JP2012168338A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レンズ交換式の撮像装置において、レンズユニットを装着するマウント構造によってフランジバックを可変させることができ、通常撮影とマクロ撮影を切換可能にする撮像装置を得る。
【解決手段】
レンズユニットが装着されるマウント構造が、第1マウント部材(11)と、第2マウント部材(12)と、を備え、第1マウント部材と第2マウント部材は、相互に嵌合して固定される第1固定状態と、嵌合することなく固定される第2固定状態の2つの状態を有し、第1固定状態と第2固定状態でフランジバックが異なる撮像装置による。
【選択図】図2

Description

本発明は、レンズ交換式の撮像装置に関するものであって、詳しくはレンズユニットを装着するためのマウント構造によってフランジバックを可変させることができ、通常撮影とマクロ撮影を切換可能にする撮像装置に関するものである。
従来の撮像装置は、至近の被写体に焦点を合わせることができるマクロ撮影を行うときに、マクロ撮影用のレンズを用いていた。そのため、従来のレンズ交換式撮像装置は、レンズユニットを通常撮影用からマクロ撮影用に換装できるマウント構造を備えている(例えば、特許文献1を参照)。
撮像装置において、最短撮影可能距離の制限や、撮影画像の性能(ピント精度など)に影響する重要な要素の一つに、マウント構造におけるレンズユニットの装着面から撮像面(デジタルカメラにおいては撮像素子の受光面)までの距離がある。この距離をフランジバックという。すなわち、レンズ交換式の撮像装置においては特に、レンズユニットを換装したとしてもフランジバックが変わることがないように、フランジバックを厳密に設定する必要がある。また、マクロ撮影用のレンズを用いずとも、レンズ系を被写体側に可動させることで最短撮影距離を短くし、マクロ撮影に適した状態で撮影することができる撮像装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特許文献1記載の撮像装置は、マクロ撮影を行うときにはマクロ対応レンズのような専用レンズを用いる必要があり、また、特許文献2記載の撮像装置は、レンズ系を可動させる構造を、撮像装置内部、または、レンズユニット内部に設ける必要があり、構造が複雑になる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、専用レンズや複雑な構造を用いることなく、必要な精度を維持し、かつ、簡単な構造によって容易にマクロ撮影を可能にする撮像装置を提供することを目的とする。
本発明は、レンズユニットが装着されるマウント構造を有する撮像装置に関するものであって、レンズユニットが装着されるマウント構造を有する撮像装置であって、マウント構造は、第1マウント部材と、第2マウント部材と、を備え、第1マウント部材は、第2マウント部材に嵌合されて固定され、固定状態には、第1固定状態と第2固定状態とがあり、第1固定状態と第2固定状態とではフランジバックが異なることを主な特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第1固定状態と第2固定状態とは、レンズユニットが備えるレンズの光軸を中心に第1マウント部材を第2マウント部材に対して回動させることで切り替わることを特徴とする特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、レンズユニットが備えるレンズを介して受光した光を電気信号に変換する撮像素子を備え、第1マウント部材には、第1固定状態のときに第2マウント部材に接する第1当て面と、第2固定状態のときに第2マウント部材に接する第2当て面とが設けられ、第1当て面は、第2当て面よりも、撮像素子から遠い位置に形成されていることを特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第2マウント部材には、第1固定状態のときに第1当て面に接する第3当て面と、第2固定状態のときに第2当て面に接する第4当て面とが設けられ、第3当て面は、第4当て面よりも、撮像素子から遠い位置に形成されていることを特徴とする
