JP2012167924A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速な快適性の獲得あるいは回復を第1の目的とする。また電力消費の低減を第2の目的とする。
【解決手段】暖房運転において、時刻tE以前では、目標温度T*として所望温度Tdが採用され、実測温度Trが所望温度Td近傍で維持され、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されている。時刻tEにおいて外乱が発生し、実測湿度Hrが低下し始め、室内指数Prも低下する。室内指数Prを高めるため、実測湿度Hrの変動を補償する方向に実測湿度Trを変動させるべく、目標温度T*を上昇方向に変化させる。
【選択図】図9

Description

この発明は空気調和機に関する。
従来から、空気調和の対象となる室内の所望温度及び所望湿度を設定し、これらに基づいて空気調和を行う空気調和機が提案されている。
特開平4−320750号公報
しかし、室内の実測温度が所望温度に到達することと比較して、一般的な居住空間において必要とされる加湿能力では、室内の実測湿度は所望湿度への到達に時間がかかる。また、実測温度と比較すると実測湿度の方が、外乱によって変動した後の空気調和運転による回復が遅い。
すなわち従来の技術においては、快適性を得たり、快適性が回復したりするまでに必要な時間が、室内湿度の制御に大きく依存するという問題があった。
そこで本願は迅速な快適性の獲得あるいは回復を第1の目的とする。また電力消費の低減を第2の目的とする。
この発明にかかる空気調和機は、空気調和の対象となる室内の所望温度(Td)及び所望湿度(Hd)を設定する室内環境設定部(14)と、前記所望温度と、前記所望湿度及び前記室内の実測湿度(Hr)とに基づいて、前記空気調和の運転における目標温度(T*)を設定する目標温度設定部(11)と、前記目標温度に基づいて前記室内の温度制御運転を行う温度制御運転部(12)とを備える。
そしてその第1の態様では、前記目標温度設定部は、前記目標温度として前記所望温度が採用され、前記室内の実測温度(Tr)が前記所望温度近傍で維持されて、前記実測湿度が前記所望湿度近傍で維持されている状態から、前記実測湿度が前記所望湿度よりも第1所定値(δ3,δ6)以上で第1方向に乖離したことを契機として、前記目標温度を前記所望温度よりも第2方向に向けて変更し(S22,S23)、前記目標温度が前記所望温度よりも前記第2方向へと乖離する状態において、前記実測湿度と前記所望湿度との乖離が第2所定値(δ3,δ6)以内に収まったことを契機として、前記目標温度を第1方向に向けて変更し(S24,S25)する。前記第1方向と前記第2方向とは反対の方向である。
前記温度制御運転が暖房運転であれば前記第1の方向及び前記第2の方向はそれぞれ下降方向及び上昇方向であり、前記温度制御運転が冷房運転または除湿運転であれば前記第1の方向及び前記第2の方向はそれぞれ上昇方向及び下降方向である。望ましくは、前記目標温度の変更は段階的に行われる。
この発明にかかる空気調和機の第2の態様は、その第1の態様であって、前記所望湿度に基づいて湿度制御運転を行う湿度制御運転部(13)を更に備える。そして前記実測湿度(Hr)が前記所望湿度(Hd)よりも低い場合には、前記湿度制御運転部が加湿運転を行う。前記室内の実測温度(Tr)が前記所望温度(Td)よりも低い場合には、前記温度制御運転部が前記温度制御運転として暖房運転を行う。
この発明にかかる空気調和機の第3の態様は、その第1乃至第2の態様のいずれかであって、前記実測湿度(Hr)が前記所望湿度(Hd)よりも高い、あるいは、前記室内の実測温度(Tr)が前記所望温度(Td)よりも高い場合には、前記温度制御運転部が前記温度制御運転として冷房運転を行う。
この発明にかかる空気調和機の第1の態様によれば、空気調和運転に対する外乱によって、室内温度よりも室内湿度が大きく変動する。よって室内湿度の変動を補償させる方向に室内温度を変動させて快適性の悪化が進行することを抑制しつつ、電力消費を抑制する。目標温度の変更を段階的にすることにより、目標温度の急激な変動により快適性が失われる事態を回避する。
この発明にかかる空気調和機の第2の態様によれば、暖房運転において加湿運転が行われることにより湿度を高め、室内環境に早期に快適性を与える。
この発明にかかる空気調和機の第3の態様によれば、空気調和において冷房時には室内の水蒸気が結露等によって液化し、以て室内の実測湿度が低下し、室内環境に快適性が与えられる。
この発明にかかる空気調和機の構成を示すブロック図である。 PMVを説明するグラフである。 この発明の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態における処理を例示するフローチャートである。 この発明の第1の実施の形態における動作を説明するグラフである。 この発明の第2の実施の形態における動作を説明するグラフである。 この発明の第3の実施の形態における動作を説明するグラフである。 この発明の第4の実施の形態における動作を説明するグラフである。 この発明の第5の実施の形態及び第6の実施の形態における処理を例示するフローチャートである。 この発明の第5の実施の形態における動作を説明するグラフである。 この発明の第6の実施の形態における動作を説明するグラフである。 従来の空気調和機の動作を説明するグラフである。 従来の空気調和機の動作を説明するグラフである。 本実施の形態の空気調和機として採用できる空気調和機の全体外観図である。 室内機及び室外空調ユニットの冷媒回路の構成と、加湿ユニットの構成と、空気流れとを示す図である。 空気調和機の制御ブロック図である。
図1に例示されるように、空気調和機10は目標温度設定部11、温度制御運転部12、湿度制御運転部13、室内環境設定部14、室内湿度センサ15、室内温度センサ16、総合制御部17を備えている。
目標温度設定部11は、空気調和の対象となる室内の所望温度Td及び所望湿度Hd、並びに当該室内の実測湿度Hrとに基づいて、空気調和の運転における目標温度T*を設定する。
温度制御運転部12は、目標温度T*に基づいて当該室内の温度制御運転を行う。温度制御運転として、暖房運転及び冷房運転の少なくともいずれか一方が採用される。具体的には例えば、暖房運転採用時には、当該室内の実測温度Trが所望温度Tdよりも低い場合に、温度制御運転部12が温度制御運転を行う。また、冷房運転採用時には、実測温度Trが所望温度Tdよりも高い場合に、温度制御運転部12が温度制御運転を行う。後述する実施の形態においては、実測湿度Hrが所望湿度Hdよりも高い場合における冷房運転が例示されている。なお、各実施の形態においては、湿度として相対湿度を採用している。
湿度制御運転部13は、所望湿度Hdに基づいて当該室内の温度制御運転を行う。より具体的には例えば、温度制御運転が暖房運転であって、実測湿度Hrが所望湿度Hdよりも低い場合に、湿度制御運転部13が加湿運転を行う。なお、本実施の形態において湿度は全て相対湿度を意味する。
室内環境設定部14は、所望温度Td及び所望湿度Hdを設定する。室内環境設定部14は例えば外部から所望温度Tdと所望湿度Hdの入力を受ける入力部として機能する。あるいは室内環境設定部14は所望温度Tdのみを入力し、快適性を示す指数、例えば予想平均申告(以下「指数PMV(Predicted Mean Vote)」と称す)に基づいて所望湿度Hdを設定する。なお本実施の形態では快適性が得られていることを、指数PMVが−0.5以上、+0.5以下の範囲にあることを以て判断する。
