JP2012168130A - 伝熱管解体装置および伝熱管解体方法 - Google Patents

伝熱管解体装置および伝熱管解体方法 Download PDF

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Abstract

【課題】切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を適宜規定し、伝熱管の切断を容易に行うこと。
【解決手段】長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板6に対して挿通支持された多数の伝熱管5を、管支持板6の間で切断するための伝熱管解体装置20であって、各伝熱管5の配置を均一に揃える態様で、各伝熱管5の切断の各端部に配置された一方の管支持板6と他方の管支持板6との相対位置を調整する調整部25を備える。この伝熱管解体装置20によれば、各伝熱管5の配置が均一になることで、各管支持板6の間で各伝熱管5の端部を切断する際、当該切断位置にズレがなく、切断装置の位置を一度調整するだけで、複数の伝熱管5を続けて切断することが可能になる。
【選択図】図9

Description

本発明は、熱交換器における伝熱管を切断して解体するための伝熱管解体装置および伝熱管解体方法に関するものである。
例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる熱交換器としての蒸気発生器は、逆U字形状に形成された多数の伝熱管を有している。伝熱管は、その両端部が、筒状の胴部の下側に固定された管板に対して挿入固定され、管板下の入口側水室と出口側水室とにそれぞれ連通されている。また、伝熱管は、その中途部が、胴部に固定された複数の管支持板に挿通支持されている。この蒸気発生器は、原子炉から加圧された高温の一次冷却水が入口側水室から導入され、伝熱管内部を流れて出口側水室から原子炉に戻される。そして、伝熱管内部に一次冷却水が流れることで当該伝熱管が加熱されるため、蒸気発生器の胴部内に導入された二次冷却水を加熱し蒸気とする。
蒸気発生器は、必要に応じて新しいものと交換される。蒸気発生器は、上述したように、伝熱管の内部を原子炉からの一次冷却水が通過するため、水室および伝熱管は放射線に曝されており放射能を含む。そのため、一般に、交換された古い蒸気発生器は、放射性廃棄物として、原子力発電設備内の保管庫にそのままの形で保管されることになる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、蒸気発生器は、例えば、外径4.5m、長さ(高さ)21m、重量300tと大型のものであり、原子力発電設備内の保管庫にそのままの形で保管するには、大型の保管庫が必要となる。しかし、今後保管する蒸気発生器の数が増えることが想定されるため、一層大型の保管庫を用意する必要があるが、原子力発電設備内において、一層大型の保管庫の場所を確保することは困難な状況にある。
このため、蒸気発生器を解体し、放射性廃棄物の容積を低減し、処分することが検討されている。この場合、放射能を含む伝熱管や水室の処分が重要となる。従来、伝熱管の処分として、伝熱管を押し潰して所定長さに切断し、放射性廃棄物として保管スペースを低減させることが提案されている。ここでは、伝熱管が、胴部の内部に位置した状態で、伝熱管が管板に近接した部分で切断される。そして、上胴部の先端部分を開口し、開口部に圧延ロール装置およびプレス装置を設置し、引き抜き装置によって切断した伝熱管を1本引き抜き、圧延ロール装置によって予備圧縮し、次に、プレス装置によって当該伝熱管を押し潰す。押し潰された伝熱管は、切断装置によって所定長さに切断され、保管箱に保管される(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−43577号公報 特表平11−514588号公報
上述したように、蒸気発生器の伝熱管は、胴部に固定された複数の管支持板に挿通支持されている。しかし、使用済みの古い蒸気発生器は、伝熱管を挿通支持する管支持板の穴内にスラッジなどが堆積している場合があり、管支持板から伝熱管を引き抜くことが困難であることが多く、特許文献2に示すような解体が実施できないおそれがある。
そのため、管支持板から伝熱管を引き抜かずに伝熱管を切断することが検討されている。かかる切断にあたっては、切断する伝熱管が動かないように、その両端側の各管支持板を支えながら行うことが好ましい。ところが、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を規定しないと、各伝熱管の切断位置にズレが生じるため、各伝熱管の切断時において、その都度切断装置の位置を補正しなければならなくなる。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を適宜規定し、伝熱管の切断を容易に行うことのできる伝熱管解体装置および伝熱管解体方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の伝熱管解体装置は、長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板に対して挿通支持された多数の伝熱管を、前記管支持板の間で切断するための伝熱管解体装置であって、各前記伝熱管の配置を均一に揃える態様で、各前記伝熱管の切断の各端部に配置された一方の管支持板と他方の管支持板との相対位置を調整する調整部を備えることを特徴とする。
この伝熱管解体装置によれば、各伝熱管の配置が均一になることで、各管支持板の間で各伝熱管の端部を切断する際、当該切断位置にズレがなく、切断装置の位置を一度調整するだけで、複数の伝熱管を続けて切断することが可能になる。このため、伝熱管を切断する作業効率が向上する。この結果、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を適宜規定し、伝熱管の切断を容易に行うことができる。
また、本発明の伝熱管解体装置は、前記調整部は、各前記伝熱管の配置を均一に揃えるため、前記一方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第一軸と、前記他方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第二軸とを一致させるもので、前記第一軸と前記第二軸とを平行とする態様で少なくとも1つの前記管支持板を傾き移動させる傾き調整機構と、前記第一軸と前記第二軸とを同一直線上に位置させる態様で少なくとも1つの前記管支持板をスライド移動させるスライド調整機構と、前記第一軸と前記第二軸との軸回りの回転方向を合わせる態様で少なくとも1つの前記管支持板を軸回りに回転移動させる回転調整機構と、を含み構成することを特徴とする。