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第1マウント部材と第2マウント部材のそれぞれは筒状であって、第1マウント部材の中心軸と第2マウント部材の中心軸方向のそれぞれは、レンズの光軸方向に一致することを特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第1マウント部材と第2マウント部材のそれぞれは、レンズの光軸を中心軸線とすることを特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第1マウント部材と第2マウント部材の外周を覆う外装部材をさらに有することを特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第1マウント部材と第2マウント部材はネジによって相互に固定されることを特徴とする。
また本発明は上記の撮像装置に関するものであって、第1マウント部材と第2マウント部材は弾性部材によって相互に固定されることを特徴とする。
本発明に係る撮像装置の通常撮影状態の例であって、(a)外装リングを装着している状態、(b)外装リングを外した状態、を示す斜視図である。 上記撮像装置の例を示す分解斜視図である。 上記撮像装置を横方向からみた例であって、(a)外装リングを装着した状態、(b)外装リングを取り外した状態、(c)領域Bを拡大した状態、を示す側面図である。 上記撮像装置のマクロ撮影状態の例であって、(a)外装リングを装着している状態、(b)外装リングを外した状態、を示す斜視図である。 上記撮像装置の第2固定状態の例を示す図であって、(a)外装リングを装着した状態、(b)外装リングを取り外した状態、(c)領域Cを拡大した状態、を示す側面図である。 上記撮像装置を構成する第1マウント部材の例であって、(a)レンズ装着面側からみた例、(b)背面側からみた例、を示す斜視図である。 上記撮像装置を構成する第2マウント部材の例であって、(a)レンズ装着面側からみた例、(b)背面側からみた例、を示す斜視図である。 上記撮像装置の例であって、(a)背面側の斜め下からみた例、(b)背面側から斜め上からみた例、を示す斜視図である。 本発明に係る撮像装置を横方向からみた図であって、(a)第1固定状態、(b)第2固定状態、を示す側面図である 本発明に係る撮像装置の別の例を示す図であって、(a)第1固定状態、(b)第2固定状態、を示す側面図である
以下、本発明に係る撮像装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る撮像装置の外観の例を示す斜視図である。以下、本明細書において説明に用いる図は、図1のように、本発明の特徴を説明するために直接的に必要となる部分を示し、その他の部分は図示を省略している。例えば、図1において、撮像装置1が当然に備えているシャッターボタンや、画像処理回路等を収める本体部分などの図示を省略している。
図1(a)は、本実施例に係る撮像装置1の通常の撮影状態の例を示している。通常の撮影状態とは、マクロ撮影を行う状態ではない状態をいう。この状態を第1固定状態とする。図1(a)において撮像装置1は、図示しないレンズユニットが装着されるレンズ装着面110を備えるマウント構造10を有している。マウント構造10は、後述するように少なくとも2つの部材からなる。図1(a)は、マウント構造10を構成する2つの部材の接触部分が隠れるように、マウント構造10の外周に外装リング20が装着されている。外装リング20は、外観上の見栄えを確保するための外装部材である。
図1(b)は、本実施例に係る撮像装置1の通常の撮影状態であって、マウント構造10から外装リング20を外した状態の例を示している。図1(b)に示すように、マウント構造10はレンズ装着面110が形成されている第1マウント部材と、第1マウント部材が固定される第2マウント部材とからなり、この2つの部材は締結部材であるネジ30によって固定されている。
次に、図2を用いてマウント構造10について、さらに詳細な説明を行う。図2に示すように、マウント構造10は、図示しないレンズユニットが装着されるレンズ装着面110を備えた第1マウント部材11と、撮像装置1の本体と一体になっている第2マウント部材12と、を有してなる。図2に示すように、第1マウント部材11と第2マウント部材12は、図示しない撮像素子の光軸を中心とする円形の部材である。撮像装置1が備える撮像素子やレンズの光軸と、第1マウント部材11と第2マウント部材12の中心軸線とが、相互に一致するように構成されている。また、第1マウント部材11と第2マウント部材12は、図1に示したネジ30を取り外すことによって、図2に示すように取り外しが可能となっている。
レンズユニットが装着されるレンズ装着面110には、レンズユニットをしっかり固定するための強度が必要となる。そこで、レンズ装着面110の表mwンには、硬質素材からなるリング状の板が設置されている。このリング状の板は、例えば金属からなる。