指数PMVは、代謝量、衣服の熱抵抗、放熱量、気温、湿度、風速の6因子で決定されるが、ここでは気温、湿度の影響のみを考慮している。すなわち、ここでは当該室内における指数PMVは簡易に、実測湿度Hr、実測温度Trで決定されるとした。他の4つのパラメータについては基準値を用いて制御を行ってもよい。
図2に示されたグラフでは、横軸に所望湿度Hdを、縦軸に所望温度Tdをそれぞれ選定し、指数PMVが0となる領域R0、指数PMVが−0.5以上、+0.5以下となる領域R1を模式的に示した。空気調和により実測湿度Hr、実測温度Trが、それぞれ領域R0、R1を規定する所望湿度Hd、所望温度Tdとなれば、快適性が獲得されたものとする。
例えば、PMV=0の快適性を獲得するためには、室内環境設定部14に所望温度Tdとして温度Td0が入力された場合には、室内環境設定部14は湿度Hd1以上かつ湿度Hd2以下の範囲で所望湿度Hdを設定する。
あるいは室内環境設定部14は快適性を示す指数を入力し、これと実測温度Trとに基づいて自動的に所望温度Td及び所望湿度Hdを設定する。あるいは室内環境設定部14は実測温度Trに基づいて自動的に所望温度Td及び所望湿度Hdを設定する。あるいは室内環境設定部14は自動的に所望温度Td及び所望湿度Hdを設定する。
ここでは、実測温度Tr及び実測湿度Hrがそれぞれ所望温度Td及び所望湿度Hdである場合、指数PMVは0であるとする。
室内湿度センサ15及び室内温度センサ16は、それぞれ実測湿度Hr及び実測温度Trを測定する。
総合制御部17は目標温度設定部11、温度制御運転部12、湿度制御運転部13、室内環境設定部14の動作、あるいは更に室内湿度センサ15、室内温度センサ16の動作を制御する。
総合制御部17は、あるいは更に目標温度設定部11も含め、マイクロコンピュータと記憶装置を含んで構成される。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。また、統合制御部17はこれに限らず、統合制御部17によって実行される各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
上述の空気調和機10は下記の第1乃至第6の実施の形態における空気調和の主体として共通に採用できる。但し、後述するように、冷房運転について説明する第2、第4、第6の実施の形態においては湿度制御運転部13は必ずしも設けられる必要はない。
第1の実施の形態.
本実施の形態では、まず従来の暖房運転の動作を説明し、これを踏まえて本実施の形態における暖房運転の動作を説明する。
図11は従来の暖房運転の動作を説明するグラフであって横軸に時間をとる。上側のグラフでは左縦軸に温度を、右縦軸に湿度を、下側のグラフでは縦軸に指数PMVを採っている。かかる軸の採用は他の図面についても共通している。
また図11及び以降のグラフにおいて時間帯BCは快適性が得られている時間帯、すなわち指数PMVが−0.5以上、+0.5以下の範囲内にある時間帯を示す。そして時間帯BEは時間帯BCのうち、電力消費が低減されている領域を示す。
時刻t0において実測温度Trは値Tr0、実測湿度Hrは値Hr0、室内の指数PMVである室内指数Prは値Pr0である。そして所望温度Tdは実測温度Trよりも高く、時刻t0において空気調和運転として加湿運転を伴った暖房運転を開始する。目標温度T*は所望温度Tdに等しく設定され、温度制御運転部12は暖房運転、すなわち実測温度Trを上昇させる運転を行う。所望湿度Hdは実測湿度Hrよりも高く、湿度制御運転部13は加湿運転を行い、実測湿度Hrを上昇させる。
そして時刻t01において実測温度Trは目標温度T*(ここではすなわち所望温度Td)に到達するが、実測湿度Hrの上昇が低速なため、室内指数Prはまだ−0.5にも到達していない。しかし時刻t01の後も実測湿度Hrは上昇し続け、時刻t02において室内指数Prは−0.5に到達する。よって時間帯BCは時刻t02から開始する。
その後、更に実測湿度Hrは上昇し続け、時刻t03において実測湿度Hrは所望湿度Hdに到達して室内指数Prは0となる。これにより、室内環境は最適となったため、湿度制御運転部13は加湿運転を停止する。よって時間帯BEは時刻03から開始する。
さて、図3を用いて本実施の形態の動作を説明する。まずステップS11において室内環境設定部14に所望温度Td、あるいは更に所望湿度Hd、あるいは指数PMVを入力する。ステップS11で得られた情報を用いて室内環境設定部14は所望温度Td及び所望湿度Hdを設定する。上述のようにこれらの情報を用いずに、例えば実測温度Trに基づいて室内環境設定部14は所望温度Td及び所望湿度Hdを設定してもよい。この場合における実測温度Trの測定は図3において省略している。
そしてステップS12において室内湿度センサ15を用いて実測湿度Hrを測定する。ステップS13において目標温度設定部11は、所望温度Td及び所望湿度Hd並びに実測湿度Hrに基づいて目標温度T*を設定する。図3において「T*(Td,hd,hr)」との表記は、目標温度T*が所望温度Td及び所望湿度Hd並びに実測湿度Hrの関数であることを示しているが、必ずしも定式化することを前提としていない。例えばテーブルによって目標温度T*を設定してもよい。暖房運転において目標温度T*は、所望温度Tdよりも高く設定され、ステップS14において、当該目標温度T*を用いて温度制御運転たる暖房運転が開始される。
なお、例えば、ステップS13において、所望湿度Hdと実測湿度Hrとの差を計測し、その差が所定値以上の場合には上記の目標温度設定(目標温度T*>所望温度Td)で運転することとし、その差が所定値以下の場合には上記の従来の制御(目標温度T*=所望温度Td)で運転するようにしてもよい。
ここまでの動作を図4を用いて説明する。図11と同様にして時刻t0において実測温度Trは値Tr0、実測湿度Hrは値Hr0、室内指数Prは値Pr0である。時刻t0において空気調和運転として加湿運転を伴った暖房運転を開始する。
空気調和機10による空気調和運転以外の要因が図11に示された動作が行われる状況と同じであれば、実測湿度Hrの上昇速度は図4に示された場合も図11に示された場合も大きな相違はない。しかし図4に示された目標温度T*は図11に示された場合(すなわち所望温度Tdと等しい場合)よりも高い温度Twに設定されるので、実測温度Trはより迅速に上昇する。その結果、室内指数Prも急激に上昇し、時刻t02よりも早い時刻t11に室内指数Prが−0.5に到達する。これにより時間帯BCが早期に開始し、迅速な快適性の獲得が実現される。
このように、暖房運転の開始時点における暖房運転の目標温度T*を、所望温度Tdよりも高い温度Twに設定することにより、実測温度Trを所望温度Td側へ速やかに移行させることができる。換言すれば実測湿度Hrの上昇の遅さを、実測温度Trの上昇の速さで補償し、以て迅速に快適な室内環境が得られることになる。
さて、時刻t11の後も加湿運転は続行され、実測湿度Hrが上昇し、これに伴って室内指数Prも上昇する。しかしながら室内指数Prは−0.5以上であれば過剰に大きくする必要はなく、また+0.5以上となればかえって快適性が損なわれる。そこで目標温度T*を所望温度Tdへ向けて低く変更し、電力消費の増大を抑制する。