この伝熱管解体装置によれば、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を規定するにあたり、各方向での調整に機能分けしたことで、管支持板の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管を切断する作業効率を向上することができる。
また、本発明の伝熱管解体装置は、前記一方の管支持板を固定する固定部を有し、前記調整部によって前記他方の管支持板の位置を調整することを特徴とする。
この伝熱管解体装置によれば、固定部によって片方の管支持板を固定することで、もう片方の管支持板のみ位置を調整すればよいため、管支持板の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管を切断する作業効率を向上することができる。
上述の目的を達成するために、本発明の伝熱管解体方法は、長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板に対して挿通支持された多数の伝熱管を、前記管支持板の間で切断するための伝熱管解体方法であって、各前記伝熱管の配置を均一に揃える態様で、各前記伝熱管の切断の各端部を支持する一方の管支持板と他方の管支持板との相対位置を調整する工程と、次に、前記一方の管支持板側の前記伝熱管の端部と前記他方の管支持板側の前記伝熱管の端部とを共に切断する工程と、を含むことを特徴とする。
この伝熱管解体方法によれば、各伝熱管の配置が均一になることで、各管支持板の間で各伝熱管の端部を切断する際、当該切断位置にズレがなく、一方の管支持板側の伝熱管の端部と他方の管支持板側の伝熱管の端部と切断する切断装置の位置を一度調整するだけで、複数の伝熱管を続けて切断することが可能になる。このため、伝熱管を切断する作業効率が向上する。この結果、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を適宜規定し、伝熱管の切断を容易に行うことができる。
また、本発明の伝熱管解体方法は、前記一方の管支持板と前記他方の管支持板との相対位置を調整する工程は、各前記伝熱管の配置を均一に揃えるため、前記一方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第一軸と、前記他方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第二軸とを一致させるもので、前記第一軸と前記第二軸とを平行とする態様で少なくとも1つの前記管支持板を傾き移動させる工程と、次に、前記第一軸と前記第二軸とを同一直線上に位置させる態様で少なくとも1つの前記管支持板をスライド移動させる工程と、次に、前記第一軸と前記第二軸との軸回りの回転方向を合わせる態様で少なくとも1つの前記管支持板を自身の軸回りに回転移動させる工程と、を含むことを特徴とする。
この伝熱管解体方法によれば、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を規定するにあたり、各方向での調整に機能分けしたことで、管支持板の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管を切断する作業効率を向上することができる。しかも、最初に第一軸と第二軸とを平行とすることで、次に第一軸と第二軸とを同一直線上に位置させることが容易であり、さらに、次に第一軸と第二軸との軸回りの回転方向を合わせることが容易であることから、調整の作業効率を向上することができ、その結果として伝熱管を切断する作業効率を向上することができる。
また、本発明の伝熱管解体方法は、各前記伝熱管が長手方向の一端部が管板に固定されており、各前記伝熱管が横置きとされた状態で、各前記伝熱管の前記管板に近い側の前記管支持板を固定し、前記管板から遠い側の前記管支持板の位置を調整することを特徴とする。
この伝熱管解体方法によれば、片方の管支持板を固定することで、もう片方の管支持板のみ位置を調整すればよいため、管支持板の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管を切断する作業効率を向上することができる。しかも、各伝熱管が長手方向の一端部が管板に固定され、各伝熱管が横置きとされた状態では、伝熱管の撓みによって管板から遠い管支持板の位置がズレることが多いため、管板に近い側の管支持板を固定し、管板から遠い側の管支持板の位置を調整することで、当該管支持板の位置ズレを補正し、伝熱管を水平に近い状態に調整することができるので、伝熱管の切断を容易に行うことができる。
本発明によれば、切断する伝熱管の両端側の各管支持板の位置を適宜規定し、伝熱管の切断を容易に行うことができる。
図1は、蒸気発生器の概略側断面図である。 図2は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図3は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図4は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図5は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図6は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図7は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図8は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置の側面図である。 図10は、図9におけるA−A矢視図である。 図11は、図9におけるB−B矢視図である。 図12は、図9におけるC−C矢視図である。 図13−1は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置の動作の説明図である。 図13−2は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置の動作の説明図である。 図13−3は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置の動作の説明図である。 