次に、図3を用いて、マウント構造10の構成についてさらに詳細に説明をする。図3(a)は、外装リング20を装着した撮像装置1を横方向から見た例を示す側面図である。マウント構造10のレンズ装着面110と、撮像装置1に内蔵される撮像素子2の受光面までの距離はフランジバックと呼ばれる。図3において、フランジバックに符号Fを付している。フランジバックFは、撮像装置1の最短撮影可能距離や、撮影画像の性能(ピント精度など)に影響を与える非常に重要な要素である。
図3(b)は、外装リング20を外した撮像装置1を横方向から見た例を示す側面図である。図3(b)に示すように、マウント構造10は、レンズ装着面110を有する第1マウント部材11と、撮像装置1の本体と一体に形成される第2マウント部材12と、を有してなる。第1マウント部材11は、レンズ装着面110の反対側に(マウント部材12と接する側に)、後述する複数の接触面が形成されている。
第1マウント部材11が有する複数の接触面は、それぞれ、第2マウント部材12と接する面(当て面)である。第1マウント部材11が有する接触面のうち、略凹字形状の第1嵌合部111の光軸方向の当て面である第1接触面112は、第1嵌合部111が形成されている箇所以外の光軸方向の当て面である第2接触面113よりも、撮像素子2から遠く離れた位置に形成されている(図3(c)参照)。第1嵌合部111は、例えば、第1マウント部材11に3箇所形成されている。なお、図3(b)において第1嵌合部111の側面からみた形状は、“コ”の字を左右逆向きにした形状で示されている。
第2マウント部材12が有する複数の接触面は、それぞれ、第1マウント部材11と接する面(当て面)である。第2マウント部材12が有する接触面のうち、略凸字形状の第2嵌合部121の光軸方向の当て面である第3接触面122は、第2嵌合部121が形成されている箇所以外の光軸方向の当て面である第4接触面123よりも、撮像素子2から遠い位置に形成されている。第2嵌合部121は、第1マウント部材11の第1嵌合部111と同じ数だけ形成されている。
第1嵌合部111と第2嵌合部121が嵌合された状態、つまり、第1接触面112と第3接触面122が接している状態で第1マウント部材が第2マウント部材に固定されたときのフランジバックFは、通常の撮影の適した距離となっている。すなわち、第1嵌合部111と第2嵌合部121が嵌合された状態(第1接触面112と第3接触面122が接している状態)で第1マウント部材が第2マウント部材に固定された状態が、「第1固定状態」となる。
図3(c)は、図3(b)において符号Bで示した領域を拡大した要部拡大図である。図3(c)に示すように、第1マウント部材11のレンズ装着面110とは反対側の面に形成されている第1嵌合部111と、第2マウント部材に形成されている第2嵌合部121は、嵌合し、第1接触面112と第3接触面122が接した状態となっている。なお、図3(c)において、第1接触面112と第3接触面122の間が離れているように図示されているのは、説明の便宜のためである。
図3(c)に示すように、第1固定状態の撮像装置1に係る第1マウント部材11と第2マウント部材12は、「第1接触面112」と「第3接触面122」が接し、「第2接触面113」と「第4接触面123」が接した状態で固定されている。これによって、通常撮影状態に設定されているフランジバックFが確保される。
次に、マウント構造10に基づく第1固定状態と第2固定状態(マクロ撮影状態)の変更手順について図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、通常状態である第1固定状態のマウント構造10を、マクロ撮影状態である第2固定状態のマウント構造10に変更するには、まず、外装リング20を外し、第1マウント部材11と第2マウント部材12を固定しているネジ30を取り外して、第2マウント部材12から第1マウント部材11を分離させる(矢印A)。次に、第1マウント部材11を反時計方向に30度ほど回転させる(矢印B)。その後、第1マウント部材11の第2接触面113と、第2マウント部材12の第3接触面122が接するように面当てし(矢印C)、ネジ30を用いて再び第1マウント部材11と第2マウント部材12とを固定する。このように、第1マウント部材11と第2マウント部材12とを回動させて固定することで、第1固定状態と第2固定状態を切り替えることができる。
図4(b)は、本実施例に係る撮像装置1のマクロ撮影状態(第2固定状態)であって、マウント構造10から外装リング20を外した状態の例を示す外観斜視図である。図4(b)に示すように、マウント構造10を構成する第1マウント部材11と第2マウント部材12は、第1固定状態から、相互の共通する中心軸線となる撮像素子2の光軸を中心として回動し、通常撮影状態とは異なる第2固定状態となり、ネジ30によって固定されている。