しかし実測湿度Hrが低い状態で目標温度T*を低下させると、室内指数Prが過剰に低下し、快適性が損なわれる。そこで所望湿度Hdよりも所定値δ1だけ小さい値(Hd−δ1)を閾値とし、実測湿度Hrがこれに到達した時点を契機として、目標温度T*を所望温度Tdに向けて変更する。図4に即して言えば、時刻t11の後に時刻t12において実測湿度Hrが閾値(Hd−δ1)に到達し、目標温度T*が所望温度Tdに一致する。これにより、実測温度Trは低下し、室内指数Prも低下する。
もちろん、実測温度Trの低下による室内指数Prの低下が過剰となって−0.5を下回ることは避けることが望ましい。よって例えば閾値(Hd−δ1)は、実測温度Trが所望温度Tdに一致した状態でも室内指数Prが−0.5以上の値となるように選定されることが望ましい。図2を参照して理解されるように、ある所望温度Td0に対して室内指数Prが−0.5以上の値となる所望湿度には範囲があり、この範囲内に閾値(Hd−δ1)を求めることは困難ではない。
上記動作を図3に即して言えば、ステップS14の後、ステップS15において実測湿度Hrと所望湿度Hdとについて判断が行われる。ステップS15では実測湿度Hrと所望湿度Hdの差の絶対値が値δ以下となるか否かが判断されており、値δは上述の所定値δ1を示す。暖房運転においては実測湿度Hrが所望湿度Hd以下であるので、ステップS15の判断は、上述した実測湿度Hrが閾値(Hd−δ1)に到達したか否かを判断することとなる。
そしてステップS15における判断結果が否定的な場合にはステップS15が繰り返され続け、目標温度T*は更新されない。ステップS15における判断結果が肯定的となると(図4の時刻t12)ステップS16へと処理が進む。
ステップS16では、目標温度T*は所望温度Tdに近づけられる。具体的には、本実施の形態では目標温度T*は所望温度Tdに設定される。そしてステップS17において温度制御運転として暖房運転が続行される。
図4に戻り、時刻t12以降は室内指数Prも低下するが、時刻t13において実測温度Trが所望温度Tdに到達すると、温度制御運転部12の周知の温度調整動作によってそれ以下には実測温度は低下せず、ほぼ所望温度Tdをとり続ける。他方、時刻t12以降も加湿動作は継続しており、実測湿度Hrは上昇し続けるので、時刻t13から室内指数Prは上昇に転じる。そして時刻t14において実測湿度Hrが所望湿度Hdに到達すると室内指数PMVは0となり、加湿動作は停止し、時間帯BEが開始することになる。このような加湿動作の停止は従来技術と同様であるため、図3のフローチャートでは割愛した。
以上のように、本実施の形態によれば、時間帯BEが遅れることなく、時間帯BCが早期に開始するので、迅速な快適性を獲得しつつ、電力消費が低減される。
また、室内環境の快適性は室内温度と室内湿度を要因とするところ、実測湿度Hrの変動によって快適性が得られたことを契機として目標温度T*を所望温度Tdへと変更するので、快適性を得つつも省電力に資する。更に、目標温度T*を用いて運転を行い続けることで過度の温度調節が行われ、却って快適性を失うことも回避される。
また暖房運転において加湿運転が行われることにより実測湿度Hrを高め、室内環境に早期に快適性を与える。
第2の実施の形態.
本実施の形態では、まず従来の冷房運転の動作を説明し、これを踏まえて本実施の形態における冷房運転の動作を説明する。
図12は従来の冷房運転の動作を説明するグラフである。時刻t0において実測温度Trは値Tr0、実測湿度Hrは値Hr0、室内指数Prは値Pr0である。そして所望温度Tdは実測温度Trよりも低く、時刻t0において温度制御運転部12は空気調和運転として冷房運転、すなわち実測温度Trを低下させる運転を開始する。目標温度T*は所望温度Tdに等しく設定される。
所望湿度Hdは実測湿度Hrよりも低いが、暖房運転とは異なり、別途に湿度制御運転部13を設ける必要はない。冷房運転においては室内の水蒸気が結露等によって液化し、以て室内の実測湿度が低下するため、温度制御運転部12によって実質的な除湿動作が可能となり、室内に快適性をもたらすからである。もちろん、湿度制御運転部13を設けてこれに除湿運転をさせてもよい。
時刻t0において冷房運転を開始する。そして時刻t91において実測温度Trは目標温度T*(ここではすなわち所望温度Td)に到達し、その後の温度制御運転部12は、実質的には除湿動作を行うことになる。但し実測湿度Hrの下降が低速なため、室内指数Prはまだ−0.5にも到達していない。しかし時刻t91の後も実測湿度Hrは低下し続け、時刻t92において室内指数Prは+0.5に到達する。よって時間帯BCは時刻t92から開始する。
その後、更に実測湿度Hrは下降し続け、時刻t93において実測湿度Hrは所望湿度Hdに到達して室内指数Prは0となる。これにより、室内環境は最適となったため、温度制御運転部12は実質的な除湿動作を停止する。あるいは湿度制御運転部13を設けている場合には、その除湿運転を停止する。よって時間帯BEは時刻93から開始する。
本実施の形態の動作も図3を用いて説明される。ステップS11,S12,S13の動作は既述の通りである。但し冷房運転において目標温度T*は、所望温度Tdよりも低く設定され、ステップS14において、当該目標温度T*を用いて温度制御運転たる冷房運転が開始される。
なお、例えば、所望湿度Hdと実測湿度Hrとの差を計測し、その差が所定値以上の場合には上記の目標温度設定(目標温度T*<所望温度Td)で運転することとし、その差が所定値以下の場合には上記の従来の制御(目標温度T*=所望温度Td)で運転するようにしてもよい。
ここまでの動作を図5を用いて説明する。図12と同様にして時刻t0において実測温度Trは値Tr0、実測湿度Hrは値Hr0、室内指数Prは値Pr0である。時刻t0において空気調和運転として冷房運転を開始する。
空気調和機10による空気調和運転以外の要因が図12に示された動作が行われる状況と同じであれば、実測湿度Hrの下降速度は図5に示された場合も図12に示された場合も大きな相違はない。しかし図5に示された目標温度T*は図12に示された場合(すなわち所望温度Tdと等しい場合)よりも低い温度Tcに設定されるので、実測温度Trはより迅速に下降する。その結果、室内指数Prも急激に下降し、時刻t92よりも早い時刻t41に室内指数Prが+0.5に到達する。これにより時間帯BCが早期に開始し、迅速な快適性の獲得が実現される。
このように、冷房運転の開始時点における冷房運転の目標温度T*を、所望温度Tdよりも低い温度Tcに設定することにより、実測温度Trを所望温度Td側へ速やかに移行させることができる。換言すれば実測湿度Hrの下降の遅さを、実測温度Trの下降の速さで補償し、以て迅速に快適な室内環境が得られることになる。
さて、時刻t41の後も実測湿度Hrが下降し、これに伴って室内指数Prも下降する。しかしながら室内指数Prは+0.5以下であれば過剰に小さくする必要はなく、また−0.5以下となればかえって快適性が損なわれる。そこで目標温度T*を所望温度Tdへ向けて高く変更し、電力消費の増大を抑制する。
しかし実測湿度Hrが高い状態で目標温度T*を上昇させると、室内指数Prが過剰に上昇し、快適性が損なわれる。そこで所望湿度Hdよりも所定値δ4だけ大きい値(Hd+δ4)を閾値とし、実測湿度Hrがこれに到達した時点を契機として、目標温度T*を所望温度Tdに向けて変更する。図5に即して言えば、時刻t41の後に時刻t42において実測湿度Hrが閾値(Hd+δ4)に到達し、目標温度T*が所望温度Tdに一致する。これにより、実測温度Trは上昇し、室内指数Prも上昇する。