図13−4は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置の動作の説明図である。 図13−5は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置の動作の説明図である。 図14−1は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置を用いない場合での伝熱管の切断について示す説明図である。 図14−2は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置を用いた場合での伝熱管の切断について示す説明図である。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、蒸気発生器の概略側断面図である。熱交換器としての蒸気発生器1は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる。加圧水型原子炉は、原子炉冷却材および中性子減速材として軽水を使用している。加圧水型原子炉は、軽水を炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水としての一次冷却水を蒸気発生器1に送る。蒸気発生器1では、高温高圧の一次冷却水の熱を二次冷却水に伝え、二次冷却水に水蒸気を発生させる。そして、この水蒸気によりタービン発電機が回されて発電する。
蒸気発生器1は、上下方向に長尺に延在され、かつ密閉された中空円筒形状をなす胴部2を有している。胴部2は、上半部に対して下半部が若干小径とされ、下半部をなす下部胴2a、上半部をなす上部胴2b、下部胴2aと上部胴2bとの間を繋ぐほぼ円錐台形状の円錐胴2c、下部胴2aの下端に設けられた水室2d、および上部胴2bの上端に設けられた上部鏡2eで構成されている。
蒸気発生器1は、下部胴2aの内部に、内壁面と所定間隔をもって配置された円筒形状を成す管群外筒3が設けられている。この管群外筒3は、その下端部が、下部胴2aの下端部に配置された管板4の近傍まで延設されている。管群外筒3内には、伝熱管群5Aが設けられている。伝熱管群5Aは、逆U字形状で上下方向に長尺とされた複数の伝熱管5からなる。各伝熱管5は、U字形状の円弧部を上方に向けて配置され、各端部が管板4の管穴に挿通支持されていると共に、中間部における長手方向の複数箇所が各管支持板6を介して管群外筒3に支持されている。管支持板6は、多数の伝熱管挿通穴6aが形成されており、この伝熱管挿通穴6aに各伝熱管5が挿通されることで各伝熱管5を支持する。
蒸気発生器1は、水室2dの内部が隔壁8により入室7Aと出室7Bとに区画されている。入室7Aは、各伝熱管5の一端部が連通され、出室7Bは、各伝熱管5の他端部が連通されている。また、入室7Aは、胴部2の外部に通じる入口ノズル7Aaが形成され、出室7Bは、胴部2の外部に通じる出口ノズル7Baが形成されている。そして、入口ノズル7Aaは、加圧水型原子炉から一次冷却水が送られる冷却水配管(図示せず)が連結され、出口ノズル7Baは、熱交換された後の一次冷却水を加圧水型原子炉に送る冷却水配管(図示せず)が連結される。
蒸気発生器1は、上部胴2bの内部に、給水を蒸気と熱水とに分離する気水分離器9、および分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器10が設けられている。また、上部胴2bの下部であって、気水分離器9と伝熱管群5Aとの間には、外部から下部胴2a内に二次冷却水の給水を行う給水管11が挿入されている。また、蒸気発生器1は、下部胴2aの内部に、給水管11から下部胴2a内に給水された二次冷却水を、下部胴2aと管群外筒3との間を流下させて管板4にて折り返させ、伝熱管群5Aに沿って上昇させる給水路12が形成されている。さらに、蒸気発生器1は、上部鏡2eに、蒸気排出口13が形成されている。なお、蒸気排出口13は、タービンに蒸気を送る冷却水配管(図示せず)が連結され、給水管11は、タービンで使用された蒸気が復水器(図示せず)で冷却された二次冷却水を供給するための冷却水配管(図示せず)が連結される。
この蒸気発生器1では、加圧水型原子炉で加熱された一次冷却水は、入室7Aに送られ、多数の伝熱管5内を通って循環して出室7Bに至る。一方、復水器で冷却された二次冷却水は、給水管11に送られ、胴部2内の給水路12を通って伝熱管群5Aに沿って上昇する。このとき、胴部2内で、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われる。そして、冷やされた一次冷却水は出室7Bから加圧水型原子炉に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部2内を上昇し、気水分離器9で蒸気と熱水とに分離される。そして、分離された蒸気は、湿分分離器10で湿分が除去されてから蒸気排出口13からタービンに送られる。
このような蒸気発生器1は、必要に応じて新しいものと交換される。蒸気発生器1は、上述したように、伝熱管5の内部を原子炉からの一次冷却水が通過するため、伝熱管5は放射線に曝されており放射能を含む。そのため、一般に、交換された古い蒸気発生器1は、放射性廃棄物として、原子力発電設備内の保管庫にそのままの形で一定期間保管される。その後、蒸気発生器1は、解体され、放射性廃棄物の容積が低減された形態で処分される。
図2〜図8は、蒸気発生器の解体手順を示す工程図である。図2に示すように、蒸気発生器1は、処理設備100の床上に、支持架台101によって横置きとされた状態で解体される。蒸気発生器1を横置きにする場合、水室2dにおいて、隔壁8により区画された入室7Aと出室7Bとが水平方向に配置されるようにする。このため、伝熱管5は、U字形状の円弧部がほぼ水平で各端部が水平方向に配置された状態となる。なお、本実施の形態では、横置きとされた蒸気発生器1において、上述の左右方向を幅方向といい符号Wで示し、使用時の上下方向に相当する長手方向を軸方向といい符号Lで示し、上下方向を符号Hで示す。そして、このように処理設備100の床上に横置きとされた蒸気発生器1は、解体に際し、その全体を外側グリーンハウス102によって覆われ、かつ外側グリーンハウス102内において一部をレーザ防護ハウス103で覆われる。外側グリーンハウス102は、天上に開閉可能な開口部が設けられ、当該開口部から天井クレーンの荷役フック104が挿入される。また、レーザ防護ハウス103は、外側グリーンハウス102内を移動可能に設けられている。