次に、図5を用いて、マウント構造10の第2固定状態について、さらに詳細に説明をする。図5(a)は、外装リング20を装着した撮像装置1を横方向から見た例を示す側面図である。図5(a)に示すように、第1固定状態(図3(a)参照)に比べて、マウント構造10のレンズ装着面110が前面側(図5において左側)に突き出ている。したがって、第2固定状態にある撮像装置1において、レンズ装着面110と撮像素子2の受光面までの距離であるフランジバックF´は、第1固定状態におけるフランジバックFに比べて長くなっている。したがって、第2固定状態にある撮像装置1の焦点位置は、撮像素子2の受光面よりも前に移動する。これによって、最短撮影可能距離が、第1固定状態に比べて短くなり、マクロ撮影の適した状態となる。
図5(b)は、外装リング20を外した第2固定状態にある撮像装置1を横方向から見た例を示す側面図である。図5(b)に示すように、マクロ撮影状態である第2固定状態では、第1マウント部材11と第2マウント部材12の相対的な位置関係が、通常撮影状態のときに比べて、撮像素子2の光軸を中心として相互に所定の量だけ回転した状態となっている。
図5(c)は、図5(b)において符号Cで示した領域を拡大した要部拡大図である。図5(c)に示すように、第2固定状態は、第2マウント部材12の嵌合部121の第3接触面122が、第1マウント部材11の第2接触面113に当接し、後述するピン34が第2接触面113に形成されているピン穴32bに嵌合して、ネジ30によって第1マウント部材11と第2マウント部材12が固定されている状態である。このとき、第1マウント部材11の第2接触面113と第2マウント部材12の第4接触面123とは、接触せず、隙間ができる。この隙間は、外装リング20によって覆い隠される(図5(a)参照)。また、外装リング20を装着することで、第1マウント部材11と第2マウント部材12の隙間から入りこむ可能性がある迷光を防ぐことができ、画質の劣化や、撮像装置1内部への異物混入を防ぐことができる。
このように、本実施例に係る撮像装置1は、第1マウント部材11と第2マウント部材12を、撮像素子2の光軸を中心として相互に回転させることで、フランジバックを変更することができる。第1固定状態のフランジバックFと第2固定状態のフランジバックF´を比較すると、第2固定状態においては、第2マウント部材12の第2嵌合部121の寸法の分だけ、レンズ装着面110の位置が被写体側に移動する(撮像素子2から遠い位置に移動する)。すなわち、この移動量がフランジバックF´とフランジバックFとの差に相当する。
このフランジバックFとフランジバックF´の差は、目的を明確にして設定する必要があるので、通常の35mmのレンズであれば1mm〜5mm程度になる。一方、第1マウント部材11の第1接触面112と第2接触面113の段差は、第1マウント部材11に形成される段差よりも大きくするとよい。
次に、第1マウント部材11の詳細な構成について、図6を用いて説明する。図6(a)は、第1マウント部材11をレンズ装着面110側(前面側)からみた斜視図である。第1マウント部材11は円環状の外形であって、奥行き(背面側)方向に所定の厚みをもつ。レンズ装着面110には、比較的大きなレンズが装着されることも想定されるため、第1マウント部材11と第2マウント部材12は、堅牢に固定されるのが望ましい。そこで、レンズ装着面110には、切り欠き部が複数形成されており、この切欠き部に第1マウント部材11と第2マウント部材12を締結して固定する締結部材であるネジ30を通すためのネジ孔31が形成されている。ネジ孔31にネジ30(図示せず)を通して締結することで、第1マウント部材11と第2マウント部材12とを固定する。
図6(a)では、ネジ孔31が4つ示されているが、本実施例に係る撮像装置1は、これに限ることはなく、第1マウント部材11が第2マウント部材12に固定されて、レンズ装着面110に撮影レンズが装着されたときに、フランジバックF(またはF´)が、所定の長さを厳密に維持できればよい。
第1マウント部材11の背面には、所定の寸法をもつ凹みが複数形成され、この凹みが第1嵌合部111となる。
図6(b)は、第1マウント部材11を背面側(第2マウント部材に固定される側)からみた斜視図である。第1マウント部材11の背面側には、すでに説明した第1嵌合部111の他に、第2マウント部材12との中心を合わせるための位置決め構造を備えている。前述のとおり、第1固定状態における光軸方向の位置決めは、第1嵌合部111と第2マウント部材12の第2嵌合部121によって行われる。