もちろん、実測温度Trの上昇による室内指数Prの上昇が過剰となって+0.5を上回ることは避けることが望ましい。よって例えば閾値(Hd+δ4)は、実測温度Trが所望温度Tdに一致した状態でも室内指数Prが+0.5以下の値となるように選定されることが望ましい。第1実施の形態と同様に、閾値(Hd+δ4)を求めることは困難ではない。
上記動作を図3に即して言えば、ステップS14の後、ステップS15において実測湿度Hrと所望湿度Hdとについて判断が行われる。ステップS15では実測湿度Hrと所望湿度Hdの差の絶対値が値δ以下となるか否かが判断されており、値δは上述の所定値δ4を示す。暖房運転においては実測湿度Hrは所望湿度Hd以上であるので、ステップS15の判断は、上述した実測湿度Hrが閾値(Hd+δ4)に到達したか否かを判断することとなる。
そしてステップS15における判断結果が否定的な場合にはステップS15が繰り返され続け、目標温度T*は更新されない。ステップS15における判断結果が肯定的となると(図4の時刻t42)否定的な場合にはステップS16へと処理が進む。
ステップS16では、目標温度T*は所望温度Tdに近づけられる。具体的には、本実施の形態では目標温度T*は所望温度Tdに設定される。そしてステップS17において温度制御運転として冷房運転が続行される。
図5に戻り、時刻t42以降は室内指数Prも上昇するが、時刻t43において実測温度Trが所望温度Tdに到達すると、温度制御運転部12の周知の温度調整動作によってそれ以上には実測温度Trは上昇せず、ほぼ所望温度Tdをとり続ける。他方、時刻t42以降も実質的な除湿動作は継続しており、実測湿度Hrは低下し続けるので、時刻t43から室内指数Prは下降に転じる。そして時刻t44において実測湿度Hrが所望湿度Hdに到達すると室内指数PMVは0となり、実質的な除湿動作は停止し、時間帯BEが開始することになる。このような除湿動作の停止は従来技術と同様であるため、図3のフローチャートでは割愛した。
なお、実測温度Trを所望温度Tdに維持するとき、再熱除湿運転を採用し、除湿機能を維持してもよい。
実測温度Trが所望温度Tdに到達した後は、温度制御運転部12が通常備える室内ファンを自動的に弱風にし、潜熱運転を中心とする制御へと変動させてもよい。かかる制御による冷房運転は通例的に、冷房ドライ運転、除湿冷房運転と称される。
以上のように、本実施の形態も第1の実施の形態と同様にして、迅速な快適性を獲得しつつ、電力消費が低減される。また、実測湿度の変動によって快適性が得られたことを契機として目標温度を所望温度へと変更するので、快適性を得つつも省電力に資する。更に、目標温度を用いて運転を行い続けることで過度の温度調節が行われ、却って快適性を失うことも回避される。
第3の実施の形態.
本実施の形態では暖房運転において図3に示されたステップS16の他の例を説明する。具体的には目標温度T*を所望温度Tdへと、段階的に近づける。
図6では時刻t0に目標温度T*として温度Tw(>Td>Tr)を採用して暖房運転が開始され(図3のステップS13,S14参照)、実測温度Trが目標温度T*に到達する前に室内指標Prが−0.5に到達した場合を例示している。つまり時間帯BCは時刻t20から開始する。
その後、時刻t21に実測温度Trが目標温度T*に到達すると、温度制御運転部12の周知の温度調整動作によってそれ以上には実測温度Trは上昇せず、ほぼ目標温度T*をとり続ける。
他方、実測湿度Hrは上昇し続け、時刻t22aにおいて所望湿度Hdよりも所定値δ2だけ小さい値(Hd−δ2)に到達する。これを契機として目標温度T*を所望温度Tdに向けて変更する。本実施の形態に即して言えば、図3のステップS15における値δは所定値δ2を示す。
より具体的には目標温度T*を新たな温度Tw’(Tw>Tw’>Td)に再設定する。これにより実測温度Trは低下し、時刻t22bにおいて目標温度T*(すなわち温度Tw’)に到達する。これを契機として目標温度T*を更に低下させ、所望温度Tdに再設定する。これにより実測温度Trは低下し、時刻t23において目標温度T*(すなわち所望温度Td)に到達する。
時刻t22aから実測温度Trは低下し、室内指数Prも低下する。実測湿度Hrは上昇し続けてはいるものの、実測温度Trの低下が顕著であれば、室内指数が低下しすぎる可能性もある。そこでこのように段階的に目標温度T*を推移させ、目標温度T*の急激な変動、ひいては実測温度Trの急激な変動により快適性が失われる事態を回避する。
さらに時刻t24において実測湿度Hrは所望湿度Hdに到達し、加湿運転を停止することで電力消費を低減する。これにより、時刻t24から時間帯BEが開始する。
上述の例では時刻t20が時刻t21よりも早い場合を例示したが、第1実施の形態と同様に時刻t20は時刻t21と同時であってもよいし、これより後であってもよい。但し時刻t20は時刻t22aよりも早いことが望ましい。目標温度T*の低下に先だって快適性を得ることが望ましいからである。
第4の実施の形態.
本実施の形態では冷房運転において図3に示されたステップS16の他の例を説明する。具体的には目標温度T*を所望温度Tdへと、段階的に近づける。
図7では時刻t0に目標温度T*として温度Tc(<Td<Tr)を採用して冷房運転が開始され(図3のステップS13,S14参照)、実測温度Trが目標温度T*に到達する前に室内指標Prが+0.5に到達した場合を例示している。つまり時間帯BCは時刻t50から開始する。
その後、時刻t51に実測温度Trが目標温度T*に到達すると、温度制御運転部12の周知の温度調整動作によってそれ以上には実測温度Trは下降せず、ほぼ目標温度T*をとり続ける。
他方、冷房運転時の実質的な除湿動作により、実測湿度Hrは下降し続け、時刻t52aにおいて所望湿度Hdよりも所定値δ5だけ大きい値(Hd+δ5)に到達する。これを契機として目標温度T*を所望温度Tdに向けて変更する。本実施の形態に即して言えば、図3のステップS15における値δは所定値δ5を示す。
より具体的には目標温度T*を新たな温度Tc’(Tc<Tc’<Td)に再設定する。これにより実測温度Trは上昇し、時刻t52bにおいて目標温度T*(すなわち温度Tc’)に到達する。これを契機として目標温度T*を更に上昇させ、所望温度Tdに再設定する。これにより実測温度Trは上昇し、時刻t53において目標温度T*(すなわち所望温度Td)に到達する。
時刻t52aから実測温度Trは上昇し、室内指数Prも上昇する。実測湿度Hrは下降し続けてはいるものの、実測温度Trの上昇が顕著であれば、室内指数Prが上昇しすぎる可能性もある。そこでこのように段階的に目標温度T*を推移させ、目標温度の急激な変動、ひいては実測温度Trの急激な変動により快適性が失われる事態を回避する。
さらに時刻t54において実測湿度Hrは所望湿度Hdに到達し、実質的な除湿運転を停止することで電力消費を低減する。これにより、時刻t54から時間帯BEが開始する。
上述の例では時刻t50が時刻t51よりも早い場合を例示したが、第2実施の形態と同様に時刻t50は時刻t51と同時であってもよいし、これより後であってもよい。但し時刻t50は時刻t52aよりも早いことが望ましい。目標温度T*の上昇に先だって快適性を得ることが望ましいからである。
なお、本実施の形態でも第2の実施の形態と同様に再熱除湿運転を採用し、除湿機能を維持してもよい。また冷房ドライ運転、除湿冷房運転を採用してもよい。
第5の実施の形態.