蒸気発生器1の解体において、まず、図2に示すように、蒸気発生器1が横置きとされた状態で、水室2dの入室7A内および出室7B内と伝熱管5内とを、例えば、ブラスト除染によって除染する。次いで、上部胴2bを内部部材と共に円錐胴2cから切り離し、荷役フック104を用いて外側グリーンハウス102の外部に搬出する。次いで、円錐胴2cを下部胴2aから切り離し、荷役フック104を用いて外側グリーンハウス102の外部に搬出する。次いで、下部胴2aおよび管群外筒3の一部を切り離し、荷役フック104を用いて外側グリーンハウス102の外部に搬出する。下部胴2aおよび管群外筒3の切り離しは、伝熱管群5Aの円弧部側および横置きされた上側から行われ、図3に示すように、管板4側で伝熱管群5Aの横置きされた下側が残される。これにより、伝熱管群5Aの円弧部側が露出される。なお、下部胴2aおよび管群外筒3の残された部分、管板4および水室2dは、支持架台101による支持のために用いられる。切り離された各部位は、一次冷却水に接触せず放射線に曝されていないが、クリアランス装置で検査した後、別途用意された解体場所において解体され、保管容器(図示せず)に入れられる。
次に、伝熱管5を切断する。伝熱管5の切断は、管板4から遠い側から行う。そのため、伝熱管5のU字形状の円弧部側を予め切断しておく。伝熱管5の円弧部は、1本の両端が同じ向きとされ、1つの管支持板6に挿通支持されている。このため、幅方向Wの両側から各端部を同時に切断することになる。また、切断後の伝熱管5を下方に落下させるため、上下方向Hの最も下側から順次切断を行うことが好ましい。
次に、管支持板6の間にある直線状の伝熱管5を切断する。管支持板6間の伝熱管5の切断には、図4に示す伝熱管解体装置20と門型クレーン40とが用いられる。伝熱管解体装置20は、詳細を後述するが、伝熱管群5Aの幅方向Wおよび上下方向Hを囲む門型のフレーム21が、処理設備100の床に設けられたレール105に沿って軸方向Lに移動可能に設けられている。また、伝熱管解体装置20は、切断装置として、レーザ光を照射して伝熱管5の切断を行うためのレーザヘッド22が、フレーム21に対して軸方向L、幅方向Wおよび上下方向Hに移動可能に設けられている。レーザヘッド22は、軸方向Lに所定の間隔をおいて2台設けられている。また、2台のレーザヘッド22は、幅方向Wにおいて伝熱管群5Aを間においてそれぞれ設けられている。また、図には明示しないが、伝熱管解体装置20は、レーザヘッド22に関し、当該レーザヘッド22から、切断する伝熱管5までの距離を計測する計測器が設けられている。また、伝熱管解体装置20は、切断された伝熱管5を受容する収納容器23が、伝熱管群5Aの下方に位置するようにフレーム21に対して固定されている。門型クレーン40は、伝熱管解体装置20よりも上下方向Hの高い位置に荷役フック40aを有したもので、伝熱管解体装置20の幅方向Wの外側を走行可能に設けられている。
管支持板6間の伝熱管5を切断するには、図4に示すように、切断作業を行う伝熱管5の位置にレーザ防護ハウス103を配置しておく。次に、伝熱管解体装置20を、切断する伝熱管5の位置に移動する。次いで、レーザヘッド22から、切断する伝熱管5までの距離を計測器によって計測する。次いで、レーザヘッド22の位置を切断すべき伝熱管5の位置に移動させる。
レーザヘッド22によって管支持板6間の伝熱管5を切断するには、図5に示すように、2台のレーザヘッド22から照射されるレーザビーム22’を、幅方向Wの外側から伝熱管5に向けて照射し、かつ各管支持板6間での軸方向Lにおいて内側から外側に向けてそれぞれ照射する。そして、このレーザビーム22’を、管支持板6に挿通されている伝熱管5の根元部分に照射することで、管支持板6の間にある直線状の伝熱管5が切断される。そして、切断された伝熱管5は、収納容器23内に落下して収納される。
2台のレーザヘッド22から照射されるレーザビーム22’を、各管支持板6間での軸方向Lにおいて内側から外側に向けてそれぞれ照射すると、図6に示すように、幅方向Wに移動させたレーザヘッド22が切断後の伝熱管5の切株5aに接触することがなく、しかも切断後の伝熱管5の長さ(切株5aの長さ)を同じ長さに揃えることが可能である。
また、管支持板6間の伝熱管5の切断順は、図7に示すように、幅方向Wおよび上下方向Hに直線状に並んで管支持板6に挿通支持されている伝熱管5のうち、幅方向Wの最も外側(伝熱管群5Aの中央から離れる側)であって、上下方向Hの最も下側の位置(a)の伝熱管5から切断し、順次上方の伝熱管5を切断する。そして、幅方向Wの最も外側であって上下方向Hの最も上側の位置(b)の伝熱管5まで切断したら、そのときの幅方向Wの最も外側であって上下方向Hの最も下側の位置(c)の伝熱管5から切断し、幅方向Wの最も外側であって上下方向Hの最も上側の位置(d)の伝熱管5まで順次切断する。また、本実施の形態では、レーザヘッド22を幅方向Wの両側に設けていることから、図7に示すように、幅方向Wの両側から伝熱管5の切断を行うことが可能である。なお、伝熱管5は、図7に示すように、幅方向Wおよび上下方向Hに直線状に並んで管支持板6に挿通支持されている配置の他、図には明示しないが、幅方向Wおよび上下方向Hで半ピッチずれた、いわゆる千鳥状に配置される場合もある。このような場合であっても、上述した切断順で切断する。
管支持板6間の全ての伝熱管5を切断すると、管板4から離れた側の管支持板6が切り離される。この管支持板6は、図8に示すように、門型クレーン40の荷役フック40aによって吊り下げられ、門型クレーン40の移動によって別の場所に搬送され、残された切株5aが取り外されたり、複数個に切断されたりして解体され、保管容器(図示せず)に保管される。
このようにして、管板4側に向け、管支持板6間(および管板4と管支持板6との間)の伝熱管5を順次切断する。このとき、残された下部胴2aおよび管群外筒3も、管板4側に向けて順次解体される。最後に、水室2dは、管板4に固定の伝熱管5の切株5aにカバーが溶接された後、保管庫に移送され、保管される。
図9は、本実施の形態に係る伝熱管解体装置の側面図であり、図10は、図9におけるA−A矢視図であり、図11は、図9におけるB−B矢視図であり、図12は、図9におけるC−C矢視図である。また、図13−1〜図13−5は、本実施の形態に係る伝熱管解体装置の動作の説明図である。
伝熱管解体装置20は、上述したように、長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板6に対して挿通支持された多数の伝熱管5を、管支持板6の間で切断するためのものである。そして、伝熱管解体装置20は、上述したように、フレーム21に対し、レーザヘッド22および収納容器23が設けられている。