また、第2固定状態において、第1マウント部材と第2マウント部材12との中心を合わせる位置決め構造として、第1マウント部材11の背面(第2接触面113)にピン穴32が形成されている。第1マウント部材と第2マウント部材12との中心は、撮像装置1の光軸に合わせる。このピン穴32には、後述する第2マウント部材12のピン34が嵌合する。ピン穴32は、第1固定状態の光軸合わせ精度を高めるためのピン穴32aと、第2固定状態の光軸合わせ精度を向上させるためのピン穴32bからなる。ピン穴32aとピン穴32bは、光軸を中心にしてマウント部材11を30度回転させたときに移動する長さを隔てて形成されている。図6(b)においては、ピン穴32aとピン穴32bはそれぞれ1箇所のみ図示しているが、本実施例に係る撮像装置1においては、ピン穴32の数を複数個設けることで、より高い位置決め精度を確保することができる。
また、第1マウント部材11は、背面側の所定の位置に、締結部材として弾性部材を採用したときに用いるバネ掛け部115が形成されている。バネ掛け部115は、弾性部材の端部を引っかけて固定することができるピン状の部材である。バネ掛け部115の周辺には円弧状の溝が形成されている。この溝によって、通常撮影状態とマクロ撮影状態でバネ掛け部115が移動しても、締結部材であるバネが第1マウント部材11の内周面に衝突することがない。バネ掛け部115は、第1マウント部材11と一体構造とすることは困難であるため、第1マウント部材11の半径方向に孔をあけ、ここにバネ掛け部115を固定する。図6(b)には、バネ掛け部115を1箇所のみ図示しているが、よりマウント構造10を安定させるために、少なくとも3箇所のバネ掛け部115を形成するとよい。
次に、第2マウント部材12の詳細な構成について、図7を用いて説明する。図7(a)は、第2マウント部材12を備える撮像装置1を前面側(第1マウント部材11が装着される側)からみた斜視図である。第2マウント部材12は円環状の外形であって、内周面に所定の高さをもった壁124が形成され、外周部分の所定位置には、第1マウント部材11が嵌合する第2嵌合部121が形成されている。
第3接触面122と、第4接触面123にはそれぞれ、第1マウント部材11のネジ孔31に対向するネジ穴33aおよび33bが形成されている。ネジ穴33aは第1固定状態においてネジ30が螺合する穴である。ネジ穴33bは第2固定状態においてネジ30が螺合する穴である。
また、第3接触面122には、第1マウント部材11と第2マウント部材12との光軸(中心)を合わせるための位置決め構造としてピン34が形成されている。ピン34は、第1マウント部材11のピン穴32に嵌合する。このピン34が、第1マウント部材11のピン穴32aに嵌合すると、第2嵌合部121が第1マウント部材11の第1嵌合部111に嵌合して第1固定状態となる。一方、ピン34が、第1マウント部材11のピン穴32bに嵌合すると、第2マウント部材12の第3接触面122が、第1マウント部材11の第2接触面113に接して固定され、第2固定状態となる。
レンズ装着面110には、重たいレンズに限らず、比較的小型で軽量のレンズを装着することもある。重たいレンズを装着するときは、第1マウント部材11と第2マウント部材12の締結部材としてネジ30を用いるとよい。しかし、ネジ30を用いて第1マウント部材11と第2マウント部材12を固定すると強固に固定することができる反面、通常撮影状態とマクロ撮影状態を変更する(切り替える)ときに、まずネジ30を取り外す必要がある。
ネジ30のように強固に固定しなくても、フランジバンクFおよびフランジバンクF´が精度よく維持されて、撮像装置1の使用の途中で変動がなければ、ネジ30以外の締結部材を用いて第1マウント部材11と第2マウント部材12を固定してもよい。例えば、軽量のレンズを取り付けるときには、ネジ30による固定ではなく、弾性部材(例えばバネ)によって固定してもよい。すなわち、例えば、弾性部材の弾性力によって第1マウント部材11を第2マウント部材12に押し付けて固定するとよい。
図7(b)は、撮像装置1を背面側からみた図であって、第2マウント部材12の背面側を示す斜視図である。第2マウント部材12の背面側の所定位置には、締結部材として弾性部材を採用したときに用いるバネ掛け部125が形成されている。バネ掛け部125は、弾性部材の端部を挟持して固定する溝である。弾性部材が通常撮影状態とマクロ撮影状態で周方向に移動できるスペースを保つため、バネ掛け部125の周辺には、第2マウント部材12の内周面の一部に切り欠き部が設けられている。図7(b)において、バネ掛け部125は1箇所のみを図示しているが、第1マウント部材11の位置決めと固定を確実にするには、複数個所(例えば、3箇所)のバネ掛け部125を設けるとよい。