本実施の形態では、目標温度T*として所望温度Tdが採用され、実測温度Trが所望温度Td近傍で維持されて、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されている状態から、外乱により、実測湿度が所望湿度よりも所定値以上に低下した場合の暖房運転について説明する。
具体的には、快適性が維持されている状態において、窓の開閉により冷たく乾燥した外気が単発的に室内に導入されて快適性が維持されなくなった場合に、快適性を回復する暖房運転について説明する。
本実施の形態において図8のステップS21は、温度制御運転として暖房運転が続行されていることを示している。この状況は図9では時刻tEよりも前の状態として示される。すなわち時刻tEよりも前では、目標温度T*として所望温度Tdが採用され、実測温度Trが所望温度Td近傍で維持され、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されている。そして図9において時刻tEは外乱の発生時点を示している。
一般に暖房運転の能力は加湿運転の能力よりも高く、外乱は実測温度Trよりも実測湿度Hrに大きな影響を与える。よって実測温度Trはほぼ所望温度Tdを維持する一方、時刻tEにおいて加湿運転を開始しても、実測湿度Hrが低下し始める。よって実測湿度Hrの変動を補償する方向に実測温度Trを変動させ、快適性の悪化が進行することを抑制する。
図9において、実測湿度Hrは時刻t31aにおいて、所望湿度Hdよりも所定値δ3低い湿度(Hd−δ3)に到達する。これを契機として目標温度T*は所望温度Tdよりも高い温度Tw1に変更する。つまり、実測湿度Hrが所望湿度Hdから下降方向に乖離したことによる快適性への影響を、実測温度Trを上昇方向に変化させることで補償するのである。
このように時刻tE以降では目標温度T*の上昇のみならず、加湿運転を開始するので、時間帯BEは時刻tEで終了する。
図8でこの動作を説明すると、ステップS22において実測湿度Hrと所望湿度Hdとの差の絶対値が所定値δ以上であるか否かが判断される。本実施の形態に即して言えば、値δは上述の所定値δ3を示す。暖房運転においては実測湿度Hrが所望湿度Hd以下であるので、ステップS22の判断は、上述した実測湿度Hrが閾値(Hd−δ3)に到達したか否かを判断することとなる。
所定値δ3は、実測湿度Hrが閾値(Hd−δ3)を、実測温度Trが所望温度Tdを採るときに室内指数Prが−0.5となるように設定される。つまり実測湿度Hrが閾値(Hd−δ3)に到達したか否かは室内の快適性が保たれているか否かを示すことになる。
そしてステップS22における判断結果が否定的な場合にはステップS22が繰り返され続け、目標温度T*は更新されない。ステップS22における判断結果が肯定的となると(図9の時刻t31a)ステップS23へと処理が進む。ステップS23では目標温度T*が温度Tw1へと変更される。
湿度制御運転部13の加湿運転により、実測湿度Hrの減少は緩慢となる。また目標温度T*が温度Tw1に変更されることにより、実測温度Trが上昇する。よって室内指数Prは下降から上昇に転じる。しかしまだ、実測湿度Hrが閾値(Hd−δ3)よりも低い間は、実測温度Trを上昇させ、早期に快適性を回復させることが望ましい。よって、ステップS24では実測湿度Hrと所望湿度Hdとの差の絶対値が所定値δ未満であるか否かを判断し、当該判断の結果が否定的であれば目標値を更新させずに暖房運転及び加湿運転を継続させる。
但し、図9では、より早急に実測温度Trを上昇させるため、時刻t31bにおいて実測温度Trが目標温度T*に到達したことを契機として、目標温度T*を温度Tw1よりも更に高い温度Tw2に再設定する。図8ではこのような目標温度T*の再設定を、ステップS24からステップS23へと向かう波線の矢印で示している。
時刻t31b以降も実測温度Trは更に上昇する。室内指数Prが−0.5以上となっても実測湿度Hrが閾値(Hd−δ3)よりも大きくなるまでは実測温度Trは上昇させる。後で実測温度Trを所望温度Tdまで低下させるので、そのような実測温度Trにあっても室内の快適性を担保するためである。図9では時刻31bよりも前に室内指数Prが−0.5以上となっている場合が例示されている。
また湿度制御運転部13の加湿運転により、実測湿度Hrは低下から上昇に転じ、時刻t32aにおいて閾値(Hd−δ3)に到達し、更に当該閾値を越える。これによりステップS24の判断が肯定的となり、ステップS25において目標温度T*が所望温度Tdに近づけられる処理が行われ、ステップS22へと処理が戻る。図9では実測温度Trが目標温度T*として採用されていた温度Tw2に到達する前に、ステップS25が実行される場合が例示されている。
実測温度Trが上昇し続けるとこれに伴って室内指数Prも上昇する。しかしながら室内指数Prは−0.5以上であれば過剰に大きくする必要はなく、また+0.5以上となればかえって快適性が損なわれる。そこで目標温度T*を所望温度Tdへ向けて低く変更し、電力消費の増大を抑制する。
図9では、第3の実施の形態と類似して、目標温度T*を時刻t32aにおいて温度Tw2から温度Tw1へと低下させた後、更に時刻t32bにおいて温度Tw1から目標温度Tdへと低下させている。このように目標温度T*を段階的に低下させることにより、目標温度T*の急激な変動、ひいては実測温度Trの急激な変動によって快適性が失われる事態を回避する。
時刻t33において実測温度Trが目標温度T*たる所望温度Tdに到達し、その後は温度制御運転部12の周知の温度調整動作によってそれ以下には実測温度Trは低下せず、ほぼ所望温度Tdをとり続ける。他方、時刻t33以降も加湿動作は継続しており、実測湿度Hrは上昇し続け、時刻t34において所望湿度Hdに到達する。これにより実測温度Trが所望温度Td近傍で維持されて、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されることとなり、加湿運転が停止される。よって時刻t34から時間帯BEが再開する。このようにして、迅速に快適性が回復した後、電力消費が低減される。
本実施の形態においては目標温度T*の上昇/下降のいずれも段階的に行っているが、いずれか一方のみを段階的に行ってもよいし、段階的にすることは必須ではない。
また、上述の例では、図8に示したステップS22、S24のいずれにも同じ値δを採用したが、二つのステップの間で値δを異ならせてもよい。
第6の実施の形態.