レーザヘッド22について詳述すると、レーザヘッド22は、図9および図10に示すように、2台設けられている。2台のレーザヘッド22は、軸方向Lに延在する支持部材22aの端部に取り付けられている。レーザヘッド22は、支持部材22aに対し、図示しないアクチュエータによって水平方向に揺動可能に設けられ、かつ図示しないアクチュエータによって軸方向Lに移動可能に設けられている。また、支持部材22aは、上下方向Hに延在する垂直レール22bに対し、図示しないアクチュエータによって上下方向Hに移動可能に設けられている。また、垂直レール22bは、幅方向Wに延在してフレーム21の天井部に固定された水平レール22cに対し、図示しないアクチュエータによって幅方向Wに移動可能に設けられている。このため、2台のレーザヘッド22は、支持部材22aに対して水平方向に揺動可能であって、軸方向Lに移動可能に取り付けられた状態で、垂直レール22bに沿って上下方向Hに移動可能に設けられ、かつ水平レール22cに沿って幅方向Wに移動可能に設けられている。この結果、上述した管支持板6間の伝熱管5の切断において、各伝熱管5の切断を行うことができる。また、支持部材22aに対して水平方向に揺動可能に取り付けられた状態で、垂直レール22bに沿って上下方向Hに移動可能に設けられた2台のレーザヘッド22は、幅方向Wで2つ設けられ、それぞれが水平レール22cに沿って幅方向Wに移動可能に設けられている。この結果、上述した管支持板6間の伝熱管5の切断において、幅方向Wの両側から各伝熱管5の切断を行うことができる。
また、伝熱管解体装置20は、図9および図11に示すように、フレーム21に対し、固定部24が設けられている。固定部24は、上述した管支持板6間の伝熱管5の切断に際し、管板4側の管支持板6を固定するためのものである。固定部24によって固定される管支持板6は、伝熱管5の切断に際し、その中心から放射方向に延在するように周縁から突出する長板状の腕部6bが、溶接によって固定される。本実施の形態では、腕部6bは、幅方向Wで対称となるように、上斜めに2つ、横下斜めに2つの計4つ設けられている。そして、固定部24は、これら腕部6bが固定される長板状の腕部固定部材24aを有している。腕部固定部材24aは、フレーム21に固定されている。また、フレーム21は、固定部24によって固定される管支持板6の直下となる位置に、幅方向Wに延在する梁部材21aが設けられている。そして、固定部24は、梁部材21aに対して上下方向Hに移動可能に設けられ、当該梁部材21aから上方に突出した状態で、直上の管支持板6に当接して当該管支持板6を支持する支持ボルト24bを有している。このため、固定部24は、腕部固定部材24aおよび支持ボルト24bによって、管支持板6間の伝熱管5の切断に際して管板4側の管支持板6を固定する。
また、伝熱管解体装置20は、図9および図12に示すように、フレーム21に対し、調整部25が設けられている。調整部25は、上述した管支持板6間の伝熱管5の切断に際し、各伝熱管5の配置を均一に揃える態様で、各伝熱管5の切断の各端部に配置された一方の管支持板6(管板4に近い側の管支持板6)と他方の管支持板6(管板4から遠い側の管支持板6)との相対位置を調整するためのものである。本実施の形態では、管板4に近い側の一方の管支持板6が上述した固定部24に固定されることから、管板4から遠い側の他方の管支持板6の位置を調整部25によって調整する。
この調整部25は、各伝熱管5の配置を均一に揃えるため、一方の管支持板6において各伝熱管5を垂直に挿通する基準となる第一軸S1と、他方の管支持板6において各伝熱管5を垂直に挿通する基準となる第二軸S2とを一致させるものである。言い換えると、第一軸S1は、一方の管支持板6の板面に対して垂直に配置された仮想の軸であり、本実施の形態では、一方の管支持板6の中心O上にある。また、第二軸S2は、他方の管支持板6の板面に対して垂直に配置された仮想の軸であり、本実施の形態では、他方の管支持板6の中心O上にある。また、第一軸S1と、第二軸S2とは、各管支持板6の同じ位置にあることとする。そして、調整部25は、第一軸S1と第二軸S2とを一致させるように、傾き調整機構251と、スライド調整機構252と、回転調整機構253とを含み構成されている。
傾き調整機構251は、第一軸S1と第二軸S2とを平行とする態様で他方の管支持板6を傾き移動させるもので、他方の管支持板6を保持する保持板251aと、上下方向Hに沿って延在する第一回転軸R1を中心に保持板251aを回転可能に支持する第一回転支持枠251bと、幅方向Wに沿って延在する第二回転軸R2を中心に第一回転支持枠251bを回転可能に支持する第二回転支持枠251cとを有している。第一回転軸R1と第二回転軸R2とは、互いに直交する関係にある。
具体的に、傾き調整機構251は、矩形状の保持板251aの周りを囲むように、矩形状の第一回転支持枠251bが設けられ、保持板251aの上下方向Hの各端縁と、第一回転支持枠251bの上下方向Hの各枠との間に第一回転軸R1が設けられている。このため、保持板251aと第一回転支持枠251bとは、第一回転軸R1を中心にして相対的に回転可能に設けられている。また、傾き調整機構251は、矩形状の第一回転支持枠251bの周りを囲むように、矩形状の第二回転支持枠251cが設けられ、第一回転支持枠251bの幅方向Wの各枠と、第二回転支持枠251cの幅方向Wの各枠との間に第二回転軸R2が設けられている。このため、第一回転支持枠251bと第二回転支持枠251cとは、第二回転軸R2を中心にして相対的に回転可能に設けられている。また、第二回転支持枠251cは、フレーム21に対して取り付けられている。この結果、傾き調整機構251は、他方の管支持板6を保持する保持板251aを、第一回転軸R1を中心に回転移動させると共に、第二回転軸R2を中心に回転移動させる。
また、傾き調整機構251は、保持板251aの幅方向Wの各端縁と、第一回転支持枠251bの幅方向Wの各枠との間に、保持板251aと第一回転支持枠251bとの第一回転軸R1を中心にした相対的な回転を規制する第一回転規制部251dが設けられている。第一回転規制部251dは、第一回転支持枠251bに固定されて保持板251a側に向けて延在する各板部材に対し、ボルトがねじ込まれて設けられ、当該ボルトの先端が保持板251aに当接するものである。したがって、第一回転規制部251dは、各ボルトの先端が保持板251aに当接することによって、保持板251aと第一回転支持枠251bとの第一回転軸R1を中心にした相対的な回転を規制する。一方、第一回転規制部251dは、各ボルトを回転させ、各ボルトの先端が保持板251aから離隔することによって、保持板251aと第一回転支持枠251bとの第一回転軸R1を中心にした相対的な回転を許容する。このため、第一回転規制部251dを作動させることで、他方の管支持板6を保持する保持板251aを、第一回転軸R1を中心とした所定の回転位置に移動させる(図13−1参照)。なお、第一回転規制部251dは、図示しないアクチュエータによってボルトを回転させてもよい。