締結部材としてのバネ(図示せず)を用いたときの、マウント構造10の状態について図8を用いて説明する。図8は、第1マウント部材11と第2マウント部材12が固定された状態を背面側から見た図であって、図8(a)が通常撮影状態、図8(b)がマクロ撮影状態の例を示している。図8(a)に示すように、第1マウント部材11の第1嵌合部111と第2マウント部材12の第2嵌合部121が嵌合される位置にあるとき(通常撮影状態)、第1マウント部材11のバネ掛け部115は、第2マウント部材12のバネ掛け部125の前面側に形成された切り欠き部の一の側面側(図8において上端部側)に位置する。
一方、マクロ撮影状態では、通常撮影状態に比べて第1マウント部材11が第2マウント部材12に対して反時計方向(前面側からみて)に30度ほど回転した位置となる。そのため、図8(b)に示すように、マクロ撮影状態では、第1マウント部材11の回転に伴って、バネ掛け部115が第2マウント部材12のバネ掛け部125の前面側に形成された切り欠き部の他の側面部(図8において下端部側)に移動している。
図8において、締結部材としてのバネは図示していないが、たとえば、通常撮影状態とマクロ撮影状態の力量バランスを考慮し、第1マウント部材11のバネ掛け部115の位置を、第2マウント部材12に対して回転させるべき量の半分程度ずらした位置とし、通常撮影状態とマクロ撮影状態において、それぞれ逆向きに傾いて相互の部材を圧接させるように構成する。すなわち、第1マウント部材11と第2マウント部材12における通常撮影状態とマクロ撮影状態の相互回転量を30°としたとき、バネ掛け部115は、バネ掛け部125に対して、15°ずらした位置に移動すればよい。
本実施においては、マウント構造10の固定手段としてネジと弾性部材(バネ)を例に説明をした。これらの固定方法には、それぞれ得失がある。強度面では明らかにネジ固定が有利であるから、撮影レンズに大型レンズを使用するときは、ネジ固定が必須となる。一方、操作性においては、ネジ固定よりもバネ固定のほうが有利である。よって、軽量レンズのみを使用する場合は、ネジ固定をせずにバネ固定のみで使用するとよい。
利用者の利便性を考慮すると、ネジ固定とバネ固定の両方を用いるとよい。そうすれば、重いレンズを使用する利用者は、面倒であってもネジ固定を用い、軽いレンズしか使用しない利用者は、ネジを外した状態で使用することができる。
以上説明したように、本実施例に係る撮像装置1は、レンズユニットを着脱自在にする撮像装置のマウント構造において、第1マウント部材11と第2マウント部材12を、撮像素子2の光軸を中心に相対的に回転させて固定させることができ、回転位置において、レンズ装着面が通常撮影状態よりも被写体側に移動する構造を有するので、専用のマクロレンズや、レンズを可動させる機構を用いることなく、マクロ撮影を容易にすることができる。
なお、外装リング20はマウント部材10と別の部材として説明したが、本実施例に係るマウント構造10はこれに限ることなく、第1マウント部材11と一体に外装リング20を形成してもよい。
次に本発明に係る撮像装置の別の実施形態について説明する。図10は、本実施例に係る撮像装置1aのマウント構造部分を拡大した要部拡大図である。先に説明をした実施例におけるマウント構造10は、図9に示すように、第1マウント部材11と第2マウント部材12において、対向するそれぞれの部材に接触する接触面を2つずつ有してなる。一方、本実施例に係る撮像装置1aのマウント構造10aにおいては、第1マウント部材11aは、第2マウント部材12aに接触する面を2つ有し、第2マウント部材12aは、第1マウント部材11aに接触する面を1つ有している。
マウント構造10aとマウント構造10は基本的な効果は同等である。しかし、マウント構造10aはマウント構造10a全体の光軸方向の移動量を決める段差が、第1マウント部材11a側に存在する。よってマウント構造10aは、段差の寸法を変えた第1マウント部材11aを数種類準備すれば、複数のフランジバックを選択することができる。最適なフランジバックは、使用するレンズの焦点距離、レンズの最至近撮影可能距離、マクロ撮影を行うときの最至近撮影距離によって適正値が変動するので、マウント構造10aによれば、最適なフランジバックを選択することができる。
以上説明したように、本発明に係る撮像装置は、分離可能な2つの部材からなるマウント構造の固定状態によって、フランジバックが異なる通常撮影状態とマクロ撮影状態を容易に切り替えることができ、かつ、マウント構造の寸法によってマクロ撮影に最適なフランジバックを容易に固定することができる。