本実施の形態では、目標温度T*として所望温度Tdが採用され、実測温度Trが所望温度Td近傍で維持されて、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されている状態から、外乱により、実測湿度が所望湿度よりも所定値以上に上昇した場合の冷房運転について説明する。
具体的には、快適性が維持されている状態において、調理等の高温多湿の空気が室内で単発的に発生して快適性が維持されなくなった場合に、快適性を回復する冷房運転について説明する。
本実施の形態において図8のステップS21は、温度制御運転として冷房運転が続行されていることを示している。この状況は図10では外乱が発生する時刻tEよりも前の状態として示され、目標温度T*として所望温度Tdが採用され、実測温度Trが所望温度Td近傍で維持され、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されている。
一般に冷房運転において実質的な除湿能力は温度制御の能力よりも低く、外乱は実測温度Trよりも実測湿度Hrに大きな影響を与える。よって実測温度Trはほぼ所望温度Tdを維持する一方、時刻tE以降で実測湿度Hrが上昇し始める。よって実測湿度Hrの変動を補償する方向に実測温度Trを変動させ、快適性の悪化が進行することを抑制する。
図10において、実測湿度Hrは時刻t61aにおいて、所望湿度Hdよりも所定値δ6高い湿度(Hd+δ6)に到達する。これを契機として目標温度T*は所望温度Tdよりも低い温度Tc1に変更する。つまり、実測湿度Hrが所望湿度Hdから上昇方向に乖離したことによる快適性への影響を、実測温度Trを下降方向に変化させることで補償するのである。
図8でこの動作を説明すると、ステップS22において実測湿度Hrと所望湿度Hdとの差の絶対値が所定値δ以上であるか否かが判断される。本実施の形態に即して言えば、値δは上述の所定値δ6を示す。冷房運転においては実測湿度Hrが所望湿度Hd以上であるので、ステップS22の判断は、上述した実測湿度Hrが閾値(Hd+δ6)に到達したか否かを判断することとなる。
所定値δ6は、実測湿度Hrが閾値(Hd+δ6)を、実測温度Trが所望温度Tdを採るときに室内指数Prが+0.5となるように設定される。つまり実測湿度Hrが閾値(Hd+δ6)に到達したか否かは室内の快適性が保たれているか否かを示すことになる。
そして図10で時刻t61aとして示された時点でステップS22における判断結果が肯定的となり、ステップS23へと処理が進む。ステップS23では目標温度T*が温度Tc1へと変更される。
このように目標温度T*を下げることによって温度制御運転部12の実質的な除湿能力が向上し、実測湿度Hrの上昇は緩慢となる。また目標温度T*が温度Tc1に変更されることにより、実測温度Trが下降する。よって室内指数Prは上昇から下降に転じる。
実測湿度Hrが閾値(Hd+δ6)よりも高い間は、実測温度Trを下降させ、早期に快適性を回復させることが望ましい。よって、ステップS24では実測湿度Hrと所望湿度Hdとの差の絶対値が所定値δ未満であるか否かを判断し、当該判断の結果が否定的であれば目標値を更新させずに冷房運転を継続させる。
但し、図10では、第5の実施の形態と同様にして、より早急に実測温度Trを下降させるため、時刻t61bにおいて実測温度Trが目標温度T*に到達したことを契機として、目標温度T*を温度Tc1よりも更に低い温度Tc2に再設定する。上述したように、図8ではかかる再設定を、ステップS24からステップS23へと向かう波線の矢印で示している。
時刻t61b以降も実測温度Trは更に下降する。室内指数Prが+0.5以下となっても実測湿度Hrが閾値(Hd+δ6)よりも小さくなるまでは実測温度Trは下降させる。後で実測温度Trを所望温度Tdまで増大させるので、そのような実測温度Trにあっても室内の快適性を担保するためである。図10では時刻61bよりも前に室内指数Prが+0.5以下となっている場合が例示されている。
また温度制御運転部12の実質的な除湿運転により、実測湿度Hrは上昇から下降に転じ、時刻t62aにおいて閾値(Hd+δ6)に到達し、更に当該閾値を越える。これによりステップS24の判断が肯定的となり、ステップS25において目標温度T*が所望温度Tdに近づけられる処理が行われ、ステップS22へと処理が戻る。図10では実測温度Trが目標温度T*として採用されていた温度Tc2に到達する前に、ステップS25が実行される場合が例示されている。
実測温度Trが下降し続けるとこれに伴って室内指数Prも下降する。しかしながら室内指数Prは+0.5以下であれば過剰に小さくする必要はなく、また−0.5以下となればかえって快適性が損なわれる。そこで目標温度T*を所望温度Tdへ向けて高く変更し、電力消費の増大を抑制する。
図10では、第4の実施の形態と類似して、目標温度T*を時刻t62aにおいて温度Tc2から温度Tc1へと増大させた後、更に時刻t62bにおいて温度Tc1から目標温度Tdへと増大させている。このように目標温度T*を段階的に増大させることにより、目標温度T*の急激な変動、ひいては実測温度Trの急激な変動によって快適性が失われる事態を回避する。
時刻t63において実測温度Trが目標温度T*たる所望温度Tdに到達し、その後は温度制御運転部12の周知の温度調整動作によってそれ以上には実測温度Trは上昇せず、ほぼ所望温度Tdをとり続ける。他方、時刻t63以降も実質的な除湿動作は継続しており、実測湿度Hrは下降し続け、時刻t64において所望湿度Hdに到達する。これにより実測温度Trが所望温度Td近傍で維持されて、実測湿度Hrが所望湿度Hd近傍で維持されることとなり、実質的な除湿動作も停止される。よって時刻t64から時間帯BEが再開する。このようにして、迅速に快適性が回復した後、電力消費が低減される。
なお、本実施の形態でも第2の実施の形態と同様に再熱除湿運転を採用し、除湿機能を維持してもよい。また冷房ドライ運転、除湿冷房運転を採用してもよい。但し本実施の形態では、実測温度を維持するときのみならず、実測温度を低下、上昇させるときにも再熱除湿運転を採用してもよい。
本実施の形態及び第5の実施の形態においては目標温度T*の上昇/下降のいずれも段階的に行っているが、いずれか一方のみを段階的に行ってもよいし、段階的にすることは必須ではない。また、図8に示したステップS22、S24のいずれにも同じ値δを採用したが、二つのステップの間で値δを異ならせてもよい。
また各実施の形態において快適性がある範囲として室内指数Prの範囲を−0.5以上+0.5以下以外の範囲に設定してもよい。ユーザーそれぞれの快適性に適合させるための自由度を持たせることが望ましいからである。
冷房運転時の温度や湿度の制御としては、いわゆる再熱除湿機能を用いても良い。再熱除湿機能は、冷房運転において、室内熱交換器で冷却除湿した空気を、室内温度付近まで再び加熱して室内に送風するものである。
この再熱除湿機能は、室内膨張弁より上流側の室内機内に再熱器を設けることにより実現される。つまり、室外熱交換器と再熱器をそれぞれ凝縮器として作用させることになるので、室内熱交換器で冷却除湿した空気を、再熱器で熱交換により室内温度付近まで再加熱するようにしている。
再熱除湿の冷媒回路の構成としては、例えば、特開2003−172557号公報、特開2006−064257号公報、特開2006−145204号公報、特開2008−075924号公報などに開示されるような、周知の構成を用いることができる。
以下、空気調和機10の具体的構成を例示的に説明する。図13は空気調和機10として採用できる空気調和機1を示す外観図である。空気調和機1は、主として、室内の壁面に取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とから構成されており、室外機2および室外機3は専用の通信線を用いて信号の授受を行っている。