また、傾き調整機構251は、第一回転支持枠251bの上下方向Hの各枠と、第二回転支持枠251cの上下方向Hの各枠との間に、第一回転支持枠251bと第二回転支持枠251cとの第二回転軸R2を中心にした相対的な回転を規制する第二回転規制部251eが設けられている。第二回転規制部251eは、第二回転支持枠251cに固定されて第一回転支持枠251b側に向けて延在する各板部材に対し、ボルトがねじ込まれて設けられ、当該ボルトの先端が第一回転支持枠251bに当接するものである。したがって、第二回転規制部251eは、各ボルトの先端が第一回転支持枠251bに当接することによって、第一回転支持枠251bと第二回転支持枠251cとの第二回転軸R2を中心にした相対的な回転を規制する。一方、第二回転規制部251eは、各ボルトを回転させ、各ボルトの先端が第一回転支持枠251bから離隔することによって、第一回転支持枠251bと第二回転支持枠251cとの第二回転軸R2を中心にした相対的な回転を許容する。このため、第二回転規制部251eを作動させることで、他方の管支持板6を保持する保持板251aを、第二回転軸R2を中心とした所定の回転位置に移動させる(図13−2参照)。なお、第二回転規制部251eは、図示しないアクチュエータによってボルトを回転させてもよい。
このように、傾き調整機構251は、保持板251aに保持された他方の管支持板6を、第一回転軸R1や第二回転軸R2を中心に回転移動させることによって、固定部24に固定された一方の管支持板6の第一軸S1に対し、他方の管支持板6の第二軸S2を平行とする。この結果、一方の管支持板6に対して他方の管支持板6が平行な関係となる。
スライド調整機構252は、第一軸S1と第二軸S2とを同一直線上に位置させる態様で他方の管支持板6(上述した第二回転支持枠251c)をスライド移動させるもので、幅方向Wに沿って延在し、第二回転支持枠251cを幅方向Wにスライド移動可能に支持する幅方向スライドレール252aと、当該幅方向スライドレール252aをフレーム21の天井部に対して上下方向Hにスライド移動させる上下方向スライド部252bとを有している。
具体的に、スライド調整機構252は、第二回転支持枠251cに支持されたスライダが幅方向スライドレール252aに沿って幅方向Wにスライドすることによって、第二回転支持枠251c(他方の管支持板6)を幅方向Wにスライド移動させる(図13−3参照)。第二回転支持枠251cを幅方向スライドレール252aに沿って幅方向Wにスライド移動させるには、例えば、フレーム21の側部で幅方向Wにねじ込まれて貫通して設けられ、かつ先端が第二回転支持枠251cの側部に当接する各ボルト252cを設ける。そして、各ボルト252cの回転によって、第二回転支持枠251cをスライド移動させる。なお、スライダを、図示しないアクチュエータによってスライドさせてもよい。また、スライダは、幅方向スライドレール252aをクランプするクランプ機構を有し、幅方向スライドレール252aの所定位置で第二回転支持枠251cのスライド移動を規制できるように構成されていることが好ましい。
また、スライド調整機構252は、フレーム21の天井部に対して上下方向Hに貫通して設けられ、かつ幅方向スライドレール252aの両端部にねじ込まれた各ボルトによって上下方向スライド部252bが構成される。すなわち、各ボルトを回転させることによって、幅方向スライドレール252aと共に第二回転支持枠251c(他方の管支持板6)を上下方向Hにスライド移動させる(図13−4参照)。なお、ボルトを、図示しないアクチュエータによって回転させてもよい。
このように、スライド調整機構252は、第二回転支持枠251cに支持された他方の管支持板6を、幅方向Wや上下方向Hにスライド移動させることによって、上述した傾き調整機構251で第一軸S1に平行とされた第二軸S2を、第一軸S1上に位置させる。この結果、一方の管支持板6に対して他方の管支持板6が真正面に向く関係となる。
回転調整機構253は、第一軸S1と第二軸S2との軸回りの回転方向を合わせる態様で他方の管支持板6を第二軸S2の回りに回転移動させるもので、他方の管支持板6が保持される保持板251aに設けられた円弧状の回転方向スライドレール253aを有している。
具体的に、回転調整機構253は、固定部24に固定するために管支持板6に固定された上述の腕部6bにスライダが設けられ、当該スライダが回転方向スライドレール253aに沿って移動することで、他方の管支持板6を第二軸S2の軸回りに回転移動させる(図13−5参照)。管支持板6を回転方向スライドレール253aに沿って回転移動させるには、例えば、管支持板6にハンドルレバー253bを設け、このハンドルレバー253bにねじ込まれて貫通して設けられ、かつ先端が保持板251aに当接する各ボルト253cを設ける。そして、ボルト253cの先端を保持板251aに対して離隔させることによってハンドルレバー253bによる管支持板6の回転移動が許容される。一方、ボルト253cの先端を保持板251aに対して当接させることによってハンドルレバー253bによる管支持板6の回転移動が規制される。なお、スライダを、図示しないアクチュエータによってスライドさせてもよい。また、スライダは、回転方向スライドレール253aをクランプするクランプ機構を有し、回転方向スライドレール253aの所定位置で管支持板6の回転移動を規制できるように構成されていることが好ましい。
このように、回転調整機構253は、他方の管支持板6を、第二軸S2の軸回りに回転移動させることによって、固定部24に固定された一方の管支持板6の第一軸S1に対し、第二軸S2の軸回りの回転方向を合わせる。この結果、一方の管支持板6に対して他方の管支持板6が軸回りの回転位置が一致する関係となる。
すなわち、上述した調整部25は、傾き調整機構251、スライド調整機構252および回転調整機構253によって、一方の管支持板6の第一軸S1と他方の管支持板6の第二軸S2とを一致させ、各管支持板6間の各伝熱管5の配置を均一に揃える。なお、各管支持板6間の各伝熱管5の配置が均一であるか否かは、例えば、一方の管支持板6から第一軸S1と平行にレーザ光を照射し、このレーザ光を他方の管支持板6で受光することで、第一軸S1と第二軸S2との相互位置を計測する計測器を用いて判断できる。
