーザ光の照射は簡便な工程であるため、上記製造方法によれば、導電パターン形成基板10を容易に製造できる。
絶縁パターンの形成では、パルス状レーザの照射に使用するレーザ光照射装置を変更しないため、導電パターン形成基板をより簡便に製造できる。
例えば、上記実施形態の導電パターン形成基板の製造方法では、ガルバノミラーを用いてレーザ光を走査させたが、これに代えて、ステージをXY方向に移動させることによって、レーザ光を走査させてもよい。
また、導電パターンは、表示領域と端子領域とが設けられたものであれば、図1に示すものでなくてもよい。
また、導電パターン形成基板の透明導電膜は、透明絶縁材料に導電性繊維を含むものでなくても、導電性高分子の膜であってもよいし、ワイヤグリッドを含むものであってもよい。
上記導電パターン形成基板は入力装置に使用することができる。入力装置は、導電パターン形成基板と、該導電パターン形成基板に電気的に接続された検出手段とを備える。検出手段としては、例えば、インターフェース回路を備えるものが挙げられる。
入力装置において、導電パターン形成基板は、タッチパネル等の入力装置の電極シートとして使用することができる。
例えば、2枚の上記導電パターン形成基板を所定形状に切り出したものを電極シートとし、これらを、スペーサを介して導電パターンが互いに対向するように積層することで、抵抗膜式タッチパネルの入力部材とすることができる。
また、2枚の上記導電パターン形成基板を所定形状に切り出したものを電極シートとし、これらを導電パターン同士が接触しないように積層することで、静電容量式タッチパネルの入力部材とすることができる。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーS10 #75、東レ株式会社製)に、Cambrios社のOhm(商品名)インク(線径50nm程度、長さ15μm程度の銀繊維(銀ナノワイヤ)を含む混合液)を塗布し、乾燥した後、紫外線硬化性のポリエステル樹脂インクを上塗りして、乾燥・紫外線処理を施した。これにより、PETフィルム上に銀繊維からなる導電性の2次元ネットワークを有する透明導電膜aを形成した。透明導電膜aの表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ポリエステル樹脂(透明絶縁材料12b)内に銀繊維(導電性繊維12d)からなる導電性の2次元ネットワークを有していることを確認した(図6参照)。
次いで、透明導電膜aの表面に、端子領域βの導電部12a上に、矩形状の金属端子15を平行に5つ形成するように銀ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させた。これにより、銀を主成分とした金属端子15が透明導電膜a上に設けられた導電性基板A(図5参照)を得た。
レーザ光照射装置として、ガルバノミラーを備えたYVO4基本波のレーザ加工機(キーエンス社製、MD−V9920)を使用した。
上記レーザ光照射装置には、照射パターンのデータをあらかじめ入力した。具体的には、図1に示す絶縁ラインBにより構成され、表示領域αおよび端子領域βを有する絶縁パターンを形成するように、照射パターンを入力した。
なお、各絶縁パターンの絶縁ラインの端部同士が接続する部分は、各絶縁ラインが交差するようにデータを作成した。これにより、レーザ加工機のレーザ照射タイミングによらず、確実に各絶縁パターン同士を連続的に接続させることができる。
焦点から導電性基板Aまでの距離:0mm
出力:30%
移動速度:600mm/秒
発振周波数:100kHz
これにより、透明導電膜aに、絶縁ラインBにより構成された絶縁パターンを形成し、図1に示すような表示領域αと端子領域βとが設けられ、金属端子15,15同士が絶縁された導電パターンを形成して、導電パターン形成基板を得た。形成された導電パターンにおいて、隣接する導電部12a,12a同士の電気抵抗は10Ω以上であり、絶縁状態になっていた。また、絶縁ラインBは視認不能であった。
上記の導電パターン形成基板は2枚作製した。
上記のようにして得た導電パターン形成基板を切り出して、導電パターン形成基板を得た。次いで、ドットスペーサを設けた導電パターン形成基板と、ドットスペーサを設けなかった導電パターン形成基板とを、導電パターンが互いに対向するように配置し、その状態で両面粘着テープにより固定した。また、端子領域βの各金属端子15に外部引き回し配線を直接接続し、さらに外部引き回し配線を市販のインターフェース回路(検出手段)に接続して、タッチパネルを得た。得られたタッチパネルは動作不良を生じなかった。これは、本実施例の導電パターン形成基板の製造では、金属端子を予め設けた後に、透明導電膜にレーザ光を照射して導電パターンを形成したので、熱による導電パターンの寸法変化が抑制されており、位置精度が向上したため、と思われる。
透明導電膜の表面に金属端子を設けなかった導電性基板を用いて絶縁パターンを形成した後に、端子領域βの導電部12a上に、銀ペーストの印刷・乾燥により、銀を主成分とした金属端子を設けたこと以外は実施例1と同様にして導電パターン形成基板を得た。その導電パターン形成基板を用いて、実施例1と同様にタッチパネルを作製したが、そのタッチパネルは動作不良を生じた。
11 透明絶縁基板
12 透明導電膜
12a 導電部
12b 透明絶縁材料
12c 空隙
12d 導電性繊維
13 絶縁パターン
15 金属端子
40 レーザ光照射装置
41 レーザ光発生手段
43 ステージ
a 透明導電膜
A 導電性基板
B,B1,B2 絶縁ライン
α 表示領域
β 端子領域
β1 配線接触領域
β2 配線非接触領域
Claims (4)
- 透明絶縁基板と、該透明絶縁基板の片面に設けられ、透明絶縁材料と該透明絶縁材料内に2次元ネットワーク状に配置された導電性繊維とを含む透明導電膜とを備える導電性基板に導電パターンを設ける導電パターン形成基板の製造方法であって、
前記透明導電膜の表面の一部に、外部引き回し配線との接続部になる複数の金属端子を設けた後に、前記透明導電膜にパルス状レーザ光を走査しながら照射することにより、透明絶縁材料内の導電性繊維を除去し、導電性繊維が存在していた部分に空隙を形成して、絶縁ラインにより構成された絶縁パターンを形成することを特徴とする導電パターン形成基板の製造方法。 - 前記複数の金属端子同士が電気的に絶縁されるように絶縁パターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
- 絶縁パターンの形成では、パルス状レーザ光の照射エネルギを一定にすることを特徴とする請求項1または2に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
- 前記導電性繊維が金属ナノワイヤであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
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