室外機3は、室外空調ユニット5と、加湿ユニット4とから構成されている。室外空調ユニット5は温度制御運転部12の機能を担い、加湿ユニット4は湿度制御運転部13における加湿機能を担う。
室外空調ユニット5は、冷媒配管31,32を介して室内機2と接続されており、室外空調ユニット5と室内機2とは後述する冷媒回路を構成する。加湿ユニット4は、給気管6を介して室内機2と接続されており、加湿ユニット4に取り込まれた外気は給気管6を通って室内機2へと送られる。
空気調和機1は、各種の運転モード、例えば、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、および省エネ自動運転モード等を備え、ユーザーからの要求に応じた快適な室内環境を生成する。
本実施形態において、省エネ自動運転モードとは、快適性を十分に得ることができ、かつ、省エネルギー効率のよい制御が行われるように、目標温度値、目標湿度値、風向き、および風量等が予め定められているモードである。
省エネ自動運転モードは、冷房期または暖房期に応じて予め定められた目標温度値および目標湿度値等で空気調和機1を制御する。なお、冷房期では除湿運転または冷房運転(除湿冷房運転)が行われ、暖房期では、暖房運転(加湿暖房運転)が行われる。
図14に、室内機2および室外空調ユニット5の冷媒回路図を示す。また図15に、空気調和機1の制御ブロック図を示す。以下、図14および図15を用いて、室内機2と、室外空調ユニット5の構成について説明する。
室内機2は、主として、室内熱交換器21と、クロスフローファン22と、室内ファンモータ23と、を備える。室内熱交換器21は、長手方向両端で複数回折り返されてなる伝熱管と、伝熱管が挿通される複数のフィンとからなり、接触する空気との間で熱交換を行う。
室内熱交換器21は、冷房運転時には蒸発器として機能し、室内熱交換器21に接触した室内の空気の温度を低下させる。また、室内熱交換器21に接触した空気中の水分は水滴となり室内熱交換器21の下方に設けられたドレンパン(図示せず)に滴下する。そのため、室内に排出される空気の湿度も低下する。一方、暖房運転時には、室内熱交換器21は凝縮器として機能する。これにより、室内熱交換器21に接触して暖められた空気が室内に送られる。
クロスフローファン22は、円筒形状に構成され、周面には多数の羽根が設けられている。クロスフローファン22は、回転軸と交わる方向に空気流を生成し、室内の空気を室内機2内に吸い込ませるとともに、室内熱交換器21との間で熱交換を行った空気を室内に吹き出させる。
クロスフローファン22は室内ファンモータ23によって回転駆動される。室内ファンモータ23は後述する制御部8と接続されており、制御部8からの制御信号に応じて動作する。
なお、室内機2には、各種センサが取り付けられている。各種センサには、吸込み温度センサ25や室内湿度センサ26などが含まれる。吸込み温度センサ25は室内温度センサ16の機能を、室内湿度センサ26は室内湿度センサ15の機能を、それぞれ担う。
吸込み温度センサ25は、室内機2に吸込まれる室内の空気の温度を検知し、室内湿度センサ26は、室内の湿度を検知する。ここで室内湿度センサ26が検知する湿度は相対湿度である。図15に示すように、吸込み温度センサ25および室内湿度センサ26はそれぞれ制御部8に接続されており、吸込み温度センサ25および室内湿度センサ26で検知された値は制御部8に送られる。
室外空調ユニット5には、主として、圧縮機51と、プロペラファン52と、室外ファンモータ53と、室外熱交換器54と、四路切換弁55と、電動弁56と、液側閉鎖弁57と、ガス側閉鎖弁58とが設けられている。
圧縮機51は、インバータ制御によって能力調整が可能な機械であり、低圧のガス冷媒を吸い込み、吸い込んだガス冷媒を圧縮して高圧のガス冷媒にして吐出する。
プロペラファン52は、室外ファンモータ53により回転駆動され、外気をケーシング内に吸い込む。
室外熱交換器54は、室外熱交換器54の内部を流れる冷媒と、プロペラファン52により室外空調ユニット5内に吸い込まれた外気との間で熱交換を行わせる。室外熱交換器54は、その一端に四路切換弁55が接続され、他端には電動弁56が接続されている。
四路切換弁55は、冷房/暖房モードに基づき、冷媒回路を切り換える。室外熱交換器54内を流れる冷媒は、冷房モードの運転時(四路切換弁55が実線の状態にある場合)には放熱し、暖房モードの運転時(四路切換弁55が破線の状態にある場合)には吸熱する。
電動弁56は、弁の開度を変動させて室外熱交換器54に流れる冷媒の量を制御する。液側閉鎖弁57およびガス側閉鎖弁58は、冷媒回路の開閉を行う。
室外ファンモータ53、圧縮機51、四路切換弁55、電動弁56、液側閉鎖弁57、およびガス側閉鎖弁58等は、図15に示すように、制御部8と接続されており、制御部8からの制御信号に応じて動作する。
さらに、室外空調ユニット5には、図15に示すような外気温センサ59を含む各種センサが備えられている。外気温センサ59は、外気温を検知する。外気温センサ59は、後述する制御部8に接続されており、外気温センサ59で検知された値は制御部8に送られる。
次に、加湿ユニット4の構成について説明する。加湿ユニット4は、室外から取り込まれた空気を加湿して室内へと供給する。加湿ユニット4は、図14に示すように、主として、吸加湿ロータ41と、ロータ駆動モータ42と、ヒータ43と、ラジアルファン44と、ラジアルファンモータ45と、吸着用ファン46と、吸着用ファンモータ47と、を備えている。
吸加湿ロータ41は、概ね円板形状を有するハニカム構造のセラミックロータであり、空気が容易に通過できる構造となっている。吸加湿ロータ41には、ゼオライト、シリカゲル、あるいはアルミナ等の吸着剤が担持されている。これにより、吸加湿ロータ41は、接触する空気中に含まれる水分を吸着し、加熱によって水分を離脱する。吸加湿ロータ41は、ロータ駆動モータ42により回転駆動される。
ヒータ43は、加湿時に、室外から取り込まれて吸加湿ロータ41へ送られる空気を加熱する。
ラジアルファン44は、吸加湿ロータ41の側方に配置されており、ラジアルファンモータ45により駆動される。ラジアルファン44は、室外の空気を加湿ユニット4内に導入し、室内へ送られる空気の流れ(図14のA1)を生成する。
ラジアルファン44によって生成される空気の流れは、給気口40aから加湿ユニット4内に導入され、吸加湿ロータ41を通過した後、給気管6を介して室内機2へと送られる。吸着用ファン46は、吸着用ファンモータ47によって回転駆動される。
吸着用ファン46は、吸込み口40bから加湿ユニット4のケーシング内に吸込まれた空気を、吹出し口40cからケーシング外に排出するように空気の流れを生成する(図14のA2)。吸着用空気の吸込み口40bから吸込まれた空気は、吸加湿ロータ41によって水分が吸着され、その後吹出し口40cから室外に排出される。
なお、図15に示すように、ロータ駆動モータ42、ヒータ43、ラジアルファンモータ45、および吸着用ファンモータ47は、後述する制御部8に接続されており、制御部8からの制御信号に応じて動作する。すなわち、加湿が必要な場合には、ヒータ43をオンにし、給気口40aから取り込んだ空気をヒータで熱する。ヒータで熱された空気は、吸加湿ロータ41から離脱した水分を含んで給気管6へと送られる。
次に、空気調和機1の制御を行う制御部8について、図15を用いて説明する。制御部8は目標温度設定部11、室内環境設定部14、総合制御部17の機能を担う。