そして、図14−1は、本実施の形態に係る伝熱管解体装置を用いない場合での伝熱管の切断について示す説明図であり、図14−2は、本発明の実施の形態に係る伝熱管解体装置を用いた場合での伝熱管の切断について示す説明図である。上述したように、解体する蒸気発生器1を横置きにするため、伝熱管群5Aは、管板4から離れた側の端部が下方に撓む傾向にある。このため、伝熱管5を切断する際、図14−1に示すように、切断する伝熱管5の両端側にある各管支持板6の各軸S1,S2が一致しておらず、各伝熱管5の配置が均一でないことがある。伝熱管5の切断に際し、2台のレーザヘッド22は、レーザビーム22’の焦点を伝熱管5の両端部にさせることで、1本の伝熱管5を切断するが、上述した伝熱管解体装置20を用いずに、各伝熱管5の配置が均一でないままであると、伝熱管5を切断する度、レーザヘッド22の位置を調整しなければならず作業効率が低下してしまう。一方、図14−2に示すように、上述した伝熱管解体装置20を用いて各伝熱管5の配置を均一に調整すれば、最初にレーザヘッド22の位置を調整しておけば、そのまま続けて伝熱管5の切断を行うことができ、作業効率を向上することが可能になる。
なお、上述した伝熱管解体装置20は、一方の管支持板6を固定する固定部24と、他方の管支持板6の位置を一方の管支持板6の位置に合わせるように位置調整する調整部25とを備えているが、この限りではない。例えば、管板4に近い一方の管支持板6を調整部25で調整し、管板4から遠い他方の管支持板6を固定部24で固定してもよい。また、各管支持板6をそれぞれ調整部25で調整してもよい。
なお、上述した伝熱管解体装置20の調整部25による調整手順は、最初に傾き調整機構251によって調整を行い、次にスライド調整機構252によって調整を行い、最後に回転調整機構253によって調整を行うことが好ましいが、この手順に限定されるものではなく、必要に応じて各調整機構251,252,253による調整の順を変えてもよい。
なお、上述した伝熱管解体装置20において、調整部25の操作は、手動で行っても自動で行ってもよい。自動の場合、傾き調整機構251は、上述した計測器からの信号に基づき、第一回転規制部251dおよび第二回転規制部251eのアクチュエータを制御して各ボルトを駆動する。また、スライド調整機構252は、上述した計測器からの信号に基づき、幅方向スライドレール252aのアクチュエータおよび上下方向スライド部252bのアクチュエータを制御してスライダおよびボルトを駆動する。また、回転調整機構253は、上述した計測器からの信号に基づき、アクチュエータを制御してスライダを駆動する。
上述したように、本実施の形態の伝熱管解体装置20は、長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板6に対して挿通支持された多数の伝熱管5を、管支持板6の間で切断するためのもので、各伝熱管5の配置を均一に揃える態様で、各伝熱管5の切断の各端部に配置された一方の管支持板6と他方の管支持板6との相対位置を調整する調整部25を備える。
この伝熱管解体装置20によれば、各伝熱管5の配置が均一になることで、各管支持板6の間で各伝熱管5の端部を切断する際、当該切断位置にズレがなく、切断装置の位置を一度調整するだけで、複数の伝熱管5を続けて切断することが可能になる。このため、伝熱管5を切断する作業効率が向上する。この結果、切断する伝熱管5の両端側の各管支持板6の位置を適宜規定し、伝熱管5の切断を容易に行うことが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管解体装置20は、前記調整部25は、各伝熱管5の配置を均一に揃えるため、一方の管支持板6において各伝熱管5を垂直に挿通する基準となる第一軸S1と、他方の管支持板6において各伝熱管5を垂直に挿通する基準となる第二軸S2とを一致させるもので、第一軸S1と第二軸S2とを平行とする態様で少なくとも1つの管支持板6を傾き移動させる傾き調整機構251と、第一軸S1と第二軸S2とを同一直線上に位置させる態様で少なくとも1つの管支持板6をスライド移動させるスライド調整機構252と、第一軸S1と第二軸S2との軸回りの回転方向を合わせる態様で少なくとも1つの管支持板6を軸回りに回転移動させる回転調整機構253と、を含み構成する。
この伝熱管解体装置20によれば、切断する伝熱管5の両端側の各管支持板6の位置を規定するにあたり、各方向での調整に機能分けしたことで、管支持板6の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管5を切断する作業効率を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管解体装置20は、一方の管支持板6を固定する固定部24を有し、前記調整部25によって他方の管支持板6の位置を調整する。
この伝熱管解体装置20によれば、固定部24によって片方の管支持板6を固定することで、もう片方の管支持板6のみ位置を調整すればよいため、管支持板6の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管5を切断する作業効率を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管解体方法は、長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板6に対して挿通支持された多数の伝熱管5を、管支持板6の間で切断するためのもので、各伝熱管5の配置を均一に揃える態様で、各伝熱管5の切断の各端部を支持する一方の管支持板6と他方の管支持板6との相対位置を調整する工程と、次に、一方の管支持板6側の伝熱管5の端部と他方の管支持板6側の伝熱管5の端部とを共に切断する工程と、を含む。
この伝熱管解体方法によれば、各伝熱管5の配置が均一になることで、各管支持板6の間で各伝熱管5の端部を切断する際、当該切断位置にズレがなく、一方の管支持板6側の伝熱管5の端部と他方の管支持板6側の伝熱管5の端部と切断する切断装置の位置を一度調整するだけで、複数の伝熱管5を続けて切断することが可能になる。このため、伝熱管5を切断する作業効率が向上する。この結果、切断する伝熱管5の両端側の各管支持板6の位置を適宜規定し、伝熱管5の切断を容易に行うことが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管解体方法は、一方の管支持板6と他方の管支持板6との相対位置を調整する工程は、各伝熱管5の配置を均一に揃えるため、一方の管支持板6において各伝熱管5を垂直に挿通する基準となる第一軸S1と、他方の管支持板6において各伝熱管5を垂直に挿通する基準となる第二軸S2とを一致させるもので、第一軸S1と第二軸S2とを平行とする態様で少なくとも1つの管支持板6を傾き移動させる工程と、次に、第一軸S1と第二軸S2とを同一直線上に位置させる態様で少なくとも1つの管支持板6をスライド移動させる工程と、次に、第一軸S1と第二軸S2との軸回りの回転方向を合わせる態様で少なくとも1つの管支持板6を自身の軸回りに回転移動させる工程と、を含む。