また、本発明に係る撮像装置によれば、マウント構造を構成する複数のマウント部材において、各マウント部材が接触する面は複数あり、この複数の接触面のそれぞれが被写体までの距離が異なる位置に形成されているため、マウント部材の接触面を変化させることで、フランジバックを意図的に変化させ、通常のレンズを用いても接写撮影が可能となる。
また、本発明に係る撮像装置によれば、マウント構造をネジによって確実に固定することができるので、重たいレンズにも適用可能である。また、本発明に係る撮像装置によれば、マウント構造を弾性部材によって密着させることもできるので、工具等を用いることなく、マウント構造を被写体側に繰り出させて固定し、接写撮影が可能となる。
また、本発明に係る撮像装置によれば、インローにより光軸を確保しているので、接写状態と通常状態とを切替えてもレンズと撮像素子の光軸がずれ難く、周辺画像のバランスを保つことができる。
また、本発明に係る撮像装置によれば、マウント構造に回転止めを配置することにより、レンズ装着時や、取り外し時に回転方向の力を加えた場合、フォーカスリング等を操作した場合などにおいて、がたつきが少なく、安定した交換作業、マニュアルフォーカス動作を実現することができる。
また、本発明に係る撮像装置によれば、リング部材によって、マウント構造の接触面の隙間を防ぐ構成にでき、迷光による画質の劣化や、ごみ侵入による画質劣化を防止できる。
10 マウント構造
11 第1マウント部材
12 第2マウント部材
20 外装リング
30 ネジ
110 レンズ装着面
特開昭60−208743号公報 特開平03−154037号公報

Claims (9)

  1. レンズユニットが装着されるマウント構造を有する撮像装置であって、
    上記マウント構造は、第1マウント部材と、第2マウント部材と、を備え、
    上記第1マウント部材は、上記第2マウント部材に嵌合されて固定され、
    上記固定状態には、第1固定状態と第2固定状態とがあり、
    上記第1固定状態と上記第2固定状態とではフランジバックが異なることを特徴とする撮像装置。
  2. 上記第1固定状態と上記第2固定状態とは、上記レンズユニットが備えるレンズの光軸を中心に上記第1マウント部材を上記第2マウント部材に対して回動させることで切り替わることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 上記レンズユニットが備えるレンズを介して受光した光を電気信号に変換する撮像素子を備え、
    上記第1マウント部材には、上記第1固定状態のときに上記第2マウント部材に接する第1当て面と、上記第2固定状態のときに上記第2マウント部材に接する第2当て面とが設けられ、
    上記第1当て面は、上記第2当て面よりも、上記撮像素子から遠い位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  4. 上記第2マウント部材には、上記第1固定状態のときに上記第1当て面に接する第3当て面と、上記第2固定状態のときに上記第2当て面に接する第4当て面とが設けられ、
    上記第3当て面は、上記第4当て面よりも、上記撮像素子から遠い位置に形成されていることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  5. 上記第1マウント部材と上記第2マウント部材のそれぞれは筒状であって、
    上記第1マウント部材の中心軸と上記第2マウント部材の中心軸方向のそれぞれは、上記レンズの光軸方向に一致することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  6. 上記第1マウント部材と上記第2マウント部材のそれぞれは、上記レンズの光軸を中心軸線とすることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
  7. 上記第1マウント部材と上記第2マウント部材の外周を覆う外装部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の撮像装置。
  8. 上記第1マウント部材と上記第2マウント部材はネジによって相互に固定されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
  9. 上記第1マウント部材と上記第2マウント部材は弾性部材によって相互に固定されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
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