制御部8は、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータであって、室内機2や、室外機3に含まれる室外空調ユニット5および加湿ユニット4に配置される電装品箱等に分かれて設けられている。制御部8には、室内機2、室外空調ユニット5、および加湿ユニット4の各機器が接続されており、制御部8は、これらの機器との間で信号の授受を行う。
制御部8は、主として、受付部8a、調整部8bと、検出部8cと、判断部8dとを有する。
受付部8aは、図13で示す受信部24で受信した利用者からの要求を受け付ける。詳細には、受付部8aは、利用者によってリモートコントローラ(図示せず)で設定された運転モード、温度、湿度、風向き、および風量等の要求を受信部24を介して受け付ける。室内環境設定部14への所望温度Td、所望湿度Hdの入力は、このリモートコントローラや受信部24を介して行うことも可能である。
調整部8bは、受付部8aで受け付けた利用者の要求に応じて、温度、湿度、風向き、および風量を調整する。詳細には、設定された運転モード、温度、湿度、風向き、および風量に基づき、目標値を設定する。
例えば、受付部8aで受け付けた運転モードが、暖房運転モード、冷房運転モード、または除湿運転モードであった場合には、利用者が所望する温度、湿度、風向き、および風量を目標値として空気調和機1の制御が行われる。
すなわち、調整部8bが設定した目標値に応じて、室外空調ユニット5に備えられた圧縮機51の周波数、電動弁56の開度、フラップ(図示せず)の角度、および室内ファンモータ23の回転数等が変動し、さらに、加湿ユニット4に備えられたヒータ43のON/OFF制御、ロータ駆動モータ42等の制御が行われる。
このようにして、温度、湿度、風向き、風量の調節を行い、室内環境は利用者が設定した温度等になるよう空気調和機1は制御される。
一方、受付部8aで受け付けた運転モードが、省エネ自動運転モードであった場合には、調整部8bは、省エネルギー性および快適性が確保できるように予め設定された温度、湿度、風量、風向き等を目標値として設定する。
目標値は、暖房期または冷房期でそれぞれ設定され、吸込み温度センサ25で検知された室温と、外気温センサ59で検知された外気温とに基づいて、暖房運転または冷房運転のいずれを行うかが決定される。但し、上述のように、所望温度Tdについては目標温度T*も設定される。
なお、制御部8はタイマー(図示せず)を備え、タイマーで計測する所定時間毎に外気温および室温を検知し、検知した外気温および室温に応じて省エネ自動運転モードの暖房運転または冷房運転の見直しを行う。
また、快適性を確保するために、指数PMVが0付近になるような温度を調整部8bが所望温度として設定する。
なお、省エネルギー運転を実現するために、調整部8bは所望温度を、暖房時には0.5℃低下させ、冷房時0.5℃上昇させて補正してもよい。
詳細には、省エネ自動運転モードが選択された場合の暖房運転では、室温22.5℃、湿度50%において指数PMVが最も快適性ある値を示す場合、調整部8bが所望温度として22.0℃を、所望湿度として50%を、それぞれ設定する。反対に、冷房運転では、室温27.5℃、湿度50%において指数PMVが最も快適性ある値を示すとすると、省エネ自動運転モードが選択された場合には調整部8bは、所望温度として28.0℃を、所望湿度として50%を、それぞれ設定する。
上述の各実施の形態においては省エネ自動運転モードを採用しない場合を例にとって説明したので、実測温度Tr、実測湿度Hrがそれぞれ所望温度Td、所望湿度Hdを採ったときの指数PMVは値0を採っている。
調整部8bが目標値(所望温度Tdを含む)を設定すると、室内機2、室外空調ユニット5、および加湿ユニット4の各機器に制御信号を出力し、各機器が当該目標値に応じた動作を開始する。
さらに、調整部8bは、後述する判断部8dによる判断結果に基づき、目標温度値T*も設定する。詳細については、判断部8dの説明の際に併せて説明する。
検出部8cは、吸込み温度センサ25および室内湿度センサ26で得られた値を検出する。
判断部8dは、検出部8cで検出した値が上述の所望温度および所望湿度に達したか否かを判断する。なお、省エネ自動運転モードが選択されている場合に、検出部8cで検出される吸込み温度センサ25の値が所望温度に達していると判断されたにもかかわらず、室内湿度センサ26の値が所望湿度に達していないと判断された場合には、調整部8bが所望温度を1℃補正する。すなわち、暖房運転時には所望温度を1℃上昇させ、冷房運転時には所望温度を1℃低下させる。詳細には、暖房運転時には、先に設定した目標温度値である22.0℃を23.0℃に補正し、冷房運転時には先に設定した目標値である28.0℃を27.0℃に設定する。このように所望温度を補正することで、湿度が変動し、室内環境の快適性を早期に確保することができる。
11 目標温度設定部
12 温度制御運転部
13 湿度制御運転部
14 室内環境設定部

Claims (6)

  1. 空気調和の対象となる室内の所望温度(Td)及び所望湿度(Hd)を設定する室内環境設定部(14)と、
    前記所望温度と、前記所望湿度及び前記室内の実測湿度(Hr)とに基づいて、前記空気調和の運転における目標温度(T*)を設定する目標温度設定部(11)と、
    前記目標温度に基づいて前記室内の温度制御運転を行う温度制御運転部(12)と
    を備え、
    前記目標温度設定部は、
    前記目標温度として前記所望温度が採用され、前記室内の実測温度(Tr)が前記所望温度近傍で維持されて、前記実測湿度が前記所望湿度近傍で維持されている状態から、前記実測湿度が前記所望湿度よりも第1所定値(δ3,δ6)以上で第1方向に乖離したことを契機として、前記目標温度を前記所望温度よりも第2方向に向けて変更し(S22,S23)、
    前記目標温度が前記所望温度よりも前記第2方向へと乖離する状態において、前記実測湿度と前記所望湿度との乖離が第2所定値(δ3,δ6)以内に収まったことを契機として、前記目標温度を第1方向に向けて変更し(S24,S25)、
    前記第1方向と前記第2方向とは反対の方向である、空気調和機。
  2. 前記温度制御運転が暖房運転であり、前記第1の方向及び前記第2の方向はそれぞれ下降方向及び上昇方向である、請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記温度制御運転が冷房運転または除湿運転であり、前記第1の方向及び前記第2の方向はそれぞれ上昇方向及び下降方向である、請求項1記載の空気調和機。
  4. 前記所望湿度に基づいて湿度制御運転を行う湿度制御運転部(13)
    を更に備え、
    前記実測湿度(Hr)が前記所望湿度(Hd)よりも低い場合には、前記湿度制御運転部が加湿運転を行い、前記室内の実測温度(Tr)が前記所望温度(Td)よりも低い場合には、前記温度制御運転部が前記温度制御運転として暖房運転を行う、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の空気調和機。
  5. 前記実測湿度(Hr)が前記所望湿度(Hd)よりも高い、あるいは、前記室内の実測温度(Tr)が前記所望温度(Td)よりも高い場合には、前記温度制御運転部が前記温度制御運転として冷房運転を行う、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の空気調和機。
  6. 前記目標温度の変更は段階的に行われる、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の空気調和機。
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