この伝熱管解体方法によれば、切断する伝熱管5の両端側の各管支持板6の位置を規定するにあたり、各方向での調整に機能分けしたことで、管支持板6の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管5を切断する作業効率を向上することが可能になる。しかも、最初に第一軸S1と第二軸S2とを平行とすることで、次に第一軸S1と第二軸S2とを同一直線上に位置させることが容易であり、さらに、次に第一軸S1と第二軸S2との軸回りの回転方向を合わせることが容易であることから、調整の作業効率を向上することができ、その結果として伝熱管5を切断する作業効率を向上することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管解体方法は、各伝熱管5が長手方向の一端部が管板4に固定されており、各伝熱管5が横置きとされた状態で、各伝熱管5の管板4に近い側の管支持板6を固定し、管板4から遠い側の管支持板6の位置を調整する。
この伝熱管解体方法によれば、片方の管支持板6を固定することで、もう片方の管支持板6のみ位置を調整すればよいため、管支持板6の位置の規定を容易に行うことができ、その結果として、伝熱管5を切断する作業効率を向上することが可能になる。しかも、各伝熱管5が長手方向の一端部が管板4に固定され、各伝熱管5が横置きとされた状態では、伝熱管5の撓みによって管板4から遠い管支持板6の位置がズレることが多いため、管板4に近い側の管支持板6を固定し、管板4から遠い側の管支持板6の位置を調整することで、当該管支持板6の位置ズレを補正し、伝熱管5を水平に近い状態に調整することができるので、伝熱管5の切断を容易に行うことが可能になる。
1 蒸気発生器
4 管板
5 伝熱管
6 管支持板
6b 腕部
20 伝熱管解体装置
21 フレーム
21a 梁部材
22 レーザヘッド
22’ レーザビーム
22a 支持部材
22b 垂直レール
22c 水平レール
23 収納容器
24 固定部
24a 腕部固定部材
24b 支持ボルト
25 調整部
251 傾き調整機構
251a 保持板
251b 第一回転支持枠
251c 第二回転支持枠
251d 第一回転規制部
251e 第二回転規制部
252 スライド調整機構
252a 幅方向スライドレール
252b 上下方向スライド部
252c ボルト
253 回転調整機構
253a 回転方向スライドレール
253b ハンドルレバー
253c ボルト
R1 第一回転軸
R2 第二回転軸
S1 第一軸
S2 第二軸
H 上下方向
L 軸方向
W 幅方向

Claims (6)

  1. 長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板に対して挿通支持された多数の伝熱管を、前記管支持板の間で切断するための伝熱管解体装置であって、
    各前記伝熱管の配置を均一に揃える態様で、各前記伝熱管の切断の各端部に配置された一方の管支持板と他方の管支持板との相対位置を調整する調整部を備えることを特徴とする伝熱管解体装置。
  2. 前記調整部は、各前記伝熱管の配置を均一に揃えるため、前記一方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第一軸と、前記他方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第二軸とを一致させるもので、
    前記第一軸と前記第二軸とを平行とする態様で少なくとも1つの前記管支持板を傾き移動させる傾き調整機構と、
    前記第一軸と前記第二軸とを同一直線上に位置させる態様で少なくとも1つの前記管支持板をスライド移動させるスライド調整機構と、
    前記第一軸と前記第二軸との軸回りの回転方向を合わせる態様で少なくとも1つの前記管支持板を軸回りに回転移動させる回転調整機構と、
    を含み構成することを特徴とする請求項1に記載の伝熱管解体装置。
  3. 前記一方の管支持板を固定する固定部を有し、前記調整部によって前記他方の管支持板の位置を調整することを特徴とする請求項1また2に記載の伝熱管解体装置。
  4. 長尺とされた長手方向の複数箇所が管支持板に対して挿通支持された多数の伝熱管を、前記管支持板の間で切断するための伝熱管解体方法であって、
    各前記伝熱管の配置を均一に揃える態様で、各前記伝熱管の切断の各端部を支持する一方の管支持板と他方の管支持板との相対位置を調整する工程と、
    次に、前記一方の管支持板側の前記伝熱管の端部と前記他方の管支持板側の前記伝熱管の端部とを共に切断する工程と、
    を含むことを特徴とする伝熱管解体方法。
  5. 前記一方の管支持板と前記他方の管支持板との相対位置を調整する工程は、各前記伝熱管の配置を均一に揃えるため、前記一方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第一軸と、前記他方の管支持板において各前記伝熱管を垂直に挿通する基準となる第二軸とを一致させるもので、
    前記第一軸と前記第二軸とを平行とする態様で少なくとも1つの前記管支持板を傾き移動させる工程と、
    次に、前記第一軸と前記第二軸とを同一直線上に位置させる態様で少なくとも1つの前記管支持板をスライド移動させる工程と、
    次に、前記第一軸と前記第二軸との軸回りの回転方向を合わせる態様で少なくとも1つの前記管支持板を自身の軸回りに回転移動させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の伝熱管解体方法。
  6. 各前記伝熱管が長手方向の一端部が管板に固定されており、各前記伝熱管が横置きとされた状態で、各前記伝熱管の前記管板に近い側の前記管支持板を固定し、前記管板から遠い側の前記管支持板の位置を調整することを特徴とする請求項4または5に記載の伝熱管解体方法。
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